JP2013162028A - 非晶質シリコン膜の製膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面における欠陥準位を低減でき、製造コストを低減できる非晶質シリコン膜の製膜方法を得ること。
【解決手段】非晶質シリコン膜の製膜方法は、製膜室内で、単結晶シリコン基板の表面を第1の原料ガスに暴露して、前記単結晶シリコン基板の表面を処理する表面処理工程と、前記製膜室内で、プラズマCVD法により、前記第1の原料ガスに対応した第2の原料ガスを用いて、前記単結晶シリコン基板の前記処理された表面に非晶質シリコン膜を製膜する製膜工程とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】非晶質シリコン膜の製膜方法は、製膜室内で、単結晶シリコン基板の表面を第1の原料ガスに暴露して、前記単結晶シリコン基板の表面を処理する表面処理工程と、前記製膜室内で、プラズマCVD法により、前記第1の原料ガスに対応した第2の原料ガスを用いて、前記単結晶シリコン基板の前記処理された表面に非晶質シリコン膜を製膜する製膜工程とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、非晶質シリコン膜の製膜方法に関する。
結晶シリコン基板を用いた結晶シリコン太陽電池は、既に太陽光発電システムとして広く一般に実用化されている。中でも単結晶シリコンの持つバンドギャップよりも広いバンドギャップを持つ薄膜を単結晶表面に製膜し、拡散電位を形成した結晶シリコン太陽電池はヘテロ接合太陽電池と呼ばれている。このうち、拡散電位を形成するための導電型非晶質シリコン系薄膜と結晶シリコン表面の間に薄い真性の非晶質シリコン層を介在させる太陽電池は、変換効率のもっとも高い結晶シリコン太陽電池の形態の1つとして知られている。
特許文献1には、光起電力装置において、n型単結晶シリコン基板とp型非晶質シリコンとの間に250Å以下の膜厚を有する真性非晶質シリコンを介在させることが記載されている。これにより、特許文献1によれば、介在させる真性非晶質シリコンの膜厚を250Å以下とすることにより、光起電力装置の特性劣化を抑制しつつn型単結晶シリコン基板とp型非晶質シリコンとの間における界面準位の低減化を実現させるとされている。
特許文献1に記載の技術では、真性非晶質シリコンの製膜手法がプラズマCVD法であることに由来して、製膜時のプラズマの輻射熱や、製膜活性種の運動エネルギーによってn型単結晶シリコン基板の表面がダメージを受ける可能性があり、これによってn型単結晶シリコン基板の表面近傍に欠陥準位の形成がなされ、太陽電池として振舞う際にこの領域でキャリアの再結合が促進され、発電効率の向上が期待できなくなる可能性がある。
それに対して、特許文献2には、n型単結晶シリコン基板とp型非晶質シリコン系薄膜との間に非晶質の酸化アルミニウムを主成分とする化合物層が2〜20nmの膜厚で形成されていることが記載されている。これにより、特許文献2によれば、化合物層によるトンネル接合でキャリアの輸送が可能になるとともに、p型非晶質シリコン系薄膜を製膜する際にプラズマのダメージがn型単結晶シリコン基板に及ぶことが抑制されるとされている。
一方、へテロ接合太陽電池では、発電層となる単結晶シリコン基板の表面が持つ再結合準位を不活性化するために、非晶質シリコン膜を製膜することが知られており、非晶質シリコン膜の出来ばえは、太陽電池の発電効率を左右する最も重要な因子の1つとなる。しかし、単結晶シリコン基板の表面に非晶質シリコン膜を製膜した場合、非晶質シリコン膜内における単結晶シリコン基板の表面近傍の領域が部分的に結晶成長化し、これにより単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面に欠陥準位が生成される可能性がある。単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面における欠陥準位が増加すると、界面におけるキャリアの再結合が促進されやすく、太陽電池に適用した場合の発電効率の向上が困難になる。
特許文献2に記載の技術では、n型単結晶シリコン基板及び非晶質の酸化アルミニウムの接触面に沿った原子間距離(非晶質においては平均原子間距離)の違いや、非晶質の酸化アルミニウム及びp型非晶質シリコン系薄膜の接触面に沿った原子間距離(非晶質においては平均原子間距離)の違いにより、p型非晶質シリコン系薄膜が部分的に結晶成長化することを抑制できる可能性があるが、新たな問題を発生させる可能性がある。
例えば、単結晶シリコン基板の表面に非晶質の酸化アルミニウムを製膜しているので、それらの接触面に沿った原子間距離(非晶質においては平均原子間距離)の違いにより、単結晶シリコン基板の表面近傍に欠陥が誘起され、n型単結晶シリコン基板とp型非晶質シリコン系薄膜との界面に新たに欠陥準位が生成される可能性がある。n型単結晶シリコン基板とp型非晶質シリコン系薄膜との界面における欠陥準位が増加すると、界面におけるキャリアの再結合が促進されやすく、太陽電池に適用した場合の発電効率の向上が困難になる。
さらに、例えば、特許文献2に記載の技術では、量産性を考慮した場合、p型非晶質シリコン系薄膜の製膜工程の前に、酸化アルミニウムという異種物質の製膜工程を挿入するので、新たな種類の原料ガスが必要になるなど、製造コストを増加させる傾向にある。また、特許文献2に記載の技術では、キャリアの輸送を可能にするために化合物層の膜厚を2〜20nm程度にする必要があるが、テクスチャ構造(微小凹凸)が形成された単結晶シリコン基板の表面の全ての領域に渡って2〜20nm程度の膜厚を実現するために高価な装置を用いた高精度な膜厚制御が必要になる。この点からも、特許文献2に記載の技術は、製造コストを増加させる傾向にある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面における欠陥準位を低減でき、製造コストを低減できる非晶質シリコン膜の製膜方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる非晶質シリコン膜の製膜方法は、製膜室内で、単結晶シリコン基板の表面を第1の原料ガスに暴露して、前記単結晶シリコン基板の表面を処理する表面処理工程と、前記製膜室内で、プラズマCVD法により、前記第1の原料ガスに対応した第2の原料ガスを用いて、前記単結晶シリコン基板の前記処理された表面に非晶質シリコン膜を製膜する製膜工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、製膜工程と対応した原料ガス及び製膜工程と同様の製膜装置を用いながら、単結晶シリコン基板の表面を結晶成長化が起こりにくいように処理でき、その後の製膜工程において、単結晶シリコン基板の表面に非晶質シリコン膜を製膜した際に両者の界面近傍における結晶成長化を抑制できる。その結果、単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面における欠陥準位を低減でき、製造コストを低減できる。
以下に、本発明にかかる非晶質シリコン膜の製膜方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
実施の形態にかかる非晶質シリコン膜の製膜方法について説明する。
実施の形態にかかる非晶質シリコン膜の製膜方法について説明する。
一般的に、プラズマCVD法により単結晶シリコン基板の表面に非晶質シリコン膜を製膜した場合、非晶質シリコン膜内における単結晶シリコン基板の表面近傍の領域が部分的に結晶成長化し、これにより単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面に欠陥準位が生成される可能性がある。単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面における欠陥準位が増加すると、界面におけるキャリアの再結合が促進されやすく、太陽電池(へテロ接合太陽電池)に適用した場合の発電効率の向上が困難になる。本実施の形態は、非晶質シリコン膜の結晶成長化を抑制して、単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との間に急峻な結晶/非晶質界面を形成することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討した結果、プラズマCVD製膜の製膜前段階で、単結晶シリコン基板の温度を上昇し一定温度(例えば、100〜300℃)に保持させながら原料ガス(SiH4、Si2H6等のシリコン含有ガス、またはそれらのガスとH2を混合したもの)に暴露することで、その後行うプラズマCVD製膜による結晶成長化が抑制可能であることを見出した。
以下、本実施の形態にかかる非晶質シリコン膜の製膜方法について図1を用いて説明する。図1は、非晶質シリコン膜の製膜方法を示すフローチャートである。
ステップS1では、単結晶シリコン基板1(図3参照)を準備する。一般に、単結晶シリコン基板は、Si原子に対して電子を導入するリン(P)原子を供給したn型と、正孔を供給するボロン(B)原子を供給したp型があるが、本実施の形態においてはその導電型や濃度は特に限定されない。また、その表面の結晶方位についても一般的にSi(100)、Si(111)、Si(110)等が存在するが、これを限定するものではない。また基板のオフ角や厚みにおいても同様である。
ステップS2では、単結晶シリコン基板1(図3参照)は製膜前に洗浄工程を経て導入される。その洗浄工程は、単結晶シリコン基板に対して、一般的な有機汚染除去洗浄(例えばアセトン洗浄)を行う。
ステップS3では、単結晶シリコン基板1(図3参照)に対して、表面酸化皮膜除去処理(例えばHF水溶液への浸漬)を行う。
ステップS4では、単結晶シリコン基板1(図3参照)に対して、処理溶液残渣除去のためのリンス処理(超純水等による洗浄)を行う。
ステップS5では、単結晶シリコン基板1(図3参照)をプラズマCVD装置20(図5(a)参照)の製膜室21内へ導入し、原料ガスへの暴露工程を行う。
例えば、チャンバー壁CHにより囲まれた製膜室21内が、排気口CHaを介して真空ポンプにより真空引きされたあと、単結晶シリコン基板1がホルダ(図示せず)により保持されながら搬送機構(図示せず)により基板ステージ(例えば、アノード電極)28側へ搬入され基板ステージ28近傍に配置される。
ステップS6(表面処理工程)では、製膜室21(図5(a)参照)内で、単結晶シリコン基板1を第1の原料ガス(例えば、SiH4/H2の混合ガス)に暴露して、単結晶シリコン基板1の表面を処理する。
例えば、図5(a)に示すように、基板ステージ28と対向電極(例えば、カソード電極)27との間の空間SPに、ガス供給源(図示せず)から原料ガス制御系31を経て供給口CHb及び対向電極27のシャワー状の開口部27aを介して第1の原料ガス(例えば、SiH4/H2の混合ガス)が供給される。このとき、基板ステージ28と対向電極27との間に高周波バイアスが印加されないので、空間SPにプラズマPL(図5(b)参照)が生成されない。このため、空間SPに供給された第1の原料ガスは、一点鎖線で示すように、単結晶シリコン基板1の表面に到達し、単結晶シリコン基板1の表面が原料ガスに暴露される。
このとき、暴露条件は装置構成によって調整(例えば、最適化)されなければならないが、例えば製膜室21内の圧力が100Paであり、第1の原料ガスにおける各成分ガスの流量比が例えばSiH4/H2=1/2〜1/3であり、単結晶シリコン基板1の温度(≒基板ステージ28の温度)が100〜250℃であるような条件下においては、例えば、15分以上の暴露時間が好ましい。
なお、本実施の形態で導入する暴露時間とは、単結晶シリコン基板1の温度(≒基板ステージ28の温度)の昇温待ち時間ではなく、単結晶シリコン基板1の温度(≒基板ステージ28の温度)が一定値に保たれていることを示す。このときの単結晶シリコン基板1の温度(≒基板ステージ28の温度)は、特に限定するものではないが、例えば、室温より高く、200℃以下である温度の一定値に保たれていることが望ましい。
ステップS7(製膜工程)は、ステップS6における十分な(例えば、15分以上の)暴露工程を経た後に行われる。ステップS7では、製膜室内で、プラズマCVD法により、第2の原料ガスを用いて、単結晶シリコン基板1のステップS6で処理された表面に非晶質シリコン膜2(図3参照)を製膜する。第2の原料ガスは、第1の原料ガスに対応したものである。例えば、第2の原料ガスは、第1の原料ガスと均等なものである。あるいは、例えば、第2の原料ガスは、第1の原料ガスと同種の各成分ガスを含み、第1の原料ガスと各成分ガスの流量比が異なる。
例えば、図5(b)に示すように、ステップS6の処理完了後に、製膜室21内を大気解放せずに、原料ガス制御系31により第1の原料ガスに代えて第2の原料ガスが対向電極27のシャワー状の開口部27aを介して空間SPに供給されるように制御される。そして、高周波電源30より供給される高周波パワー(高周波バイアス)が対向電極27に印加され、対向電極27と基板ステージ28との間の空間SPにプラズマPLが生成される。プラズマPL中で生成される化学活性種が成膜前駆体となり、単結晶シリコン基板1の表面で反応し非晶質シリコン膜2が成膜される。
このとき、例えば、製膜条件を変動しても本実施の形態の効果は失われないが、非晶質シリコン膜2の製膜条件として、一般には単結晶シリコン基板1の温度(≒基板ステージ28の温度)が80〜200℃、製膜時の製膜室21内の圧力が20〜500Pa、基板ステージ28及び対向電極27の間に印加される高周波パワーの密度が0.01〜0.4W/cm2であるような製膜条件が好ましく用いられる。非晶質シリコン膜2の形成に使用する原料ガスとしては、SiH4やSi2H6等のシリコン含有ガス、またはそれらのガスとH2ガスを混合したものが用いられる。シリコン含有ガスとH2ガスの流量比は「(H2ガスの流量)/(シリコン含有ガスの流量)」の値で0〜25程度が好ましく用いられる。
次に、ステップS6の表面処理工程での暴露時間の違いによる界面結晶化の状態を表す断面透過電子顕微鏡像を図2に示す。図2(a)、(b)は、それぞれ暴露時間が5分、15分である場合における単結晶シリコン基板1と非晶質シリコン膜2との界面近傍の状態を示す透過電子顕微鏡像の写真である。
暴露時間が5分の場合(図2(a)参照)では、図3に模式的に示すように、単結晶シリコン基板1と非晶質シリコン膜2との界面近傍に結晶成長領域3が点在している。すなわち、単結晶シリコン基板1と非晶質シリコン膜2との界面近傍における結晶成長化が抑制されていることが分かる。
また、暴露時間が15分の場合(図2(b)参照)では、単結晶シリコン基板1と非晶質シリコン膜2との界面近傍における結晶成長領域3が大幅に減少している。すなわち、単結晶シリコン基板1と非晶質シリコン膜2との界面近傍における結晶成長化がさらに抑制されていることが分かる。
n型単結晶シリコン基板4を用いた場合の本実施の形態に望ましい構成を図4に示す。図4に示す構成は、図4の上側を受光面として、受光面側から集電電極8/透明導電膜7/p型非晶質シリコン系薄膜6/i型非晶質シリコン薄膜(非晶質シリコン膜)5/n型単結晶シリコン基板4/i型非晶質シリコン薄膜(非晶質シリコン膜)9/n型非晶質シリコン系薄膜10/透明導電膜11/集電電極12となっている。太陽電池として用いる場合、基板自体にはテクスチャ構造と呼ばれる凹凸構造が付与されている場合があるが、本実施の形態において、この有無は限定されないため図4における図示を省略している。
なお、本実施の形態のヘテロ接合太陽電池への適用としては、上記の実施の形態と同様な製膜方法をi型非晶質シリコン薄膜5/n型単結晶シリコン基板4/i型非晶質シリコン薄膜9の2つの界面のうちどちらか一方、またはその両方に用いたものを指す。
それ以外の太陽電池構成材料の構成について示す。p型非晶質シリコン系薄膜6に関してはシリコン以外の元素として炭素、酸素、窒素のいずれかまたはこれらを組み合わせたものが含有されていてもかまわない。p型の導電型を示すためのドーパントとしては一般にボロン原子が用いられるが、特にこれに限定するものではない。同様にn型非晶質シリコン系薄膜10に関しても、シリコン以外の元素として炭素、酸素、窒素のいずれかまたはこれらを組み合わせたものが含有されていてもかまわない。n型導電型を示すためのドーパントとしては、一般にリン原子が用いられるが、特にこれに限定するものではない。透明導電膜7、11に関しては、一般に透明導電膜として用いられているものを使用してよくその例としては、ITO(Indium Tin Oxide)や酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫またはこれらを積層方向に組み合わせたものを使用してもよい。集電電極8、12に関してはその形状は様々であるが、特に受光面側の形状・形態に関しては太陽電池半導体層への太陽光入射を妨げる構造ではないことが望ましい。裏面側に関しては応力の観点から受光面側と同様な形態が望ましいが、光反射の機能を付与する場合には、全面に形成されていてもよい。集電電極が全面に形成されていない場合、モジュール構成にて太陽光の反射機能を持った裏面側構成となっていることが望ましい。
以上のように、実施の形態では、表面処理工程において、製膜室21内で、単結晶シリコン基板1の表面を第1の原料ガスに暴露して、単結晶シリコン基板1の表面を処理し、製膜工程において、製膜室21内で、プラズマCVD法により、第1の原料ガスに対応した第2の原料ガスを用いて、単結晶シリコン基板1の上記で処理された表面に非晶質シリコン膜2を製膜する。これにより、表面処理工程において、製膜工程と対応した原料ガス及び製膜工程と同様の製膜装置を用いながら、単結晶シリコン基板1の表面を結晶成長化が起こりにくいように処理でき、その後の製膜工程において、単結晶シリコン基板1の表面に非晶質シリコン膜2を製膜した際に両者の界面近傍における結晶成長化を抑制できる。その結果、単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面における欠陥準位を低減でき、製造コストを低減できる。
したがって、単結晶シリコン基板1の表面に非晶質シリコン膜2を製膜した際に両者の界面近傍における結晶成長化を抑制できるので、これをヘテロ接合太陽電池の結晶シリコン表面に適用すると、結晶表面でのキャリアの再結合を抑制することができる。ひいては太陽電池特性の発電効率を向上できるので例えば開放電圧を向上できる。
また、実施の形態では、表面処理工程において、一定時間以上、単結晶シリコン基板1の表面を第1の原料ガスに暴露する。これにより、単結晶シリコン基板1の表面を一定時間以上の長い時間で暴露することができるので、単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面における欠陥準位を確実に低減できる。
また、実施の形態では、表面処理工程において、例えば15分以上、単結晶シリコン基板1の表面を第1の原料ガスに暴露する。これにより、単結晶シリコン基板と非晶質シリコン膜との界面における欠陥準位を大幅に低減できる(図2(a)、(b)参照)。
また、実施の形態では、表面処理工程において、単結晶シリコン基板1の温度を一定温度に保持した状態で、一定時間以上単結晶シリコン基板1の表面を第1の原料ガスに暴露する。これにより、第1の原料ガスに暴露することによる単結晶シリコン基板1の表面の処理を効果的に行うことができる。
また、実施の形態では、表面処理工程において、単結晶シリコン基板1の温度を室温より高い一定温度に保持した状態で、一定時間以上単結晶シリコン基板1の表面を第1の原料ガスに暴露する。これにより、単結晶シリコン基板1の表面に熱エネルギーを与えることができ、第1の原料ガスに暴露することによる単結晶シリコン基板1の表面の処理を促進することができる。
