JP2013164944A - バッテリパック構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリパックケース内で凝縮水が発生することを抑制できるバッテリパック構造を提供する。
【解決手段】本発明のバッテリパック構造では、気体の通過を許容すると共に液水の通過を防止する通気機構を有するバッテリパックケースと、前記バッテリパックケースに内蔵されるバッテリモジュールと、を備え、バッテリ冷却手段により前記バッテリモジュールを冷却し、空気冷却手段により前記通気機構の外側近傍の空気を冷却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリパックケースに内蔵されたバッテリモジュールを冷却するバッテリ冷却手段を備えたバッテリパック構造に関するものである。
従来、バッテリを内蔵したバッテリケースに、ケース内の空気と内部を流れる冷媒の間で熱交換を行なうエバポレータと、エバポレータにより熱交換された空気をバッテリへ送風するブロアと、を収容したバッテリパック構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このバッテリパック構造では、排水ドレンを介してエバポレータからの凝縮水をバッテリケースの外部へ排出する。
特開2008-54379公報
しかしながら、従来のバッテリパック構造では、排水ドレンを設けるために、バッテリケースに凝縮水排出用の開口を設ける必要がある。そのため、この開口を介して水蒸気を含む空気がバッテリケース内に浸入し、凝縮水を増大させるという問題が発生してしまう。
しかも、このようなバッテリケースを、例えば車両の床下に配置した場合では、凝縮水排出用の開口から泥水や埃といった異物がバッテリケース内に入り込むおそれもあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、バッテリパックケース内で凝縮水が発生することを抑制できるバッテリパック構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のバッテリパック構造では、バッテリパックケースと、バッテリモジュールと、バッテリ冷却手段と、空気冷却手段と、を備えている。
前記バッテリパックケースは、気体の通過を許容すると共に液水の通過を防止する通気機構を有する。
前記バッテリモジュールは、前記バッテリパックケースに内蔵される。
前記バッテリ冷却手段は、前記バッテリモジュールを冷却する。
前記空気冷却手段は、前記通気機構の外側近傍の空気を冷却する。
本発明のバッテリパック構造にあっては、バッテリ冷却手段により、バッテリパックケース内のバッテリモジュールが冷却される。そして、空気冷却手段により、バッテリパックケースに設けた通気機構の外側近傍の空気が冷却される。
すなわち、通気機構の外側近傍の空気を冷却することで、この通気機構の外側近傍の空気における飽和水蒸気圧(水蒸気濃度)を低減できる。これにより、バッテリパックケース内の飽和水蒸気圧の方が、通気機構の外側近傍の空気の飽和水蒸気圧よりも相対的に高くなれば、水蒸気はバッテリパックケースから通気機構を介して外へと排出される。このため、バッテリパックケース内の水蒸気量が低下し、このバッテリパックケース内において、バッテリ冷却手段による凝縮水が発生することを抑制できる。
この結果、バッテリパックケースに凝縮水排出用の開口を設ける必要がなくなり、開口を介して水蒸気を含む空気がバッテリパックケース内に浸入することで凝縮水が増大したり、開口からバッテリパックケース内に異物が入り込んだりする問題がなくなる。
実施例1のバッテリパック構造を採用したバッテリパックが搭載された電気自動車を示すシステム図である。 比較例のバッテリパック構造における冷媒の流れとバッテリの冷却風の流れを示す説明図である。 実施例1のバッテリパック構造における冷媒の流れとバッテリの冷却風の流れを示す説明図である。 実施例2のバッテリパック構造を採用したバッテリパックを示すシステム図である。 実施例2のバッテリパック構造における冷媒の流れとバッテリの冷却風の流れを示す説明図であり、(a)はケース外熱交換部に冷媒を流通させる場合を示し、(b)はケース外熱交換部に冷媒を流通させない場合を示す。 実施例3のバッテリパック構造を採用したバッテリパックを示すシステム図である。 実施例4のバッテリパック構造を採用したバッテリパックが搭載された電気自動車を示すシステム図である。 実施例5のバッテリパック構造を採用したバッテリパックを示すシステム図である。 実施例5のバッテリパック構造における冷媒の流れとバッテリの冷却風の流れを示す説明図であり、(a)はバッテリパック用回路に冷媒を流通させる場合を示し、(b)は車両用空調回路に冷媒を流通させる場合を示す。 実施例5のバッテリパック構造の他の例を採用したバッテリパックを示すシステム図である。 実施例1のバッテリパック構造の他の例を採用したバッテリパックを示すシステム図であり、(a)は空気冷却手段のみをヒートポンプ式冷却ユニットで構成する場合を示し、(b)はバッテリ冷却手段のみをヒートポンプ式冷却ユニットで構成する場合を示す。 実施例1のバッテリパック構造のさらに他の例を採用したバッテリパックを示すシステム図である。
以下、本発明のバッテリパック構造を実施するための形態を、図面に示す実施例1から実施例5に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のバッテリパック構造を採用したバッテリパックが搭載された電気自動車を示すシステム図である。
実施例1のバッテリパック構造は、バッテリパックBPと、ヒートポンプ式冷却ユニットHPと、を備えている。
前記バッテリパックBPは、モータを走行駆動源する電気自動車Dの動力源として、電気自動車Dに搭載される。ここでは、例えばフロアパネルの下部のホイールベース中央位置に配置され、充放電ハーネスを介して電気自動車Dに搭載された図示しない強電モジュール(DC/DCコンバータ+充電器)と接続される。また、前記バッテリパックBPは、バッテリパックケース1と、バッテリモジュール2と、を有している。
前記バッテリパックケース1は、例えばロア側バッテリケースと、アッパ側バッテリケースの2部品によって構成され、バッテリモジュール2を密閉する。ここで、ロア側バッテリケースは、車体メンバに対し支持固定されるフレーム部材である。また、アッパ側バッテリケースは、ロア側バッテリケースの外周位置にボルト固定されるカバー部材である。
そして、このバッテリパックケース1には、通気機構3と、冷媒管コネクタ端子4と、充放電コネクタ端子(図示せず)と、が設けられている。
前記通気機構3は、水蒸気等の気体の通過を許容すると共に、水等の液水の通過を防止する開口構造である。この通気機構3は、バッテリパックケース1に形成した開口部31と、この開口部31を封鎖する通気膜32と、を有している。
ここで、通気膜32は、気体の通過を許容すると共に液水の通過を防止する膜であり、例えば4フッ化エチレン樹脂多孔質膜や、ポリテトラフルオロエチレンを延伸加工したフィルムにポリウレタンポリマーを複合化したものからなる。なお、このようなフッ化樹脂多孔質膜の製品としてはテミッシュ(日東電工製:商標登録)やゴアテックス(W.L.ゴア&アソシエイツ製:商標登録)が知られている。この通気膜32は、連通する多数のミクロ孔を有し、気体を容易に通過させることができるが、表面に撥水性があり、液水を通過させることが困難なものとなっている。
