JP2024068680A - 個人認証媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】個人認証媒体としてのカード等への展開が可能であり、個人情報等の表示/非表示の切り替えを認証者が変更可能とすることで盗み見による不正利用のリスクを防ぐ。【解決手段】基板1の一方の面側に、少なくとも個人情報を含む表示が付与された表示層2、3と、少なくとも上記表示が付与された表示領域と重なる部分が透明な表面保護層6と、がこの順に積層し、上記表示層2、3と上記表面保護層6との間における、少なくとも上記表示領域の少なくとも一部と重なる領域に、調光層5が設けられ、上記調光層5は、液晶組成物を含む高分子層50と、上記高分子層50を挟んで対向する一対の透明電極51、52とを有し、上記一対の透明電極51、52に対する通電及び非通電によって、上記高分子層50が透明状態と不透明状態とに変更可能な構成となっている、個人認証媒体100である。【選択図】 図1

Description

本発明は、個人情報等の表示と非表示を認証者が選択的に変更可能な、調光素子を有するカードやパスポート等の個人認証媒体に関する。
近年、回折などの光学的な効果を発現するレリーフ構造が、セキュリティ用途として広く使われている。すなわち、レリーフ構造は、取り扱いも容易であることから、クレジットカード等に取り付けることにより、一目で容易に真贋を判定することが可能である。例えば、基材上に剥離性を持つ剥離層、回折格子パターンが形成されたレリーフ形成層、光学効果を容易に観察可能とする反射層、接着層を順次積層した、レリーフ構造を含む転写箔が知られている(特許文献1参照)。
また、クレジットカードや交通系ICカードなど、カード内部の情報を近接触通信で送信する技術が広く使われるようになってきている。この方法は、カード内部にワイヤレスで電力を供給することでデータの送受信を行うために、スキミング等のリスクが少ない。
一方、そのようなカードの表面には、住所や氏名、カード番号、セキュリティコード等の個人情報が多く記載されており、カードの盗み見による不正利用のリスクがある。
そのような盗み見による不正利用のリスクにも対応できる技術として、特許文献2の調光素子が挙げられる。特許文献2には、画像表示部と無機金属を用いたエレクトロクロミック型の調光素子、又はガスクロミック型の調光素子により、画像情報の表示を、観察中に任意に変更することを可能とする表示媒体が開示されている。
特開平11-85027号公報 特許第6705323号公報
しかしながら、無機金属を用いたエレクトロクロミック型の調光素子は、透過と反射が切り替わるスイッチ時間が遅く、かつ繰り返し耐久性に上限があるという欠点がある。これらの欠点を解決するために、特殊な材料を使用しているエレクトロクロミック型の調光素子もあるが、コストが高く、発行枚数が多いカード等への展開は難しい。またガスクロミック型の調光素子はガスの流入が必要であり、カード等への実用性は乏しい。
したがって、カード等への展開が可能であり、かつ、スイッチ時間が速く、繰り返し耐久性にも優れた調光素子を有する個人認証媒体が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、個人認証媒体としてのカード等への展開が可能であり、個人情報等の表示/非表示の切り替えを認証者が変更可能とすることで盗み見による不正利用のリスクを防ぐことを目的とする。更に、本発明は、スイッチ時間と繰り返し耐久性に優れた調光素子を有する個人認証媒体を提供することを目的とする。
課題解決のために、本発明の一態様は、基板の一方の面側に、少なくとも個人情報を含む表示が付与された表示層と、少なくとも上記表示が付与された表示領域と重なる部分が透明な表面保護層と、がこの順に積層し、上記表示層と上記表面保護層との間における、少なくとも上記表示領域の少なくとも一部と重なる領域に、調光層が設けられ、上記調光層は、液晶組成物を含む高分子層と、上記高分子層を挟んで対向する一対の透明電極とを有し、上記一対の透明電極に対する通電と非通電によって、上記高分子層が透明状態と不透明状態とに変更可能な構成となっている、個人認証媒体。
