JP2021146550A - 情報記録体および情報記録体を備える印刷物 - Google Patents

情報記録体および情報記録体を備える印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】デザイン性を損なわず、埋め込み情報の複製が困難な情報記録体を提供する。【解決手段】ホログラム層31に形成された第1画像と、第1画像上に形成される第2画像とを含む合成画像を具備した情報記録体30であって、前記第2画像は、観察角度によって反射光量の異なるインキにより印刷され、前記合成画像は、観察角度によって一方の画像を読取装置により認識可能であり、前記第2画像は、人が一見しただけでは無意味な画像であり、かつ、空間周波数領域における特徴点に規則性を有する画像である、情報記録体。【選択図】図1

Description

本発明は、偽造防止が困難な情報記録体およびこれを備える印刷物に関する。
従来より、印刷物等に人間が視覚で認識できないレベルで情報を埋め込み、印刷物の美的外観を損なわずに、埋め込まれた情報を読取装置で読み取る、電子透かし技術が用いられている。
電子透かしの技術を用いた印刷物として、下記の特許文献1には、光輝層に印刷される画像と、当該画像上に形成され透明層として印刷される画像とを含む合成画像を具備した情報記録体であって、両画像は、それぞれ観察角度によって反射光量の異なるインキにより印刷され、合成画像は、観察角度によって一方の画像を認識可能であり、光輝層に印刷された画像は、空間周波数領域における特徴点に規則性を有する画像であり、透明層に印刷される画像は、空間周波数領域における特徴点がその規則性を阻害する位置に配置される画像であるものが開示されている。
特開2016−93895号公報
この場合、光輝層に印刷される画像は、人間が視覚で認識できないコードパターンであるため、デザイン性の高い偽造防止技術が望まれている。また、デザイン性を考慮した偽造防止媒体としてホログラムが挙げられる。ホログラムは通常、固定デザインで形成されるため、偽造防止用の個別情報を追加する場合、例えばホログラムラベルのデザイン形成部の外側に、二次元バーコード等をプリンターで印字する等が必要である。しかし、このようなコードは、コピーが容易であり、偽造防止効果が十分ではないという問題がある。
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、デザイン性を損なわず、埋め込み情報の複製が困難な情報記録体および情報記録体を備える印刷物を提供することを課題とする。
本実施の形態による情報記録体は、ホログラム層に形成された第1画像と、前記第1画像上に形成される第2画像とを含む合成画像を具備した情報記録体であって、前記第2画像は、観察角度によって反射光量の異なるインキにより印刷され、前記合成画像は、観察角度によって一方の画像を読取装置により認識可能であり、前記第2画像は、人が一見しただけでは無意味な画像であり、かつ、空間周波数領域における特徴点に規則性を有する画像である。
本実施の別の形態による情報記録体は、ホログラム層に形成された第1画像と、前記第1画像上に形成される第2画像とを含む合成画像を具備した情報記録体であって、前記第2画像は、観察角度によって反射光量の異なるインキにより印刷され、前記合成画像は、観察角度によって一方の画像を読取装置により認識可能であり、かつ、前記一方の画像は、人が一見しただけでは無意味な画像を含んでおり、前記第2画像は、空間周波数領域における特徴点に規則性を有する画像であり、前記第1画像の一部は、空間周波数領域における特徴点のうち少なくとも1点以上の前記特徴点が前記規則性を阻害する位置に配置される画像である。
また、本実施の別の形態による情報記録体は、前記観察角度が照明光源の入射角に対する正反射時の出射角とは異なる第1位置においては、前記第1画像が視認可能であり、かつ、前記第2画像が視認不可能であり、前記観察角度が照明光源の入射角に対する正反射時の出射角と同一である第2位置においては、前記第1画像が視認不可能であり、かつ、前記第2画像が視認可能であり、前記第1位置と前期第2位置との間の位置である、前記観察角度が照明光源の入射角に対する正反射時の出射角とは異なるが前記第2位置の近傍である第3位置においては、前記第1画像および前記第2画像がともに視認可能であってもよい。
また、本実施の別の形態による情報記録体は、前記第1画像の一部の空間周波数領域における特徴点により表される第1形状と、前記第2画像の空間周波数領域における特徴点により表される第2形状とが、同一形状又は相似形状であってもよい。
また、本実施の別の形態による情報記録体において、前記第1形状及び前記第2形状は、反復形状であってもよい。
また、本実施の別の形態による情報記録体において、前記第1画像の一部と、前記第2画像とは、空間周波数領域における特徴点が特定位置上に現れる画像であってもよい。
また、本実施の別の形態による情報記録体において、前記第2画像は、透明素材で形成されて透明層を構成し、前記ホログラム層と、前記透明層との間には、透明な基材が配置され、前記透明層の屈折率は、前記基材の屈折率に対して0.1以上の差を有してもよい。
また、本実施の別の形態による情報記録体において、前記第2画像は、透明素材で形成されて透明層を構成し、前記透明層の、前記ホログラム層とは反対の面側には、透明な基材が配置され、前記透明層の屈折率は、前記基材の屈折率に対して0.1以上の差を有してもよい。
また、本実施の別の形態による情報記録体において、前記透明層と、前記基材との間には、剥離層がさらに配置され、前記透明層の屈折率は、前記剥離層の屈折率に対して0.1以上の差を有してもよい。
また、本実施の別の形態による情報記録体において、前記第2画像は、赤外線または紫外線によって励起され、可視光を発光する前記透明素材のインキにより構成されてもよい。
また、本実施の別の形態による情報記録体において、前記第2画像は、赤外線吸収材料を含むインキにより構成されてもよい。
また、本実施の別の形態による情報記録体において、前記第2画像は、偏光材料を含むインキにより構成されてもよい。
また、本実施の形態による印刷物は、上記の情報記録体を備えるものである。
本実施の形態によれば、デザイン性を損なわず、埋め込み情報の複製が困難な情報記録体を提供することができる。
第1実施形態に係る情報記録体の層構成を説明するための断面図である。 第1実施形態に係る情報記録体を備える印刷物およびその印刷物の層構成を説明する図である。 第1実施形態に係る情報記録体の構造に基づく観察態様を説明するための図である。 第2実施形態に係る情報記録体の構造に基づく観察態様を説明するための図である。 第1、第2実施形態に係る情報記録体のパターン画像の例を示す図である。 第1、第2実施形態に係るパターン画像を周波数変換した際の空間周波数領域を説明するための図である。 第1、第2実施形態に係るパターン画像を周波数変換した際の空間周波数領域を説明するための図である。 第1、第2実施形態に係るパターン画像を周波数変換した際の空間周波数領域を説明するための図である。 第1、第2実施形態に係るパターン画像を周波数変換した際の空間周波数領域を説明するための図である。 第1、第2実施形態に係る読取装置の機能ブロック図である。 第1、第2実施形態に係る読取装置でのコード特定処理を示すフローチャートである。 第1、第2実施形態に係る情報記録体のコピー時の照明光源とカメラとの位置関係を説明するための図である。 第1、第2実施形態に係る印刷物のコピー時の照明光源とカメラとの位置関係を説明するための図である。 第1、第2実施形態に係る情報記録体および印刷物のコピー品を説明するための図である。 変形例1および変形例2に係る情報記録体の層構成を説明するための断面図である。
以下、図面等を参照して、本開示の情報記録体の一例について説明する。ただし、本開示の情報記録体は、以下に説明する実施形態や実施例には限定されない。
なお、以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、各図において、部材の断面を示すハッチングを適宜省略する。本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
1.第1実施形態
本開示の情報記録体の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る情報記録体30を説明する断面図であり、図2(a)は、第1実施形態に係る情報表示体30を備える印刷物10を説明する平面図である。また、図2(b)は、図2(a)の印刷物10の層構成を説明するための断面図である。当該断面図は、図2(a)の印刷物10の短辺方向に沿う当該情報記録体30の略中央付近で、長辺方向に沿ったA−A線を通り、短辺方向に垂直な断面で切ったときの断面を、紙面の下方側から見た図である。また、図3は、第1実施形態に係る情報記録体30の構造に基づく観察態様を説明するための図である。
(a)情報記録体
情報記録体30は、図1の断面図に示すように、一方の面から、接着層34、ホログラム層31、基材33および透明層32、がこの順に積層されている。なお、接着層34は、情報記録体30を他の媒体に貼付できるように必要に応じて設けるものであり、情報記録体30の必須要素ではない。接着層34はなくてもよく、また、ホログラム層31を支持する何らかの基材や樹脂で構成されていてもよい。ホログラム層31は、例えば、レリーフ型ホログラムが例示されるが、体積型ホログラムであってもよい。ホログラム層31には、意匠性を考慮したデザインが形成されており、用紙11を所定の観察方向から見た場合にのみ、当該デザインが明確に視認できるように設計されている。
情報記録体30は、それ単独で偽造防止媒体として使用することができ、あるいは、必要に応じて他の媒体や商品等に貼付したり組み込むことで、当該媒体や商品等自体の偽造防止を図ることができる。本実施形態の一例では、図1に示す映画やコンサート、遊園地等のチケットや入場券等である印刷物10の一部を形成するものとして用いられている。
(b)ホログラム層
