JP2013167209A - 内燃機関のピストン及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関のピストン及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013167209A
JP2013167209A JP2012031198A JP2012031198A JP2013167209A JP 2013167209 A JP2013167209 A JP 2013167209A JP 2012031198 A JP2012031198 A JP 2012031198A JP 2012031198 A JP2012031198 A JP 2012031198A JP 2013167209 A JP2013167209 A JP 2013167209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
solid lubricant
coating
film
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012031198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5885531B2 (ja
Inventor
Masato Sasaki
正登 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2012031198A priority Critical patent/JP5885531B2/ja
Publication of JP2013167209A publication Critical patent/JP2013167209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5885531B2 publication Critical patent/JP5885531B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】上層が摩耗し易く下層が摩耗し難い特性を有し、かつ、十分な結合性を有する固体潤滑被膜を備えた内燃機関のピストン等を提供する。
【解決手段】条痕7a,8aが形成された各スカート部7,8に固体潤滑被膜10を有する内燃機関のピストン1につき、とりわけ、被膜界面10aの固体潤滑剤12の含有量が50wt%以下となるように構成すると共に、当該被膜界面10aから被膜表面10bにかけて固体潤滑剤12の含有量を連続的に増大させ、被膜表面10bの固体潤滑剤12の含有量が50〜95wt%となるように構成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車の内燃機関に適用される内燃機関のピストンとその製造方法であって、主として、スカート部表面に形成する複層固体潤滑被膜に関する。
複層固体潤滑被膜が形成される従来の内燃機関のピストンとしては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
すなわち、従来では、摩耗量の少ない組成を有する第1固体潤滑被膜が下層に形成され、摩耗量の多い組成を有する第2固体潤滑被膜が上層に形成されることによって、スカート部に残る条痕の凹凸を低減し、これによって、フリクションの低減化を図っている。
特開2010−216362号公報
しかしながら、前記従来のピストンでは、異なる固体潤滑被膜を重ねて形成していることから、各層間の結合力が十分に確保できず、剥離しやすくなってしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、前記従来の内燃機関のピストンの技術的課題に鑑みて案出されたものであって、上層が摩耗し易く下層が摩耗し難い特性を有し、かつ、十分な結合性を有する固体潤滑被膜を備えた内燃機関のピストン等を提供することを目的としている。
本願発明は、スカート部に固体潤滑被膜が形成される内燃機関のピストンであって、とりわけ、前記固体潤滑被膜が、結合樹脂である樹脂と、該樹脂よりも大きな比重を有する固体潤滑剤を含有し、前記スカート部に接触する界面については、前記固体潤滑剤の含有量が50wt%以下となるように設定される一方、前記機関のシリンダ壁に摺接する表面については、前記固体潤滑剤の含有量が50〜95wt%となるように設定され、前記スカート部に接触する界面と前記シリンダ壁に摺接する表面との間では、前記固体潤滑剤の含有量が連続的に変化するように構成されていることを特徴としている。
なお、前記固体潤滑被膜の組成としては、結合樹脂としてポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂の少なくとも1種を含め、固体潤滑剤として少なくとも二硫化モリブデンを含めることが望ましい。
また、前記固体潤滑被膜は、前記ピストンを成形及び加工する工程と、前記スカート部に、結合材である樹脂と該樹脂よりも大きな比重を有する固体潤滑剤とを含有する被膜組成物を塗布する工程と、前記固体潤滑剤が乾燥する前に、前記ピストンを軸心周りに回転させる工程と、前記被膜組成物を焼成する工程と、によって形成することができる。