前記冷媒管コネクタ端子4は、ヒートポンプ式冷却ユニットHPにおける冷媒配管8を接続するコネクタ端子である。
前記バッテリモジュール2は、前記バッテリパックケース1に内蔵された二次電池(リチウムイオンバッテリ等)による複数のバッテリセルを積み重ねた集合体構造である。ここで、複数のバッテリセルの間には、空気の流通を可能とする通気風路21が設けられ、通気風路21の一方に冷却風取入口22が形成され、通気風路21の他方に冷却風排出口23が形成されている。ここで、冷却風取入口22は、後述する送風ファン62の排気口62b側に向いている。また、冷却風排出口23は、通気機構3側に向いている。
前記ヒートポンプ式冷却ユニットHPは、冷媒(二酸化炭素等)の相変化時の熱エネルギーを用いた冷凍サイクルであり、バッテリモジュール2を冷却するバッテリ冷却手段と、通気機構3の外側近傍の空気Hを冷却する空気冷却手段と、を含んでいる。このヒートポンプ式冷却ユニットHPは、冷媒降温部5と、ケース内熱交換部(バッテリ用熱交換手段)6と、ケース外熱交換部(バッテリ用熱交換手段)7と、冷媒配管8と、を有する。
前記冷媒降温部5は、コンプレッサ51と、コンデンサ52と、エキスパンションバルブ53と、汽水分離タンク54と、を有する。
前記コンプレッサ51は、冷媒を圧縮する圧縮手段である。
前記コンデンサ52は、コンプレッサ51から吐出された冷媒と車両前方から流れ込む走行風とを熱交換し、冷媒を冷却液化する降温用熱交換手段である。
前記エキスパンションバルブ53は、コンデンサ52から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁である。
前記汽水分離タンク54は、エキスパンションバルブ53によって減圧膨張した冷媒に含まれる液化した冷媒と気化した冷媒を分離し、液化冷媒のみをケース内熱交換部6に供給する。
前記ケース内熱交換部(バッテリ用熱交換手段)6は、エバポレータ61と、送風ファン62と、を有する。
前記エバポレータ61は、バッテリパックケース1に内蔵され、冷媒降温部5から供給された低圧低温の液化冷媒と、バッテリパックケース1内の空気とを熱交換し、バッテリパックケース1内の空気を冷却する冷却機構である。このエバポレータ61は、冷媒流入管61aと、冷媒流出管61bと、を有し、冷媒管コネクタ端子4を介して冷媒配管8に接続されている。
前記送風ファン62は、エバポレータ61により吸熱されて冷却された空気を、バッテリモジュール2から通気機構3へと順に送風する送風機構である。つまり、この送風ファン62は、給気口62aがエバポレータ61側に向けられ、排気口62bがバッテリモジュール2の冷却風取入口22に向けられる。そして、この送風ファン62は、エバポレータ61を通過して冷却された空気(冷却風)を、バッテリモジュール2の冷却風取入口22に向かって送風する。
前記ケース外熱交換部(バッテリ用熱交換手段)7は、バッテリパックケース1の外側に配置され、ケース内熱交換部6から排出された冷媒と、通気機構3の外側近傍の空気Hとを熱交換し、通気機構3の外側近傍の空気Hを冷却する。
ここで、「通気機構3の外側近傍の空気H」とは、バッテリパックケース1の外側であって、通気機構3の周辺部分の雰囲気である。この「通気機構3の外側近傍の空気H」には、通気機構3を介してバッテリパックケース1内に流れ込む空気、或いは、通気機構3を介してバッテリパックケース1から流れ出た空気を含んでいる。
前記冷媒配管8は、冷媒降温部5とケース内熱交換部6とケース外熱交換部7とを直列に接続し、冷媒を順に循環させる配管であり、直列回路を構成している。この冷媒配管8は、第1配管81から第6配管86までに分割した6つの配管を有する。
前記第1配管81は、冷媒降温部5におけるコンプレッサ51とコンデンサ52を接続する。
前記第2配管82は、コンデンサ52とエキスパンションバルブ53を接続する。
前記第3配管83は、エキスパンションバルブ53と汽水分離タンク54を接続する。
前記第4配管84は、汽水分離タンク54とケース内熱交換部6のエバポレータ61を接続する。なお、この第4配管84は、冷媒管コネクタ端子4を介して冷媒流入管61aに接続される。
前記第5配管85は、エバポレータ61とケース外熱交換部7を接続する。なお、この第5配管85は、冷媒管コネクタ端子4を介して冷媒流出管61bに接続される。
前記第6配管86は、ケース外熱交換部7と冷媒降温部5のコンプレッサ51を接続する。
この冷媒配管8において、冷媒は、第5配管85内をエバポレータ61からケース外熱交換部7に向かって流れる。そのため、この冷媒配管8は、ケース内熱交換部6よりも冷媒の流れ方向の下流側にケース外熱交換部7を接続することとなる。
次に、「比較例のバッテリパック構造の構成と課題」について説明し、続いて、実施例1のバッテリパック構造の作用を「冷媒循環作用」、「バッテリ冷却作用」、「通気機構外空気冷却作用」に分けて説明する。
[比較例のバッテリパック構造の構成と課題]
図2は、比較例のバッテリパック構造における冷媒の流れとバッテリの冷却風の流れを示す説明図である。
図2に示す比較例のバッテリパック構造は、バッテリパックBP1と、ヒートポンプ式冷却ユニットHP1と、を備えている。
前記バッテリパックBP1は、バッテリパックケース91と、バッテリモジュール92と、を有している。
前記バッテリパックケース91は、通気開口93と、冷媒管コネクタ端子94と、を有している。ここで、通気開口93は、バッテリパックケース91に形成された開口部であり、気体(水蒸気)だけでなく水等の液水の流通も許容する。
前記ヒートポンプ式冷却ユニットHP1は、冷媒降温部95と、ケース内熱交換部96と、冷媒配管97と、を有している。
前記冷媒降温部95は、コンプレッサ95aと、コンデンサ95bと、エキスパンションバルブ95cと、汽水分離タンク95dと、を有している。
前記ケース内熱交換部96は、バッテリパックケース91内に配置されたエバポレータ96aと、送風ファン96bと、を有している。
前記冷媒配管97は、コンプレッサ95aとコンデンサ95bを接続する第1配管97aと、コンデンサ95bとエキスパンションバルブ95cを接続する第2配管97bと、エキスパンションバルブ95cと汽水分離タンク95dを接続する第3配管97cと、汽水分離タンク95dとケース内熱交換部96のエバポレータ96aを接続する第4配管97dと、エバポレータ96aとコンプレッサ95aを接続する第5配管97eと、を有している。
この比較例のバッテリパック構造においてバッテリモジュール92を冷却するには、まず、コンプレッサ95aを駆動して冷媒を圧縮し、第1配管97aを介してコンデンサ95bに供給する。コンプレッサ95aから供給された高圧冷媒は、コンデンサ95bにおいて外気(車両前方から流れ込む走行風)によって冷却されて低温高圧冷媒となる。この低温高圧冷媒は、エキスパンションバルブ95cで減圧膨張されて低温低圧冷媒になり、汽水分離タンク95dで気体冷媒が分離されて液体冷媒のみがケース内熱交換部96のエバポレータ96aに供給される。