本発明の態様によると、カード等への展開が可能であり、個人情報等の表示と非表示とを認証者が選択的に変更可能とすることで、盗み見による不正利用のリスクを防ぎ、更にスイッチ時間と繰り返し耐久性に優れた調光素子を有する個人認証媒体を提供することが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る個人認証媒体を概略的に示す断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る調光層を概略的に示す断面図である。 個人認証媒体において、調光層が不透明状態である場合に、おもて面側から観察した平面図である。 個人認証媒体において、調光層が透明状態である場合に、おもて面側から観察した平面図である。 調光層の一対の透明電極に接続する電力供給部の他の例を示す概念図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は発明の一例であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載された構成によって規定される。
また、本実施形態で透明とは、可視光が透過可能なことを指し、完全に透明である必要は無い。
(構成)
本実施形態の個人認証媒体100は、図1に示すように、基板1のおもて面側に、少なくとも個人情報を含む表示が付与された表示層2、3と、少なくとも上記表示が付与された表示領域と重なる部分が透明な表面保護層6と、がこの順に積層する。本例では、おもて面の全面が表示領域の場合とする。なお、図1は、分かり易くするために、板厚を実際よりも厚くして図示している。
ここで、表示には、個人情報の表示13と、個人情報以外の表示である非隠蔽表示12とを有する(図3、図4参照)。
また、本実施形態では、基板1の上に、隠蔽層7が形成されている。
基板1、隠蔽層7、表面保護層6などは、その主成分である樹脂材料として、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PP(ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、非晶性ポリエステル樹脂(PET-G)、ポリカーネート樹脂(PC)などのプラスチックフィルムを用いることができる。特に、従来のカードやパスポート等の個人認証媒体の基材などに使われているポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、非晶性ポリエステル樹脂(PET-G)、ポリカーネート樹脂(PC)を材料として用いると、熱や圧力等による積層一体化加工が容易となり、好ましい。
<表面保護層>
表面保護層6は、例えばラミネート材から構成する。表面保護層6の材料としては、例えばSABIC社のポリカーボネート材料LEXANシリーズSD8B14等が挙げられる。
<隠蔽層>
また、隠蔽層7は、例えば、白色隠蔽ラミネート材で構成する。白色隠蔽ラミネート材は、基材となる樹脂に、酸化チタンなどの微粒子を混在させることで適当な不透明性を有するものである。白色隠蔽ラミネート材は、印刷を美しく表現するための下地として用いたり、後述のように、制御回路などを隠蔽したりするために用いる。白色隠蔽ラミネート材は、例えばSABIC社のポリカーボネート材料LEXANシリーズSD8B24等が挙げられる。
<表示層>
本実施形態の表示層は、基板1側の印刷層2と、表面保護層6側の第1樹脂層3とを備える。
<第1樹脂層>
第1樹脂層3は、例えば、レーザー発色ラミネート材からなる透明な樹脂層である。レーザー発色ラミネート材は、透明樹脂材料内にレーザー光を吸収するエネルギー吸収体あるいはレーザー光によって変色あるいは屈折率変化を起こしうる微粒子等が添加されたもので、個人情報の表示13や、適当な文字記号情報を基材に書き込むことが可能な材料である。レーザー発色ラミネート材は、例えばSABIC社のポリカーボネート材料LEXANシリーズSD8B94等が挙げられる。
本実施形態では、その第1樹脂層3のおもて面側に対しレーザー照射による発色で、当該第1樹脂層3に対して、個人情報の表示13が付与されている。
すなわち、本実施形態では、個人情報の表示13は、レーザーを第1樹脂層3に照射することで形成される。このようなレーザー印字4は、短時間加工が可能であることから、個人認証媒体100の発行時に所有者の顔やサイン、氏名、住所等の個人情報を書き込むことによって各々を明確に区別することが可能となり、不正な改竄や偽造から守るため、近年普及し始めている。レーザー印字4が、個人情報の表示13を構成する。
もっとも、レーザー印字4に、個人情報の表示13以外の表示を含んでいても良い。
上記のレーザー印字4は、上記に積層体を構成した後に、おもて面側からレーザー照射を行うことで実行すればよい。
レーザー印字4に使用するレーザー照射は、従来公知の装置で対応でき、例えば、ファイバーレーザー(射出波長1064nm)出力0.4W、印字4間隔40μmや、紫外レーザー(射出波長266nm)出力0.05W、印字4間隔40μmなどが挙げられる。
