JP2013166105A - 粒状体処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱炉内で、容器内に静的に収納された粒状体間の相対位置を効率的に変更する簡易な手段を提供する。
【解決手段】反応容器内で粒状体を容器内壁に接触させて粒状体層自体を昇降させることにより個々の粒状体間の相対位置を移動させ、粒状体層全体を撹拌する。この攪拌により、粒状触媒層全域において粒状触媒間に堆積した固体、例えばタール分を含むガスの改質反応の際に堆積するカーボンなどを、効率的に粒状体間から落下させて粒状触媒層から除去できる。さらに、加熱炉内の反応装置であっても、粒状体保持器の昇降を行うための駆動機構として、保持器を昇降させる昇降部と、水平方向の往復移動をこの昇降移動に変換する水平移動部とを用いることによって、簡易な手段で保持器を昇降できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、触媒等の粒状体を加熱炉内の高温下で処理する反応器等の流体または粒状体処理装置の技術に関する。
入口・出口(流入口・流出口)を有する容器の中に粒状体を静的に収容し、これを加熱して高温下に維持し、粒状体間の隙間に流体を通過させて流体または粒状体を処理する粒状体処理装置は、固定床反応器、熱交換器、高温フィルタ等に広く適用されている。このような粒状体処理装置においては、作業中の特定のタイミングで粒状体の相対位置を微小に変更したい状況がしばしば発生する。
例えば、流体が粒状体表面で反応を生じる反応器においては、粒状体隙間のレイアウトの差によって、粒状体表面で新鮮な流体と接触しやすい領域(大流量で隙間を流体が流れる隙間)としにくい領域(流れの澱む隙間や粒状体同士が接触している表面)の分布を生じる。長時間作業を続ければ、新鮮な流体と接触しやすい領域の粒状体表面では表面の減量や汚損・劣化が促進される場合がある。このようなとき、もし、粒状体の相対位置を変更することによって、それまで澱んだ流体と接触していた粒状体表面の一部を新鮮な流体と接触しやすい隙間レイアウトにすることができれば、粒状体表面での減量や劣化の均一化をはかることが期待でき、より長い時間、安定して作業できると考えられる。
あるいは、粒状体間の隙間には作業中に異物が堆積する場合があり、通気性や反応性の低下を生じる場合がある。例えば、触媒(粒状体)を充填した固定床触媒反応容器(粒状体処理装置)を用いた流体の化学反応において、触媒反応によって固体等の析出物を生成する場合には、しばしば、触媒間の空間にこの固体析出物が堆積して触媒層を閉塞させ、通気できなくなる問題が発生する。
例えば、触媒を充填した固定床触媒反応装置を用いた流体の化学反応においては、しばしば固体の生成物を生じて触媒反応装置を局部的に閉塞させる問題がある。
移動床や流動床を用いれば、粒状体間を相対運動させることは容易である。しかし、移動床や流動床式の反応装置は、固定床触媒反応装置に比べて装置が複雑化することや、流動床形式の場合には操業も不安定になりやすいので、特に、高温・高圧・高腐食性流体を処理するための反応器としては一般的ではない。
一方、移動床形式および流動床形式の触媒反応容器における上記のような問題がない固定床反応容器では、通常、触媒層を挟んだ両側に空間を設け、一方の空間から他方に流体を流通させて反応させる。触媒層の両側に空間を形成するためには、触媒の保持機構が必要であり、触媒保持機構の代表例は特許文献2(特開2011−6289号公報)に記載されているが、触媒径よりも小さな孔径を有するパンチングメタル板や網を用いて触媒の保持と通気を確保している。図1にその例を示すが、触媒反応容器1の内部に触媒2が収容されており、触媒の保持はパンチングメタル板や網3によって行われている。図1において、原料ガス4は流入口5から流入し、流出口6から改質ガス7として流出する。
反応中の固体析出物の堆積による触媒層の閉塞を防止する手段として、例えば特許文献2には、2つの触媒層の間をガスが通気する自由空間において、第1の触媒層から流出したガス中の粉塵を補足することによって第2の触媒層での閉塞を防ぐ技術が記載されている。しかしこの場合には、触媒層内部で生成し、触媒間の空間で触媒に付着・堆積する粉塵による触媒層の閉塞を防止することはできない。
特許文献3(特開2009−48797号公報)には、燃料電池用のセル内の触媒層に超音波を照射することによって、触媒上で発生した水を流出・除去する技術が記載されている。超音波は、自由空間中や粒体層・粉体層中での減衰が大きいので、照射源近傍にしか作用できない。このため、燃料電池用セル内の触媒層のように比較的小型のものには有効であるが、大量の流体を処理する大型の触媒層では、超音波によって触媒層全体を振動させることは困難である。
特許文献4(特開2008−120604号公報)には、炭化水素の水蒸気改質を低温で実施することによりコーキングを抑制する技術が記載されている。しかし、触媒反応には触媒耐久性および反応速度上の観点から最適な反応温度条件が存在し、コーキングによる触媒層の閉塞は、この最適条件において発生している。そのため、触媒反応温度を低下させてしまうと、反応の最適条件ではなくなるので、触媒性能が低下する問題がある。
特許文献5(特開平8−24622号公報)には、従来技術として、移動床触媒反応容器における堆積ダストによる触媒層の部分閉塞を槌打装置やバイブレータによって除去することが記載されている。この場合には、槌打やバイブレーションによって、触媒の充填率が上昇して触媒間の空間が狭まり、触媒の流動性がかえって悪化する問題がある。
非特許文献1には、特殊な固定床触媒反応容器として、平行流式、モノリス式、管壁式等が記載されている。これらはいずれも、触媒反応容器内に触媒層と、触媒層に囲まれた専用の気流路を設けることによって、触媒反応容器内の通気抵抗の低減を図っている。簡単に言うと、平行流式では、網などで両端を保持した通常の触媒層を平行に複数並べ、触媒層間の空間を専用気流路とする。モノリス式では、ハニカム構造等の構造物の表面に触媒を担持し、ハニカム構造の孔を専用気流路とする。管壁式では、管路内を専用気流路とし、管内面に触媒を担持する。
専用の気流路を設けた場合、触媒反応によって固体生成物が生じると、専用気流路を構成する触媒表面に固体生成物が堆積して専用気流路の流路幅が狭まり、閉塞を生じることがある。あるいは、気流路の閉塞を生じない場合でも、専用気流路を構成する触媒表面に堆積した固体生成物によって専用気流路と触媒層間の流体の交換が阻まれるので、原料ガスが活性を保持した触媒と接触することなく流出して触媒反応効率が著しく減少してしまうという「吹き抜け」現象を生じる。あるいは、モノリス式のように反応容器内に専用気流路が複数存在し、各専用気流路が互いに孤立(即ち、隣接する気流路間での物質交換およびこれに伴う熱交換の抑制された状態)しており、反応容器の奥深い部位での専用気流路内では外部から熱供給を行えない気流路を設けた反応容器において、触媒反応が強い吸熱反応の場合には、上流側の反応によって下流では流体温度が大きく低下して反応可能温度以下となり、反応効率が極端に低下してしまう。逆に触媒反応が強い発熱反応の場合には、反応容器の奥深い部位では発生した熱量を反応容器を通じて外部に放出できないので、下流では流体温度が過度に上昇して触媒を失活させたり、触媒反応容器を焼損することがある。
さらに、モノリス式の場合、一般に複雑な形状で大型となるモノリス全体を、触媒を担持するための担体、または、触媒自身の単一構造物として成形する必要があるため、触媒製造技術上、適用できる触媒設計(構造)が比較的単純なもの(例えば、単一化学成分種の触媒を担体表面に均一塗布する等)に限られるという問題がある。このため、例えば、タール改質触媒のように、表面が複数の異なる化学種成分の区画に微細に分割されて各化学種成分が互いに協調して触媒効果を発揮するような複雑な設計(構造)の触媒にモノリス式を適用することは、著しく困難であり、可能だとしても極めて高価なものになる。
特開2010−77219号公報 特開2011−6289号公報 特開2009−48797号公報 特開2008−120604号公報 特開平8−24622号公報
触媒学会編:触媒講座第6巻(工学編2)触媒反応装置とその設計, 講談社(東京), 1985, pp.100-169.
このように従来技術では容器内に静的に収納された粒状体間の相対位置を効率的に変更する手段が存在しなかった。
また、処理装置容器内で何かを昇降させるための昇降機構に関して、処理装置容器内温度が低い場合(例:70℃以下)には比較的容易に実現できる。例えば、周囲をフッ素樹脂製の市販のジャバラで保護した市販の油圧シリンダを処理装置容器の下部に設置し、油圧シリンダのロッド先端を被昇降物下面に接合すればよい。
しかし、処理装置容器内温度が加熱炉内に設置され、容器内部および周辺が高温である場合(例:600℃以上)、内部の物を昇降させるためには、特別製(例:耐熱合金製構造体+ファインセラミックス製シール材等)の耐熱ガスシリンダを用いる等、高価な手段しかなく、簡易な装置が提案されていなかった。
上記課題を解決するために、本発明者の研究の結果、以下の解決方法を発明するに至った。
(1) A)加熱炉と、
B)加熱炉内に設置された、略重力方向に中心軸を持つ筒状である粒状体容器と、
C)粒状体容器内に粒状体を下方から保持する保持器と、
D)粒状体容器内に保持された粒状体に流体を通過させるための、粒状体容器の一端近傍に設けた流体の流入口及び他端近傍に設けた流体の流出口と、
E)粒状体撹拌手段とを具備する処理装置であって、
前記粒状体攪拌手段は、保持器を含んで保持器とともに昇降する昇降部と、保持器に接して昇降部に昇降のための駆動力を伝える水平移動部とから構成され、
前記水平移動部は、
−加熱炉内に設けられ、昇降部に接して水平方向に往復動して前記昇降部を昇降させる爪部と、
−加熱炉外に設けられ、前記爪部を水平方向に往復動させる駆動装置と
−加熱炉の壁を貫通して前記駆動装置と前記爪部を連結する連結軸と、
−前記連結軸周囲を囲って粒状体容器を加熱炉雰囲気から遮断するシ−ル手段とから構成され、
前記爪部は、前記駆動装置に向かう方向に上昇する上向き斜面と、前記駆動装置から遠ざかる方向に下降する下向き斜面とを有し、
前記駆動装置が前記爪部を押出すと、前記爪部の前記上向き斜面がそれに接する前記昇降部に上昇力を与えて、前記昇降部が上昇し、
前記駆動装置が前記爪部を引戻すと、前記爪部の前記下向き斜面がそれに接する前記昇降部に下降力を与えて、前記昇降部が下降することを特徴とする処理装置。
(2) 前記粒状体容器内に前記粒状体が積層されて粒状体層をなし、前記粒状体が前記粒状体容器の内壁に接するように昇降することを特徴とする上記(1)に記載の処理装置。
(3) 前記昇降部は保持器の下方に固定ピンを有し、昇降部の降下時に前記爪部の下向き斜面が接する昇降部の位置は、前記昇降部の固定ピンであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の処理装置。
(4) 前記昇降部は保持器の下方に固定ピンを有し、昇降部の上昇時に前記爪部の上向き斜面が接する昇降部の位置は、前記昇降部の固定ピンであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の処理装置。
(5) 前記昇降部は保持器の下方に下向き斜面を有し、昇降部の上昇時に前記爪部の上向き斜面が接する昇降部の位置は、前記昇降部の下向き斜面であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の処理装置。
(6) 前記シール手段がシール管であって、外部から非反応性ガスを供給する非反応性ガス供給管が接続されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の処理装置。
(7) 前記爪部は、昇降部の非昇降時には、昇降部から離脱してシール手段内に引き戻されることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の処理装置。
(8) 前記保持器が、粒状体を複数のピンの先端部で保持し、流体が当該ピンの間の空間を流通できる構造を有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の処理装置。
(9) 前記粒状体の高さが、前記粒状体容器の厚み(粒状体容器の中心軸垂直断面での代表長さのうち、最小の寸法をいう。)の2倍以下であり、かつ、粒状体外面の代表長さの最大値の3倍以上であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の処理装置。
(10) 前記駆動機構の下降時の速度が上昇時の速度よりも速いことを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の処理装置。
(11) 前記粒状体容器が粒状の触媒を収納する連続式固定床触媒反応器であって、前記流体がガスであり、前記触媒を用いた流体の触媒反応による生成物が生成ガスと触媒上に析出する固体または液体を含むことを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の処理装置。