さらに、前記固体潤滑被膜は、前記スカート部の表面に、固体潤滑剤の含有量が50wt%以下となる第1被膜組成物と、固体潤滑剤の含有量が50〜95wt%となる第2被膜組成物とを、複数のスプレーをもって同時に塗布することによっても形成することができる。
本願発明によれば、単一の被膜組成物の含有成分の分布を、被膜界面は固体潤滑剤が少なく、被膜表面は固体潤滑剤が多くなるように調整して被膜形成を行うようにしたことで、上層が摩耗し易く下層が摩耗し難い特性と十分な結合性との両立を図ることができる。これにより、上層が摩耗し易く下層が摩耗し難い特性を有し、かつ、十分な結合性を有する固体潤滑被膜を備えたピストンを得ることができる。
なお、このピストンを製造するにあたっては、被膜組成物の含有成分の比重差を利用し、遠心力によって前記含有成分の分布調整を行う方法を採ることで、ピストンを回転させるのみの簡易な方法をもって所望とする構成を有する固体潤滑被膜が得られる。これにより、良好な生産性や製造コストの低廉化に供される。
また、前記ピストンを製造するにあたって、前記複数の被膜組成物を同時に塗布することによって固体潤滑被膜を形成する方法を採った場合には、特に、当該被膜中における固体潤滑剤の濃度分布を任意に変更することが可能となり、より汎用性の高い被膜の形成に供される。
本発明に係るピストンを内燃機関に適用した状態を示す要部縦断面図である。 同ピストンの半断面図である。 図2に示すスカート部の要部拡大図である。 本発明の第1実施形態に係るピストンの製造工程の工程順を表した工程図である。 同実施形態に係る被膜形成塗料の塗布態様を表した概略図である。 図4に示す遠心分離処理工程の処理態様を表した概略図である。 遠心分離処理の回転数と回転速度との関係を表したグラフである。 固体潤滑被膜中の含有成分の分布を示し、(a)は遠心分離処理前、(b)は遠心分離処理後の状態を表した概略図である。 同実施形態の変形例に係るピストン製造工程の工程順を表した概略図である。 同変形例に係る被膜形成塗料の塗布態様を表した概略図である。 本発明の第2実施形態に係るピストンの製造工程の工程順を表した工程図である。 同実施形態に係る各被膜形成塗料の塗布態様及びその塗布量等について表した概略図である。 被膜形成塗料の塗布時にピストンの回転速度を変化させたときの膜厚位置と固体潤滑剤の濃度との関係を表したグラフである。
以下に、本発明に係る内燃機関のピストン等の各実施形態について、図面に基づいて詳述する。なお、下記の各実施形態では、当該ピストン等を自動車用エンジンのピストンについて適用した例を基に説明する。
本発明に係るピストン1は、図1に示すように、シリンダブロック2に形成されたほぼ円筒状のシリンダ壁3に対し摺動自在に設けられ、該シリンダ壁3と図外のシリンダヘッドとの間に燃焼室Cを形成するようになっていて、ほぼ径方向に沿って挿通されるピストンピン4に連結されるコンロッド5を介して図外のクランクシャフトに連係されている。
このピストン1は、全体が例えばAC8AなどAl−Si系のアルミニウム合金材をもってほぼ円筒状に一体に鋳造され、図1、図2に示すように、冠面6a上に前記燃焼室Cを画成する冠部6と、該冠部6の下端側外周に一体に設けられた一対のスラスト側スカート部7及び反スラスト側スカート部8と、該各スカート部7,8の周方向の両端部に接続される一対のエプロン部9,9と、を備えている。
前記冠部6は、比較的厚肉に形成された円盤状を呈し、冠面6aには、図外の吸排気弁との干渉の回避に供するバルブリセス(図示外)が穿設されている。また、この冠部6の外周部には、プレッシャリングやオイルリングなど3つのピストンリングPL1〜PL3の保持に供するリング溝6b〜6dが切欠形成されている。
前記各スカート部7,8は、ピストン1の軸心を中心として左右対称に配置され、比較的薄肉の厚さ幅をもって横断面ほぼ円弧状となるように形成されている。そして、スラスト側スカート部7については、膨張行程時などにおいてピストン1が下降ストロークした際に、コンロッド5の角度との関係からシリンダ壁3に対し傾きながら圧接する一方、反スラスト側スカート部8については、圧縮行程時などにおいてピストン1が上昇ストロークした際に、シリンダ壁3に対し反対に傾きながら圧接することとなる。なお、前記各スカート部7,8のシリンダ壁3に対する圧接荷重については、燃焼圧力を受けてシリンダ壁3に圧接する前記スラスト側スカート部7の方が大きくなる。
また、前記各スカート部7,8の表面には、図1、図3に示すように、周知の条痕7a,8aが設けられていて、当該各条痕7a,8aが設けられているスカート部7,8の表面には、所定の被膜組成物によって構成される固体潤滑被膜10が形成されている。この固体潤滑被膜10の被膜組成物は、主として、結合樹脂(バインダー)11と、該結合樹脂11よりも比重の大きい固体潤滑剤12と、によって構成される。
