JP2013168547A - Iii族窒化物半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保護膜80は、素子分離溝70側面70bに露出する半導体層43側面のうち、n型層43の発光層12近傍からp型層41にわたる領域と、素子分離溝70底面70aである接合層20上と、に連続して膜状に形成されている。それ以外のn型層43側面は保護膜80に覆われていない。n電極50は、保護膜80に覆われず露出したn型層43側面に接して形成されていて、n型層43表面の上部には位置していない。光取り出し面であるn型層43表面には光取り出しを阻害するものがないので、光取り出し効率の向上が図られている。
【選択図】図1
Description
まず、サファイア基板90を用意し、サーマルクリーニングを行ってサファイア基板90表面の不純物を除去する。そして、サファイア基板90上に、AlNからなるバッファ層(図示しない)を介してMOCVD法によってIII 族窒化物半導体からなるn型層43、活性層42、p型層41を順に積層させ、半導体層40を形成する(図2.A)。MOCVD法において用いる原料ガスは、窒素源として、アンモニア(NH3 )、Ga源として、トリメチルガリウム(Ga(CH3 )3 )、In源として、トリメチルインジウム(In(CH3 )3 )、Al源として、トリメチルアルミニウム(Al(CH3 )3 )、n型ドーピングガスとして、シラン(SiH4 )、p型ドーピングガスとしてシクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C5 H5 )2 )、キャリアガスとしてH2 、N2 である。成長基板としてサファイア基板90以外にも、SiC、ZnO、スピネル、などの基板を用いることができる。
次に、p型層41上であって素子外周部を除いた領域に、スパッタ法によってp電極30を形成する。他に蒸着法を用いてもよい。さらにp電極30上に接合層20を形成する(図2.B)。なお、p電極30と接合層20との間に、接合層20を構成する金属元素がp電極30やp型層41に拡散するのを防止するために、拡散防止層を形成しておくことが望ましい。拡散防止層には、Ti/Ni/AuなどのTi/Niを含む多層膜や、W/Pt/AuなどのW/Ptを含む多層膜を用いることができる。
次に、支持体10を用意し、接合層20を介して、支持体10とp電極30を接合する(図2.C)。この際、支持体10の一方の表面にも接合層20を形成し、支持体10の接合層20とp電極30上の接合層20とを合わせて加熱プレスすることで接合している。
そして、レーザーリフトオフにより、サファイア基板90を分離除去する(図2.D)。すなわち、サファイア基板90側から、サファイアは透過しIII 族窒化物半導体では吸収される波長のレーザー光(たとえばKrFなどのエキシマレーザ)を照射し、サファイア基板90と半導体層40との界面近傍の半導体層40を分解することで、半導体層40からサファイア基板90を剥離して除去する。
次に、n型層43表面側(発光層42側とは反対側の面)から、そのn型層43表面の素子分離する領域をRIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングによってエッチングし、半導体層40を貫通して接合層20に達する深さの素子分離溝70を形成する(図2.E)。素子分離溝70は、ドライエッチングの他、KOHなどによるウェットエッチングやレーザー光照射によって形成してもよい。
次に、CVD法やスパッタを用いて、素子分離溝70側面70bに露出したn型層43側面の発光層42近傍の領域からp型層側面、および素子分離溝70底面70aに露出した接合層20に連続した膜状の保護膜80を形成する(図2.F)。このようなパターンに保護膜80を形成することで、n型層43側面の発光層42近傍の領域からp型層側面にかけて保護膜80で覆われ、p型層41とn型層43との間での電流のリークやショートが防止されるとともに、n型層43側面の発光層42近傍以外の領域は保護膜80に覆われずに露出したままとなり、後工程でn電極50が接触する領域となる。
次に、n型層43表面をTMAH水溶液によってウェットエッチングし、n型層43表面に凹凸形状44を形成する(図2.G)。このウェットエッチングにはTMAH以外にもKOHやNaOH、リン酸などを用いることもできる。
次に、凹凸形状44の形成されたn型層43表面の全面に、透明電極60をスパッタによって形成する(図2.H)。なお、透明電極60の形成は、凹凸形状44の形成後であれば、素子分離溝70形成工程や保護膜80形成工程の前に行うようにしてもよい。また、透明電極60の形成にはスパッタ以外にも蒸着などによって形成してもよい。
次に、スパッタまたは蒸着とリフトオフ法を用いて、保護膜80に覆われずに露出したn型層43側面、および保護膜80上に連続した領域に、透明電極60に接するようにしてn電極50を形成する(図2.I)。
半導体層40の形成工程後、半導体層40のpn分離する領域を、p型層41表面からn型層43に達するまでドライエッチングする。これにより、半導体層40を各素子ごとにpn分離する第1素子分離溝270Aを形成する(図6.A)。
次に、CVD法やスパッタとフォトリソグラフィを用いて、第1素子分離溝270A側面270Abおよび底面270Aaに沿って膜状に保護膜280を形成する(図6.B)。p型層41表面には保護膜280を形成せず、露出した状態とする。
次に、p型層41上にp電極30を形成し、接合層20を介して支持体10とp電極30を接合し、レーザーリフトオフによりサファイア基板90を除去する(図6.C)。これらの工程は実施例1の場合と同様であり、詳細は省略する。