(12) 前記触媒反応用の流体が炭化水素を含有するガスであり、前記触媒反応による生成物が固体の炭化水素または固体のカーボンを含むことを特徴とする、上記(11)に記載の処理装置。
(13) 前記炭化水素を含有するガスがタールを含有するガスであることを特徴とする、上記(12)に記載の処理装置。
(14) 前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む複合酸化物であって、アルミナを含まない複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl2O4、CeO2の結晶相からなることを特徴とする上記(13)に記載の処理装置。
(15) 前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、ジルコニウム、アルミニウムを含む複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl2O4、CexZr1-xO2(0<x<1)の結晶相を含むことを特徴とする上記(13)に記載の処理装置。
(16) 前記触媒が、aM・bNi・cMg・dOで表わされる複合酸化物であるタール含有ガスの改質用触媒であって、
a、b、及び、cは、a+b+c=1、0.02≦a≦0.98、0.01≦b≦0.97、かつ、0.01≦c≦0.97を満たし、
dは、酸素と陽性元素が電気的に中立となる値であり、
Mは、Ti,Zr,Ca,W,Mn,Zn,Sr,Ba,Ta,Co,Mo,Re,白金、ルニウム、パラジウム、ロジウム、Li,Na,K,Fe,Cu,Cr,La,Pr,Ndから選ばれる少なくとも1種類の元素であり、
前記複合酸化物に、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加え、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる前記酸化物の含有量が、前記複合酸化物に対し1〜90%質量%である、ことを特徴とする、上記(13)に記載の処理装置。
以下、「粒状体」を「触媒(粒)」、「流体または粒状体処置装置」を「触媒反応器」を例として説明するが、粒状体や流体または粒状体処理装置は、触媒粒や触媒反応器に限られるものではない。
ここで、本発明者が本発明に到達した経緯を説明すると、次のとおりである。
固定床触媒層中の触媒間に生成固体カーボンの堆積する機構
本発明者らの調査の結果、固定床触媒層中の触媒間に生成固体カーボンの堆積する機構は次のとおりであることがわかった。
1)固定床触媒層中の隣り合う複数の触媒で形成される触媒間空間において、主流の上流側の隙間から原料ガス(一部改質済み)が流入し、主流の下流側の隙間から改質されたガス(一部は残留した原料ガス)が改質ガスとして流出する。
2)触媒間空間に供給された原料ガスが触媒反応によって改質される際、触媒表面で生成した固体カーボンの一部が触媒表面に付着する。
3)触媒間空間に供給された原料ガスが触媒反応によって改質される際、触媒表面で生成し、気流によって触媒表面から離脱した固体カーボン微粒子は、上記の既に触媒表面に付着した固体カーボン上に付着して、触媒表面で直径数十μmから約1mmのカーボン球が成長する。
4)上記のカーボン球は、時に触媒表面から離脱し、既に存在する他のカーボン球の上に再付着するなどして、触媒表面に多層のカーボン球から構成される厚みが数mmにもおよぶ固体カーボンの堆積層が形成される。
5)この固体カーボン堆積層は実質的に多孔質であるので、高速のガスが通気する際には大きな圧力損失を生じる。
6)特定の触媒間空間での通気抵抗が過大となれば、主流は、他のより通気抵抗の低い触媒間空間を優先的に通気するようになる。但し、固体カーボン堆積層が多孔質であるため、固体カーボンの堆積によって通気抵抗が過大になった空間においても、触媒間空間へのガスの流れが完全に遮断されるわけではなく、触媒表面には低流量で原料ガスが供給され続ける。この結果、触媒表面でのガス改質による固体カーボンの成長は常に進行し続ける(但し、触媒表面での露出面積は減少するので、改質速度は初期に比べて大幅に低下する)。
7)触媒層中の大半の触媒間空間において固体カーボンの堆積が進むと触媒層全体としての圧力損失が過大となり、「閉塞状態」が生じる(触媒反応容器では所与の流量で原料ガスを処理しなければならず、この所与のガス流量時にいずれの触媒間空間を通気しても圧力損失が反応装置の許容値(ガス搬送能力や容器の強度等によって定まる)を超えることが避けられない状態で触媒層は実質的な「閉塞」となる)。
水素・二酸化炭素・水蒸気・タール含有ガスの改質反応を行い、閉塞を生じた固定床触媒反応容器の触媒表面から固体カーボン堆積層を単独で取り出し、容器の中に入れて軽くシェイクする様な機械的外力を加えると、構成単位であるカーボン球の境界で容易に分離し、粉化した。このような固体カーボンの堆積により閉塞を生じた触媒層から固体カーボンを除去するために、本発明者らは、種々の対策を試みた。
第1の対策(触媒層の逆洗)
第1の対策として、触媒層外部からのブローによる触媒層の逆洗を試みた。詳しく言えば、反応容器内に触媒層の下流側に窒素ガス供給配管を設け、触媒層に対して高速窒素流を噴射して、触媒層の逆洗を試みた。逆洗は、粉塵除去用のフィルタの閉塞時の対策として一般に用いられる手法である。
結果として、一部の固体カーボンは除去されたが、触媒層の圧力損失の変化は軽微であり、閉塞を解消する効果はなかった。その理由としては、次のことが考えられる。
1)フィルタの場合、上流からフィルタ内に流入した粉塵粒のうち、フィルタの目開きよりも大きいものをその場で捕集する。フィルタは、通常、上流ほど目開きが大きい。従って、フィルタの閉塞部に対して主流の下流側から高速流を供給して逆洗を行う場合、捕集された粉塵粒のうちフィルタの目から離脱したものは、高速気流に搬送されて主流の上流側に進行する際、より大きな目開きを通過するので、メッシュに再捕集されることは少なく、フィルタ外に排出できる。
一方、本発明が対象とする触媒反応副生物である固体カーボンなどの堆積層は、主流の上流から流入するのではなく、触媒間空間中で、ガスを原料として生成する。このため、堆積カーボンの大きさが触媒間空間の流出入の隙間よりも小さいとは限らないので、そのままでは触媒間空間から流出できない堆積カーボンが多量に存在する。
カーボン堆積層を破壊して微粉化すれば触媒間空間から流出できる可能性がある。しかし、気流が堆積カーボンに与える応力は一般に小さいので(触媒層全体に大きい気圧差を与えても、触媒層中で触媒は、通常多数の層で積載されているので、個々の触媒間空間の入側−出側気圧差は微小となり、大きな応力を堆積カーボンに与えることはできない)、堆積カーボン層を破壊することはできない。
2)一部のカーボンを除去した時点で、カーボン除去の結果として通気抵抗の小さくなった少数の触媒間空間を連ねた狭い流路が触媒層の中に新たに形成され、主流の大半はこの流路に集中して流れる。この際、新たに形成された流路以外の触媒間空間には気流はほとんど通過しないので、これ以上カーボンが除去されることはない。このため、主流が通過する狭い流路で流速が上昇して大きな圧力損失が生じるので、閉塞状態はあまり改善されない。このように形成された新たな流路も、流路内で新たなカーボンが生成・堆積することよって急速に再閉塞していくので、逆洗の効果は短時間とならざるをえない。その一方、早期に失活を生じた触媒によって構成される(囲まれる)触媒間空間ではこのような触媒間空間の再閉塞を生じない。しかし、そもそも、主流が失活した触媒のみと接触して触媒層を通過するのであれば、ガスの改質を行えないので、触媒反応容器としての性能を発揮できない。
これらから、次のように結論することができる。
すなわち、一般に、閉塞を生じた触媒層においては、
[個々の堆積カーボンの大きさ]>[当該触媒間空間の隙間]
の状態となっており、
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間]
としない限り、触媒層からカーボンを大量に除去することはできず、触媒層外部からのブローによる触媒層の逆洗はこれに有効ではない。
第2の対策(反応容器外面を槌打)
そこで次に、第2の対策として、反応容器外面を槌打して、堆積カーボン層の破壊、または触媒間空間の拡大を試みた。
結果として、最初の閉塞発生後に槌打(第1回目の槌打)すると、一部の堆積カーボンを除去でき、圧力損失も半分程度に減少し、一定の効果が見られた。この後、再閉塞発生後に再び槌打(第2回目の槌打)すると、堆積カーボンの除去は微小であり、圧力損失の変化はなく、閉塞を回避することはできなかった。すなわち、反応容器外面の槌打は、2回目以降は堆積カーボンの除去に有効でないことがわかった。その理由としては、次のことが考えられる。
1)通常、触媒を反応容器内に積層する際には上部から単純に落下させるので、触媒層における触媒は最密充填状態にはない。ここに、第1回目の槌打を加えると、振動によって触媒が最密充填あるいはそれに近い状態になる(簡単にするために、以下ではこれを「最密充填化」と称することにする)。最密充填化の過程で触媒間の相対位置は、合計で触媒代表長さの30%程度の大きさで移動する。この相対位置の移動(即ち、触媒間相対運動)時に、一部の堆積カーボンが触媒との接触応力によって破壊されて小型化するとともに、触媒間の間隔が一時的に広がる瞬間を生じるので、
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間]
の関係が実現されて触媒層中を落下し、遂には触媒層から除去された。
2)一方、第1回の槌打終了後に触媒層は最密充填化されているので、第2回目以降の槌打を行っても触媒間の相対位置はほとんど変化せず、堆積カーボンの破壊や触媒間の間隔の広がりは生じない。このため、第2回目以降の槌打では堆積カーボンの除去の効果が認められなかった。
これらから、次のように結論することができる。
すなわち、1回限りの閉塞解消効果では、多くの場合、触媒反応容器における所要処理継続時間を満足できないので、反応容器外面の槌打は堆積カーボンの継続的な除去のためには不十分である。触媒層から堆積カーボンを継続的に除去するためには、
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間]
とした後に、触媒層の最密充填状態を解消する手段が必要である。
第3の対策(反応容器内での触媒層自体の移動)
前述の結論を踏まえ、第3の対策として、反応容器内での触媒層自体の移動を試みた。より詳しく言えば、静止反応容器の中で触媒が反応容器内壁に接した状態で、触媒層の底に設けた保持器を昇降することによって触媒層全体を昇降させることを試みた。その結果、数回の昇降操作の後、触媒層の昇降運動は安定状態(昇降操作の1サイクルの後、触媒層が当該サイクルの始点の状態に平均的に戻る)に到達する。この安定状態において、保持器の上昇時には触媒層下端の上昇量に対して触媒層上端での上昇量の方が一般に小さく、保持器の下降後には触媒層上下端とも始点の位置に戻る。従って、保持器昇降のサイクル内では、触媒層の平均充填率の変動を生じており(触媒層平均充填率は、保持器上昇時に増大し、保持器下降時には減少する)、触媒層内において少なくとも上下方向での触媒間相対運動が発生する。この保持器昇降時の触媒層の上端と下端の上昇量の差は、触媒層高さ(触媒層上端と下端間の距離)が大きいほど増大し、遂には触媒層上端がほとんど上昇しない状態に至る。この触媒層上端の移動しない状態では、触媒層上端近傍の触媒はそもそも保持器昇降によって移動しないので、触媒間相対運動が生じない。この結果、この領域では触媒間の堆積カーボンを保持器昇降によって除去することはできない。従って、触媒層全体で保持器昇降によって触媒間の堆積カーボンを除去するためには、保持器昇降によって、単に触媒層の平均充填率を変動させるだけでなく、触媒層上端でも十分な昇降ストロークを確保することが必要であることがわかった。
図2に、断面積の一定な矩形断面のダクト状反応容器内に触媒を充填して触媒層を形成し、触媒層の下方に保持器を設けて触媒層を保持する機構の装置において、保持器を27mm上昇させることにより、静止反応容器内の触媒層を触媒が反応容器内壁に接した状態で5回昇降後の安定状態における、触媒層上端高さの変位として表した触媒層上端高さを示す。縦軸が触媒層上端高さであり、基準となる0mmは、保持器上昇前の触媒層上端の垂直方向の位置に対応している。横軸の触媒層高さ/反応容器厚は、以下において触媒層の「アスペクト比」とも呼ぶ指標であり、反応容器厚は、水平平面における反応容器の代表長さのうちの最短の長さに相当し、例えば、反応容器の水平断面が長方形の場合はその短辺の長さ、円形の場合はその直径に相当する。