ここで、前記固体潤滑被膜10は、図3に示すように、各スカート部7,8の表面に接触する界面(各スカート部7,8の表面から厚さt=1μmの範囲をいい、以下では単に「被膜界面」と呼称する。)10aにおいては、固体潤滑剤12の含有量が50wt%以下(結合樹脂11の含有量が50wt%以上)となるように設定される一方、シリンダ壁3に摺接する表面(前記被膜界面10aよりも外側をいい、以下では単に「被膜表面」と呼称する。)10bにおいては、固体潤滑剤12の含有量が50〜95wt%(結合樹脂11の含有量が5〜50wt%以上)となるように設定されている。そして、結合樹脂11には、耐熱性、耐摩耗性及び密着性に優れるエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂(PAI)のうち少なくとも1種が使用されると共に、固体潤滑剤12には、少なくとも二硫化モリブデン(MoS2)が含まれる。
なお、被膜界面10aにおいて固体潤滑剤12の含有量が50wt%以下となるように設定したのは、前記従来の特許公開公報(特開2010−216362号公報)に記載されているように、結合樹脂11の含有量を多くすることで密着性の向上が図れるためである一方、被膜表面10bにおいて固体潤滑剤12の含有量が50〜95wt%となるように設定したのは、固体潤滑剤12の含有量が95wt%を超える、すなわち結合樹脂の含有量が5wt%未満になると結合力の低下によって密着性が低下してしまい、反対に固体潤滑剤12の含有量が50wt%未満になると初期馴染み性が低下してしまうこととなるためである。
そして、以上のようにして構成される前記被膜組成物は、有機溶剤によって希釈され、塗料としてピストン1に塗布される。すなわち、ピストン1(前記両スカート部7,8)の外周面に、前記被膜組成物が塗布され、これを焼成し硬化させることによって、前記固体潤滑被膜10が形成されることとなる。
また、前記被膜組成物を調整するには、例えば、結合樹脂11に有機溶剤を配合し、その樹脂溶液に固体潤滑剤12を加え、必要に応じてさらに硬質粒子を添加して、ビーズミル等を用いて混合分散すればよい。なお、この際には、結合樹脂11と固体潤滑剤12と硬質粒子との配合量が合わせて100wt%となるように調整する。
以下、図4〜図8に基づいて前記ピストン1の製造方法について説明する。
まず、鋳造など所定の製法によりピストン1を成形し、その後、切削加工により前記両スカート部7,8に条痕7a,8aを形成する(図4に示す加工工程S1)。続いて、当該ピストン1をスチーム洗浄により水洗して、表面に付着している加工潤滑剤等を除去した後に、これを乾燥させる(図4に示す洗浄工程S2)。
次に、この洗浄・乾燥したピストン1の両スカート部7,8の表面に、エアスプレーによって、前記被膜組成物を所定の有機溶剤に溶かしてなる被膜形成塗料10xを塗布する(図4に示す被膜形成工程S3)。具体的には、図5に示すように、前記洗浄等されたピストン1を回転台21に載置し、当該回転台21を回しながらタンク20aに注入された被膜形成塗料10xをスプレーガン20によって噴霧することで、前記各条痕7a,8aが形成されたスカート部7,8の表面に、当該被膜形成塗料10xを塗布する。
続いて、この被膜形成塗料10xが塗布されたピストン1を、後述する所定条件にて回転させることによって、被膜組成物の遠心分離処理を行う(図4に示す遠心分離処理工程S4)。なお、ここでいう遠心分離処理とは、例えば数千、数万×g(重力加速度)を発生させて行ういわゆる通常の遠心分離とは異なり、前記塗料10xが飛散(離脱)しない程度の極低い回転数で行う処理をいう。具体的には、図6に示すように、いわゆる遠心機のような回転装置(図示外)に取り付けられる治具30に前記塗料10x塗布後のピストン1を固定して、前記治具30を介して伝達される回転力をもって、当該ピストン1をその軸心O周りに回転させる。
すると、かかる回転(処理)前には図7(a)に示すように結合樹脂11と固体潤滑剤12とがほぼ均一な分布となっていた被膜形成塗料10xにおいて、比重の小さい結合樹脂11(PAI比重:1.49)と比重の大きい固体潤滑剤12(MoS2比重:4.80)とが遠心力によって分離されることとなる。すなわち、図7(b)に示すように、前記被膜界面10aに結合樹脂11が、前記被膜表面10bに固体潤滑剤12が、それぞれ偏った状態となる。
これによって、被膜界面10aには結合樹脂11の含有量が多く、当該被膜界面から被膜表面10bにかけて結合樹脂11の含有量が減少すると共に固体潤滑剤12の含有量が増大し、被膜表面10bには固体潤滑剤12の含有量が多くなるといった構成が得られる。換言すれば、被膜形成塗料10xが、被膜界面10aは固体潤滑剤12の含有量が小さく(50wt%以下)、また、被膜表面10bは固体潤滑剤12の含有量が大きく(50〜95wt%)、かつ、被膜界面10aから被膜表面10bにかけて結合樹脂11及び固体潤滑剤12の含有量が連続的に変化するように構成されることとなる。
ここで、上記遠心分離処理の条件は、所定の式により求められる図8に示す曲線Pにより決定される。すなわち、この曲線Pは、被膜界面10aの厚さtが前記1μmとなるように設定した場合におけるピストン1の回転数Rとその回転時間Tとの関係を表したものである。なお、この曲線Pの範囲を、200〜1000rpmに設定した理由は、200rpm以下では回転時間tが長くなり過ぎてしまい、反対に1000rpm以上になるとピストン1に塗着している前記塗料10aそのものが離脱してしまうこととなるためである。