印字4は、例えばパルスレーザーの印字とすることができる。パルスレーザーでは、不連続なドットの集合でテキストを形成できる。不連続なドットの集合は、調光層5が透明な場合には、テキストとして容易に識別できる。一方で、調光層5が不透明な場合には、テキストを形成するドットが調光層5によるボケで、ドットとそれ以外の部分のコントラストがほとんどなくなるため、視認されないようにできる。また、テキストの縁取りとその他のエリアでドットの密度が異なってもよい。このようにすることで、調光層5が透明な場合の視認性と、調光層5が不透明な場合での隠蔽性を両立しやすい。
レーザー印字で形成されるテキストの種別は、所有者名、名前、所属、性別、所属、国籍、生年月日、資格、コード、IDコードとできる。調光層5により、これらの内、いずれかの種別のテキストが記録された領域を選択的に不透明にすることもできる。これにより、資格だけを表示して所有者名やIDコードを隠す等とすることができる。これにより例えば、ゲートでは資格だけを確認し、検査官は、所有者名やIDコードまで表示する等の判定を行う者によって、選択的に情報を開示することができる。
<印刷層>
印刷層2は、個人情報以外の表示である非隠蔽表示を表示12となる層である。図1では、平面視で、非隠蔽表示12の印刷が調光層5と重ならない位置に形成されている場合を例示しているが、調光層5と重なる位置にも非隠蔽表示12の印刷を有していても良い。
そして、印刷層2は、伝えるべき情報を付与する為に、任意の色みで、全面又は文字や絵柄等のパターン状に設けられる層である。印刷層2は、隠蔽層7の上に形成される。
印刷層2は、例えばインキを用いて形成する。このインキとしては、印刷方式に応じて、オフセットインキ、活版インキ及びグラビアインキなどを用いることができ、組成の違いに応じて、例えば、樹脂インキ、油性インキ及び水性インキを用いることができる。また、乾燥方式の違いに応じて、例えば、酸化重合型インキ、浸透乾燥型インキ、蒸発乾燥型インキ及び紫外線硬化型インキを用いることができる。また、光の照明角度又は観察角度に応じて色が変化する機能性インキを使用してもよい。このような機能性インキとしては、例えば、光学的変化インキ(Optical Variable Ink)、カラーシフトインキ及びパールインキが挙げられる。
あるいは、印刷層2は、トナーを用いた電子写真法により形成してもよい。この場合、例えば、帯電性を持ったプラスチック粒子に黒鉛及び顔料等の色粒子を付着させたトナーを準備し、帯電による静電気を利用して、トナーを被印刷体に転写させ、これを加熱し定着させることで印刷層2を形成することができる。
ここで、印刷層2の一部を個人情報の表示13として、第1樹脂層3を省略しても良いまた、印刷層2を省略して第1樹脂層3だけにしてもよい。
また、印刷層2を、調光層5及び印字4の下方にも設けることで、調光層5と重なる印刷層2部分の模様等によって、非通電時における、個人情報の表示13をよりぼかすように構成しても良い。
<接着層>
表示層と表面保護層6との間における、情報を表示する表示領域の少なくとも一部と重なる領域に、調光層5が設けられている。非隠蔽表示12に重なるように調光層5が設けられても良い。なお、図1では、調光層5が1つの場合を例示しているが、複数の調光層5を設け、個々の個人情報を隠蔽するように配置しても良い。
<調光層>
本実施形態の調光層5は、例えば、個人情報の表示13の領域PAの上に設けられている(図3、図4参照)。
調光層5は、図2に示すように、液晶組成物を含む高分子層50と、高分子層50を挟んで対向する一対の透明電極51、52とを有する。そして、調光層5は、一対の透明電極51、52に対する通電及び非通電によって、高分子層50が透明状態と不透明状態とに変更可能(切り替え可能)な構成となっている。
<高分子層>
本実施形態の高分子層50は、複数のドメインと、各ドメインを埋める液晶組成物とを備える。液晶組成物の保持形式は、ポリマーネットワーク型、高分子分散型、カプセル型からなる群から選択されるいずれか一種である。ポリマーネットワーク型は、3次元の網目状を有したポリマーネットワークを備える。ポリマーネットワークは、相互に連通した網目状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子分散型は、孤立した多数の空隙を区画する高分子層50を備え、高分子層50に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型は、カプセル状を有した液晶組成物を高分子層50のなかに保持する。