また、実施の形態では、第1の原料ガス及び第2の原料ガスは、それぞれ、シリコン含有ガスを少なくとも含む。これにより、表面処理工程で用いる第1の原料ガスと、製膜工程で用いる第2の原料ガスとを、互いに対応したものとすることができる。
また、実施の形態では、第1の原料ガス及び第2の原料ガスは、それぞれ、炭素、酸素、窒素、及び水素の少なくとも1つをさらに含む。これにより、表面処理工程で用いる第1の原料ガスと、製膜工程で用いる第2の原料ガスとを、互いに対応したものとすることができる。
以上のように、本発明にかかる非晶質シリコン膜の製膜方法は、ヘテロ接合太陽電池に有用である。
1 単結晶シリコン基板
2 非晶質シリコン膜
3 結晶成長領域
4 n型単結晶シリコン基板
5 i型非晶質シリコン薄膜
6 p型非晶質シリコン系薄膜
7 透明導電膜
8 集電電極
9 i型非晶質シリコン薄膜
10 n型非晶質シリコン系薄膜
11 透明導電膜
12 集電電極
20 プラズマCVD装置
21 製膜室
27 対向電極
27a 開口部
28 基板ステージ
30 高周波電源
31 原料ガス制御系
2 非晶質シリコン膜
3 結晶成長領域
4 n型単結晶シリコン基板
5 i型非晶質シリコン薄膜
6 p型非晶質シリコン系薄膜
7 透明導電膜
8 集電電極
9 i型非晶質シリコン薄膜
10 n型非晶質シリコン系薄膜
11 透明導電膜
12 集電電極
20 プラズマCVD装置
21 製膜室
27 対向電極
27a 開口部
28 基板ステージ
30 高周波電源
31 原料ガス制御系
Claims (7)
- 製膜室内で、単結晶シリコン基板の表面を第1の原料ガスに暴露して、前記単結晶シリコン基板の表面を処理する表面処理工程と、
前記製膜室内で、プラズマCVD法により、前記第1の原料ガスに対応した第2の原料ガスを用いて、前記単結晶シリコン基板の前記処理された表面に非晶質シリコン膜を製膜する製膜工程と、
を備えたことを特徴とする非晶質シリコン膜の製膜方法。 - 前記表面処理工程では、一定時間以上前記単結晶シリコン基板の表面を前記第1の原料ガスに暴露する
ことを特徴とする請求項1に記載の非晶質シリコン膜の製膜方法。 - 前記一定時間は、15分以上である
ことを特徴とする請求項2に記載の非晶質シリコン膜の製膜方法。 - 前記表面処理工程では、前記単結晶シリコン基板の温度を一定温度に保持した状態で、一定時間以上前記単結晶シリコン基板の表面を前記第1の原料ガスに暴露する
ことを特徴とする請求項1に記載の非晶質シリコン膜の製膜方法。 - 前記一定温度は、室温より高い温度であり、
前記一定時間は、15分以上である
ことを特徴とする請求項4に記載の非晶質シリコン膜の製膜方法。 - 前記第1の原料ガス及び前記第2の原料ガスは、それぞれ、シリコン含有ガスを少なくとも含む
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の非晶質シリコン膜の製膜方法。 - 前記第1の原料ガス及び前記第2の原料ガスは、それぞれ、炭素、酸素、窒素、及び水素の少なくとも1つをさらに含む
ことを特徴とする請求項6に記載の非晶質シリコン膜の製膜方法。
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US9966256B2 (en) | 2014-09-05 | 2018-05-08 | Tokyo Electron Limited | Film forming method and film forming apparatus |
CN110643971A (zh) * | 2019-09-27 | 2020-01-03 | 上海理想万里晖薄膜设备有限公司 | 用于制造异质结太阳能电池的cvd设备及其镀膜方法 |
CN111312853A (zh) * | 2019-12-31 | 2020-06-19 | 晋能光伏技术有限责任公司 | 一种异质结太阳能电池成膜生产工艺 |
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