JP2013167435A - 遅延希薄噴射システム - Google Patents

Abstract

【課題】遅延希薄噴射システムを提供する。
【解決手段】遅延希薄噴射システムは、燃焼領域の近傍に配置された少なくとも１つの燃料噴射器を含む。圧縮機吐出口の近傍の領域から、少なくとも１つの燃料噴射器へと空気流を導くための少なくとも１つのガイドをさらに含む。
【選択図】図１

Description

本明細書で開示される主題はタービンに関し、より詳細には、遅延希薄噴射システムに関する。

例えば、米国特許第６，９４９，０４４号公報のように希薄噴射システムが提供されている。

米国特許第６，９４９，０４４号公報

遅延希薄噴射システムを提供する。

本発明の一態様によれば、遅延希薄噴射システムは、燃焼領域の近傍に配置された少なくとも１つの燃料噴射器を含む。圧縮機吐出口の近傍の領域から、少なくとも１つの燃料噴射器へと空気流を導くための少なくとも１つのガイドをさらに含む。

本発明の他の態様によれば、遅延希薄噴射システムは、移行部内側を画定する移行ダクトであって、第１のタービン領域に接続するように適合された端部と、反対側の端部とを有する移行ダクトを含む。移行ダクトの半径方向外側に間隔を空けて配置され、かつ移行ダクトの周りで円周方向に延びるスリーブをさらに含む。さらに、燃料を移行部内側へと噴射するように構成された少なくとも１つの燃料噴射器を含む。さらに、少なくとも１つの燃料噴射器へと空気流を導くための少なくとも１つのガイドを含む。

本発明のさらに他の態様によれば、遅延希薄噴射システムは、上流端および下流端を有する移行ダクトを含む。移行ダクトの上流端の近傍に配置されたライナダクトをさらに含む。さらに、ライナダクトの半径方向外側に間隔を空けて配置され、かつライナダクトの周りで円周方向に延びるフロースリーブを含む。さらに、移行ダクトおよびライナダクトの少なくとも一方の近傍に配置された少なくとも１つの燃料噴射器を含む。圧縮機吐出口の近傍の領域から、少なくとも１つの燃料噴射器へと空気流を導くための少なくとも１つのガイドをさらに含む。

これらの、および他の利点と特徴は、図面と併せて以下の説明を読めばより明らかとなろう。

発明と見なされる本主題は、本明細書に添付された特許請求の範囲で特に示され、かつ明確に請求される。本発明の前述の、および他の特徴と利点は、添付図面と共に以下の詳細な説明を読むことにより明らかとなる。

少なくとも１つの燃料噴射器を有する遅延希薄噴射システムの第１の実施形態の側面立面図である。 遅延希薄噴射の第２の実施形態の側面立面図である。 遅延希薄噴射システムの第３の実施形態の側面立面図である。 少なくとも１つのガイドを有する遅延希薄噴射システムの横断面図である。 図４の少なくとも１つのガイドから生ずる空気流貫入プロファイルの概略図である。 他の実施形態の少なくとも１つのガイドを有する遅延希薄噴射システムの横断面図である。 図６の少なくとも１つのガイドから生ずる空気流貫入プロファイルの概略図である。

詳細な説明では、例として図面を参照して利点および特徴と共に本発明の諸実施形態を説明する。

図１を参照すると、第１の実施形態の遅延希薄噴射システム１０が示されている。遅延希薄噴射システム１０は、ガスタービンシステムの移行部組立体１１を含み、移行部組立体１１は、燃焼器（ラベルを付していない）と第１のタービン段（図示せず）の間で動作可能に接続され、移行ダクト１２により画定される内側部２１を含む。移行ダクト１２は、通常、移行ダクト１２の上流にある燃焼器からの高温の燃焼ガスを、タービンの入口へと運ぶ。移行ダクト１２の少なくとも一部を、移行ダクト１２の半径方向外側に間隔を空けて配置されたインピンジメントスリーブ１４により周囲を囲むことができる。移行部組立体１１の上流には、ライナダクト１６がある。ライナダクト１６および移行ダクト１２の内側領域は燃焼領域を備え、高温ガスの燃焼がそこで行われて、タービン方向に送られる。ライナダクト１６の少なくとも一部は、ライナダクト１６の半径方向外側に間隔を空けて配置されたフロースリーブ１７により周囲が囲まれている。圧縮機吐出ケーシング３２が示されており、またそれは圧縮機吐出口３４を含む。

