JP2013167558A - セシウム移動抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌中の放射性セシウムの移動を抑制するための資材及びこれを使用する移動抑制方法を提供する。
【解決手段】トバモライト、ゾノトライト、及びカルシウム珪酸塩水和物等の活性多孔質珪酸カルシウム鉱物を有効成分として含有するセシウム移動抑制剤であり、このセシウム移動抑制剤は、活性多孔質珪酸カルシウム鉱物と共にゼオライト又は活性珪酸塩ガラス粉末を有効成分として含有してもよい。このセシウム移動抑制剤を土壌中に混合することにより、セシウムの作物への移動や地下の下層への移動を抑制することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、土壌中の放射性セシウムの移動を抑制するための資材及びこれを使用する移動抑制方法に関する。
原子力発電所等の事故で排出される放射性物質は多数あるが、Cs137はその半減期が長く、放射性物質の主成分であることから、その除去が強く望まれている。また、放射性物質で汚染された田畑については、ここから生産される作物に移動すると食品汚染の問題が生じる。更に、Cs137で高濃度に汚染された土壌や焼却灰についても、その保管中に水に触れて移動しないことが望まれている。
セシウムはアルカリ金属であるため、水溶性が高く、これを不溶化する薬剤は少ないか、高価である。現在知られているセシウムの吸着材としては、フェロシアン酸塩のような鉄のシアノ錯体やゼオライトがあるが、処理すべき土壌が膨大であると、その入手が困難であるとか、長期間の土壌中の安定性等に不安がある。
特表2000−512759号公報 特開2001−133594号公報 特開平5−254828号公報 特開2009-294017号公報 特開2009-285635号公報
特許文献1は、遷移元素のヘキサシアノ鉄酸塩を使用することを開示する。ヘキサシアノ鉄酸塩を用いたセシウムのイオン交換は次式で表されるとしている。Axy[MFe(CN)6]+2Cs ⇔ Cs2[MFe(CN)6]+xA++yM2+(ここで、x+y/2=2)
特許文献2は、原子炉冷却水の浄化ラインに設けられる脱塩用イオン交換樹脂塔の上流側において、この冷却水に含まれるセシウム等の陽イオンを選択的に吸着し得る吸着剤によって、放射性核種を吸着し除去することを開示し、この吸着剤として、チタン酸塩、含水酸化チタン又はフェロシアン化物を使用することを開示する。
特許文献3は、吸着工程で不溶性フェロシアン化物からなる吸着体とセシウム含有水溶液を接触させてセシウムを吸着させ、脱着工程でセシウムを吸着した当該不溶性フェロシアン化物を酸化力のある脱着剤溶液と接触させて不溶性フェリシアン化物に変化させることによりセシウムを脱着、回収し、生成する不溶性フェリシアン化物を再生剤溶液と接触させることにより不溶性フェロシアン化物に転換しするセシウムの回収法を開示する。
上記特許文献1はフェロシアン化物として、遷移元素のヘキサシアノ鉄酸塩を使用するが、一般的な試薬等として入手が容易なフェロシアン化カリウム又はナトリウムのようなフェロシアン化塩が使用可能であれば望ましいことである。しかし、このようなフェロシアン化塩は、セシウムを吸着又は沈殿させる能力、又は分離する能力は劣る。
特許文献4は放射性物質の処理方法として焼却灰のセメント固化法などがあることを紹介するが、焼却灰中にアルカリを含むと固化体が膨張破壊されるため、ハロゲン化物からなる安定化剤を配合することを教える。
特許文献5はリンを含む排水処理にケイ酸カルシウム水和物を使用することを教えるが、これがセシウム等のアルカリイオンの吸着、固化に有用であることを示唆するものはない。
本発明は、入手容易な材料を使用して、汚染土壌中のセシウムを簡便に吸着又は沈殿させ、その移動を抑制することができるセシウムの移動抑制剤と、移動抑制方法提供する。
本発明者は、土壌中のセシウムの移動を効率よく抑制することができ、しかも多量に入手可能な抑制剤について種々研究を重ねた結果、一般に入手容易な活性多孔質珪酸カルシウム鉱物が有効であることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、活性多孔質珪酸カルシウム鉱物を有効成分として含有することを特徴とするセシウム移動抑制剤である。
活性多孔質珪酸カルシウム鉱物としては、トバモライト、ゾノトライト、及びカルシウム珪酸塩水和物(CSHゲル)から選ばれる一種又は二種以上が挙げられる。
また、上記活性多孔質珪酸カルシウム鉱物に加えて、ゼオライトを有効成分として配合したことを特徴とするセシウム移動抑制剤である。ここで、ゼオライトとしては、モルデナイト及びまたはチャバサイトを主成分とするゼオライトが適する。
また、上記活性多孔質珪酸カルシウム鉱物、ゼオライト又は両者に加えて、活性珪酸塩ガラス粉末を有効成分として配合したことを特徴とするセシウム移動抑制剤である。ここで、活性珪酸塩ガラス粉末として、黒曜石、パーライト、及びケイ酸カリウム肥料から選ばれる一種又は二種以上を主成分として含有するものが挙げられる。
また、本発明は上記のセシウム移動抑制剤を土壌中に混合することを特徴とする土壌中のセシウム移動抑制方法である。
本発明のセシウム移動抑制剤は、活性多孔質珪酸カルシウム鉱物を有効成分とするので、入手が容易であり、且つセシウム移動抑制効果が高い。したがって、放射性セシウムで多少汚染された土壌であっても作物の耕作が可能となったり、また高濃度に放射性セシウムを含有する土壌や廃棄物からの放射性セシウム流出を抑制することが可能となる。