かかる観点から、回転時間tが長くなり過ぎず、かつ、塗料10xそのものが離脱するリスクを伴わない回転数Rとしては、300〜500rpmが最適であると考えられる。300rpmから回転時間tが大きく短縮でき、また、600rpm以上は、塗料10aの離脱のリスクの増大に対して得られる回転時間tの短縮量が小さいからである。
続いて、最後に、上述の遠心分離処理を終えた被膜形成塗料10xについて焼成を行う(図4に示す焼成工程S5)。具体的には、前記遠心分離処理完了後のピストン1を乾燥炉に投入して、180℃で30分あるいは200℃で20分等の条件で加熱することによって、被膜形成塗料10xについて、前記有機溶剤を揮発させつつ前記被膜組成物を硬化させて、前記固体潤滑被膜10を形成する。
以上のように、本実施形態では、単一の被膜組成物につき、その含有成分の比重差を利用して前記遠心分離処理を行うことにより前記固体潤滑被膜10を形成するようにしたことから、当該固体潤滑被膜10につき、被膜界面10aには結合樹脂11の含有量が多く(固体潤滑剤12の含有量が50wt%以下(結合樹脂11の含有量が50wt%以上))、被膜表面10bには固体潤滑剤12の含有量が多くなる(固体潤滑剤12の含有量が50〜95wt%)分布を得ることができる。これにより、上層が摩耗し易く下層が摩耗し難い特性と十分な結合性とを兼ね備えた固体潤滑被膜を有するピストンを得られる。
また、かかる固体潤滑被膜10の形成にあたって、前記遠心分離処理により前記含有成分の分布の調整を行うようにしたことから、前記被膜組成物(被膜形成塗料10x)を塗布したピストン1を回転させるだけの極めて簡易な方法をもって、所望とする固体潤滑被膜を形成することが可能となる。これにより、良好な生産性や製造コストの低廉化にも供されることとなる。
図9、図10は、本発明の第1実施形態についての変形例を示したもので、当該第1実施形態における前記被膜形成塗料10xの塗布方法を変更したものである。
すなわち、本変形例では、前記第1実施形態におけるピストン1の製造工程において、ピストン1を成形・加工し(図9に示す成形工程S1)、これを前記洗浄・乾燥処理した後(図9に示す洗浄工程S2)、前記各スカート部7,8の表面に、前記エアスプレーではなく、いわゆるスクリーン印刷により被膜形成塗料10xを塗布する(図9に示す被膜形成工程S3)。
具体的には、図10に示すように、所定の枠部材25に張られたスクリーン26上に被膜形成塗料10xを載せて、スクリーン26を擦るように当該スクリーン26に対しスキージ27を圧接させつつ移動させることによって、スクリーン26を通じて当該被膜形成塗料10xを前記各スカート部7,8の表面に転写させる。
その後は、前記第1実施形態と同様に、当該ピストン1を回転させることによって被膜組成物について前記遠心分離処理を行った後(図9に示す遠心分離処理工程S4)、当該ピストン1を乾燥炉に投入して、前記第1実施形態と同様の条件で焼成を行う(図9に示す焼成工程S5)。
以上のように、本変形例においては、前記被膜形成塗料10xの塗布を前記スクリーン印刷により行うようにしたことで、前記第1実施形態と同様の作用効果が得られることに加えて、被膜形成塗料10xの歩留まりの向上にも供される。
換言すれば、前記エアスプレーは噴霧により塗布するものであるから、前記各スカート部7,8の表面に塗布されない塗料(例えば前記各リング溝6b〜6d等に施されるマスキング部に塗布された塗料等)については無駄になってしまうが、前記スクリーン印刷の場合には、塗料の全てをスカート部7,8の表面に塗布することになるため、前記被膜形成塗料10xの歩留まりの向上を図ることが可能となる。
図11〜図13は、本発明に係る内燃機関のピストン等の第2実施形態を示し、前記第1実施形態における固体潤滑被膜10の形成方法を変更したものである。
すなわち、この実施形態では、前記第1実施形態における固体潤滑被膜10を、単一の被膜組成物ではなく、従来と同様の、結合樹脂11を多く含有する第1被膜組成物(結合樹脂:50wt%以上(固体潤滑剤:50wt%以下))と、固体潤滑剤12を多く含有する第2被膜組成物(固体潤滑剤:50〜95wt%(結合樹脂:5〜50wt%))と、をもって構成する。
そして、これは、前記第1実施形態のピストン製造工程において前記成形等(図11に示す加工工程S1)及び前記洗浄等(図11に示す洗浄工程S2)が行われたピストン1の各スカート部7,8表面に、2つのスプレーガン31,32を使用して2種類の第1被膜形成塗料10y及び第2被膜形成塗料10zを同時に塗布し(図11に示す被膜形成工程S3)、その後、これを焼成する(図11に示す焼成工程S5)ことによって形成される。
具体的には、図12に示すように、一方のスプレーガンである第1スプレーガン31により噴霧される第1被膜形成塗料10yと、当該第1スプレーガン31に対し所定の間隔をもって隣接配置される他方のスプレーガンである第2スプレーガン32により噴霧される第2被膜形成塗料10zと、が重なる範囲に、図外の回転台に載置したピストン1を配置して、当該回転台を回転させることにより、各スカート部7,8表面に第1、第2被膜形成塗料10y,10zを塗布する。