ドメインは、ポリマーネットワークが形成する空隙、高分子層50のなかに分散した孤立する空隙、あるいは、高分子層50のなかに分散したカプセルである。ドメインは、透明高分子に囲まれた空隙であってもよいし、隣接する他のドメインと繋がる空隙であってもよい。
ポリマーネットワークは、紫外線重合性化合物の重合体である。ポリマーネットワークは、調光層5の厚みを保つためのスペーサを含んでもよい。スペーサは、例えば、ガラス粒子、あるいは、樹脂粒子であって、調光層5が有する色と同じ色を有することが好ましい。
液晶組成物は、複数の液晶分子を含む。液晶組成物は、ドメインを充填する。液晶分子は、例えば、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系からなる群から選択される一種である。液晶組成物の主成分は、液晶分子である。
液晶組成物における主成分の重量濃度は、液晶組成物に対して80%以上である。液晶組成物は、主成分以外の成分として、二色性色素、耐候剤、及び、調光層5の形成に際して混入する不可避成分を含んでもよい。耐候剤は、液晶組成物の劣化を抑制するための紫外線吸収剤、あるいは、光安定剤である。不可避成分は、例えば、ポリマーネットワークの形成に用いられる紫外線重合性化合物の未反応成分である。
<透明電極>
一対の透明電極51、52は、調光層5の厚さ方向において、調光層5を挟むように配置されている。各透明電極51、52は、可視光領域の光を透過する。各透明電極51、52を構成する材料は、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、ポリ(3、4-エチレンジオキシチオフェン)からなる群から選択されるいずれか一種である。
<透明樹脂層>
また本実施形態の調光層5は、図2のように、一対の透明樹脂層53、54を備えている。一対の透明樹脂層53、54は、調光層5の厚さ方向において、一対の透明電極51、52を挟むように配置されている。各透明樹脂層53、54は、可視光領域の光を透過する。各透明樹脂層53、54を構成する材料は、例えば、透明ガラスや透明合成樹脂などであるが、本実施形態においては、熱や圧力等による積層一体化加工を考慮すると、透明合成樹脂が好ましい。
調光層5は、液晶分子の配向を変える電圧の印加(通電の有無)に応じて、液晶分子の配向を変え、その変化に基づいて、透明状態と不透明状態に切り替わる構成となっている。
<非通電時>
図3の個人認証媒体100は、液晶分子の配向を変える電圧が印加されていない状態を示す。配向を変える電圧が調光層5に印加されていないとき、各ドメインに位置する液晶分子の配向方向はランダムである。そして、一対の透明電極51、52のいずれかから調光層5に入射した光は、様々な方向に散乱される。結果として、調光層5は、電圧が印加されていないときに、濁った状態である不透明状態となる。不透明状態の調光層5は、白色に濁った状態であってもよいし、調光層5が色素を有して有色に濁った状態であってもよい。
<通電時>
一方、図4の個人認証媒体100は、液晶分子の配向を変える電圧が印加された状態を示す。配向を変える電圧が調光層5に印加されると、複数の液晶分子の配向がランダムな配向から光を透過する方向に変わる。例えば、各液晶分子は、調光層5が広がる平面に対して、液晶分子の長軸がほぼ垂直であるように、配向を変える。そして、一対の透明電極51、52のいずれかから調光層5に入射した光は、調光層5においてほぼ散乱されることなく、調光層5を透過する。結果として、調光層5は、電圧が印加されたときは、透明状態となる。
<電極供給部>
また、一対の透明電極51、52に電力を供給する電力供給部を有する。
本実施形態の電力供給部は、図2に示すように、ICタグ10を備える。ICタグ10は、ICチップ10Aとコイル状のアンテナ10Bを備え、RFIDリーダ20と近接触通信可能となっている。そして、ICタグ10は、近づけたRFIDリーダ20からの電波をエネルギー元として、一対の透明電極51、52に供給する電力を発生し、発生した電力を、リード線11によって一対の透明電極51、52に供給可能となっている。なお、ICタグ10は、RFIDリーダ20を近接させたときだけ電力を発生する構成でも良いし、バッテリを有し、近接させたRFIDリーダ20を離しても所定時間だけ電圧を供給可能に構成してもよい。また、電力供給部としてバッテリ内蔵のアクティブ型のICタグ10を使用して、RFIDリーダ20を近接させることで給電可能とすると共に、押しボタン15の押すことにより電圧供給可能状態となる構成としてもよい(図5参照)。
なお、RFIDリーダ20は、電磁波又は磁束を放出する機器であればよい。
ここで、このICタグ10やリード線11の主要部分を、基板1と隠蔽層7との間に配置することで、表面から見え難くすることが好ましい。
なお、ICチップ10Aは、アンテナ10Bを構成するアンテナコイルで発生した交流電流を整流して直流に変換し、更に発生電圧を一定にするようなブリッジ回路や整流回路のような電源制御回路(不図示)を有したり、制御回路で信号に基づいて駆動回路をON/OFF切り替えられるような回路(不図示)を有する構成となっていると良い。そのような回路を含むことで、必要な場面で調光層5が透明状態になり、必要な情報のみ表示することができる。
<各層の厚さ>
ここで、個人認証媒体100の各層の厚さは50μm~200μmであることが好ましい。厚さが50μm以下であると、基材としての物理的強度が不十分となり取り扱い難く、印刷層2等を設ける際にシワ等が発生しやすい。一方200μm以上であると、加工の際の、基材自体が有する厚みのバラツキやたわみの影響が大きくなりやすい。より好ましい厚さは、75~100μmである。
<接着層>
本実施形態の個人認証媒体100は、表面保護層6と調光層5との間、及び調光層5と第1樹脂層3との間の少なくとも一方に、接着層(不図示)を設けても良い。
本実施形態では、例えば、図1のように重ね合わせた状態に積層して熱圧ラミネート処理を行い、一体化させることで個人認証媒体100を形成する。その際に、表面保護層6と調光層5や、調光層5と第1樹脂層3との密着性が悪く、剥離してしまうことがある。そのような状況を防ぐために、上記の接着層を設けることができる。
接着層としては、従来公知のもので対応でき、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、及び、電子線硬化性樹脂などを用いることができる。具体的には、接着層を形成するための樹脂には、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ウレタン樹脂などを用いることができる。
また、本実施形態の個人認証媒体100は、調光層5の膜厚等の条件次第では、個人情報の表示13が透けて見える可能性もある。それを防ぐために、調光層5と個人情報の表示13となる印字4を設けた第1樹脂層3との間に、ギャップ(隙間)を設けても良い。このギャップは、例えば0.05mm以上、0.3mm以下とできる。この範囲であれば適切に文字がぼけるようにしやすく、また過度にカードが厚くなることもない。なお、このギャップの形成は、例えば、調光層5の形成領域と重なる部分(領域PAの部分)だけとする。
(動作その他)
本実施形態の個人認証媒体100は、一対の透明電極51、52に対する通電/非通電によって、調光層5が透明状態と不透明状態に選択して変更可能であり、不透明状態の際に、個人認証媒体100に記載された個人情報の表示13を隠蔽状態とする。
なお、調光層5は、通電時に不透明状態、非通電時に透明状態となるように構成することも可能であるが、非通電時に不透明状態であり、個人情報の表示13が隠れていた方が好ましい。
また、個人情報の全てが透明状態と不透明状態とに切り替わっても良いが、そのうちの一部の個人情報のみ透明状態と不透明状態に切り替わるように構成しても良い。
そして、本実施形態の個人認証媒体100は、個人認証媒体100の提示を求められた際に、役所や警察署、出入国審査等のそれぞれの場面において、必要な情報のみ透明状態になり、個人情報を照会できることが好ましい。
(その他)
本開示は、次の構成も取り得る。
(1)基板の一方の面側に、少なくとも個人情報を含む表示が付与された表示層と、少なくとも上記表示が付与された表示領域と重なる部分が透明な表面保護層と、がこの順に積層し、
上記表示層と上記表面保護層との間における、少なくとも上記表示領域の少なくとも一部と重なる領域に、調光層が設けられ、
上記調光層は、液晶組成物を含む高分子層と、上記高分子層を挟んで対向する一対の透明電極とを有し、上記一対の透明電極に対する通電と非通電によって、上記高分子層が透明状態と不透明状態とに変更可能な構成となっている、
個人認証媒体。
(2)上記調光層は、上記高分子層及び上記一対の透明電極を挟んで対向する、一対の透明樹脂層を備える。
(3)上記表示には、個人情報の表示と、個人情報以外の表示である非隠蔽表示とを有し、
上記調光層は、上記個人情報の表示の領域の上に設けられる。
(4)上記表示層は、発色ラミネート材からなる第1樹脂層を有し、
その第1樹脂層に対するレーザー照射による発色で、当該第1樹脂層に上記個人情報の表示が付与された。
(5)上記表示層は、上記第1樹脂層と、第1樹脂層の基板側に形成された印刷層とを有し、
上記印刷層で非隠蔽表示が形成されている。
(6)上記一対の透明電極に電力を供給する電力供給部を有し、
