JP2018187878A - 偽造防止カード及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カード所有者に関する個別情報を示す表示画像を有するカードであって、表面側から表示画像を削り取ることはもちろん、裏面側から削り取ることも困難で、その改竄が困難であり、しかも、その贋造もできないカードを提供すること。【解決手段】カード基材11の表面側に第1の表示層13が積層し、この第1表示層の上に部分的にホログラム層14を設けると共に、このホログラム層の上に重ねて第2の表示層18を積層する。そして、第1表示層及び第2表示層の両者をレーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料によって構成する。この両表示層に跨って表示画像を形成することにより、ホログラム層を傷つけることなく改竄することが困難となる。【選択図】図1

Description

本発明は贋造や改竄を防止する機能を有するカードに関する。このカードは、例えば、IDカードやクレジットカードとして適する。
IDカードはカード発行者がカード所有者の身分を保証する機能を有するカードである。また、クレジットカードはカード発行者がカード所有者の支払い能力を保証する機能を有している。
IDカードやクレジットカードは、このように、カード所有者の身分や支払い能力を保証する機能を有しているため、これらカードには、その偽造を防止する高い機能が求められている。
偽造には、大別して、贋造と改竄とがある。このうち、贋造は真正のカードとは別にカード(贋造カード)を製造し、この贋造カードをあたかも真正のカードに見せかける行為である。このような贋造を防ぐため、IDカードやクレジットカードにはその表面にホログラムが設けられていることが多い。ホログラムは特有の輝度感を有し、しかも、観察する角度に応じて色彩や画像が変化するため、印刷やコピーで再現することは不可能である。そして、このホログラムの画像を精度良く製造するためには、高価な設備を要するため、贋造が困難である。そして、このため、ホログラムを備えるカードは、贋造されたものではないと判定されている。
一方、改竄はカードの表示画像の一部を書き直す行為である。
前述のように、IDカードやクレジットカードはカード発行者がカード所有者の身分や支払い能力を保証する機能を有するため、カードには、保証内容を示すカードの種類や発行者に加えて、カード所有者に関する情報が、画像として表示されている。
これら表示画像のうち、カードの種類や発行者は、個別のカードに依らない共通の情報である。これに対して、カード所有者に関する情報は、それぞれのカードに固有の個別情報である。このため、これら個別情報はカード表面に印字又は印刷されていることが多い。例えば、カード所有者の氏名、顔写真等である。
そして、このため、カード表面のこれら個別情報を削り取って、別の個別情報を印刷又は印字することにより、カードの改竄が可能となる。改竄されたカードは、真正のカードを使用したものなので、ホログラムも備えており、真正のカードと区別がつきにくい。しかし、カード発行者が身分や支払い能力を保証したカード所有者とは別人なのである。
このような改竄を防止する技術はさまざまなものが知られているが、特許文献1は、レーザー照射によって印字することができるレーザー発色層を利用して、カードの改竄を防止する技術を記載している。
このカードは、例えば、図4の断面説明図に示すような構造を有している。図4において、11はカード基材を示す符号であり、白色不透明な基材シート111,112を積層して構成されている。そして、その表面側には、カードの種類や発行者等の共通情報を示す印刷画像12が印刷されており、この印刷画像12を介して、更にレーザー発色層13が積層されている。
次に、このレーザー発色層13の上に、部分的にホログラム層14が積層されている。そして、このホログラム層14を被覆して、カード10’全面に表面側透明保護層15が積層されている。
また、カード基材11の裏面側には、レーザー発色層16が積層されており、この発色層16の上には、裏面側透明保護層17が積層されている。
このカード10’の表面側からレーザー光を照射すると、レーザー光は表面側透明保護層15を透過してレーザー発色層13に達し、印字することができる。例えば、カード所有者の氏名、顔写真等の個別情報であり、13aはこうして印字された表示画像を示している。なお、照射されたレーザー光は白色不透明なカード基材11に遮られるため、裏面側のレーザー発色層16には到達しない。
また、このカード10’の裏面側からレーザー光を照射すると、レーザー光は裏面側透明保護層17を透過してレーザー発色層16に達し、印字することができる。図中、16aは発色した表示画像を示す符号である。
図から分かるように、表示画像13a,16aは、いずれも、表面側透明保護層15及び裏面側透明保護層17で被覆されており、表面に露出していない。そこで、これら透明保護層15,17を十分に厚くすれば、表示画像13a,16aを削り取ることが困難となる。そして、このため、カード10’の改竄が困難となるのである。
特開2005−271561号公報
以上のように、レーザー発色層を利用したカードはその表示画像を削り取ることが困難であり、その改竄も困難である。しかしながら、裏面側から、カード基材11を含めて掘削した場合には、表示画像13a,16aを削り取ることが可能である。
この手口は、次のようなものである。すなわち、図5(a)に示すように、カード10’の裏面側から掘削して表示画像13a,16aを削り取る。この際、ホログラム層14を損傷することがない程度の深さまで掘削する。
次に、掘削して形成された凹部の底面に別の個別情報12’を印刷する(図5(b)参照)。そして、凹部を埋めて、カード10’を平滑にすることにより、カード所有者の氏名、顔写真等の個別情報を改竄したカードを製造することができる。
このカードは真正のカードを使用して個別情報を改竄したものであるから、ホログラム層14を有している。また、個別情報12’が表面側透明保護層15で被覆されているから、真正のカード10’との区別が容易ではない。しかし、カード発行者が保証したカード所有者とは別人が表示されているのである。
本発明はこのような技術的社会的背景に基づいてなされたもので、表面側から表示画像13a,16aを削り取ることはもちろん、裏面側から削り取ることも困難で、その改竄が困難であり、しかも、その贋造もできないカードを提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、カード基材の表面側に第1の表示層が積層されており、この第1表示層の上に部分的にホログラム層を有すると共に、このホログラム層の上に重ねて第2の表示層を有するカードであって、
第1表示層及び第2表示層のいずれもがレーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料によって構成されていることを特徴とする偽造防止カードである。
次に、請求項2に記載の発明は、第2表示層の端部がホログラム層の端部に一致して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止カードである。
次に、請求項3に記載の発明は、第1表示層及び第2表示層の両者が透明保護層によって被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の偽造防止カードである。
次に、請求項4に記載の発明は、第1表示層及び第2表示層の両者に表示画像が印字されており、第1表示層の表示画像(第1表示画像)と第2表示層の表示画像(第2表示画像)とを合成した表示画像が、単一の画像として認知されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偽造防止カードである。
次に、請求項5に記載の発明は、カード基材の裏面側に表示層が積層されており、この裏面側表示層がレーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料によって構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偽造防止カードである。
次に、請求項6に記載の発明は、レーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料を第1表示層の材料として、カード基材の表面側に第1表示層を積層する工程、
レーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料を第2表示層の材料として、転写箔基材上に剥離容易に第2表示層を形成すると共に、この第2表示層上にホログラム層を形成して、転写箔を製造する工程、
次に、前記転写箔を前記第1表示層に重ね、ホログラム層と第2表示層の両者を第1表示層の上に部分的に転写する工程、
を有することを特徴とする偽造防止カードの製造方法である。
本発明のカードは、カード基材の表面側に第1の表示層が積層されており、この第1表示層の上に部分的にホログラム層を有すると共に、このホログラム層の上に重ねて第2の表示層を有している。このように第2表示層はホログラム層の上に配置されているため、第1表示層はこれら第2表示層及びホログラム層の外側の位置でこれらの層から露出している。
そして、第1表示層及び第2表示層はレーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料によって構成されているため、カードの表面側からレーザー光を照射して印字すると、印字された表示画像は、第1表示層に印字される第1表示画像と、第2表示層に印字される第2表示画像とに分割される。
このうち、第1表示画像はホログラム層より裏側に位置する画像である。一方、第2表示画像はホログラム層の表側に位置する画像である。そこで、表裏のいずれから掘削した場合でも、ホログラム層を傷つけることなく第1表示画像と第2表示画像の両者を削り取ることはできない。
例えば、仮に表面側から掘削した場合、第2表示画像を削り取ることはできるが、ホログラム層を傷つけることなく第1表示画像を削り取ることはできない。そして、第1表示
画像を残したまま、第2表示画像を改竄しても、改竄した第2表示画像を第1表示画像と位置整合させて配置し、両者で改竄前の原画像を合成することは極めて困難であり、事実上不可能である。
また、裏面側から掘削した場合も同様である。すなわち、裏面側から掘削して第1表示画像を削り取ることはできるが、ホログラム層を傷つけることなく第2表示画像を削り取ることはできない。第2表示画像を残したまま、第1表示画像を改竄しても、両者で改竄前の原画像を合成することは不可能なのである。
このように、表裏のいずれの面から掘削しても、原画像を合成することはできないから、本発明のカードを改竄することは極めて困難である。
また、本発明のカードはホログラム層を有しているから、その贋造も困難である。
図1は本発明のカードの具体例を示す断面説明図である。 図2は本発明のカードの製造に利用する転写箔の具体例を示す断面説明図である。 図3は本発明のカードに印字した状態を示す断面説明図である。 図4は従来のカードの具体例を示す断面説明図である。 図5は従来のカードを改竄する方法を説明するための説明図である。
以下、図面を参照して本発明の具体例を説明する。図1は本発明のカードの具体例を示す断面説明図である。
図中、11はカード基材を示す符号である。カード基材11はカード10を構造的支持体となるもので、適当な剛性を有するものであれば任意のシートが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の材質を有するシートである。表裏の透視を防ぎ、また、後述するレーザー光線を遮断するため、不透明な材質であることが望ましい。印刷画像12や表示画像13a,18aを見易くするため、白色不透明であることが望ましいが、カード10のデザインに応じて他の色彩であってもよい。例えば、黒色である。
また、カード基材11は1枚のシートで構成することもできるが、多数枚のシートを積層してカード基材11としてもよい。この例では、白色不透明の2枚のシート111,112を積層してカード基材11としている。
このカード基材11の表面側には印刷画像12が形成されている。この印刷画像12はそれぞれのカードに共通する情報を表示するもので、例えば、カードの種類、カード発行者、カード使用上の留意点等を表示している。この印刷画像12は周知の印刷方法で形成することができる。例えばグラビア印刷法である。
次に、この印刷画像12の上に第1表示層13が積層されている。この第1表示層13は、レーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料によって構成されている。
このレーザー発色材料は、照射されたレーザー光により、照射部分を炭化させることにより黒く発色させるか、照射部分の構造を変化させ発色させるものである。このようなレーザー発色材料としては、光透過性の樹脂に、レーザー光の波長域に吸収のある添加剤を加えたものを用いることができる。
このような光透過性の樹脂としては、例えばポリカーボネート(PC)、植物由来ポリカーボネート(バイオPC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシロキサン1,4−ジメチルフタレート(PCT)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、透明アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(MABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール等が使用できる。
また、その添加剤としては、レーザー光を吸収して熱エネルギーに変換できる材料又は、レーザー光を吸収して発色する材料が適当である。
レーザー光を吸収して熱エネルギーに変換できる材料を添加剤として樹脂に添加した場合には、レーザー光を照射したとき、この材料がレーザー光を吸収して発熱し、周囲の樹脂を炭化させて黒色に発色させる。このような材料としては、例えば、染料と珪素含有無機化合物、珪素を含有する染料、金属珪酸塩等の放射線吸収物質、水和アルミナ等の無機質充填剤、燐酸塩を含む顔料、非白色のチタン酸金属塩、黒色有機染料、非黒色の無機鉛化合物、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、金属水酸化物や金属含水化合物と着色剤を含有したもの等が挙げられる。
また、レーザー光を吸収して発色する材料としては、炭酸鉛、硫酸鉛、ステアリン酸鉛、鉛白、酢酸銀、蓚酸コバルト、炭酸コバルト、黄色酸化鉄、塩基性酢酸ビスマス、水酸化ビスマス、ニッケルアセチルアセテート、乳酸ニッケル、クエン酸銅、炭酸銅等、重金属を含有する化合物などがあげられる。また、ロイコ染料と顕色剤を用いてもよい。
このレーザー発色材料をフィルムとして製膜した後、カード基材11に接着することにより、第1表示層13を形成することができる。また、レーザー発色材料をカード基材11に塗布することによって第1表示層13を形成することも可能である。
なお、レーザー発色材料で構成された第1表示層13に印字して第1表示画像13aを形成するためには、適切な種類と強度のレーザー光を第1表示画像13aに応じて照射すればよい。適切なレーザー光はレーザー発色材料の材質に応じて選択することができる。例えば、ルビーレーザー、チタンサファイアレーザー、YAGレーザー(Nd:YAGレーザーは赤外)等の固体レーザー、炭酸ガスレーザー(赤外)やヘリウムネオンレーザー(赤色)、アルゴンイオンレーザー(主に青色または緑色)、エキシマレーザー(主に紫外)等のガスレーザー、半導体レーザー等である。
次に、この第1表示層13の上には、部分的にホログラム層14が積層されている。このホログラム層14はカード10の贋造を防止する機能を有している。
そして、このホログラム層14が部分的に設けられているため、第1表示層13はその外側の位置でホログラム層14から露出している。ホログラム層14は微細な凹凸を有する光反射膜で構成されたもので、一般に、微細な凹凸を形成した樹脂層(ホログラム形成樹脂層)の凹凸表面に光反射性の薄膜を堆積して製造される。
そして、このホログラム層14の上に重ねて第2表示層18が設けられている。ホログラム層14はカード基材11の上に部分的に設けられているから、このホログラム層14の上に重ねて配置された第2表示層18も第1表示層13の上に部分的に配置されており、第1表示層13はホログラム層14及び第2表示層18の外側の位置でこれらの層14,18から露出している。
そして、この第2表示層18も、第1表示層13と同じく、レーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料によって構成されている。第1表示層13の材質と第2表示層18の材質とは同じものである必要はないが、同じレーザー光線の照射によって印字できるものであることが望ましい。
第2表示層18はホログラム層14と同形同大である必要はないが、第2表示層18の端部のうち少なくとも一つの端部がホログラム層14の端部に一致していることが望ましい。このように第2表示層18の端部がホログラム層14の端部に一致しているとき、カード10を表面側から観察すると、この第2表示層18の端部を挟んで、第2表示層18と第1表示層13とが連続して観察できる。このため、この端部を挟んで第2表示層18と第1表示層13の両者に文字等の画像を印字すると、この画像は、第2表示層18上に印字された第2表示画像と第1表示層13上に印字された第1表示画像とに分割され、この両画像で文字等の画像を合成した状態となる。すなわち、いわゆる割符あるいは割り印に類似した画像となる。
次に、この第1表示層13及び第2表示層18の両者は、透明保護層(表面側透明保護層)15によって被覆されている。このため、これら両層13,18はカード10の表面に露出していない。
なお、表面側透明保護層15は、第1表示層13及び第2表示層18の両者を被覆していればよいが、カード10の全面を被覆して、カード10の厚みを均一にしていることが望ましい。
このような表面側透明保護層15は、可視光とレーザー光線の両者を透過する樹脂によって構成することができる。例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシロキサン1,4−ジメチルフタレート(PCT)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)等である。これら透明樹脂をフィルム化し、カード10表面に貼り合わせることによって表面側透明保護層15を形成することができる。また、これら透明樹脂を溶剤に溶解又は分散させて塗料とし、カード10表面に塗布することによって表面側透明保護層15を形成することもできる。
次に、カード基材11の裏面側には、裏面側表示層16が積層されている。この裏面側表示層16は必ずしも必要なものではないが、この例では、第1表示層13や第2表示層18と同じく、レーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料によって構成されている。もっとも、これら第1表示層13や第2表示層18の材質と同じ材質で構成されている必要はないし、同じレーザー光線の照射によって印字できるものである必要もない。なお、図中、16aはレーザー照射によって印字された裏面側表示画像を示している。
そして、この裏面側表示層16も透明保護層(裏面側透明保護層)17によって被覆されている。裏面側透明保護層17は、表面側透明保護層15と同様に、可視光とレーザー光線の両者を透過する樹脂によって構成することができる。
このカード10は、転写箔を利用して製造することができる。図2はこの転写箔の具体例を示す断面説明図である。
この転写箔20は、転写箔基材21上に、剥離層22を介して、第2表示層18を有している。そして、この第2表示層18の上にホログラム層14を有しており、更にその表面に接着層24を備えている。
転写箔基材21としては、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等の合成樹脂を素材とするフィルムを使用することができる。
また、剥離層22としては、容易に転写箔基材21から剥がれる材料であれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂のいずれであっても良いが、柔軟性、箔切れ性を考慮し、熱可塑性樹脂が好ましい。その例として、熱可塑性ポリアクリル酸エステル樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を挙げることができる。
第2表示層18は、前述のように、レーザー発色材料を剥離層22上に塗布することによって形成することができる。
また、ホログラム層14は微細な凹凸を有する光反射膜で構成されたもので、一般に、微細な凹凸を形成した樹脂層(ホログラム形成樹脂層)23の凹凸表面に光反射性の薄膜を堆積して製造される。
ホログラム形成樹脂層23としては、エンボスによって表面に凹凸を形成できる樹脂を使用することができる。例えば、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ゴム樹脂、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等である。また、ポリスチレンと塩酢ビ樹脂の混合物を使用することも可能である。また、これら樹脂に熱硬化性樹脂を混合して使用することもできる。例えば、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂等である。これら樹脂をグラビアコーティング法やマイクログラビアコーティング法で塗布した後、表面をエンボスして、ホログラムを構成する光回折性の微細な凹凸を形成することによって、ホログラム形成樹脂層23を設けることができる。
そして、この上に光反射性の材料を堆積することによってホログラム層14を形成することができる。光反射性材料としては、アルミニウム、錫、金、銀、クロム、ニッケル等の金属を使用することができる。また、透明な高屈折率材料を使用することもできる。例えば、酸化チタン、硫化亜鉛等である。これら材料は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等の方法で、ホログラム形成樹脂層23の上に堆積して、ホログラム層14を形成することができる。こうして形成されたホログラム層14はホログラム形成樹脂層23表面の凹凸を反映して、その表面に光回折性の微細な凹凸を有しており、入射した光を反射回折してホログラム画像を表示することができる。
接着層24としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂等を塗布して形成することができる。ブロッキングの防止や箔切れ性を考慮して、石油系ワックス、植物系ワックス等の各種ワックス、ステアリン酸等の高級脂肪酸の金属塩、シリコンオイル等の滑剤や、テフロン(登録商標)パウダー、ポリエチレンパウダー、シリコーン系微粒子やアクリルニトリル系微粒子等の有機フィラー、あるいはシリカ微粒子等の無機フィラーを配合することも可能である。
こうして得られた転写箔20を使用して、次のような工程でカード10を製造することができる。すなわち、まず、カード基材11の表面側に印刷画像12を印刷形成し、この印刷画像12上に第1表示層13を積層する。この例のように、カード基材11が多数枚のシート111,112を積層して構成されている場合には、そのうちの1枚のシート111の上に印刷画像12と第1表示層13を積層すればよい。なお、前述のように、第1表示層13は、レーザー発色材料をフィルムとして製膜した後、カード基材11に接着することにより形成することができる。また、レーザー発色材料をカード基材11に塗布することによって第1表示層13を形成することも可能である。
次に、前記転写箔20を第1表示層13に重ね、ホログラム層14と第2表示層18の両者を第1表示層の上に部分的に転写する。
そして、カード10を構成するその他の層を積層して、このカード10を製造することができる。すなわち、第2表示層18及び第1表示層13を被覆して、望ましくはカード10の全面に表面側透明保護層15を積層する。また、裏面側には、順次、カード基材11を構成するシート112、裏面側表示層16、裏面側透明保護層17を積層する。これら各層は、それぞれ、塗布により、あるいはフィルム状の各層を接着することにより積層することができる。
このカード10は、次のように使用することができる。すなわち、カード10の表面側からレーザー光を照射して表示画像を印字する。表面側から見た場合、ホログラム層14の上には第2表示層18がホログラム層14に重ねて積層されており、その外側の位置では第1表示層13が第2表示層18及びホログラム層14から露出しているから、表面側からレーザー光を照射したとき、第2表示層18と第1表示層13の両方に跨って表示画像を印字することができる。言い換えると、表示画像は、第2表示層18に形成される第2表示画像と、第1表示層13に形成される第1表示画像とに分割される。図3はこの状態のカード10Aを示す断面説明図で、18aは第2表示画像を示し、13aは第1表示画像を示している。
この第1表示画像13aと第2表示画像18aの両者で合成される表示画像は任意の画像でよいが、カード所有者に関する個別情報を構成する画像であることが望ましい。例えば、カード所有者の氏名、顔写真等である。また、この個別情報に加えて、細線を構成要素とする細線模様等を印字してもよい。
前述のように、第2表示層18はホログラム層14の上に、しかも、このホログラム層14に重ねて配置された層であり、第2表示画像18aもホログラム層14の上に重ねて配置されている。そこで、表面側から掘削すれば、この第2表示画像18aを削り取って改竄することが可能である。しかし、第1表示層13はホログラム層14の下に位置しており、第1表示画像13aもホログラム層14の下に位置しているから、表面側から掘削したとき、ホログラム層14を傷つけることなく、第1表示画像13aを削り取ることは不可能であり、その改竄も不可能である。
また、裏面側から掘削した場合には、第1表示画像13aを削り取って改竄することができるが、ホログラム層14を傷つけることなく、第2表示画像18aを削り取ることは不可能であり、その改竄も不可能である。
このため、表裏のどちらから掘削しても、ホログラム層14を傷つけることなく、この両者で合成される表示画像を改竄することは不可能なのである。
なお、このような改竄防止効果を高めるため、第2表示層18の端部をホログラム層14の端部に一致させ、この端部を挟んで第2表示層18と第1表示層13の両者に跨る表示画像を印字することが望ましい。前述のように、この表示画像は、第2表示層18に印字される第2表示画像18aと第1表示層13に印字される第1表示画像13aとに分割されるが、第2表示層18と第1表示層13とは前記端部を挟んで連続しているため、第2表示画像18aと第1表示画像13aの両者も前記端部を挟んで連続することになる。
そこで、これら第1表示画像13aと第2表示画像18aとで合成される前記表示画像を単一の画像として認知されるものとすれば、改竄の有無を一目で判断できる。
例えば、カード所有者の氏名を構成する文字を分割して、その一方を第1表示画像13aとして第1表示層13に印字し、残部を第2表示画像18aとして第2表示層18に印字すると、これら第1表示画像13aと第2表示画像18aとが所定の位置関係で突き合わされたとき、初めてその文字が認知できる。仮に第1表示画像13aと第2表示画像18aのいずれか一方が改竄された場合、その文字を再現することは事実上不可能であるから、これら第1表示画像13aと第2表示画像18aとを観察すれば、一目で改竄の事実を判定できる。すなわち、観察される両表示画像13a,18aが一体として文字を構成していれば、改竄がないと判断できる。これに対し、両表示画像13a,18aが一体として文字を構成していなかったり、あるいは文字として不自然な分断が観察される場合には改竄されたのである。
また、第1表示画像13aと第2表示画像18aとで合成される表示画像として、細線を構成要素とする細線模様を印字し、その模様を構成する細線を第1表示画像13aと第2表示画像18aとに跨る連続的な線とすれば、第1表示画像13aと第2表示画像18aのいずれか一方が改竄したとき、両画像13a,18aの細線が連続的な一本の線となるように改竄することは不可能である。このため、その細線模様を観察すれば不自然な分断が観察できることとなり、改竄の有無を一目で判定できる。
このようにカード10の表面側からレーザー光を照射して表示画像を印字することにより、第1表示層13と第2表示層18の両者にそれぞれ第1表示画像13aと第2表示画像18aとを形成することができるが、レーザー光線は不透明なカード基材11に遮断されるため、裏面側表示層16はこのレーザー光照射の影響を受けない。
一方、カード10裏面側からレーザー光を照射すれば、この裏面側表示層16に画像を印字することができる。図3において、16aは裏面側表示層16に印字された画像(裏面側表示画像)を示している。なお、このようにカード10裏面側からレーザー光を照射したとき、第1表示層13と第2表示層18の両者がこのレーザー光照射の影響を受けないことは明らかである。
この裏面側表示画像16aは任意の画像でよいが、第1表示画像13aと第2表示画像18aとで合成される表示画像に関連する画像を裏面側表示画像16aとして印字すると、カード10Aの改竄防止効果を更に高めることができる。例えば、第1表示画像13aと第2表示画像18aとで合成される前記表示画像がカード所有者の氏名である場合、裏面側表示画像16aも同じカード所有者の氏名である。この場合には、このカードを改竄するためには、第1表示画像13aと第2表示画像18aの両者に加えて、裏面側表示画像16aも改竄しなくてはならない。
また、特に秘密とする必要のある個人情報をこの裏面側表示画像16aとして印字することもできる。例えば、納税や年金に関連して使用される個人番号や法人番号である。この場合には、第三者がカード10Aを表面側から観察した場合、その第三者はカード所有者の氏名等を認識することができるが、これら個人番号や法人番号をその第三者に知られることがない。
10:カード
11:カード基材 111:カード基材を構成するシート 112:カード基材を構成するシート
12:印刷画像
13:第1表示層 13a:第1表示画像
14:ホログラム層
15:表面側透明保護層
16:裏面側表示層 16a:裏面側表示画像
17:裏面側透明保護層
18:第2表示層 18a:第2表示画像
10A:印字されたカード
20:転写箔
21:転写箔基材 22:剥離層 23:ホログラム形成樹脂層 24:接着層

Claims (6)

  1. カード基材の表面側に第1の表示層が積層されており、この第1表示層の上に部分的にホログラム層を有すると共に、このホログラム層の上に重ねて第2の表示層を有するカードであって、
    第1表示層及び第2表示層のいずれもがレーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料によって構成されていることを特徴とする偽造防止カード。
  2. 第2表示層の端部がホログラム層の端部に一致して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止カード。
  3. 第1表示層及び第2表示層の両者が透明保護層によって被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の偽造防止カード。
  4. 第1表示層及び第2表示層の両者に表示画像が印字されており、第1表示層の表示画像(第1表示画像)と第2表示層の表示画像(第2表示画像)とを合成した表示画像が、単一の画像として認知されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偽造防止カード。
  5. カード基材の裏面側に表示層が積層されており、この裏面側表示層がレーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料によって構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偽造防止カード。
  6. レーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料を第1表示層の材料として、カード基材の表面側に第1表示層を積層する工程、
    レーザー照射によって印字可能なレーザー発色材料を第2表示層の材料として、転写箔基材上に剥離容易に第2表示層を形成すると共に、この第2表示層上にホログラム層を形成して、転写箔を製造する工程、
    次に、前記転写箔を前記第1表示層に重ね、ホログラム層と第2表示層の両者を第1表示層の上に部分的に転写する工程、
    を有することを特徴とする偽造防止カードの製造方法。
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