すると、同図に示すように、第1スプレーガン31による塗料10yの噴霧量は曲線Yのようになる一方、第2スプレーガン32による塗料10zの噴霧量は曲線Zのようになり、これらを重合して得られる曲線Xで表されるように、前記両塗料10y,10zのオーバーラップ区間L内では当該両塗料10y,10zの噴霧量を合わせた合計噴霧量が一定となることから、前記各スカート部7,8表面には、当該一定の両塗料10y,10zが塗布されることとなる。
そして、この際、前記ピストン1については、同図の左側から右側へ送るかたちで回転移動させることとする。すなわち、当該回転時には、前記オーバーラップ区間Lに対し、前記各スカート部7,8の回転方向前端が第1被膜形成塗料10yを噴霧する第1スプレーガン31側から第2被膜形成塗料10zを噴霧する第2スプレーガン32側へと進入するように、ピストン1を回転移動させる。これにより、前記両塗料10y,10zが塗布されてなる塗膜において、固体潤滑剤12の含有量(濃度)が、同図中に示す曲線Qに表されるように、被膜界面10aから被膜表面10bにかけて連続的に増大することとなる。この結果、被膜界面10aには結合樹脂11の含有量が多く、被膜表面10bには固体潤滑剤12の含有量が多くなる分布を有する前記固体潤滑被膜10を備えたピストンを得ることができる。
また、この際、ピストン1の送り速度を変更することにより、前記固体潤滑被膜10について、図13に示すような異なる特性を得ることができる。この図は、膜厚t=0の状態を各スカート部7,8の表面位置(界面位置)とした、膜厚tの増大に伴う固体潤滑剤12の濃度dの増加特性を表したものであって、前記送り速度を一定とした場合は、固体潤滑被膜10の濃度dも比例的に増大することとなる(図中の直線A参照)。一方、前記送り速度を漸増させた場合は、固体潤滑被膜10の濃度dは、被膜界面10aから被膜表面10bにかけて変化量が小さくなるように増大することとなり(図中の曲線B参照)、他方、前記送り速度を漸減させた場合は、固体潤滑被膜10の濃度dは、被膜界面10aから被膜表面10bにかけて変化量が大きくなるように増大することとなる(図中の曲線C参照)。
以上のことから、本実施形態のように、複数の第1、第2被膜組成物の塗布量を調整することにより、前記第1実施形態のように単一の被膜組成物を用いなくとも、被膜界面10aには結合樹脂11の含有量が多く(固体潤滑剤12の含有量が50wt%以下(結合樹脂11の含有量が50wt%以上))、被膜表面10bには固体潤滑剤12の含有量が多くなる(固体潤滑剤12の含有量が50〜95wt%)分布を有する前記固体潤滑被膜10を形成でき、上層が摩耗し易く下層が摩耗し難い特性と十分な結合性とを兼ね備えた固体潤滑被膜を有するピストンが得られる。
また、本実施形態の場合、とりわけ、複数の第1、第2被膜組成物を同時に塗布することによって固体潤滑被膜10を形成するようにしたことから、前述のように、当該被膜10中における固体潤滑剤12の濃度dを任意に変更することが可能となり、より汎用性の高い固体潤滑被膜10の形成にも供される。
図14は、本発明の第2実施形態についての変形例を示したもので、当該第2実施形態における前記第1、第2被膜組成物(第1、第2被膜形成塗料10y,10z)の塗布量調整手段を変更したものである。
すなわち、本変形例では、前記第2実施形態の被膜形成工程S3にて第1、第2被膜形成塗料10y,10zを同時塗布するにあたって、第1、第2スプレーガン31,32の噴霧量自体を調整することで、ピストン1の各スカート部7,8に対して当該第1、第2被膜形成塗料10y,10zの塗布を行う。
具体的には、前記第1実施形態のような回転台21上に前記洗浄等を行ったピストン1を載置して、図12に示す両曲線Y,Zのごとく、まず始めは第1スプレーガン31による第1被膜形成塗料10yの噴霧量を多く、かつ、第2スプレーガン32による第2被膜形成塗料10zの噴霧量を少なくした状態で両塗料10y,10zの塗布を行い、その後、時間の経過に伴って前記両スプレーガン31,32の噴霧量比率を逆転させる、つまり第1スプレーガン31による第2被膜形成塗料10yの噴霧量が少なく、かつ、第2スプレーガン32による第2被膜形成塗料10zの噴霧量が多くなるように、当該両スプレーガン31,32の噴霧量を調整する。
このように、前記両スプレーガン31,32の噴霧量自体を調整することによっても、被膜界面10aには結合樹脂11の含有量が多く(固体潤滑剤12の含有量が50wt%以下(結合樹脂11の含有量が50wt%以上))、被膜表面10bには固体潤滑剤12の含有量が多くなる(固体潤滑剤12の含有量が50〜95wt%)分布を有する前記固体潤滑被膜10の形成が可能であり、前記第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、前記各実施形態等の構成に限定されるものではなく、例えば前記遠心分離処理の具体的態様については、前記第1実施形態にて開示した態様のほか、前記回転数等の処理条件を充足するものであれば、いかなる態様を採用することも可能であり、設備の能力等に応じて任意に設定することができる。
