JP2013160785A - 画像記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホログラムにおけるコピープロテクションの機能を向上させる。
【解決手段】画像記録媒体は、屈折率変調により情報の記録されたホログラム記録層と、少なくとも一部にホログラム記録層との界面を有する再生色調整層とを備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、画像記録媒体に関する。本開示は、特に、コピープロテクションの機能が向上されたホログラム記録媒体に関する。
立体表示が可能なホログラムは、クレジットカード、身分証明書などの真贋判定のために使用されている。ホログラムの中でも、近年では、干渉パターンを記録層内部の屈折率の差として記録する体積型ホログラムが使用されることが多い。これは、体積型ホログラムの製造において、記録材料の入手が困難であるとともに、記録画像の制作に高度な技術が要求されるからである。
体積型ホログラムは、例えば、ホログラムが記録された原版(以下、オリジナル原版と適宜称する。)に対してホログラム用記録材料を密着または近接させ、オリジナル原版およびホログラム用記録材料に対してレーザ光を照射することにより、製造(量産)することができる。原版に記録されたホログラムをレーザ光により再生させ、原版に密着または近接させたホログラム用記録材料にホログラムを複製する手法は、コンタクトコピーと呼ばれる。
コンタクトコピーの手法によれば、真正に製造された体積型ホログラムに対して未露光のホログラム用記録材料を近接させ、記録波長と近い波長のレーザ光を照射することにより、体積型ホログラムの不正な複製が不可能ではない。そのため、真正に製造された体積型ホログラムが、コピープロテクションの機能を備えていることが望まれる。
体積型ホログラムに対して、コピープロテクションの機能を与える方法として、例えば、下記の特許文献1には、ホログラム記録層より観察者側に、部分的にパターニングされた光機能性フィルムを被着することが提案されている。
特開2010−217864号公報
ホログラムにおけるコピープロテクションの機能の向上が望まれている。
本開示の第1の好ましい実施態様は、
画像記録媒体が、屈折率変調により情報の記録されたホログラム記録層と、少なくとも一部にホログラム記録層との界面を有する再生色調整層とを備える。
本開示では、屈折率変調により情報の記録されたホログラム記録層に隣接して、画像記録媒体の観察者とは反対の側に再生色調整層が形成される。再生色調整層の硬化前においては、ホログラム記録層と再生色調整層との界面において、ホログラム記録層に対するケミカルアタックが生じる。ケミカルアタックにより、ホログラム記録層に記録された情報を再生させたときの再生色に変化が生じる。ホログラム記録層に記録された情報を再生させたときの再生色の変化は、再生色調整層の硬化が完了することにより停止される。言い換えれば、再生色調整層の硬化までの時間が制御されることにより、ホログラム記録層に記録された情報を再生させたときの再生色の変化が制御される。
本開示において、「色み」というときには、「色み」は、可視光領域波長の光から知覚される色みに限定されないものとする。すなわち、本開示における「色み」には、紫外領域の波長帯および赤外領域の波長帯など、人の視覚によっては直接的には認識できない“色み”も含まれるものとする。したがって、本開示における「再生色」には、紫外領域の波長帯または赤外領域の波長帯の光の照射などによって、人の目や撮像装置などにより確認できるような“色み”も含まれる。
少なくとも1つの実施例によれば、ホログラムにおけるコピープロテクションの機能を向上させることができる。
図1Aは、本開示の第1の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図1Bは、本開示の第1の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す平面図である。 図2A〜図2Cは、光重合型フォトポリマの感光プロセスを示す略線図である。 図3A〜図3Cは、第1の実施形態にかかる画像記録媒体の製造方法の一例の説明に使用する略線図である。 図4A〜図4Dは、第1の実施形態にかかる画像記録媒体の製造方法の一例の説明に使用する略線図である。 図5A〜図5Cは、第1の実施形態にかかる画像記録媒体の製造方法の一例の説明に使用する略線図である。 図6A〜図6Dは、第1の実施形態にかかる画像記録媒体の製造方法の一例の説明に使用する略線図である。 図7Aは、コンタクトコピーの説明に使用する略線図である。図7Bは、本開示の画像記録媒体を原版とする不正なコンタクトコピーを行ったときの干渉パターンの記録の説明に使用する略線図である。図7Cは、本開示の画像記録媒体からの再生像を模式的に示す平面図である。図7Dは、本開示の画像記録媒体を原版とする不正なコンタクトコピーがなされた記録媒体からの再生像を模式的に示す平面図である。 図8Aは、本開示の第2の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図8Bは、オリジナル原版に記録されたホログラム画像の複製後のホログラム記録層から観察されるホログラム画像の一例を示す平面図である。図8Cは、再生色調整層の形成の際に使用される刷版の一例を示す平面図である。図8Dは、完成後の画像記録媒体から観察されるホログラム画像の一例を示す平面図である。 図9Aは、本開示の第3の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図9Bは、図9Aに示すホログラムラベルを被着体から剥離しようとしたときのホログラムラベルの断面を示す模式図である。図9Cは、本開示の第3の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す平面図である。図9Dは、本開示の第3の実施形態にかかる画像記録媒体に付与されたタンパーエビデントの機能を説明するための図である。 図10Aは、本開示の第4の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図10Bは、本開示の第4の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す平面図である。図10Cは、画像記録媒体のうち、ホログラム記録層および再生色調整層のみを分離して模式的に示した略線図である。図10Dは、図10Bの状態から視点を変化させた状態で、図10Bに示す画像記録媒体を観察したときに観察される画像の一例を示す図である。 図11Aは、画像情報として文字の配列の記録された画像記録媒体の例を示す平面図である。図11Bは、画像記録媒体のうち、ホログラム記録層および再生色調整層のみを分離して模式的に示した略線図である。図11Cは、図11Aの状態から視点を変化させた状態で、図11Aに示す画像記録媒体を観察したときに観察される画像の一例を示す図である。 図12Aは、画像情報として二次元バーコードの記録された画像記録媒体の例を示す平面図である。図12Bは、図12Aの状態から視点を変化させた状態で、図12Aに示す画像記録媒体を観察したときに観察される画像の一例を示す図である。 図13Aは、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図13Bは、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す平面図である。図13Cおよび図13Dは、第5の実施形態にかかる画像記録媒体の製造方法の一例の説明に使用する略線図である。 図14Aおよび図14Bは、第5の実施形態にかかる画像記録媒体の製造方法の一例の説明に使用する略線図である。図14Cは、所定の角度方向からの紫外光の照明のもとにおいて、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の第1の変形例から再生される画像の一例を示す平面図である。 図15Aは、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の第2の変形例を示す断面図である。図15Bおよび図15Cは、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の第2の変形例を示す平面図である。 図16A〜図16Cは、本開示の実施形態にかかる画像記録媒体が適用されたパーソナルコンピュータを示す斜視図である。 図17Aは、サンプル1−1〜サンプル1−8の輝度Yの測定値をそれぞれ示すグラフである。図17Bは、サンプル1−1〜サンプル1−8の色度の測定結果に対応する点を、CIEが定めるYxy表色系の色度図上に示した図である。 図18Aは、サンプル2−1〜サンプル2−5の輝度Yの測定値をそれぞれ示すグラフである。図18Bは、サンプル2−1〜サンプル2−5の色度の測定結果に対応する点を、CIEが定めるYxy表色系の色度図上に示した図である。 図19Aは、サンプル3−1〜サンプル3−3の輝度Yの測定値をそれぞれ示すグラフである。図19Bは、サンプル3−1〜サンプル3−3の色度の測定結果に対応する点を、CIEが定めるYxy表色系の色度図上に示した図である。
以下、画像記録媒体の実施形態について説明する。説明は、以下の順序で行う。
<1.第1の実施形態>
[1−1.画像記録媒体の概略的構成]
(1−1−1.ホログラム記録層)
(1−1−2.再生色調整層)
(1−1−3.保護層)
(1−1−4.中間接着層)
(1−1−5.基材層)
(1−1−6.接着層)
(1−1−7.セパレータ)
[1−2.画像記録媒体の製造方法の一例]
(1−2−1.再生色調整層のパターニング形成の第1の例)
(1−2−2.再生色調整層のパターニング形成の第2の例)
[1−3.コピープロテクション]
<2.第2の実施形態>
[2−1.画像記録媒体の概略的構成]
(2−1−1.再生色調整層)
[2−2.画像記録媒体の製造方法の一例]
(2−2−1.再生色調整層のパターニング形成の例)
<3.第3の実施形態>
[3−1.画像記録媒体の概略的構成]
(3−1−1.再生色調整層)
<4.第4の実施形態>
[4−1.画像記録媒体の概略的構成]
(4−1−1.再生色調整層)
<5.第5の実施形態>
[5−1.画像記録媒体の概略的構成]
[5−2.画像記録媒体の製造方法の一例]
[5−3.画像記録媒体の第1の変形例]
[5−4.画像記録媒体の第2の変形例]
[5−5.画像記録媒体の応用例]
<6.変形例>
なお、以下に説明する実施形態は、画像記録媒体の好適な具体例である。以下の説明においては、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、特に本開示を限定する旨の記載がない限り、画像記録媒体の例は、以下に示す実施形態に限定されないものとする。
<1.第1の実施形態>
[1−1.画像記録媒体の概略的構成]
図1Aは、本開示の第1の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図1Bは、本開示の第1の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す平面図である。図1Aは、図1BのI−I断面に対応する図である。
図1Aに示すように、第1の実施形態にかかる画像記録媒体1は、ホログラム記録層3と、再生色調整層5とを備えている。ホログラム記録層3には、屈折率変調により、情報が記録されている。再生色調整層5の少なくとも一部は、ホログラム記録層3との界面を有している。
画像記録媒体1の観察者は、画像記録媒体1が所定の方向から照明されることにより、図1Bに示すように、ホログラム記録層3に記録された情報を観察することができる。図1Bでは、ホログラム記録層のうち、ホログラム画像の記録された部分を白色により示した。
画像記録媒体1が再生色調整層5を備えるため、図1Bに示すように、画像記録媒体1は、画像記録媒体1の観察者に観察される画像において、色みの異なる複数の領域を有している。図1Bでは、ホログラム画像において再生色の異なる領域を、白色および網掛けにより区別した。
以下、図1Aおよび図1Bを参照しながら、ホログラム記録層3および再生色調整層5について順に説明する。
(1−1−1.ホログラム記録層)
ホログラム記録層3は、情報がホログラフィックに記録される層である。ホログラム記録層3は、具体的には、例えば、光重合型フォトポリマからなるフォトポリマ層である。すなわち、情報の記録されたホログラム記録層3は、屈折率変調により情報が記録された体積型ホログラムの層である。
図2A〜図2Cは、光重合型フォトポリマの感光プロセスを示す略線図である。光重合型フォトポリマは、初期状態では、図2Aに示すように、モノマMがマトリクスポリマに均一に分散している。
図2Bに示すように、光重合型フォトポリマに対して10〜400mJ/cm2程度のパワーの光LAを照射すると、露光部においてモノマMが重合する。そして、ポリマ化するにつれて周囲からモノマMが移動してモノマMの濃度が場所によって変化し、これにより、屈折率変調が生じる。
この後、図2Cに示すように、1000mJ/cm2程度のパワーの光LBを光重合型フォトポリマの全面に照射することにより、モノマMの重合が完了する。1000mJ/cm2程度のパワーの光LBは、例えば、紫外線や可視光である。
このように、光重合型フォトポリマは、入射された光に応じて屈折率が変化するので、参照光と物体光との干渉によって生じる干渉パターンを、屈折率の変化として記録することができる。光重合型フォトポリマを用いた画像記録媒体1は、露光後に特別な現像処理を施す必要がない。そのため、画像記録媒体1に光重合型フォトポリマを用いることにより、ホログラム複製装置の構成を簡略化することができる。
(1−1−2.再生色調整層)
再生色調整層5は、例えば、画像記録媒体1を被着体に貼りつけるための接着層とホログラム記録層3との間に配置される層である。再生色調整層5の少なくとも一部は、例えば、図1Aに示すように、ホログラム記録層3と接している。
ホログラム記録層3と隣接して再生色調整層5を配置することにより、画像記録媒体1から観察される画像の再生色を、ホログラム記録時の物体光の波長に対応する色みとは異なった色みとすることができる。すなわち、再生色調整層5は、ホログラム記録層3から観察される画像の再生色を、ホログラム記録時の色みからシフトさせる機能を有する層である。
再生色調整層5は、例えば、エネルギ線硬化材料からなる層であり、再生色調整層5は、エネルギ線硬化性化合物および重合開始剤を含有する。
エネルギ線硬化性化合物としては、例えば、光ラジカル重合性化合物、光カチオン重合性化合物が挙げられる。
光ラジカル重合性化合物としては、例えば、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアリールアクリレート、アクリル変性カルボン酸、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、多官能アクリレートや、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ネオペンチルグリコールのアクリル酸安息香酸混合エステルなどその他のアクリレート、または、これらのメタクリレート体などが挙げられる。光カチオン重合性化合物としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基含有ポリエステル樹脂、エポキシ基含有ポリウレタン樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、オキセタニル基を有する化合物などが挙げられる。
重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系、ベンゾインアルキルエーテル系などの光ラジカル重合開始剤、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステルなどの光カチオン重合開始剤が挙げられる。重合開始剤としては、使用するエネルギ線の種類に合わせて選択され、二種以上を組み合わせて用いることができる。
エネルギ線(放射線)としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。このとき、エネルギ線硬化材料は、具体的には、例えば、紫外線硬化樹脂である。必要に応じて、エネルギ線硬化材料に、光増感剤、帯電防止剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機系粒子、無機酸化物粒子、金属粉末、顔料、染料などが含有されていてもよい。
後述するように、例えば、エネルギ線硬化材料をホログラム記録層3に塗布すると、ホログラム記録層3に対するケミカルアタックが生じる。すると、ホログラム記録層3に記録された情報を再生させたときの再生色が、ホログラム記録時における色みから変化した色みとなる。
ケミカルアタックによる、ホログラム記録層3に記録された情報を再生させたときの再生色の変化(以下、単に「カラーシフト」と適宜称する。)の度合いは、再生色調整層5に含まれるエネルギ線硬化性化合物の重合の完了までの時間に依存する。言い換えれば、ホログラムのカラーシフトの度合いは、ホログラム記録層3に対する、再生色調整層5を構成する材料の配置から再生色調整層5の硬化までの時間に依存する。
すなわち、本開示によれば、ホログラムをカラーシフトさせるだけでなく、カラーシフトにおいて、ホログラムを所望の再生色に“色留め”することが可能である。例えば、情報の記録後のホログラム記録層3に紫外線硬化樹脂を塗布した後、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して再生色調整層5を形成する場合、紫外線硬化樹脂の塗布から紫外線の照射までの時間により、カラーシフトの度合いを管理することが可能である。
また、再生色調整層5を構成する材料を選択することにより、カラーシフトが短波長側へのカラーシフトであるか、長波長側へのカラーシフトであるかを選択することも可能である。
このように、本開示では、ホログラム記録層3に記録された情報を再生させたときの再生色を、ホログラム記録時における色みから所望の色みに変化させることができる。
図1Aおよび図1Bに示すように、再生色調整層5には、例えば、パターニングがなされている。図1Aおよび図1Bに示す構成例では、再生色調整層5が、パターニングにより形成された第1の部分5aおよび第2の部分5bを備えている。図1Aでは、第2の部分5bを、斜線および網掛けにより示した。
したがって、図1Aおよび図1Bに示す画像記録媒体1は、再生色調整層5に設けられた第1の部分5aに対応する第1の領域R1および第2の部分5bに対応する第2の領域R2を備えている。なお、図1Aおよび図1Bでは、再生色調整層5が2つの部分にパターニングされる例を示したが、再生色調整層5が、さらに多くの部分にパターニングされていてもかまわない。すなわち、画像記録媒体1が、さらに多くの領域を備えていてももちろんかまわない。
再生色調整層5が、例えば、第1および第2の部分を備えることに対応して、ホログラム記録層における、ホログラム画像の記録された部分は、第1の部分5aとの重なりを有する部分WSと、第2の部分5bとの重なりを有する部分CSとに区分される。この場合、画像記録媒体1を所定の方向から照明すると、画像記録媒体1の観察者に観察される画像の色みは、第1の部分5aとの重なりを有する部分WSと、第2の部分5bとの重なりを有する部分CSとで相異なる色みとなる。
再生色調整層5のパターニングは、例えば、再生色調整層5の硬化までの時間の長短によりなされる。例えば、再生色調整層5を構成する材料として紫外線硬化樹脂を使用する場合、情報の記録後のホログラム記録層3に紫外線硬化樹脂を塗布した後、塗布された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することにより、再生色調整層5を形成する。このとき、紫外線硬化樹脂に対する紫外線の照射の際に、マスクなどを使用して紫外線の一括照射を行えば、再生色調整層5の硬化までの時間を、再生色調整層5の面内で複数の部分ごとに異ならせることができる。
この場合、マスクされた部分では、マスクされなかった部分と比較して、硬化前の紫外線硬化樹脂が、ホログラム記録層3に対してより長い時間接することになる。そのため、マスクされた部分のカラーシフトの度合いを、マスクされなかった部分と比較して、より大きくすることができる。
例えば、紫外線硬化樹脂に対して、ライン状の光源から光を照射させたり、スポット光源からの光を走査させたりすることにより、再生色調整層5の硬化までの時間を、再生色調整層5の面内で異ならせるようにしてもよい。この場合も、ホログラムのカラーシフトの度合いを再生色調整層5における部分ごとに管理することが可能である。
または、例えば、再生色調整層5を構成する材料を、再生色調整層5の面内における部分ごとに異ならせることにより、再生色調整層5のパターニングを行うことも可能である。例えば、再生色調整層5の面内において、第1の部分5aを構成する材料と第2の部分5bを構成する材料とを異ならせることにより、第1の部分5aと第2の部分5bとで、ホログラムのカラーシフトの度合いや、波長をシフトさせる方向を異ならせることができる。
すなわち、例えば、波長が約532nmの緑色レーザにより、ホログラム記録層3にホログラムの記録を行ったとする。ここで、再生色調整層5を形成する際に、第1の部分5aを構成する材料と第2の部分5bを構成する材料とを適宜選択することにより、画像記録媒体1の第1の領域R1において再生される画像を、例えば、黄色みを帯びた画像とすることができる。また、画像記録媒体の第2の領域R2において再生される画像を、例えば、青みを帯びた画像とすることができる。
この場合における再生色調整層5のパターニングは、ホログラム記録層3の一主面上で第1の部分5aを構成する材料および第2の部分5bを構成する材料を塗り分けることにより実現される。ホログラム記録層3の一主面上における、第1の部分5aを構成する材料および第2の部分5bを構成する材料の塗り分けには、例えば、印刷法を適用することができる。印刷法としては、例えば、インクジェット印刷の方式やスクリーン印刷法などを適用することができるが、印刷法としては、これらに限定されるものではない。
複数の材料の塗り分けと、再生色調整層5の各部分の硬化までの時間の管理とを組み合わせてもよい。
一般的に、印刷に使用されるインクは、樹脂材料と着色剤との混合物である。例えば、紫外線硬化樹脂と着色剤との混合物は、いわゆる紫外線インクを構成する。
そのため、樹脂材料を用いて再生色調整層5を形成する場合、印刷法の適用も容易である。したがって、例えば、印刷法を適用することにより、第1の部分5aを構成する材料および第2の部分5bを構成する材料の塗り分けも容易に実現することができる。
再生色調整層5自体の色みは、特に限定されないが、再生色調整層5が黒色の層とされていることが好ましい。ホログラムの背景となる再生色調整層5自体を黒色とするのは、商品などに貼り付けた場合に、ホログラムのコントラストが高まり、ホログラム記録層3に記録された情報が見やすくなるからである。ここで、黒色であるとは、OD(OPTICAL DENSITY)にて1.0以上、JIS Z 8729に規定されるL***表色系における明度において30以下、または、可視光領域波長400〜750nmにおける平均反射率が20%以下の範囲であることを指す。OD、明度または平均反射率が上述した範囲内であると、ホログラムが観察しやすく、好ましい。
再生色調整層5を黒色とするには、再生色調整層5が、黒色の着色剤を含有すればよく、黒色の着色剤としては、例えば、黒色の顔料や黒色の染料が挙げられる。黒色の顔料としては、例えば、カーボンブラック、銅−鉄−マンガン、アニリンブラックなどの黒色顔料を挙げることができる。黒色の染料としては、例えば、アシッドブラック、クロムブラック、リアテクティブブラックなどの黒色染料を挙げることができる。
なお、再生色調整層5に対してレーザ光などを照射し、再生色調整層5自体の色みを変化させてもよい。例えば、再生色調整層5に対してレーザ光が照射されることにより、レーザ光の照射された部分が、発泡、凝縮、炭化または化学変化を起こして、もとの色みとは異なった色みとなる。したがって、文字状や記号状などにレーザ光を照射することにより、再生色調整層5に印字を行うことも可能である。
上述したように、画像記録媒体1は、例えば、再生色調整層5に設けられた第1の部分5aに対応する第1の領域R1および再生色調整層5に設けられた第2の部分5bに対応する第2の領域R2を備える。そのため、所定の方向から画像記録媒体1を照明すると、第1の領域R1において再生される画像の再生色と第2の領域R2において再生される画像の再生色とが異なったものとなる。
後述するように、画像記録媒体の面内において、ホログラム記録層3から観察される画像の再生色の相異なる部分が複数存在していると、不正なコンタクトコピーが困難となる。したがって、本開示によれば、画像記録媒体のコピープロテクションの機能を向上させることができる。
図1Aに示すように、画像記録媒体1には、必要に応じて、保護層7、中間接着層9、基材層11、接着層13およびセパレータ15が設けられる。以下、保護層7、中間接着層9、基材層11、接着層13およびセパレータ15について順に説明する。
(1−1−3.保護層)
保護層7は、画像記録媒体1に対する傷の防止や帯電の防止を目的として設けられる層である。保護層7は、ホログラム記録層3における、画像記録媒体1の観察者側の主面上に形成される。すなわち、画像記録媒体1の観察者は、ホログラム記録層3からの再生光を、保護層7を介して観察する。
保護層7は、例えば、光透過性を有する樹脂シートまたは樹脂フィルムである。保護層7の材料としては、可視光領域で高い透明性を有している材料から選択されることが好ましい。保護層7の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマ、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、アラミドなどを挙げることができる。
(1−1−4.中間接着層)
中間接着層9は、例えば、保護層7、ホログラム記録層3および再生色調整層5の積層体と、後述する基材層11、接着層13およびセパレータ15の積層体との間に介在され、これらの積層体を一体とするために設けられる接着層である。中間接着層9を配置することにより、例えば、ホログラム記録層3への情報の記録と、基材層11、接着層13およびセパレータ15などからなる積層体の形成とを別工程とすることができる。
中間接着層9は、例えば、接着剤からなる層である。なお、本明細書中で単に「接着」という場合には、「接着」は、「粘着」を含むものとする。
接着剤としては、例えば、感圧型、エネルギ線硬化型または熱硬化型の接着剤を挙げることができる。
感圧型の接着剤(粘着剤)としては、例えば、天然ゴム系、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合樹脂などの合成ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン、ロジントリグリセリド、水素化ロジンなどのロジン系樹脂などを使用することができる。
エネルギ線硬化型接着剤は、エネルギ線硬化性化合物および重合開始剤を含有する接着剤である。エネルギ線硬化性化合物および重合開始剤としては、再生色調整層と同様のものを用いることができる。
熱硬化型の接着剤としては、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系などの接着剤を使用することができる。
ここで、例えば、ホログラム記録層3と、基材層11などを含む積層体とを一体的に接着しようとする場合、ホログラム記録層3を構成する材料に対する、中間接着層9からのケミカルアタックの影響を考慮しなければならない。
従来、ホログラム記録層と接するようにして中間接着層が形成される画像記録媒体の製造においては、中間接着層からのケミカルアタックを防止するために、中間接着層を構成する材料が特殊なものに限られていた。すなわち、中間接着層を構成する材料として、例えば、特殊なゴム系接着剤(粘着剤)を使用しなければならなかった。
しかしながら、特殊なゴム系接着剤(粘着剤)をはじめとする、ホログラム記録層に対してケミカルアタックを起こしにくい接着剤は、一般に、ホログラム記録層との間の剥離強度が小さい。したがって、画像記録媒体から剥離されたホログラム記録層を原版としてコンタクトコピーされるおそれがあった。さらに、ホログラム記録層に対してケミカルアタックを起こしにくい接着剤は高価であるため、そのような接着剤を使用すると、画像記録媒体の製造コストの上昇を招いてしまう。
本開示では、硬化後の再生色調整層5がブロッキング層として機能するため、中間接着層9を構成する材料として、例えば、汎用アクリル系接着剤(粘着剤)など、汎用性のある材料を使用することができる。したがって、本開示によれば、従来の構成の場合と比較して、画像記録媒体1を安価に製造することが可能である。
(1−1−5.基材層)
基材層11は、例えば、画像記録媒体1の形状の保持を目的として設けられる層である。また、基材層11の一主面上に接着剤が塗布されることにより、中間接着層9や後述する接着層13が形成される場合には、基材層11は、中間接着層9や後述する接着層13の形成時におけるベースフィルムとして機能する。
基材層11の材料としては、例えば、樹脂材料や紙、金属箔などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、基材層11の材料としては、透明性は必ずしも要求されないが、基材層11の材料として、保護層7の材料と同様の材料が選択されてもよい。被着体に対する貼りつけを容易にする観点から、基材層11は、折り曲げが自在であることが好ましい。
(1−1−6.接着層)
接着層13は、画像記録媒体1を被着体に接合するための接着層(粘着層)である。接着層13としては、例えば、中間接着層9に使用することができる材料を使用することができ、例えば、感圧型の接着剤(粘着剤)を使用することができる。または、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体などの熱可塑性エラストマや、反応ホットメルト性樹脂などを粘着剤として使用してもよい。
粘着剤として、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などのヒートシール剤を使用してもよい。
(1−1−7.セパレータ)
接着層13の表面上に、セパレータ15がさらに設けられてもよい。接着層13の表面上にセパレータ15がさらに設けられることにより、画像記録媒体1の取り扱いが容易となる。
セパレータ15としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートのフィルムやポリプロピレンのフィルムなどを、フッ素系離型剤やシリコーン系離型剤などにより離型処理した樹脂フィルムを使用することができる。または、剥離紙を使用してもよい。
[1−2.画像記録媒体の製造方法の一例]
以下、図3A〜図3C、図4A〜図4D、図5A〜図5Cおよび図6A〜図6Dを参照しながら、第1の実施形態にかかる画像記録媒体1の製造方法の一例について説明する。なお、図面の大きさの制約から、一連の製造工程を図3A〜図3C、図4A〜図4D、図5A〜図5Cおよび図6A〜図6Dに分割して示しているが、生産性を考慮して、この製造方法の一部または全部のプロセスをロールツーロール(Roll to Roll)により行うようにしてもよい。
まず、図3Aに示すように、光透過性を有するシート状の樹脂フィルム7sの一主面上に、光重合型フォトポリマがシート状に塗布されることにより、フォトポリマ層3rが形成される。このとき、光重合型フォトポリマは、未硬化または半硬化状態(以下、この状態をウェット状態と適宜称する。)とされる。
図3Aに示す樹脂フィルム7sは、フォトポリマ層3rの形成において、フォトポリマ層3rの形成のためのベースフィルムとして機能し、画像記録媒体1の完成後においては、上述した保護層7として機能する。
次に、例えば、図3Bに示すように、ホログラム画像の記録されたオリジナル原版100とのコンタクトコピーにより、オリジナル原版100に記録されているホログラム画像が、フォトポリマ層3rに複製される。
オリジナル原版100に記録されているホログラム画像の複製においては、例えば、図3Bに示すように、フォトポリマ層3rとオリジナル原版100とが互いに密着され、フォトポリマ層3rおよびオリジナル原版100に対して、記録用のレーザ光Ldが照射される。レーザ光Ldの波長は、オリジナル原版100に対するホログラム画像の記録に使用されたレーザ光の波長と同一とされる。
ホログラムの複製の工程において、フォトポリマ層3rの光重合型フォトポリマがウェット状態であると、オリジナル原版100とフォトポリマ層3rとの間に空気が入ることを抑制でき、ホログラムの複製が安定する。また、別個に密着液を使用する必要がないので、オリジナル原版100およびフォトポリマ層3rの界面に光学密着液を塗布して密着させてオリジナル原版100とフォトポリマ層3rとの間から空気を除去する工程を不要とできる。
オリジナル原版100は、例えば、記録済のホログラム層103がガラス板101aおよびガラス板101bの間に挟まれたものである。フォトポリマ層3rおよびオリジナル原版100に対して、記録用のレーザ光Ldが照射されることにより、オリジナル原版100からの回折光(物体光)とレーザ光Ld(参照光)との干渉パターンが、屈折率の変化としてフォトポリマ層3rに記録される。このようにして、オリジナル原版100に記録されているホログラム画像が、フォトポリマ層3rに複製される。
オリジナル原版100からのホログラムの複製にかえ、または、オリジナル原版100からのホログラムの複製とともに、個々の画像記録媒体を識別するための識別情報を、ホログラム画像としてフォトポリマ層3rに記録してもよい。識別情報の形態としては、例えば、シリアル番号や一次元バーコード、二次元バーコードなどが挙げられる。
識別情報などの付加情報をホログラム画像としてフォトポリマ層3rに記録するには、例えば、図3Bに示すように、付加情報の重畳されたレーザ光Laを、オリジナル原版100を介してフォトポリマ層3rに入射すればよい。レーザ光に付加情報を重畳するには、例えば、付加情報を画像として表示させた液晶パネルなどの空間変調素子を通過させることにより、レーザ光を変調すればよい。
付加情報の重畳されたレーザ光Laが、オリジナル原版100を介してフォトポリマ層3rに照射されることにより、付加情報の重畳されたレーザ光La(物体光)とレーザ光Ld(参照光)との干渉パターンが、屈折率の変化としてフォトポリマ層3rに記録される。レーザ光Laおよびレーザ光Ldは、例えば、同一の光源から出射されたレーザ光が分岐されることにより生成される。
なお、付加情報の重畳されたレーザ光Laを、オリジナル原版100を介してフォトポリマ層3rに入射することにかえ、ホログラム画像とともに付加情報の記録されているホログラムをオリジナル原版100としてもよい。この場合は、記録用のレーザ光Ldが照射されることにより、ホログラム画像および付加情報が、ともにフォトポリマ層3rに複製される。
次に、光重合型フォトポリマが、記録画像を定着させるために紫外線照射や加熱といった後処理を必要とする場合には、オリジナル原版100からのホログラムの複製に続けて後処理が行われる。
例えば、図3Cに示すように、樹脂フィルム7sおよびフォトポリマ層3rの積層体に対して、紫外線ランプUL1により紫外線が照射されることにより、モノマMの重合が完了し、保護層7(樹脂フィルム7s)およびホログラム記録層3の積層体(以下、第1の積層体LB1と適宜称する。)が得られる。また、例えば、ヒートローラにより第1の積層体LB1が加熱され、オリジナル原版100から複製されたホログラム画像の定着がなされる。上述したような後処理により、光重合型フォトポリマの屈折率変調度が増加し、オリジナル原版100から複製されたホログラム画像がホログラム記録層3に定着する。
次に、ホログラム記録層3の表面上に、例えば、紫外線硬化樹脂が塗布されることにより、ホログラム記録層3の表面上に再生色調整層5が形成される。このとき、ホログラム記録層3の表面上に塗布された紫外線硬化樹脂は、ウェット状態である。
ホログラム記録層3の表面上に対する紫外線硬化樹脂の塗布には、例えば、ロールコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、ダイコータ、リバースコータなどを用いることができる。または、ホログラム記録層3の表面上に対する紫外線硬化樹脂の塗布には、例えば、各種の印刷法を適用することができる。
ホログラム記録層3の表面への再生色調整層5の形成に際しては、再生色調整層5のパターニングが可能である。以下、再生色調整層5の面内において、再生色調整層5の硬化までの時間を複数の領域ごとに異ならせることによりパターニングを行う例および再生色調整層5を構成する材料を複数の領域ごとに異ならせることによりパターニングを行う例について順に説明する。
(1−2−1.再生色調整層のパターニング形成の第1の例)
再生色調整層5のパターニング形成の第1の例は、再生色調整層5を面内で複数の領域に区分し、区分された複数の領域ごとに再生色調整層5の硬化までの時間を異ならせる例である。
第1の例では、まず、図4Aに示すように、ホログラム記録層3の表面の全面に、例えば、紫外線硬化樹脂5rが塗布される。
次に、図4Bに示すように、例えば、紫外線硬化樹脂5rの塗布された第1の積層体LB1と紫外線ランプUL2との間に、所望の形状のマスクMSが配置される。次に、紫外線硬化樹脂5rの塗布された第1の積層体LB1およびマスクMSに対して、紫外線ランプUL2から紫外線が照射される。すなわち、ホログラム記録層3の表面に塗布された紫外線硬化樹脂5rのうち、マスクされなかった領域における紫外線硬化樹脂の硬化が完了する。
次に、図4Cに示すように、マスクMSが取り除かれた後、所定の時間間隔をおいて、ホログラム記録層3の表面に塗布された紫外線硬化樹脂5rの全面に対して紫外線が照射される。ホログラム記録層3の表面に塗布された紫外線硬化樹脂5rの全面に対して紫外線が照射されることにより、残余の領域(マスクされていた領域)における紫外線硬化樹脂の硬化も完了する。すなわち、ホログラム記録層3の一主面上への再生色調整層5xの形成が完了する。
ここで、ホログラム記録層3の表面に紫外線硬化樹脂5rが塗布されると、ホログラム記録層3に対する紫外線硬化樹脂5rのケミカルアタックが始まるが、紫外線硬化樹脂5rが硬化してしまうと、それ以上のケミカルアタックは起こらない。
第1の例では、マスクされていなかった領域における紫外線硬化樹脂の硬化までの時間が、マスクされていた領域における紫外線硬化樹脂の硬化までの時間よりも短い。そのため、マスクされていなかった領域では、マスクされていた領域と比較して、ホログラム記録層3に対するケミカルアタックの影響が小さくなる。言い換えれば、マスクされていなかった領域では、マスクされていた領域と比較して、ホログラム記録層3に複製されたホログラムのカラーシフトの度合いが小さくなる。
このとき、ホログラム記録層3に記録されているホログラム画像を観察すると、マスクされていなかった領域に対応する部分と、マスクされていた領域に対応する部分とでは、観察されるホログラム画像の再生色が異なったものとなる。したがって、再生色調整層5xの面内において、再生色調整層5xの硬化までの時間を複数の領域ごとに異ならせることにより、再生色調整層5のパターニングが可能である。
または、例えば、マスクMSを使用せずに、紫外線硬化樹脂5rに対して、ライン状の光源から光を照射させたり、スポット光源からの光を走査させたりすることにより、再生色調整層5xの硬化までの時間を、再生色調整層5xの面内で異ならせることも可能である。
この場合は、ホログラム記録層3の表面の全面に塗布された紫外線硬化樹脂5rの一部に対して、例えば、図4Dに示すように、スポット光源Ssから発せられた紫外線を照射する。すると、ホログラム記録層3の表面の全面に塗布された紫外線硬化樹脂5rのうち、紫外線の照射された部分のみが、他の部分よりも先に硬化することになる。その後、所定の時間間隔をおいて、ホログラム記録層3の表面に塗布された紫外線硬化樹脂5rの全面に対して紫外線を照射することにより、再生色調整層5xの硬化までの時間を、再生色調整層5xの面内で異ならせることができる。
この場合も、ホログラム記録層3に記録されているホログラム画像を観察すると、先に紫外線が照射された領域に対応する部分と、その他の領域に対応する部分とでは、観察されるホログラム画像の再生色が異なったものとなる。
このとき、先に紫外線の照射を行う領域の位置や数、形状などに関する情報と、ホログラム記録層3に記録された識別情報とが、関連づけられていてもよい。例えば、個々の画像記録媒体1を区別するための識別情報として、それぞれの画像記録媒体1にシリアル番号をホログラムとして記録しておき、先に紫外線の照射を行う領域の位置を、各シリアル番号の末尾の数字に対応させて異ならせることができる。すなわち、先に紫外線の照射を行う領域の位置や形状に関する情報と、ホログラム記録層3に記録された識別情報を関連づけることにより、画像記録媒体1のコピープロテクションの機能および真贋判定機能をより向上させることができる。
さらに、例えば、再生色調整層5を構成する材料に対して照射する光の強さを部分的に異ならせることにより、区分された複数の領域ごとに再生色調整層5の硬化までの時間を異ならせることも可能である。
例えば、再生色調整層5を構成する材料として紫外線硬化樹脂が選択される場合には、ホログラム記録層3の表面に塗布された紫外線硬化樹脂に対する紫外線強度(紫外線の照度といってもよい。)を部分的に異ならせるようにしてもよい。
なお、ホログラム記録層3の表面に塗布される、再生色調整層5を構成する材料の厚さを部分的に異ならせておくことにより、区分された複数の領域ごとに再生色調整層5の硬化までの時間を異ならせることもできる。
再生色調整層5を構成する材料の厚さを部分的に異ならせておく手法によれば、再生色調整層5を構成する材料に対する光照射の条件を変更する場合と比較して、より簡便かつ確実に、ホログラムのカラーシフトの度合いをコントロールすることができる。
(1−2−2.再生色調整層のパターニング形成の第2の例)
再生色調整層5のパターニング形成の第2の例は、再生色調整層5を面内で複数の領域に区分し、区分された複数の領域ごとに再生色調整層5を構成する材料を異ならせる例である。以下では、再生色調整層5を構成する材料として、二種類の紫外線硬化樹脂が使用される例についての説明を行うが、三種類以上の紫外線硬化樹脂が使用されてもかまわない。また、再生色調整層5を構成する材料として、紫外線硬化樹脂以外の材料が使用されてももちろんかまわない。
第2の例では、まず、図5Aに示すように、ホログラム記録層3の表面の少なくとも1部に、例えば、第1の紫外線硬化樹脂5raが塗布される。
次に、図5Bに示すように、ホログラム記録層3の表面のうち、第1の紫外線硬化樹脂5raの塗布されなかった領域に、第2の紫外線硬化樹脂5rbが塗布される。第2の紫外線硬化樹脂5rbは、第1の紫外線硬化樹脂5raの塗布されなかった領域にのみ選択的に塗布されてもよいし、第1の紫外線硬化樹脂5raの塗布された領域に重ねて塗布されていてもよい。
なお、図5Aおよび図5Bでは、ホログラム記録層の表面に対して、第1の紫外線硬化樹脂5raと第2の紫外線硬化樹脂5rbとが順に塗布される例を示したが、もちろん、この例に限られない。印刷法を適用すれば、再生色調整層5における、第1の紫外線硬化樹脂5raからなる第1の部分と、第2の紫外線硬化樹脂5rbからなる第2の部分とを同時に形成することも容易である。
次に、ホログラム記録層3の表面に塗布された第1の紫外線硬化樹脂5raおよび第2の紫外線硬化樹脂5rbに対して、紫外線が照射される。ホログラム記録層3の表面に塗布された第1の紫外線硬化樹脂5raおよび第2の紫外線硬化樹脂5rbに対して紫外線が照射されることにより、ホログラム記録層3に隣接して、第1の紫外線硬化樹脂5raおよび第2の紫外線硬化樹脂5rbによりパターニングされた再生色調整層5yが形成される。