図2から、触媒層のアスペクト比(触媒層高さ/反応容器厚)>2のとき、触媒層の上昇量(5回の昇降動作後に最終的に認められた昇降開始前の高さからの上昇量)は保持器上昇量(27mm)や触媒外寸(直径)15mmに比べてはるかに小さいことがわかる。これは、保持器上昇時(触媒層上昇時)には触媒充填率が大きくなり、保持器下降時(触媒層下降時)には充填率が小さくなることを意味している。ここで、保持器上昇・下降時とも、下方の触媒ほど移動速度が大きいので、触媒層高さ方向の各触媒の移動速度が異なることから、少なくとも上下方向の触媒間相対運動を生じる。この条件(アスペクト比>2)では、触媒層上端部の上昇の振幅が小さいので、この部分での触媒間の相対運動は比較的小さく、触媒間の堆積カーボンの排出能力は低い。
それに対し、触媒層のアスペクト比≦2(アスペクト比=1.8)のときは、触媒層上端の上昇量は保持器上昇量に比べてやや小さい(保持器上昇量27mmに対し、20mmの上昇)ことがわかる。即ち、この条件では、触媒層上端でも保持器と同レベルの昇降ストロークを満足し、かつ、保持器昇降による触媒層充填率の変動も確保するという、前記の触媒層全域での触媒間相対運動を実現でき、触媒間の堆積カーボンの排出能力が高い。
また、このような上下方向の触媒間相対運動の効果に加えて、本発明では、触媒が反応容器内壁に接触した状態で触媒層が昇降することによって、触媒層の厚方向および幅方向にも触媒間相対運動を発生させる効果を発揮できる。即ち、触媒層の昇降に伴う充填率変化の際の触媒間相対位置の変化を考察すると、触媒層厚み方向(反応容器厚み方向に同じ)の各触媒の移動に対する拘束状態が異なる。これは、壁面との摩擦によって、壁面に近い触媒ほど、拘束が大きく、初期の上昇・下降速度が小さいことに起因している。その結果、触媒層厚み方向の各触媒の移動速度が異なるので、触媒間の相対運動を生じる。
こうして、反応容器内で触媒を容器内壁に接触させて触媒層自体を昇降させた場合、触媒層の昇降に伴う充填率変化の際の触媒間相対位置の変化は大きくなり、例えば、保持器の昇降ストロークが30mmの場合、昇降の度に触媒代表長さ(例えば15mm)の30%程度になる。
前述のように反応容器内で触媒を容器内壁に接触させて触媒層自体を昇降させることにより個々の触媒間の相対位置を移動させ、触媒層全体を撹拌すると、触媒層全域において触媒間に堆積した固体、例えばタール分を含むガスの改質反応の際に堆積するカーボンなどを、効率的に触媒間から落下させて触媒層から除去できることがわかった。
特に、下降時に保持器を触媒層下部の自由落下速度よりも速く、より好ましくは触媒層下端の触媒の自由落下速度よりも速く、下降させると、触媒層下端は保持器から離脱し、保持器下端位置で先に停止した保持器上に触媒が次々と振り積もるので、最密化されていた触媒層であっても、触媒の再配列によって、低充填化することができる。それと同時に、触媒の落下中に触媒間の隙間が極端に大きくなる瞬間を生じ得るので、触媒間に堆積した固体を効率的に除去できる。
それに対して、保持器と反応容器を同一速度で昇降した場合、触媒層全体は保持器・反応容器と同一速度で昇降するので、触媒間の相対移動は生じない。そのため、触媒表面の固体カーボンなどの除去効果は低い(反応容器外部からの槌打なみ)。また、触媒全体をかご等に入れてかごと触媒層を同時に昇降する場合も同様である。
以上から、固定床触媒層内で触媒上に生成・堆積する固体堆積物を除去するためには、触媒層をその保持器とともに、反応容器に対して相対移動させることが必要であることがわかった。そこで、本発明は、粒状体を収容した反応容器内で粒状体を反応容器に対して相対移動させること、すなわち、攪拌する装置を提供するものであり、本発明の処理装置は、その適用範囲は触媒反応装置に限定されないが、触媒層全体の撹拌(個々の触媒間の相対位置を移動させること)を、固体カーボン等の固体生成物が発生する触媒反応に短時間適用することによって、触媒層全域において触媒間に堆積した固体生成物を効率的に触媒間から落下させて触媒層から除去できるという顕著な効果を得ることができるものである。触媒層から除去された固体生成物は、保持器の開口部を通して落下させることができ、落下して下方に溜まった固体生成物は、例えば触媒の交換時などに系外へ排出することができる。
第3の対策、その2(保持器の昇降機構)
本発明では、もう1つの特徴として、粒状体保持器の昇降を行うための駆動機構として、保持器を昇降させる昇降部と、水平方向の往復移動をこの昇降移動に変換する水平移動部とを用いることによって、簡易に保持器を昇降できる機構(請求項に記載した機構)を創作し、採用する。
(本発明の昇降機構の利点)
本発明の上記の昇降機構が簡易である理由を以下に説明する。
1)鉛直方向に直接、駆動装置を設ける場合には、処理装置容器の下方に設ける必要があり、以下の配慮が必要になる不利がある。
一般に重量物である処理装置容器の下方に空間を設けて駆動装置を配置するためには特別な設計上の配慮が必要であり、たとえば、粒状体容器を支える炉体基礎に開渠を設けて、その中に駆動装置を埋め込む等の配慮が必要であり、装置も高価になる。
また、粒状体層を昇降すると、堆積物等が下方に落下するので、駆動装置に防塵対策が必要であり、特に、粒状体処理装置がカーボン等の生成物を粒状体層中に生成する触媒反応器の場合にその対策が必要である。
2)水平方向駆動の場合、駆動軸は、粒状体処理装置炉体のいずれかの側壁を貫通させることによって駆動装置を容易に炉外に配置することができるので、駆動装置に安価な汎用品を用いることができる。
すなわち、駆動軸は一般に細くてよいので、駆動装置が直接、炉内に開放される場合等に比べて貫通口は比較的小さな大きさでよく、断熱性・シール性の観点から有利であることができる。
3)水平移動部の上向き斜面および下向き斜面が昇降部の一部と接触しながら移動することによって、前進時の上昇時に保持器に上昇力を与えるのみでなく、後退時の下降時にも保持器に下降力を与えることができる。
すなわち、保持器上昇時に保持器が粒状体層に噛みこんで、自由落下しなくなることがあるが、重力以上の下向きの力を保持器に付与すれば、このような状態を解消できる。
4)水平移動部の上向き斜面と下向き斜面間に昇降ピンの通過できる切り欠きをもうければ、水平移動部の後退限において昇降部と水平移動部の接触のない状態を実現できる。この後退限で水平移動部がシール管内に収まるように配置すれば、昇降動作を行わない、大部分の時間において、水平移動部を炉内の高温・腐食性の雰囲気・生成物の付着等から保護することができる。また、昇降部を分解することなく、水平移動部のみをシール管を通して処理装置容器内から取り出すことができるので、先端部のみを交換することができる。
一方、本発明の方法以外に、以下の方法でも水平移動を昇降運動に変換できるが、それぞれ問題がある。
<比較1:くさびの抜き差しのみによる昇降機構の場合>
くさびの挿入時には保持器に上昇力を与えられるが、くさびを抜いた場合には、保持器には重力しか付与されない。保持器は、接触する触媒および壁面間との摩擦力によっていわゆる噛み込み現象を生じて、昇降動作の上昇端に保持されて自由落下できなくなる場合があり、この昇降機構の場合、下降時には保持器に接触的な下降力を与えないため、保持器を下降できない問題を生じる。
<比較2:昇降機構としてリンク機構を採用し、水平駆動装置の先端をピン等でリンクに固定することによって、水平移動を昇降に変換する機構>
水平駆動装置はリンクに固定されているので、水平移動部のみを昇降部から切り離して退避させることはできない問題がある。
<比較3:ラックアンドピニオン機構による昇降機構>
この方式の場合、構造が複雑なので、水平移動部のみを昇降部から切り離して退避させることは、困難である。また、水平移動を昇降運動に変換する接触部位の面積が一般に小さく、面圧が高い。高温炉内では、このような部位は、容易に損傷してしまう問題がある。
タール改質触媒における効果
本発明は、固定床触媒層内で触媒上に生成・堆積する固体生成物の除去に好適に適用することができる。例えば、ニッケル、マグネシウム、セリウム、ジルコニウム、アルミニウムを含む複合金属酸化物触媒によるタール含有ガスの改質反応では、他の反応に比べて触媒表面への固体カーボンの堆積量が多く、それを除去するニーズがより高い。本発明は、このように他の反応に比べ触媒表面への固体カーボンの堆積量が多いタール含有ガス改質反応用の触媒を用いる場合においても、触媒上に生成・堆積する固体生成物の効率的な除去を可能にする。
移動床との違い
本発明の対象である触媒固定床と異なり、移動床は、原則として反応中に絶えず触媒を移動(および撹拌)させる。それに対し、本発明では、反応容器内での触媒層の移動を間欠的に、短時間実施すればよいので、反応中に触媒撹拌を行う必要はない。さらに、移動床では、反応中に一定量の触媒を系外に排出するとともに同量の触媒を系外から供給する。それに対し、本発明では、反応中に触媒の入れ替えは行わない(触媒層が固定床であるから)。
本発明によって、容器内に静的に収納された粒状体間の相対位置を効率的に変更する手段が提供される。また、処理装置容器内温度が加熱炉内に設置され、容器内部および周辺が高温である場合(例:600℃以上)でも、高価なシーリング手段を用いる必要なく、簡易に実施できる上記の装置が提供される。
従来の触媒反応装置を説明するための模式図である。 触媒保持器を昇降させたときの触媒層高さ−上面高さの関係を示すグラフである。 触媒保持器を昇降させたときの触媒層高さ−保持器最大荷重の関係を示すグラフである。 第1の実施形態の処理装置(昇降部がピンのみ)の下降時の模式図である。 第1の実施形態の処理装置(昇降部がピンのみ)の上昇時の模式図である。 好適な粒状物保持手段の写真である。 第2の実施形態の処理装置(昇降部がピン+傾斜面)の下降時の模式図である。 第2の実施形態の処理装置(昇降部がピン+傾斜面)の上昇時の模式図である。 第3の実施形態の処理装置の下降時の模式図である。 第3の実施形態の処理装置の上昇時の模式図である。 第3の実施形態の処理装置に用いる触媒を示す図である。 第4の実施形態の処理装置(爪部退避)の模式図である。 実施例1の効果を示すグラフである。 実施例2の効果を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下では、粒子処理装置として触媒反応器を想定して説明する。したがって、以下の記載において、粒状触媒は粒状体に置き換えて考えることができるものであるが、本発明は触媒反応器に限定されるものではないので、触媒反応器において好適なものとして記載した要件や条件は、本発明においても好適な要件や条件であることができるが、必ずしも本発明あるいは本発明の好適な態様を一般的に限定するものではないことに留意されるべきである。
[第1の実施形態]
(全体構造)
図4、5に、本発明の第1の実施形態の連続式固定床触媒反応装置10を示す。これらの図の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。図4は触媒保持器が下降したとき、図5は触媒保持器が上昇したときを表わしている。本発明の触媒反応装置10は、反応容器11を含み、その内部には、下部を保持器12によって支持された粒状触媒が堆積された触媒層13が収容され、触媒層13中の触媒のうち反応容器内壁に隣接する触媒(図示せず)は反応容器内壁に接触している。本発明では、触媒を反応容器内壁に接触させて触媒層を昇降させるので、昇降作業時の触媒の移動の妨げとならないように、反応容器11の内面は平滑であることが好ましい。
反応容器11には、下方から原料ガス14が供給されて触媒層13で反応し、触媒層13からの改質ガス15は反応容器11の上方から排出される。原料ガス14の例は、炭化水素を含有するガス、炭化水素とともにタールを含有するガスなどでよい。改質ガス15の例は、炭化水素を含有するガスを改質して得られる改質ガスなどでよい。触媒の例を挙げると、炭化水素改質用の塊状触媒などでよく、その表面には触媒反応の副生物として固形物、例えば固体カーボンなどが堆積する。触媒反応が吸熱反応の場合、反応に必要な温度と熱を、触媒反応容器11を例えば加熱炉(図示せず)中に配置することにより、与えてもよい。触媒反応が発熱反応の場合は、反応熱を、触媒反応容器の外部に設けた冷媒流路(図示せず)に冷媒を流すなどにより除去してもよい。場合により、反応容器11への原料ガスは、図4,5とは逆に、触媒層13の上方から下方へ流れるように供給することも可能である。
保持器12は昇降部16の一部を構成しており、昇降部16は水平移動部19と合わせて保持器の昇降機構(粒状触媒攪拌手段)を構成している。昇降機構(粒状触媒攪拌手段)の水平移動部19は、爪部20、駆動装置21、駆動軸22、シール管23からなり、駆動装置21が駆動軸21を介して爪部20を押出し及び引戻すと、爪部20に設けられた斜面と接する固定ピン17に上昇力及び下降力が与えられて、触媒保持器12及び触媒層13を含む昇降部16が昇降して、触媒層の粒状触媒を攪拌するものである。
(触媒層の攪拌機構)
本発明では、保持器12を昇降させることによってその上の触媒層13を反応容器11内で昇降させることで、粒状触媒を攪拌することを特徴とする。そのために、本発明の反応容器11には触媒保持器12を昇降させる駆動機構が装備される。本発明の触媒層の昇降機構(攪拌手段)は、触媒保持器12を含む昇降部16と、水平移動部19からなる。
昇降部16は、触媒保持器12の下方延長部18に略水平の固定ピン17を有する。
一方、水平移動部19は、固定ピン17と係合する爪部20と、駆動軸22を介して爪部20を水平移動させる駆動装置21からなる。駆動装置21が駆動軸22を介して爪部20を押出し及び引き戻すと、爪部20に設けられた斜面24、25が固定ピン17に上昇力及び下降力を与えて、昇降部16を上昇及び下降させる。爪部20の斜面と接する昇降部16の位置は必ずしも固定ピン17である必要はなく、爪部20の斜面と面接触する斜面(保持器側)であってもよい。爪部20の斜面と接する昇降部16側の位置(部材)が固定ピン17でないときは、爪部20側の斜面も図4、5の斜面と異なることができる。
爪部20に設ける斜面は、駆動装置21から引戻される方向に向かって下降する下向きの斜面(爪側)24と、駆動装置21から押出される方向に向かって下降する上向きの斜面(爪側)25を有する。爪部20の下向きの斜面(爪側)24が固定ピン17と接していて、爪部20が駆動装置21から引戻される方向に水平移動すると、爪部20の下向きの斜面(爪側)24が固定ピン17を押下げて昇降部16に下降力を付与する(図4)。同様に、上向きの斜面(爪側)25が固定ピン17と接していて、爪部20が駆動装置21から押出される方向に水平移動すると、上向きの斜面(爪側)25が固定ピン17を押上げて昇降部16に上昇力を付与する(図5)。
爪部20と駆動装置21を結ぶ駆動軸22は、シール管23によって覆われて、駆動軸22を加熱炉雰囲気から遮断されている。たとえば、シール管23内に接続された非反応性ガス供給管26に非反応性ガス27を供給して駆動軸22を加熱炉雰囲気から遮断することができる。
本発明では、触媒反応容器11は加熱炉(図示せず)内にあるが、駆動装置21と駆動軸22の少なくとも一部は加熱炉の外部に設置する。
(昇降部)
昇降部の材質は、耐熱ステンレス鋼や耐熱ニッケル合金等の耐熱金属、黒鉛・窒化ケイ素・炭化ケイ素等のセラミックス、または、石英ガラス等を用いることができる。また、本体を金属製として、爪部の斜面と係合する斜面のみに前記セラミックスや窒化硼素等を取り付け、または、溶射等によって表面処理する等して、耐久性向上や摩擦力低減を図ってもよい。昇降部には保持器が付帯しているが、斜面を形成する部品を保持器の裏面に溶接する等して、保持器と一体構造としてよい。あるいは、独立に昇降可能な昇降部本体を製作して、その上に独立の保持器をネジ等の締結によって装着して全体として昇降部としてもよい。昇降時に昇降部には、爪部が水平移動することによって、正味のスラスト力が負荷される。このため、反応容器内のどこかでこのスラスト力を受ける機構が必要である。本実施形態では、昇降部前後面に設けられたスラスト台車が反応容器内面に押し付けられながら昇降部が昇降する構造となっており、スラスト力は、反応容器内壁面で担う。
固定ピン17は、構造上、比較的小さな断面積で保持器の上昇力・下降力を担わなければならいので、高温用の高強度・高靭性材料を用いるべきである。耐熱ステンレス鋼や耐熱ニッケル合金等をこれに適用できる。また、表面のみ、昇降部斜面で述べた硬化・高潤滑化するための表面処理を併用してもよい。固定ピン17の形状は、丸棒が好ましい。少なくとも断面に接触面の移動の妨げとなりうる角部を有しないことが必要である。加工上の便宜から、丸棒を楕円断面や六角形以上の多角形としてもよい。固定ピン17は昇降部の一部として昇降部本体に溶接することができる。固定ピン17の軸方向長さは、爪部20の幅よりも広いことが好ましい。また、固定ピン17の軸方向長さを昇降部の幅よりも小さくすることができる。図4に示すように、固定ピン17は昇降部との接続構造によって、昇降物構造物系内に爪部先端の一部が進入可能な空間を構成する。この空間の大きさが大きいほど、爪部の設計許容度が拡大するものの、この空間が過大な場合には、周辺の反応容器をより大きく設定しなければならない。
これらの材料を用いて昇降部を製造する方法には、金属の場合には、例えば、溶接によって、機械加工された部品を接合すればよい。またセラミックスの場合には、最終形状となる型を製作して、型の中でセラミックスを焼成してもよい。
(爪部)
爪部20の構造は、図4に示すものが典型的なものであり、先端に開口を有する貫通溝を備え、下面は水平で反応容器または流入管の底面上をスライド移動でき、上面には傾斜面が設けられて、昇降部側の傾斜面と係合しつつ互いにスライド移動できる構造である。貫通溝は水平面に対して傾斜を有しており、この溝の表面が昇降部の固定ピン17と係合しつつスライド移動できる。爪部の傾斜は、このように1つ以上の上向き傾斜面(図4では、貫通溝の下側の面)と1つ以上の下向き傾斜面(図4では、貫通溝の上側の面)を備える。尚、本実施例では、爪部の上面は必ずしも傾斜面である必要はない。
昇降部の斜面と係合する斜面の傾斜については、傾斜の小さいほど、より小さな駆動軸推力で所要とされる保持器昇降推力を満足できる。但し、この傾斜が小さいほど、駆動軸の所要ストロークを長く設定する必要があり設備が大型化する。従って、この傾斜については、所要保持器推力、所要保持器ストローク、駆動軸の許容推力、駆動軸の許容ストローク、並びに、適用される材料強度等を考慮して、エンジニアリング的に決定すべきである。例えば、この斜面の勾配を2°以上15°以下とすることができる。この斜面は平面、かつ、平滑であることが好ましい。但し、昇降部との衝突時の衝撃を低減するために、微小な曲率の凸面としてもよい。斜面の表面に窒化硼素ベースのペースト等の固体潤滑剤等の潤滑剤を付与して摩擦低減を図ってもよい。固定ピンの傾斜を抑制するため、また、強度を確保する点から、爪の幅は大きいことが好ましい。しかし、過大な爪の幅を設定した場合、昇降部と固定ピンで形成される爪進入用の孔の所要寸法が大型化して装置の巨大化を招くので、避けるべきである。また、爪部20の上面と貫通溝の上側の面に挟まれた部位には片持ち荷重が負荷されるので、強度確保のために十分な断面積を確保すべきである。例えば、100mm以上の断面積とすることが好ましい。但し、過大な断面積とした場合には、昇降部とピンで構成される爪部先端の進入空間で必要とされる区間寸法も増大して設備が巨大化する問題があるので避けるべきである。貫通溝の溝幅は、固定ピン17が容易に通過できる寸法とすべきである。温度差による熱膨張差等の影響も考慮して、貫通溝の溝幅は、固定ピンの直径よりも1mm程度以上大きくすることができる。貫通溝の長さは、駆動軸のストロークよりも長く設定すべきである。前記傾斜面は、平坦、かつ、平滑であることが好ましいが、昇降部との衝突による衝撃を低減するために、微小な曲率の凸面としてもよい。爪部20の材質には昇降部に記載したものと同様の材料を用いることができる。製造方法にも昇降部と同様の方法を適用することができる。
(駆動装置)
駆動装置21は常温である加熱炉外に設置されるので、駆動装置には繰り返し往復運動可能な市販の各種装置を適用することができる。例えば、複動式のものを前提として、エアシリンダ、油圧シリンダ、電動や油圧ジャッキ、あるいは、ネジ式のリニアガイド、リニアモータ等を用いることができる。駆動装置21のストロークは、昇降部の所要昇降ストロークと爪部の斜面の勾配によって決定する。例えば、10〜500mmのストロークとすることができる。駆動装置21作動時の移動速度は、昇降部の所要昇降速度と爪部の斜面の勾配によって決定する。駆動装置21の押し出し時(昇降部の上昇時)には低速で、駆動装置21の引き抜き時(昇降部の下降時)には高速で移動することができる。速度の調整のためには、市販のスピードコントローラ等を用いればよい。例えば、駆動速度を1〜100mm/sとすることができる。駆動装置の操作は、手動操作、または、自動制御によって行うことができる。
(駆動軸)
駆動軸22は、棒状であるべきであり、シール性を考慮して丸棒であることが好ましい。駆動軸22は、加熱炉を貫通して設置されるので、高温に耐えるとともに、炉内外の温度差に対しても耐久性を有することが必要であり、駆動時には衝撃力も生じうるので、強度・靭性も必要である。耐熱ステンレス鋼や耐熱ニッケル合金を用いることができる。
(シール部)
シール部は、加熱炉を貫通して内部で駆動軸の往復運動が可能であり、かつ、反応容器内ガスの外部への漏出、若しくは、外気の反応容器内への進入を防止できるものであればどのような構造のものでも適用できる。加熱炉を貫通する円管等を用いることができる。図4の例では、円管の両端は、加熱炉内の反応装置の流入管および加熱炉外の駆動装置とそれぞれフランジ接続されている。シール部は、加熱炉内の部分では加熱・保温されて高温に維持され、加熱炉外の部分では配管はむき出しに放冷されて少なくとも駆動装置21との接続部においては常温となっている。フランジ部のシールは、市販のシール剤を塗布した市販の高温用ガスケットを用いることで、ほぼ完全な封止を実現できる。また、必須機能ではないが、タールを含む原料ガスがシール部の低温部に進入するとシール部内面や駆動軸表面に多量のタールが凝縮して駆動の妨げとなりうるので、シール部には外部から非反応性ガス27(アルゴン等)を、小流量(例えば、0.001m/min以上、かつ、原料ガス流量の5%以下の流量)で供給するガス供給管をシール部に接続して、シール部内を非反応性ガスで満たしてもよい。外部からシール部に供給された非反応性ガスは反応容器内に放出されるが、原料ガスの流入量に比べて、非反応性ガス流量を十分に小さく設定することで作業上の問題を回避できる。
(反応容器の形状)
反応容器11は、両端に開口を有し、これらの開口間に触媒を収納できるものであればどのような形状でもよい。一方の端部の開口は、触媒反応用流体(原料ガス)の流入路を構成する供給管(流入管)28に通じており、触媒反応用の原料ガスの反応容器11への流入口に当たるものである。他端の開口は、反応容器11の改質ガスの流出路を構成する排出管29に通じており、改質ガスの反応容器11からの流出口に当たるものである。反応容器11は、例えば、円筒状、角型ダクト状などの形状であることができる。以下では、角型ダクト状の反応容器を例に説明する。
以下の説明において、「容器の中心軸」とは、容器の水平断面の図心を鉛直方向に連ねたものと定義する。「反応容器厚」は、水平断面における反応容器の代表長さのうちの最小の長さに相当し、「反応容器幅」は、水平平面における反応容器の代表長さのうちの最大の長さに相当する。容器が円筒の場合には、容器の「幅」および「厚」を「直径」と置き換えればよい。
(反応容器の材質)
反応容器11の材質は、触媒を保持する強度、触媒反応に関与する流体への耐熱・耐食性、反応生成物への耐汚染性を有する材料であれば、どのようなものでも使用できる。例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス材料(煉瓦に加工されたものを含む)、ソーダガラス、溶融石英等のガラス材料を使用することができる。
(反応容器の寸法)
反応容器の厚みは、下限が塊状触媒の代表寸法(例:直径)以上でなければならない(例えば、10mm)。一般に触媒反応では発熱または吸熱があり、かつ、反応容器の表面を通じてこれらの熱を外部と授受するため、触媒反応容器内部まで伝熱を確保するために、厚みには上限が存在する。上限の値は、反応熱・流量・伝熱特性等によってエンジニアリング的に定めればよい(例えば、200mmあるいは500mm)。
反応容器の幅には、機能上、特段の制約はない。保持すべき触媒層体積、反応容器厚を基に、構造上・強度上の制約を考慮してエンジニアリング的に定めればよい(例えば、5000mm)。
反応容器の高さは、触媒層の高さよりも大きくなければならない。一方、反応容器高さの上限については、機能上の制約はなく、構造上・強度上の制約を考慮してエンジニアリング的に定めればよい(例えば、5000mm)。
(触媒層の保持器)
触媒層13を支持する保持器12には、網、パンチングメタル、複数の棒を用いて棒の間に空間を生じるように水平方向に各棒を互いに平行に並べて棒の両端を固定したもの等を用いることができる。
(触媒層の好適な保持)
粒子状触媒を複数のピンの先端部で保持し、触媒反応用流体が当該ピンの間の空間を流通できる構造を有する触媒保持手段が好ましい。図5に、複数のピン12aの一端を底板12bで固定して作製したもので、ピン12aの先端で粒状触媒を保持する好適な保持器の例を示す。
保持器においてピンの間の隙間間隔を粒子状触媒の大きさより小さく設定することで、これらのピンの先端部で粒子状触媒を保持することが可能であり、ピン間の隙間が原料流体の流入口または改質流体の流出口として機能する。
この触媒保持器では、ピンは同じ形状であるが、必ずしも同じ形状である必要はない。塊状触媒をピンの先端部で保持し、ピンの間の間隙を流体が流通できればよく、ピンの大きさも長さも角度も同じでなくてよいし、ピンは直線状に限定されるものでもない。
この触媒保持器では、ピンの先端は同一平面を形成しているが、ピンの先端が形成する面が曲面状であったり、例外的に一部のピンが先端を形成する面から突き出ていてもよい。
このような触媒保持器によれば、高い開口率と閉塞の防止が実現される。
(触媒保持器のピン配置)
触媒保持器のピンの配置をピンの先端側から見た図(ピンの軸に垂直な平面)において、ピンの軸に垂直な平面上でのピンの中心を頂点とし、隣り合う3本のピンの中心で構成される三角形が、全て合同な二等辺三角形、特に正三角形であることが好ましい。それによって保持すべき触媒の所要断面積に対して最小のピン数で触媒保持構造を実現できる。
