JP2013167558A - セシウム移動抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トバモライト、ゾノトライト、及びカルシウム珪酸塩水和物等の活性多孔質珪酸カルシウム鉱物を有効成分として含有するセシウム移動抑制剤であり、このセシウム移動抑制剤は、活性多孔質珪酸カルシウム鉱物と共にゼオライト又は活性珪酸塩ガラス粉末を有効成分として含有してもよい。このセシウム移動抑制剤を土壌中に混合することにより、セシウムの作物への移動や地下の下層への移動を抑制することができる。
【選択図】なし
Description
活性多孔質珪酸カルシウム鉱物とゼオライトを組み合わせて使用する場合は、その割合は、活性多孔質珪酸カルシウム鉱物:ゼオライト(重量比)=9:1〜3:7の範囲が好ましい。
活性珪酸塩ガラス粉末は、単独またはゼオライトと組み合わせて活性多孔質珪酸カルシウム鉱物と混合して使用することができる。
モデル汚染液として、セシウム濃度が8.0mg/lとなるように市販の塩化セシウム試薬を添加した水溶液を用意した。
この水溶液100ml中に、活性ケイ酸カルシウム鉱物として、市販のケイ酸カルシウム肥料(株式会社クリオン製)を1gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ活性ケイ酸カルシウム鉱物5重量部と、ゼオライトとして市販のモルデナイト系ゼオライト土壌改良資材(新東北化学工業株式会社製)5重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した移動抑制剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。この時のセシウム吸着係数:7.8×103mL/gであった。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ活性ケイ酸カルシウム鉱物10重量部と実施例2で使用したと同じゼオライト1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した移動抑制剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ活性ケイ酸カルシウム鉱物7重量部と、ゼオライトとしてクリノプチライト系ゼオライト粉末(福島県西会津産、100〜300メッシュ粉末)3重量部を実施例4で使用したと同じゼオライト鉱物1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した移動抑制剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ活性ケイ酸カルシウム鉱物5重量部、実施例2で使用したと同じゼオライト鉱物2重量部と活性ケイ酸塩ガラス粉末として黒曜石粉末(芙蓉パーラート工業株式会社、100〜300メッシュ粉末)3重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した移動抑制剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、市販のワラストナイト粉末(TDI株式会社、100〜300メッシュ粉末)を1g添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、市販の高炉スラグ粉末(日鉄高炉セメント株式会社、100〜300メッシュ粉末)を1g添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、市販の製鋼スラグ粉末(草野産業株式会社、100〜300メッシュ粉末)を1g添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、硼ケイ酸カリガラス(耐熱ガラス)の100〜300メッシュ破砕粉末を1g添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例4で使用したと同じクリノプチライト系ゼオライト粉末(福島県西会津産、100〜300メッシュ粉末)1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例1で使用したと同じ水溶液100ml中に、実施例5で使用したと同じ黒曜石粉末1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
モデル汚染土壌として、あらかじめ100℃で24時間乾燥した砂質土壌(西日本鉱業株式会社:1号珪砂)100gに、市販の塩化セシウム試薬をもちいて、セシウム濃度が56.0mg/lとなるように調整した水溶液20mlを添加・混合し、100g当たりのセシウム含有量が0.933mgとなる人工汚染土壌を作成した。
300mlの密閉容器内に、この人工汚染土壌100gと、純水100ml、実施例1で使用したと同じ移動抑制剤1gを入れ、容器ごと25℃で24時間振とうし、接触させた。その後、溶液を抽出し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時の溶液中のセシウム濃度を表3に示す。この時、人工汚染土壌100g中に含まれるセシウム量は、0.933 mg、添加した水100ml中に移行したセシウム量は、0.0 mgである事から、汚染土壌から溶液への移動率は0%であった。
モデル汚染土壌として、あらかじめ100℃で24時間乾燥した砂質土壌(豊浦標準砂)100gに、市販の塩化セシウム試薬をもちいて、セシウム濃度が56.0mg/lとなるように調整した水溶液20mlを添加・混合し、100g当たりのセシウム含有量が0.933mgとなる人工汚染土壌を作成した。
300mlの密閉容器内に、この人工汚染土壌100gと、純水100ml、実施例1で使用したと同じ移動抑制剤1gを入れ、容器ごと25℃で24時間振とうし、接触させた。その後、溶液を抽出し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時の溶液中のセシウム濃度を表3に示す。この時、人工汚染土壌100g中に含まれるセシウム量は、0.933 mg、添加した水100ml中に移行したセシウム量は、0.0 mgである事から、汚染土壌から溶液への移動率は0%であった。
実施例6で使用したと同じ人工汚染土壌を用意した。300mlの密閉容器内に、この人工汚染土壌100gと、純水100mlを入れ、容器ごと25℃で24時間振とうし、接触させた。その後、容器内の溶液を抽出し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時の溶液中のセシウム濃度を表3に示す。
この時、人工汚染土壌100g中に含まれるセシウム量は、0.933 mg、添加した水100ml中に移行したセシウム量は、0.67 mgである事から、汚染土壌から溶液への移動率は71.8%であった。
実施例7で使用したと同じ人工汚染土壌を用意した。300mlの密閉容器内に、この人工汚染土壌100gと、純水100mlを入れ、容器ごと25℃で24時間振とうし、接触させた。その後、容器内の溶液を抽出し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時の溶液中のセシウム濃度を表3に示す。
この時、人工汚染土壌100g中に含まれるセシウム量は、0.933 mg、添加した水100ml中に移行したセシウム量は、0.47 mgである事から、汚染土壌から溶液への移動率は50.4%であった。
Claims (7)
- 活性多孔質珪酸カルシウム鉱物を有効成分として含有することを特徴とするセシウム移動抑制剤。
- 活性多孔質珪酸カルシウム鉱物がトバモライト、ゾノトライト、及びカルシウム珪酸塩水和物から選ばれる一種又は二種以上である請求項1に記載のセシウム移動抑制剤。
- 更に、ゼオライトを有効成分として配合したことを特徴とする請求項1に記載のセシウム移動抑制剤。
- ゼオライトがモルデナイト及びまたはチャバサイトを主成分とする請求項3のセシウム移動抑制剤。
- 更に、活性珪酸塩ガラス粉末を配合したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセシウム移動抑制剤。
- 活性珪酸塩ガラス粉末が黒曜石、パーライト、及びケイ酸カリウム肥料から選ばれる一種又は二種以上を主成分とする請求項5に記載のセシウム移動抑制剤。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のセシウム移動抑制剤を土壌中に混合することを特徴とする土壌中のセシウム移動抑制方法。
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