レリーフ型ホログラムであるホログラム層31は、接着層34に隣接する反射層31bとこれに隣接する樹脂層31aとから構成される。一方、情報記録体30の用紙11とは反対側の最表面には、基材33を介して透明層32が形成されている。透明層32は、観察角度によって反射光量の異なる透明素材のインキにより印刷され、ホログラム層31のデザインとは無関係に形成されたパターン画像を構成する。ただし、透明層32は、ホログラム層31のデザインと関係づけたパターン画像を構成してもよい。透明層32のパターン画像は、用紙11の平面視において、ホログラム層31に形成されたパターン画像(第1画像)と透明層32に形成されたパターン画像(第2画像)とは、少なくとも一部が重なるように配置されている。
ただし、ホログラム層31に形成されたパターン画像が観察可能な方向の範囲と、透明層32に形成されたパターン画像が観察可能な方向の範囲とは、互いにずれている。したがって、用紙11の観察方向を変化させると、ホログラム層31に形成されたパターン画像(第1画像)のみが観察できる位置、ホログラム層31および透明層32に形成されたパターン画像の合成画像が観察できる位置、および、透明層32に形成されたパターン画像(第2画像)のみが観察できる位置、が存在する。よって、透明層32に形成されたパターン画像のみが観察できるような観察方向を設定することにより、目視観察および読取装置による埋め込み情報の読み取りを良好に行うことが可能となる。以下、ホログラム層31の構成について説明する。
(i)樹脂層
樹脂層31aは、レリーフ型ホログラムとしては、例えば、透明性を有する熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等を硬化させた硬化樹脂層、熱可塑性樹脂層、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、サーモプラスチック、ジアゾ系感光材料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミックス材料、サーモクロミックス材料、カルコゲンガラス等の感光材料からなる感光層等が挙げられる。硬化樹脂層の材料である熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂、ならびに熱可塑性樹脂等の詳細については、例えば、特開2014−126799号公報等に記載されるホログラム層の樹脂材料と同様とすることができる。なお、レリーフ型ホログラムは、上述の材料の他に、一般にレリーフ型ホログラムに添加可能な任意の材料を含んでいてもよい。
樹脂層31aのレリーフ構造の形状等については、所望のホログラム再生像の発現が可能な形状であればよく、一般的なレリーフ型ホログラムのレリーフ構造と同様に適宜決定することができる。干渉縞に相当する凹凸構造、すなわちレリーフ構造を表面に有するものあればよく、公知のものを用いることができる。
(ii)反射層
上記の樹脂層31aのレリーフ構造が形成された面に反射層31bが設けられる。樹脂層31aのレリーフ構造と反射層31bとの作用効果により特異な光学的な意匠性を有するからである。また、反射層31bの存在により、レリーフ構造の反射および回折効率を高めることができ、高輝度なホログラム再生像を発現できる。反射層31bは不透明であることが好ましい。なお、具体的な反射層31bの構成については、例えば、特開2013−014081号公報、特開2014−092646号公報等に記載される金属反射層等を用いることができる。また、反射層は粘着性や熱接着性を備えていてもよい。
(c)接着層
接着層34は、用紙11の表面に、情報記録体30を強固に接着させるために設けられ、情報記録体30を偽造品と差し替えるために剥がそうとした場合、少なくともホログラム層31や後述する透明層32等が先に材破する程度の強度を有することが好ましい。こうすることで、情報記録体30の偽造がより一層困難になるからである。ただし、印刷物10の用紙11等に形成する等、他の媒体や商品等に貼付する目的がなければ、情報記録体30に接着層34は必要ない。また、情報記録体30に一定の強度を持たせるために、接着層34に代えて接着性を有しない他の樹脂材料等に置き換えてもよい。
接着層34の部材としては、加熱によって溶融または軟化し、接着効果を発揮する公知の感熱接着剤等が適用でき、その材質は、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アセタール樹脂、ブチラール樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂等が広く使用できる。また必要に応じて、各種添加剤を加えて、有機溶媒へ溶解または分散させて、接着層組成物であるインキを用意して、公知のコーティング法または印刷法で塗布および乾燥して形成できる。接着層34の膜厚は、例えば、0.1μm以上、50μm以下とすることができるが、0.5μm以上、1.5μm以下であることが好ましい。
(d)基材
基材33は、情報記録体30の用紙11側とは反対側の最表面に形成される透明層32を支持するとともに、その透明層32側とは反対側に配置されるホログラム層31を保護する機能を有するものである。基材33としては、フィルム基材を積層してもよく、樹脂を積層してもよい。基材33をフィルム基材として用いる場合には、特に限定はされないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ弗化エチレン系フィルム、ポリ弗化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコールフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
また基材33を樹脂として用いる場合には、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等のうちの一種類または二種類以上を混合したもの、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。
基材33の厚さは、ホログラム再生像の視認性を阻害しない程度の透明性を有していればよく、例えば、0.1μm以上、100μm以下とすることができ、0.5μm以上、50μm以下とすることが好ましい。基材33の光透過率については、厳密な数値で規定する必要はなく、本実施形態の情報記録体30の機能を阻害しない範囲で適宜定めることができる。なお、本開示において、透明とは、無色透明および視認性を妨げない程度の有色透明を含むものとする。また、基材33のヘイズ値は低いことが好ましい。保護層のヘイズ値が高いと、ホログラム再生像の表示を阻害する場合があり、後述する、透明層32に形成された画像の隠蔽効果が損なわれるおそれがあるからである。基材33の具体的なヘイズ値としては、0.5以上、15以下程度であることが好ましい。
(e)透明層
透明層32は、透明素材のインキによって、ホログラム層31のパターン画像とは異なるパターン画像(第2画像)が印刷された層である。透明層32は、ホログラム層31の用紙11とは反対側の面上に積層された基材33上に形成される。透明層32は、基材33上に、透明素材のインキ等によって、例えば、グラビア印刷により、パターン画像が形成された層である。このような透明素材のインキは、例えば、マットOPニス、透明ニス、インキワニス、メジウムインキ等である。なお、これらのインキは、紫外線硬化型インキ、酸化重合型インキ、浸透型インキ、過熱乾燥インキ、蒸発乾燥インキ等のいずれの印刷インキであってもよい。
なお、透明層32を形成する透明素材のインキで構成されたパターン画像を、視認しやすく、または読取装置で読み取りやすくするためには、透明層32の屈折率は、これを支持する基材33の屈折率に対して、0.1以上、0.4以下の差を有することが好ましい。特に、本実施形態においては、透明層32の屈折率は、これを支持する基材33の屈折率よりも、0.1以上、0.4以下の範囲で小さいことが好ましい。この場合、外部から透明層32に向けて入射した光は、透明層32とその下層の基材33との境界面において、全反射しやすくなり、透明層32からの反射光が増加することで、透明素材のインキで構成されたパターン画像を視認しやすく、または読取装置で読み取りやすくできるからである。また、この条件は、後述する別の実施形態や変形例においても適用できる。
(f)印刷物
図2(a)に例示される印刷物10は、前述したとおり、例えば映画やコンサート、遊園地等のチケットや入場券、カード等である。印刷物10には、それ自体として金銭的価値を有するが、当該印刷物10をカラーコピー等によってコピーしたものは、当然ながら金銭的価値を有しない。印刷物10は、用紙11および情報記録体30を備えている。ここで、用紙11は、印刷物10のベースとなる基材であり、典型的には白色の紙製用紙であるが、紙としては上質紙やコート紙でもよく、紙以外のプラスチックでもよい。あるいは、紙とプラスチックの混合材料もしくは積層材料であってもよい。いずれにしても、用紙11は、後述する情報記録体30を支持したり、チケット種別等を示す各種印刷絵柄等を担持できるものであればよい。
情報記録体30を備える印刷物10は、その層構成が図2(b)に示す断面図のようになっている。すなわち、情報記録体30は、印刷物10の用紙11の一方の表面上に形成されており、用紙11の面に近い側から、接着層34、ホログラム層31、基材33および透明層32、がこの順に積層されている。ホログラム層31は、例えば、レリーフ型ホログラムが例示されるが、体積型ホログラムであってもよい。ホログラム層31には、意匠性を考慮したデザインが形成されており、用紙11を所定の観察方向から見た場合にのみ、当該デザインが明確に視認できるように設計されている。
(g)情報記録体および、これを備える印刷物の製造方法