セシウム移動抑制剤は、セシウムイオンを吸着又は沈殿等で固化又は不溶化する機能を有することが必要である。活性多孔質珪酸カルシウム鉱物は、かかる機能を有することが見出された。
活性多孔質珪酸カルシウム鉱物としては、トバモライト、ゾノトライト又はカルシウム珪酸塩水和物(CSHゲル)が適するが、多孔質であって、珪酸カルシウムを主成分とするものであれば、それ以外のものであってもよいが、結晶水又は水和水を有する鉱物であることが望ましい。ここで、活性とは多孔質の孔の多くが新鮮なことをいい、鉱物として取り出されたもの、又は合成されたものであればよい。数年以上放置したものや、高濃度の汚染物質と接触させたものは、活性点が失われているので、活性度が低い。しかし、このようなものであっても、それを粉砕することにより新たな孔が現れればそれが活性点となるので、活性と言える。また、多孔質の程度は、嵩比重で定義することができる。非多孔質の珪酸カルシウム鉱物の比重が2.0〜2.3であるとすると、0.7〜1.0の範囲のものが適する。この嵩比重は、珪酸カルシウム鉱物の100〜200メッシュの範囲を採取し、メスシリンダーに充填し、これを定法によって測定又は計算することにより求めることができる。空隙率としては、50〜90%のものであることがよい。活性多孔質珪酸カルシウム鉱物は、粉末として使用することが好ましく、粒径が0.05〜10mm、好ましくは0.1〜7mm、より好ましくは0.1〜5mmであることがよい。その粒度は10mm径以下、好ましくは1mm以下であることがよい。また、平均径(Median径)としては、100〜1000μm程度が好ましい。そして、全体の90重量%以上が上記範囲内にあることがより好ましい。
活性多孔質珪酸カルシウム鉱物は、合成品であるカルシウム珪酸塩水和物(CSHゲル)や建材に使用され珪カル板等であることができる。このカルシウム珪酸塩類は、珪酸質原料と石灰質原料とを主成分とするスラリーに、発泡剤として金属アルミニウム粉末添加して、オートクレーブにて水熱反応して得られる水和物又は成形物が挙げられ、空隙率が50〜90%のものであることがよい。その他、軽量気泡コンクリート板、ケイ酸カルシウム板の破砕物も使用可能である。好ましくは、トバモライト、ゾノトライト又はCSHゲルであり、これらを主成分として含有するものがよい。ここで、主成分として含有するとは、50wt%以上、好ましくは70wt%以上である。
また、建材として使用されるケイ酸カルシウム板又は軽量気泡コンクリート板は、解体工事などの際に大量に発生するので、これを有効利用することができれば更に有利である。建築物に使用された珪酸カルシウム板や軽量気泡コンクリート板は、その表面は活性ではないが、これを粉砕することにより、活性面があらわれ、活性多孔質ケイ酸カルシウム粒となる。
活性多孔質ケイ酸カルシウム鉱物は、セシウムの吸着力を有するものであればよいが、多孔質であって、酸と反応性が大きいものが好ましい。酸との反応性が低く活性度が低い結晶質の天然の珪灰石(ワラストナイト)や、セメント、モルタル、高炉スラグ、非鉄金属スラグ、フライアッシュ、コンクリート破砕物等はセシウムの吸着率が低いため、使用されない。
活性多孔質珪酸カルシウム鉱物は、セシウム移動抑制剤として優れるが、セシウムイオン吸着剤として知られているゼオライトと共に使用することにより、移動抑制剤としての効果が向上する。ゼオライトには、各種の鉱物があることが知られているが、いずれも使用可能である。しかし、モルデナイト及びまたはチャバサイトを主成分とするゼオライトはセシウム移動抑制剤としての機能がより優れる。ゼオライトも活性多孔質珪酸カルシウム鉱物と同様に、粉末として使用することが好ましく、その好ましい粒径も同様である。
活性多孔質珪酸カルシウム鉱物とゼオライトを組み合わせて使用する場合は、その割合は、活性多孔質珪酸カルシウム鉱物:ゼオライト(重量比)=9:1〜3:7の範囲が好ましい。
ゼオライトと同様に、活性珪酸塩ガラス粉末を有効成分として配合することができる。活性珪酸塩ガラス粉末としては、黒曜石、パーライト、又はケイ酸カリウム肥料が挙げられるが、これらに限定されない。ここで、活性の意味は活性多孔質珪酸カルシウム鉱物で説明したと同じであり、多孔質であることが好ましい。活性珪酸塩ガラス粉末も活性多孔質珪酸カルシウム鉱物やゼオライトと同様に、粉末として使用することが好ましく、その好ましい粒径も同様である。
活性珪酸塩ガラス粉末は、単独またはゼオライトと組み合わせて活性多孔質珪酸カルシウム鉱物と混合して使用することができる。
活性多孔質珪酸カルシウム鉱物と活性珪酸塩ガラス粉末を組み合わせて使用する場合は、その割合は、活性多孔質珪酸カルシウム鉱物:活性珪酸塩ガラス粉末(重量比)=9:1〜5:5の範囲が好ましい。活性多孔質珪酸カルシウム鉱物と、ゼオライト及び活性珪酸塩ガラス粉末を組み合わせて使用する場合は、その割合は、活性多孔質珪酸カルシウム鉱物と、ゼオライト及び活性珪酸塩ガラス粉末の合計(重量比)=9:1〜3:7の範囲が好ましい。ゼオライト及び活性珪酸塩ガラス粉末の割合(重量比)は、1:9〜9:1の範囲が好ましい。
活性多孔質珪酸カルシウム鉱物を使用せず、ゼオライトと活性珪酸塩ガラス粉末を組み合わせてセシウム移動抑制剤とすることも可能である。この場合、ゼオライト及び活性珪酸塩ガラス粉末の割合(重量比)は、2:8〜8:2の範囲が好ましい。