そして、このエバポレータ96aを流れる低温冷媒と、バッテリパックケース91内の空気との間で熱交換が行なわれ、バッテリパックケース91内の空気に含まれる熱が低温冷媒に吸収(吸熱)されて、バッテリパックケース91内の温度が低下する。一方、熱交換によって昇温した冷媒は、第5配管97eを介してコンプレッサ95aに循環される。
また、エバポレータ96aによって冷却された空気は、送風ファン96bによって、バッテリモジュール92に形成された通気風路(図示せず)に送られる。これにより、バッテリモジュール92が冷却される。
なお、バッテリモジュール92の通気風路を通った空気は、通気開口93の近傍を通過してからエバポレータ96aに向かって流れ、再びエバポレータ96aを流れる冷媒に吸熱される。
ここで、エバポレータ96aによって、バッテリパックケース91内の空気を冷却すると、空気が露点以下に冷やされた場合には凝結(結露)してしまう。この凝結水(結露水)は、バッテリパックケース91内に溜まると、バッテリモジュール92等の電気系統に絶縁低下等の悪影響を及ぼす恐れがある。そのため、通気開口93や排水ドレン(図示せず)等を介してバッテリパックケース91の外部に排出する必要がある。
このとき、空気温度と飽和水蒸気圧は比例関係にあるため、バッテリパックケース91内の空気を冷却するほど、バッテリパックケース91内の飽和水蒸気圧は低下する。つまり、バッテリモジュール92を冷却するために、バッテリパックケース91内の空気を冷却するほど、ケース内で発生する凝縮水が増大する傾向がある。
また、ケース内飽和水蒸気圧が低下すると、バッテリパックケース91の外部の方が、ケース内空気よりも相対的に多湿になる。ここで、水蒸気は、濃度の高い方から低い方へと拡散で広がっていく性質を有している。そのため、ケース内外の水蒸気濃度差をドライビングフォース(分圧差)として、通気開口93を介してケースの外部からケース内へと水分(水蒸気)が拡散で流入してしまい、凝縮水がますます増大してしまうことになる。
しかも、空気中の水蒸気を凝縮するために必要なエネルギーは、空気を冷却するエネルギーよりも比率が高い。そのため、ケースの外部からケース内へと水分(水蒸気)が流入することで、空気を冷却するために使用されるべきエネルギーが水蒸気の凝縮に使用されると、相対的に空気の冷却エネルギーが低減し、冷却効率が低下してしまう。
さらに、このようなバッテリパックケース91を、例えば車両の床下に配置した場合では、通気開口93から泥水や埃といった異物がバッテリパックケース91内に入り込むおそれもあった。
なお、バッテリパックケース内への泥水や埃等の浸入対策として、バッテリパックケースを完全に密閉した場合では、温度差等によってケース内外に圧力差が生じ、バッテリパックケースが変形することがある。そのため、バッテリパックケースには、液水の通過は阻止するが、少なくとも気体の通過は許容する通気機構は必要となっている。
しかし、このようなバッテリパックケースであっても、バッテリパックケース内の空気を冷却することでケース内飽和水蒸気圧が低下すると、通気機構を介して水蒸気が流入するので、凝縮水の発生を抑制できない、という問題がある。
[冷媒循環作用]
図3は、実施例1のバッテリパック構造における冷媒の流れとバッテリの冷却風の流れを示す説明図である。
実施例1のバッテリパック構造におけるヒートポンプ式冷却ユニットHPにおいて、冷媒を循環させるには、まず、冷媒降温部5のコンプレッサ51を駆動する。これにより冷媒が圧縮され、高圧冷媒が第1配管81を介してコンデンサ52へ供給される。
コンデンサ52では、コンデンサ52に供給された高圧冷媒と、車両前方から流れ込む走行風との間で熱交換が行なわれ、高圧冷媒から外気に熱が放出して冷却液化し、低温高圧冷媒となる。この低温高圧冷媒は、第2配管82を介してエキスパンションバルブ53に流入する。
エキスパンションバルブ53では、コンデンサ52から供給された低温高圧冷媒を、細孔をくぐらせることにより減圧膨張させ、低温低圧冷媒とする。この低温低圧冷媒は、第3配管83を介して汽水分離タンク54に流れ込み、低温低圧冷媒に含まれる液化冷媒と気化冷媒が分離され、液化冷媒のみが流出する。なお、気化冷媒は、図示しない回路を通ってコンプレッサ51へ戻される。
汽水分離タンク54にて分離された液化冷媒は、第4配管84から冷媒流入管61aを介してケース内熱交換部6のエバポレータ61に流入する。
エバポレータ61では、このエバポレータ61に流入した低温低圧の液化冷媒と、バッテリパックケース1内の空気との間で熱交換が行なわれ、低温低圧冷媒はバッテリパックケース1内の空気の熱を吸収して昇温気化し、高温低圧冷媒となる。この高温低圧冷媒は、冷媒流出管61bから第5配管85へ流れ出る。
第5配管85を流れ出た冷媒は、ケース外熱交換部7において、通気機構3の外側近傍の空気Hとの間で熱交換を行う。これにより、ケース外熱交換部7内の冷媒に通気機構3の外側近傍の空気Hの熱が吸収されて、冷媒がさらに昇温し、さらに高温の低圧冷媒となる。そして、この高温の低圧冷媒は、第6配管86を介してコンプレッサ51へと循環する。
このように、ヒートポンプ式冷却ユニットHPにおいて冷媒が循環することで、エバポレータ61において、バッテリパックケース1内の空気の熱が吸収(吸熱)されて、バッテリパックケース1内の空気が冷却する。また、ケース外熱交換部7において、通気機構3の外側近傍の空気Hの熱が吸収(吸熱)されて、通気機構3の外側近傍の空気Hが冷却する。
[バッテリ冷却作用]
上述のように、エバポレータ61による吸熱効果でバッテリパックケース1内の空気が冷却されると、この冷却された空気(以下、冷却風という)は、送風ファン62の給気口62aから吸い込まれる。そして、送風ファン62の排気口62bを介して、バッテリモジュール2に形成された通気風路21の冷却風取入口22に向けて送風される。
このとき、給気口62aがエバポレータ61側に向けられているため、エバポレータ61で吸熱して冷却された冷却風を送風ファン62にすばやく取り込むことができる。また、排気口62bがバッテリモジュール2の冷却風取入口22に向けられているため、冷却風が拡散することを抑制しつつ、通気風路21に送風できる。
通気風路21に送風された冷却風は、バッテリモジュール2のバッテリセルとの間で熱交換し、バッテリセルの熱を吸収しながら通気風路21を流れる。つまり、エバポレータ61による冷却風は、バッテリモジュール2を冷却しながら通気風路21を流れる。そして、バッテリモジュール2を冷却することで温まった冷却風は、冷却風排出口23からバッテリモジュール2の外部に排出される。
ここで、冷却風排出口23が通気機構3側に向いており、バッテリモジュール2の外部に排出された空気は、通気機構3の通気膜32の内側面(バッテリパックケース1の内部の臨む面)に沿って流れ、エバポレータ61に向かう。
このため、通気膜32の内側には、バッテリモジュール2を冷却して温まった冷却風が流れることになり、通気機構3の内側近傍の空気は比較的暖かくなる。これにより、通気機構3の周囲において、バッテリパックケース1の内側と外側で温度差を小さくできる。そのため、ケース内外の水蒸気分圧差を小さく抑えることができて、水蒸気を含む外気が、バッテリパックケース1内に入りにくくすることができる。
[通気機構外側空気冷却作用]
一方、上述のように、ケース外熱交換部7による吸熱効果で通気機構3の外側近傍の空気Hが冷却されると、この通気機構3の外側近傍の空気Hにおける飽和水蒸気圧が低下する。そのため、通気機構3を介してバッテリパックケース1内に流入する水蒸気の濃度が低減する。この結果、バッテリパックケース1内の水蒸気量が低く抑えられ、エバポレータ61によってバッテリパックケース1内の空気が冷却されても、凝縮水が発生することを極力低減することができる。