また、前記焼成工程S5についても、具体的な条件については任意であり、固体潤滑被膜の仕様等に応じて自由に変更可能である。
さらに、前記被膜形成工程S3前の洗浄工程S2についても、必ずしも前記水洗洗浄に限定されるものではなく、例えば加工工程S1において潤滑油を使用する場合等は、脱脂処理及び化成処理を行うこととしてもよい。
前記各実施形態等から把握される特許請求の範囲に記載した発明以外の技術的思想について、以下に説明する。
(a)請求項1に記載の内燃機関のピストンであって、
前記固体潤滑被膜における前記固体潤滑剤の含有量は、前記スカート部に接触する界面から前記表面にかけて比例的に増大していることを特徴とする内燃機関のピストン。
(b)請求項1に記載の内燃機関のピストンであって、
前記固体潤滑被膜における前記固体潤滑剤の含有量は、前記スカート部に接触する界面から前記表面にかけて変化量が小さくなるように増大していることを特徴とする内燃機関のピストン。
(c)請求項1に記載の内燃機関のピストンであって、
前記固体潤滑被膜における前記固体潤滑剤の含有量は、前記スカート部に接触する界面から前記表面にかけて変化量が大きくなうように増大していることを特徴とする内燃機関のピストン。
(d)請求項3に記載の内燃機関のピストンの製造方法であって、
前記ピストンの切削加工後にこれを洗浄し、その後に前記被膜組成物を塗布することを特徴とする内燃機関のピストンの製造方法。
1…ピストン
7…スラスト側スカート部(スカート部)
7a…条痕
8…反スラスト側スカート部(スカート部)
8a…条痕
10…固体潤滑被膜
10a…被膜界面(スカート部に接触する界面)
10b…被膜表面(シリンダ壁に摺接する表面)
10x…被膜形成塗料(被膜組成物)
10y…第1被膜形成塗料(第1被膜組成物)
10z…第2被膜形成塗料(第2被膜組成物)
11…結合樹脂
12…固体潤滑剤
S1…加工工程
S2…洗浄工程
S3…被膜形成工程
S4…遠心分離処理工程
S5…焼成工程

Claims (4)

  1. 条痕が形成されたスカート部に固体潤滑被膜を有する内燃機関のピストンであって、
    前記固体潤滑被膜は、
    結合樹脂であるポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂の少なくとも1種と、
    少なくとも二硫化モリブデンを含む固体潤滑剤と、
    を含有し、
    前記スカート部に接触する界面については、前記固体潤滑剤の含有量が50wt%以下となるように設定される一方、
    前記機関のシリンダ壁に摺接する表面については、前記固体潤滑剤の含有量が50〜95wt%となるように設定され、
    前記スカート部に接触する界面と前記シリンダ壁に摺接する表面との間では、前記固体潤滑剤の含有量が連続的に変化するように構成されていることを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. スカート部に固体潤滑被膜が形成される内燃機関のピストンであって、
    前記固体潤滑被膜は、
    結合樹脂である樹脂と、該樹脂よりも大きな比重を有する固体潤滑剤を含有し、
    前記スカート部に接触する界面については、前記固体潤滑剤の含有量が50wt%以下となるように設定される一方、
    前記機関のシリンダ壁に摺接する表面については、前記固体潤滑剤の含有量が50〜95wt%となるように設定され、
    前記スカート部に接触する界面と前記シリンダ壁に摺接する表面との間では、前記固体潤滑剤の含有量が連続的に変化するように構成されていることを特徴とする内燃機関のピストン。
  3. 条痕が形成されたスカート部に固体潤滑被膜を有する内燃機関のピストンの製造方法であって、
    前記ピストンを成形する工程と、
    前記スカート部を切削加工することで当該スカート部に条痕を形成する工程と、
    前記スカート部に、結合材である樹脂と、該樹脂よりも大きな比重を有する固体潤滑剤と、を含有する被膜組成物を塗布する工程と、
    前記固体潤滑剤が乾燥する前に、前記ピストンを軸心周りに回転させる工程と、
    前記被膜組成物を焼成する工程と、
    によって前記固体潤滑被膜を形成することを特徴とする内燃機関のピストンの製造方法。
  4. 条痕が形成されたスカート部に固体潤滑被膜を有する内燃機関のピストンの製造方法であって、
    前記ピストンを成形する工程と、
    前記スカート部の表面に、固体潤滑剤の含有量が50wt%以下となる第1被膜組成物と、固体潤滑剤の含有量が50〜95wt%となる第2被膜組成物とを、複数のスプレーをもって同時に塗布する工程と、
    前記第1被膜組成物及び第2被膜組成物を焼成する工程と、
    によって前記第1固体潤滑被膜及び第2固体潤滑被膜を形成することを特徴とする内燃機関のピストンの製造方法。