全てのピンは、ピンの中心軸が互いに平行に配置されることが好ましい。ピン側面での開口が均一になり、より、閉塞しにくくなるからである。ピン軸間が極端に近接する部位ではピン側面間で閉塞を生じやすい。ピンが平行な部分の長さはピン間の間隙が閉塞しないで原料流体や改質流体が自由に流通できる空間を形成するように決められる。
設計上の便宜等がある場合には、触媒方向に向けて中心軸間の距離が徐々に広がる、または、狭まる等のように設定して、必ずしも平行でなくてもよい。同様に、ピンの中心軸は平行であるが、ピン間の間隔は徐々に広がる、または、狭まる等のように設定してもよい。
ピンが略平行な部分の長さはピン間の間隙が閉塞しないで反応流体が自由に流通できる空間を形成するように決められる。
(保持器におけるピン間の間隔)
ピン間の間隔は下記不等式を満たすことが望ましい。
[ピンの軸間距離]−[ピンの外径寸法]<[触媒の通過しうる最小のメッシュ目開き寸法]
[ピンの外径寸法]: ピンの外径寸法は、2つのピンの軸間における半径(ピンの軸から外径までの距離)の合計、好ましい円筒ピンの配列ではピンの直径になる。
「メッシュ」: 篩の目のこと。
「目開き寸法」: 正方形の開口を前提とした、JIS等の一般的な定義に基づくが、本発明においては、単一の触媒塊外形の代表寸法(直径、高さ等)のうち、最小のものに相当する。
すなわち、全てのピンの直径(外径寸法)を除いた軸間距離が、特に触媒保持器の頂部(ピン先端部)において、触媒の通過しうる最小のメッシュ目開き寸法より小さければ、触媒塊子はピンの間を落下することはなく、これらのピンで支持されることができる。触媒の破損により生じた触媒の小片のように、例外的に一部の触媒寸法がピンの直径を除いた軸間距離より小さくて、ピンの間を落下することがありうるが、触媒保持器18の下部および下方に十分な落下物の貯留空間を設けることによって、少なくとも触媒反応容器閉塞の観点からは特に問題ではない。
通気性および保持器の耐閉塞性の観点から、通気の主流方向垂直断面での開口率(1−[ピン断面積の合計]/[流路の見かけ断面積])は、90%以上であることが好ましい。開口率の上限は、ピンの耐座屈性等から定まる個々のピンの断面積から制約される。
保持器12の開口率が小さくなると、通気性や固体カーボンなどの通過性が悪化する。高開口率では、保持器で触媒を保持する部位が少なくなるで、保持器の強度が不足する。上記いずれかの形式の保持器の場合、保持器12の開口率は30〜70%程度が好ましい。
保持器12の材質は、耐熱・耐腐食性・強度を備えた金属材料が好ましい。そのような金属材料の例として、ステンレス鋼、ハステロイ(登録商標)やインコネル(登録商標)等のNi合金、チタン、チタン合金等を挙げることができる。
(保持器の昇降ストローク)
触媒間の相対運動を十分行うためには、保持器12の昇降ストロークは大きいことが好ましい。例えば、触媒外面の代表寸法(例:直径)の0.1倍程度の昇降ストロークであっても加振の効果は存在するので、触媒表面の固体カーボンなどの堆積物の除去効果は一定程度は得られる。とは言え、十分な堆積物除去効果を挙げるためには、保持器12の昇降ストロークは触媒外面代表寸法の0.5倍以上であることが好ましく、1倍以上であることがより好ましい。
一方、昇降ストロークが極端に大きい場合には、反応容器11および駆動機構22が大型化するので効率的ではない。また、小さいストローク(但し、1倍以上)の昇降を繰り返し行うことで、より大きな昇降ストロークと同様の効果が得られる。よって、昇降ストロークは、触媒外面の代表寸法の10倍以下であることが好ましい。
(昇降速度)
保持器12とともに触媒層13を上昇させるのに要する所要上昇力は、上昇速度が小さいほど小さい。限定するものではないが、本発明者らの調査の結果、粒子状触媒を用いる特にタールガスを改質する連続式固定床式触媒反応装置において、10mm/sで保持器とともに触媒層を上昇させるときの所要上昇力は、1mm/sで上昇させる場合の2倍が必要であることがわかった。また、大きな上昇速度では、触媒が破壊しやすくなる。従って、上昇速度は小さいことが好ましい。但し、1mm/sで上昇させる場合と0.5mm/sで上昇させる場合の所要上昇力の差は小さいので、1mm/sよりも遅くする必要は必ずしもない。また、10mm/sの上昇速度であっても、触媒が破壊しないのであれば、適用してよい。
前述のように、保持器の下降速度は大きいことが好ましい。特に、最下端での触媒の自由落下速度よりも大きい速度(例:100mm/s)で保持器を下降すれば、触媒は保持器から離脱して触媒間の拘束が小さくなり、触媒間の相対運動を大きくとれるので好ましい。但し、触媒の自由落下速度よりも極端に大きな速度で保持器を下降させても得られる効果に差はない。
(触媒)
本発明の粒状体は触媒に限定されないが、本発明の好ましい実施例として、連続式固定床式触媒反応、特にタールガスを改質する連続式固定床式触媒反応に用いる粒状触媒について述べる。
(触媒の大きさ)
一般に触媒作用を有する物質を多孔質の単体に担持して構成される触媒は、保持器12の上に位置する触媒層13にとどまる必要がある。そのため、触媒は、保持器12の開口を通過しない大きさである必要がある。
(触媒の形状)
前述のように、特定の保持器で触媒を保持する際、同一触媒外面の代表寸法のうち最小のものに下限値が存在する。触媒層13の容積が一定の場合、一般に触媒の数が多いほど、触媒の総表面積は増大し、反応容器11の反応速度を向上できる。従って、球や球に近い形状の触媒は、一定の体積の中で触媒の数を増やしやすいので好ましい。触媒の外周で囲まれる体積が同一でも、表面積のより大きい形状、例えば、円筒やリング状の形状も好ましい。一方、棒状あるいは円盤状の形状は、保持しにくいので、好ましくない。
(触媒層の高さ)
触媒層13の上昇時に、触媒層中では上にいくほど触媒間に働く力が等方化し、触媒層13を押し上げるための上下方向の力と同程度の力がこれ以外の方向にも生じ、この力に比例した摩擦力が触媒間で生じる。この摩擦力の下向き成分が触媒層押し上げの抵抗力として働く。触媒層13を下端から押し上げる際には触媒層の下側ほど触媒間の反力および触媒−反応容器内壁間で働く力が大きい。上昇中の触媒層内での上下方向の力は、その位置より上方の抵抗力の上下方向成分の合計以上でなければならないので、触媒層の下側ほど、押し上げに必要な力は急速に上昇する。触媒層の下端では最大の押し力となり、この力が過大であれば、触媒や反応容器の破壊を招き得る。
この観点から、触媒層の高さは低いほどよい。圧壊強度100N、安息角35°の一般的な触媒(円筒状)を、次に説明する第2の実施形態のピン式保持器で保持して昇降する試験を行った。その結果を図3に示す。この図の横軸は触媒層高さ/反応容器厚比(触媒層のアスペクト比)であり、縦軸は特定の条件において触媒層を押し上げる際の押し上げピーク荷重を基準として規格化した触媒層押し上げのピーク荷重である。この図から、触媒層のアスペクト比(触媒層高さ/反応容器厚比)が2を超えると押し上げ荷重が急激に上昇することがわかる。そして、触媒層のアスペクト比(触媒層高さ/反応容器厚比)が2以下であれば、触媒はほとんど破壊しないことを見出した。また、前述のように、触媒層全体で触媒を相対運動させるためにもアスペクト比が2以下であることが好ましい。
一方、触媒層高さが極端に低い場合には、反応容器内壁と触媒の相対運動による触媒間の相対運動は、反応容器厚方向の反応容器内壁面近傍に限定され、反応容器厚方向の中央部では触媒間の相対運動が生じなくなるので好ましくない。特に、触媒高さが平均的に触媒の2層分の高さ(触媒を垂直方向に2つ積み重ねた最大高さ)以下である場合、上層の触媒の拘束が小さいので、触媒は容易に最密充填化し、低充填化できなくなるので相対運動をいっそう阻む効果を生じる。従って、触媒層高さは触媒の3層分以上の高さ(触媒を垂直方向に3つ積み重ねた最大高さ)、すなわち、触媒外面代表長さの最大値の3倍以上であることが好ましい。
(触媒の流動性)
反応容器11内において保持器12とともに上昇させた触媒は、反応容器内で棚吊り(触媒層13を保持器12で上昇させた後、保持器12を下降させても触媒同士のセルフロックを生じて触媒が下降しない現象)を起こすことがある。反応容器11内での触媒の棚吊り防止の観点から、触媒層13における粒体群としての触媒の流動性は、低いことが好ましく、安息角が50°未満であることが好ましい。
一方、保持器12の上昇時に保持器から触媒層13に与える力の触媒層内での非等方性(上向きの力が卓越)を触媒層13のより高い位置まで保持するためには、触媒の流動性が極端に低くないことが好ましく、安息角は10°以上が好ましい。触媒層内での力の非等方性の高い領域が広いほど、より小さい推力で保持器12を上昇させることができ、触媒が破壊しにくくなるからである。
(触媒の材質・作用)
本発明の触媒反応装置を適用できる触媒の材質や触媒作用は、流体、特にガスを原料とする触媒反応に用いられる触媒であれば、特に制限はない。流体がガスであり、触媒反応による生成物がガスと固体または液体とである触媒反応、中でも、触媒反応用流体が炭化水素を含有するガスであり、触媒反応による生成物がガスおよび固体または液体である触媒反応、特に、触媒反応用流体がタールを含有するガスであり、触媒反応による生成物が固体の炭化水素または固体のカーボンを含む触媒反応に用いられる触媒に好適に使用できる。
一般的には、上記のような触媒反応に用いられる酸化物触媒に広く使用でき、特に触媒反応用流体がタールを含有するガスであり、触媒反応による生成物が固体の炭化水素または固体のカーボンを含む触媒反応に用いられる酸化物触媒に好適に適用できる。
本発明の触媒反応装置に好適に使用できる触媒の具体的な例としては、たとえば、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む酸化物であって、少なくとも1種の複合酸化物を含み、単独化合物としてアルミナを含まないタール含有ガスの改質用触媒を挙げることができる(WO2010/134326)。この複合酸化物の好適な例は、NiMgO、MgAl24、CeO2の結晶相からなり、さらには、各結晶相の内、X線回折測定により求めたNiMgO結晶相の(200)面の結晶子の大きさが1nm〜50nm、MgAl24結晶相の(311)面の結晶子の大きさが1nm〜50nm、CeO2結晶相の(111)面の結晶子の大きさが1nm〜50nmである。この触媒は、炭素質原料を熱分解した際に発生する多量の硫化水素を含み、炭素析出を起こし易い縮合多環芳香族主体のタール含有ガスであっても、随伴するタール等重質炭化水素を高効率に改質して、水素、一酸化炭素、メタンを主体とする軽質炭化水素に変換すること、また、触媒性能が劣化した際、水蒸気又は空気の少なくともいずれかを高温下で触媒に接触させることにより、触媒上の析出炭素や吸着硫黄を除去して触媒性能を回復させ長期間安定した運転が可能になるという特徴を有する。
また、ニッケル、マグネシウム、セリウム、ジルコニウム、アルミニウムを含む複合酸化物からなることを特徴とするタール含有ガスの改質用触媒を挙げることができる(特願2010−082576)。この複合酸化物の好適な例は、NiMgO、MgAl24、CexZr1-x2(0<x<1)の結晶相を含み、さらには、各結晶相の内、X線回折測定により求めたNiMgO結晶相の(220)面の結晶子サイズが1nm〜50nm、MgAl24結晶相の(311)面の結晶子サイズが1nm〜50nm、CexZr1-x2結晶相の(111)面の結晶子サイズが1nm〜50nmであることが好ましい。この触媒によれば、石炭やバイオマスを熱分解した際に発生するタール含有ガスを、安定的に一酸化炭素、水素等の軽質化学物質へ転換することができる。特に、タール含有ガス中に、硫化水素を高濃度で含むタール含有ガスであっても、脱硫処理せずにそのまま触媒と接触させて、粗ガス中のタールを改質して、又は、精製ガス中の炭化水素成分を改質して、タール含有ガスを一酸化炭素、水素等の軽質化学物質へ安定的に転換することができる。
さらに、aM・bNi・cMg・dOで表される複合酸化物であるタール含有ガスの改質用触媒であって、a、b、及びcは、a+b+c=1、0.02≦a≦0.98、0.01≦b≦0.97、かつ、0.01≦c≦0.97を満たし、dは、酸素と陽性元素が電気的に中性となる値であり、Mは、Li、Na、Kから選ばれる少なくとも1種類の元素であるタール含有ガスの改質用触媒を挙げることができる(特願2010−081867、特願2010−08197、特願2010−083527)。この複合酸化物の好適な例は、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えてなり、さらには、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物の含有量が、複合酸化物全体に対し1〜90質量%であることが好ましい。この触媒によれば、石炭やバイオマスを熱分解した際に発生するタール含有ガスを、安定的に一酸化炭素、水素等の軽質化学物質へ転換することができる。特に、タール含有ガス中に、硫化水素を高濃度で含むタール含有ガスであっても、脱硫処理せずにそのまま触媒と接触させて、粗ガス中のタールを改質して、又は精製ガス中の炭化水素成分を改質して、タール含有ガスを一酸化炭素、水素等の軽質化学物質へ安定的に転換することができる。