次に、上述した情報記録体30および、これを備える印刷物10の製造方法について簡単に説明する。まず、情報記録体30は、後述する変形例2のとおり、当該情報記録体30を支持するPET等の支持基材の一方の面の表面上に、透明素材のインキ等で所定のパターン画像を重ねてグラビア印刷等することにより、透明層32を形成しておき、その後、ホログラム層31を形成することによって得ることができる。なお、支持基材と透明層32の間に剥離層を設け、かつ、ホログラム層31の透明層32とは反対側の面に接着層34を設けておけば、支持基材および剥離層を除く部分を用紙11等、別の媒体の面上に熱転写することができる。また、印刷物10は、あらかじめチケット等の内容が印刷された用紙11を準備し、当該用紙11の一方の面上の一部領域に、あらかじめ別工程で形成した接着層34、ホログラム層31、基材33の積層体を熱転写等により転写する。その後、当該積層体の最表面である基材33の表面上に、透明素材のインキ等で所定のパターン画像を重ねてグラビア印刷等することにより、透明層32を形成することにより、完成する。また、あらかじめ当該積層体上に透明層32を形成した後で、まとめて、これを用紙11に熱転写してもよい。
(h)情報記録体の作用
まず、情報記録体30の透明層32の印刷工程で印刷される一定面積の印刷領域において、下地を隠蔽しうる面積を%で表した印刷条件を面積率とし、特に網点で下地を隠しうる場合を網点面積率として、透明層32の印刷を説明する。図3(a)は、ホログラム層31に、意匠性を有するデザインから構成されるパターン画像31pが形成され、透明層32に、意匠性を有しない、人が一見しただけでは無意味な画像である2次元コードのパターン画像32pが印刷された状態を示す図である。
透明層32は、前景部32aと、背景部32bとを有する。前景部32aは、パターン画像32pそのものであり、網点面積率100%の印刷がされている。また、背景部32bは、網点面積率25%の印刷がされている。但し、この割合は一例であって、これに限定されない。例えば、前景部32aの網点面積率は、100%未満であってもよく、また、背景部32bの網点面積率は、前景部32aとの間で所定の差があれば、網点面積率25%以上であっても以下であってもよい。また、前景部32aと、背景部32bとの疎密が逆であってもよい。
なお、透明層32は、前景部のみからなるパターン画像であってもよく、その場合には、後述する画像C2の印刷領域を網点面積率100%で印刷し、印刷領域と印刷しない非印刷領域とによって、2値でパターン画像を表したものとすることができる。
透明層32を形成する印刷工程は、グラビア印刷に限らず、ウェットオフセット印刷、ドライオフセット印刷、凸版印刷、水無平版印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷及び凹版印刷等であってもよい。上述の印刷工程で印刷された情報記録体30は、観察する視点の角度(観察角度)によって、認識可能な画像が変化する。
図3(b)は、ホログラム層31の再生像視野角領域であって、透明層32の非正反射(鏡面反射)領域(正反射近傍領域を除く)である位置P1、ホログラム層31の再生像視野角領域であって、透明層32の正反射近傍領域である位置P2、および、ホログラム層31の非再生像視野角領域であって、透明層32の正反射領域である位置P3、に視点22がある場合における、照明光源21と、視点22と、情報記録体30との3つの位置関係を図示したものである。例えば、照明光源21の入射角はαであり、視点22a、22bおよび22cの位置P1、P2およびP3の観察角度をそれぞれβ1、β2およびβ3とする。
照明光源21と情報記録体30との位置に対して、位置P1またはP2に視点22(22aまたは22b)があるとき、ホログラム層31の再生像視野角領域で観察したことになり、位置P3に視点22(22c)があるとき、透明層32の正反射領域で観察したことになる。ここで、α=β3であり、位置P3は、照明光源21から情報記録体30へ入射した入射光が、情報記録体30の表面で正反射した成分を観察できる位置である。また、β1およびβ2は、αとは異なる所定角度であり、位置P1およびP2は、照明光源21から情報記録体30へ入射した入射光が、情報記録体30の表面で正反射以外の所定角度で反射した成分を観察することができる位置である。ただし、位置P1に視点22(22a)があるとき、透明層32の非正反射領域(正反射近傍領域を除く)で観察したことになり、位置P2に視点22(22b)があるとき、ホログラム層31の非再生像視野角領域で観察したことになる。これは、ホログラム層31を、入射角αで入射する光に対して、出射角β1およびβ2を包含する所定角度範囲でのみ反射するように凹凸形状や凹凸ピッチを設計することにより、実現できる。
なお、理論的には、透明層32の正反射領域でのみ、透明層32のパターン画像32pを良好に視認することができ、正反射領域を外れた領域では、まったくパターン画像32pを視認することができないものと考えられる。しかし、実際には、透明素材のインキの形成上のばらつきや透明層32の表面凹凸、用紙11のうねりの影響等により、入射角と出射角が同一となる正反射領域を若干外れた領域でもパターン画像32pを視認することが可能である。ただし、この場合のパターン画像32pの視認レベルは、正反射領域の視認レベルよりも劣るものとなる。このような、良好ではないが、パターン画像32pを視認可能な程度の視点の角度(観察角度)の領域を、正反射近傍領域とする。正反射近傍領域は、一般的に正反射の角度に対して0°から5°程度を加算または減算した角度とすることができる。
図3(c)において、情報記録体30がホログラム層31のみからなる場合には、再生像視野角領域である位置P1またはP2においては、パターン画像31pの反射光量がそれ以外の領域に比べて大きくなり、当該パターン画像31pを明確に視認できる。つまり、パターン画像31pがよく見える(状態♯1)。ただし、位置P1においてパターン画像31pの反射光量が最大になるよう設計されているため、位置P2では、パターン画像31pの反射光量は、位置P1に比べると小さくなり、その分、視認性が若干低下する(状態♯2)。また、非再生像視野角領域である位置P3では、パターン画像31pの反射光量がない(またはほとんどない)ように、設計されているため、パターン画像31pは視認できなくなる(状態♯3)。
次に、情報記録体30が透明層32のみからなる場合には、正反射領域および正反射近傍領域を除く非正反射領域である位置P1においては、前景部32aと背景部32bとは、透明なため区別できない(状態♯4)。また、正反射領域である位置P3においては、前景部32aと背景部32bとの疎密差で反射光量が大きく変わるため、前景部32aと背景部32bとが明確に区別できる。つまり、パターン画像32pが明確に見える(状態♯6)。また、正反射近傍領域である位置P2においては、前景部32aと背景部32bとの疎密差での反射光量の差は正反射領域に比べて小さくなるが、前景部32aと背景部32bとはかろうじて区別できる。つまり、パターン画像32pが見える(状態♯5)。
そして、情報記録体30がホログラム層31上に基材33を介して透明層32が形成されたものである場合には、再生像視野角領域であり、かつ非正反射領域である位置P1においては、パターン画像31pが視認でき、前景部32aと背景部32bとが区別できないため、全体としては、パターン画像31pのみが観察される(状態♯7)。また、再生像視野角領域であり、かつ正反射近傍領域である位置P2においては、パターン画像31pが視認でき、かつ前景部32aと背景部32bとが区別でき、全体としてパターン画像31pおよびパターン画像32pの合成画像が観察される(状態♯8)。ここで、パターン画像31pは、人によって、意味のある画像として視認し得る画像であるが、パターン画像32pの視認性を阻害するように、少なくともパターン画像32pの一部と重なるように形成されている。さらに、非再生像視野角領域であり、かつ正反射領域である位置P3においては、パターン画像31pが視認できず、かつ前景部32aと背景部32bとが区別でき、全体としてパターン画像32pが観察される(状態♯9)。
このように、ホログラム層31と、透明層32とは、透明層32に観察角度によって反射光量が異なるインキを用いることで、ホログラム層31の画像と、透明層32の画像とは、観察角度によって見えたり見えなかったり、と様々な見せ方をさせることができる。なお、本実施形態の実施方法については、まとめて、後述する第2実施形態の説明においてする。
2.第2実施形態
(a)第2実施形態の情報記録体の構成
次に、本開示の情報記録体の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る情報記録体30aは、図2に示した第1実施形態に係る情報記録体30の構成と同一である。また、図4は、第2実施形態に係る情報記録体30aの構造に基づく観察態様を説明するための図である。第2実施形態の情報記録体30aが、第1実施形態と異なるのは、図4(a)に示すように、ホログラム層31に、意匠性を有するデザインから構成されるパターン画像31rが形成されることに加えて、これに隣接するように、意匠性を有しない、人が一見しただけでは無意味な画像である2次元コードのパターン画像31qが設けられている点である。透明層32の構成および、その他の情報記録体30aの構成は、第1実施形態の情報記録体30の構成と同様である。
なお、図4(a)では、説明を容易とするために、ホログラム層31に形成されるパターンが、デザインから構成されるパターン画像31rと、2次元コードのパターン画像31qが並列的に配置されたものを例示しているが、このような構成に限らず、例えば、デザインから構成されるパターン画像31rを略中央付近に配置し、2次元コードのパターン画像31qを、パターン画像31rの外側に、背景として配置することができる。このようにすることで、2次元コードのパターン画像31qが、パターン画像31rと一体となって、ひとつの意匠性を有するデザインパターンを構成することができる。また、2次元コードのパターン画像31qを、規則的な格子状模様として形成することにより、背景画像としても意匠性をさらに向上させることができる。
図3(b)は、ホログラム層31の再生像視野角領域であって、第1実施形態と同様、透明層32の非正反射(鏡面反射)領域(正反射近傍領域を除く)である位置P1、ホログラム層31の再生像視野角領域であって、透明層32の正反射近傍領域である位置P2、および、ホログラム層31の非再生像視野角領域であって、透明層32の正反射領域である位置P3、に視点22がある場合における、照明光源21と、視点22と、情報記録体30との3つの位置関係を図示したものである。