そして、ケース内に凝縮水が発生しにくいため、凝縮水を排出するために液水の通過を許容する開口をバッテリパックケース1に形成する必要がなくなる。これにより、バッテリパックケース1を車両床下に設置しても、泥水や埃といった異物がバッテリパックケース1内に入り込むことを防止できる。また、液水の通過を許容する開口を不要とすることで、ケース内への水蒸気の浸入を効果的に防止でき、さらに凝縮水の発生を抑制できる。
すなわち、空気温度と飽和水蒸気圧が比例関係にあるため、ケース外の空気(通気機構3の外側近傍の空気H)の温度を下げることで、ケース外の飽和水蒸気圧(湿度)は低減する。そして、ケース外の飽和水蒸気圧(湿度)を低減することで、通気機構3からバッテリパックケース1に流れ込む空気の飽和水蒸気圧(湿度)を低くすることができる。これにより、バッテリパックケース1に入ってくる水蒸気量が減るため、ケース内に溜まる水分量が少なくなり、凝縮水の発生を抑制できることとなる。
また、通気機構3の外側近傍の空気Hの飽和水蒸気圧を低減することで、バッテリパックケース1に流入する前に水蒸気を凝縮しやすくすることができる。このとき、通気機構3が液水の通過を防止するため、凝縮して水(液水)となった水分は、バッテリパックケース1内に入り込まない。これにより、バッテリパックケース1内へ水蒸気が拡散で入り込みにくくでき、さらに凝縮水の発生を抑制できる。
なお、実施例1のバッテリパック構造では、通気機構3が通気膜32を有している。そのため、通気機構3の液水の通過を防止する水密性能を高く保つことができ、通気機構3のすぐ外側で空気を冷却して凝縮水が発生しても、この凝縮水がバッテリパックケース1内に流入することを防止できる。
さらに、通気は可能であるため、ケース内外の圧力変動や外気との圧力差の調整を行うことができ、バッテリパックケース1の変形を防止できる。
また、バッテリパックケース1内の飽和水蒸気圧が、外気(通気機構3の外側近傍の空気H)の飽和水蒸気圧よりも高い場合には、ケース内外の水蒸気濃度差によってケース外へ水蒸気を排出することができる。そのため、さらにバッテリパックケース1内の飽和水蒸気圧を下げることができて、不必要な凝縮水が発生する可能性を低減できる。
そして、通気膜32として、特定の商品(例えば日東電工製テミッシュ(商標登録)等)を使用すれば、その製品が有する信頼性を確保することができて、冷却性能の制御や適切な設計を容易に行なうことができる。
そして、バッテリパックケース1内の飽和水蒸気圧(湿度)を低くすることで、バッテリパックケース1内を循環する空気は乾燥したものとなる。そのため、飽和水蒸気圧が高いと水蒸気の凝縮に使用されてしまうエネルギーを、空気を冷却するために使用することができ、空気の冷却エネルギーを増大させて、冷却効率の向上を図ることができる。
また、実施例1のバッテリパック構造では、バッテリモジュール2の冷却及び通気機構3の外側近傍の空気Hの冷却の何れも、ヒートポンプ式冷却ユニットHPにより行なっている。すなわち、冷媒降温部5→ケース内熱交換部6のエバポレータ61→ケース外熱交換部7→冷媒降温部5と循環する冷媒の相変化時の熱エネルギーを利用することで、バッテリモジュール2及び通気機構3の外側近傍の空気Hは冷却される。
そのため、冷媒を循環させるための動力となるコンプレッサ51の駆動に必要なエネルギーよりも、多くの熱エネルギーを利用して、多くの冷却(抜熱)を得ることができる。つまり、ヒートポンプ式冷却ユニットHPを利用することで、エネルギー使用効率(COP:Coefficient of Performance)が1以上となるため、エネルギー効率の向上を図ることができる。
なお、冷媒の種類等によっては、ヒートポンプ式冷却ユニットHPのシステムを単純化することができ、低廉化・小型化・軽量化等を図ることができる。
さらに、上記ヒートポンプ式冷却ユニットHPにおいて、冷媒降温部5とケース内熱交換部6のエバポレータ61とケース外熱交換部7とが冷媒配管8を介して直列に接続されている。そのため、バッテリモジュール2を冷却する冷媒と、通気機構3の外側近傍の空気Hを冷却する冷媒が直列、すなわち順番に流れる。
これにより、冷媒が一つの経路を通って循環することになり、冷媒の有する冷却エネルギーを効率よく利用することができる。つまり、バッテリモジュール2を冷却した後、この冷媒に残っている冷却エネルギー(冷却性能)によって、通気機構3の外側近傍の空気Hを冷却できる。
ここで、冷媒配管8は、ケース内熱交換部6のエバポレータ61よりも冷媒の流れ方向の下流側にケース外熱交換部7を接続している。すなわち、エバポレータ61の内部を流れる冷媒温度よりもケース外熱交換部7の内部を流れる冷媒温度のほうが低温となる。
そのため、バッテリパックケース1内の方が、通気機構3の外側近傍の空気Hよりも先に冷やされ、バッテリパックケース1内の空気を、外気(通気機構3の外側近傍の空気H)より低温にすることができる。この結果、バッテリモジュール2の冷却効果を大きく確保することができ、バッテリモジュール2の冷却をより早く行なうことができると共に、より低温化することができる。
さらに、ヒートポンプ式冷却ユニットHPにおける冷媒は、バッテリパックケース1内の空気と熱交換を行なった後、通気機構3の外側近傍の空気Hと熱交換を行なう。そのため、それぞれにおける冷却性能を適切に設計することで、バッテリパックケース1の内外温度をほぼ同等に制御することができる。そして、ケース内外温度を同等にすれば、それぞれの飽和水蒸気圧が同程度となり、水蒸気分圧差が小さくなって通気機構3を介した水蒸気の流通が抑制され、さらに効果的にケース内での凝縮水の発生を防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1のバッテリパック構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(1)気体の通過を許容すると共に液水の通過を防止する通気機構3を有するバッテリパックケース1と、
前記バッテリパックケース1に内蔵されるバッテリモジュール2と、
前記バッテリモジュール2を冷却するバッテリ冷却手段(ヒートポンプ式冷却ユニット)HPと、
前記通気機構3の外側近傍の空気Hを冷却する空気冷却手段(ヒートポンプ式冷却ユニット)HPと、
を備えた構成とした。
これにより、バッテリパックケース1内で凝縮水が発生することを抑制し、凝縮水排水用の開口を不要とすることができる。
(2) 前記バッテリ冷却手段(ヒートポンプ式冷却ユニット)HPは、
前記バッテリパックケース1内の空気を冷却する冷却機構(エバポレータ)61と、
前記冷却機構(エバポレータ)61により冷却された空気を、前記バッテリモジュール2から前記通気機構3へと順に送風する送風機構(送風ファン)62と、
を有する構成とした。
これにより、通気機構3の内側周囲の温度が比較的暖かくなり、ケース外の空気との温度差を小さくして、ケース外からケース内への水蒸気の流入を防止できる。
(3) 前記通気機構3は、気体の通過を許容すると共に液水の通過を防止する通気膜32を有する構成とした。