本発明のセシウム移動抑制剤は、放射性セシウムで汚染された土壌と混合されて使用される。土壌に対する混合割合は、土壌の汚染度によって変化するが、土壌の表層のみ(深さ10cm程度)が僅かに汚染されている耕作地等の土壌に対しては、0.1〜10kg/m2程度が適する。高濃度に汚染されている土壌や焼却灰をまとめて保管する場合は、雨水等により地下や周囲に拡散しないようにするため、0.1〜10kg/t程度が適する。土壌に対しては、セシウム移動抑制剤を上記の量をすきこむなどして、一旦混合すれば、新たな放射性セシウムの堆積がない限り、数年以上は追加の添加は不要であるが、耕作地では作物等によっては、肥料成分の一部として吸収される場合があるので、肥料の代わりに追加することがよい。作物等の植物を耕作しない場合は、半永久的に安全な土壌とすることができると期待される。
本発明のセシウム移動抑制剤は、セシウムの選択吸着能力が高いので、少量でも効果をが大きい。また、嵩比重が小さいので、土壌との混合も容易であるなど、作業しやすいという利点がある。また、本発明のセシウム移動抑制剤は、弱酸性〜アルカリ性領域で使用可能であるので、使用土壌に対する制限が少ない。また、本発明のセシウム移動抑制剤に使用される活性多孔質珪酸カルシウム鉱物やケイ酸カリウム肥料等は、農業用土壌改良資材又は肥料として使用されるものでもあるので、肥料としての効果も期待される。したがって、農地の生産性を低下させることなく、肥沃な農地とする効果も期待される。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、各例中のセシウム濃度は原子吸光光度法を用いて行った。
実施例1
モデル汚染液として、セシウム濃度が8.0mg/lとなるように市販の塩化セシウム試薬を添加した水溶液を用意した。
この水溶液100ml中に、活性ケイ酸カルシウム鉱物として、市販のケイ酸カルシウム肥料(株式会社クリオン製)を1gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例2
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ活性ケイ酸カルシウム鉱物5重量部と、ゼオライトとして市販のモルデナイト系ゼオライト土壌改良資材(新東北化学工業株式会社製)5重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した移動抑制剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。この時のセシウム吸着係数:7.8×103mL/gであった。
実施例3
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ活性ケイ酸カルシウム鉱物10重量部と実施例2で使用したと同じゼオライト1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した移動抑制剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例4
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ活性ケイ酸カルシウム鉱物7重量部と、ゼオライトとしてクリノプチライト系ゼオライト粉末(福島県西会津産、100〜300メッシュ粉末)3重量部を実施例4で使用したと同じゼオライト鉱物1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した移動抑制剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例5
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ活性ケイ酸カルシウム鉱物5重量部、実施例2で使用したと同じゼオライト鉱物2重量部と活性ケイ酸塩ガラス粉末として黒曜石粉末(芙蓉パーラート工業株式会社、100〜300メッシュ粉末)3重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した移動抑制剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
Figure 2013167558
比較例1
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、市販のワラストナイト粉末(TDI株式会社、100〜300メッシュ粉末)を1g添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
比較例2
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、市販の高炉スラグ粉末(日鉄高炉セメント株式会社、100〜300メッシュ粉末)を1g添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
比較例3
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、市販の製鋼スラグ粉末(草野産業株式会社、100〜300メッシュ粉末)を1g添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
比較例4