図4(b)において、情報記録体30がホログラム層31のみからなる場合には、再生像視野角領域である位置P1またはP2においては、パターン画像31qおよび31rの反射光量がそれ以外の領域に比べて大きくなり、当該パターン画像31qおよび31rを明確に視認できる。つまり、パターン画像31qおよび31rがよく見える(状態♯11)。ただし、位置P1においてパターン画像31qおよび31rの反射光量が最大になるよう設計されているため、位置P2では、パターン画像31qおよび31rの反射光量は、位置P1に比べると小さくなり、その分、視認性が若干低下する(状態♯12)。また、非再生像視野角領域である位置P3では、パターン画像31qおよび31rの反射光量がない(またはほとんどない)ように、設計されているため、パターン画像31qおよび31rは視認できなくなる(状態♯13)。
次に、情報記録体30が透明層32のみからなる場合には、第1実施形態のパターン画像32pと同様であり、状態♯4、♯5および♯6に対応した状態♯14、♯15および♯16となる。そして、情報記録体30がホログラム層31上に基材33を介して透明層32が形成されたものである場合には、再生像視野角領域であり、かつ非正反射領域である位置P1においては、パターン画像31qおよび31rが視認でき、前景部32aと背景部32bとが区別できないため、全体としては、パターン画像31qおよび31rのみが観察される(状態♯17)。また、再生像視野角領域であり、かつ正反射近傍領域である位置P2においては、パターン画像31qおよび31rが視認でき、かつ前景部32aと背景部32bとが区別でき、全体としてパターン画像31q、31rおよびパターン画像32pの合成画像が観察される(状態♯18)。ここで、パターン画像31qは、人が一見しただけでは無意味な画像であり、パターン画像32pの視認性を阻害するように、少なくともパターン画像32pの一部と重なるように形成されている。さらに、非再生像視野角領域であり、かつ正反射領域である位置P3においては、パターン画像31qが視認できず、かつ前景部32aと背景部32bとが区別でき、全体としてパターン画像32pが観察される(状態♯19)。
このように、ホログラム層31と、透明層32とは、透明層32に観察角度によって反射光量が異なるインキを用いることで、ホログラム層31の画像と、透明層32の画像とは、観察角度によって見えたり見えなかったり、と様々な見せ方をさせることができる。しかも、ホログラム層31は、意匠性を有するデザインから構成されるパターン画像31rと、意匠性を有しない、人が一見しただけでは無意味な画像である2次元コードのパターン画像32qとが別々に設けられている。このため、ホログラム層31の再生像視野角領域においては、透明層32のパターン画像32pが視認できるか否かとは無関係に、ホログラム層31のうち、意匠性を有するデザインから構成されるパターン画像31rの視認性が阻害されることを抑制できる。
(b)第2実施形態の印刷物の構成
次に、本開示の印刷物の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る印刷物10aは、図2に示した第1実施形態に係る印刷物10の構成と同一である。すなわち、印刷物10aの、印刷物10との相違点は上述した情報記録体30aの、情報記録体30との相違点のみである。
(c)実施例(情報記録体)
上述の技術を利用した本実施形態の情報記録体の実施方法について、以下に説明する。図5は、本実施形態に係る情報記録体30aのパターン画像の例を示す図である。図6から図9までは、本実施形態に係るパターン画像を周波数変換した際の空間周波数領域Fを説明するための図である。
(i)実施例1
まず、特許第5742518号公報に記載されるホログラム層の作成方法等に準じて、厚さ4.5μmのPETフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標))を支持基材とし、その一方の面に、ホログラムを形成する樹脂層、金属反射層を順次積層させることで、情報記録体用の積層体を作成した。さらに、当該積層体上に、グラビア印刷により、背景部の網点面積率が25%、前景部の網点面積率が100%となるよう、透明素材のメジウムインキを用いて印刷し、加熱乾燥して、情報記録体を完成させた。
なお、当該ホログラムは、光の入射角度が45°において、再生光の角度が35°で光量が最大となり、30°以上、40°以下でホログラム再生像を表示可能な、反射型のレリーフ型ホログラムとなるように設計されたものである。ここで、後述するように、当該ホログラムには、意匠性のあるデザインの他、人が一見しただけでは意味のない画像である、画像C1(第1画像)が形成され、透明層には、同様に、人が一見しただけでは意味のない画像である、画像C2(第2画像)が形成され、両画像は、情報記録体の平面視において、互いに重なる領域を有するように作成している。
図5(a)は、ホログラム層31のパターン画像31qに例示される画像C1(第1画像)およびその一部である領域E1を拡大したものを示す。ホログラム層31は、その一部に画像C1が形成された層である。画像C1は、領域E1に示すように、前景部C1aと、背景部C1bとを2値で表したパターン画像である。図5(b)は、透明層32の画像32pに例示される画像C2(第2画像)およびその一部である領域E2を拡大したものを示す。透明層32は、画像C2が印刷された層である。画像C2は、領域E2に示すように、前景部C2aと、背景部C2bとを2値で表したパターン画像である。前景部C2aと、背景部C2bとの網点面積率は、図3の例で説明した前景部32aと、背景部32bとの網点面積率と同じである。このように、情報記録体30aのホログラム層31の画像C1と、透明層32の画像C2とは、パターン画像であるので、人が一見しただけでは意味のない画像である。
図6(a)は、ホログラム層31の画像C1に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域F1を示す。空間周波数領域F1には、画像C1が周波数変換されたことで表される複数の特徴点により表される形状が、原点O1とし、半径の異なる複数の円周である反復形状T1(第1形状)として形成される。図6(b)は、透明層32の画像C2に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域F2を示す。空間周波数領域F2には、画像C2が周波数変換されたことで表される複数の特徴点により表される形状が、原点O2とし、半径の異なる複数の円周である反復形状T2(第2形状)として形成される。なお、反復形状T2は、コードとして意味のあるものである。このように、反復形状T1と、反復形状T2とは、同じ円周形状である。そして、この例の場合、反復形状T2は、反復形状T1より、隣り合う径の間隔が広いものである。
図6(c)は、図5(a)に示すホログラム層31の画像C1と、図5(b)に示す透明層32の画像C2との合成画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域Fを示す。図6(c)に示す空間周波数領域Fに表された反復形状T0は、原点Oとし、半径の異なる複数の円周であって、反復形状T1と、反復形状T2とを合成した円周形状である。よって、反復形状T0を見る限りにおいて、反復形状T1と、反復形状T2とを区別できず、いずれのものであるかが分からない。そのため、空間周波数領域Fからは、反復形状T2を構成する特徴点により表される形状が示すコードを推定できない。
上記の条件で作成された情報記録体について、図3(b)における照明光源21の入射角αを45°とした。また、位置P1に該当する角度としてβ1を35°とし、位置P2に該当する角度としてβ2を40°とし、位置P3に該当する角度としてβ3を45°として、これらの観察角度における情報記録体の視認性を目視で確認した。その結果、位置P1では、ホログラムのデザインや画像C1(第1画像)が非常にはっきりと確認できたが、透明層の画像C2(第2画像)は、まったく見えなかった。次に、位置P2では、ホログラムのデザインや画像C1(第1画像)は、位置P1に比べ、やや輝度が劣る状態ではあるものの、十分に確認できた。さらには、透明層の画像C2(第2画像)も、ある程度視認できるため、画像C1と画像C2が合成画像として視認され、それぞれの個別の画像として区別することはできなかった。さらに、位置P3では、ホログラムのデザインや画像C1(第1画像)は全く見えなかったが、逆に、透明層の画像C2(第2画像)は、背景部と前景部のコントラストが明確となり、これをはっきり確認することができた。
(ii)実施例2−1
本実施例および以降の実施例では、照明光源の角度と、観察角度の位置によるホログラムの画像C1と透明層の画像C2との見え方の違いについての記述は共通するため、その記載を省略する。図7(a)は、図示しないホログラム層31のあるパターン画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域F1を示す。空間周波数領域F1には、ホログラム層31のパターン画像が周波数変換されたことで表される複数の特徴点D1により表される形状(第1形状)が、円周形状T11(特定位置)上に形成される。図7(b)は、ホログラム層31のパターン画像とは異なる図示しない透明層32のあるパターン画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域F2を示す。空間周波数領域F2には、透明層32のパターン画像が周波数変換されたことで表される複数の特徴点D2により表される形状(第2形状)が、円周形状T12(特定位置)上に形成される。なお、特徴点D2により表される形状は、コードとして意味のあるものである。
図7(c)は、ホログラム層31のパターン画像と、透明層32のパターン画像とを含む合成画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域Fを示す。 図7(c)に示す空間周波数領域Fに表された円周形状T10は、円周形状T11及び円周形状T12と同じ半径の円周である。そして、円周形状T10上に有する特徴点D0により表される形状は、図7(a)に示す特徴点D1により表される形状と同じである。よって、円周形状T10を見る限りにおいて、特徴点D2により表される形状を、有無を含めて判別できない。そのため、空間周波数領域Fからは、円周形状T12上に有する特徴点D2により表される形状が示すコードを推定できない。