JP2012031198A 2012-02-16 2012-02-16 内燃機関のピストン Expired - Fee Related JP5885531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012031198A JP5885531B2 (ja) 2012-02-16 2012-02-16 内燃機関のピストン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012031198A JP5885531B2 (ja) 2012-02-16 2012-02-16 内燃機関のピストン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013167209A true JP2013167209A (ja) 2013-08-29
JP5885531B2 JP5885531B2 (ja) 2016-03-15

Family

ID=49177783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012031198A Expired - Fee Related JP5885531B2 (ja) 2012-02-16 2012-02-16 内燃機関のピストン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5885531B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015120016A1 (en) * 2014-02-04 2015-08-13 Federal-Mogul Corporation Piston with abradable coating to generate appropriate contact geometry on running surface

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS609570A (ja) * 1983-06-29 1985-01-18 Aisin Seiki Co Ltd 補強材よりなるピストンの製造方法
JPH03199656A (ja) * 1989-12-28 1991-08-30 Toyota Motor Corp ピストンスカートへの樹脂被膜形成方法
JPH0797517A (ja) * 1993-08-03 1995-04-11 Toyota Motor Corp 摺動用樹脂組成物
JPH08196951A (ja) * 1994-08-04 1996-08-06 Fuji Seiki Mach Works Ltd 固体潤滑剤皮膜形成方法とそれに使用する潤滑剤組成物及びそれに用いられる装置
JPH10227360A (ja) * 1992-09-16 1998-08-25 Riken Corp 摺動材料及びピストンリングならびに摺動材料の製造方法
JP2000256850A (ja) * 1999-03-04 2000-09-19 Riken Corp ダイヤモンドライクカーボン薄膜及びその製造方法
JP2000320673A (ja) * 1999-05-07 2000-11-24 Shojiro Miyake 低フリクション炭素薄膜
JP2007162099A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Toyota Motor Corp 硬質炭素膜及びその製造方法並びに摺動部材
JP2010090812A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Art Metal Mfg Co Ltd 内燃機関用ピストンスカート部の表面処理方法及び内燃機関用ピストン
JP2010216362A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Hitachi Automotive Systems Ltd 複層被膜組成物が施された内燃機関のピストン及び該ピストンの表面処理方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS609570A (ja) * 1983-06-29 1985-01-18 Aisin Seiki Co Ltd 補強材よりなるピストンの製造方法
JPH03199656A (ja) * 1989-12-28 1991-08-30 Toyota Motor Corp ピストンスカートへの樹脂被膜形成方法
JPH10227360A (ja) * 1992-09-16 1998-08-25 Riken Corp 摺動材料及びピストンリングならびに摺動材料の製造方法
JPH0797517A (ja) * 1993-08-03 1995-04-11 Toyota Motor Corp 摺動用樹脂組成物
JPH08196951A (ja) * 1994-08-04 1996-08-06 Fuji Seiki Mach Works Ltd 固体潤滑剤皮膜形成方法とそれに使用する潤滑剤組成物及びそれに用いられる装置
JP2000256850A (ja) * 1999-03-04 2000-09-19 Riken Corp ダイヤモンドライクカーボン薄膜及びその製造方法
JP2000320673A (ja) * 1999-05-07 2000-11-24 Shojiro Miyake 低フリクション炭素薄膜