(その他の適用可能な例)
本発明は、上記に例示した触媒反応装置及び触媒のほか、コーキング等を生じる、下記の触媒反応装置にも好適に使用できる。
1)メタン改質触媒反応装置: 特開2006−35172号公報の「比較例」には、炭化水素であるメタンガスを原料ガスとして大量のコーキング(炭素析出)が発生することが記載されている。
2)都市ガス改質触媒反応装置: 特許文献2にコーキングの事例が記載されている。
3)その他、LPG等の各種石油精製ガスや天然ガスの改質のための触媒反応装置、水素を含有するガスと酸化剤ガスを作用させて発電し、水を副生する、燃料電池用の触媒反応装置(例:特開2009−48797号公報)等に適用できる。
[第2の実施形態]
図7,8を参照すると、第1の実施態様と異なるところは、昇降部16が爪部20と係合する部材として、固定ピン17のほかに、触媒保持器の下部に爪部の上向き斜面(爪側)と対向する下向き斜面(保持器側)31を有する部材30を有することである。この昇降部16の下向き斜面(保持器側)31が爪部20の上向き斜面(爪側)32と接して係合しているので、駆動装置22によって爪部20が押出されたとき、爪部20の上向き斜面(爪側)32が昇降部16の下向き斜面(保持器側)31を上昇させるように力が作用し、昇降部16が上昇する。保持器12の下側に設けた部材30の下向き斜面(保持器側)31は、固定ピン17と比べて、爪部の上向き斜面(爪側)32と接する面積が大きいので、上昇力の伝達の効率が高く、また機構及び部材の安定性及び耐久性にも優れる。
一方、昇降部16に爪部20の下向き斜面(爪側)と対向する上向き斜面(保持器側)を有する部材を設けることで、駆動装置21によって爪部20が引戻されるときに、爪部の下向き斜面(爪側)が昇降部の上向き斜面(保持器側)を下降させるように力が作用させて昇降部を下降させることも可能であるが、この実施態様では、この下降力は固定ピン17によって行う。下降する力は、触媒保持器を含む昇降部と触媒層の重力が加算されるので、接触面積が小さい固定ピンでも十分に安定に下降力を付与することができる。接触面積が大きい斜面どうしと比べて、斜面とピンとの係合は動きが滑らかであることが可能である。
触媒保持器12の下部に爪部20の上向き斜面31と対向する下向き斜面32を有する部材30は、たとえば、所定の下向き斜面を有していればよく、保持器12と一体に製造しても、保持器12に後付で溶接等の方法で固定してもよい。傾斜角度及び長さ等は爪部の上向き斜面に対応すればよい。材質は、耐熱性、強度等のため、保持器と同様の材料から選択することが好ましい。
(昇降部)
爪部の斜面と係合する斜面の傾斜については、傾斜の小さいほど、より小さな駆動軸推力で所要とされる保持器昇降推力を満足できる。但し、この傾斜が小さいほど、駆動軸の所要ストロークを長く設定する必要があり設備が大型化する。従って、この傾斜については、所要保持器推力、所要保持器ストローク、駆動軸の許容推力、駆動軸の許容ストローク、並びに、適用される材料強度等を考慮して、エンジニアリング的に決定すべきである。例えば、この斜面の勾配を2°以上15°以下とすることができる。昇降時に保持器の姿勢を安定させて円滑に昇降を実施するためには、この斜面の長さおよび幅は、係合する爪部の斜面との接触長および接触幅を十分に長く設定する必要がある。傾斜面は、保持器の重心直下に存在することが好ましいが、そうではない場合には、より長い接触長を確保する必要がある。この接触長は、少なくとも50mm以上設けることが好ましく、接触幅は、少なくとも10mm以上設けることが好ましい。強度上の理由で面圧を低値としなければならない場合には、より広い接触幅を用いることができる。また、設備が巨大化するので、保持器長さを大きく超える斜面長や保持器幅を大きく超える斜面幅は、好ましくない。この斜面は平面、かつ、平滑であることが好ましい。但し、爪部との衝突時の衝撃を低減するために、微小な曲率の凸面としてもよい。斜面の表面に窒化硼素ベースのペースト等の固体潤滑剤等の潤滑剤を付与して摩擦低減を図ってもよい。昇降部本体を金属製として、爪部の斜面と係合する斜面のみに前記セラミックスや窒化硼素等を取り付け、または、溶射等によって表面処理する等して、耐久性向上や摩擦力低減を図ってもよい。昇降時のスラスト力は、本実施形態においては、保持器の側面を経由して反応容器内面で担う。
(爪部)
爪部20の構造は、図4に示すものと同様である。爪部の傾斜は、このように1つ以上の上向き傾斜面(図4では、爪上面と貫通溝の下側の面)と1つ以上の下向き傾斜面(図4では、貫通溝の上側の面)を備える。昇降部・固定ピンとの接触部は、この2つの上向き斜面のどちらか一方若しくは両方を用いることができる。貫通溝の勾配と爪部上面の勾配は一致させてもよいし、微小に異ならせてもよい。爪部20の傾斜面の勾配および昇降部との接触面の寸法に関しては、昇降部での記載と同様である。前記傾斜面は、平坦、かつ、平滑であることが好ましいが、昇降部や固定ピンとの衝突による衝撃を低減するために、微小な曲率の凸面としてもよい。
この第2の実施態様における、上記以外の、反応容器の形状、反応容器の材質、反応容器の寸法、触媒層の保持器、昇降ストローク、昇降速度、触媒粒の各種条件(大きさ、形状、流動性)、触媒層の高さ、触媒の材質・作用、その他の適用可能事例等については、第1の実施態様で説明したと同様であることができる。
[第3の実施形態]
図9,10のような触媒反応器であってもよい。
(全体構造)
図9、10に、第3の実施形態の連続式固定床触媒反応装置の触媒反応容器の部分を示す。図9,10の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図であり、図7,8に対応する。図9,10は反応容器と触媒保持器と触媒の部分が図7,8と異なるが、その他の部分は図7,8と同様である。第3の実施態様は、反応容器と触媒保持器と触媒の部分以外は第1及び第2の実施形態さらには第4の実施形態その他の形態と同様であることができる。触媒反応容器11は、その内部に、保持板41によって保持された触媒連42の集合体である触媒柵43が収容されている。
このように、触媒連42とその集合体である触媒柵43を用いることがこの実施形態の特徴である。触媒連42は、複数の触媒44と、それらの可動性を損なわずに貫通して触媒連を形成する中心棒45とにより形成される。触媒柵43は、図10,11に示したように、複数の触媒連42と、その中心棒45を立設する、すなわち立てた状態で固定する、保持板41により形成される。保持板41と触媒連42との間には、カラー(図示せず)を配置してもよい。
この実施形態においても、保持板41の下に、保持板を昇降させることにより触媒柵を一斉に上下方向に往復運動させるための駆動機構が存在するが、図示及び説明は省略する。
反応容器11には、下方から原料ガスが供給されて、その主流が触媒連42と平行に触媒柵43を通過する際に反応し、触媒層14からの改質ガスは反応容器11の上方から排出される。触媒反応が発熱反応の場合は、反応熱を、触媒反応容器の外部に設けた冷媒流路(図示せず)に冷媒を流すなどにより除去してもよい。場合により、反応容器11への原料ガスは、図9,10とは逆に、触媒柵43の上方から下方へ流れるように供給することも可能である。
(触媒保持器の利点)
内部に貫通孔を有する複数の触媒を用いて個々の触媒を中心棒で貫いて一列に整列させたものとして定義する「触媒連」を用い、複数の触媒連を間隔をあけて配列して形成したものとして定義する「触媒柵」を触媒反応容器内に配置して、各触媒連間の空間を専用気流路とし、触媒反応容装置の運転を開始してから一定時間経過後に短時間往復運動させることを試みた。その結果、次のことがわかった。
a)反応の初期状態から反応固体生成物の触媒表面への堆積が所定量進むまでの期間では、
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間(専用気流路の幅)]
を実現できている。従って、固体生成物が触媒上に所定量堆積するまでの間に触媒柵を往復運動させることによって堆積物を触媒表面から離脱させることができる。さらに、離脱させた固体生成物を、専用気流路を通じて落下または気流搬送することによって、触媒反応容器外に排出することができる。このようにして、触媒表面の生成物を除去することによって、触媒表面での生成物堆積状態を反応の初期状態と同様の状態に戻すことができるので、この往復運動操作を生成物の堆積が進行するたびに繰り返すことによって、反応容器の通気性を常に良好に保つことができる。
ここで、従来の単純な積層構造の触媒層と同一レベルの触媒充填率を維持しつつ、各専用気流路の断面を広大なもの(例えば、主流方向に反応容器高さのレベル、かつ、主流垂直方向に触媒断面積と同等レベル)にできる。このため、気流路内での少々の生成物堆積量では反応容器の通気性が阻害されることはないので、上記の往復動作の所要頻度を、少なくすることができきる(例えば、1回/時間)。これは、従来の単純な積層構造の触媒層では触媒ごとに分散した多数の小空間であった触媒間の隙間を、少数の太い気流路に集約することによって、高い通気性と高い触媒充填率を両立できるからである。一方、従来の単純な積層構造の触媒層では、個々の触媒が互いに支え合って触媒層を形成・保持するという構造であるため、隣接する触媒間で構成される気流路は、触媒ごとに細分化されるとともに狭窄部を生じ易い。このような触媒層では気流路の狭窄部において高々、触媒断面積の1/10程度の流路断面積しか確保できないため、気流路内での少量の生成物の堆積があっても、反応容器の通気抵抗が急上昇してしまう(気流路の通気抵抗は、一般に狭窄部での断面積に依存する)。しかも、この方式に限らず、従来の触媒層では気流路に一旦、生成物が堆積すると、これを取り除く手段が存在しなかったので、反応によって生成物を生じ易い反応容器では、通気抵抗の上昇による制約によって、連続運転可能な時間は極めて短いものであった。
b)触媒柵の往復運動時には、各触媒連において、隣あう触媒は互いに結合されていないので、触媒間での相対運動を容易に生じる(例えば、触媒内孔壁と、これに接する中心棒表面間の摩擦力は触媒によって異なるので、中心棒を一定の速度で移動させたとしても、中心棒に駆動される個々の触媒の速度にはばらつきを生じる)。そのため、触媒間での衝突が容易に生じるので衝突時に各触媒で強い表面振動を生じて生成物を触媒表面から離脱させることができる。
それに対し、例えば、管路内を専用気流路とし、管内面に触媒を担持する、従来技術の管壁式の触媒反応容器の場合は、触媒担体が単一の構造物であるので、往復運動させたとしても担体全体が移動するのみで担体内に相対運動を生じない。このため、触媒の表面振動は限定的となり(例えば、部分的に打撃を与えても打撃点から離れると触媒表面の振動は急激に減衰してしまう。また、管壁全体を均一に打撃しようとしても、構造上、過剰に複雑な機構となるため好ましくない)、生成物を触媒表面から離脱させる効果は小さい。他の専用気流路を設ける形式の反応容器(例えば、モノリス式)でも、触媒構造が単一構造物で構成されているため、管壁式の反応容器と同様の理由で、触媒全体を効率的に振動させることは、困難である。
c)触媒柵を定期的に往復運動させることによって触媒表面のバルク状の生成物の堆積が少なくなるので、触媒反応容器内で原料ガスが常に触媒表面に到達できる。このため、触媒反応効率の低下が少ない。
d)触媒連間の専用気流路が互いに連結しているので流体の主流垂直方向にガスが拡散(物質交換およびこれに伴う熱交換)しやすい。このため、加熱面(触媒反応が吸熱反応の場合)である触媒反応容器の外壁面から遠く離れた触媒に対しても、ガス拡散によって加熱面から十分に熱を供給することがきでき、吹き抜けを生じにくい。
e)特に、触媒連の中心棒を高熱伝導性材料とし、中心棒の端部を加熱することによって、壁面から遠く離れた触媒を中心軸を介して加熱して反応による吸熱を補償することによって触媒低温化および触媒低温化に伴う改質効率低下を回避することができるので、吹き抜けを一層生じにくくすることができる。
こうして、個々の触媒を中心棒で貫いて一列に整列させた触媒連を複数用い、各触媒連間の空間を専用気流路とするとともに、触媒連の集合体である触媒柵を触媒反応容器内で往復運動させることによって、触媒層全域(触媒柵全体)において触媒表面に堆積した固体生成物を効率的に落下させて触媒層(触媒柵)から除去できるという顕著な効果を奏する。
本発明の触媒反応装置によれば、触媒反応容器内において隣り合う触媒連どうしは一定の間隔をあけて配置されるため、触媒をランダムに充填して構成される触媒層などにおいて生じる触媒間の空間での固体生成物の堆積による閉塞の問題は、本質的に回避される。そのため、従来のように触媒や触媒保持器を洗浄するために運転を停止する必要なしに、反応装置を連続運転することが可能となる。また、その触媒反応装置を用いて、固体カーボンなどの固体生成物を発生する触媒反応を高い効率で行うことができる。
(反応容器の寸法)
反応容器の厚みが大きいほど、厚み方向に熱が伝わりにくくなる。このため、反応容器の厚み(反応容器断面が円形の場合には直径)は、500mm以下であることが好ましい。
(触媒連と触媒柵)
図10、11に示したように、触媒連42は、円筒状などの内部に貫通孔を有する触媒44と、一群の触媒44を貫く中心棒45により構成される。触媒柵は、一群の触媒連43を保持板41に固定して製作される。
触媒柵43が、図11に示したように触媒連33を垂直方向に向けて反応容器11内に配置される場合には、中心棒45の下部(触媒連42と保持板41とが接合する部分)に、触媒44の落下防止用のカラーを設けることができる。カラーの直径を触媒孔径よりも大きくすることで、触媒の落下を防止できる。また,この場合には、カラーより下方が流体の流入または流出のための空間、並びに、触媒表面で生成した生成物を落下・堆積させるための空間となる。尚、この実施形態において、保持板41は、保持器12と共用される。この保持器は、反応容器内において昇降部の頂部に接続される。
触媒柵43が、触媒連42を水平方向に向けて反応容器11内に配置される場合には、中心棒45の両端を保持板41に接合する。
(触媒柵の開口率)
触媒柵の開口率は、開口率=(1−[触媒柵の主流に垂直な断面の断面積]/[触媒反応容器の主流に垂直方向の見かけ断面積])×100(%)として定義することができる。「主流」とは、反応容器11へ供給された流体が、反応容器11内でその流入口から流出口へと向かう流れ、として定義され、図9,10の場合には、主流は触媒連33に平行な方向の流体の流れとなる。触媒柵の開口率が大きいほど、通気抵抗が小さい。一方、開口率が過大だと必要な触媒反応容器体積が増大し、また、通気抵抗が小さいので吹き抜けも生じやすい。従って、開口率は、30%以上60%以下の範囲が好ましい。
(触媒連の中心棒)
触媒連の中心棒は、触媒を貫くことでそれを損傷させないように、丸棒が好ましい。但し、加工の便宜等の理由によって、多角形断面の棒であってもよい。
中心棒の直径は、触媒の孔径よりも小さくなければならない。また、触媒の保持や昇降運動に耐えうる強度を保ち、高温時のクリープ等による座屈を避けるために、適度の直径であることが好ましい。例えば、直径1mm以上、30mm以下を適用することができる。
中心棒の材質は、強度・剛性・耐熱性等の観点から、また、高熱伝導性材料であるのが好ましいことから、金属、特に、ステンレス鋼、インコネル(登録商標)等のニッケル合金、チタン、チタン合金を用いることができる。また、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等は、高熱伝導性材料として特に好ましい。
触媒連の末端には、加熱装置を設けることができる。
(触媒連の保持板)
触媒連を支持する保持板は、中心棒を、溶接やねじ込みなどの方法で取り付けることができる材料で製作される。その材質は、強度・剛性・耐熱性等の観点から、中心棒と同様に、ステンレス鋼、インコネル(登録商標)等のニッケル合金、チタン、チタン合金などでよい。カラーを用いる場合、それも保持板の材料と同様の材料で製作することができる。
(保持板の昇降速度)
上昇速度には特段の制約はない。下降速度は、固体堆積物を触媒表面から離脱させるのに十分な触媒間の相対運動を可能にするように設定する必要がある。極端に遅い下降速度では、触媒間で相対運動を生じないので好ましくない。下降速度は、触媒の自由落下速度(例:100mm/s)よりも速くすることができる。このようにすることによって、個々の触媒が下降する際に触媒と中心棒との接触状態に応じて下降速度のバラツキを生じ、触媒間で相対運動と衝突を生じさせることができる。
(触媒の形状)
触媒は、触媒連から脱落しないことが必要である。従って、中心棒が貫通することができる孔を有する形状であることが有利である。例えば、リング状、円筒状、ダクト状等の触媒を用いることができる。また、触媒の脱落防止の要件を満たす形状として、中心棒の直径よりも開口幅の小さい馬蹄形としてもよい。
触媒の孔寸法は、触媒連の中心棒に対して自由に移動できるように、中心棒の直径よりも十分に大きくなければならない。特に、次に説明する第2の実施形態のように触媒連が水平に配置され、触媒柵の往復動が鉛直方向になされる場合には、個々の触媒の鉛直方向の相対移動(中心棒に対する)距離は、[中心孔径]−[中心棒直径]の範囲に限られるので、この差を十分に大きく設定することが好ましい。例えば、[中心孔径]を[中心棒直径]+1mmとすることができる。
(昇降機構)
昇降機(保持器)へのピンおよび下向き傾斜面の形状・接続方法は、第1及び第2の実施形態と同様でよい。
(昇降部)
本実施例においては、保持器は、昇降部と一体構造となっており、保持器の裏面に固定ピンおよび傾斜面部品が接続されている。また、保持器端部には触媒柵の保持板が接続されている。
(その他)
触媒保持器及び触媒層の構成以外の部分、すなわち、反応容器の形状、反応容器の材質、反応容器の寸法、昇降ストローク、昇降速度、触媒層の高さ、その他の適用可能事例等については、第1及び第2の実施態様で説明したと同様であるが、触媒層の保持機構の変更に応じて適当に変更してもよい。
[第4の実施形態]
図12に示すように、爪部20用の退避領域51を設けてもよい。図12は、爪部20用の退避領域51が設けられている以外は、図4,5の第1の実施態様と同様である。しかし、第2及び第3の実施態様と同様でもよいことは明らかである。
この実施態様では、反応装置は加熱炉(図示せず)の中にあるが、爪部20の退避位置51には、外部から供給された非反応性ガス27を充満させて、爪部20を反応から保護できる。昇降動作を必要としない、反応中の大半の期間は、爪部20を退避領域51に配置して、保護することができる。
[実施例1]
(反応系全体の構成)
石炭供給装置(石炭ホッパー定量供給器)から、加熱されたキルンに20kg/時の速度で石炭を供給して石炭乾留ガス(石炭中の水分に起因する水蒸気を含む)を連続発生させた。触媒反応装置の流入口は、保温管によってキルンに接続し、触媒反応装置流出口は、保温管によってスクラバ経由で誘引ファンに接続した。石炭乾留ガスは、ガス中のタールが触媒反応容器で改質されて軽質ガス(水素等)を生成し、改質ガスとして誘引ファンによってフレアスタック(改質ガスを燃焼する)経由で大気中に放散させた。触媒反応容器は、炉温が一定温度に制御された電気加熱炉内に収容した。誘引ファンは、流量を調節でき、石炭乾留ガスの発生速度に対応する流量に制御された。
図7,8に示した装置で試験した。反応器は加熱炉内に設置し、加熱炉は電気加熱炉であり、炉内を一定炉温度に制御可能なものである。駆動装置は加熱炉外に設置し、先端部爪は反応容器内に設置し、シール管は加熱炉壁を貫通して設けた。駆動装置軸の軸方向に往復運動可能なように、反応容器側にガイドが設けられている。
(触媒反応装置)
使用した触媒反応装置は、次のとおりであった。
・反応容器形状: 中心軸垂直断面の形状・寸法が一定な矩形断面となるダクト状
・反応容器材質: ステンレス鋼
・反応容器厚: 120mm
・反応容器幅: 300mm
・反応容器高さ: 450mm
・触媒層高さ: 230mm
・触媒層アスペクト比: 1.9
・触媒保持器: スレンレス丸棒製のピン式(図6に示すもの)
・触媒保持器のピン: 直径5.1mm、長さ90mm、頂部は平坦、コーナ部1mmを面取り
・触媒保持器のピンの配置: 底辺16mm(反応容器幅方向)、高さ13.5mm(反応容器厚方向)の二等辺三角形、全て触媒保持器底板に溶接
・触媒保持器のピン開口率: 92%
・使用触媒量: 7kg
(昇降機構)
保持器の底板の裏面に、前記裏面との間に隙間を設けるように直径12mmの固定ピンを保持器に溶接して固定した。
駆動装置: 市販の複動式エアシリンダ。推力:2000N
駆動措置軸: φ40mm丸棒。ハステロイC22製。
シール管: JIS 50AのSUS310S管。
加熱炉外にJIS 10Aのパージガス供給管を接続した。
爪: ハステロイC22製。上向き斜面、下向き斜面とも15/100の勾配。
爪の隙間15mm。
駆動装置ストローク:100mm → 昇降装置ストローク:15mm
駆動装置上昇速度: 3mm/秒
駆動装置下降速度: 30mm/秒
操作タイミング: 石炭乾留ガス通気開始後、5時間20分後(第1回昇降)および5時間30分後(第2回昇降)。各2往復実施。
(触媒)
触媒としては、Ni0.1Ce0.1Mg0.8Oなる成分系のものを使用した。
硝酸ニッケル、硝酸セリウム、硝酸マグネシウムを各金属元素のモル比が1:1:8になるように精秤して、60℃の加温で混合水溶液を調製したものに、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を加えて、ニッケル、マグネシウム、及びセリウムを水酸化物として共沈させ、スターラーで十分に攪拌した。その後、60℃に保持したまま一定時間攪拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で十分に洗浄を行った。洗浄後に得られた沈殿物を120℃で乾燥し粗粉砕した後、空気中600℃で焼成(か焼)したものを解砕した後にビーカーに入れ、アルミナゾルを加えて攪拌羽根を取り付けた混合器で十分混合したものをなすフラスコに移してロータリーエバポレーターに取り付け、攪拌しながら吸引することで、水分を蒸発させた。なすフラスコ壁面に付着したニッケルとマグネシウムとセリウムとアルミナの化合物を蒸発皿に移して120℃で乾燥、600℃でか焼後、粉末を圧縮成形器を用いて3mmφの錠剤状にプレス成型し、外径15mm、内径5mm、高さ15mmの円筒状成型体を得た。
その成型体を空気中950℃で焼成を行い、Ni0.1Ce0.1Mg0.8Oにアルミナが50質量%混合した触媒成型体を調製した。その成型体の成分をICP分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。また、その成型体を木屋式硬度計で計測したところ、約100Nの強度を保持することがわかった。
上記の触媒を図7,8に示した触媒反応装置に収容し、触媒層中央位置に熱電対を挿入した。
改質反応を始める前に、まず反応器を窒素雰囲気下で800℃まで昇温した後、水素ガスを80Nl/min流しながら30分間還元処理を行った。その後、コークス炉ガスを調整して導入し、常圧下、反応評価した。
(作業条件)
作業条件は、次のとおりであった。
・石炭乾留キルン温度: 750℃
・電気加熱炉温: 800℃
・石炭乾留ガス流量: 平均10Nm3/h
・石炭乾留ガス通気時間: 5時間
(結果)
・通気性(圧力損失)の測定結果を図13に示す。通気とともに、触媒間でのコーキングによって通気抵抗が徐々に増大したが、第1回、第2回の昇降操作によって、十分に圧力損失を低下させることができた。
試験終了後に、保持器基板上に100gの固体カーボンが堆積していたが、保持器表面には薄い固体カーボン膜を生じたのみであり、バルク状の固体カーボンのピンへの付着は一切なく、保持器の通気抵抗は、設置時と同一であった。
[実施例2]
(反応系全体の構成)
基本的に実施例1と同様であるが、図9、10の装置において、触媒柵を図11のものに置き換えて保持器に接続した装置を用いて、下記の条件で試験した。
(昇降機構)
実施例1と同様の昇降機構及び昇降条件であるが、保持器の底板30に下向き斜面31(勾配15/100)を形成するともに、直径12mmの固定ピン17を溶接した。操作タイミングは、石炭乾留ガス通気開始後、3.5時間後に触媒柵の昇降操作を実施し、各3往復実施した。
(触媒反応装置)
反応容器11は、ステンレス鋼製であり、寸法が80mm厚×300mm幅×700mm高さで、上下に開口を持つダクト形状であった。反応容器11のダクトの上端に、JIS 80Aの流出管29を、ダクトの下端にJIS 150Aの流入管28を接続して通気するようにした。
(作業条件)
作業条件は、次のとおりであった。
・石炭乾留キルン温度: 750℃
・電気加熱炉温: 800℃
・石炭乾留ガス流量: 平均10Nm3/h
・石炭乾留ガス通気時間: 5時間
改質反応を始める前に、まず反応器を窒素雰囲気下で800℃まで昇温した後、水素ガスを80Nl/min流しながら30分間還元処理を行った。その後、コークス炉ガスを調整して導入し、常圧下、反応評価した。
以下の触媒7kgを当該触媒反応装置に収容し、触媒層中央位置に熱電対を挿入した。
(触媒柵)
直径4mm、長さ500mmのステンレス製丸棒を中心棒として使用し、下端から80mmの位置に直径10mmの円筒状のカラーを溶接して、触媒の脱落防止とした。触媒連の中心棒を保持器である底板に溶接し、カラーの上の部分に30個の触媒を貫通させて、触媒柵を製作した。触媒連の配置は、反応容器厚み方向に5列、幅方向に14または15列の千鳥配置とした。
(保持板の駆動機構)
・駆動装置昇降ストローク: 20mm
・駆動装置上昇速度: 10mm/秒
・駆動装置下降速度: 80mm/秒
・操作タイミング: 石炭乾留ガス通気開始後3.5時間で3往復の昇降を行う
(結果)
