JP2013161861A - Led装置、及びその製造方法 - Google Patents

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拓司 相宮
Masaru Takahashi
優 高橋
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直子 古澤
Yasushi Nakano
寧 中野
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Abstract

【課題】本発明の目的は、高い演色性を示し、さらに長期間使用しても、劣化が少ない耐久性の高いLED装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】LEDチップと、
前記LEDチップ表面に、半導体ナノ粒子を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を含有する半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物を配置し、加熱硬化させて形成した半導体ナノ粒子含有セラミック層とを有する、LED装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明はLEDチップの表面に半導体ナノ粒子が配置されたLED装置、及びその製造方法に関する。
近年、半導体ナノ粒子は、医用分野における標識剤等の蛍光体材料として、注目されている。半導体ナノ粒子は、発光強度が高く、発光半値幅が狭く、さらに有機色素より劣化しにくいという特性を有する。
上記蛍光体材料に適用される半導体ナノ粒子としては、II−VI族半導体(硫化カドミウム(CdS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe))、及びIII−V族(リン化インジウム(InP))が広く知られている。
上記半導体ナノ粒子の中でも、コア層と、これを被覆するシェル層を有するコアシェル型の半導体ナノ粒子が、輝度の面で優れることが知られている(例えば特許文献1参照)。コアシェル型の半導体ナノ粒子は、溶媒中で合成することが一般的である。しかし、この半導体ナノ粒子を溶液のまま使用すると、経時で発光特性が低下するという欠点があった。これは、溶液中で、半導体ナノ粒子が凝集したり、溶媒と相互作用するためである。この問題に対して、透明なガラス粒子に半導体ナノ粒子を内包させ、半導体ナノ粒子の劣化を防止する技術が提案されている(特許文献2および3参照)。
近年、LEDチップから出射する可視光や近紫外光と、可視光や近紫外光を励起光として蛍光体が出射する蛍光とを混色し、白色光を得る白色LED装置が実用化されている。このような一般的なLED装置では、蛍光体粒子を封止樹脂に分散させて、LEDチップの周囲に配置する。しかしながら、この方法では、蛍光体粒子と封止樹脂との比重の差により、蛍光体粒子が沈降し、色ムラが生じる等の問題があった。そこで、予め蛍光体粒子をLEDチップ周囲に配置し、その後、封止樹脂を塗布する方法が提案されている(特許文献4参照)。
また、白色LEDの光演色性を高めるため、発光半値幅の狭い前述の半導体ナノ粒子を、LED装置の蛍光体材料に適用することも提案されている(特許文献5参照)。
再表2007−86501号公報 国際公開第04/000971号 特開2005−281019号公報 特開2003−258310号公報 特開2004−71908号公報
近年、LED装置の高輝度化が要求されているが、例えば特許文献4に記載のLED装置では、高輝度化に伴い、封止樹脂が、経時で光劣化してしまい、蛍光体材料がLEDチップ表面から剥離する等の問題があった。また特に、引用文献5の技術のように、輝度の高い半導体ナノ粒子をLED装置の蛍光体材料に適用した場合、封止樹脂が特に光劣化しやすい、との問題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、高い演色性を示し、さらに長期間使用しても、劣化が少ない耐久性の高いLED装置、及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、半導体ナノ粒子を内包するガラス粒子をLEDチップの表面に配置し、これを加熱硬化させることで、封止樹脂がなくとも、半導体ナノ粒子を含む層をLEDチップ表面に形成でき、LED装置の経時劣化を抑制できることを見出した。
即ち、本発明によれば、以下に示すLED装置及びその製造方法が提供される。
[1]LEDチップと、前記LEDチップ表面に、半導体ナノ粒子を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を含有する半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物を配置し、加熱硬化させて形成した半導体ナノ粒子含有セラミック層とを有する、LED装置。
[2]前記半導体ナノ粒子が、InP、またはCuInSのナノ粒子である、[1]に記載のLED装置。
[3]前記半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物が、アルコキシシランまたはアリールオキシシランをさらに含む、[1]に記載のLED装置。
[4]前記半導体ナノ粒子含有セラミック層の厚みが、10μm以下である、[1]に記載のLED装置。
[5]LEDチップと、前記LEDチップの表面に配置された半導体ナノ粒子含有セラミック層とを有するLED装置の製造方法であって、前記LEDチップ表面に、半導体ナノ粒子を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を含有する半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物を配置し、加熱硬化させる工程を有する、LED装置の製造方法。
本発明では、LEDチップ表面に、シラノール基を有する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を配置し、加熱硬化して半導体ナノ粒子含有セラミック層を得る。そのため、半導体ナノ粒子含有セラミック層を耐久性の高いガラス様の膜とすることができる。また、ガラス粒子の表面に存在するシラノール基を反応させて膜を形成するため、封止樹脂が必要ない。したがってLED装置の経時での劣化を少ないものとできる。さらに、本発明では、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子が、発光半値幅の狭い半導体ナノ粒子を内包するため、その演色性を高いものとできる。
本発明のLED装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
本発明のLED装置は、LEDチップと、その表面に配置された半導体ナノ粒子含有セラミック層とを有する。
(1)LEDチップについて
図1は、LED装置100の一例を示す断面図である。LEDチップ1は、パッケージ(LED基板)2上に配設され、パッケージ2上に配設されたメタル部(メタル配線)3と、突起電極4等を介して接続される。
LEDチップ1は、例えば青色LEDである。青色LEDの構成の例として、LED基板2に積層されたn−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、InGaN系化合物半導体層(発光層)と、p−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、透明電極層との積層体が挙げられる。LEDチップ1は、例えば200〜300μm×200〜300μmの発光面を有し、LEDチップ1の高さは50〜200μmである。
パッケージ2は、例えば液晶ポリマーやセラミックであるが、絶縁性と耐熱性を有していれば、その材質は特に限定されない。またその形状も特に制限はなく、例えば図1に示すように、凹部を有する形状であってもよく、また平板状であってもよい。
メタル部3は、銀等の金属からなる配線であり、LEDチップ1からの出射光を反射する反射板としての機能を有する場合もある。メタル部1は、図1に示すように、突起電極4等を介して、LEDチップと接続されてもよく、また配線等を介して、LEDチップ1と接続されてもよい。突起電極4を介してメタル部3とLEDチップ1とを接続する態様を、フリップチップ型という。