ガスタービンの燃焼器は、遅延希薄噴射（ＬＬＩ）に対して適合性がある。ＬＬＩに適合する燃焼器は、２５００°Ｆを超える出口温度を有する任意の燃焼器、または１０ミリ秒（ｍｓ）を超える高温側滞留時間で、メタンよりもさらに反応しやすい成分を含む燃料を扱う任意の燃焼器である。

図２を参照すると、第２の実施形態の遅延希薄噴射システム１０が示されている。第２の実施形態の遅延希薄噴射システム１０は、第１の実施形態のものと同様であるが、移行ダクト１２の周囲を囲むインピンジメントスリーブ１４を含まない。

図３を参照すると、第３の実施形態の遅延希薄噴射システム１０が示されている。第３の実施形態の遅延希薄噴射システム１０は、単一のダクトを備えるだけであり、それは、第１および第２の実施形態のライナダクト１６を含む領域へと上流に延びる移行ダクト１２である。さらに、概してスリーブ１９と呼ばれる単一のスリーブが、移行ダクト１２の半径方向外側の位置で移行ダクト１２の周囲を囲んでいる。

ガスタービンシステムで使用される実施形態にかかわらず、複数の燃料噴射器１８が、それぞれ、移行ダクト１２またはライナダクト１６の少なくとも一方の内部へと半径方向に延びる複数のハウジングと一体化される、またはハウジングにより構造的に支持される。複数の燃料噴射器１８は、各ダクト、すなわち、移行ダクト１２またはライナダクト１６を貫通して、様々な深さまで延びる。すなわち、燃料噴射器１８は、それぞれ、移行ダクト１２および／またはライナダクト１６を通る支配的な流れ方向を概して横断する方向に燃料噴射を行うことにより、第２の燃料（すなわち、ＬＬＩ燃料）を燃焼領域に供給するように構成される。上記で述べた実施形態のそれぞれに対して、例示された実施形態は、複数の燃料噴射器１８の配置を、移行ダクト１２およびライナダクト１６の一方だけと共に配置されることを示しているが、複数の燃料噴射器１８を、移行ダクト１２またはライナダクト１６の近傍に配置できることが強調される。さらに、複数の燃料噴射器１８は、移行ダクト１２とライナダクト１６の両方と共に配置することができる。複数の燃料噴射器１８は、移行ダクト１２および／またはライナダクト１６の単一の軸方向位置の周囲に沿ってそれぞれが配置された複数の現在動作している燃料噴射器１８を含む単一の軸／円周方向段に配置することができる。複数の燃料噴射器１８が、単一の軸方向段、複数の軸方向段、または複数の軸／円周方向段に存在できることも考えられる。単一の軸方向段は、現在動作している単一の燃料噴射器１８を含む。複数の軸方向段は、それぞれが複数の軸方向位置に配置される複数の現在動作している燃料噴射器１８を含む。複数の軸／円周方向段は、複数の現在動作している燃料噴射器１８を含み、それらは、移行ダクト１２および／またはライナダクト１６の円周周りに、その複数の軸方向位置で配置される。