なお、図7に示した円周形状T11,T12,T10は、いずれもイメージを記載したものであり、実際には、表されないものである。また、上述の実施例2−1では、特徴点D2が特徴点D1と一致するものを説明したが、これに限定されるものではない。特徴点D1と特徴点D2とが一致していないものであってもよい。
(iii)実施例2−2
次に、特徴点が一致していないものを説明する。
図8(a)は、図示しないホログラム層31のあるパターン画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域F1を示す。空間周波数領域F1には、ホログラム層31のパターン画像が周波数変換されたことで表される複数の特徴点D1−2により表される形状(第1形状)が、円周形状T11−2(特定位置)上に形成される。図8(b)は、ホログラム層31のパターン画像とは異なる図示しない透明層32のあるパターン画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域F2を示す。ここでは、あるパターン画像が図7(b)と同じ画像であるものを例に説明する。空間周波数領域F2には、透明層32のパターン画像が周波数変換されたことで表される複数の特徴点D2−2により表される形状(第2形状)が、円周形状T12−2(特定位置)上に形成される。なお、特徴点D2−2により表される形状は、コードとして意味のあるものである。
図8(c)は、ホログラム層31のパターン画像と、透明層32のパターン画像とを含む合成画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域Fを示す。 図8(c)に示す空間周波数領域Fに表された円周形状T10−2は、円周形状T11−2及び円周形状T12−2と同じ半径の円周である。よって、特徴点D1−2と、特徴点D2−2とが一致していない場合であっても、円周形状T10−2を見る限りにおいて、特徴点D1−2と、特徴点D2−2とを判別できない。そのため、空間周波数領域Fからは、円周形状T12−2上に有する特徴点D2−2により表される形状が示すコードを推定できない。なお、図8に示した円周形状T11−2,T12−2,T10−2も、図7と同様であって、いずれもイメージを記載したものであり、実際には、表されないものである。
(iv)実施例3
図9(a)は、図示しないホログラム層31のさらに別のパターン画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域F1を示す。空間周波数領域F1には、ホログラム層31のパターン画像が周波数変換されたことで表される複数の特徴点G1により表される形状(第1形状)が、格子形状T21(特定位置)上に形成される。図9(b)は、ホログラム層31のパターン画像とは異なる図示しない透明層32のさらに別のパターン画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域F2を示す。空間周波数領域F2には、透明層32のパターン画像が周波数変換されたことで表される複数の特徴点G2により表される形状(第2形状)が、格子形状T22(特定位置)上に形成される。なお、特徴点G2により表される形状は、コードとして意味のあるものである。
図9(c)は、ホログラム層31のパターン画像と、透明層32のパターン画像とを含む合成画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域Fを示す。図9(c)に示す空間周波数領域Fに表された格子形状T20は、格子形状T21及び格子形状T22と同じ格子形状である。そして、格子形状T20上に有する特徴点G0により表される形状は、図9(a)に示す特徴点G1により表される形状に、図9(b)に示す特徴点G2により表される形状が一部重なっている。よって、特徴点G0により表される形状は、特徴点G1により表される形状と、特徴点G2により表される形状とのいずれのものであるか判別できない。よって、格子形状T20を見る限りにおいて、特徴点G2により表される形状を判別できない。そのため、空間周波数領域Fからは、格子形状T22上に有する特徴点G2により表される形状が示すコードを推定できない。
(v)読取装置
次に、上述する実施例1、2−1、2−2および3に例示されるようなコードが形成された情報表示体30aにおいて、当該コードを読み取る読取装置5について説明する。 図10は、本実施形態に係る読取装置5の機能ブロック図である。読取装置5は、例えば、スキャナが接続されたパーソナルコンピュータである。読取装置5は、制御部50と、記憶部60と、読取部65と、操作部67と、表示部68とを備える。
制御部50は、読取装置5の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部50は、記憶部60に記憶されているOS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
制御部50は、画像受付部51と、周波数変換部52と、解析部53(特徴点取得部)と、コード特定部54とを備える。
画像受付部51は、情報記録体30aを読取部65が読み取ることで、読取部65を介して情報記録体30aの画像データを受け付ける。
周波数変換部52は、画像受付部51が受け付けた画像データに対してフーリエ変換を用いて各周波数成分に分解して空間周波数領域Fに変換する周波数変換を行う。
解析部53は、空間周波数領域Fに表示された特徴点を取得する。
コード特定部54は、コードテーブル62を参照して、解析部53により取得された特徴点からコードを特定する。
記憶部60は、制御部50が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、読取装置5は、制御部50、記憶部60等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。記憶部60は、変換プログラム61と、コードテーブル62とを記憶している。 変換プログラム61は、制御部50の各機能を実行するためのプログラムである。コードテーブル62は、各特徴点の配置位置と、コードとを対応付けたテーブルである。各特徴点の配置位置は、透明層32のパターン画像を周波数変換して得られる空間周波数領域F2に表れた特徴点の配置位置に対応する。
読取部65は、例えば、スキャナであって、画像や文字等の印刷内容を読み取る装置である。
操作部67は、例えば、キーボードやマウス等であって、ユーザが入力するための装置である。
表示部68は、例えば、液晶ディスプレイ装置等である。なお、操作部67と、表示部68とは、例えば、タッチパネルディスプレイ等の両方の機能を備えた装置であってもよい。
(vi)読取装置の処理
次に、読取装置5の処理について説明する。図11は、本実施形態に係る読取装置5でのコード特定処理を示すフローチャートである。ステップS(以下、単に「S」という。)10において、読取装置5の制御部50は、読取部65を起動させる。
S11において、制御部50(画像受付部51)は、読取部65を介して画像を読み取る。ここで、ユーザは、読取部65を、情報記録体30aの透明層32が有するパターン画像のみを読取可能な角度から、画像を読み取ることができる。また、ユーザは、読取部65を、情報記録体30aのホログラム層31が有するパターン画像のみを読取可能な角度から、画像を読み取ることができる。さらに、ユーザは、読取部65を、情報記録体30aのホログラム層31および透明層32の両方が有するパターン画像を読取可能な角度から、画像を読み取ることができる。
S12において、制御部50(周波数変換部52)は、読み取った画像に対してフーリエ変換(周波数変換処理)を行う。
S13において、制御部50(解析部53)は、空間周波数領域Fにおける特徴点を取得する。
S14において、制御部50(コード特定部54)は、コードテーブル62を参照して、取得した特徴点に対応するコードが特定できたか否かを判断する。コードテーブル62に取得した特徴点の配置位置に一致するものがある場合には、コードが特定できる。コードが特定できた場合(S14:YES)には、制御部50は、処理をS15に移す。他方、コードが特定できなかった場合(S14:NO)には、制御部50は、処理をS16に移す。
S15において、制御部50は、コードを特定できた旨を、表示部68に表示させる。その後、制御部50は、本処理を終了する。
他方、S16において、制御部50は、エラーである旨を、表示部68に表示させる。その後、制御部50は、本処理を終了する。
ここで、透明層32のパターン画像のみを読取可能な角度から読取部65が画像を読み取った場合には、制御部50は、透明層32のパターン画像のみを得る。そして、透明層32のパターン画像に対応するコードは、コードテーブル62に記憶されている。よって、制御部50は、S14の処理においてコードが特定できる(S14:YES)。
他方、透明層32と、ホログラム層31との両方のパターン画像を読取可能な角度から読取部65が画像を読み取ったり、ホログラム層31のパターン画像のみを読取可能な角度から読取部65が画像を読み取ったりした場合には、制御部50は、透明層32のパターン画像のみを得ることがない。コードテーブル62には、透明層32のパターン画像に対応するコードのみが記憶されており、ホログラム層31のパターン画像や、透明層32とホログラム層31との両方のパターン画像に対応するコードは、記憶されていない。よって、制御部50は、S14において、取得した特徴点に対応するコードを特定できない(S14:NO)。
(vii)情報記録体のコピー品について
次に、情報記録体30aが複製された場合について説明する。図12は、本実施形態に係る情報記録体30aのコピー時の照明光源21とカメラ23との位置関係を説明するための図である。 図14(a)は、本実施形態に係る情報記録体30aのコピー品である印刷物45を説明するための図である。図12(a)および図12(b)は、コピー機等の複製機の照明光源21とカメラ23と情報記録体30aとの位置関係を示す。情報記録体30aは、図12(a)または図12(b)に示す照明光源21から光が照射された状態で、カメラ23によってその画像が取得される。