図15を使って試験結果を説明する。図14の横軸は通気時間、左側の縦軸は反応容器での圧力損失、右側の縦軸は増幅水素流量(触媒単位質量当たりの、触媒による改質反応により反応容器内で生成した水素の流量)を表している。試験中に通気抵抗の上昇は特に認められなかった。石炭乾留ガス通気開始後に改質性能は徐々に低下したが、触媒柵の往復運動を実施した直後に、急激に回復した。
試験終了後に、反応容器を冷却し、解体して内部を調査した結果、底板上に50gの固体カーボンが堆積していたが、触媒上には顕著なバルク状の生成物は付着していなかった。
[参考例1]
硝酸ニッケル、硝酸セリウム、硝酸酸化ジルコニウム、硝酸マグネシウムを各金属元素のモル比が1:1:1:7になるように精秤して、60℃の加温で混合水溶液を調製したものに、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を加えて、ニッケル、セリウム、ジルコニウム、及びマグネシウムを水酸化物として共沈させ、スターラーで十分に攪拌した。
その後、60℃に保持したまま一定時間攪拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で十分に洗浄を行った。洗浄後に得られた沈殿物を120℃で乾燥し粗粉砕した後、空気中600℃でか焼したものを解砕した後にビーカーに入れ、アルミナゾルを加えて攪拌羽根を取り付けた混合器で十分混合したものを、なすフラスコに移してロータリーエバポレーターに取り付け、攪拌しながら吸引することで、水分を蒸発させた。なすフラスコ壁面に付着したニッケルとマグネシウムとアルミナの化合物を蒸発皿に移して120℃で乾燥、600℃でか焼後、圧縮成形器を用いて粉末を3mmφの錠剤状にプレス成型し、錠剤成型体を得た。その成型体を空気中950℃で焼成を行い、Ni0.1Ce0.1Zr0.1Mg0.7Oにアルミナが50質量%混合した触媒成型体を調製した。
その成型体の成分をICP分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。また、本調製品をXRD測定した結果、NiMgO、MgAl24、CexZr1-x2相からなることが判明し、各々の結晶子の大きさは、14nm、11nm、22nmであった。
この触媒をSUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層中央位置に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
改質反応を始める前に、まず反応容器を窒素雰囲気下で800℃まで昇温した後、水素ガスを100mL/min流しながら30分間還元処理を行った。その後、コークス炉ガス(粗ガス)の模擬ガス(水素:窒素=1:1、H2Sを2000ppm含有、トータル流量125mL/min)を調製して反応容器に導入するとともに、石炭乾留時発生タールの模擬物質として、タール中にも実際に含まれ且つ常温で粘度の低い液体物質である1−メチルナフタレンを代表物質として、0.025g/minの流量で反応容器へ導入し、常圧下で反応させた。
試験終了後に触媒を回収して観察した結果、触媒間に大量のバルク状カーボンが堆積していた。この触媒および堆積物を篩分けしたところ、触媒表面のバルク状固体カーボンは、数回の軽微な振動で大半が触媒表面から離脱し篩の目を通過して落下した。
従って、本触媒を用いた場合、触媒間に堆積した固体カーボンの大半は、わずかな触媒振動で触媒間を通過して落下することがわかった。この結果から、本触媒を用いた改質反応において、実施例1や2の装置を用いれば、触媒への固体生成物の付着を大幅に回避できると考えられる。
[参考例2]
ニッケル、マグネシウム、ナトリウムの原子量%がそれぞれ10%、80%、10%になるように精秤して、60℃の加温で混合水溶液を調製したものに、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を加えて、ニッケルとマグネシウムとナトリウムを水酸化物として共沈させ、スターラーで十分に攪拌した。その後、60℃に保持したまま一定時間攪拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で十分に洗浄を行った。
洗浄後に得られた沈殿物を120℃で乾燥し粗粉砕した後、空気中600℃で焼成(か焼)したものを解砕し、その後、粉末を圧縮成形器を用いて3mmφの錠剤状にプレス成型し、錠剤成型体を得た。その成型体を空気中950℃で焼成を行い、Ni0.10.1Mg0.8Oの触媒成型体を調製した。
この触媒をSUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層中央位置に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
改質反応を始める前に、反応容器を窒素雰囲気下で800℃まで昇温した後、水素ガスを100mL/min流しながら30分間還元処理を行った。その後、コークス炉ガス(粗ガス)の模擬ガス(水素:窒素=1:1、H2Sを2000ppm含有、トータル流量125mL/min)を調製して反応容器に導入するとともに、石炭乾留時発生タールの模擬物質として、タール中にも実際に含まれかつ常温で粘度の低い液体物質である1−メチルナフタレンを代表物質として、0.025g/minの流量で反応容器へ導入し、常圧下で反応させた。
試験終了後に触媒を回収して観察した結果、触媒間に大量のバルク状カーボンが堆積していた。この触媒および生成物を篩分けしたところ、触媒表面のバルク状固体カーボンは、数回の軽微な振動で大半が触媒表面から離脱し篩の目を通過して落下した。
従って、本触媒を用いた場合、触媒間に堆積した固体カーボンの大半は、わずかな触媒振動で触媒間を通過して落下することがわかった。この結果から、本触媒を用いた改質反応において、実施例1や2の装置を用いれば、触媒への固体生成物の付着を大幅に回避できると考えられる。
1:触媒反応容器、 2:触媒、 3:パンチングメタル又は網、 4:原料ガス、 6:流出口、 7:改質ガス、
10:連続式固定床触媒反応装置、 11:反応容器、 12:保持器、 12a:ピン、 12b:底板、 13:触媒層、 14:原料ガス、 15:改質ガス、 16:昇降部、 17:固定ピン、 18:延長部、 19:水平移動部、 20:爪、 21:駆動装置、 22:駆動軸、 23:シール管、 24:下向き斜面(爪側)、 25上向き斜面(爪側)、 26:非反応性ガス供給管、 27:非反応性ガス、 28:流入管、 29:流出管、
30:保持器側部材、 31:下向き斜面(保持器側)、 32:上向き斜面(爪側)、
41:保持板、 42:触媒連、 43:触媒柵、 44:触媒、 45:中心棒、
51:爪部退避位置

Claims (16)

  1. A)加熱炉と、
    B)加熱炉内に設置された、略重力方向に中心軸を持つ筒状である粒状体容器と、
    C)粒状体容器内に粒状体を下方から保持する保持器と、
    D)粒状体容器内に保持された粒状体に流体を通過させるための、粒状体容器の一端近傍に設けた流体の流入口及び他端近傍に設けた流体の流出口と、
    E)粒状体撹拌手段とを具備する処理装置であって、
    前記粒状体攪拌手段は、保持器を含んで保持器とともに昇降する昇降部と、保持器に接して昇降部に昇降のための駆動力を伝える水平移動部とから構成され、
    前記水平移動部は、
    −加熱炉内に設けられ、昇降部に接して水平方向に往復動して前記昇降部を昇降させる爪部と、
    −加熱炉外に設けられ、前記爪部を水平方向に往復動させる駆動装置と
    −加熱炉の壁を貫通して前記駆動装置と前記爪部を連結する連結軸と、
    −前記連結軸周囲を囲って粒状体容器を加熱炉雰囲気から遮断するシ−ル手段とから構成され、
    前記爪部は、前記駆動装置に向かう方向に上昇する上向き斜面と、前記駆動装置から遠ざかる方向に下降する下向き斜面とを有し、
    前記駆動装置が前記爪部を押出すと、前記爪部の前記上向き斜面がそれに接する前記昇降部に上昇力を与えて、前記昇降部が上昇し、
    前記駆動装置が前記爪部を引戻すと、前記爪部の前記下向き斜面がそれに接する前記昇降部に下降力を与えて、前記昇降部が下降することを特徴とする処理装置。
  2. 前記粒状体容器内に前記粒状体が積層されて粒状体層をなし、前記粒状体が前記粒状体容器の内壁に接するように昇降することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記昇降部は保持器の下方に固定ピンを有し、昇降部の降下時に前記爪部の下向き斜面が接する昇降部の位置は、前記昇降部の固定ピンであることを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
  4. 前記昇降部は保持器の下方に固定ピンを有し、昇降部の上昇時に前記爪部の上向き斜面が接する昇降部の位置は、前記昇降部の固定ピンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の処理装置。
  5. 前記昇降部は保持器の下方に下向き斜面を有し、昇降部の上昇時に前記爪部の上向き斜面が接する昇降部の位置は、前記昇降部の下向き斜面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の処理装置。
  6. 前記シール手段がシール管であって、外部から非反応性ガスを供給する非反応性ガス供給管が接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の処理装置。
  7. 前記爪部は、昇降部の非昇降時には、昇降部から離脱してシール手段内に引き戻されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の処理装置。
  8. 前記保持器が、粒状体を複数のピンの先端部で保持し、流体が当該ピンの間の空間を流通できる構造を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の処理装置。
  9. 前記粒状体の高さが、前記粒状体容器の厚み(粒状体容器の中心軸垂直断面での代表長さのうち、最小の寸法をいう。)の2倍以下であり、かつ、粒状体外面の代表長さの最大値の3倍以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の処理装置。
  10. 前記駆動機構の下降時の速度が上昇時の速度よりも速いことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の処理装置。
  11. 前記粒状体容器が粒状の触媒を収納する連続式固定床触媒反応器であって、前記流体がガスであり、前記触媒を用いた流体の触媒反応による生成物が生成ガスと触媒上に析出する固体または液体を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の処理装置。
  12. 前記触媒反応用の流体が炭化水素を含有するガスであり、前記触媒反応による生成物が固体の炭化水素または固体のカーボンを含むことを特徴とする、請求項11に記載の処理装置。
  13. 前記炭化水素を含有するガスがタールを含有するガスであることを特徴とする、請求項12に記載の処理装置。
  14. 前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む複合酸化物であって、アルミナを含まない複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl2O4、CeO2の結晶相からなることを特徴とする請求項13に記載の処理装置。
  15. 前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、ジルコニウム、アルミニウムを含む複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl2O4、CexZr1-xO2(0<x<1)の結晶相を含むことを特徴とする請求項13に記載の処理装置。
  16. 前記触媒が、aM・bNi・cMg・dOで表わされる複合酸化物であるタール含有ガスの改質用触媒であって、
    a、b、及び、cは、a+b+c=1、0.02≦a≦0.98、0.01≦b≦0.97、かつ、0.01≦c≦0.97を満たし、
    dは、酸素と陽性元素が電気的に中立となる値であり、
    Mは、Ti,Zr,Ca,W,Mn,Zn,Sr,Ba,Ta,Co,Mo,Re,白金、ルニウム、パラジウム、ロジウム、Li,Na,K,Fe,Cu,Cr,La,Pr,Ndから選ばれる少なくとも1種類の元素であり、
    前記複合酸化物に、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加え、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる前記酸化物の含有量が、前記複合酸化物に対し1〜90%質量%である、ことを特徴とする、請求項13に記載の処理装置。
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