次に、素子分離する領域(平面視で第1素子分離溝270Aと重なる領域)を、レーザーリフトオフにより露出したn型層43表面側から保護膜280に達するまでドライエッチングし、第2素子分離溝270Bを形成する(図6.D)。この第2素子分離溝270Bと第1素子分離溝270Aとにより半導体層40は貫通し、各素子ごとに分離される。
次に、n型層43表面をTMAH水溶液によってウェットエッチングし、n型層43表面に凹凸形状44を形成する(図6.E)。なお、凹凸形状44の形成は、レーザーリフトオフ工程後、第2素子分離溝270Bの形成前に行ってもよい。
次に、透明電極260をスパッタによって、凹凸形状44の形成されたn型層43表面の全面、第2素子分離溝270B側面270Bbに露出したn型層43側面、および第2素子分離溝270B底面270Baに露出した保護膜280上に連続する膜状に形成する(図6.F)。なお、透明電極260の形成は、凹凸形状44の形成後であれば、第2素子分離溝270Bの形成前に行ってもよい。
次に、スパッタまたは蒸着とリフトオフ法を用いて、透明電極260を挟んで第2素子分離溝270B側面270Bbにあたる領域、および保護膜280上に連続した領域に、透明電極60に接するようにしてn電極250を形成する(図6.G)。
20:接合層
30:p電極
40:半導体層
41:p型層
42:発光層
43:n型層
50、150、250:n電極
60、160、260:透明電極
70、270:素子分離溝
80、90、280:保護膜
270A:第1素子分離溝
270B:第2素子分離溝
Claims (10)
- 導電性の支持体と、前記支持体上に位置する第1電極と、前記第1電極上に順に位置するIII 族窒化物半導体からなる第1伝導型の第1層、発光層、前記第1伝導型とは反対の伝導型の第2伝導型の第2層である半導体層と、を有するIII 族窒化物半導体発光素子において、
前記発光層を各素子ごとに分断する素子分離溝と、
前記素子分離溝側面に露出した前記第2層側面の少なくとも一部領域に形成され、前記第2層上には形成されていない第2電極と、
を有することを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。 - 前記素子分離溝側面に露出する前記半導体層側面のうち、前記第2層の一部領域から前記第1層に連続して形成され、前記第1層と前記第2層間の短絡を防止する絶縁性の第1保護膜をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
- 前記素子分離溝は、前記半導体層の外周を貫通していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
- 前記素子分離溝は、
前記第1層の前記発光層側とは反対側の表面から、前記第2層に達する深さの第1素子分離溝と、
前記第2層の前記発光層側とは反対側の表面から、前記第1素子分離溝に達する深さの第2素子分離溝と、
によって構成されていて、
第1素子分離溝側面に、前記第1層と前記第2層間の短絡を防止する絶縁性の第1保護膜を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。 - 前記第2層の前記発光層側とは反対側の表面と、前記半導体層側面のうち前記第2層が露出した領域とに連続して形成された透明電極をさらに有し、
前記第2電極は、前記透明電極を介して前記第2層側面に接触する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。 - 前記第2層の前記発光層側とは反対側の表面に形成され、前記第2電極に接続された透明電極をさらに有し、
前記第2電極は、前記第2層側面に直接接触する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。 - 前記第2層の前記発光層側とは反対側の表面に形成された、絶縁性の第2保護膜をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。 - 前記第2層の前記発光層側とは反対側の表面に凹凸形状が形成されている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
- 前記第1伝導型はp型、前記第2伝導型はn型であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
- 成長基板上にIII 族窒化物半導体からなる前記第2層、前記発光層、前記第1層を順に形成して前記半導体層を形成し、前記第1層上に前記第1電極を形成し、前記第1電極と前記支持体とを接合した後、基板リフトオフによって前記成長基板を除去する工程を有した請求項4に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
前記第1層の形成後、前記第1電極の形成前に、前記第1素子分離溝を形成してpn分離する第1素子分離溝形成工程と、
前記第1素子分離溝形成工程後、前記第1電極の形成前に、前記第1素子分離溝の側面を覆うようにして前記第1保護膜を形成する第1保護膜形成工程と、
前記成長基板の除去後、前記第2素子分離溝を形成して前記半導体層を貫通させ、前記半導体層を各素子ごとに分離させる第2素子分離溝形成工程と、
前記第2素子分離溝形成工程後、前記第2素子分離溝によって露出した前記第2層側面に前記第2電極を形成する第2電極形成工程と、
を有することを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
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