図12(a)は、照明光源21とカメラ23とが情報記録体30aに対して垂直方向に位置して、カメラ23が画像を取得する場合である。また、図12(b)は、照明光源21が情報記録体30aに対してやや斜め方向から照射し、カメラ23が情報記録体30aに対して垂直方向から撮影して画像を取得する場合である。いずれの場合においても、カメラ23には、照明光源21と情報記録体30aとの位置関係によって、情報記録体30aのホログラム層31と透明層32との両方の画像が捉えられる可能性が高いといえる。
カメラ23、照明光源21および情報記録体30aの位置関係を、ホログラム層31の画像の非再生像視野角領域とし、かつ、透明層32の画像の正反射領域または正反射近傍領域に調整すること、または、ホログラム層31の画像の再生像視野角領域とし、かつ、透明層32の画像の非正反射領域に調整することは、一般的に困難だからである。このようにして、カメラ23が得た画像をもとに、複製機では、情報記録体30aのコピー品である印刷体45が作製される。
そして、図14(a)の断面図に示す情報記録体30aコピー品である印刷体45には、情報記録体30aのホログラム層31が有するパターン画像と、透明層32が有するパターン画像との合成画像を有する。また、図14(a)に示すように、印刷体45は、インキ層43を有する。インキ層43は、一般的なカーボンを含む黒色インキからなる層である。よって、印刷体45をいずれの領域(再生像視野角領域、正反射領域等)からの観察角度で観察した場合であっても、合成画像のみが見える。
コピー品である印刷体45を、上述した読取装置5を用いて読み取った場合、読取部65の読取角度をどのような角度にしても、制御部50は、情報記録体30aのホログラム層31が有するパターン画像と、透明層32が有するパターン画像との合成画像を得る。よって、制御部50は、印刷体45から、情報記録体30aの透明層32が有するパターン画像に対応するコードを読み取ることができない。
このように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。まず第1に、情報記録体30aは、画像C1と画像C2との合成画像を有する。そして、画像C1及び画像C2は、画像C2を周波数変換した空間周波数領域F2に表された特徴点が有する規則性を、画像C1を周波数変換した空間周波数領域F1に表された特徴点によって阻害する関係にあるものである。よって、画像C1と、画像C2との両方を認識可能な場合には、画像C1と、画像C2との合成画像を周波数変換した空間周波数領域Fに表された特徴点から、画像C2を推定できないようにできる。
第2に、情報記録体30a上の画像C1を周波数変換した空間周波数領域F1に表された特徴点により表される反復形状T1と、画像C2を周波数変換した空間周波数領域F2に表された特徴点から作成される反復形状T2とが相似形状である。よって、画像C1と、画像C2との両方を認識可能な場合には、画像C1と、画像C2との合成画像を周波数変換した空間周波数領域Fに表された特徴点から、画像C2を推定できないようにできる。
第3に、情報記録体30aが有する画像C2を周波数変換した空間周波数領域F2に表された特徴点が、コードを示すものにできる。よって、情報記録体30aに印刷された画像C1と、画像C2との両方が認識できる場合には、画像C1と、画像C2との合成画像を周波数変換した空間周波数領域Fに表された特徴点からコードを推定できないようにできる。特に、情報記録体30aをコピーしたコピー品40は、いずれの観察角度であっても画像C1と画像C2との合成画像が認識できるので、コピー品40からは、コードを推定できないようにできる。よって、情報記録体30aを、例えば、真贋判定に用いることができる。
第4に、画像C1は、ホログラム層31が有し、画像C2は、透明層32が有するものであるので、情報記録体30aの観察角度によって、画像C1と、画像C2とを切り替えて観察できる。そして、透明層32は、透明なインキ等で作製できるので、印刷が安価にできる。
第5に、読取装置5によって、画像C2のみが見える観察角度で情報記録体30aを読み取ることで、読取装置5は、画像C2を周波数変換した空間周波数領域F2に表された特徴点が表すコードを読み取ることができる。また、読取装置5は、画像C1と画像C2とからなる合成画像のみを観察可能な情報記録体30aのコピー品である印刷体45を読み取った場合には、合成画像を周波数変換した空間周波数領域Fに表された特徴点を読み取るので、読み取った特徴点からはコードを読み取れなくできる。
なお、第1実施形態の情報記録体30では、透明層32のパターン画像32pに例示されるものは、上述の画像C2と同様である。よって、ホログラム層31のデザインによるパターン画像31pが上述の画像C1を構成できる場合は、上述したすべての効果を同様に奏することができる。また、パターン画像31pが上述の画像C1を構成しない場合であっても、透明層32が上述の画像C2を有していることにより、少なくとも上述した第4および第5の効果を奏する。
(d)実施例(印刷物)
次に、上述の技術を利用した本実施形態の印刷物の実施方法について、以下に説明する。重複する箇所についての説明は適宜省略する。
(i)実施例4
まず、用紙として、白色のコート紙を用いた。次に、特許第5742518号公報に記載されるホログラム層の作成方法等に準じて、厚さ4.5μmのPETフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標))を支持基材とし、その一方の面に、剥離層、ホログラムを形成する樹脂層、金属反射層、接着層を順次積層させた。これを転写箔フィルムとして、支持基材および剥離層以外の積層体について、所定の領域分にホットスタンプ治具を当てることにより用紙に熱転写した。さらに、転写後の当該積層体上に、グラビア印刷により、背景部が網点面積率が25%、前景部が網点面積率が100%となるよう、透明素材のメジウムインキを用いて印刷し、加熱乾燥して、情報記録体を有する印刷物を完成させた。すなわち、当該印刷物には、上述の実施例1に係る情報記録体が形成された。
なお、本実施例の印刷物における当該ホログラムおよび透明層は、実施例1で説明したものと同様の光学特性を有する。また、ホログラム層31の画像C1と、透明層32の画像C2との合成画像に対してフーリエ変換を行うことで周波数変換した空間周波数領域F、および、当該空間周波数領域Fに表された反復形状T0が有する、空間周波数領域Fから反復形状T2を構成する特徴点により表される形状が示すコードを推定できない、という作用効果も、実施例1と同様に備えている。
(ii)実施例5−1、5−2および6
実施例5−1、5−2および6は、それぞれ、上述した実施例2−1、2−2および3に係る情報記録体を備えた印刷物に関するものである。したがって、実施例2−1、2−2および3に係る情報記録体が有する各種の作用および効果は、そのまま、実施例5−1、5−2および6に係る当該情報記録体を備えた印刷物が有する作用および効果となるため、詳細説明を省略する。
(iii)読取装置
次に、上述する実施例4、5−1、5−2および6に例示されるようなコードが形成された情報表示体30aを備えた印刷物10aにおける、当該コードを読み取る読取装置5の内容および効果は、前述した情報記録体30aに関する読取装置5の内容および効果と共通するため、詳細説明を省略する。
(iv)読取装置の処理
印刷物10aの情報記録体30aからコードを読み取る読取装置5の処理の内容および効果は、上述した情報記録体30aからコードを読み取る読取装置5の処理の内容および効果についての説明と共通するため、詳細説明を省略する。
(v)印刷物のコピー品について
次に、印刷物10aが複製された場合について説明する。図13は、本実施形態に係る印刷物10aのコピー時の照明光源21とカメラ23との位置関係を説明するための図である。 図14(b)および図14(c)は、本実施形態に係る印刷物10aのコピー品40を説明するための図である。図13(a)および図13(b)は、コピー機等の複製機の照明光源21とカメラ23と印刷物10aとの位置関係を示す。印刷物10aの情報記録体30aは、図13(a)または図13(b)に示す照明光源21から光が照射された状態で、カメラ23によってその画像が取得される。
図13(a)は、照明光源21とカメラ23とが情報記録体30aに対して垂直方向に位置して、カメラ23が画像を取得する場合である。また、図13(b)は、照明光源21が情報記録体30aに対してやや斜め方向から照射し、カメラ23が情報記録体30aに対して垂直方向から撮影して画像を取得する場合である。いずれの場合においても、カメラ23には、照明光源21と情報記録体30aとの位置関係によって、情報記録体30aのホログラム層31と透明層32との両方の画像が捉えられる可能性が高いといえる。
カメラ23、照明光源21および情報記録体30aの位置関係を、ホログラム層31の画像の非再生像視野角領域とし、かつ、透明層32の画像の正反射領域または正反射近傍領域に調整すること、または、ホログラム層31の画像の再生像視野角領域とし、かつ、透明層32の画像の非正反射領域に調整することは、一般的に困難だからである。このようにして、カメラ23が得た画像をもとに、複製機では、印刷物10のコピー品40が作製される。
そして、図14(b)に示すコピー品40は、印刷物10aの情報記録体30a(図2(a)参照)に対応する位置に、印刷体45を有するものになる。この印刷体45には、情報記録体30aのホログラム層31が有するパターン画像と、透明層32が有するパターン画像との合成画像を有する。また、図14(c)は、図2(b)に対応する、印刷体45の断面図である。図14(c)に示すように、印刷体45は、インキ層43を有する。インキ層43は、一般的なカーボンを含む黒色インキからなる層である。よって、印刷体45をいずれの領域(再生像視野角領域、正反射領域等)からの観察角度で観察した場合であっても、合成画像のみが見える。
コピー品40の印刷体45を、上述した読取装置5を用いて読み取った場合、読取部65の読取角度をどのような角度にしても、制御部50は、情報記録体30のホログラム層31が有するパターン画像と、透明層32が有するパターン画像との合成画像を得る。よって、制御部50は、印刷体45から、情報記録体30aの透明層32が有するパターン画像に対応するコードを読み取ることができない。
このように、本実施形態の印刷物によれば、前述した情報記録体自体が有する各種の作用効果と同様の作用効果を有している。
3.変形例
本開示の情報記録体は、上述した第1実施形態や第2実施形態には限定されず、本開示の主旨を逸脱しない範囲において、各種の変形例も含むものである。以下、その一例として、いくつかの変形例について説明する。
(a)変形例1
図15(a)は、本開示の第1、第2実施形態の変形例1に係る情報記録体30bの層構成を説明するための、図2に対応する断面図である。変形例1に係る情報記録体30bは、第1、第2実施形態の情報記録体30、30aと比べて、基材33および透明層32の配置が入れ替わっている点が異なる。すなわち、印刷物の用紙11に近い側から接着層34、ホログラム層31、透明層32および基材33がこの順に積層する構成を有している。
なお、本変形例の場合は、特に、基材33の屈折率は、これの下層側に形成される透明層32の屈折率よりも、0.1以上、0.4以下の範囲で小さいことが好ましい。この場合、外部から基材33を透過して透明層32に向けて入射した光は、基材33とその下層の透明層32との境界面において、全反射しやすくなる。よって、透明層32からの反射光が増加し、透明素材のインキで構成されたパターン画像を視認しやすく、または読取装置により読み取りやすくできるからである。
変形例1に係る情報記録体30bは、第1、第2実施形態が奏するものと同様の効果を奏することはいうまでもない。さらには、情報記録体30bの用紙11とは反対側の最表面が、透明層32ではなく基材33となる。したがって、外部からの異物による擦れや外力によって透明層32が破損し、パターン画像の視認性や読取装置による読み取り精度に支障を来すことを抑制できる。
また、万一、当該情報記録体30bの透明層32に形成された画像を偽造しようとしても、一端、その上面に積層された基材33を剥がす必要があり、基材33を剥がした場合は、透明層32が破壊される可能性が増大する。よって、偽造の痕跡が残りやすい点で、偽造防止効果が高められる。一方、第1、第2実施形態の情報記録体30、30aの最表面である透明層32の上面に、基材33をさらに積層してもよい。この場合も、透明層32の保護効果が高められ、基材33が一定の透明性を有する限りにおいて、第1、第2実施形態の効果をそのまま奏することが可能である。
(b)変形例2
次に、本開示の第1、第2実施形態の変形例2に係る情報記録体30cについて説明する。図15(b)は、変形例2に係る情報記録体30cを、用紙11等に熱転写するための転写箔フィルム100を説明する断面図である。また、図15(c)は、図15(b)に示す転写箔フィルム100を用いて、用紙11に、熱転写した後の情報記録体30cの状態を示す、図2に対応する断面図である。
転写箔フィルム100は、図15(b)に示すように、支持基材36の一方の面に、シリコーン樹脂等の剥離性を有する剥離層35が形成され、さらに当該剥離層35に隣接して、樹脂層31aおよび反射層31bより構成されるホログラム層31が積層される。さらに、ホログラム層31の剥離層35とは反対側に接着層34が積層される。通常、未使用時の転写箔フィルム100の接着性維持のため、接着層34の露出面側には剥離性を有する剥離紙等が積層される。
次に、上述の転写箔フィルム100を用いて、用紙11に情報記録体30cを転写する工程を説明する。まず、転写箔フィルム100の接着層34の表面が、用紙11の一方の面と当接するように重ね合わせる。その後、支持基材36の剥離層35とは反対側の面から、転写したい情報記録体30cの輪郭形状に対応した形状で用意されたホットスタンプ治具を押し当て、所定の熱圧を所定時間掛けることにより、図15(c)に示すように、転写箔フィルム100の一部として、接着層34、ホログラム層31および透明層32の積層体を用紙11に熱転写する。ここで、接着層34は 熱可塑性または熱硬化性樹脂で形成されているため、容易に当該積層体を用紙11の所定場所に転写することができる。また、転写箔フィルム100の未転写領域の部分、剥離層35および支持基材36は転写されずに、用紙11側から剥がされる。
なお、透明層32を形成する透明素材のインキで構成されたパターン画像を視認しやすく、または読取装置により読み取りやすくするためには、剥離層35の屈折率は、これの下層側に配置される透明層32の屈折率に対して、0.1以上、0.4以下の差を有することが好ましい。特に、剥離層35の屈折率は、これの下層に配置される透明層32の屈折率よりも、0.1以上、0.4以下の範囲で小さいことが好ましい。この場合、外部から剥離層35を透過して透明層32に向けて入射した光は、剥離層35とその下層の透明層32との境界面において、全反射しやすくなる。よって、透明層32からの反射光が増加し、透明素材のインキで構成されたパターン画像を視認しやすく、または読取装置により読み取りやすくできるからである。
このように、情報記録体30cを、転写箔フィルム100から用紙11に熱転写する方式とすることにより、特に、ホログラム層31の厚さや透明層32の厚さをより一層薄くすることができる。その結果、情報記録体30c全体の厚さを薄くできる。これにより、例えば、情報記録体30cを用紙11から剥がして、別の情報記録体に貼り替える等の偽造をする際に、ホログラム層31や透明層32が脆性破壊する可能性が高められ、偽造を一層困難にすることができる。また、用紙11の表裏両面に情報記録体を形成する等、用紙11の仕様や形成場所の制約を減らして、情報記録体の形成場所、形成個数の自由度を上げることができる。
(c)変形例3
さらに、図示はしないが、本開示の第1、第2実施形態の変形例3に係る情報記録体について説明する。本変形例は、情報記録体の透明層32を形成するインキの少なくとも一部に、真贋判定材料である、赤外線または紫外線によって励起され可視光を発光する材料を混合し、透明素材のインキを構成したものである。すなわち、透明層32を形成するインキに、赤外線または紫外線の波長領域の光を照射した場合、当該インキに含まれる発光体内の電子が励起され、励起した電子が基底状態に戻る際に余分なエネルギーを可視光として放出するものである。なお、ここでいう赤外線の波長域は、例えば、0.78μm以上、1mm以下とすることができ、紫外線の波長域は、例えば、0.01μm以上、0.38μm以下とすることができる。ただし、当該インキは、赤外線よりも長い波長域や、紫外線よりも短い波長域であっても、可視光が発光されるものであれば問題はないため、例えば、テラヘルツ波やミリ波等、または、X線やガンマ線等で励起されるものであってもよい。
赤外線によって励起され、可視光を発光する材料は、アップコンバージョン型発光体とも呼ばれ、例えば、エルビウム(Er)、ホロミウム(Ho)、プラセオジウム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジウム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロピウム(Eu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される少なくとも1つ以上の希土類元素を含有し、前記蛍光体粒子の母材がハロゲン化物等であるものが挙げられる。また、上記と重複するものもあるが、例えば特開平7−297475号公報に示される材料を挙げることができる。
また、紫外線によって励起され、可視光を発光する材料は、例えば、染料としてはフルオレセイン系蛍光色素、クマリン系蛍光色素、ローダミン系蛍光色素など、無機系顔料としては、ユーロピウム・マンガン付活アルミン酸バリウムマグネシウム、マンガンで付活されたケイ酸亜鉛、ユウロピウム付活酸化イットリウム、ユウロピウム付活硫化イットリウム、酸化亜鉛、マンガンで付活されたゲルマニウム酸亜鉛、ユウロピウム付活リンバナジン酸イットリウム等が挙げられる。
なお、透明層32が、第1実施形態で説明したように、前景部32aと、背景部32bとを有する場合には、例えば、前景部32aは、網点面積率100%とし、背景部32bは、網点面積率25%の印刷をする等、前景部32aおよび背景部32bの両方に、上述の透明素材のインキを用いればよい。また、透明層32が、前景部のみからなるパターン画像である場合は、前述の画像C2の印刷領域を網点面積率100%で印刷し、印刷領域と、印刷しない非印刷領域とによって、2値でパターン画像を表したものとすることができる。このとき、画像C2の印刷領域に上述の透明素材のインキを用いることができるが、反対に、画像C2の非印刷領域とされる部分にのみ、上述の透明素材のインキを用いることも可能である。
このように、情報記録体の透明層32を形成するインキを、赤外線または紫外線によって励起され、可視光を発光する透明素材のインキにより構成したものとすることにより、可視光の照射角度と観察角度の関係性による、ホログラム層31の画像と、透明層32の画像との見え方の差を利用した本開示の偽造防止機能の精度向上およびその補完を図ることができる。すなわち、可視光照射の条件下での埋め込み情報の複製困難性に加えて、特定波長域の赤外線または紫外線の照射時のみ、ホログラム層31の画像の影響をほとんど受けずに透明層32の画像の視認性を高めることができる。これにより、一層の埋め込み情報の複製困難性を確保し得る。なお、赤外線によって励起され可視光を発光する材料と、紫外線によって励起され可視光を発光する材料との両方を混合し、透明素材のインキを構成したものであってもよい。これにより、さらに一層、埋め込み情報の複製困難性を確保することができる。
(d)変形例4
次に、同じく図示はしないが、本開示の第1、第2実施形態の変形例4に係る情報記録体について説明する。本変形例は、情報記録体の透明層32を形成するインキの少なくとも一部に、真贋判定材料である赤外線吸収材料を混合し、透明素材のインキを構成したものである。赤外線波長域に吸収を持つ有機色素として、例えば、ポリメチレン系、フタロシアニン系、アゾ系およびアントラキノン系等の化合物が挙げられ、無機系の赤外線吸収剤として、アンチモンドープ酸化錫や錫ドープ酸化インジウムが挙げられる。