第1の例と同様に、ホログラム記録層3の表面に第1の紫外線硬化樹脂5raまたは第2の紫外線硬化樹脂5rbが塗布されることにより、ホログラム記録層3に対するケミカルアタックが生じる。また、第1の紫外線硬化樹脂5raまたは第2の紫外線硬化樹脂5rbの硬化が完了することにより、ホログラム記録層3に対するケミカルアタックは停止される。
ここで、第2の例では、第1の紫外線硬化樹脂5raおよび第2の紫外線硬化樹脂5rbの二種類の材料により、再生色調整層5yが構成されることになる。そのため、第1の紫外線硬化樹脂5raおよび第2の紫外線硬化樹脂5rbの組成の違いにより、ホログラムのカラーシフトの度合いに差が生じる。したがって、画像記録媒体1から観察されるホログラム画像の再生色は、再生色調整層5yのパターニングに応じたパターニングを有するものとなる。この場合も、第1の例と同様に、ホログラムのカラーシフトの度合いを再生色調整層5yにおける部分ごとに管理することができる。
また、第1の紫外線硬化樹脂5raおよび第2の紫外線硬化樹脂5rbの組成の違いによっては、ホログラムの再生光のピーク波長のシフトする方向が、相異なったものとなる。したがって、ホログラムの再生光のピーク波長のシフトする方向を再生色調整層5yにおける部分ごとに管理することもできる。
このように、第2の例においても、ホログラム記録層3と隣接して、パターニングされた再生色調整層5yを形成することにより、ホログラム記録層3に意図的にケミカルアタックを発生させることができる。さらに、ホログラムのカラーシフトの度合いなどをコントロールすることができる。
なお、第1の例と同様に、再生色調整層5yの硬化までの時間が、再生色調整層5yの面内の部分ごとにコントロールされていてもよい。または、例えば、ホログラムの再生光のピーク波長のシフトする方向がコントロールされた領域の位置や数、形状などに関する情報と、ホログラム記録層3に記録された識別情報とが関連づけられていてもよい。
ホログラム記録層3に隣接して再生色調整層5の形成された積層体(以下、第2の積層体LB2と適宜称する。)に対しては、例えば、基材層11、接着層13およびセパレータ15の積層体(以下、第3の積層体LB3と適宜称する。)との貼り合わせが行われる。
例えば、図6Aに示すように、基材層11、接着層13およびセパレータ15からなる第3の積層体LB3が準備され、例えば、図6Bに示すように、基材層11の表面に、接着剤9rが塗布される。
次に、例えば、図6Cに示すように、基材層11の表面に形成された接着剤9rの層と、再生色調整層5とが対向するようにして、第2の積層体LB2と、第3の積層体LB3とが、接着剤9rの層を介して貼り合わせられる。
例えば、基材層11の表面に塗布された接着剤9rが紫外線硬化型の接着剤である場合には、例えば、図6Dに示すように、第2の積層体LB2と、第3の積層体LB3とが一体とされた状態で、例えば、紫外線ランプUL3により紫外線の照射が行われる。接着剤9rの層に対して紫外線の照射が行われることにより、接着剤9rの層が硬化し、中間接着層9が形成される。
上述した工程を経て、本開示の実施形態にかかる画像記録媒体1が得られる。
なお、基材層11の表面に接着剤が塗布されることにかえ、再生色調整層5の表面に接着剤9rが塗布されることにより、再生色調整層5と基材層11との間に介在される中間接着層9が形成されてもよい。または、基材層11の表面にあらかじめ接着剤9rの層が形成された積層体と、第2の積層体LB2とが貼り合わされることにより、画像記録媒体1が構成されてもよい。基材層11の表面にあらかじめ接着剤9rの層を形成しておくことにより、画像記録媒体1をより薄く構成することができる。
第2の積層体LB2と、第3の積層体LB3との貼り合わせを行わずに、再生色調整層5の表面に接着剤を直接に塗布することにより、保護層7、ホログラム記録層3、再生色調整層5および接着層9からなる積層体を画像記録媒体1としてもよい。
[1−3.コピープロテクション]
ここで、画像記録媒体1のコピープロテクションの機能について説明する。
図7Aは、コンタクトコピーの説明に使用する略線図である。図7Bは、本開示の画像記録媒体を原版とする不正なコンタクトコピーを行ったときの干渉パターンの記録の説明に使用する略線図である。
画像記録媒体1を原版とする不正なコンタクトコピーにおいては、例えば、図7Aに示すように、複製用記録媒体71が、画像記録媒体1に対して直接密着されるか、屈折率調整液などを介して密着される。複製用記録媒体71は、例えば、透明基材上にホログラム記録層が形成された記録媒体であり、複製用記録媒体71のホログラム記録層が、画像記録媒体1の保護層7側に密着される。さらに、空間フィルタ75およびコリメータレンズ77を介して、レーザ光源73からのレーザ光Bが、画像記録媒体1および複製用記録媒体71に照射される。
レーザ光Bの照射により、画像記録媒体1に記録された情報が再生される。画像記録媒体1に記録された情報が再生されることにより、複製用記録媒体71に、画像記録媒体1からの回折光(再生光)と、入射レーザ光Bとによって形成される干渉パターンが記録される。したがって、画像記録媒体1に記録された情報が、複製用記録媒体71に複製される。
ここで、画像記録媒体1は、第1の部分5aおよび第2の部分5bが形成されることによりパターニングのなされた再生色調整層5を備えている。したがって、画像記録媒体1は、再生色調整層5に設けられた第1の部分5aに対応する第1の領域R1および第2の部分5bに対応する第2の領域R2を備えている。
例えば、画像記録媒体1の第1の領域R1においては、ホログラムのカラーシフトの度合いが小とされ、回折効率のピークに対応する波長が、記録波長と略等しい波長とされている。一方、画像記録媒体1の第2の領域R2においては、ホログラムのカラーシフトの度合いが大とされている。言い換えれば、第2の領域R2における、画像記録媒体1の回折効率のピークに対応する波長は、記録波長と異なる波長とされている。
図7Bは、図7Aに示す複製用記録媒体71および画像記録媒体1の一部を拡大して模式的に示す断面図である。不正なコンタクトコピーに際しては、画像記録媒体1の記録波長になるべく近い波長が、レーザ光Bの波長として選ばれる。したがって、画像記録媒体1の第1の領域R1における、回折効率のピークに対応する波長が記録波長と略等しい場合、レーザ光Bの照射に対して、第1の領域R1からの回折光D1の強度は高く、複製用記録媒体71に記録される干渉パターンの鮮明度は高くなる。すなわち、複製用記録媒体71において、画像記録媒体1の第1の領域R1に対応する領域r1には、画像記録媒体1の第1の領域R1に記録されている情報が複製される。
一方、レーザ光の照射Bに対して、第2の領域R2から、回折光D1と同じ角度方向へ回折される回折光D2の強度は、第1の領域R1からの回折光D1の強度と比較して低くなる。これは、画像記録媒体の第2の領域R2における回折効率のピークに対応する波長が、記録波長と大きくずれているためである。したがって、複製用記録媒体71に記録される干渉パターンの鮮明度は低くなる。
図7Cは、本開示の画像記録媒体からの再生像を模式的に示す平面図である。図7Dは、本開示の画像記録媒体を原版とする不正なコンタクトコピーがなされた記録媒体からの再生像を模式的に示す平面図である。
図7Cに示すように、ホログラム記録層3における、ホログラム画像の記録された部分は、第1の部分5aとの重なりを有する部分WSと、第2の部分5bとの重なりを有する部分CSとに区分される。ホログラム記録層における、ホログラム画像の記録された部分のうち、第1の部分5aとの重なりを有する部分WSは、画像記録媒体1の第1の領域R1に属している。また、ホログラム記録層における、ホログラム画像の記録された部分のうち、第2の部分5bとの重なりを有する部分CSは、画像記録媒体1の第2の領域R2に属している。
ここで、例えば、図7Cに例示する画像記録媒体1に記録された画像情報を、記録波長に近い波長のレーザ光によりコンタクトコピーしたとする。
すると、複製用記録媒体71において、画像記録媒体1の第2の領域R2に対応する領域r2への、画像記録媒体1の第2の領域R2に記録されている情報の複製が不完全なものとなる。
上述した例では、画像記録媒体1の第1の領域R1と、画像記録媒体1の第2の領域R2とでは、複製に寄与する回折光の強度が異なる。その結果、複製用記録媒体71に記録される干渉パターンの鮮明度が、複製用記録媒体71の領域r1と領域r2との間で相違したものとなる。
例えば、図7Dに示すように、複製用記録媒体71を所定の方向からの照明のもとで観察すると、複製用記録媒体71から再生されるホログラム画像は、画像記録媒体1に記録されたホログラム画像の部分CSに対応する部分が抜け落ちた画像となる。
したがって、本開示によれば、画像記録媒体におけるコピープロテクションの機能を向上させることができる。
上述した例では、画像記録媒体1の第1の領域R1における、回折効率のピークに対応する波長が記録波長と略等しいものとしたが、第1の領域R1における、回折効率のピークに対応する波長が、記録波長と異なるものであってももちろんかまわない。
なお、再生色調整層5にパターニングが形成されない場合であっても、画像記録媒体1におけるコピープロテクションの機能が期待できる。
例えば、ホログラム記録層3にホログラムの記録を行い、その後、ホログラム記録層3の全面に再生色調整層5を形成することにより、ホログラムのカラーシフトを生じさせたとする。このとき、回折効率のピークに対応する波長が、ホログラムの記録の困難な波長となるようにホログラムのカラーシフトの度合いをコントロールすることにより、画像記録媒体1に対してコピープロテクションの機能を付与することができる。
例えば、ホログラムのカラーシフトにより、回折効率のピークに対応する波長を極端に短波長側に偏移させたり、極端に長波長側に偏移させたりさせることも考えられる。このようにすることで、ホログラム記録層3に記録される画像を、人の目には見えないが、紫外または赤外の光を照射し、またこの領域に感度を持つ光電変換素子を使うことで可視化される画像とすることもできる。
さらに、再生色調整層5にパターニングが形成されない場合、ホログラム記録層3の全面に再生色調整層5が形成されると、硬化後の再生色調整層5が、中間接着層9からのホログラム記録層3に対するケミカルアタックを防止するブロッキング層として機能する。
硬化後の再生色調整層5が、中間接着層9からのホログラム記録層3に対するケミカルアタックを防止するブロッキング層として機能するため、本開示によれば、中間接着層9を構成する材料として、汎用性のある材料を使用することができる。中間接着層9を構成する材料として、汎用性のある材料を使用することができるため、画像記録媒体1の製造コストを低減させることができる。
また、再生色調整層5を構成する材料として、ホログラム記録層3との間の剥離強度の大きな材料を使用するとともに、中間接着層9を構成する材料として、再生色調整層5との間の剥離強度の大きな材料を使用することができる。そのため、画像記録媒体1からホログラム記録層3のみが剥離されて、不正なコンタクトコピーが行われることを防止できる。
以上に説明したように、第1の実施形態では、ホログラム記録層に隣接して配置される再生色調整層により、意図的にホログラムのカラーシフトが発生させられる。さらに、ホログラムのカラーシフトが積極的にコントロールされることにより、画像記録媒体のコピープロテクションの機能が向上される。
<2.第2の実施形態>
[2−1.画像記録媒体の概略的構成]
図8Aは、本開示の第2の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。
図8Aに示すように、第2の実施形態にかかる画像記録媒体21は、ホログラム記録層3と、再生色調整層25とを備え、再生色調整層25の少なくとも一部が、ホログラム記録層3との界面を有している点で、第1の実施形態と共通する。また、第2の実施形態にかかる画像記録媒体21は、画像記録媒体21の観察者に観察される画像において、色みの異なる複数の領域を有している点で、第1の実施形態と共通する。
第2の実施形態では、面内における再生色調整層25の有無により再生色調整層25のパターニングがなされる点で、第1の実施形態と異なっている。言い換えれば、画像記録媒体21は、ホログラム記録層3と中間接着層9とが直接に接触する領域と、ホログラム記録層3と中間接着層9とが接触しない領域とを備えている。
(2−1−1.再生色調整層)
再生色調整層25は、第1の実施形態と同様に、例えば、ホログラム記録層3と、画像記録媒体21を被着体に貼りつけるための接着層13との間に配置される。第2の実施形態においては、再生色調整層25は、例えば、図8Aに示すように、面内で再生色調整層25を構成する材料の配置された部分(第1の部分25a)および再生色調整層25を構成する材料の配置されない部分(第2の部分25b)を備えている。そのため、第2の実施形態では、第2の部分25bを介して、ホログラム記録層3の一部と中間接着層9の一部とが接している。図2Aでは、第2の部分25bを網掛けにより示した。
画像記録媒体21のうち、再生色調整層25の第1の部分25aに対応する領域では、再生色調整層25の硬化までの時間が管理されることにより、ホログラムのカラーシフトの度合いがコントロールされる。再生色調整層25の硬化後においては、再生色調整層25がブロッキング層として機能するため、ホログラムのカラーシフトはそれ以上進行しない。
一方、画像記録媒体21のうち、再生色調整層25の第2の部分25bに対応する領域では、ホログラム記録層3と中間接着層9とが接している。そのため、ホログラム記録層3に対する中間接着層9からのケミカルアタックが最後まで進行し、したがって、再生色調整層25の第2の部分25bに対応する領域では、ホログラムのカラーシフトが最後まで進行する。
[2−2.画像記録媒体の製造方法の一例]
(2−2−1.再生色調整層のパターニング形成の例)
例えば、オリジナル原版へのホログラム画像の記録が、波長が約532nmの緑色レーザにより行われたものとする。この場合、まず、ホログラム記録層3に対して、波長が約532nmの緑色レーザにより、オリジナル原版に記録されたホログラム画像の複製が行われる。
図8Bは、オリジナル原版に記録されたホログラム画像の複製後のホログラム記録層から観察されるホログラム画像の一例を示す平面図である。ここで、ホログラム画像の複製後のホログラム記録層3を所定の方向からの照明のもとで観察すると、例えば、図8Bに示すように、緑色のホログラム画像が観察される。図8Bでは、所定の方向からの照明のもとで観察したときに緑色に見える領域を、白色の領域として示した。
図8Cは、再生色調整層の形成の際に使用される刷版の一例を示す平面図である。図8Cにおいて、黒色で現された領域は、例えば、刷版MPの面内で切り抜きまたは凹部とされた領域を示している。
例えば、活版印刷の手法が適用される場合、まず、刷版MPに再生色調整層25を構成する材料が塗布される。次に、刷版MPと第1の積層体LB1とが対向された状態で加圧されることにより、ホログラム記録層3の表面に再生色調整層25を構成する材料が転写される。再生色調整層25を構成する材料は、例えば、紫外線インクである。
このとき、ホログラム記録層3の表面のうち、刷版MPの面内で切り抜きまたは凹部とされた領域には、再生色調整層25を構成する材料が転写されない。
ホログラム記録層3の表面への紫外線インクの配置は、例えば、表面の一部がマスキングされたホログラム記録層3に対して、紫外線インクが全面に塗布されることにより行われてもよい。
次に、ホログラム記録層3の表面に転写された紫外線インクに対して紫外線が照射されることにより、紫外線インクが硬化する。硬化後の紫外線インクは、再生色調整層25の第1の部分25aを構成する。一方、紫外線インクの配置されなかった部分は、再生色調整層25の第2の部分25bを構成する。
次に、ホログラム記録層3の主面のうち、再生色調整層25の形成された側に、例えば、中間接着層9が配置される。
すると、再生色調整層25が、硬化後の紫外線インクの有無によりパターニングされているため、ホログラム記録層3のうち、再生色調整層25の第2の部分25bに対応する領域では、ホログラム記録層3と、中間接着層9を構成する接着剤とが接することになる。
一方、再生色調整層25の第1の部分25aに対応する領域では、硬化後の紫外線インクの層がブロッキング層として機能し、中間接着層9を構成する接着剤は、ホログラム記録層3と接しない。そのため、画像記録媒体21のうち、再生色調整層25の第2の部分25bに対応する領域においては、ホログラムのカラーシフトが強く発現する。
図8Dは、完成後の画像記録媒体から観察されるホログラム画像の一例を示す平面図である。なお、図8Aは、図8DのXXV−XXV断面図に対応している。
上述したように、画像記録媒体21のうち、再生色調整層25の第2の部分25bに対応する領域では、ホログラム記録層3と、中間接着層9を構成する接着剤とが接することにより、ホログラムのカラーシフトが強く発現する。そのため、画像記録媒体21を所定の方向からの照明のもとで観察すると、例えば、再生色調整層21の第2の部分25bに対応する領域から観察されるホログラム画像の再生色は、緑色とは異なった再生色となる。
すなわち、再生色調整層25の第1の部分25aに対応する領域から観察されるホログラム画像の再生色は、例えば、緑みを帯びた再生色となる。一方、再生色調整層25の第2の部分25bに対応する領域から観察されるホログラム画像の再生色は、例えば、黄色みを帯びた再生色となる。なお、図8Dでは、所定の方向からの照明のもとで観察したときに緑色に見える領域を、白色の領域として示し、所定の方向からの照明のもとで観察したときに黄色に見える領域を、網掛けされた領域として示した。
第2の実施形態では、再生色調整層25の面内の少なくとも一部において、ホログラム記録層3と、中間接着層9とが、意図的に接触させられる。そのため、画像記録媒体21は、再生色調整層25の第1の部分25aに対応して、ホログラムのカラーシフトの度合いの小さい第1の領域R1を備える。また、画像記録媒体21は、再生色調整層25の第2の部分25bに対応して、ホログラムのカラーシフトの度合いの大きい第2の領域R2を備える。
画像記録媒体21が第1の領域R1および第2の領域R2を備えるため、所定の方向からの照明のもとで画像記録媒体21を観察すると、画像記録媒体21から観察される画像が、色みの異なる複数の領域を有することになる。したがって、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様にコピープロテクションの効果が得られる。
<3.第3の実施形態>
[3−1.画像記録媒体の概略的構成]
図9Aは、本開示の第3の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。
図9Aに示すように、第3の実施形態にかかる画像記録媒体31は、ホログラム記録層3と、再生色調整層35とを備え、再生色調整層35の少なくとも一部が、ホログラム記録層3との界面を有している点で、第1の実施形態と共通する。また、第3の実施形態にかかる画像記録媒体31は、画像記録媒体31の観察者に観察される画像において、色みの異なる複数の領域を有している点で、第1の実施形態と共通する。
第3の実施形態では、再生色調整層35のパターニングに対応して、ホログラム記録層3に対する保護層7の剥離強度と、ホログラム記録層3に対する再生色調整層35の剥離強度との間の大小関係が規定されている点で、第1の実施形態と異なっている。例えば、被着体に被着された画像記録媒体31が剥離されると、再生色調整層35のパターニングに対応して、ホログラム記録層3が凝集破壊を伴って分断される。すなわち、第3の実施形態にかかる画像記録媒体31は、いわゆるタンパーエビデント(tamper-evident)の機能を備えている。
(3−1−1.再生色調整層)
再生色調整層35は、再生色調整層35を構成する材料として、少なくとも二種類の材料が使用されることにより、パターニングがなされている。例えば、再生色調整層35の第1の部分35aは、第1の紫外線インクが使用されることにより形成され、再生色調整層35の第2の部分35bは、第2の紫外線インクが使用されることにより形成されている。
そのため、画像記録媒体31は、再生色調整層に設けられた第1の部分35aに対応する第1の領域R1および第2の部分35bに対応する第2の領域R2を備えている。また、所定の方向からの照明のもとで画像記録媒体31を観察すると、第1の実施形態の例と同様に、第1の領域R1における再生像の再生色と、第2の領域R2における再生像の再生色とが異なったものとなる。
ここで、第3の実施形態では、ホログラム記録層3に対する再生色調整層35の第1の部分35aの剥離強度と、ホログラム記録層3に対する再生色調整層35の第2の部分35bの剥離強度とが、相異なる大きさとされている。
例えば、第1の領域R1においては、ホログラム記録層3の破断強度がホログラム記録層3に対する再生色調整層35の剥離強度よりも大とされ、かつホログラム記録層3に対する保護層7の剥離強度がホログラム記録層3の破断強度よりも大とされている。また、例えば、第2の領域R2においては、ホログラム記録層3の破断強度がホログラム記録層3に対する保護層7の剥離強度よりも大とされ、かつホログラム記録層3に対する再生色調整層35の剥離強度がホログラム記録層3の破断強度よりも大とされている。
さらに、再生色調整層35に対する中間接着層9の剥離強度、基材層11に対する中間接着層9の剥離強度、基材層11に対する接着層13の剥離強度および被着体に対する接着層13の剥離強度のいずれもが、第2の領域R2における、ホログラム記録層3に対する再生色調整層35の剥離強度よりも大とされている。なお、再生色調整層35と隣接して、画像記録媒体31を被着体に被着するための接着層が直接設けられる場合には、再生色調整層35に対する該接着層の剥離強度および被着体に対する該接着層の剥離強度は、第2の領域R2における、ホログラム記録層3に対する再生色調整層35の剥離強度よりも大とされる。
したがって、例えば、不正な目的をもつ者が、画像記録媒体31を被着体から剥離しようとすると、画像記録媒体31の被着体からの剥離時に、ホログラム記録層3が最初に破壊される。
さらに、第3の実施形態では、ホログラム記録層3に対する再生色調整層35の第1の部分35aの剥離強度と、ホログラム記録層3に対する再生色調整層35の第2の部分35bの剥離強度とが、相異なる大きさとされている。そのため、ホログラム記録層3が、再生色調整層35のパターニングに対応した形状に分断されることになる。
したがって、第3の実施形態によれば、画像記録媒体31の被着体からの剥離時に、ホログラム記録層3を確実に破壊でき、画像記録媒体31から分離したホログラム記録層3を原版とする不正なコンタクトコピーを防止することができる。
ここで、画像記録媒体31を構成する部材間の剥離強度または各部材の破断強度の間の大小関係は、被着体から画像記録媒体31を剥離したときに、ホログラム記録層3が破壊されるか否かにより確認することができる。なお、適当なサンプルが得られる場合には、接着強度などの、破壊実験による測定値により剥離強度を求めるようにしてもよい。
図9Bは、図9Aに示すホログラムラベルを被着体から剥離しようとしたときのホログラムラベルの断面を示す模式図である。図9Bに示すように、被着体に被着された画像記録媒体31を剥離すると、ホログラム記録層3の一部が、再生色調整層35のパターニングに対応した形状で被着体に残る。すなわち、被着体に被着された画像記録媒体31を剥離すると、ホログラム記録層3の一部が、再生色調整層35に設けられた第2の部分35bの形状で被着体に残る。
ところで、所定の方向からの照明のもとで画像記録媒体31を観察すると、第1の領域R1における再生像の再生色と、第2の領域R2における再生像の再生色とが異なったものとなる。
しかしながら、本開示によれば、例えば、再生色調整層35の第1の部分35aの硬化までの時間および第2の部分35bの硬化までの時間を個別に管理し、第1の領域R1および第2の領域R2におけるカラーシフトの度合いをコントロールすることが可能である。
したがって、第1の領域R1における再生像の再生色と、第2の領域R2における再生像の再生色との差を、一見しただけでは気づかない程度に小さくしておくことも可能である。第1の領域R1における再生像の再生色と、第2の領域R2における再生像の再生色との差を小さくしておけば、画像記録媒体31にタンパーエビデントの機能が付与されていることを気づかれにくい。
図9Cは、本開示の第3の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す平面図である。
例えば、図9Cに示す構成例では、画像記録媒体31は、パターニングのなされた再生色調整層35を備え、再生色調整層35が第2の部分35bを有することに対応して、画像記録媒体31には、第2の領域R2が設けられている。図9Cに示す構成例では、画像記録媒体31の第2の領域R2は、ひし形およびアルファベット「A」の形状とされている。なお、図9Cでは、ホログラム記録層3のうち、ホログラム画像の記録された部分を白色により示した。また、図9Cでは、ホログラム記録層3における、ホログラム画像の記録された部分のうち、再生色調整層35の第2の部分35bとの重なりを有する部分を、網掛けされた領域として示した。
図9Dは、本開示の第3の実施形態にかかる画像記録媒体に付与されたタンパーエビデントの機能を説明するための図である。
画像記録媒体31が、パターニングされた再生色調整層35を備えるため、被着体から画像記録媒体31を剥離しようとすると、図9Dに示すように、再生色調整層35に形成された第2の部分35bの形状に対応して、ホログラム記録層3が破壊される。すなわち、被着体から画像記録媒体31が剥離されることにより、被着体の側には、ホログラム記録層3の一部、再生色調整層35、中間接着層9、基材層11および接着層13が残る。また、画像記録媒体31のうち、被着体から剥離された側では、ホログラム記録層3の一部が保護層7に追従することになるが、ホログラム記録層3からは、画像記録媒体31の第2の領域R2と同様の形状が抜け落ちることになる。
すなわち、第3の実施形態によれば、画像記録媒体が被着体から剥離されたか否かを容易に判定することができ、画像記録媒体に対してタンパーエビデントの機能をさらに付与することができる。
<4.第4の実施形態>
[4−1.画像記録媒体の概略的構成]
図10Aは、本開示の第4の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図10Bは、本開示の第4の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す平面図である。
図10Aに示すように、第4の実施形態にかかる画像記録媒体41は、ホログラム記録層43と、再生色調整層45とを備え、再生色調整層45の少なくとも一部が、ホログラム記録層43との界面を有している点で、第1の実施形態と共通する。また、第4の実施形態にかかる画像記録媒体41は、画像記録媒体41の観察者に観察される画像において、色みの異なる複数の領域を有している点で、第1の実施形態と共通する。
第4の実施形態では、再生色調整層45自体が二色以上の多色刷りとされる点で、第1の実施形態と異なっている。例えば、黒色とは異なる色の着色剤を含有する第1の紫外線インクにより再生色調整層45の第1の部分45aが形成されるとともに、黒色の着色剤を含有する第2の紫外線インクにより再生色調整層45の第2の部分45bが形成される。
さらに、第4の実施形態では、例えば、再生色調整層45の第1の部分45a自体の色みと、画像記録媒体41における、再生色調整層45の第2の部分45bに対応する第2の領域R2から再生されるホログラム画像の再生色とが略等しい色みとされる。言い換えれば、ホログラム記録層43を介して観察される再生色調整層45の第1の部分45aの色みと、カラーシフト後のホログラム画像から知覚される再生色とが、略等しくされている。そのため、例えば、ホログラム記録層43に記録されたホログラム画像と、再生色調整層45のパターニングにより現された画像とを組み合わせて利用することができる。例えば、ホログラム記録層43にホログラム画像を記録するとともに、再生色調整層45のパターニングにより画像を現すことにより、2以上の画像があわせられたときにはじめて意味をもつような画像の記録された画像記録媒体を得ることができる。
(4−1−1.再生色調整層)
再生色調整層45は、再生色調整層45を構成する材料として少なくとも二種類の材料が使用されることにより、パターニングがなされている。例えば、再生色調整層45の第1の部分45aは、第1の紫外線インクが使用されることにより形成され、再生色調整層45の第2の部分45bは、第2の紫外線インクが使用されることにより形成されている。
第1の紫外線インクとしては、例えば、黄色の着色剤を含有する紫外線インクが使用され、ホログラム記録層3の表面に第1の紫外線インクが塗布されることにより、再生色調整層45の第1の部分45aが形成される。
ここで、例えば、画像記録媒体41における、再生色調整層45の第1の部分45aに対応する第1の領域R1からは、ホログラム画像が再生されないものとする。すなわち、ホログラム記録層43のうち、画像記録媒体41における第1の領域R1に対応する領域には、ホログラム画像が記録されておらず、ホログラム記録層3に入射した光は、ほぼ回折されずに透過する。そのため、画像記録媒体41を観察したとき、ホログラム記録層43を介して観察される、再生色調整層45の第1の部分45aは、黄色として観察者に知覚される。
一方、第2の紫外線インクとしては、例えば、黒色の着色剤を含有する紫外線インクが使用され、ホログラム記録層43の表面に第2の紫外線インクが塗布されることにより、再生色調整層45の第2の部分45bが形成される。このとき、第2の紫外線インクを構成する材料や第2の部分45bの硬化までの時間が制御されることにより、ホログラム記録層43に記録されたホログラム画像のうち、再生色調整層45の第2の部分45bに重なる部分が、カラーシフトを起こす。さらに、カラーシフトの度合いが制御されることにより、ホログラム記録層43に記録されたホログラム画像のうち、再生色調整層45の第2の部分45bに重なる部分の再生色と、再生色調整層45の第1の部分45aの色みとが略等しくされる。
すると、所定の方向からの照明のもとで所定の角度方向から画像記録媒体41を観察したときに、ホログラム記録層43に記録されたホログラム画像と、再生色調整層45の第1の部分45aとが、同じ色みの画像として画像記録媒体41の観察者に知覚される。例えば、図10Bに示す構成例では、所定の方向からの照明のもとで所定の角度方向から画像記録媒体41を観察すると、画像記録媒体41の観察者には、数字の配列「12」が黄色の画像として知覚される。
図10Cは、画像記録媒体のうち、ホログラム記録層および再生色調整層のみを分離して模式的に示した略線図である。図10Dは、図10Bの状態から視点を変化させた状態で、図10Bに示す画像記録媒体を観察したときに観察される画像の一例を示す図である。例えば、図10Cでは、ホログラム記録層43のうち、ホログラム画像の記録された部分を白色の領域として示し、ホログラム画像の記録されない部分を、網掛けされた領域として示した。また、図10Cでは、再生色調整層45の第1の部分45aを、斜線を付した領域として示し、再生色調整層45の第2の部分45bを黒色の領域として示した。
図10Cにおいて、白色の領域として示したように、ホログラム記録層43には、例えば、数字の「2」がホログラム画像として記録されている。波長が約532nmの緑色レーザにより、ホログラム記録層43にホログラムの記録が行われた場合、このホログラム画像の「2」は、所定の方向からホログラム記録層43単体を照明すると、緑色として観察される。
ところが、ホログラム画像の「2」の記録された領域に隣接して再生色調整層45の第2の領域45bが配置されるため、カラーシフトの影響により、このホログラム画像の「2」は、例えば、黄色として観察されることになる。そのため、所定の方向からの照明のもとで所定の角度方向から画像記録媒体41を観察すると、数字の「2」が黄色の画像として観察されることになる。
一方、図10Cにおいて示すように、再生色調整層45のうち、ホログラム記録層43に記録された数字の「2」と重ならない部分には、例えば、黄色の着色剤を含有する紫外線インクにより、数字の「1」の形状に第1の部分45aが形成されている。また、ホログラム記録層43のうち、画像記録媒体41の第1の領域R1に対応する領域には、ホログラム画像が記録されていない。そのため、所定の方向からの照明のもとで画像記録媒体41を観察すると、ホログラム記録層43を介して数字の「1」が黄色の画像として観察されることになる。
したがって、所定の方向からの照明のもとで所定の角度方向から画像記録媒体41を観察すると、ホログラム記録層43に記録された「2」と、再生色調整層45の第1の部分45aから構成される「1」との両方が、画像記録媒体41の観察者に観察される。すなわち、画像記録媒体41の観察者は、ホログラム記録層43に記録されている情報が数字の配列「12」であると認識することになる。
このとき、例えば、図10Dに示すように、画像記録媒体41を観察する視点を変化させると、画像記録媒体41を観察する角度方向によっては、ホログラム記録層43からの回折光が観察者の目に届かなくなる。すると、ホログラム記録層43に記録された「2」のみが見えなくなる。すなわち、画像記録媒体41の観察者は、ホログラム記録層43に記録されている情報が数字の「1」のみであると認識することになる。
このように、画像記録媒体41を観察する視点を変化させた場合、ある角度範囲を超えると、ホログラム記録層43に記録されたホログラム画像のみが、画像記録媒体41の観察者に観察されなくなる。言い換えれば、画像記録媒体41に記録された画像情報が、観察者の視点によって出現したり消滅したりする。すなわち、第4の実施形態によれば、画像記録媒体を、観察する角度によって画像の変化する記録媒体とすることができる。
図11Aは、画像情報として文字の配列の記録された画像記録媒体の例を示す平面図である。図11Bは、画像記録媒体のうち、ホログラム記録層および再生色調整層のみを分離して模式的に示した略線図である。図11Cは、図11Aの状態から視点を変化させた状態で、図11Aに示す画像記録媒体を観察したときに観察される画像の一例を示す図である。
例えば、図11Aに示すように、所定の方向からの照明のもとで所定の角度方向から画像記録媒体51を観察すると、文字の配列「BE」が観察される。すなわち、画像記録媒体51においては、ホログラム記録層に記録された画像情報と、再生色調整層のパターニングとの組み合わせにより、文字の配列「BE」が現されている。
例えば、再生色調整層55には、図11Bに示すように、第1の部分55aおよび第2の部分5bが設けられている。すなわち、画像記録媒体51においては、文字「B」および「E」のそれぞれは、図11Bに示すように、ホログラム記録層53に記録された画像情報と、再生色調整層55のパターニングにより現された画像情報との重ね合わせにより表現されている。
ここで、画像記録媒体51を観察する視点を変化させると、図11Cに示すように、例えば、画像記録媒体の観察者に観察される画像情報が、「BE」とは異なる文字の配列「PL」に変化する。
このように、ホログラム記録層に記録された画像情報と、再生色調整層のパターニングとを組み合わせて画像情報を表現することにより、画像記録媒体を観察する視点を変化させると、画像情報の一部のみが、あたかも消失するかのような効果を得ることができる。
図12Aは、画像情報として二次元バーコードの記録された画像記録媒体の例を示す平面図である。図12Bは、図12Aの状態から視点を変化させた状態で、図12Aに示す画像記録媒体を観察したときに観察される画像の一例を示す図である。
例えば、図12Aに示すように、画像記録媒体61に二次元バーコードなどが記録されてもよい。このとき、画像情報の消失と出現とを組み合わせることにより、所定の方向からの照明のもとで所定の角度方向から画像記録媒体を観察したときにのみ、“正しい”二次元バーコードの画像が観察されるようにしてもよい。
すなわち、図12Aおよび図12Bに示すように、画像記録媒体61を観察する視点の変化に応じて観察される二次元バーコードが異なるようにしておく。すると、所定の方向からの照明のもとで、所定の読み取り角度から二次元バーコードを読み取らなければ、画像記録媒体61に記録された二次元バーコードを“正しく”デコードすることができない。したがって、画像記録媒体61の真贋判定機能が向上する。
図11A〜図11Cならびに図12Aおよび図12Bでは、視点の変化に応じて、画像記録媒体の観察者に観察される画像情報の一部が消失したように見える例を示したが、画像情報の一部が新たに出現するようにしてもよい。または、画像情報の消失と出現とが組み合わされてもよい。画像情報の消失と出現とを組み合わせることにより、画像記録媒体の観察者に認識される画像が、所定の方向からの照明のもとで所定の角度方向から画像記録媒体を観察したときにのみ、初めて意味をもつ画像となるようにしてもよい。
このように、第4の実施形態によれば、ホログラムとして記録された画像情報から知覚される再生色と、再生色調整層のパターニングにより現された画像情報の色みとを制御することにより、画像記録媒体の真贋判定機能を向上させることができる。
<5.第5の実施形態>
[5−1.画像記録媒体の概略的構成]
図13Aは、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図13Bは、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の構成の一例を示す平面図である。図13Aは、図13BのXLII−XLII断面に対応する図である。なお、図13Aおよび図13Bにおいては、保護層や中間接着層、基材層、接着層、セパレータなどの図示を省略している。以下の説明においても、同様とする。
図13Aに示すように、第5の実施形態にかかる画像記録媒体81は、ホログラム記録層83と、再生色調整層85とを備え、再生色調整層85の少なくとも一部が、ホログラム記録層83との界面を有している点で、第1の実施形態と共通する。また、第5の実施形態にかかる画像記録媒体81は、画像記録媒体81の観察者に観察される画像において、色みの異なる複数の領域を有している点で、第1の実施形態と共通する。
図13Aおよび図13Bでは、面内における再生色調整層85の厚さを部分的に異ならせることにより、再生色調整層85のパターニングがなされる例を示している。すなわち、画像記録媒体81は、再生色調整層の形成されていない部分に対応する第1の領域R1、再生色調整層85に設けられた第1の部分85aに対応する第2の領域R2および第2の部分85bに対応する第3の領域R3を備えている。図13Aに示すように、例えば、再生色調整層85に設けられた第1の部分85aの厚さは、再生色調整層85に設けられた第2の部分85bの厚さよりも大とされている。言い換えれば、再生色調整層85は、厚さの異なる複数の部分を備え、再生色調整層85の断面形状が、凹凸形状とされている。
第5の実施形態では、ホログラム記録層83が、可視光領域外の波長帯の光の照射により記録された情報または可視光領域外の波長帯の光の照射により再生される情報を含む点で、第1の実施形態と異なっている。
図13Aおよび図13Bでは、再生色調整層85の形成前のホログラム記録層83の全面が、紫外線を拡散反射させる反射型ホログラムとして構成される例を示している。
すなわち、再生色調整層85の形成前のホログラム記録層83に対して可視光を照射しても、再生色調整層85の形成前のホログラム記録層83の観察者には、ホログラム記録層83が透明に見える。一方、再生色調整層85の形成前のホログラム記録層83に対して紫外光を照射すると、ホログラム記録層83に入射した紫外光は、ホログラム記録層83により拡散反射される。例えば、紫外光の照明のもとでホログラム記録層83を紫外線カメラにより撮影すると、ホログラム記録層83の全面が“明るく”見える。
ここで、ホログラム記録層83に対して、画像記録媒体81の観察者とは反対側には、ホログラム記録層83と隣接して、再生色調整層85が配置されている。したがって、ホログラム記録層83のうち、再生色調整層85に設けられた第1の部分85aおよび第2の部分85bと接する部分では、ホログラム記録層83に複製されたホログラムのカラーシフトが起こる。第1の部分85aおよび第2の部分85bと接する部分のカラーシフトの度合いは、第1の部分85aおよび第2の部分85bの厚さにそれぞれ依存する。
例えば、第1の部分85aおよび第2の部分85bを構成する材料が、ホログラム記録層83に対して長波長側へのカラーシフトを発現させる材料であったとする。すると、白色光を照射したときのホログラム記録層83からの回折光の波長が可視光領域まで偏移することにより、画像記録媒体81の観察者は、再生色調整層85のパターンに応じた画像を認識することができる。
例えば、図13Bでは、第2の領域R2が、文字「B」の形状とされ、第3の領域R3が、文字「C」の形状とされた例を示している。画像記録媒体81の観察者が第2の領域R2から知覚する再生色は、例えば、赤色とされ、第3の領域R3から知覚する再生色は、例えば、緑色とされる。なお、図13Bでは、所定の方向からの照明のもとで観察したときに赤色に見える領域を、交差線の付された領域として示し、所定の方向からの照明のもとで観察したときに緑色に見える領域を、斜線の付された領域として示した。
なお、第1の領域R1のみに注目すると、第1の領域R1は、照射された紫外光を拡散反射させることから、ホログラム記録層83には、可視光領域外の波長帯の光の照射により再生される情報が含まれるということができる。言い換えれば、ホログラム記録層83には、可視光領域外の波長帯の光を拡散反射させるという情報(信号)が記録されているといえる。
[5−2.画像記録媒体の製造方法の一例]
図13Cおよび図13Dならびに図14Aおよび図14Bは、第5の実施形態にかかる画像記録媒体の製造方法の一例の説明に使用する略線図である。
図13Cに示すように、まず、紫外線を拡散反射させる反射型ホログラムの記録されたホログラム記録層83を用意する。なお、ホログラム記録層83を、紫外線を拡散反射させる反射型ホログラムとするには、次のようにすればよい。
例えば、紫外光を拡散反射させる拡散板に紫外レーザ光を照射し、その拡散光と拡散前の光との干渉パターンをホログラム記録媒体に記録することにより、オリジナル原版を作成する。次に、作成したオリジナル原版を用いて、ホログラム記録層83に対して紫外レーザ光でコンタクトコピーを行うことにより、紫外線を拡散反射させる反射型ホログラムの記録されたホログラム記録層83を得ることができる。
次に、図13Dに示すように、ホログラム記録層83の表面に対して、再生色調整層85を構成する材料が塗布される。再生色調整層85を構成する材料は、例えば、着色剤を含有しない紫外線インクである。
ホログラム記録層83の表面に再生色調整層85を構成する材料が塗布されることにより、図14Aに示すように、ホログラムのカラーシフトが起こる。
すなわち、紫外線インクの塗布された領域における、白色光を照射したときのホログラム記録層83からの回折光の波長は、例えば、紫外域から可視光領域まで偏移する。言い換えれば、ホログラム記録層83における、再生色調整層85の形成される部分に対応する領域が、可視光の照射により認識可能なホログラム領域に変化する。
図14Aでは、第2の領域R2が、文字「B」の形状とされ、第3の領域R3が、文字「C」の形状とされた例を示している。白色光の照明のもとにおいては第1の領域は透明であるが、第2の領域R2および第3の領域ではホログラムのカラーシフトが発現しているため、ホログラム記録層83の観察者は、第2の領域R2の形状および第3の領域R3の形状を認識することができる。
ホログラム記録層83への紫外線インクの塗布の直後における、第2の領域R2から知覚される再生色は、例えば、黄色であり、第3の領域R3から知覚される再生色は、例えば、青色である。なお、図14Aでは、所定の方向からの照明のもとで観察したときに黄色に見える領域を、斜線の付された領域として示し、所定の方向からの照明のもとで観察したときに青色に見える領域を、網掛け領域として示した。
次に、ホログラム記録層83の表面に塗布された紫外線インクに対して紫外線が照射され、紫外線インクが硬化する。紫外線インクの硬化により、ホログラムのカラーシフトの進行が止まり、したがって、ホログラムが“色留め”される。第2の領域R2および第3の領域R3のそれぞれにおけるホログラムのカラーシフトの度合いは、例えば、紫外線インクの塗布量を制御することにより、個別に制御することが可能である。
その後、接着層の形成などの工程を経て、図14Bに示す画像記録媒体81が得られる。なお、再生色調整層85が、面内で再生色調整層85を構成する材料の配置されない部分を含む場合には、ホログラム記録層83と、中間接着層または接着層との間にブロッキング層が配置されることが好ましい。
[5−3.画像記録媒体の第1の変形例]
図14Cは、所定の角度方向からの紫外光の照明のもとにおいて、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の第1の変形例から再生される画像の一例を示す平面図である。
画像記録媒体91は、紫外線を拡散反射させる反射型ホログラムの記録されたホログラム記録層を備える点で、上述した画像記録媒体81と共通する。画像記録媒体91におけるホログラム記録層は、紫外線を拡散反射させる反射型ホログラムの記録されない領域を含む点で、上述した画像記録媒体81と異なっている。
図14Cに示すように、画像記録媒体91におけるホログラム記録層には、紫外線を拡散反射させない領域RPが形成されている。図14Cでは、領域RPが、文字「A」の形状とされた例を示している。なお、図14Cでは、紫外光が拡散反射される領域を白色の領域として示した。
領域RPは紫外光に対して“透明な”領域である。したがって、画像記録媒体91に対して紫外光を照射すると、画像記録媒体91の第1の領域R1においては、紫外光が拡散反射する。すると、例えば、紫外光の照明のもとで画像記録媒体91を紫外線カメラにより撮影すると、第2の領域R2、第3の領域R3および領域RPが“暗く”見えることとなり、画像記録媒体91の観察者は、領域RPの形状に応じた画像を認識することができる。すなわち、画像記録媒体91を、紫外光の照明のもとで紫外線カメラなどにより撮影されなければ可視化されない隠し文字などの記録された記録媒体とすることができる。
[5−4.画像記録媒体の第2の変形例]
図15Aは、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の第2の変形例を示す断面図である。図15Bおよび図15Cは、本開示の第5の実施形態にかかる画像記録媒体の第2の変形例を示す平面図である。図15Aは、図15Bおよび図15CのXLIX−XLIX断面に対応する図である。
画像記録媒体101は、紫外線を拡散反射させる反射型ホログラムの記録されたホログラム記録層を備える点で、上述した画像記録媒体81と共通する。画像記録媒体101は、再生色調整層105を構成する材料が、着色剤を含有する点で、上述した画像記録媒体81と異なっている。
図15Aに示すように、画像記録媒体101は、紫外線を拡散反射させる反射型ホログラムの記録されたホログラム記録層103を備えている。図15A〜図15Cでは、ホログラム記録層103には絵柄が記録されておらず、ホログラム記録層103の全面が、紫外線を拡散反射させる反射型ホログラムとして構成された例を示している。
図15Aに示すように、画像記録媒体101には、ホログラム記録層103と隣接して、再生色調整層105が配置されている。再生色調整層105は、例えば、着色剤を含有する第1の紫外線インクにより形成された第1の部分105aおよび着色剤を含有する第2の紫外線インクにより形成された第2の部分105bから構成される。したがって、画像記録媒体101は、第1の紫外線インクにより形成された第1の部分105aおよび第2の紫外線インクにより形成された第2の部分105bに対応して、第1の領域R1および第2の領域R2を備えている。ここでは、第1の紫外線インクに含有された着色剤の色みと、第2の紫外線インクに含有された着色剤の色みとが相異なる色みであるものとする。
再生色調整層105の形成に際してホログラム記録層103の表面に第1の紫外線インクおよび第2の紫外線インクが塗布されることにより、ホログラム記録層103においては、ホログラムのカラーシフトが発現する。
ホログラムのカラーシフトの進行は、第1の紫外線インクおよび第2の紫外線インクの硬化の完了により停止する。本例では、白色光を照射したときのホログラム記録層103からの回折光の波長が可視光領域となるまで、ホログラムのカラーシフトが進行させられる。さらに、本例では、第1の領域R1におけるカラーシフトの度合いと第2の領域R2におけるカラーシフトの度合いとが、ほぼ同じ程度に揃えられる。
図15Aでは、第1の部分105aおよび第2の部分105bの厚さが同じものであるとしたが、例えば、第1の部分105aの厚さおよび第2の部分105bの厚さは、それぞれ個別に調整することが可能である。
なお、例えば、インクジェット印刷の方式が適用される場合、ホログラム記録層103に対する第1の紫外線インクの滴下量および第2の紫外線インクの滴下量がそれぞれ制御される。ホログラム記録層103に対する第1の紫外線インクの滴下量および第2の紫外線インクの滴下量がそれぞれ制御されることにより、第1の部分105aの厚さおよび第2の部分105bの厚さは、それぞれ個別に制御される。第1の部分105aの厚さおよび第2の部分105bの厚さを、それぞれ個別に制御することにより、第1の領域R1におけるカラーシフトの度合いと第2の領域R2におけるカラーシフトの度合いとを、ほぼ同じ程度に揃えることが可能である。
なお、あるドットをインクジェット印刷の方式により着色し、着色した部分またはホログラム記録層103の全面に透明な紫外線インクをさらに滴下または塗布することにより、ホログラムのカラーシフトの度合いを調整するようにしてもよい。この場合、ホログラムのカラーシフトの度合いは、透明な紫外線インクの滴下量または塗布量により調節することが可能である。
または、例えば、第1の部分105aの硬化までの時間および第2の部分105bの硬化までの時間を個別に管理し、第1の領域R1および第2の領域R2におけるカラーシフトの度合いをコントロールするようにしてもよい。
図15Bは、画像記録媒体101から観察される画像の一例を示している。図15Cは、所定の角度方向からの白色光の照明のもとにおいて、画像記録媒体101から観察される画像の一例を示している。図15Bおよび図15Cでは、第1の領域R1を、右上がりの斜線の付された領域として示し、第2の領域R2を、右下がりの斜線の付された領域として示した。
上述したように、画像記録媒体101は、白色光を照射したときのホログラム記録層103からの回折光の波長が可視光領域となるように、ホログラムのカラーシフトがコントロールされている。
したがって、通常、画像記録媒体101の観察者には、図15Bに示すように、ホログラム記録層103を介して、第1の部分105a自体の色および第2の部分105b自体の色が観察される。その一方で、画像記録媒体101が所定の角度方向からの白色光により照明されると、入射光の特定の波長成分が、ホログラム記録層103により特定の角度方向により強く回折される。すなわち、画像記録媒体101を所定の角度方向から白色光により照明すると、画像記録媒体101の観察者は、再生色調整層105の色みとホログラム記録層103からの回折光から知覚される再生色とが混色(加法混色)された色みを知覚することになる。なお、図15Cでは、再生色調整層105の色みとホログラム記録層103からの回折光から知覚される再生色とが混色された色みを、斜線および網掛けにより示した。
したがって、第5の実施形態によれば、画像記録媒体を、照明により色みの変化する記録媒体とすることもできる。第5の実施形態によれば、ホログラムに対するセキュリティ性の向上だけでなく、印刷物や製品の筺体の加飾性を向上させて、画像記録媒体の適用される製品などの意匠性を高めることができる。例えば、再生色調整層の形成にインクジェット印刷などの方式を適用することにより、ディザリングなどの表現を行うことも可能である。
[5−5.画像記録媒体の応用例]
図16A〜図16Cは、本開示の実施形態にかかる画像記録媒体が適用されたパーソナルコンピュータを示す斜視図である。
図16Aに示すように、パーソナルコンピュータ121は、例えば、表示部125を備える上部筺体123tと、複数のキーなどが配置された入力部127を備える下部筺体123bとからなる筺体123を備えている。表示部125は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display(LCD))や有機EL(Electroluminescence:電界発光効果)ディスプレイなどの表示装置である。上部筺体123tと、下部筺体123bとは、例えば、ヒンジにより接続され、下部筺体123bに対して上部筺体123tが開閉自在とされる。
図16Bおよび図16Cに示すように、例えば、パーソナルコンピュータ121の上部筺体123tには、上述した画像記録媒体101と略同様の構成を備える画像記録媒体111が配置されている。図16Bおよび図16Cでは、幾何学的な模様状にパターニングされた再生色調整層を備える画像記録媒体111の例を示した。
画像記録媒体111は、例えば、接着層を備えるホログラムシールとして構成され、上部筺体123tに貼りつけられている。または、画像記録媒体111は、例えば、いわゆるインサート成形の手法により、上部筺体123tと一体とされている。ここで、インサート成形とは、埋め込みの対象を金型の内側にあらかじめ配置しておき、埋め込みの対象を溶融樹脂で包み込むことにより、樹脂と埋め込みの対象とが一体化された複合材を得る手法である。
通常の状態では、図16Bに示すように、画像記録媒体111からは、ホログラム記録層を介してパターニングされた再生色調整層自体の色みが観察される。
ここで、上部筺体123tが所定の角度方向からの白色光により照明されると、入射光の特定の波長成分は、画像記録媒体111のホログラム記録層により、特定の角度方向により強く回折させられる。したがって、パーソナルコンピュータ121の所有者は、上部筺体123tの外観の著しい変化を楽しむことができる。
このように、第5の実施形態によれば、パーソナルコンピュータなどの機器類の意匠性を向上させ、該機器類の商品価値を高めることができる。
なお、上述の説明では、紫外レーザ光によりホログラフィックに情報の記録されたホログラム記録層に対して、長波長側へのカラーシフトを発現させる構成例を示したが、短波長側へのカラーシフトを発現させるようにしてもよい。例えば、赤外レーザ光を用い、ホログラム記録層を、赤外線を拡散反射させる反射型ホログラムとしておき、ホログラム記録層に対して短波長側へのカラーシフトを発現させればよい。
また、例えば、波長が約532nmの緑色レーザを用い、ホログラム記録層を、波長が532nmの波長に近い光を強く拡散反射させる反射型ホログラムとしておいてもよい。この場合、再生色調整層の形成により、紫外領域または赤外領域へのホログラムのカラーシフトを発現させて、例えば、ホログラムのカラーシフトを発現させた領域からは、白色光の照明によっては、ホログラムが認識できないようにすることもできる。
以下、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例においては、紫外線インクにより再生色調整層を形成し、ホログラム記録層への紫外線インクの塗布から紫外線インクに対する紫外線の照射までの時間を変化させ、画像記録媒体から再生される画像の再生色の変化を測定した。なお、画像記録媒体の輝度および色度の測定を行い、画像記録媒体から再生される画像の再生色を求めた。また、三種類の紫外線インクを準備し、紫外線インクの違いによる、画像記録媒体から再生される画像の再生色の変化を測定した。
[評価サンプルの製作]
(サンプル1−1)
まず、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂シートを準備した。次に、ポリエチレンテレフタレートの樹脂シートの一主面上に光重合型フォトポリマを塗布し、ホログラム記録層を形成した。
次に、全面が白色とされた白色板を拡散板として用い、波長532nmのレーザ光によりホログラム露光することにより、オリジナル原版を作成した。次に、コンタクトコピーにより、オリジナル原版のホログラムをホログラム記録層に複製した。コンタクトコピーには、波長532nmのレーザ光を用いた。次に、ホログラム記録層に対して紫外線の照射を行い、記録画像の定着を行った。
次に、紫外線インクを9μmの厚さでホログラム記録層の表面に塗布し、塗布された紫外線インクに対して、ただちに紫外線の照射を行った。紫外線インクが硬化することにより、ホログラム記録層の一主面上に再生色調整層の形成された画像記録媒体が得られた。再生色調整層の形成に用いた紫外線インクおよび紫外線の照射条件を以下に示す。
紫外線インク・・・DIC株式会社製 黒色インク(582CD)
照射条件:紫外線強度・・・120[W/cm2
積算光量・・・500[mJ/cm2
上述した手順により、サンプル1−1の画像記録媒体を得た。
(サンプル1−2)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から15秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル1−1の場合と同様にして、サンプル1−2の画像記録媒体を得た。
(サンプル1−3)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から30秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル1−1の場合と同様にして、サンプル1−3の画像記録媒体を得た。
(サンプル1−4)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から45秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル1−1の場合と同様にして、サンプル1−4の画像記録媒体を得た。
(サンプル1−5)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から60秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル1−1の場合と同様にして、サンプル1−5の画像記録媒体を得た。
(サンプル1−6)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から75秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル1−1の場合と同様にして、サンプル1−6の画像記録媒体を得た。
(サンプル1−7)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から90秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル1−1の場合と同様にして、サンプル1−7の画像記録媒体を得た。
(サンプル1−8)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から180秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル1−1の場合と同様にして、サンプル1−8の画像記録媒体を得た。
(サンプル2−1)
紫外線インクとして、以下のインクを使用したこと以外はサンプル1−1の場合と同様にして、サンプル2−1の画像記録媒体を得た。
紫外線インク・・・十条ケミカル株式会社製 黒色インク(UM4600−2、No.4690黒)
(サンプル2−2)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から15秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル2−1の場合と同様にして、サンプル2−2の画像記録媒体を得た。
(サンプル2−3)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から30秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル2−1の場合と同様にして、サンプル2−3の画像記録媒体を得た。
(サンプル2−4)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から45秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル2−1の場合と同様にして、サンプル2−4の画像記録媒体を得た。
(サンプル2−5)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から60秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル2−1の場合と同様にして、サンプル2−5の画像記録媒体を得た。
(サンプル3−1)
紫外線インクとして、以下のインクを使用したこと以外はサンプル1−1の場合と同様にして、サンプル3−1の画像記録媒体を得た。
紫外線インク・・・十条ケミカル株式会社製 黒色インク(RC−SL6100、メジウム(medium))
(サンプル3−2)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から15秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル3−1の場合と同様にして、サンプル3−2の画像記録媒体を得た。
(サンプル3−3)
ホログラム記録層の表面への紫外線インクの塗布から30秒後に、塗布された紫外線インクに対して紫外線の照射を行ったこと以外はサンプル3−1の場合と同様にして、サンプル3−3の画像記録媒体を得た。
[評価方法]
以下に示す測定方法により、サンプル1−1〜サンプル1−8、サンプル2−1〜サンプル2−5およびサンプル3−1〜サンプル3−3のそれぞれについての輝度および色度を測定した。この測定で使用した色彩輝度計および光源を以下に示す。なお、測定試料および色彩輝度計を結ぶ線分と測定試料の表面にたてた法線とのなす角度を0°、測定試料と色彩輝度計との間の距離を300mmに設定した。測定試料および光源を結ぶ線分と測定試料の表面にたてた法線とのなす角度を45°に設定した。
色彩輝度計…CS−2000(コニカミノルタセンシング株式会社製)
ハロゲン照明…「MEGALIGHT100(ショット日本株式会社の登録商標)」(ショット日本株式会社製)
[測定結果]
サンプル1−1〜サンプル1−8の輝度および色度の測定結果、サンプル2−1〜サンプル2−5の輝度および色度の測定ならびにサンプル3−1〜サンプル3−3の輝度および色度の測定結果を、下記の表1、表2および表3にそれぞれ示す。なお、表1、表2および表3における、YおよびCはそれぞれ輝度および色度を表し、Yave、CxaveおよびCyaveは、測定により得られたY、x、yの平均値をそれぞれ表している。また、表1、表2および表3におけるδT[sec]は、ホログラム記録層への紫外線インクの塗布から紫外線インクに対する紫外線の照射までの時間を表している。
Figure 2013160785
Figure 2013160785
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図17Aおよび図17Bに、サンプル1−1〜サンプル1−8の輝度および色度の測定結果を示す。図18Aおよび図18Bに、サンプル2−1〜サンプル2−5の輝度および色度の測定結果を示す。図19Aおよび図19Bに、サンプル3−1〜サンプル3−3の輝度および色度の測定結果を示す。
図17Aは、サンプル1−1〜サンプル1−8の輝度Yの測定値をそれぞれ示すグラフであり、図17Bは、サンプル1−1〜サンプル1−8の色度の測定結果に対応する点を、CIE(国際照明委員会:Commission Internationale d'Eclairage)が定めるYxy表色系の色度図上に示した図である。図18Aは、サンプル2−1〜サンプル2−5の輝度Yの測定値をそれぞれ示すグラフであり、図18Bは、サンプル2−1〜サンプル2−5の色度の測定結果に対応する点を、CIEが定めるYxy表色系の色度図上に示した図である。図19Aは、サンプル3−1〜サンプル3−3の輝度Yの測定値をそれぞれ示すグラフであり、図19Bは、サンプル3−1〜サンプル3−3の色度の測定結果に対応する点を、CIEが定めるYxy表色系の色度図上に示した図である。なお、図17B、図18Bおよび図19Bにおける領域Rgは、知覚される再生色が略緑色の領域を示し、領域Ryは、知覚される再生色が略黄色の領域を示している。図17Aおよび図17B、図18Aおよび図18Bならびに図19Aおよび図19Bにおいては、必要に応じて、同じサンプルに対して輝度および色度の測定を2回ずつ行い、得られた2つの測定値の算術平均を測定値として示している。
図17Bおよび表1に示すように、ホログラム記録層の一主面上に紫外線インクを塗布することにより、ホログラムのカラーシフトを発現できることがわかった。また、ホログラムのカラーシフトの度合いは、ホログラム記録層への紫外線インクの塗布から紫外線インクに対する紫外線の照射までの時間が長いほど、大きくなることがわかった。すなわち、ホログラム記録層への紫外線インクの塗布から紫外線インクに対する紫外線の照射までの時間を制御することにより、ホログラムのカラーシフトの度合いを制御できることがわかった。
図17Bおよび表1に示す結果と、図18Bおよび図19Bならびに表2および表3に示す結果と比較すると、紫外線インクを構成する材料により、ホログラムのカラーシフトの進行の速さが異なることもわかった。すなわち、紫外線インクを構成する材料を適宜選択することにより、ホログラムのカラーシフトの度合いを制御できることがわかった。
以上に説明したように、本開示によれば、画像記録媒体の観察者とは反対の側に、ホログラム記録層に隣接して再生色調整層を配置することにより、ホログラムのカラーシフトを発生させることができる。また、再生色調整層の硬化までの時間を制御することにより、ホログラムのカラーシフトの度合いを制御することもできる。すなわち、ホログラム記録層への画像情報の記録後において、画像記録媒体から観察される再生像の再生色を、オリジナル原版からのホログラム画像の複製時に使用した波長に対応する色みとは異なった色みとすることができる。さらに、パターニングされた再生色調整層を形成することにより、オリジナル原版からのホログラム画像の複製時に使用される光源が単一の波長であっても、画像記録媒体から観察される再生像の再生色を、複数の領域ごとに異なったものとすることができる。
このように、本開示によれば、ホログラムのカラーシフトおよびその度合いが制御されるので、画像記録媒体のコピープロテクションの機能を向上することができる。
<6.変形例>
以上、好適な実施形態について説明してきたが、好適な具体例は、上述した例に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
本開示の画像記録媒体には、例えば、付加情報として、シリアル番号や一次元バーコード、二次元バーコードのほか、製造者名、ロット番号などに関する画像情報を記録することもできる。また、例えば、再生色調整層のパターニングにより、画像記録媒体の製造者のロゴなどを再生色調整層に現すこともできる。
本開示の画像記録媒体は、例えば、商品の包装、非接触IC(integrated circuit)カード、IDカード(identification card)、銀行カード、クレジットカード、社員証、学生証、定期券、運転免許証、外国旅券、ビザ、証券、通帳、印紙、切手、携帯電話、貨幣、宝くじなどにも使用できる。または、例えば、本開示の画像記録媒体は、未開封の証明、遊技機などの機器改造禁止箇所の封印、重要書類の封印、食品や薬品への異物混入防止などを目的として使用することもできる。
上述した第5の実施形態では、画像記録媒体を備えるパーソナルコンピュータの例を示したが、画像記録媒体の応用は、この例に限られない。本開示の画像記録媒体は、例えば、携帯電話やスマートフォン、電子書籍、オーディオプレーヤ、タブレット型パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(personal digital assistance(PDA))、電子辞書、電子手帳、テレビジョン受像機など、あらゆる電子機器に適用が可能である。さらに、本開示の画像記録媒体は、これらの電子機器の筺体だけでなく、例えば、表示部に配置することももちろん可能である。
なお、上述の実施形態において挙げた構成、方法、形状、工程、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、形状、工程、材料および数値などを用いてもよい。上述の実施形態の構成、方法、形状、工程、材料および数値などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
例えば、本開示は以下のような構成もとることができる。
(1)
屈折率変調により情報の記録されたホログラム記録層と、
少なくとも一部に前記ホログラム記録層との界面を有する再生色調整層と
を備える画像記録媒体。
(2)
前記再生色調整層が、放射線硬化樹脂層である(1)に記載の画像記録媒体。
(3)
前記放射線硬化樹脂層が、紫外線硬化樹脂層である(2)に記載の画像記録媒体。
(4)
前記ホログラム記録層が、可視光領域外の波長帯の光の照射により再生される情報を含む(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の画像記録媒体。
(5)
前記再生色調整層が、パターニングのされた層である(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の画像記録媒体。
(6)
前記ホログラム記録層と前記再生色調整層との間の剥離強度の差によりパターニングがなされる(5)に記載の画像記録媒体。
(7)
前記ホログラム記録層に対して、前記再生色調整層の配置される側とは反対側に配置される保護層をさらに備え、
前記ホログラム記録層の破断強度に対して、前記ホログラム記録層と前記再生色調整層との間の剥離強度が小とされるとともに、前記保護層と前記ホログラム記録層との間の剥離強度が大とされる第1の領域と、
前記ホログラム記録層の破断強度に対して、前記ホログラム記録層と前記再生色調整層との間の剥離強度が大とされるとともに、前記保護層と前記ホログラム記録層との間の剥離強度が小とされる第2の領域と
を備える(6)に記載の画像記録媒体。
(8)
前記再生色調整層の有無によりパターニングがなされる(5)に記載の画像記録媒体。
(9)
前記再生色調整層に対して、前記ホログラム記録層の配置される側とは反対側に配置される貼合層をさらに備え、
前記ホログラム記録層の少なくとも一部が、前記貼合層と接する(8)に記載の画像記録媒体。
(10)
前記再生色調整層が、着色剤を含有する(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の画像記録媒体。
1,21,31,41,51,61,81,91,101,111・・・画像記録媒体
3,43,53,83,103・・・ホログラム記録層
5,25,35,45,55,85,105・・・再生色調整層
7・・・保護層
9・・・中間接着層
121・・・パーソナルコンピュータ

Claims (10)

  1. 屈折率変調により情報の記録されたホログラム記録層と、
    少なくとも一部に前記ホログラム記録層との界面を有する再生色調整層と
    を備える画像記録媒体。
  2. 前記再生色調整層が、放射線硬化樹脂層である請求項1に記載の画像記録媒体。
  3. 前記放射線硬化樹脂層が、紫外線硬化樹脂層である請求項2に記載の画像記録媒体。
  4. 前記ホログラム記録層が、可視光領域外の波長帯の光の照射により再生される情報を含む請求項1に記載の画像記録媒体。
  5. 前記再生色調整層が、パターニングのされた層である請求項1に記載の画像記録媒体。
  6. 前記ホログラム記録層と前記再生色調整層との間の剥離強度の差によりパターニングがなされる請求項5に記載の画像記録媒体。
  7. 前記ホログラム記録層に対して、前記再生色調整層の配置される側とは反対側に配置される保護層をさらに備え、
    前記ホログラム記録層の破断強度に対して、前記ホログラム記録層と前記再生色調整層との間の剥離強度が小とされるとともに、前記保護層と前記ホログラム記録層との間の剥離強度が大とされる第1の領域と、
    前記ホログラム記録層の破断強度に対して、前記ホログラム記録層と前記再生色調整層との間の剥離強度が大とされるとともに、前記保護層と前記ホログラム記録層との間の剥離強度が小とされる第2の領域と
    を備える請求項6に記載の画像記録媒体。
  8. 前記再生色調整層の有無によりパターニングがなされる請求項5に記載の画像記録媒体。
  9. 前記再生色調整層に対して、前記ホログラム記録層の配置される側とは反対側に配置される貼合層をさらに備え、
    前記ホログラム記録層の少なくとも一部が、前記貼合層と接する請求項8に記載の画像記録媒体。
  10. 前記再生色調整層が、着色剤を含有する請求項1に記載の画像記録媒体。
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