図1に示されるLED装置100には、パッケージ2に、1つのLEDチップ1のみが配置されているが;パッケージ2に、複数のLEDチップ1が配置されていてもよい。
(2)半導体ナノ粒子含有セラミック層について
半導体ナノ粒子含有セラミック層5は、半導体ナノ粒子を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を含む半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物を加熱硬化してなる層である。半導体ナノ粒子は、LEDチップ1から出射する特定の波長の光を励起光として蛍光を発する物質であり、半導体ナノ粒子含有セラミック層5は、LEDチップ1から出射する特定の波長の光を、他の特定波長の光に変換する機能を果たす。
例えば、半導体ナノ粒子含有セラミック層5が、LEDチップ1からの出射光によって励起され、青色、緑色、赤色の蛍光を発する3種類の半導体ナノ粒子を含むこと等で、白色LED装置100からの出射光を白色とできる。
また半導体ナノ粒子含有セラミック層5は、前記半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物をLEDチップ1表面に配置し、加熱硬化させて形成した層である。半導体ナノ粒子内包ガラス粒子はその表面にシラノール基を有する。そのため、隣接する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のシラノール基間、もしくはLEDチップ表面の水酸基と半導体ナノ粒子内包ガラス粒子との間でシロキサン結合が形成され、半導体ナノ粒子含有セラミック層は緻密なガラス様の耐久性の高い膜となる。
(半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物)
半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物は、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を含み、必要に応じて溶媒や結着剤を含む。
・半導体ナノ粒子内包ガラス粒子
半導体ナノ粒子内包ガラス粒子は、半導体ナノ粒子を内包する粒子である。
半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に内包する半導体ナノ粒子は、II族−VI族化合物半導体のナノ結晶、III族−V族化合物半導体のナノ結晶、IV族−VI族化合物半導体のナノ結晶、VI族単元素半導体またはVI族化合物半導体のナノ結晶、I族−III族−VI族化合物半導体のナノ結晶等が挙げられる。
II−VI族化合物半導体の具体例には、CdSe、CdS、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、及びHgTe等の2元素化合物;CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、及びHgZnSe等の3元素化合物;ならびにCdHgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、及びHgZnSTe等の4元素化合物が含まれる。
前記III−V族化合物半導体の具体例には、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、及びInSb等の2元素化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InGaP、及びInPSb等の3元素化合物;ならびにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlNP、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、及びInAlPSb等の4元素化合物が含まれる。
前記IV−VI族化合物半導体の具体例には、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、及びPbTe等の2元素化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、及びSnPbTe等の3元素化合物;ならびにSnPbSSe、SnPbSeTe、及びSnPbSTe等の4元素化合物が含まれる。
前記IV族単元素半導体またはIV族化合物半導体には、Si、及びGe等の単元素半導体;ならびにSiC、及びSiGe等の2元素化合物が含まれる。
前記I族−III族−VI族化合物半導体の具体例には、CuInS、CuInSe等の3元素化合物;CuInGaS、CuInGaSe等の4元素化合物等が含まれる。
半導体ナノ粒子は、上述のいずれか1種のみの結晶からなるものであってもよく、また2種以上の合金の結晶であってもよい。
半導体ナノ粒子が混晶である場合、混晶の結晶構造は特に限定されない。半導体ナノ粒子の混晶の結晶構造の例として、半導体ナノ粒子をコアとし、これを被覆するシェルを有するコアシェル(core−shell)結晶構造;コアシェルの境が明確でなくグラジエント(gradient)に組成が変化する結晶構造;同一の結晶内に2種以上の化合物結晶が部分的に分けられて存在する混合結晶構造等が挙げられる。
上記の中でも、コアシェル結晶構造を有する半導体が、その発光輝度が優れるため好ましい。本明細書中において、コアシェル結晶構造を有する半導体ナノ粒子はコアとシェルとを「/」で区切り表記する。例えばコアがCdSe、シェルがZnSの場合、CdSe/ZnSと表記する。コアシェル型の半導体の例には、CdSe/ZnS、CdS/ZnS、InP/ZnS、InGaP/ZnS、Si/SiO、Si/ZnS、Ge/GeO、Ge/ZnS等が含まれる。
また、半導体ナノ粒子は、必要に応じて他の元素でドープされていてもよい。本明細書中、ドープする元素とドープされる半導体とを、「:」で区切り表記する。例えばInPが銅でドープされたものはCu:InPと表記する。他の元素でドープされた半導体ナノ粒子としては、Cu:InP、Cu:ZnSe,Mn:ZnSe等が挙げられる。
また半導体ナノ粒子は、有機ポリマー等で表面処理されていてもよい。表面処理が施された半導体ナノ粒子には、表面にカルボキシ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)、表面にアミノ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)等が含まれる。
前述の半導体ナノ粒子の中でも、特にInP、またはCuInSを含む半導体ナノ粒子が、発光輝度等の面から好ましい。
半導体ナノ粒子の平均粒径は0.5〜20nmが好ましく、より好ましくは1〜10nm、さらに好ましくは2〜5nmである。平均粒径が0.5nmより小さな半導体ナノ粒子は、製造が難しい場合がある。一方で半導体ナノ粒子の平均粒径を20nmより大きくした場合には、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の平均粒径も大きくなる。その結果、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子同士の接触面積が小さくなり、半導体ナノ粒子含有セラミック層の強度が低下する場合がある。上記平均粒径は、TEM(透過型電子顕微鏡)での観察により確認される値である。具体的には、200個以上の粒子像から各粒径を求め、これらを算術平均した値とする。また、半導体ナノ粒子の形状は特に制限されないが、球状もしくは略球状であることが好ましい。
半導体ナノ粒子の調製方法は、特に制限はなく、公知の方法;例えば、CVD法、レーザーアブレーション法、シラン分解法、Si電極蒸発法などの気相法や、電気分解法、逆ミセル法、化学的湿式法などの液相法が挙げられる。
これらの中でも、化学的湿式法によれば、半導体ナノ粒子の結晶の大きさを制御可能である。化学的湿式法は、有機溶媒に、半導体ナノ粒子の前駆体物質を添加し、有機溶媒内で結晶を成長させる方法である。この際、半導体ナノ粒子とともに分散剤を添加してもよい。化学的湿式法では、前駆体の濃度、分散剤の種類、有機溶媒の種類、合成の温度及び時間等を変化させることで、半導体ナノ粒子の結晶の大きさを制御できる。
(半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の調製方法)
半導体ナノ粒子内包ガラス粒子は、前述の半導体ナノ粒子の存在下、ゾルゲル法によってガラス前駆体を粒子状とすることで調製できる。
ゾル−ゲル法による半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の調製は、例えば「ゾル−ゲルサイエンス」(ブリンカー著、アカデミックプレス、1990年)に記載されている“ストーバー法”と呼ばれる方法が好ましい。
具体的には、前述の半導体ナノ粒子を添加したアルカリ性水溶液中でガラス前駆体と反応溶媒とを反応させて、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を得る。この際、ガラス前駆体、反応溶媒(エタノール)、水、及びアルカリ性化合物(アンモニア)のそれぞれの添加量(モル%)を、それぞれ1:a:r:b(モル%比;20≦a≦400、10≦r≦200、10≦b≦40)とすることで半導体ナノ粒子内包ガラス粒子が調製できる。
上記反応の反応時間、及びアルコキシドに対する水の割合(rの値)によって、得られる半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の平均粒径を調整できる。一般的な反応時間は、1分〜60分程度であるが、反応時間を短くすると半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の平均粒径が小さくなり、長くすると半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の平均粒径は大きくなる。また、アルコキシドに対する水の割合(rの値)と平均粒径との関係は複雑であるが、通常、r=20程度とすると最も大きな粒径となり、r=100程度で最も小さな粒径となる。rの値と粒径との関係については、ジャーナル オブ コロイドサイエンス、26巻、62ページ(1968年)に記載の条件を適用することができる。
また反応温度は、一般的な含ケイ素アルコキシド化合物の加水分解反応と同様の温度とすることができ、室温から50℃とすることが好ましい。
上記方法で半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を調製する際、上記ガラス前駆体と、半導体ナノ粒子との混合比に制限はない。ただし、最終的に得られる半導体ナノ粒子内包ガラス粒子中の半導体ナノ粒子の内包数が20〜500個となるように、調整することが好ましい。内包数は、より好ましくは100〜300個である。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子中に含む半導体ナノ粒子の個数が少ないと、十分な蛍光が得られない。
各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子中には、半導体ナノ粒子を1種のみ含んでもよく、また2種以上の半導体ナノ粒子を含んでもよい。例えば、1つの半導体ナノ粒子内包ガラス粒子中に、蛍光の波長域が異なる2種以上の半導体ナノ粒子を含んでもよい。
半導体ナノ粒子内包ガラス粒子中の半導体ナノ粒子の個数(内包数)は、以下の手順で求められる。
(i)上記半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の質量を測定する。
(ii)既知のガラス粒子の密度から、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子と同じ体積を有するガラス粒子の質量を算出する。
(iii)半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の質量、及び既知のガラス粒子の質量差から、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる半導体ナノ粒子の含有質量を算出する。
(iv)誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES(例えばICPS-7500;島津製作所))により半導体ナノ粒子の元素比を求める。
(v)工程(iv)で求めた元素比から、半導体ナノ粒子の密度を導き出す。
(vi)半導体ナノ粒子1000個以上を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、半導体ナノ粒子は全て球形であると仮定し、算出された平均粒径から半導体ナノ粒子の平均体積を算出する。
(vii)工程(iii)で算出した半導体ナノ粒子の含有質量、及び工程(v)で導いた半導体ナノ粒子の密度から、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子中に含まれる半導体ナノ粒子の全体積を算出する。
(viii)工程(vii)で算出した半導体ナノ粒子の全体積を、工程(vi)で算出した各半導体ナノ粒子の体積で除算することで、半導体ナノ粒子の内包数を算出する。
上記ガラス前駆体は、4官能のアルコキシシラン化合物が好ましく、中でもテトラエトキシシランがその反応性等の面からより好ましい。また、ガラス前駆体の一部を、3官能や2官能のシラン化合物や、アルミニウムイソプロポキシド等の3官能のアルミニウムアルコキシド、チタンイソプロポキシド等の4官能チタンアルコキシド等としてもよい。すなわち、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のガラスは、シリカ単独からなるガラスであってもよく、シリカ−アルミナ系ガラスやシリカ−チタニア系ガラス、シリカ−チタニア−アルミナ系ガラス等であってもよい。
反応溶媒は、上記エタノールをメタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等に代えてもよい。またアルカリ性化合物は、上記アンモニアを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、もしくはこれらの水溶液に代えてもよい。
上記方法で調製する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の平均粒径は、10〜500nm程度が好ましく、より好ましくは50〜300nm、さらに好ましくは80〜200nmである。半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の粒径が過剰に大きいと、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子同士の接触面積が少なくなるため、半導体ナノ粒子含有セラミック層の強度が低下する場合がある。また、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の平均粒径が10nm以下であると、半導体ナノ粒子を十分に内包できない可能性がある。
上記平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)により、1000個以上の半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を電子顕微鏡写真で撮影し、その断面積から算出される値である。具体的には、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の断面は、全て円形であると仮定し、この断面積から円の直径を求める。この直径を粒径とし、これを算術平均した値を平均粒径とする。
また、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の粒径の変動係数は、30%以下であることが好ましく、より好ましくは15%以下である。変動係数を上記値以下とすることで、均一な厚みの半導体ナノ粒子含有セラミック層が成膜できる。上記変動係数は、前述の平均粒径の分布から、下記式に基づき算出される値である。
変動係数CV[%]=(σ/D)×100(σ:標準偏差、D:平均粒径)
・溶媒
半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物には、前述の半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の他に、通常溶媒を含む。溶媒は、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を均一に分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、例えばメチルエチルケトン、アセトン、エタノール等が挙げられる。
半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物に含む溶媒の量は、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子100質量部に対して、20〜10000質量部であることが好ましく、より好ましくは100〜1000質量部である。上記範囲とすることで、半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物を均一に分散でき、LEDチップ表面に半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物を均一な膜厚で配置できる。
また、溶媒は水を含んでもよい。水を添加することで、上記半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の加熱・硬化時に、隣接する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子同士のシラノール基間での脱水反応や、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のシラノール基とLEDチップ表面の水酸基との脱水反応を促進することができる。そのため、半導体ナノ粒子含有セラミック層の強度がより高くなる。
添加する水の量は、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量部である。添加する水の量が少なすぎると、脱水反応が促進されない場合がある。前記水の量が多いと、半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物の保存安定性が低下する場合がある。
・結着剤
半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物には、前述の半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の他に、セラミック系透明結着剤を含んでもよい。前述のように、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子は、この粒子同士がシロキサン結合で結着するため、半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物内に結着剤を含まなくてもよい。半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物にセラミック系透明結着剤を添加することで、より半導体セラミック層用組成物をLEDチップ表面により強固に結着させることができる。
結着剤の種類は特に制限されず、例えばポリシロキサンやポリシラザン、これらの前駆体が挙げられる。中でもアルコキシシラン、またはアリールオキシシランが好ましく、さらに好ましくは、4官能または3官能のアルコキシシラン、またはアリールオキシシランである。
4官能アルコキシシランまたはアリールオキシシランは、下記一般式(I)で表され得る。
Si(OR …(I)
上記一般式(I)中、Rはそれぞれ独立にアルキル基またはフェニル基を表し、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基を表す。
4官能アルコキシシランまたはアリールオキシシランの具体例には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラペンチルオキシシラン、テトラフェニルオキシシラン、トリメトキシモノエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリエトキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシトリブトキシシラン、モノメトキシトリペンチルオキシシラン、モノメトキシトリフェニルオキシシラン、ジメトキシジプロポキシシラン、トリプロポキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノブトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン、トリエトキシモノプロポキシシラン、ジエトキシジプロポキシシラン、トリブトキシモノプロポキシシラン、ジメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノプロポキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジブトキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジブトキシモノエトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシモノエトキシモノプロポキシモノブトキシシランなどのテトラアルコキシシランが含まれる。これらの中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
3官能アルコキシシランまたはアリールオキシシランは、下記一般式(II)で表され得る。
Si(OR …(II)
上記一般式(II)中、Rは、それぞれ独立にアルキル基またはフェニル基を表し、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基を表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。
3官能アルコキシシランまたはアリールオキシシランの具体例には、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリペンチルオキシシラン、トリフェニルオキシシラン、ジメトキシモノエトキシシラン、ジエトキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシルモノメトキシシラン、ジペンチルオキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシモノプロポキシシラン、ジフェニルオキシルモノメトキシシラン、ジフェニルオキシモノエトキシシラン、ジフェニルオキシモノプロポキシシラン、メトキシエトキシプロポキシシラン、モノプロポキシジメトキシシラン、モノプロポキシジエトキシシラン、モノブトキシジメトキシシラン、モノペンチルオキシジエトキシシラン、モノフェニルオキシジエトキシシラン等のモノヒドロシラン化合物;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジエトキシシラン、メチルモノメトキシジプロポキシシラン、メチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、メチルメトキシエトキシプロポキシシラン、メチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノメチルシラン化合物;エチルトリメトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリペンチルオキシシラン、エチルトリフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシジエトキシシラン、エチルモノメトキシジプロポキシシラン、エチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、エチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノエチルシラン化合物;プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリペンチルオキシシラン、プロピルトリフェニルオキシシラン、プロピルモノメトキシジエトキシシラン、プロピルモノメトキシジプロポキシシラン、プロピルモノメトキシジペンチルオキシシラン、プロピルモノメトキシジフェニルオキシシラン、プロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、プロピルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノプロピルシラン化合物;ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリペンチルオキシシラン、ブチルトリフェニルオキシシラン、ブチルモノメトキシジエトキシシラン、ブチルモノメトキシジプロポキシシラン、ブチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、ブチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、ブチルメトキシエトキシプロポキシシラン、ブチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノブチルシラン化合物が含まれる。
これらの3官能アルコキシシランまたはアリールオキシシランの中でも、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランがより好ましく、メチルトリメトキシシランがさらに好ましい。
上記結着剤の量は、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。上記範囲とすることで、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を、LEDチップ表面に強固に結着できる。
・半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物の調製方法
半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物は、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、溶媒、及び任意で結着剤を添加して混合液とし、この混合液を攪拌することで製造できる。各成分の添加の順序は特に制限されない。
混合液の撹拌は、例えば、撹拌ミル、ブレード混練撹拌装置、薄膜旋回型分散機などを用いて行うことができる。撹拌条件を調整することで、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の沈降等を抑制することができる。
・半導体ナノ粒子含有セラミック層の成膜方法
半導体ナノ粒子含有セラミック層は、前述の半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物を、LEDチップ表面に配置し、これを硬化させて形成する。
半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物の配置手段は特に限定されないが、ブレードコート法、キャスティング法、スピンコートコート法、ディスペンサーコート法、スプレーコート法、インクジェットコート法等が例示される。これらの中でもキャスティング法、スプレーコート法が好ましい。これらの方法によれば、薄い厚みで、均一に半導体ナノ粒子含有セラミック層様組成物を塗布可能である。
上記結着剤は、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子や溶媒と共に混合し、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子及び溶媒と同時に、LEDチップ表面に配置してもよい。また半導体ナノ粒子内包ガラス粒子及び溶媒と、結着剤とを混合せず、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子及び溶媒を先にLEDチップ表面に配置し、その後結着剤を半導体ナノ粒子内包ガラス粒子上に塗布(後塗り)してもよい。
上記半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物の配置後、結着剤を後塗りする場合には結着剤塗布後に、塗膜を加熱硬化する。加熱温度は50〜200℃が好ましく、より好ましくは70〜180℃、さらに好ましくは100〜160℃である。50℃以上に加熱することで、前述したように、隣接する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のシラノール基どうしで、もしくはLEDチップ表面の水酸基と半導体ナノ粒子内包ガラス粒子との間で脱水反応を生じさせ、シロキサン結合させることができる。加熱時間は、通常0.5〜10時間、より好ましくは1〜5時間である。
加熱硬化後の半導体ナノ粒子含有セラミック層の厚みは、10μm以下が好ましく、より好ましくは0.3〜8μm、さらに好ましくは0.5〜5μmである。
(3)その他
本発明のLED装置は、LEDチップ及び半導体ナノ粒子含有セラミック層を有する装置であればよく、その他の構成は特に制限はない。例えば半導体ナノ粒子含有セラミック層上に、さらにシリコーン樹脂からなる層等を設けてもよい。また、他の光学部品(レンズなど)が設けられて各種光学部材としてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はこれによって何ら制限を受けない。
<InP/ZnS半導体ナノ粒子(青色/緑色/赤色)の作製>
・InP/ZnS コア/シェル 青色半導体ナノ粒子A−1の合成
ミリスチン酸インジウム0.1mmol、ステアリン酸0.1mmol、トリメチルシリルフォスフィン0.1mmol、ドデカンチオール0.1mmol、ウンデシレン酸亜鉛0.1mmolを、オクタデセン8mlとともに三口フラスコに入れた。これを窒素雰囲気下で還流を行いながら300℃で0.2時間加熱し、発光ピーク波長が450nmである粒子A−1を含む溶液を得た。
この溶液にアセトンを過剰量添加し、これを遠心分離して沈殿物を60℃30分乾燥し、粒子A−1を粉体として取り出した。
・InP/ZnS コア/シェル 緑色半導体ナノ粒子A−2の合成
ミリスチン酸インジウム0.1mmol、ステアリン酸0.1mmol、トリメチルシリルフォスフィン0.1mmol、ドデカンチオール0.1mmol、ウンデシレン酸亜鉛0.1mmolを、オクタデセン8mlとともに三口フラスコに入れた。これを窒素雰囲気下で還流を行いながら300℃で0.4時間加熱し、発光ピーク波長550nmである粒子A−2を含む溶液を得た。
この溶液にアセトンを過剰量添加し、これを遠心分離して沈殿物を60℃30分乾燥し、粒子A−2を粉体として取り出した。
・InP/ZnS コア/シェル 赤色半導体ナノ粒子A−3の合成
ミリスチン酸インジウム0.1mmol、ステアリン酸0.1mmol、トリメチルシリルフォスフィン0.1mmol、ドデカンチオール0.1mmol、ウンデシレン酸亜鉛0.1mmolを、オクタデセン8mlとともに三口フラスコに入れた。これを窒素雰囲気下で還流を行いながら300℃で1時間加熱し、発光ピーク波長620nmである粒子A−3を含む溶液を得た。
この溶液にアセトンを過剰量添加し、これを遠心分離して沈殿物を60℃30分乾燥し、粒子A−3を粉体として取り出した。
<InP/ZnSナノ粒子内包ガラス粒子の作製>
前述の粒子A−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を、下記の工程(1)〜(4)により作製した。
工程(1):前述の粒子A−1の濃度が5質量%となるように、デカンに分散させた。この分散液10μLとテトラエトキシシラン40μLとを混合した。
工程(2):エタノール4mLと、14質量%アンモニア水1mLとを混合し、エタノール・アンモニア混合液を作製した。
工程(3):工程2で作製したエタノール・アンモニア混合液に、室温下で攪拌しながら、工程1で作製した分散液を、10μLずつ、10分間隔で添加した。当該溶液を、添加開始から12時間攪拌し、反応混合物を得た。
工程(4):工程3で得られた反応混合物を、遠心力1×10gで60分間、遠心分離し、上澄みを除去した。沈降物にエタノールを加えて、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を行い、粒子A−1を内包する、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を得た。
粒子A−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子をSEM観察したところ、平均粒径150nm、変動係数は7%であった。また各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる粒子A−1の個数を求めたところ、150個であった。
半導体ナノ粒子A−2及びA−3についても、それぞれ同様に半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を得た。粒子A−2を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径135nm、変動係数は10%であった。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる粒子A−2の個数を求めたところ、130個であった。
粒子A−3を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径143nm、変動係数は9%であった。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる粒子A−3の個数を求めたところ、140個であった。
半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の変動係数(CV値)は、SEM観察により1000個の半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の粒径を測定して粒径分布を求め、この粒径分布に基づき下記式にて算出した。
CV[%]=(σ/D)×100(σ:標準偏差、D:平均粒径)
<CdSe/ZnS半導体ナノ粒子(青色/緑色/赤色)の作製>
・CdSe/ZnS コア/シェル青色半導体ナノ粒子B−1の合成
Ar気流下、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド(TOPO)7.5gに、ステアリン酸2.9g、n−テトラデシルホスホン酸620mg、及び、酸化カドミニウム250mgを加えた溶液を370℃まで加熱し、これらを混合した。この溶液を270℃まで放冷した。さらにトリブチルフォスフィン2.5mlにセレン200mgを溶解させた溶液を加え、20分間反応させた。その後、当該溶液を減圧乾燥し、TOPOで被覆したCdSeコア粒子を得た。
得られたCdSeコア粒子に、TOPO15gを加えて270℃まで加熱した。この溶液の温度を270℃に保持したまま、トリオクチルホスフィン10mlにジエチルジチオカルバミン酸亜鉛1.1gを溶解した溶液を加え、10分間反応させた。その後、室温まで冷却することで、発光ピーク波長が480nmである粒子B−1を含む溶液を得た。
この溶液にアセトンを過剰量添加し、これを遠心分離して沈殿物を60℃30分乾燥し、粒子B−1を粉体として取り出した。
・CdSe/ZnS コア/シェル緑色半導体ナノ粒子B−2の合成
Ar気流下、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド(TOPO)7.5gに、ステアリン酸2.9g、n−テトラデシルホスホン酸620mg、及び、酸化カドミニウム250mgを加えた溶液を370℃まで加熱し、これらを混合した。この溶液を270℃まで放冷した。さらにトリブチルフォスフィン2.5mlにセレン200mgを溶解させた溶液を加え、40分間反応させた。その後、当該溶液を減圧乾燥し、TOPOで被覆されたCdSeコア粒子を得た。
得られたCdSeコア粒子に、TOPO15gを加えて270℃まで加熱した。この溶液の温度を270℃に保持したまま、トリオクチルホスフィン10mlにジエチルジチオカルバミン酸亜鉛1.1gを溶解した溶液を加え、10分反応させた。その後、室温まで冷却することで、発光ピーク波長550nmの粒子B−2を含む溶液を得た。
この溶液にアセトンを過剰量添加し、これを遠心分離して沈殿物を60℃30分乾燥し、粒子B−2を粉体として取り出した。
・CdSe/ZnS コア/シェル赤色半導体ナノ粒子B−3の合成
Ar気流下、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド(TOPO)7.5gに、ステアリン酸2.9g、n−テトラデシルホスホン酸620mg、及び、酸化カドミニウム250mgを加えた溶液を、370℃まで加熱し、これらを混合した。この溶液を270℃まで放冷した。さらにトリブチルフォスフィン2.5mlにセレン200mgを溶解させた溶液を加え、60分反応させた。その後、当該溶液を減圧乾燥し、TOPOで被覆されたCdSeコア粒子を得た。
得られたCdSeコア粒子に、TOPO15gを加えて270℃まで加熱した。この溶液の温度を270℃に保持したまま、トリオクチルホスフィン10mlにジエチルジチオカルバミン酸亜鉛1.1gを溶解した溶液を加え、10分間反応させた。その後、室温まで冷却することで、発光ピーク波長650nmの粒子B−3を含む溶液を得た。
この溶液にアセトンを過剰量添加し、これを遠心分離して沈殿物を60℃30分乾燥し、粒子B−3を粉体として取り出した。
<CdSe/ZnSナノ粒子内包ガラス粒子の作製>
前述の粒子B−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を、下記の工程(1)〜(4)により作製した。
工程(1)粒子B−1の濃度が5質量%となるように、デカンに分散させた。この分散液10μLとテトラエトキシシラン40μLとを混合した。
工程(2):エタノール4mLと、14質量%アンモニア水1mLとを混合し、エタノール・アンモニア混合液を作製した。
工程(3):工程2で作製したエタノール・アンモニア混合液に、室温下で攪拌しながら、工程1で作製した分散液を、10μLずつ、20分間隔で添加した。当該溶液を、添加開始から12時間攪拌し、反応混合物を得た。
工程(4):工程3で得られた反応混合物を、遠心力1×10gで60分間、遠心分離し、上澄みを除去した。沈降物にエタノールを加えて、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を行い、粒子B−1を内包する、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を得た。
粒子B−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径190nm、変動係数は10%であった。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる粒子B−1の個数を求めたところ、250個であった。
半導体ナノ粒子B−2及びB−3についても、それぞれ同様に半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を得た。粒子B−2を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径170nm、変動係数は8%であった。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる粒子B−2の個数を求めたところ、220個であった。
粒子B−3を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径185nm、変動係数は11%であった。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる粒子B−3の個数を求めたところ、230個であった。
<Cu:ZnSe(青色)/Mn:ZnSe(緑色)/Cu:InP(赤色)の合成>
・Cu:ZnSe青色半導体ナノ粒子C−1の合成
ステアリン酸亜鉛を0.1mmolをオクタデセン5gに溶解させた第1溶液を、Ar気流下で270℃に加熱した。続いて、セレンを濃度が2.4mol/Lとなるように溶解させたトリブチルホスフィン溶液1mlと、オクタデセン溶液0.2gと、オレイン酸銅0.01molと、オクタデセン0.8gとを混合し、第2溶液とした。第2溶液を第1溶液に添加し、混合液の温度を190℃まで冷却し、2時間反応させた。
さらに、ウンデシレン酸亜鉛0.15mmolを、オクタデセン1.2g中に溶解させ、これを前記混合液に加えた。その後、190℃で1時間保持し、温度を下げて反応を終了した。この溶液にアセトンを過剰量添加し、これを遠心分離して沈殿物を60℃30分乾燥し、粒子C−1を粉体として取り出した。
・Mn:ZnSe緑色半導体ナノ粒子C−2の合成
ステアリン酸マンガン0.05gとオクタデセン5gとを混合し、マンガン前駆体溶液とした。このマンガン前駆体溶液を、Arガス気流下、100℃に加熱した。
また、ステアリン酸亜鉛0.36gと、ステアリン酸0.3gとをオクタデセン2.4gに溶解し、Zn前駆体溶液とした。
セレン粉体0.0273gと、オレイルアミン0.05gと、オクタデセン4.5gとを三口フラスコに入れ、100℃で20分、Arガスでバブリングした。その後、280℃まで温度を上昇させ、セレンを完全に溶解させた。当該溶液に前述のマンガン前駆体溶液1mlを添加した。その後、フラスコ温度を260℃に下げ、4分間保った。さらに速やかに、反応温度を220℃に下げ、前述のZn前駆体0.5mlを添加した。続けて0.1gオレイルアミンを添加し、120分反応させた。その後、温度を室温まで下げ、反応を終了させた。この溶液にアセトンを過剰量添加し、これを遠心分離して沈殿物を60℃30分乾燥し、粒子C−2を粉体として取り出した。
・Cu:InP赤色半導体ナノ粒子C−3の合成
トリストリメチルシリルフォスフィン0.2mmolと、1−オクチルアミン2.4mmolとをグローブボックス内でオクタデセン1.5mlに溶解させた(A液)。インジウムアセテート0.4mmolと、ミリスチン酸1.4mmolと、オクタデセン4gとを、三口フラスコに入れ、Ar雰囲気下で188℃まで昇温させた。この混合液に前記A液を添加した。
A液の添加後、反応温度を10分間かけて178℃まで降温し、10分間温度を保持した。その後、反応溶液をさらに130℃まで降温し、ステアリン銅0.02mmolが溶解したオクタデセン溶液0.1gを添加した。ステアリン酸銅添加後、2℃/分のスピードで210℃まで昇温させた。続いて150℃まで降温し、ステアリン酸亜鉛濃度が0.1mol/Lのオクタデセン溶液1.2ml、及びセレン前駆体濃度が0.1mol/Lのトリ−n−オクチルホスフィン溶液1.2mlを添加した。これを再度220℃に昇温させて、30分間保持した後、室温まで降温し、反応を終了させた。この溶液にアセトンを過剰量添加し、これを遠心分離して沈殿物を60℃30分乾燥し、粒子C−3を粉体として取り出した。
<Cu:ZnSe、Mn:ZnSe、及びCu:InPナノ粒子内包ガラス粒子の作製>
前述の粒子C−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を、下記の工程(1)〜(4)により作製した。
工程(1)粒子C−1の濃度が5質量%となるように、デカンに分散させた。この分散液10μLとテトラエトキシシラン40μLとを混合した。
工程(2):エタノール4mLと、14質量%アンモニア水1mLとを混合し、エタノール・アンモニア混合液を作製した。
工程(3):工程2で作製したエタノール・アンモニア混合液に、室温下で攪拌しながら、工程1で作製した分散液を、10μLずつ、20分間隔で添加した。当該溶液を、添加開始から12時間攪拌し、反応混合物を得た。
工程(4):工程3で得られた反応混合物を、遠心力1×10gで60分間、遠心分離し、上澄みを除去した。沈降物にエタノールを加えて、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を行い、粒子C−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を得た。
粒子C−1(Cu:ZnSe)を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径175nm、変動係数は11%であった。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる粒子C−1の個数を求めたところ、200個であった。
半導体ナノ粒子C−2及びC−3についても、それぞれ同様に半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を得た。粒子C−2(Mn:ZnSe)を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径180nm、変動係数は9%であった。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる粒子C−2の個数を求めたところ、220個であった。
また、粒子C−3(Cu:InP)を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子のSEM観察を行ったところ、平均粒径160nm、変動係数は8%であった。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子に含まれる粒子C−3の個数を求めたところ、180個であった。
(実施例1)
円形パッケージ(開口径3mm,底面直径2mm、壁面角度60°)の収容部の中央に、1つのLEDチップ(直方体状;200μm×300μm×100μm;発光波長365nm)をフリップチップ実装した、LEDチップ実装パッケージを用意した。
このLEDチップ実装パッケージのLEDチップ表面に、InP/ZnSナノ粒子内包ガラス粒子0.05gをエタノール5mLに分散させ、キャスティング法により配置した。これをオーブンに入れ、100℃で2時間加熱し、LEDチップ表面に半導体ナノ粒子含有セラミック層を形成した。半導体ナノ粒子含有セラミック層の厚みは10μmとした。形成したLED装置について、下記の演色性評価及び耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
なお、InP/ZnSナノ粒子内包ガラス粒子は、粒子A−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、粒子A−2を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、及び粒子A−3を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の混合物とした。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の配合比率は、混合物を波長365nmで励起した際、色度のx座標およびy座標の値がともに0.33となる比率とした。色度の測定は、分光放射輝度計(CS−1000A、コニカミノルタセンシング社製)で行った。
(実施例2)
CdSe/ZnSナノ粒子内包ガラス粒子0.05gを、エタノール5mLに分散させ、実施例1と同様に、LEDチップ実装パッケージのLEDチップ表面にキャスティング法で配置した。これをオーブンに入れ、100℃で2時間加熱し、LEDチップ表面に半導体ナノ粒子含有セラミック層を形成した。半導体ナノ粒子含有セラミック層の厚みは10μmとした。形成したLED装置について、下記の演色性評価及び耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
なお、CdSe/ZnSナノ粒子内包ガラス粒子は、粒子B−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、粒子B−2を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、及び粒子B−3を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の混合物とした。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の配合比率は、混合物を波長365nmで励起した際、色度のx座標およびy座標の値がともに0.33となる比率とした。色度の測定は、分光放射輝度計(CS−1000A、コニカミノルタセンシング社製)で行った。
(実施例3)
Cu:ZnSe、Mn:ZnSe、及びCu:InPナノ粒子内包ガラス粒子0.05gを、エタノール5mLに分散させ、実施例1と同様に、LEDチップ実装パッケージのLEDチップ表面にキャスティング法で配置した。これをオーブンに入れ、100℃で2時間加熱し、LEDチップ表面に半導体ナノ粒子含有セラミック層を形成した。半導体ナノ粒子含有セラミック層の厚みは10μmとした。形成したLED装置について、下記の演色性評価及び耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
なお、Cu:ZnSe、Mn:ZnSe、及びCu:InPナノ粒子内包ガラス粒子は、粒子C−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、粒子C−2を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、及び粒子C−3を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の混合物とした。各Cu:ZnSeナノ粒子内包ガラス粒子、Mn:ZnSeナノ粒子内包ガラス粒子、及びCu:InPナノ粒子内包ガラス粒子の配合比率は、混合物を波長365nmで励起した際、色度のx座標およびy座標の値がともに0.33となる比率とした。色度の測定は、分光放射輝度計(CS−1000A、コニカミノルタセンシング社製)で行った。
(実施例4)
実施例1と同様にInP/ZnSナノ粒子内包ガラス粒子0.05gをエタノール5mLに分散させた。さらに、フェニルトリメトキシシラン(関東化学社製)2.5μLを添加し、これを実施例1と同様に、LEDチップ実装パッケージのLEDチップ表面にキャスティング法で配置した。これをオーブンに入れ、100℃で2時間加熱し、LEDチップ表面に半導体ナノ粒子含有セラミック層を形成した。半導体ナノ粒子含有セラミック層の厚みは10μmとした。形成したLED装置について、下記の演色性評価及び耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
なお、InP/ZnSナノ粒子内包ガラス粒子は、粒子A−1を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、粒子A−2を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、及び粒子A−3を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の混合物とした。各半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の配合比率は、混合物を波長365nmで励起した際、色度のx座標およびy座標の値がともに0.33となる比率とした。色度の測定は、分光放射輝度計(CS−1000A、コニカミノルタセンシング社製)で行った。
(比較例1)
実施例と同様のLEDチップ実装パッケージのLEDチップ表面に、前述のInP/ZnSナノ粒子内包ガラス粒子0.05gをエタノール5mLに分散させ、発光素子1上にキャスティング法により塗布した。次いでシリコーン樹脂(OE6630、東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、150℃で1時間加熱して硬化させた。シリコーン樹脂の硬化後の厚みは100μmとした。粒子A−1、A−2、及びA−3を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の比については、実施例1と同様とした。形成したLED装置について、下記の演色性評価及び耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
前述のInP/ZnSのナノ粒子(A−1、A−2、及びA−3)を、波長365nmで励起した際、色度のx座標およびy座標の値がともに0.33となる比率で混合した。半導体ナノ粒子の混合物をエタノールに分散させた。この分散液を、LEDチップ上にキャスティング法により塗布した。次いでオーブンに入れ、150℃で2時間加熱した。形成したLED装置について、下記の演色性評価及び耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
YAG:Ce粒子をエタノールに分散させ、発光素子1上にキャスティング法により塗布した。次いでオーブンにいれ150度2時間加熱した。形成したLED装置について、下記の演色性評価及び耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
YAG:Ce粒子をエタノールに分散させ、発光素子1上にキャスティング法により塗布した。さらに、シリコーン樹脂(OE6630、東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、150℃で1時間加熱して硬化させた。シリコーン樹脂の硬化後の厚みは100μmとした。形成したLED装置について、下記の演色性評価及び耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
<演色性評価>
各実施例及び比較例で作製したLED装置の正面からの演色性をそれぞれ評価した。具体的には、各LED装置を5個ずつ準備し、各LED装置からの発光の色度を測定した。色度の測定は、測定装置としてコニカミノルタセンシング社製分光放射輝度計CS-1000Aを用い、2度視野角において測定した。このデータを色度座標に当てはめたときの色をCIE1931表色系におけるX、Y色度座標として求め、これらサンプル5個のバラツキを色度座標上にプロットして色度座標上の面積として求めた。各面積について、比較例1のLED装置の面積とし、相対的に評価を行った。
・評価対象のLED装置の色度座標上の面積/比較例1のLED装置の色度座標上の面積が1.0以上:○
・評価対象のLED装置の色度座標上の面積/比較例1のLED装置の色度座標上の面積が1.0未満:×
<耐久性評価>
LED装置を2.5mA/cmの一定電流で駆動した。駆動開始10000時間後の輝度を測定し、さらにこの輝度が半分となるまでに要した時間を測定し、耐久性(半減寿命時間(半減時間ともいう))を評価した。また、半減寿命については、比較例1のLED装置の半減時間を基準に、これに対する相対評価で行った。
・評価対象のLED装置の半減時間/比較例1のLED装置の半減時間が150%以上:◎
・評価対象のLED装置の半減時間/比較例1のLED装置の半減時間が120%以上150%未満:○
・評価対象のLED装置の半減時間/比較例1のLED装置の半減時間が80%以上120%未満:△
・評価対象のLED装置の半減時間/比較例1のLED装置の半減時間が80%未満:×
実施例1〜4、及び比較例1〜4の結果を表1に示す。
Figure 2013161861
表1に示すように、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子は、封止樹脂を塗布することなく、LEDチップ表面に強固に結着させることができ、耐久性にも優れた(実施例1〜4)。一方、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を封止樹脂で封止した場合(比較例1)、演色性は良好であったが、経時で樹脂が劣化し、耐久性が低かった。
また、半導体ナノ粒子をガラス粒子に内包しなかった場合(比較例2)には、チップ表面に固着させることができず、耐久性が低かった。
また、半導体ナノ粒子ではなく、通常の蛍光体粒子を用いた場合(比較例3及び4)には、演色性が低く、さらに封止樹脂の有無にかかわらず、耐久性が低かった。
本発明のLED装置は、高い演色性を示し、かつ劣化が少ない。したがって、屋内、屋外の照明装置等にいずれも適用可能である。
1 LEDチップ
2 パッケージ
3 メタル部
4 突起電極
5 半導体ナノ粒子含有セラミック層
100 LED装置

Claims (5)

  1. LEDチップと、
    前記LEDチップ表面に、半導体ナノ粒子を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を含有する半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物を配置し、加熱硬化させて形成した半導体ナノ粒子含有セラミック層とを有する、LED装置。
  2. 前記半導体ナノ粒子が、InP、またはCuInSのナノ粒子である、請求項1に記載のLED装置。
  3. 前記半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物が、アルコキシシランまたはアリールオキシシランをさらに含む、請求項1に記載のLED装置。
  4. 前記半導体ナノ粒子含有セラミック層の厚みが、10μm以下である、請求項1に記載のLED装置。
  5. LEDチップと、前記LEDチップの表面に配置された半導体ナノ粒子含有セラミック層とを有するLED装置の製造方法であって、
    前記LEDチップ表面に、半導体ナノ粒子を内包する半導体ナノ粒子内包ガラス粒子を含有する半導体ナノ粒子含有セラミック層用組成物を配置し、加熱硬化させる工程を有する、LED装置の製造方法。
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