JP2019038168A - 個人認証媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】セキュリティ素子を内包した個人認証用偽造防止媒体に対する偽造および改ざんによる不正使用を防止するために、高度なセキュリティ対策の向上が必要である。【解決手段】個人認証用偽造防止媒体にレーザー発色性基材と不可視インキを用いた改ざん防止層を設けて、レーザー発色性基材にレーザー光を照射して個人認証情報を記録するのと同時に、改ざん防止層にも同一の個人認証情報を記録することにより、改ざんされた際に改ざんを検知しやすくする。【選択図】図2

Description

本開示は、個人認証媒体に関するものであり、特にカードやパスポート等の個人認証媒体におけるセキュリティ素子が内包され、レーザー刻印情報が施された識別情報が記録された個人認証媒体に関する。
カードやパスポートにおける個人認証媒体において、セキュリティ素子が内包化された形態の偽造防止媒体は、セキュリティ素子が媒体の表面に配置されるような他の形態と比較した場合に、化学薬品や磨耗および直接的な改ざんや偽造に対して非常に強く、不正な手段によって取り外され難いという利点を有する。
また、個人認証媒体を不正な複製から守る為のレーザー刻印の導入は、特許文献1などで知られている。レーザー刻印は、一般的には、個人認証媒体内に、特定の波長のレーザー光を吸収し変色する特性を持った層を導入し、適当な波長や強度やサイズに調整されたレーザー光を照射することによって、黒色に変色させて情報を記録するものである。レーザー刻印は、各個人認証媒体に対し、それぞれ異なる情報を書き込む事が可能である為、不正な複製や変造が困難である所有者の顔やサイン形状等の個別情報が書き込まれる事が多い。
一方、内包されているセキュリティ素子は、個々に異なる絵柄を作製する事は困難であり、個人認証用の偽造防止媒体においても共通の絵柄が用いられる事が多い。よって、共通の絵柄を用いるがゆえに、不正にこれを取り出して個人情報だけを書き換えて、改ざんした個人情報の上に予め取り出したセキュリティ素子を再度貼り付ける偽造が行われる可能性が少なからず存在する。また、これらの改ざんや偽造が行われた場合は、これを識別する事が困難な場合がある。
国際公開第2012/050223号
セキュリティ素子を内包した個人認証用偽造防止媒体に対する偽造および改ざんによる不正使用を防止するために、常に新たな技術が求められており、更なるセキュリティ対策の改善が必要とされている。
第1の発明は、白色コア基材と、前記白色コア基材の片面に不可視インキを用いて改ざん防止層が一部もしくは全面に設けられており、前記改ざん防止層の白色コア基材と向かい合っている側とは反対側の面にレーザー光を照射することにより発色するレーザー発色性基材が設けられており、前記レーザー発色性基材の改ざん防止層と向かい合っている側とは反対側の面にセキュリティ素子が一部もしくは全面に設けられており、前記セキュリティ素子のレーザー発色性基材と向かい合っている側とは反対側の面に透明保護基材を備える積層体を提供する。
第2の発明は、白色コア基材と、前記白色コア基材の片面にレーザー光を照射することにより発色するレーザー発色性基材が設けられており、前記レーザー発色性基材の白色コア基材と向かい合っている側とは反対側の面に不可視インキを用いて改ざん防止層が一部もしくは全面に設けられており、前記改ざん防止層のレーザー発色性基材と向かい合っている側とは反対側の面にセキュリティ素子が一部もしくは全面に設けられており、前記セキュリティ素子の改ざん防止層と向かい合っている側とは反対側の面に透明保護基材を備える積層体を提供する。
第3の発明は、白色コア基材と、前記白色コア基材の片面にレーザー光を照射することにより発色するレーザー発色性基材が設けられており、前記レーザー発色性基材の白色コア基材と向かい合っている側とは反対側の面にセキュリティ素子が一部もしくは全面に設けられており、前記セキュリティ素子とレーザー発色性基材の露出している面に向かい合うように不可視インキを用いて改ざん防止層が一部もしくは全面に設けられており、改ざん防止層のセキュリティ素子と向かい合っている側とは反対側の面に透明保護基材を備える積層体を提供する。
第4の発明は、白色コア基材と、前記白色コア基材の片面にレーザー光を照射することにより発色するレーザー発色性基材が設けられており、前記レーザー発色性基材の白色コア基材と向かい合っている側とは反対側の面にセキュリティ素子が一部もしくは全面に設けられており、前記セキュリティ素子のレーザー発色性基材と向かい合っている側とは反対側の面に透明保護基材を備え、さらに透明保護基材のセキュリティ素子と向かい合っている側とは反対側の面に不可視インキを用いて改ざん防止層が一部もしくは全面に設けられている積層体を提供する。
第5の発明は、前記改ざん防止層が可視領域において吸収がなく赤外領域において吸収のあることが特徴のインキであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の積層体。
第6の発明は、識別情報の記録のために適用されたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の積層体を提供する。
第7の発明は、カードまたはパスポートであることを特徴とする請求項1乃至6に記載の積層体を提供する。