JP2007162099A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Toyota Motor Corp 硬質炭素膜及びその製造方法並びに摺動部材
JP2010090812A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Art Metal Mfg Co Ltd 内燃機関用ピストンスカート部の表面処理方法及び内燃機関用ピストン
JP2010216362A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Hitachi Automotive Systems Ltd 複層被膜組成物が施された内燃機関のピストン及び該ピストンの表面処理方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015120016A1 (en) * 2014-02-04 2015-08-13 Federal-Mogul Corporation Piston with abradable coating to generate appropriate contact geometry on running surface
US9909528B2 (en) 2014-02-04 2018-03-06 Federal-Mogul Llc Piston with abradable coating to generate appropriate contact geometry on running surface

Also Published As

Publication number Publication date
JP5885531B2 (ja) 2016-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105829743B (zh) 轴承元件和用于制造轴承元件的方法
JP5248379B2 (ja) 複層被膜組成物が施された内燃機関のピストン及び該ピストンの表面処理方法
JP6629754B2 (ja) 摺動エンジン部品
JP2013167182A (ja) 内燃機関のピストンの製造方法
WO2008086394A1 (en) Coated piston and coating method
US9255545B2 (en) Piston skirt coating consisting of a low-friction running-in layer and a low-wear base layer
JP2016533463A (ja) 滑動エンジン部品
JP6133916B2 (ja) 摺動部材の製造方法およびピストンの製造方法
JP2017528590A (ja) 軸受部材及び軸受部材の摺動層材料
US20170306469A1 (en) Internal-combustion engine piston ring, process for obtaining a piston ring, and internal-combustion engine
JP5885531B2 (ja) 内燃機関のピストン
JP2009068584A (ja) 摺動用被覆構造
CN105723108A (zh) 滑动发动机部件
US20190376559A1 (en) Sliding component, material and method
JP6408722B2 (ja) 内燃エンジン用ピストンの環状クーリングチャンネルの表面を被覆する方法および当該方法によって製造可能なピストン
WO2016152468A1 (ja) 内燃機関のピストンまたは内燃機関のピストンの表面処理方法
JP2018150528A (ja) 乾性潤滑被膜組成物、及びその乾性潤滑被膜組成物により摺動層を構成した摺動部材
JP5755820B2 (ja) 被膜形成方法
JP5307208B2 (ja) 複層被膜組成物が施された内燃機関のピストン
WO2016171004A1 (ja) 内燃機関のピストンおよび内燃機関のピストンの表面処理方法
EP4010602B1 (en) Sliding element comprising polymer overlay
JPS6050203A (ja) ロ−タリピストンエンジンのロ−タハウジング
KR102383142B1 (ko) 마찰방지 코팅층 형성방법, 이에 의해 형성된 마찰방지 코팅층을 포함하는 부품
US20190177646A1 (en) Sliding element for an engine comprising surface treated metal particulate
JP5568666B2 (ja) 複層被膜組成物が施された内燃機関のピストン及び該ピストンの表面処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5885531

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees