JP2013161343A - タッチパネル付液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、樹脂から構成される絶縁性層を有するタッチパネルと、液晶セルと、上記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板とを有し、上記タッチパネルが上記一対の偏光板の間に配置されているタッチパネル付液晶表示装置であって、上記タッチパネルは、上記タッチパネルのRthが上記タッチパネル付液晶表示装置全体のRthが0〜4.0の範囲内となるように調整されたものであることを特徴とするタッチパネル付液晶表示装置を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1
Description
しかしながら、上記オンセル構造や上記インセル構造を有するタッチパネル付液晶表示装置は、別個に形成されたタッチパネルが液晶表示装置上に配置されたアウトセル構造を有するタッチパネル付液晶表示装置に比べて表示コントラストが低下するという問題がある。
本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、樹脂から構成される絶縁性層を有するタッチパネルと、液晶セルと、上記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板とを有し、上記タッチパネルが上記一対の偏光板の間に配置されているものであって、上記タッチパネルは、上記タッチパネルの厚み方向のレターデーションが上記タッチパネル付液晶表示装置全体の厚み方向のレターデーションが0〜4.0の範囲内となるように調整されたものであることを特徴とする。
本発明に用いられるタッチパネルの膜厚は、一般的な膜厚測定機によって測定することができる。一例として、KLA Tencor株式会社の触針式膜厚測定機P・15が挙げられる。
また、本発明に用いられるタッチパネルのRthは、例えば位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて測定することができる。
また、タッチパネル付液晶表示装置のRthとは、タッチパネル付液晶表示装置の面内における進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、および、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nyと、厚み方向の屈折率Nzと、タッチパネル付液晶表示装置の厚みd(nm)とにより、Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×dの式で表される値である。タッチパネル付液晶表示装置のRthの測定方法については上述したタッチパネルのRthの測定方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、タッチパネル付液晶表示装置のその他の構成のRthについても同様である。
また、図2(a)は液晶セル用基材31α上に形成された第1透明電極21および第1透明電極用配線21’を例示する平面図であり、図2(b)は電極間絶縁層11上に形成された第2透明電極22および第2透明電極用配線22’を例示する平面図であり、図2(c)は図1におけるタッチパネル100を平面視上から観察した場合を例示する平面図である。なお、図2(c)では、説明のため、電極間絶縁層およびオーバーコート層を省略して説明している。また、図1におけるタッチパネル10部分の概略断面図は、図2(c)のA−A線断面図を示している。
すなわち、タッチパネルを配置する前の液晶表示装置は、通常、その全体のRthが0となるように設計されているものである。また、アウトセル構造のタッチパネル付液晶表示装置は、タッチパネル自体がRthを有する(タッチパネルのRth≠0)場合も、タッチパネルは偏光板の液晶セル側とは反対側に配置される、すなわち一対の偏光板の間には配置されないため、表示コントラストに影響しないものと考えられる。
これに対し、上述したオンセル構造およびインセル構造のタッチパネル付液晶表示装置はいずれも、一対の偏光板の内側にタッチパネルが配置されることから、タッチパネル自体がRthを有する(タッチパネルのRth≠0)場合、タッチパネルのRthにより位相差ズレが生じ、その結果、偏光板から光漏れが生じて表示コントラストが低下することが推測される。
まず、本発明らは、タッチパネルを配置する前の液晶表示装置の表示コントラストに対する、オンセル構造またはインセル構造を有するタッチパネル付液晶表示装置の表示コントラストの低下率(以下、表示コントラストの低下率と称する場合がある。)と、実際の視認性との関係を調べたところ、上記表示コントラストの低下率が10%を超える場合は、視認性について以下の問題が生じることを知見した。すなわち、上記表示コントラストの低下率が10%を超えることにより、暗室ではタッチパネル付液晶表示装置の液晶を黒表示で点灯しても、通常のコントラストの液晶表示装置(タッチパネルを配置しない状態の液晶表示装置)に比べ、明らかに画面から光が漏れてきており、黒表示部分が灰色に視認されるようになるため、白表示部分と黒表示部分とを明確に表示できなくなる問題がある。また、この場合、特に白表示部分と黒表示部分との境界を明確に表示することが困難となる問題がある。
また、タッチパネルは携帯端末への利用が望まれているところ、上記携帯端末は外環境の変化によっても表示の見え方が変わることから、上述した問題は特に深刻なものとなる。
以下、本発明のタッチパネル付液晶表示装置の詳細について説明する。
本発明におけるタッチパネルは、樹脂から構成される絶縁性層を有し、タッチパネル付液晶表示装置において一対の偏光板の間に配置されるものである。
また、本発明におけるタッチパネルは、通常、液晶セル用基材上に形成される。より具体的には、タッチパネルが観察者側の偏光板と観察側の液晶セル用基材との間に配置される場合は、タッチパネルは液晶セル用基材の観察者側の面に形成される(図1参照)。
一方、タッチパネルが液晶セル内に配置される場合は、液晶セル用基材として用いられる共通電極基板または画素電極基板のうち、共通電極基板側に形成されてもよく、画素電極基板側に形成されてもよい。
そこで、以下、本発明におけるタッチパネルが投影型静電容量方式のタッチパネルである場合を例に説明する。
なお、図4は、本発明のタッチパネル付液晶表示装置の他の例を示す概略断面図であり、図5(a)〜(c)は、図4に例示されるタッチパネル付液晶表示装置に用いられるタッチパネルの他の例を示す概略平面図である。また、図5(a)は液晶セル用基材31α上に形成された第1透明電極21、第1透明電極用配線21’および第2透明電極用配線22’を示す平面図であり、図5(b)は液晶セル用基材31αおよび第1透明電極21上に形成された電極間絶縁層11の一例を示す平面図であり、図5(c)は図4におけるタッチパネルを平面視上で観察した場合を例示する平面図である。なお、図5(b)では、説明のため、第1透明電極21および第1透明電極用配線21’を破線で示し、図5(c)では電極間絶縁層11を破線で示し、オーバーコート層を省略して説明している。また、図4におけるタッチパネルの概略断面図は、図5(c)のB−B線断面図である。
本発明におけるタッチパネルのRthの調整方法としては、タッチパネル付液晶表示装置全体のRthを0〜4.0の範囲内とすることができる調整方法であれば特に限定されないが、タッチパネルのRthを0〜4.0の範囲内に調整することが好ましい。従来の液晶表示装置は、通常、その全体のRthが0となるように調整されていることから、タッチパネルのRthを上記範囲内とすることにより、本発明における液晶セルおよび偏光板については従来から構成を変更させることなく、用いることが可能となるからである。
(1)絶縁性層
本発明における絶縁性層は、樹脂から構成されるものである。また、上記絶縁性層としては、具体的には電極間絶縁層と、オーバーコート層とを挙げることができる。
電極間絶縁層は、第1透明電極上に配置され、第1透明電極と第2透明電極とを絶縁するものである。
また、上述した樹脂のなかでも、汎用性のある樹脂であることが好ましい。本発明のタッチパネル付液晶表示装置を生産性の高いものとすることができるからである。
また、電極間絶縁層11は図1に例示するように、第1透明電極用配線21’上に形成されていてもよい。
また、図6に例示するように、第2透明電極22をブリッジ状に形成する場合は、図7に例示するように、第2透明電極22の形成部分にコンタクトホールRを有するように、電極間絶縁層11が形成されてもよい。なお、図6は本発明のタッチパネル付液晶表示装置の他の例を示す概略断面図であり、図7(a)〜(b)は、図6に例示されるタッチパネル付液晶表示装置に用いられるタッチパネルの例を示す概略平面図であり、図7(a)は第1透明電極21上に形成された電極間絶縁層11を示す平面図、図7(b)は電極間絶縁層11上にブリッジ状に形成された第2透明電極を示す平面図である。また、図6および図7において説明していない符号については、図4および図5と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明におけるオーバーコート層は第2透明電極上に形成されるものである。また、オーバーコート層は、通常、第1透明電極、第1透明電極用配線、電極間絶縁層、第2透明電極、および第2透明電極用配線を覆うように形成される。
本発明におけるタッチパネルは、上述した絶縁性層以外に、通常、第1透明電極、第1透明電極用配線、第2透明電極、および第2透明電極用配線を有する。また、上記各構成に用いられる材料については、一般的なタッチパネルに用いられるものと同様とすることができる。
上述した説明においては、タッチパネルが投影型静電容量方式のタッチパネルである例について説明したが、投影型静電容量方式以外のタッチパネルであっても上述したタッチパネルのRthの調整方法や、絶縁性層に用いられる樹脂等を適用することが可能である。また、本発明に用いられるタッチパネルの形成方法については、特に限定されず、一般的なタッチパネルの形成方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明における液晶セルは、通常、一対の液晶セル用基材と、一対の液晶セル用基材の間に形成された液晶層とを有するものである。
透明基材、共通電極、画素電極、および配向膜については一般的な液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
一方、本発明におけるタッチパネル付液晶表示装置がインセル構造を有する場合、タッチパネルは、通常、共通電極基板または画素電極基板の透明基材および配向膜の間に配置される。
本発明における液晶セルの形成方法については、一般的な液晶セルの形成方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
次に、本発明における偏光板について説明する。
本発明における偏光板は、液晶セルの両側に配置されるものである。また、上記偏光板は、通常、偏光子と、偏光子の両側に配置された偏光板保護フィルムとからなるものである。上記偏光板に用いられる偏光子、および偏光板保護フィルムとしては一般的な液晶表示装置の偏光板に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、上述したタッチパネル、液晶セル、および一対の偏光板を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。このような構成としては、例えば、バックライト等を挙げることができる。
本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、上述した構成を有するものであり、液晶表示装置全体のRthが0〜4.0の範囲内を示すものである。本発明においては、なかでも、液晶表示装置全体のRthが0〜3.1の範囲内、特に0〜1.5の範囲内を示すことが好ましい。一対の偏光板の間にタッチパネルを配置することによる表示コントラストの低下率をより小さいものとすることができ、良好な表示を行うことが可能となる。
・タッチパネルの作製
(液晶セル用基材の準備)
まず、透明基板としてのガラス基板(無アルカリガラス、NHテクノグラス社製、NA35)550mm×650mmを準備し、超純水を用いて界面活性剤処理し、引き続き超音波洗浄処理により洗浄した。なお、上記ガラス基板に、タッチパネル部材が50面取りできるよう設計して以下の通り作成し、そのうちの任意の一面を実施例1とした。
外周配線部の抵抗を補助する金属配線(透明電極用配線)を以下の手順で作製した。まず、APC(銀、銅、およびパラジウムを含む合金)を上記ガラス基板全面にスパッタにより30nmの厚さで製膜した。引き続き、ポジ感光性材料(AZマテリアルズ社製)を用い、フォトリソグラフィの手法により、有効表示エリア外に金属配線パターンと電極取り出し部のパターンを形成した。さらにエッチャントとしてリン酸、硝酸、酢酸系混合溶液を用い、APCの不要部分を除去し、引き続いて不要となったポジ感光性材料を苛性ソーダで剥離して金属配線を作製した。
次に製版された金属配線上に、第1透明電極を形成するために、スパッタにより全面に30nmの厚さでITOを製膜した。そして、金属配線と同様のポジ感光性材料を用いてフォトリソグラフィの手法により、整列する複数のダイヤ形状が、y方向において、独立に整列する列と、x方向に直線状に連結された列とが交互に形成されるパターンを形成した(図5(a)参照)。さらにITOのエッチャントとしてはシュウ酸系溶液を用い、ITOの不要部分を除去し、次いで金属配線と同様に不要となったポジ感光性材料を剥離することにより、第1透明電極を形成した。
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物とした。
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) 16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)24重量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) 4重量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 52重量部
上述のとおり露光処理が終了した塗膜面を、現像液であるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38wt%(TMAH、東京応化工業社製:NMD−3)でディップ現像し、未露光部分を除去してパターンを形成した。さらに露光後の基板は加熱炉(アドバンテスト社製FUW210PA)中、大気雰囲気下で230℃1時間加熱(ポストベーク)して硬化させ、膜厚1.5μmのパターニングされた電極間絶縁層を第1透明電極上に形成した。
さらに上記電極間絶縁層上に、ブリッジ部を構成する第2透明電極を形成するために、ITOを用い、スパッタにより全面に50nmの厚さで製膜し、第1透明電極と同様にポジ感光性材料を用いフォトリソグラフィの手法により所定の位置に複数のブリッジが形成されるパターンで第2透明電極(図7(b)参照)を形成した。
上記硬化性樹脂組成物を用い、電極間絶縁層と同様の製膜手法により、第2透明電極を形成した基材面に厚さ1.5μmの表面保護層を製膜した。
(遮光部の作製)
下記に示すとおり、着色材料として顔料を用い、分散液組成物(顔料、分散剤及び溶剤を含有する)にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液とクリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、開始剤及び溶剤を含有する)とを混合して、遮光部形成用レジストを調製した。尚、分散機としては、ペイントシェーカーを用いた。
・黒顔料(大日精化工業(株)製TMブラック#9550) 14.0重量部
・分散剤(ビックケミー(株)製Disperbyk111) 1.2重量部
・ポリマー(昭和高分子(株)製VR60) 2.8重量部
・モノマー(サートマー(株)製SR399) 3.5重量部
・添加剤(綜研化学(株)製L−20) 0.7重量部
・開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1) 1.6重量部
・開始剤(4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン) 0.3重量部
・開始剤(2,4−ジエチルチオキサントン) 0.1重量部
・溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル) 75.8重量部
次いで、一般的な液晶表示装置における着色層の形成手法に倣い、赤色画素、緑色画素、青色画素が帯状のパターンで順に繰り返される配列となるよう構成される着色層を形成した。これによって一枚のガラス基板において50面の整列するタッチパネル部材を得た。最後に、上記50面に裁断し、裁断された任意の1面からなるタッチパネル部材を実施例1とした。
上記のようにして遮光部を形成した基板上に、下記組成の赤色着色樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み2.5μm)し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色着色樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色着色樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して赤色画素を形成すべき領域に赤色のレリーフパターンを形成した。
次に、下記組成の緑色着色樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、緑色画素を形成すべき領域に緑色のレリーフパターンを形成した。さらに、下記組成の青色着色樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、青色画素を形成すべき領域に青色のレリーフパターンを形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる着色層を形成した。
・C.I.ピグメントレッド254(BT−CF、CSC製) 4.9重量部
・C.I.ピグメントレッド177(ATY−TR、DIC製) 2.3重量部
・C.I.ピグメントイエロー150(Y−5688、Lanxess製)2.8重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3重量部
・上記硬化性樹脂組成物 5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82重量部
・C.I.ピグメントグリーン58(DIC製) 6.9重量部
・C.I.ピグメントイエロー150(Y−5688、Lanxess製)3.1重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3重量部
・上記硬化性樹脂組成物 5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82重量部
・C.I.ピグメントブルー15:6(EP−CF、DIC製) 9重量部
・C.I.ピグメントバイオレット(Violet RE、大日精化製) 1重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3重量部
・上記硬化性樹脂組成物 5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82重量部
上記のようにして遮光部および着色層を形成した基板上に、上記硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(JSR製 NN780)、乾燥し塗布膜を形成した。上記硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置して、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いてスペーサの形成領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して、上端部面積が100μm2で3.8μmの固定スペーサを形成した。
上記のようにして得られたカラーフィルタの膜形成表面に、ポリイミドよりなる配向膜を形成した。次いでTFTを形成したガラス基板上にTN液晶を必要量滴下し、上記カラーフィルタを重ね合わせ、UV硬化性樹脂をシール材として用い、常温で0.3kgf/cm2の圧力をかけながら400mJ/cm2の照射量で露光することにより接合して、セル組みし、その後さらに外側両面に偏光板を貼り付け実施例1のタッチパネル付液晶表示装置を得た。実施例1のタッチパネル付液晶表示装置は、オンセル構造である。
電極間保護層及び表面保護層を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にオンセル構造のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
500mlの四口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂231g(エポキシ当量231)と、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド450mg、2,6−ジ−イソブチルフェノール100mgと、アクリル酸72.0gとを、乾燥空気を吹き込み(25ml/分)、かつ、温度90℃〜100℃で加熱しながら、撹拌下に反応させた。次に、溶液が白濁したまま徐々に120℃まで昇温して撹拌を続けると、溶液は次第に透明粘稠になった。この溶液の酸価を随時測定し、2.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が目標(酸価:0.8)に達するまでに8時間を要した。そして、室温まで冷却し、無色透明な固体を得た。次いで、上記の得られたビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート樹脂(化学式2)303gにセロソルブアセテート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38gとベンゾフェノンテトラカルボン二酸無水物80.5g、及び臭化テトラエチルアンモニウム1gとを混合し、徐々に昇温して110℃〜115℃で2時間反応させ、生成物(化合物1)〔m/n=50/50〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルの1780cm−1ピークの消失により確認した。
次に攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを装着した四口フラスコに塩化メチレン50gとγ−ブチロラクトン17.2g(0.2mol)とを仕込み、得られた溶液を10℃に冷却しながら、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体0.80mol(0.0062mol)を添加した。次に、反応液温度を5℃〜10℃に保ちながら、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量260)26.0g(0.1当量)と塩化メチレン200gの混合液を攪拌下に5時間かけて滴下し、反応を行った。滴下終了後、更に3時間温度を一定に保ちながら攪拌を行った後、トリエチルアミン(反応停止剤)0.72g(0.0072mol)を加え、次に過剰のγ−ブチロラクトンを除去するために反応液を6%水酸化ナトリウム水溶液500mlで2回アルカリ洗浄し、更に蒸留水500mlで2回洗浄を行った。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで脱水した後、脱溶媒することによりγ−ブチロラクトンカルド型付加体(化合物2)を得た。得られた生成物の収量は30.4g(収率は88%)であった。
・上記化合物1 20重量部
・上記化合物2 4重量部
・ベンゾイルパーオキサイド 0.35重量部
・Irg907 0.35重量部
・セロソルブアセテート 75.3重量部
表面保護層の膜厚を4μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてオンセル構造のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
カラーフィルタ層、スペーサ層および配向膜を表面保護層側に作製し、液晶セル内にタッチパネルが配置されるように液晶セルを組立てたこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付液晶表示装置を作製した。実施例4のタッチパネル付液晶表示装置はインセル構造である。
カラーフィルタ層、スペーサ層および配向膜を表面保護層側に作製し、液晶セル内にタッチパネルが配置されるように液晶セルを組立てたこと以外は、実施例2と同様にしてインセル構造のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
カラーフィルタ層、スペーサ層および配向膜を表面保護層側に作製し、液晶セル内にタッチパネルが配置されるように液晶セルを組立てたこと以外は、実施例3と同様にしてインセル構造のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
実施例1と同様の方法で、液晶セル用基材の準備、透明電極用配線の作製、第1透明電極の作製を行った。次に、電極間絶縁層を実施例2と同様の材料と方法を用いて作製した。その後、実施例1と同様の方法で第2透明電極を作製し、実施例2と同様の材料および方法を用いて、膜厚0.75μmで表面保護層の作製し、タッチパネル層とした。
その後、実施例1と同様の方法でカラーフィルタ層を別途の透明基板に作製し、カラーフィルタの膜形成表面に、ポリイミドよりなる配向膜を形成した。次いでTFTを形成したガラス基板上にTN液晶を必要量滴下し、上記カラーフィルタを重ね合わせ、UV硬化性樹脂をシール材として用い、常温で0.3kgf/cm2の圧力をかけながら400mJ/cm2の照射量で露光することにより接合して、セル組みし、さらに外側両面に偏光板を貼り付け、液晶表示装置を得た。この液晶表示装置上にタッチパネル層をUV硬化性樹脂をシール材として用い、張り合わせた。以上の手順により、タッチパネル付液晶表示装置を得た。比較例1のタッチパネル付液晶表示装置は、アウトセル構造である。
電極間絶縁層及び表面保護層を実施例3と同様の材料と方法で製膜した以外は、比較例1と同様の方法で、アウトセル型のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
電極間保護層及び表面保護層を以下のように変更したこと以外は、比較例1と同様の方法で、アウトセル型のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
撹拌装置、滴下ロート、温度計、コンデンサー及びチッソ置換装置を付した1Lのフラスコ内を窒素ガスにより置換した後、脱水精製した500Lのジエチレングリコールモノメチルエーテル及び0.132molの3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)を投入し、この溶液を30℃〜35℃に保ちつつ、0.151molの3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を滴下ロートから30分間で添加し、この温度で5時間反応を行った。その後0.0302molの3−アミノプロピルトリエトキシシランを添加し、さらに2時間反応を行うことにより淡黄色透明な電極間保護層および表面保護層用の樹脂組成物が得られた。この樹脂組成物の回転粘度は160センチポアズであった。ここで回転粘度とはE型粘度計(株式会社東京計器製VISCONIC EMD)を使用して温度25℃で測定した粘度である。
電極間絶縁層及び表面保護層を比較例3と同様の材料と方法で製膜した以外は、実施例1と同様の方法でオンセル構造のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
表面保護層の膜厚を2.15μmで作製した以外は比較例4と同様の方法でオンセル構造のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
電極間絶縁層及び表面保護層は比較例4と同様の方法で作製し、それ以外は実施例4と同様の方法でインセル構造のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
電極間絶縁層及び表面保護層は、比較例5と同様の方法で、それ以外は実施例4と同様の方法でインセル構造のタッチパネル付液晶表示装置を作製した。
(Rthの測定方法)
タッチパネル付液晶表示装置のRthの測定は、AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeterを用いて実施した。タッチパネル付液晶表示装置の液晶の配向を白表示の状態にして、450nm、550nm、630nmでのRthを測定し、平均した値を本件のRth値とした。結果を表1に示す。
表示コントラスト(CR)は、輝度計((株)トプコン製 SR−3AR)を用いて実施した。タッチパネル付液晶表示装置の液晶の配向が白表示時の輝度をY1、黒表示時の輝度をY2とし、表示コントラストは、Y1÷Y2で表される値とした。結果を表1に示す。
また、比較例1において、タッチパネル層を配置する前の液晶表示装置の表示コントラストについても同様に測定した。タッチパネル層の配置する前の液晶表示装置の表示コントラストに対する、実施例1〜6および比較例1〜7におけるタッチパネル付液晶表示装置の表示コントラストの低下率(CR低下率)を求めた。結果を表1に示す。
一方、比較例4〜7のタッチパネル付液晶表示装置においては、コントラスト低下率が10%を超え、黒表示部分が灰色に見え、白表示部分および黒表示部分を明確に区別することができず、特に、両表示部分の境界を明確に表示することができず、一対の偏光板の間にタッチパネルを配置したことによる視認性の低下が確認された(表1中、否で示す)。
10 … タッチパネル
30 … 液晶セル
40α、40β … 偏光板
Claims (2)
- 樹脂から構成される絶縁性層を有するタッチパネルと、
液晶セルと、
前記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板とを有し、
前記タッチパネルが前記一対の偏光板の間に配置されているタッチパネル付液晶表示装置であって、
前記タッチパネルは、前記タッチパネルの厚み方向のレターデーションが前記タッチパネル付液晶表示装置全体の厚み方向のレターデーションが0〜4.0の範囲内となるように調整されたものであることを特徴とするタッチパネル付液晶表示装置。 - 前記樹脂が、アクリル樹脂またはカルド樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付液晶表示装置。
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