第8の発明は、請求項1乃至6に記載の積層体に、透明保護基材側からレーザー光を照射して、レーザー発色性基材を発色させ、同時に改ざん防止層を不活性化させることにより同一の識別情報を同時に記録する方法を提供する。
第9の発明は、請求項8に記載の方法で識別情報が記録された請求項1乃至7に記載の積層体を提供する。
本開示によると、不可視インキとして赤外線吸収インキを用いた場合に、積層体1に対して改ざんを行った場合、目視では図7のようなに観察されるため、一見改ざんされたことは分からない。しかし、赤外線カメラで観察を行うと、不活性化した改ざん防止部2aの画像と不正画像8が一致していないため、図9のような画像が観察され、不正を検知することができる。
積層体を具体化した断面構造を示す断面図。 積層体にレーザー光を照射した後の断面構造を示す断面図。 図2の積層体の平面構造を示す平面図。 図3の積層体の赤外線カメラの観察画像。 図2の積層体を不正に剥がした際の断面構造を示す断面図。 図5の改ざん防止層の赤外線カメラの観察画像。 改ざんをして不正画像を印字した積層体の平面構造を示す平面図。 図7のB-B’断面構造を示す断面図。 図7の積層体の赤外線カメラの観察画像。 積層体を具体化した断面構造を示す断面図。 積層体にレーザー光を照射後の断面構造を示す断面図。 積層体を具体化した断面構造を示す断面図。 積層体にレーザー光を照射後の断面構造を示す断面図。 積層体を具体化した断面構造を示す断面図。 積層体にレーザー光を照射後の断面構造を示す断面図。 積層体を具体化した断面構造を示す断面図。 図16の積層体の平面構造を示す平面図。 積層体にレーザー光を照射後の断面構造を示す断面図。 図18の積層体の赤外線カメラの観察画像。 図18の積層体を改ざんして不正画像を印字した積層体の赤外線カメラの観察画像。
以下、本開示の実施の形態を、適宜図面を参照して詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に、白色コア基材3上に不可視インキを用いて改ざん防止層2が設けられており、改ざん防止層2を挟み込むようにレーザー発色性基材4が設けられ、レーザー発色性基材4上にセキュリティ素子5および印刷領域7が設けられ、透明保護基材6が備えられている積層体1を示す。
さらに、積層体1に対して透明保護基材6側からレーザー光を照射すると、レーザー光は透明保護基材6およびセキュリティ素子5を通過しレーザー発色性基材4に到達する。その結果、レーザー発色性基材4がレーザー光を吸収し樹脂を炭化させることにより発色し印字が可能となる。同時に、レーザー発色性基材4の下側にある改ざん防止層2にもレーザー光が到達する。レーザー光が当たった部分は加熱され、不可視インキは不活性化する。図2に示すように、レーザー発色領域4aと改ざん防止層2に不活性化した改ざん防止部2aが得られ、図3のような透明保護基材6越しにセキュリティ素子5とレーザー発色領域4aである印字の両方を同時に観察できる。
また、例えば、不可視インキとして赤外線吸収インキを用いた場合に、図5のようにレーザー発色性基材4と改ざん防止層2の間で剥がし、改ざん防止層2を赤外線カメラで観察を行う。レーザー光を照射された部分は、改ざん防止層2が不活性化している。そのため、不活性化した改ざん防止部2aは赤外線が吸収されず白く観察され、図6のような画像が確認できる。さらに、レーザー発色性基材4のレーザー発色領域4aを削除し、再度レーザー発色性基材4を設けてから、透明保護基材6とともに貼り合せを行ない、その後、レーザー光を照射し不正画像8を印字し改ざんを行なうと、目視では図7のように観察されるため、一見改ざんされたことは分からない。しかし、赤外線カメラで観察を行うと、不活性化した改ざん防止部2aの画像と不正画像8が一致していないため、図9のような画像が観察され、不正を検知できる。
図10に、白色コア基材3上にレーザー発色性基材4が設けられ、さらに不可視インキを用いて改ざん防止層2が設けられており、改ざん防止層2上にセキュリティ素子5および印刷領域7が設けられ、さらに透明保護基材6が備えられている積層体1を示す。
この積層体1に対して透明保護基材6側からレーザー光を照射することで、レーザー光は透明保護基材6およびセキュリティ素子5を通過し改ざん防止層2に到達する。レーザー光が当たった部分は加熱され、不可視インキは不活性化し、不活性化した改ざん防止部2aを得ることができる。さらにレーザー光はレーザー発色性基材4にも到達し、レーザー光を吸収し樹脂を炭化させることにより発色させ印字を行う。図11に示すように、不活性化した改ざん防止部2aとレーザー発色領域4aが得られ、透明保護基材6越しに、セキュリティ素子5とレーザー発色領域4aである印字の両方を、同時に観察することができる。この積層体1の改ざんを行った場合、不活性化した改ざん防止部2aの画像と不正画像8が一致せず、図9のような画像が観察され、不正を検知できる。
図12に、白色コア基材3上にレーザー発色性基材4が設けられ、レーザー発色性基材4上にセキュリティ素子5および印刷領域7が設けられ、さらに、セキュリティ素子5およびレーザー発色性基材4および印刷領域7を覆うように改ざん防止層2、透明保護基材6が順次備えられている積層体1を示す。
この積層体1に対して透明保護基材6側からレーザー光を照射することで、レーザー光は透明保護基材6を通過し、改ざん防止層2に到達した際に不可視インキは不活性化し、不活性化した改ざん防止部2aを得ることができる。さらには、セキュリティ素子5を通過してレーザー発色性基材4にも到達し、レーザー発色性基材4がレーザー光を吸収し樹脂を炭化させることによって発色し、印字を行う。図13に示すように、不活性化した改ざん防止部2aとレーザー発色領域4aが得られ、透明保護基材6越しに、セキュリティ素子5とレーザー発色領域4aである印字の両方を同時に観察することができる。この積層体1の改ざんを行った場合、不活性化した改ざん防止部2aの画像と不正画像8が一致せず、図9のような画像が観察され、不正を検知できる。
図14に、白色コア基材3上にレーザー発色性基材4が設けられ、レーザー発色性基材4上にセキュリティ素子5および印刷領域7が設けられ、さらに、透明保護基材6、改ざん防止層2が順次備えられている積層体1を示す。
さらに、積層体1に対して改ざん防止層2側からレーザー光を照射することで、レーザー光は改ざん防止層2にて不可視インキを不活性化し、不活性化した改ざん防止部2aを得ることができる。さらに、透明保護基材6、セキュリティ素子5を通過してレーザー発色性基材4にも到達し、基材がレーザー光を吸収し樹脂を炭化させることにより発色し印字を行う。図15に示すように、不活性化した改ざん防止部2aとレーザー発色領域4aが得られ、透明保護基材6越しに、セキュリティ素子5とレーザー発色領域4aである印字の両方を、同時に観察することができる。この積層体1の改ざんを行った場合、不活性化した改ざん防止部2aの画像と不正画像8が一致せず、図9のような画像が観察され、不正を検知される。
改ざん防止層2が可視領域において吸収がなく赤外領域において吸収のあるインキを用いている場合、目視では画像を確認できず、赤外線カメラにて観察を行うと画像が観察される。さらに、改ざん前に赤外線カメラにて観察を行うと、レーザー発色領域4aと不活性化した改ざん防止部2aは同一の識別情報が同位置に形成されているため、重なって観察されてしまい図4のような画像として観察される。しかし、改ざんを行うと、図9のような不活性化した改ざん防止部2aと不正画像8がずれて観察され、不正を検知できる。
このように、カードあるいはパスポートにおける識別情報の記録がされた積層体1は、従来のものに比べて、斬新な意匠性や高い偽造および改ざん防止性が付与される。
積層体1にレーザー光を照射し、レーザー発色性基材4と改ざん防止層2に同一の識別情報を同時に記録するため、改ざん防止効果が非常に高くなる。
さらに、改ざん防止層2は図16、図17のように柄で部分的に設けても高い改ざん防止効果を得られる。柄として部分的に設ける場合、例えば、図18、図19に示すように、不可視インキにてセンサーマーク等を設けて、それを読み取って位置合わせを行ってセキュリティ素子5を設けるなどを行うと、セキュリティ素子5と改ざん防止層2が関連付けられるため、さらに改ざん防止効果が高まる。また、不可視インキのセンサーマークを読み取って位置合わせを行い、レーザー光の照射によるレーザー発色領域4aの識別情報を設けることにより、レーザー発色領域4aと改ざん防止層2が関連付けられるため、さらに改ざん防止効果を高められる。
改ざん防止層2を部分的に設けた積層体1の改ざんを行ない、不正画像8を設けて、改ざん後の積層体9を赤外線カメラにて観察を行うことで、図20のように不活性化した改ざん防止部2aと不正画像8に対応するレーザー発色領域2aが重ならずに観察されてしまい、不正を行ったことが検知できる。
(基材)
積層体1を構成する白色コア基材3、レーザー発色性基材4、透明保護基材6の材料として、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。これらには、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、エチレンビニールアルコール、ポリビニールアルコール、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、アクリル樹脂、トリアセチルセルロースフィルムなどが挙げられる。特に、従来のカードやパスポート基材などに使われているポリ塩化ビニル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、ポリカーネート樹脂を材料として用いると、熱や圧力等による積層一体化加工が容易となり、好ましい。透明な基材を用いる場合、近紫外線領域と近赤外線領域を透過する材料が好ましい。基材の厚さは25μm以上200μm以下であることが好ましい。厚さが25μmよりも薄いと、基材としての物理的強度が不十分となり取り扱い難く、印刷等を設ける際にシワ等が発生しやすい。一方200μmよりも厚いと、加工の際の、基材自体が有する厚みのバラツキやたわみの影響が大きくなりやすい。より好ましい厚さは、50以上150μm以下である。
(レーザー発色性基材)
レーザー発色性基材4は、工業的に汎用の波長700以上1200nm以下の赤外領域のレーザー光を照射することにより発色する基材であり、前述の基材に使用可能な樹脂に必要に応じて下記添加剤を添加することによって作製される。
レーザー発色させる方法として、例えば1)樹脂を発泡させて発色する方法、2)樹脂にレーザー光を吸収する添加剤を加えて添加剤自体を発色させる方法や、3)樹脂にレーザー光を吸収する添加剤を加えて添加剤を発熱させ周囲の樹脂を炭化させて発色する方法などを用いることができる。
樹脂を発泡させる場合には、レーザー光が照射された際に、樹脂を発泡させるように構成されていればよく、例えば、レーザー光を照射することによって樹脂を加熱、軟化させるとともに、添加された発泡剤などによってガスを発生させ、樹脂を発泡させる方法などがある。このような発泡剤の例としては、ジアゾニウム塩などのアゾ化合物などがある。
添加剤を発色させる手法としては、フォトクロミック材料のようなフォトンモードによる発色や、顕色剤と組み合わされたロイコ染料などに代表されるようなヒートモードによる発色などが考えられるが、添加剤としていずれの材料が用いられてもよいが、非可逆的なものである場合、印画物の安定性が得やすい。
レーザー光を吸収して発色する材料としては、炭酸鉛、硫酸鉛、ステアリン酸鉛、鉛白、酢酸銀、蓚酸コバルト、炭酸コバルト、黄色酸化鉄、塩基性酢酸ビスマス、水酸化ビスマス、ニッケルアセチルアセテート、乳酸ニッケル、クエン酸銅、炭酸銅等、重金属を含有する化合物などがあげられる。これらの材料は、材料に含まれる金属イオンの結晶構造や、金属イオンの結晶に含まれる水和量が変化するなどの化学的変化によって発色を生じさせるものである。また、フルオラン系、フェノチアジン系、スピロピラン系、トリフェニルメタフタリド系、ローダミンラクタム系等のロイコ染料と顕色剤を用いてもよい。
レーザー光の波長域に吸収のある添加剤としては、レーザー光を熱に変換できる材料であれば、無機材料および有機材料のどちらでも使用することができる。レーザー光を熱に変換できる材料を用いることで、レーザー光吸収剤の周囲の樹脂を炭化させることで黒く発色させることができる。レーザー光を熱に変換できる材料としては、例えば、珪素含有無機化合物、珪素を含有する染料、金属珪酸塩等の放射線吸収物質、水和アルミナ等の無機質充填剤、燐酸塩を含む顔料、非白色のチタン酸金属塩、黒色有機染料、非黒色の無機鉛化合物、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、金属水酸化物又は/および金属含水化合物と着色剤を含有したものなどがあげられるが、必ずしもこれらに限定される物ではない。
これらの材料を前述の樹脂に添加しフィルム化することにより、レーザー発色性基材4を得ることができる。これらの材料は用いるレーザー光の波長域等により選択することができ、また添加量は、エネルギーの吸収効率、レーザー発色性基材4への印刷適性、転写適性、物理的特性により決定する。添加量はバインダーに対して0.1重量%以上30重量%以下がよく、好ましくは1重量%以上10重量%以下である。0.1重量%よりも少ないとレーザー発色濃度が低下し視認性が劣る。30重量%よりも多いと印字適正や転写適正が低下し、さらに力学的特性も低下する。
レーザー発色性基材4の厚さは25μm以上200μm以下であることが好ましい。厚さが25μmより薄いと、基材としての物理的強度が不十分となり取り扱い難く、印刷等を設ける際にシワ等が発生しやすい。一方200μmより厚いと、加工の際の、基材自体が有する厚みのバラツキやたわみの影響が大きくなりやすい。より好ましい厚さは、50μm以上150μm以下である。
本開示に使用できるレーザーは、例えば、COレーザーを含む遠赤外線レーザー、Nd:YAGレーザーおよびNd:YVOレーザーを含む近赤外線パルスレーザー、可視光のパルスレーザー、および、エキシマレーザーなどであればよい。また、例えば、Nd:YAGレーザーまたはNd:YVOレーザーの第3高調波を用いた紫外線レーザー、半導体レーザー、フェムト秒レーザー、および、ピコ秒レーザーなどであってもよい。
これらレーザーのうち、Nd:YAGレーザーまたはNd:YVOレーザーの第3高調波を用いたレーザーは、高解像度に描画できる点などの観点から好ましい。
赤外線領域の光を射出することができるレーザーと、その発振波長は、例えば以下の通りである。GaAlAs半導体レーザーは、635nm以上840nm以下の波長を有するレーザー光線を発振し、GaAs半導体レーザーは、840nmの波長を有するレーザー光線を発振する。InP半導体レーザーは、910nmの波長を有するレーザー光線を発振し、YAGレーザーは1064nmの波長を有するレーザー光線を発振する。
レーザー発色領域4aの識別情報は、個人の認証に利用することが可能な個人認証情報であってよい。個人認証情報には、生体情報と非生体情報との少なくとも一方が含まれてよい。
生体情報は、生体の特徴のうち認証される個人に特有の特徴であり、例えば、人相、指紋、および、静脈などの画像またはパターンである。非生体情報は、生体情報以外の個人情報であって、例えば、氏名、生年月日、年齢、血液型、性別、国籍、住所、本籍地、電話番号、所属、および、身分などを含む。非生体個人情報は、タイピングによって形成された文字であってもよいし、所有者の手書きの署名であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
(改ざん防止層)
改ざん防止層2には、目視では確認できず、判別装置を用いて認識できるような材料をインキ化し、公知の印刷法によって形成することができる。印刷方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法など、公知の方法で形成が可能である。これら印刷法に使用されるインキとしては、オフセットインキ、活版インキおよびグラビアインキ、凸版インキ、凹版インキ、インクジェットインクなど、印刷方法に応じたインキやインクを適宜用いることができ、また、組成や機能に応じて、例えば、樹脂インキ、油性インキおよび水性インキを用いることができる。また、乾燥方式の違いに応じて、例えば、酸化重合型インキ、浸透乾燥型インキ、蒸発乾燥型インキおよび紫外線硬化型インキを用いることができる。材料としては、可視領域において吸収はなく特定の光を当てることによって蛍光発光性が生じるような材料を用いてもよい。また、可視領域において吸収はなく、赤外線領域において吸収のあるような材料を用いてもよい。
蛍光発光性を付与する材料としては、特定波長の光によって励起し、異なる波長の光を発光するもので、無機系、有機系の一般に公知のものが使用可能である。無機の紫外線用蛍光体としては、例えば、Ca2:Eu2+,CaWO,ZnO:ZnSiO:Mn,YS:Eu,ZnS:Ag,YVO:Eu,Y:Eu,GdS:Tb,LaS:Tb,YAl12:Ce等が挙げられる。
無機の可視蛍光体としては、例えば、YF:YB,Er,ZnS:CuCo等、赤外線用としては、例えば、LiNd0.9Yb0.1P4O12,LiBi0.2Nd0.7Yb0.112,Nd0.9Yb0.1Nd(MoO4,NaNb0.3Yb0.1412,Nd0.8Yb0.2Na(W04,Nd0.8Yb0.2Na(Mo0.5WO0.5,Ce0.05Gd0.05Nd0.75Yb0.25Na(W0.7Mo0.3,Nd0.3Yb0.1Al(BO4,Nd0・9Yb0.1Al2.7Cr0.3(BO,Nd0.4,Nd0.8Yb0.2(PO等から選択できる。
赤外線吸収材料としては、無機化合物および有機化合物の一般に公知のものが使用可能であり、可視領域にて吸収がなく、赤外領域にて吸収があるような材料がよく、赤外領域の中でも近赤外領域に吸収がある材料が好ましい。吸収する波長としては、具体的には近赤外線領域である700〜1200nmに吸収を持つものであれば好ましい。例えば、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、ジイモニウム化合物、およびシアニン化合物からなる群より選択される少なくとも1つを使用することができる。
これらの材料は、検出波長、分散性、発光強度、安全性などを考慮して選択しバインダに添加する。例えば、バインダーに対し2重量%以上15重量%以下、好ましくは3重量%以上5重量%以下の範囲で添加されるのが好ましい。2重量%よりも少ないと、発光が弱く観察することが困難となり、15重量%よりも多いと改ざん防止層2の物理的耐性が著しく低下してしまう。これにより、蛍光発光性の材料を用いた場合には、ブラックランプ(紫外線)又は赤外線(780nm以上)の照射下において発光を見ることが可能となる。また、赤外線を吸収する材料を用いた場合には、赤外線領域にて観察を行うと、吸収が生じ黒色で観察される。
改ざん防止層2は全面に設けてもよいし、柄などを設けて部分的に設けてもよい。柄としては、文字、数字、記号、図形、および所定の画像などの少なくとも1つによって構成されていればよい。さらに、センサーマークとともにレーザー刻印エリアやセキュリティ素子5設置エリア等を改ざん防止層2に設けて、改ざん防止層2と位置合わせを行ないながら、レーザー刻印やセキュリティ素子5の設置を行なうことも可能である。
(セキュリティ素子)
セキュリティ素子5は目視により真贋判定が可能な媒体もしくは検証器等を用いて真贋判定が可能な媒体を用いることができる。目視判定を行う媒体として、例えば、レリーフ構造を有するホログラム等の光学干渉により真贋判定するような媒体でもよいし、光学特性の異なるセラミックスや金属材料の薄膜を積層した多層膜など、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる媒体でもよい。また、蛍光発光性の材料を用いて特定の波長の光を照射して判定をするような媒体でもよいし、コレステリック液晶などを用いた検証器を用いて判定するような媒体でもよい。本開示においては、主にレリーフ構造を有する媒体を例に説明を行う。
本開示のセキュリティ素子5は、レリーフ構造形成層5aおよびレリーフ構造5b、反射層5c、接着層5dからなり、別途準備した支持基材にこれらを順次積層して転写箔化し、熱圧による転写にて設けてもよい。さらには、耐熱性や耐溶剤性、耐摩耗性を向上させるために、保護層を導入してもよい。
(レリーフ構造形成層)
レリーフ構造形成層5aとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂等が使用できる。例えば、熱可塑性樹脂では、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。また、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加して架橋させたウレタン樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等が使用できる。この内、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂としては、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等も使用できる。また、セキュリティ素子5越しにレーザー発色領域4aを観察するため、レリーフ構造形成層5aは透明であることが好ましい。単層で設けてもよいし、多層で設けてもよい。また、必要に応じて各々の層を接着させるためのアンカー層を設けてもよい。
(レリーフ構造)
レリーフ構造5bの画像パターンを記録する方法については、前記二光束干渉法の他にもイメージホログラムやリップマンホログラム、レインボーホログラム、インテグラルホログラムなど、従来から知られているホログラムの製造方法により作製が可能である。
また、レリーフ構造5bの凹凸パターンは、電子線硬化型樹脂の表面に電子線を照射して、回折格子となる縞状パターンを露光する事によってセキュリティ素子5を形成する事も可能である。この場合には、その干渉縞を1本ごとに制御する事ができるため、ホログラムと同様に任意の立体画像やチェンジング画像を記録する事ができる。また、画像をドット状の画素領域に分割し、この画素領域ごとに異なる回折格子を記録し、これら画祖の集合で全体の画像を表現する事も可能である。画素は円形のドットの他、星形のドットでも良い。
また、誘起表面レリーフ形成法によって、レリーフ構造5bを形成する事も可能である。すなわち、アゾベンゼンを鎖側に持つポリマーのアモルファス薄膜に対して、青色〜緑色に渡る範囲の或る波長を有した数十mW/cm程度の比較的弱い光を照射する事によって、数μmスケールでポリマー分子の移動を起こし、結果、薄膜表面に凹凸によるレリーフを形成する事ができる。
そして、このように形成された凹凸パターンを有するレリーフ型のマスター版の表面に電気メッキ法で金属膜を形成する事によって、レリーフ型マスター版の凹凸パターンを複製し、これをプレス版とする。そして、このプレス版を熱圧着し、このレリーフ構造の表面に微細な凹凸パターンを転写することにより、レリーフ構造5bを形成する事ができる。
(反射層)
レリーフ構造5b形成面に光学効果を高めるために反射層5cを設けてもよい。反射層5cの材料としては、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、Agなどの金属材料の単体、またはこれらの化合物などが挙げられる。これらを単層または多層で使用できる。また、保護するためのマスク層やレリーフ構造形成層5aと接着させるためのアンカー層を有していてもよい。
また、膜面に垂直な光に対してほぼ透明であるが、斜光に対して屈折率に応じて反射特性を示す透明な反射層も単層または多層で使用できる。透明な反射層として使用できる材料の例を以下に挙げる。以下に示す化学式または化合物名の後に続くカッコ内の数値は屈折率nを示す。セラミックスとしては、Fe(2.9)、TiO(2.5)、CdS(2.6)、CeO(2.2)、ZnS(2.3)、CdO(2.2)、WO(2.2)、Ta(2.2)、ZrO(2.05)、MgO(1.74)、SiO(1.45)、MgF(1.4)、CeF(1.63)、CaF(1.3〜1.4)、AlF(1.38)、Al(1.6)などが挙げられる。有機ポリマーとしては、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)などが挙げられるがこの限りでない。
反射層5cを形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法など公知の方法を適宜使用することができる。また、光反射効果を有するインキ等を公知の印刷方法により設ける方法でもよい。
(接着層)
接着層5dは、一般的な粘着性を示す材料を用いて形成することができる。例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系ポリアミド、アクリル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリイソブチル系の粘着剤を単独で用いるか、もしくはアルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン、ビニルモノマーなどの凝集成分、不飽和カルボン酸、ヒドロキシ基含有モノマー、アクリルニトリルなどに代表される改質成分を添加したものが用いられる。必要に応じて、接着性付与剤、充填剤、軟化剤、光安定剤、酸化防止剤などの添加剤を必要に応じて添加したものを用いることができる。
接着性付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。充填剤としては、亜鉛華、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
軟化剤としては、プロセスオイル、液状ゴム、可塑剤などが挙げられる。熱光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系などが挙げられ、酸化防止剤としては、アニリド系、フェノール系、ホスファイト系、チオエステル系などが挙げられる。
接着層5dの厚さは、用途に応じて適宜選択されるが、通常0.1μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上5μm以下である。
(印刷領域)