これにより、通気機構3の液水の通過を防止する水密性能を高く保つことができ、通気機構3のすぐ外側で空気を冷却して凝縮水が発生しても、この凝縮水がバッテリパックケース1内に流入することを防止できる。
(4) 前記バッテリ冷却手段及び前記空気冷却手段(ヒートポンプ式冷却ユニット)HPは、
冷媒を圧縮する圧縮手段(コンプレッサ)51と、前記圧縮手段51から吐出された冷媒と前記バッテリパックケース1外の空気とを熱交換する降温用熱交換手段(コンデンサ)52と、を有し、冷媒温度を低下させる冷媒降温部5と、
前記冷媒降温部5から流出した冷媒と冷却対象とを熱交換させるバッテリ用熱交換手段(ケース内熱交換部,ケース外熱交換部)6,7と、
前記冷媒降温部5と前記バッテリ用熱交換手段6,7とを接続し、前記冷媒を循環させる冷媒配管8と、
を有する構成とした。
これにより、冷媒を循環させるための動力となるコンプレッサ51の駆動に必要なエネルギーよりも、多くの熱エネルギーを利用して、多くの冷却(抜熱)を得ることができる。
(5) 前記バッテリ用熱交換手段は、
前記冷媒と前記バッテリパックケース1内の空気とを熱交換させるケース内熱交換部6と、
前記冷媒と前記通気機構3の外側近傍の空気Hとを熱交換させるケース外熱交換部7と、
前記冷媒降温部5と前記ケース内熱交換部6と前記ケース外熱交換部7とを直列に接続し、前記冷媒を循環させる直列回路(冷媒配管)8と、
を有する構成とした。
これにより、冷媒が一つの経路を通ることになり、冷媒の有する冷却エネルギーを効率よく利用することができる。
(6) 前記直列回路(冷媒配管)8は、前記ケース内熱交換部6よりも前記冷媒の流れ方向の下流側に前記ケース外熱交換部7を接続する構成とした。
これにより、バッテリパックケース1内の空気が通気機構3の外側近傍の空気Hよりも先に冷やされ、バッテリモジュール2の冷却効果を大きく確保できる。
実施例2のバッテリパック構造は、ケース内熱交換部からケース外熱交換部を適宜切り離すことができる例である。
図4は、実施例2のバッテリパック構造を採用したバッテリパックを示すシステム図である。なお、実施例1と同等の構成については、実施例1と同じ符号を使用し、詳細な説明を省略する。
実施例2のバッテリパック構造は、図4に示すように、バッテリパックBPと、ヒートポンプ式冷却ユニットHPaと、を備えている。
前記ヒートポンプ式冷却ユニットHPaは、冷媒降温部5と、ケース内熱交換部(バッテリ用熱交換手段)6と、ケース外熱交換部(バッテリ用熱交換手段)7と、冷媒配管8Aと、を有する。
前記冷媒配管8Aは、冷媒降温部5とケース内熱交換部6とケース外熱交換部7とを直列に接続し、第1配管81から第6配管86までに分割した6つの配管を有する共に、バイパス配管87と、切替弁88と、を有する。
前記バイパス配管87は、第5配管85と第6配管86を接続し、第5配管85を介してケース外熱交換部7へ流れる冷媒を、ケース外熱交換部7を迂回させて第6配管86へ流すバイパス回路である。
前記切替弁88は、第5配管85とバイパス配管87の間に設けられ、第5配管85とバイパス配管87との接続を適宜断接する電磁弁である。
このように、実施例2の冷媒配管8Aは、バイパス配管87及び切替弁88を有している。そのため、図5(a)に示すように、切替弁88によって第5配管85とバイパス配管87との接続が遮断された場合には、ケース内熱交換部6のエバポレータ61から流れ出た冷媒は、第5配管85を介してケース外熱交換部7へ供給される。そして、このケース外熱交換部7において、冷媒と通気機構3の外側近傍の空気Hとで熱交換し、通気機構3の外側近傍の空気Hが冷却される。そして、熱交換により温まった冷媒は、ケース外熱交換部7から流れ出て、第6配管86を介してコンプレッサ51へと循環する。
一方、外気温が非常に低い場合や、バッテリモジュール2を急速冷却したい場合等の条件に応じて、図5(b)に示すように、切替弁88が切り替えられ、第5配管85とバイパス配管87とが接続された場合には、ケース内熱交換部6のエバポレータ61から流れ出た冷媒は、第5配管85からバイパス配管87を経由して第6配管86へと流れる。そのため、ケース外熱交換部7へと流れる冷媒流れが遮断され、ケース外熱交換部7へ冷媒が供給されることがなくなる。
これにより、ケース外熱交換部7で熱交換が行なわれることもなくなり、通気機構3の外側近傍の空気Hが必要以上に冷却されることを防止できる。
また、ケース外熱交換部7を迂回して冷媒が循環するため、冷媒の循環ペースが向上し、バッテリパックケース1内の空気の冷却効率が高まる。この結果、バッテリモジュール2を急速に冷却できる。
すなわち、実施例2のバッテリパック構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(7) 前記直列回路(冷媒配管)8Aは、
前記ケース外熱交換部7を迂回するバイパス回路(バイパス配管)87と、
前記ケース外熱交換部7への冷媒流れを遮断して前記パイパス回路87へ冷媒を流通させる切替弁88と、
を有する構成とした。
これにより、必要に応じてケース外熱交換部7における熱交換を停止し、通気機構3の外側近傍の空気Hが必要以上に冷却されることを防止すると共に、冷媒の循環ペースを向上して、バッテリパックケース1内の空気の冷却効率を向上することができる。
なお、この実施例2のバッテリパック構造では、切替弁88の切り替え状態に拘らず、冷媒降温部5とケース内熱交換部6のエバポレータ61との間で冷媒の循環は行なわれる。そのため、バッテリモジュール2の冷却は常時実行することができる。
実施例3のバッテリパック構造は、ケース外熱交換部よりも冷媒流れの下流側にケース内熱交換部を配置した例である。
図6は、実施例3のバッテリパック構造を採用したバッテリパックを示すシステム図である。なお、実施例1と同等の構成については、実施例1と同じ符号を使用し、詳細な説明を省略する。
実施例3のバッテリパック構造は、図6に示すように、バッテリパックBPと、ヒートポンプ式冷却ユニットHPbと、を備えている。
前記ヒートポンプ式冷却ユニットHPbは、冷媒降温部5と、ケース内熱交換部(バッテリ用熱交換手段)6と、ケース外熱交換部(バッテリ用熱交換手段)7と、冷媒配管8Bと、を有する。
前記冷媒配管8Bは、冷媒降温部5とケース内熱交換部6とケース外熱交換部7とを直列に接続し、第1配管81Bから第6配管86Bまでに分割した6つの配管を有する。
前記第1配管81Bは、冷媒降温部5におけるコンプレッサ51とコンデンサ52を接続する。
前記第2配管82Bは、コンデンサ52とエキスパンションバルブ53を接続する。
前記第3配管83Bは、エキスパンションバルブ53と汽水分離タンク54を接続する。
前記第4配管84Bは、汽水分離タンク54とケース外熱交換部7を接続する。
前記第5配管85Bは、ケース外熱交換部7とケース内熱交換部6のエバポレータ61とを接続する。なお、この第5配管85Bは、冷媒管コネクタ端子4を介して冷媒流入管61aに接続される。
前記第6配管86Bは、エバポレータ61と冷媒降温部5のコンプレッサ51を接続する。なお、この第6配管86Bは、冷媒管コネクタ端子4を介して冷媒流出管61bに接続される。
この冷媒配管8Bにおいて、冷媒は、第5配管85B内をケース外熱交換部7からエバポレータ61に向かって流れる。そのため、この実施例3の冷媒配管8Bでは、ケース外熱交換部7よりも冷媒の流れ方向の下流側にケース内熱交換部6を接続することとなる。