なお、透明層32が前景部32aと、背景部32bとを有する場合、または、前景部のみからなるパターン画像である場合の構成は、上述の変形例3と同様である。
このように、情報記録体の透明層32を形成するインキを、赤外線吸収材料を含む、透明素材のインキにより構成したものとすることにより、変形例3と同様に、可視光の照射角度と観察角度の関係性による、ホログラム層31の画像と、透明層32の画像との見え方の差を利用した本開示の偽造防止機能の精度向上およびその補完を図ることができる。すなわち、可視光照射の条件下での埋め込み情報の複製困難性に加えて、特定波長域の赤外線の照射時のみ、ホログラム層31の画像の影響をほとんど受けずに透明層32の画像を、例えば赤外線カメラ等の測定手段によって明確に認識することができる。これにより、一層の埋め込み情報の複製困難性を確保し得る。
(e)変形例5
さらに、本開示の第1、第2実施形態の変形例5に係る情報記録体について説明する。本変形例は、情報記録体の透明層32を形成するインキの少なくとも一部に、真贋判定材料である偏光材料を含む、透明素材のインキにより構成したものである。このような偏光材料は、例えば、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を含浸させ、延伸配向させた吸収型偏光子や、二色性染料を配向膜上で配向させて得られる吸収型偏光子、コレステリック液晶を基材上で配向させた反射型円偏光子、複屈折性多層フィルムを積層して形成される反射型偏光子等が挙げられる。なお、これら以外でも、反射光や透過光いついて特定方向の偏光成分を抽出できる性質を有する素子であれば使用できる。
このような、偏光材料を含む透明層32は、例えば、特許第6519582号公報に記載される方法により形成できる。まず、配向膜用樹脂を溶解した配向膜用溶液を作成し、これを所定のパターン画像以外をマスキングした状態で、マイクログラビア法によって基材33に塗布して塗布膜を形成する。次に、所定方向に沿ってラビング布を用いて塗布膜を擦ることで配向処理を行い、配向膜を得る。さらに、UV硬化性の液晶に対して二色性染料を添加して、偏光子用溶液を作成する。
その後、マイクログラビア法を用いて、偏光子用溶液を所定厚さとなるように配向膜の上に塗工し、塗工膜を形成する。次に、塗工膜に対してアニール処理を行い、酸素雰囲気下にて塗工膜にUVを照射して、塗工膜を硬化することにより、所定方向に対して透過軸を有する偏光機能を具備した透明層32を形成できる。また、マスキングをせずに、基材33の所定領域の全面に透明層32を形成した後で、パターン画像非形成部分に所定波長域のレーザを照射し、当該部分の液晶分子を熱破壊してパターン画像部分のみに偏光機能を具備させることもできる。
このように、情報記録体の透明層32を形成するインキを、偏光材料を含む、透明素材のインキにより構成したものとすることにより、変形例3、4と同様に、可視光の照射角度と観察角度の関係性による、ホログラム層31の画像と、透明層32の画像との見え方の差を利用した本開示の偽造防止機能の精度向上およびその補完を図ることができる。すなわち、可視光照射の条件下での埋め込み情報の複製困難性に加えて、所定の偏光フィルムを使用した場合のみ、ホログラム層31の画像の影響をほとんど受けずに透明層32の画像を、明確に認識することができる。これにより、一層の埋め込み情報の複製困難性を確保し得る。
さらには、上述の変形例3、4および5のいずれかまたはすべてを包含する態様として透明層32を構成してもよい。例えば、透明層32を形成するインキを、赤外線または紫外線によって励起され可視光を発光する材料に加え、赤外線吸収材料を含む透明素材のインキにより構成したものとすることもできる。あるいは、透明層32を形成するインキを、赤外線吸収材料を含むことに加え、偏光材料を含む透明素材のインキにより構成したものとすることもできる。こうすることにより、真贋判定の検証方法を増やすことができ、一層の埋め込み情報の複製困難性に寄与するものとなる。
(f)変形例6
上記に加え、本開示の変形例3、4および5に係る情報記録体の別の変形例について説明する。変形例3、4および5に係る情報記録体は、透明層32を構成する透明素材のインキの中に、追加の真贋判定材料を混合することで、真贋判定の検証能力を向上させるものであるが、このような、真贋判定材料を備えた構成は、第1、第2実施形態の透明層32とは別個に、用紙11内に設けてもよい。本変形例は、変形例3、4および5に係る真贋判定材料を備えた印刷層を、用紙11内の透明層32とは異なる領域に設けた態様を示すものである。
このように、情報記録体の真贋判定用のコードがパターン画像として形成された透明層32以外の用紙11の領域に、新たに変形例3、4および5に係る真贋判定材料を備えた真贋判定検証用の印刷層を別途、設けることにより、偽造の困難性が一層増すとともに、両者の情報に何らかの関係性を持たせることによって、真贋判定の検証精度をさらに向上させることができる。
5 読取装置
10、10a 印刷物
11 用紙
21 照明光源
22 視点
22a 位置P1の視点
22b 位置P2の視点
22c 位置P3の視点
23 カメラ
30、30a、30b、30c 情報記録体
31 ホログラム層
31a 樹脂層
31b 反射層
31p、31p、31r、32p パターン画像
32 透明層
33 基材
34 接着層
35 剥離層
36 支持基材
40 コピー品
41 用紙
43 インキ層
45 印刷体
50 制御部
51 画像受付部
52 周波数変換部
53 解析部
54 コード特定部
60 記憶部
62 コードテーブル
65 読取部
67 操作部
68 表示部
100 転写箔フィルム
C1、C2 パターン画像
C1a、C2a 前景部
C1b、C2b 背景部
D0、D1、D2、D0−2、D1−2、D2−2 特徴点
F、F1、F2 空間周波数領域
G0、G1、G2 特徴点
T0、T1、T2 反復形状
T10、T11、T12、T10−2、T11−2、T12−2 円周形状
T20、T21、T22 格子形状

Claims (13)

  1. ホログラム層に形成された第1画像と、前記第1画像上に形成される第2画像とを含む合成画像を具備した情報記録体であって、
    前記第2画像は、観察角度によって反射光量の異なるインキにより印刷され、
    前記合成画像は、観察角度によって一方の画像を読取装置により認識可能であり、
    前記第2画像は、人が一見しただけでは無意味な画像であり、かつ、空間周波数領域における特徴点に規則性を有する画像である、情報記録体。
  2. ホログラム層に形成された第1画像と、前記第1画像上に形成される第2画像とを含む合成画像を具備した情報記録体であって、
    前記第2画像は、観察角度によって反射光量の異なるインキにより印刷され、
    前記合成画像は、観察角度によって一方の画像を読取装置により認識可能であり、かつ、
    前記一方の画像は、人が一見しただけでは無意味な画像を含んでおり、
    前記第2画像は、空間周波数領域における特徴点に規則性を有する画像であり、
    前記第1画像の一部は、空間周波数領域における特徴点のうち少なくとも1点以上の前記特徴点が前記規則性を阻害する位置に配置される画像であること、
    を特徴とする情報記録体。
  3. 前記観察角度が照明光源の入射角に対する正反射時の出射角とは異なる第1位置においては、前記第1画像が視認可能であり、かつ、前記第2画像が視認不可能であり、
    前記観察角度が照明光源の入射角に対する正反射時の出射角と同一である第2位置においては、前記第1画像が視認不可能であり、かつ、前記第2画像が視認可能であり、
    前記第1位置と前期第2位置との間の位置である、前記観察角度が照明光源の入射角に対する正反射時の出射角とは異なるが前記第2位置の近傍である第3位置においては、前記第1画像および前記第2画像がともに視認可能である、請求項1または2に記載の情報記録体。
  4. 前記第1画像の一部の空間周波数領域における特徴点により表される第1形状と、前記第2画像の空間周波数領域における特徴点により表される第2形状とが、同一形状又は相似形状である、請求項2または3に記載の情報記録体。
  5. 前記第1形状及び前記第2形状は、反復形状である、請求項4に記載の情報記録体。
  6. 前記第1画像の一部と、前記第2画像とは、空間周波数領域における特徴点が特定位置上に現れる画像である、請求項2から5のいずれか一項に記載の情報記録体。
  7. 前記第2画像は、透明素材で形成されて透明層を構成し、
    前記ホログラム層と、前記透明層との間には、透明な基材が配置され、
    前記透明層の屈折率は、前記基材の屈折率に対して0.1以上の差を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報記録体。
  8. 前記第2画像は、透明素材で形成されて透明層を構成し、
    前記透明層の、前記ホログラム層とは反対の面側には、透明な基材が配置され、
    前記透明層の屈折率は、前記基材の屈折率に対して0.1以上の差を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報記録体。
  9. 前記透明層と、前記基材との間には、剥離層がさらに配置され、
    前記透明層の屈折率は、前記剥離層の屈折率に対して0.1以上の差を有する、請求項8に記載の情報記録体。
  10. 前記第2画像は、赤外線または紫外線によって励起され、可視光を発光する前記透明素材のインキにより構成される、請求項7から9のいずれか一項に記載の情報記録体。
  11. 前記第2画像は、赤外線吸収材料を含むインキにより構成される、請求項7から9のいずれか一項に記載の情報記録体。
  12. 前記第2画像は、偏光材料を含むインキにより構成される、請求項7から9のいずれか一項に記載の情報記録体。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の情報記録体を備える印刷物。
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