印刷領域7は、伝えるべき情報や意匠を付与する為に、任意の色彩やパターン、文字や記号、絵柄などによって、全面もしくは部分的に設けられる領域である。
印刷領域7は、インキを用いて公知の印刷法によって形成することができる。印刷方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法など、公知の方法で形成が可能である。これら印刷法に使用されるインキとしては、オフセットインキ、活版インキおよびグラビアインキ、凸版インキ、凹版インキ、インクジェットインクなど、印刷方法に応じたインキやインクを適宜用いることができ、また、組成や機能に応じて、例えば、樹脂インキ、油性インキおよび水性インキを用いることができる。また、乾燥方式の違いに応じて、例えば、酸化重合型インキ、浸透乾燥型インキ、蒸発乾燥型インキおよび紫外線硬化型インキを用いることができる。また、光の照明角度又は観察角度に応じて色が変化する機能性インキを使用してもよい。このような機能性インキとしては、例えば、光学的変化インキ、カラーシフトインキおよびパールインキなどが挙げられる。
或いは、印刷領域7は、トナーを用いて電子写真法により形成してもよい。この場合、例えば、帯電性を持ったプラスチック粒子に黒鉛および顔料等の色粒子を付着させたトナーを準備し、帯電による静電気を利用して、トナーを被印刷体に転写させ、これを加熱し定着させることで印刷領域7を形成することができる。
印刷領域7に含まれる情報は、文字、数字、記号、図形、および所定の画像などの少なくとも1つによって構成されていればよい。
上記のような構成にて作製される積層体1を、識別情報が記録されたカードやパスポートのような個人認証媒体に用いると、化学薬品や磨耗および直接的な改ざんや偽造に対して、非常に強い耐性を示すような個人認証媒体を得ることができる。
<実施例1>
以下、本開示を具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。
図1の積層体1を下記の手順にて作製を行った。
白色コア基材3上に、赤外吸収材料をインキ化し全面に印刷を行い、改ざん防止層2を形成した。可視領域に吸収がないインキを用いたので、目視で観察すると改ざん防止層2を確認するのは困難であった。
次に、レーザー発色性基材4上にセキュリティ素子5を設けるための準備として、別途準備した支持体上にセキュリティ素子5を形成し、転写箔化した。セキュリティ素子5を形成した転写箔は、支持体として厚みが25μmのPETフィルムを用い、アクリルウレタンをインキ化しグラビア印刷にてコーティングし、インキに含まれる溶剤を揮発除去させて、厚み2μmのレリーフ構造形成層5aを得た。その後、これに凹凸レリーフを有する金属円筒版を押し当ててロール形成加工を行い、レリーフ構造5bを形成した。そして、形成されたレリーフ構造5b面に、反射層5cとしてZnSを真空蒸着法にて積層した。さらに、反射層5c上にポリエステルをインキ化しグラビア印刷にてコーティングし、インクに含まれる溶剤を揮発除去して、厚み4μmの接着層5dを得て、セキュリティ素子5を転写箔化した。
レーザー発色性基材4としてLEXAN SD8B94 100μm厚(SABIC株式会社)を用いた。前述の転写箔をホットスタンプ転写機にて熱圧転写後、支持体を取り除き、レーザー発色性基材4上にセキュリティ素子5を設けた。その後、インクジェットプリンターにて印刷領域7を得た。
その後、白色コア基材3上の改ざん防止層2を設けた面と、レーザー発色性基材4のセキュリティ素子が設けられていない面を向かい合わせて、さらに、レーザー発色性基材4のセキュリティ素子5が設けられた面上に透明保護基材6を重ねて熱圧ラミネート後、カード型に抜いて、図1のような積層体1を作製した。
その後、作製された積層体1の透明保護基材6側からレーザー印字機(キーエンス(株)製:「YVO4 レーザーマーカー MD−V9600」)を用いて、レーザー光の照射を行い、レーザー発色性基材4にレーザー発色領域4aである顔写真画像の印字を行い、図2のような積層体1を得た。
このように作製された積層体1を観察すると、目視においては、図3のようにセキュリティ素子5および印刷領域7およびレーザー発色領域4aである顔写真画像が同時に確認された。その後、透明保護基材6側より赤外線カメラにて観察を行うと、図4のような画像が確認された。
この積層体1を改ざんしようとして、図5のように、レーザー発色性基材4と改ざん防止層2の間にて一旦剥がし、レーザー発色領域4aを削り取った。このときに改ざん防止層2を赤外線カメラにて観察すると、図6のような画像が確認され、レーザー光の照射によりレーザー発色領域4aと同じ位置で同じ柄の不活性化した改ざん防止部2aが白い画像として認識された。その後、再度レーザー発色性基材4を設けてから、透明保護基材6とともに貼り直して、再度レーザー印字機にて、先ほどとは異なる顔写真画像を不正画像8として記録し、図7および図8のような改ざん後の積層体9を得た。
これを透明保護基材6側より赤外線カメラにて観察を行うと、図9のように不活性化した改ざん防止部2aと不正画像8に対応するレーザー発色領域4aがずれて観察されたため、改ざんしたことが検知された。
<実施例2>
図16の積層体1を下記の手順により作製を行った。