このような実施例3のバッテリパック構造では、冷媒降温部5から流れ出た冷媒は、まずケース外熱交換部7に流れ込み、冷媒と通気機構3の外側近傍の空気Hとで熱交換が行なわれる。その後、ケース外熱交換部7から流れ出た冷媒は、エバポレータ61に流れ込み、エバポレータ61においてバッテリパックケース1内の空気と熱交換が行なわれ、冷媒降温部5のコンプレッサ51へと循環する。
すなわち、この実施例3のバッテリパック構造では、通気機構3の外側近傍の空気Hの方が、バッテリパックケース1の内部よりも先に冷やされ、外気(通気機構3の外側近傍の空気H)を、バッテリパックケース1内の空気よりも低温にすることができる。この結果、外気の飽和水蒸気圧の方がケース内よりも低くすることができて、ケース内に水蒸気を含む空気が拡散により流入することを防止できる。また、外気の飽和水蒸気圧を低くすることで、バッテリパックケース1から水蒸気を含む空気を流出しやすくできる。
すなわち、実施例3のバッテリパック構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(8) 前記直列回路(冷媒配管)8Bは、前記ケース外熱交換部7よりも前記冷媒の流れ方向の下流側に前記ケース内熱交換部6を接続する構成とした。
これにより、通気機構3の外側近傍の空気Hがバッテリパックケース1内の空気よりも先に冷やされ、通気機構3の外側近傍の空気Hの飽和水蒸気圧をケース内よりも低減して、ケース内への水蒸気の流入を効果的に防止できる。
実施例4のバッテリパック構造は、ケース内熱交換部とケース外熱交換部を並列に接続すると共に、車両用熱交換手段を設けた例である。
図7は、実施例4のバッテリパック構造を採用したバッテリパックが搭載された電気自動車を示すシステム図である。なお、実施例1と同等の構成については、実施例1と同じ符号を使用し、詳細な説明を省略する。
実施例4のバッテリパック構造は、図7に示すように、バッテリパックBPと、ヒートポンプ式冷却ユニットHPcと、を備えている。
前記ヒートポンプ式冷却ユニットHPcは、冷媒降温部5と、ケース内熱交換部(バッテリ用熱交換手段)6と、ケース外熱交換部(バッテリ用熱交換手段)7と、車両用空調ユニット(車両用熱交換手段)10と、冷媒配管8Cと、を有する。
前記車両用空調ユニット10は、バッテリパックBPが搭載された電気自動車Dの車室内空調を行なうものであり、車室内部の空気と熱交換を行なう空調用エバポレータ11と、空調用エバポレータ11によって冷却された空気を車室内部へ送風する空調用送風ファン12と、を有する。
前記冷媒配管8Cは、冷媒降温部5とケース内熱交換部6及びケース外熱交換部7を接続するバッテリパック用回路と、冷媒降温部5と車両用空調ユニット10を接続する空調用回路と、を有する。すなわち、この冷媒配管8Cは、第1配管81Cから第9配管89Cまでに分割した9つの配管を有する。
前記第1配管81Cは、冷媒降温部5におけるコンプレッサ51とコンデンサ52を接続する。
前記第2配管82Cは、コンデンサ52とエキスパンションバルブ53を接続する。
前記第3配管83Cは、エキスパンションバルブ53と汽水分離タンク54を接続する。
前記第4配管84Cは、汽水分離タンク54とケース内熱交換部6のエバポレータ61を接続する。なお、この第4配管84Cは、冷媒管コネクタ端子4を介して冷媒流入管61aに接続される。
前記第5配管85Cは、第4配管84Cの中間部とケース外熱交換部7を接続する。
前記第6配管86Cは、エバポレータ61と冷媒降温部5のコンプレッサ51を接続する。なお、この第6配管86Cは、冷媒管コネクタ端子4を介して冷媒流出管61bに接続される。
前記第7配管87Cは、ケース外熱交換部7と第6配管86Cの中間部を接続する。
前記第8配管88Cは、第4配管84Cの中間部と空調用エバポレータ11の冷媒流入口11aを接続する。なお、この第8配管88Cは、第5配管85Cよりも冷媒流れの上流側で第4配管84Cと接続している。
前記第9配管89Cは、第6配管86Cの中間部と空調用エバポレータ11の冷媒吐出口11bを接続する。なお、この第9配管89Cは、第7配管87Cよりも冷媒流れの下流側で第6配管86Cと接続している。
これにより、前記バッテリパック用回路は、第1配管81C、第2配管82C、第3配管83C、第4配管84C、第5配管85C、第6配管86C、第7配管87Cから構成されることとなる。また、前記空調用回路は、第1配管81C、第2配管82C、第3配管83C、第4配管84C、第6配管86C、第8配管88C、第9配管89Cから構成されることとなる。
さらに、前記バッテリパック用回路は、第4配管84C及び第6配管86Cを介して、冷媒降温部5とケース内熱交換部6のエバポレータ61を接続する第1並列回路と、第4配管84C〜第7配管87Cを介して、冷媒降温部5とケース外熱交換部7を接続する第2並列回路を有する。
このような実施例4のバッテリパック構造において、冷媒を循環させると、コンプレッサ51の駆動により冷媒降温部5から流れ出た冷媒は、まず、第4配管84Cを流れる。ここで、第4配管84Cはエバポレータ61が接続されると共に、中間部には第8配管88C及び第5配管85Cが接続されている。
そのため、第4配管84Cを流れた冷媒のうち、一部がケース内熱交換部6のエバポレータ61に流れ込み、一部がケース外熱交換部7に流れ込み、一部が車両用空調ユニット10の空調用エバポレータ11に流れ込む。
そして、エバポレータ61に流れ込んだ冷媒は、このエバポレータ61においてバッテリパックケース1内の空気と熱交換した後、冷媒流出管61b、冷媒管コネクタ端子4を介して第6配管86Cへ流れ、コンプレッサ51へと循環する。
また、ケース外熱交換部7に流れ込んだ冷媒は、このケース外熱交換部7において通気機構3の外側近傍の空気Hと熱交換した後、第7配管87Cを介して第6配管86Cへと流れ込み、コンプレッサ51へと循環する。
さらに、空調用エバポレータ11に流れ込んだ冷媒は、この空調用エバポレータ11において車室内空気と熱交換した後、第9配管89Cを介して第6配管86Cへと流れ込み、コンプレッサ51へと循環する。
このように、第4配管84Cを流れた冷媒は、エバポレータ61及びケース外熱交換部7へと、それぞれ並列的に流れる。このため、エバポレータ61に流れ込む冷媒温度と、ケース外熱交換部7へ流れ込む冷媒温度は、ほぼ同程度とすることができる。これにより、エバポレータ61によって冷却されたバッテリパックケース1内の空気の飽和水蒸気圧と、ケース外熱交換部7によって冷却された通気機構3の外側近傍の空気Hの飽和水蒸気圧を、ほぼ同程度とすることができる。
この結果、通気機構3を介したケース内外で飽和水蒸気圧差の発生が抑制され、ドライビングフォース(分圧差)が少なくなり、バッテリパックケース1内へ水蒸気が入りにくくすることができる。
また、第4配管84Cを流れた冷媒を車両用空調ユニット10へも循環させることで、バッテリを冷却するための冷媒降温部と、車両用空調を行なうための冷媒降温部を共通化し、車両に搭載する冷却システムの低廉化・小型化・軽量化等を図ることができる。なお、通常車両には車両用空調ユニット10が標準的に搭載されている。そのため、冷媒降温部5を新たに追加することなく車両用空調ユニット10に使用される冷却回路(空調用回路)を利用して、バッテリモジュール2の冷却を実行することができる。