圧縮機からの空気流は、圧縮機吐出ケーシング３２の中に入る。高圧の動的空気流２０は、圧縮機吐出口３４の近傍の圧縮機吐出ケーシング３２を出て、移行ダクト１２および／またはライナダクト１６の方向に下流へと勢いよく流れて燃料噴射器１８の近傍位置に進む。空気とＬＬＩ燃料の混合が行われ、移行ダクト１２および／またはライナダクト１６内に貫入する燃料噴射器１８内の空気流の圧力低下を低減するために、高圧の動的空気流２０を燃料噴射器１８中へと利用するのが有利である。

図４を参照すると、遅延希薄噴射システム１０の軸方向位置の横断面が示されている。インピンジメントスリーブ１４、および／またはフロースリーブ１７、または図２で示された実施形態の場合の移行ダクト１２は、高圧の動的空気流２０を燃料噴射器１８へと向きを変えるために１つまたは複数のガイド２２を含む。示された例では、ガイド２２は、燃料噴射器１８に対応するように配置されたスコップの形をしている。燃料噴射器１８へのこの対応性に基づいて、燃料噴射器１８の場合のように、ガイドを、単一の軸／円周方向段、単一の軸方向段、複数の軸方向段、または複数の軸／円周方向段に配置することができる。インピンジメントスリーブ１４および／またはフロースリーブ１７は、燃料噴射器１８に対応する開口部２４を含み、またガイド２２は、開口部２４の近傍に配置される。典型的なスコップは、完全に、もしくは部分的に各開口部２４を囲むことができるが、あるいは部分的に、もしくは完全に開口部２４を覆うことができ、概して、一部が球形状をしている。例えば、上部を有する、または有しない半円筒形状とすることができる。代替的には、ガイド２２は、具体的には高圧の動的空気流２０を利用する、同様の機能を提供する様々な他の形状をとることができる。さらに、ガイド２２は、インピンジメントスリーブ１４および／またはフロースリーブ１７の半径方向内側に配置することができ、またスリーブが存在しない実施形態では、複数の燃料噴射器１８と直接接続することもできる。

ガイド２２の正確な形状に関係なく、ガイド２２は、個々に、インピンジメントスリーブ１４および／またはフロースリーブ１７、または図２で示された実施形態の場合は移行ダクト１２の近傍に取り付けることができ、したがって、圧縮機吐出空気を、ガイド２２、開口部２４を通って半径方向内側に燃料噴射器１８の中へと導き、移行ダクト１２および／またはライナダクト１６の中に噴射させる。高圧の動的空気流２０がガイド２２へと勢いよく流れると、空気流２０は、速やかに回転して内側へと向きを変える。このような方向変更は、空気流内で回転性の渦を生ずる可能性があり、それにより、燃料噴射器１８中への流れが妨げられる。このような回転性の渦の形成を低減するために、各ガイド２２は、ガイド２２の曲げ部２８の近傍に１つまたは複数の整流板２６を含むことができる。

図５を参照すると、混合された空気流およびＬＬＩ燃料の貫入プロファイルが示されている。高圧の動的空気流２０を利用することにより、遅延希薄噴射の燃焼領域へのより深い貫入を可能にする。

動作においては、空気流は、移行ダクト１２および／またはライナダクト１６のインピンジメントスリーブ１４および／またはフロースリーブ１７を通る高圧の動的空気流２０の中に突き出ているガイド２２により、燃料噴射器１８の方向に送られる。ガイド２２は、停滞および方向変更を組み合わせることにより、流れを駆動して通過させる静圧差が欠けるため、以前には燃料噴射器１８と位置合せされた開口部２４を通過していた空気を捕捉し、空気流２０を燃料噴射器１８中へと内側に導いてＬＬＩ燃料と混合させて、移行ダクト１２および／またはランナダクト１６の中へ送り、したがって、燃焼領域へのより深い貫入が行われる。

図６を次に参照すると、ガイド１２２の他の実施形態が示されている。ガイド１２２は、スコップなどの形態の上記で述べたガイド２２よりも実質的に長い。ガイド１２２は、ガイド２２と同様に機能し、したがって、高圧の動的空気流１２０が、圧縮機吐出口１３３から１つまたは複数の燃料噴射器１１８へと導かれる。ガイド１２２は、圧縮機吐出口１３３の近傍に配置された第１の端部１３０と、インピンジメントスリーブ１１４および／またはフロースリーブ１１７の開口部１２４の近傍に配置された第２の端部１３２とを含み、開口部１２４は、各燃料噴射器１１８の入口１３４と相対的に位置合せされている。ガイド１２２は、高圧の動的空気流１２０を燃料噴射器１１８へと送る通路として働く。各ガイド１２２は、これだけに限らないが、圧縮機吐出ケーシング１３１、または様々な他の燃焼ハードウェア構成要素を含むガスタービン組立体内の数多くの構成要素に取り付けることができる。

第１の端部１３０から第２の端部１３２へと延びるガイド１２２の輪郭は、使用する特定の用途に基づいて変わる可能性がある。１つの典型的な輪郭は、第１の端部１３０の近傍の領域から延びる実質的に細長い直線部分１３６と、実質的に細長い直線部分１３６から燃料噴射器１１８の入口１３４へと空気流１２０を移行させるように機能する曲げ部分１２８とを備える。スコップガイド２２と同様に、このような曲げ部分１２８は、空気流に対して回転性の渦を生ずる可能性がある。このような渦の発生を低減するために、曲げ部分１２８は、１つまたは複数の整流板１２６を含むことができる。

図７を参照すると、混合された空気流およびＬＬＩ燃料の貫入プロファイルが示されている。高圧の動的空気流１２０を利用することにより、遅延希薄噴射の燃焼領域へのより深い貫入を可能にする。

本発明は、限られた数の実施形態だけに関して詳細に述べてきたが、本発明は、このような開示された諸実施形態に限定されないことが容易に理解されよう。そうではなくて、本発明は、本発明の趣旨および範囲と同等の、これまでに述べられていない任意の数の変形、改変、置換え、または均等な構成を組み込むように変更することができる。さらに、本発明の様々な実施形態が述べられてきたが、本発明の諸態様は、前述の実施形態のいくつかだけを含む可能性のあることも理解されたい。したがって、本発明は、前述の記述により限定されるものと見なすべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

１０ 遅延希薄噴射システム
１１ 移行部組立体
１２ 移行ダクト
１４ インピンジメントスリーブ
１６ ライナダクト
１７ フロースリーブ
１８ 燃料噴射器
１９ スリーブ
２０ 動的空気流
２１ 内側部
２２ ガイド
２４ 開口部
２６ 整流板
２８ 曲げ部
３２ 圧縮機吐出ケーシング
３４ 圧縮機吐出口
１１４ インピンジメントスリーブ
１１７ フロースリーブ
１１８ 燃料噴射器
１２０ 動的空気流
１２２ ガイド
１２４ 開口部
１２６ 整流板
１２８ 曲げ部分
１３０ 第１の端部
１３１ 圧縮機吐出ケーシング
１３２ 第２の端部
１３３ 圧縮機吐出口
１３４ 入口
１３６ 直線部分

Claims (20)

1. 燃焼領域の近傍に配置された少なくとも１つの燃料噴射器と、
   圧縮機吐出口の近傍の領域から、前記少なくとも１つの燃料噴射器へと空気流を導くための少なくとも１つのガイドと
   を備える遅延希薄噴射システム。
2. 移行ダクトをさらに備える、請求項１記載の遅延希薄噴射システム。
3. 前記少なくとも１つの燃料噴射器が、前記移行ダクトの近傍に配置され、かつ燃料を前記燃焼領域中に噴射するように構成される、請求項２記載の遅延希薄噴射システム。
4. ライナダクトをさらに備え、前記少なくとも１つの燃料噴射器が、前記ライナダクトの近傍に配置され、かつ前記燃焼領域中に燃料を噴射するように構成される、請求項２記載の遅延希薄噴射システム。
5. 前記少なくとも１つのガイドが、前記圧縮機吐出口の近傍に配置された第１の端部と、前記少なくとも１つの燃料噴射器の近傍に配置された第２の端部とを含む、請求項１記載の遅延希薄噴射システム。
6. 前記少なくとも１つのガイドが、前記少なくとも１つの燃料噴射器の近傍に曲げ部を備える、請求項１記載の遅延希薄噴射システム。
7. 前記少なくとも１つのガイドが、前記曲げ部の近傍に少なくとも１つの整流板を備える、請求項６記載の遅延希薄噴射システム。
8. 前記少なくとも１つのガイドが、圧縮機吐出ケーシングに動作可能に接続される、請求項１記載の遅延希薄噴射システム。
9. 複数の燃料噴射器をさらに備え、前記複数の燃料噴射器が、単一の軸方向位置で、円周方向に間隔を空けて配置される、請求項１記載の遅延希薄噴射システム。
10. 複数の燃料噴射器をさらに備え、前記複数の燃料噴射器が、複数の軸方向位置で、円周方向に間隔を空けて配置される、請求項１記載の遅延希薄噴射システム。
11. 移行部内側を画定する移行ダクトであり、第１のタービン領域に接続するように適合された端部、および反対側の端部を有する移行ダクトと、
    前記移行ダクトの半径方向外側に間隔を空けて配置され、かつ前記移行ダクトの周りで円周方向に延びるスリーブと、
    前記移行部内側に燃料を噴射するように構成された少なくとも１つの燃料噴射器と、
    前記少なくとも１つの燃料噴射器へと空気流を導くための少なくとも１つのガイドと
    を備える遅延希薄噴射システム。
12. 前記少なくとも１つのガイドが、圧縮機吐出口の近傍に配置された第１の端部と、前記少なくとも１つの燃料噴射器の近傍に配置された第２の端部とを含む、請求項１１記載の遅延希薄噴射システム。
13. 前記移行ダクトの前記反対側の端部の近傍に配置されたライナダクトをさらに備える、請求項１２記載の遅延希薄噴射システム。
14. 前記少なくとも１つのガイドが、前記少なくとも１つの燃料噴射器の近傍に曲げ部を備える、請求項１１記載の遅延希薄噴射システム移行部。
15. 前記少なくとも１つのガイドが、前記曲げ部の近傍に少なくとも１つの整流板を備える、請求項１４記載の遅延希薄噴射システム移行部。
16. 前記少なくとも１つのガイドが、圧縮機吐出ケーシングに動作可能に接続される、請求項１２記載の遅延希薄噴射システム移行部。
17. 上流端および下流端を有する移行ダクトと、
    前記移行ダクトの前記上流端の近傍に配置されたライナダクトと、
    前記ライナダクトの半径方向外側に間隔を空けて配置され、かつ前記ライナダクトの周りで円周方向に延びるフロースリーブと、
    前記移行ダクトおよび前記ライナダクトの少なくとも一方の近傍に配置された少なくとも１つの燃料噴射器と、
    圧縮機吐出口の近傍の領域から、前記少なくとも１つの燃料噴射器へと空気流を導くための少なくとも１つのガイドと
    を備える遅延希薄噴射システム。
18. 前記少なくとも１つのガイドが、前記圧縮機吐出口の近傍に配置された第１の端部と、前記少なくとも１つの燃料噴射器の近傍に配置された第２の端部とを含む、請求項１７記載の遅延希薄噴射システム。
19. 前記少なくとも１つのガイドが、前記少なくとも１つの燃料噴射器の近傍に曲げ部を備える、請求項１７記載の遅延希薄噴射システム。
20. 前記少なくとも１つのガイドが、圧縮機吐出ケーシングに動作可能に接続される、請求項１７記載の遅延希薄噴射システム。