白色コア基材3上に、赤外吸収材料をインキ化しパターンにて印刷を行い、改ざん防止層2を形成した。このとき図17のように「GENUINE」の文字とともに、位置合わせを行なうためのセンサーマークと顔写真画像印字エリアとセキュリティ素子設置エリアを改ざん防止層2に設けた。可視領域に吸収がないインキを用いたので、目視で観察すると改ざん防止層2を確認するのは困難であった。
次に、実施例1と同様にセキュリティ素子5を転写箔化し、改ざん防止層2内のセンサーマークを読み取りながら、レーザー発色性基材4上にセキュリティ素子設置エリア内にセキュリティ素子5を設けた。その後、インクジェットプリンターにて印刷領域7を得て、透明保護基材6を熱圧ラミネート後、カード型に抜いて、図16のような積層体1を作製した。この積層体1を、赤外線カメラにて観察を行なうと、図17のような画像が観察された。この積層体1に対し、改ざん防止層2内のセンサーマークを読み取りながら、顔写真画像印字エリア内にレーザー光の照射により顔写真画像の印字を行い、図18のような積層体1を得た。この積層体1を、透明保護基材6側より赤外線カメラにて観察を行うと、図19のような画像が確認された。
前述の積層体1を改ざんして不正画像8を記録した積層体を赤外線カメラにて観察を行うと、図20のように不活性化した改ざん防止部2aと不正画像8に対応するレーザー発色領域4aがずれており、さらには顔写真画像印字エリアからもずれて観察されたため、改ざんしたことが検知された。また、セキュリティ素子5と透明保護基材6を貼り直した際に、改ざん防止層2のセキュリティ素子設置エリアに合わせて貼り直すことが困難であるため、セキュリティ素子5がセキュリティ素子設置エリアからずれていることも観察された。
1…積層体
2…改ざん防止層
2a…不活性化した改ざん防止部
3…白色コア基材
4…レーザー発色性基材
4a…レーザー発色領域
5…セキュリティ素子
5a…レリーフ構造形成層
5b…レリーフ構造
5c…反射層
5d…接着層
6…透明保護基材
7…印刷領域
8…不正画像
9…改ざん後の積層体

Claims (9)

  1. 白色コア基材と、
    前記白色コア基材の片面に不可視インキを用いて改ざん防止層が一部もしくは全面に設けられており、
    前記改ざん防止層の白色コア基材と向かい合っている側とは反対側の面にレーザー光を照射することにより発色するレーザー発色性基材が設けられており、
    前記レーザー発色性基材の改ざん防止層と向かい合っている側とは反対側の面にセキュリティ素子が一部もしくは全面に設けられており、
    前記セキュリティ素子のレーザー発色性基材と向かい合っている側とは反対側の面に透明保護基材を備える積層体。
  2. 白色コア基材と、
    前記白色コア基材の片面にレーザー光を照射することにより発色するレーザー発色性基材が設けられており、
    前記レーザー発色性基材の白色コア基材と向かい合っている側とは反対側の面に不可視インキを用いて改ざん防止層が一部もしくは全面に設けられており、
    前記改ざん防止層のレーザー発色性基材と向かい合っている側とは反対側の面にセキュリティ素子が一部もしくは全面に設けられており、
    前記セキュリティ素子の改ざん防止層と向かい合っている側とは反対側の面に透明保護基材を備える積層体。
  3. 白色コア基材と、
    前記白色コア基材の片面にレーザー光を照射することにより発色するレーザー発色性基材が設けられており、
    前記レーザー発色性基材の白色コア基材と向かい合っている側とは反対側の面にセキュリティ素子が一部もしくは全面に設けられており、
    前記セキュリティ素子とレーザー発色性基材の露出している面に向かい合うように不可視インキを用いて改ざん防止層が一部もしくは全面に設けられており、
    改ざん防止層のセキュリティ素子と向かい合っている側とは反対側の面に透明保護基材を備える積層体。
  4. 白色コア基材と、
    前記白色コア基材の片面にレーザー光を照射することにより発色するレーザー発色性基材が設けられており、
    前記レーザー発色性基材の白色コア基材と向かい合っている側とは反対側の面にセキュリティ素子が一部もしくは全面に設けられており、
    前記セキュリティ素子のレーザー発色性基材と向かい合っている側とは反対側の面に透明保護基材を備え、
    さらに透明保護基材のセキュリティ素子と向かい合っている側とは反対側の面に不可視インキを用いて改ざん防止層が一部もしくは全面に設けられている積層体。
  5. 前記改ざん防止層が可視領域において吸収がなく赤外領域において吸収のあることが特徴のインキであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の積層体。
  6. 識別情報の記録のために適用されたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の積層体。
  7. カードまたはパスポートであることを特徴とする請求項1乃至6に記載の積層体。
  8. 請求項1乃至7に記載の積層体に、透明保護基材側からレーザー光を照射して、レーザー発色性基材を発色させ、同時に改ざん防止層を不活性化させることにより同一の識別情報を同時に記録する方法。
  9. 請求項8に記載の方法で識別情報が記録された請求項1乃至7に記載の積層体。
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