すなわち、実施例4のバッテリパック構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(9) 前記バッテリ用熱交換手段は、
前記冷媒と前記バッテリパックケース1内の空気とを熱交換させるケース内熱交換部6と、
前記冷媒と前記通気機構3の外側近傍の空気Hとを熱交換させるケース外熱交換部7と、
前記冷媒降温部5と前記ケース内熱交換部6とを接続する第1並列回路(第4配管84C及び第6配管86C)と、
前記冷媒降温部5と前記ケース外熱交換部7とを接続する第2並列回路(第4配管84C〜第7配管87C)と、
を有する構成とした。
これにより、ケース内熱交換部6に流れ込む冷媒温度と、ケース外熱交換部7に流れ込む冷媒温度をほぼ同程度とし、通気機構3を介したケース内外で飽和水蒸気圧差の発生を抑制して、バッテリパックケース1内へ水蒸気が入りにくくすることができる。
(10) 前記バッテリパックケース1は、車両(電気自動車)Dに搭載され、
前記車両Dは、車室の内部と熱交換を行う車両用熱交換手段(車両用空調ユニット)10を有し、
前記冷媒配管8Cは、前記冷媒降温部5と前記バッテリ用熱交換手段(ケース内熱交換部6,ケース外熱交換部7)とを接続するバッテリパック用回路(第1配管81C、第2配管82C、第3配管83C、第4配管84C、第5配管85C、第6配管86C、第7配管87C)と、前記冷媒降温部5と前記車両用熱交換手段10を接続する空調用回路(第1配管81C、第2配管82C、第3配管83C、第4配管84C、第6配管86C、第8配管88C、第9配管89C)と、を有する構成とした。
これにより、バッテリを冷却するための冷媒降温部と、車両用空調を行なうための冷媒降温部を共通化し、冷却システムの低廉化・小型化・軽量化等を図ることができる。
実施例5のバッテリパック構造は、ケース内熱交換部及びケース外熱交換部の冷媒回路と、車両用熱交換手段の冷媒回路とを適宜切り離すことができる例である。
図8は、実施例5のバッテリパック構造を採用したバッテリパックを示すシステム図である。なお、実施例1又は実施例4と同等の構成については、実施例1又は実施例4と同じ符号を使用し、詳細な説明を省略する。
実施例5のバッテリパック構造は、図8に示すように、バッテリパックBPと、ヒートポンプ式冷却ユニットHPdと、を備えている。
前記ヒートポンプ式冷却ユニットHPdは、冷媒降温部5と、ケース内熱交換部(バッテリ用熱交換手段)6と、ケース外熱交換部(バッテリ用熱交換手段)7と、車両用空調ユニット(車両用熱交換手段)10と、冷媒配管8Dと、を有する。
前記冷媒配管8Dは、冷媒降温部5とケース内熱交換部6とケース外熱交換部7とを直列に接続し、第1配管81から第6配管86までに分割した6つの配管を有する共に、第7配管87Dと、第8配管88Dと、切替弁13と、を有する。
前記第7配管87Dは、第4配管84の中間部と空調用エバポレータ11の冷媒流入口11aを接続する。
前記第8配管88Dは、第6配管86の中間部と空調用エバポレータ11の冷媒吐出口11bを接続する。
なお、この第7配管87D及び第8配管88Dにより、冷媒降温部5と車両用空調ユニット10を接続する空調用回路を構成する。また、第4配管84から第6配管86により、冷媒降温部5とケース内熱交換部6及びケース外熱交換部7を接続するバッテリパック用回路を構成する。
前記切替弁13は、第4配管84と第7配管87Dの間に設けられ、第4配管84と第7配管87Dとの接続を適宜断接する電磁弁である。
このように、実施例5の冷媒配管8Dは、空調用回路を構成する第7,第8配管87D,88D及び切替弁13を有している。そのため、図9(a)に示すように、切替弁13によって第4配管84と第7配管87Dとの接続が遮断された場合には、冷媒降温部5の汽水分離タンク54から流れ出た冷媒は、第4配管84を介してケース内熱交換部6のエバポレータ61へ供給される。そして、このエバポレータ61において、冷媒とバッテリパックケース1内の空気とで熱交換し、バッテリパックケース1内の空気が冷却される。このとき、送風ファン62を駆動することで、冷却風がバッテリモジュール2の通気風路21を流通し、バッテリモジュール2は冷却される。
エバポレータ61にて熱交換した冷媒は、第5配管85を介してケース外熱交換部7へ供給され、このケース外熱交換部7において、通気機構3の外側近傍の空気Hと熱交換する。これにより、通気機構3の外側近傍の空気Hが冷却される。そして、ケース外熱交換部7にて熱交換により温まった冷媒は、第6配管86を介してコンプレッサ51へと循環する。
一方、車室空調を実行する場合には、図9(b)に示すように、切替弁13が切り替えられ、第4配管84と第7配管87Dとが接続される。これにより、冷媒降温部5の汽水分離タンク54から流れ出た冷媒は、第4配管84を介して空調用エバポレータ11へと流れる。そして、この空調用エバポレータ11において、冷媒と車室内空気とで熱交換し、車室内空気が冷却される。このとき、空調用送風ファン12を駆動することで、冷却風が車室内へ送風され、車室が冷却される。空調用エバポレータ11にて熱交換した冷媒は、第8配管88Dを介して第6配管86へ流れ出て、コンプレッサ51へ循環する。
このように、切替弁13を切り替えることで、冷媒降温部5からケース内熱交換部6及びケース外熱交換部7へと順に流れる冷媒流れが遮断され、バッテリパック用回路へ冷媒が供給されることがなくなる。
つまり、切替弁13を切り替えることで、ヒートポンプ式冷却ユニットHPdをバッテリモジュール2の冷却専用回路として使用し、バッテリモジュール2の冷却を集中的に実行する場合と、ヒートポンプ式冷却ユニットHPdを車両用空調のための専用回路として使用し、車室冷却を集中的に実行する場合とで区分けすることができる。
そして、バッテリモジュール2の冷却の冷却時には、車両用空調ユニット10へ冷媒が循環しないため、バッテリパックケース1内の空気の冷却効率を向上することができる。
すなわち、実施例5のバッテリパック構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(11) 前記冷媒配管8Dは、前記バッテリパック用回路(第4配管84、第5配管85、第6配管86)への冷媒流れを遮断し、前記空調用回路(第7配管87D、第8配管88D)へ冷媒を流通させる切替弁13を有する構成とした。
これにより、バッテリパック用回路と空調用回路とを必要に応じて切り分けることができ、必要な冷却を集中的に行なうことができる。
以上、本発明のバッテリパック構造を実施例1から実施例5に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
上記実施例5では、ヒートポンプ式冷却ユニットHPdにバッテリパック用回路と空調用回路とを設け、切替弁13により流通する冷媒流れを切り替える構成にしたが、これに限らない。例えば、この実施例5の構成に加え、図10に示すように、バイパス配管87と、切替弁88と、を有してもよい。
ここで、前記バイパス配管87は、第5配管85と第6配管86を接続し、第5配管85を介してケース外熱交換部7へ流れる冷媒を、ケース外熱交換部7を迂回させて第6配管86へ流す。また、前記切替弁88は、第5配管85とバイパス配管87の間に設けられ、第5配管85とバイパス配管87との接続を適宜断接する。