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、硼ケイ酸カリガラス(耐熱ガラス)の100〜300メッシュ破砕粉末を1g添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
比較例5
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例4で使用したと同じクリノプチライト系ゼオライト粉末(福島県西会津産、100〜300メッシュ粉末)1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
比較例6
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例5で使用したと同じ黒曜石粉末1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
Figure 2013167558
実施例6
モデル汚染土壌として、あらかじめ100℃で24時間乾燥した砂質土壌(西日本鉱業株式会社:1号珪砂)100gに、市販の塩化セシウム試薬をもちいて、セシウム濃度が56.0mg/lとなるように調整した水溶液20mlを添加・混合し、100g当たりのセシウム含有量が0.933mgとなる人工汚染土壌を作成した。
300mlの密閉容器内に、この人工汚染土壌100gと、純水100ml、実施例1で使用したと同じ移動抑制剤1gを入れ、容器ごと25℃で24時間振とうし、接触させた。その後、溶液を抽出し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時の溶液中のセシウム濃度を表3に示す。この時、人工汚染土壌100g中に含まれるセシウム量は、0.933 mg、添加した水100ml中に移行したセシウム量は、0.0 mgである事から、汚染土壌から溶液への移動率は0%であった。
実施例7
モデル汚染土壌として、あらかじめ100℃で24時間乾燥した砂質土壌(豊浦標準砂)100gに、市販の塩化セシウム試薬をもちいて、セシウム濃度が56.0mg/lとなるように調整した水溶液20mlを添加・混合し、100g当たりのセシウム含有量が0.933mgとなる人工汚染土壌を作成した。
300mlの密閉容器内に、この人工汚染土壌100gと、純水100ml、実施例1で使用したと同じ移動抑制剤1gを入れ、容器ごと25℃で24時間振とうし、接触させた。その後、溶液を抽出し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時の溶液中のセシウム濃度を表3に示す。この時、人工汚染土壌100g中に含まれるセシウム量は、0.933 mg、添加した水100ml中に移行したセシウム量は、0.0 mgである事から、汚染土壌から溶液への移動率は0%であった。
比較例7
実施例6で使用したと同じ人工汚染土壌を用意した。300mlの密閉容器内に、この人工汚染土壌100gと、純水100mlを入れ、容器ごと25℃で24時間振とうし、接触させた。その後、容器内の溶液を抽出し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時の溶液中のセシウム濃度を表3に示す。
この時、人工汚染土壌100g中に含まれるセシウム量は、0.933 mg、添加した水100ml中に移行したセシウム量は、0.67 mgである事から、汚染土壌から溶液への移動率は71.8%であった。
比較例8
実施例7で使用したと同じ人工汚染土壌を用意した。300mlの密閉容器内に、この人工汚染土壌100gと、純水100mlを入れ、容器ごと25℃で24時間振とうし、接触させた。その後、容器内の溶液を抽出し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時の溶液中のセシウム濃度を表3に示す。
この時、人工汚染土壌100g中に含まれるセシウム量は、0.933 mg、添加した水100ml中に移行したセシウム量は、0.47 mgである事から、汚染土壌から溶液への移動率は50.4%であった。
Figure 2013167558

Claims (7)

  1. 活性多孔質珪酸カルシウム鉱物を有効成分として含有することを特徴とするセシウム移動抑制剤。
  2. 活性多孔質珪酸カルシウム鉱物がトバモライト、ゾノトライト、及びカルシウム珪酸塩水和物から選ばれる一種又は二種以上である請求項1に記載のセシウム移動抑制剤。
  3. 更に、ゼオライトを有効成分として配合したことを特徴とする請求項1に記載のセシウム移動抑制剤。
  4. ゼオライトがモルデナイト及びまたはチャバサイトを主成分とする請求項3のセシウム移動抑制剤。
  5. 更に、活性珪酸塩ガラス粉末を配合したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセシウム移動抑制剤。
  6. 活性珪酸塩ガラス粉末が黒曜石、パーライト、及びケイ酸カリウム肥料から選ばれる一種又は二種以上を主成分とする請求項5に記載のセシウム移動抑制剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のセシウム移動抑制剤を土壌中に混合することを特徴とする土壌中のセシウム移動抑制方法。
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