これにより、バッテリパック用回路と空調用回路とを必要に応じて切り分けるだけでなく、ケース外熱交換部7への冷媒流れを必要に応じて遮断することで、バッテリパックケース1内の空気の冷却効率を高めて、バッテリモジュール2を急速に冷却できる。
また、上記各実施例では、何れもヒートポンプ式冷却ユニットがバッテリ冷却手段と空気冷却手段を含んでいる。つまり、バッテリパックケース1内の冷却と通気機構3の外側近傍の空気Hの冷却は、何れも冷媒の相変化時の熱エネルギーを利用して冷却する構成となっている。
しかしながら、これに限らず、例えば図11(a)に示すように、空気冷却手段のみが冷媒降温部5と、バッテリ用熱交換手段となるケース外熱交換部7と、冷媒を循環させる冷媒配管8を有し、バッテリ冷却手段をペルチェ冷却ユニットPにより構成してもよい。また逆に、図11(b)に示すように、バッテリ冷却手段のみが冷媒降温部5と、バッテリ用熱交換手段となるケース内熱交換部6と、冷媒を循環させる冷媒配管8を有し、空気冷却手段をペルチェ冷却ユニットPにより構成してもよい。
この場合であっても、バッテリ或いは空気の何れか一方の冷却にヒートポンプ式冷却ユニットHPを利用することで、冷媒を循環させるための動力となるコンプレッサ51の駆動に必要なエネルギーよりも、多くの熱エネルギーを利用して、多くの冷却(抜熱)を得ることができる。
なお、「ペルチェ冷却ユニット」とは、ペルチェ素子を使用した冷却ユニットであり、圧縮手段や冷媒を利用するヒートポンプ式冷却ユニットに比べて、軽量化・小型化・制御性能向上・無振動等の利点を有する。
また、ペルチェ冷却ユニットPによりバッテリ冷却手段を構成する場合には、図11(a)に示すように、バッテリパックケース1の側面に設けて、少なくとも一部がバッテリパックケース1内の空気に接触するように設けてもよいが、ペルチェ冷却ユニットPの全体をバッテリパックケース1内に配置してもよい。
さらに、図12に示すように、バッテリモジュール2を冷却するバッテリ冷却手段と、通気機構3の外側近傍の空気Hを冷却する空気冷却手段と、のそれぞれをペルチェ冷却ユニットPによって構成してもよい。
そして、上記実施例1では、本発明のバッテリパック構造を、電気自動車Dに搭載した例を示したが、例えば走行駆動源としてモータ以外にエンジンを有するハイブリッド車両に適用してもよい。
BP バッテリパック
1 バッテリパックケース
2 バッテリモジュール
21 通気風路
3 通気機構
32 通気膜
4 冷媒管コネクタ端子
HP ヒートポンプ冷却ユニット(バッテリ冷却手段,空気冷却手段)
5 冷媒降温部
51 コンプレッサ(圧縮手段)
52 コンデンサ(降温用熱交換手段)
53 エキスパンションバルブ
54 汽水分離タンク
6 ケース内熱交換部(バッテリ用熱交換手段)
61 エバポレータ(冷却機構)
62 送風ファン(送風機構)
7 ケース外熱交換部(バッテリ用熱交換手段)
8 冷媒配管

Claims (11)

  1. 気体の通過を許容すると共に液水の通過を防止する通気機構を有するバッテリパックケースと、
    前記バッテリパックケースに内蔵されるバッテリモジュールと、
    前記バッテリモジュールを冷却するバッテリ冷却手段と、
    前記通気機構の外側近傍の空気を冷却する空気冷却手段と、
    を備えたことを特徴とするバッテリパック構造。
  2. 請求項1に記載されたバッテリパック構造において、
    前記バッテリ冷却手段は、
    前記バッテリパックケース内の空気を冷却する冷却機構と、
    前記冷却機構により冷却された空気を、前記バッテリモジュールから前記通気機構へと順に送風する送風機構と、
    を有することを特徴とするバッテリパック構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたバッテリパック構造において、
    前記通気機構は、気体の通過を許容すると共に液水の通過を防止する通気膜を有する
    ことを特徴とするバッテリパック構造。
  4. 請求項1から請求項3の何れか一項に記載されたバッテリパック構造において、
    前記バッテリ冷却手段、又は、前記空気冷却手段の少なくとも一方は、
    冷媒を圧縮する圧縮手段と、前記圧縮手段から吐出された冷媒と前記バッテリパックケース外の空気とを熱交換する降温用熱交換手段と、を有し、冷媒温度を低下させる冷媒降温部と、
    前記冷媒降温部から流出した冷媒と冷却対象とを熱交換させるバッテリ用熱交換手段と、
    前記冷媒降温部と前記バッテリ用熱交換手段とを接続し、前記冷媒を循環させる冷媒配管と、
    を有することを特徴とするバッテリパック構造。
  5. 請求項4に記載されたバッテリパック構造において、
    前記バッテリ用熱交換手段は、
    前記冷媒と前記バッテリパックケース内の空気とを熱交換させるケース内熱交換部と、
    前記冷媒と前記通気機構の外側近傍の空気とを熱交換させるケース外熱交換部と、
    前記冷媒降温部と前記ケース内熱交換部と前記ケース外熱交換部とを直列に接続し、前記冷媒を循環させる直列回路と、
    を有することを特徴とするバッテリパック構造。
  6. 請求項5に記載されたバッテリパック構造において、
    前記直列回路は、前記ケース内熱交換部よりも前記冷媒の流れ方向の下流側に前記ケース外熱交換部を接続する
    ことを特徴とするバッテリパック構造。
  7. 請求項6に記載されたバッテリパック構造において、
    前記直列回路は、
    前記ケース外熱交換部を迂回するバイパス回路と、
    前記ケース外熱交換部への冷媒流れを遮断して前記パイパス回路へ冷媒を流通させる切替弁と、
    を有することを特徴とするバッテリパック構造。
  8. 請求項5に記載されたバッテリパック構造において、
    前記直列回路は、前記ケース外熱交換部よりも前記冷媒の流れ方向の下流側に前記ケース内熱交換部を接続する
    ことを特徴とするバッテリパック構造。
  9. 請求項4に記載されたバッテリパック構造において、
    前記バッテリ用熱交換手段は、
    前記冷媒と前記バッテリパックケース内の空気とを熱交換させるケース内熱交換部と、
    前記冷媒と前記通気機構の外側近傍の空気とを熱交換させるケース外熱交換部と、
    前記冷媒降温部と前記ケース内熱交換部とを接続する第1並列回路と、
    前記冷媒降温部と前記ケース外熱交換部とを接続する第2並列回路と、
    を有することを特徴とするバッテリパック構造。
  10. 請求項4から請求項9のいずれか一項に記載されたバッテリパック構造において、
    前記バッテリパックケースは、車両に搭載され、
    前記車両は、車室の内部と熱交換を行う車両用熱交換手段を有し、
    前記冷媒配管は、前記冷媒降温部と前記バッテリ用熱交換手段を接続するバッテリパック用回路と、前記冷媒降温部と前記車両用熱交換手段を接続する空調用回路と、を有する
    ことを特徴とするバッテリパック構造。
  11. 請求項10に記載されたバッテリパック構造において、
    前記冷媒配管は、前記バッテリパック用回路への冷媒流れを遮断し、前記空調用回路へ冷媒を流通させる切替弁を有する
    ことを特徴とするバッテリパック構造。
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