上記電力供給部は、ICチップとアンテナとを備えるICタグから構成され、当該ICタグは、RFIDリーダからの電波をエネルギー元として上記一対の透明電極に供給する電力を発生する。
以下に、本実施形態の各実施例及び各比較例に用いた材料を示す。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(実施例1)
PETからなる一対の透明樹脂層と、ITOからなる一対の透明電極層と、液晶組成物を含む高分子層とを備え、非通電時に不透明である調光層を用意した。
そして、表面保護ラミネート材(LEXAN SD8B14 100μm厚(SABIC社))、アンテナコイルとICチップからなるICタグを接続した調光層、レーザー発色ラミネート材(LEXAN SD8B94 100μm厚(SABIC社))、表面に印刷層が施された白色隠蔽ラミネート材LEXAN SD8B24 400μm厚(SABIC社))、表面保護ラミネート材(LEXAN SD8B14 100μm厚(SABIC社))の順に積層して、図1に示すような積層構造を形成した。
なお、表面保護ラミネート材と透明樹脂層間、及び透明樹脂層とレーザー発色ラミネート材間に、各層間の密着性を補助する目的でアクリル樹脂からなる接着層を設けた。
そして、上記積層体について、上下をラミネート加工用金属板にて挟み込み、熱及び圧力(温度190℃、圧力80N/cm、時間15分間)を加えることによって、表面保護ラミネート材と調光層、レーザー発色ラミネート材、白色隠蔽ラミネート材を熱と圧力にて接着させた。その後カード型に抜き加工を行った。
続いて、レーザー印字機(開発品:ファイバーレーザー型射出波長1064nm)を用いて、通電させながらレーザー印字発色加工を施すことで、実施例1の個人認証媒体を作製した。
作製した実施例1の個人認証媒体に対し、電力供給用の電磁波発生装置(RFIDリーダ)に近づけると、個人認証媒体の、調光層を内装した箇所が透明になり、レーザーにて印字された情報を読み取ることができた。
(比較例1)
比較例1では、表面保護ラミネート材(LEXAN SD8B14 100μm厚(SABIC社))、レーザー発色ラミネート材(LEXAN SD8B94 100μm厚(SABIC社))、白色隠蔽ラミネート材LEXAN SD8B24 400μm厚(SABIC社))、表面保護ラミネート材(LEXAN SD8B14 100μm厚(SABIC社))の順に積層した。
そして、実施例1と同様に、積層体を上下をラミネート加工用金属板にて挟み込み、熱及び圧力を加えることによって、各ラミネート材を熱と圧力にて接着させた。その後、カード型に抜き加工を行った。
その後、レーザー印字機(開発品:ファイバーレーザー型 射出波長1064nm)を用いて、レーザー印字発色加工を施すことで、比較例1の個人認証媒体を作製した。
(比較例2)
比較例2では、特許文献2を参考に、非通電時には鏡面状態であり、通電することで透明状態に変化するエレクトロクロミック型調光ミラーを作製した。
すなわち、PET基材上に剥離層、回折構造層、調光ミラー層、第1マスク印刷層、触媒層、電解質層、イオン貯蔵層、導電膜層、第2マスク印刷層を順次積層し、水洗浄にて第1マスク印刷層と第2マスク印刷層を除去することで触媒層及び導電膜層の一部を露出させ、電極を作製後、その電極にICチップとアンテナコイルからなるICタグを接続することで、エレクトロクロミック型調光ミラーを作製した。
作製したエレクトロクロミック型の調光素子をPET基材より剥離し、表面保護ラミネート材(LEXAN SD8B14 100μm厚(SABIC社))、エレクトロクロミック型調光ミラー、レーザー発色ラミネート材(LEXAN SD8B94 100μm厚(SABIC社))、白色隠蔽ラミネート材LEXAN SD8B24 400μm厚(SABIC社))、表面保護ラミネート材(LEXAN SD8B14 100μm厚(SABIC社))の順に積層した。
また、実施例1と同様に、積層体を上下をラミネート加工用金属板にて挟み込み、熱及び圧力を加えることによって、各ラミネート材とエレクトロクロミック型調光ミラーを熱と圧力にて接着させた。その後カード型に抜き加工を行った。
続いて、レーザー印字機(開発品:ファイバーレーザー型 射出波長1064nm)を用いて、通電させながらレーザー印字発色加工を施すことで、比較例2の個人認証媒体を作製した。
そして、作製した比較例2の個人認証媒体を、電力供給用の電磁波発生装置に近づけると、個人認証媒体の、エレクトロクロミック型調光ミラーを内装した箇所は透明になり、レーザーにて印字された情報を読み取ることができた。
(評価)
実施例1の個人認証媒体と各比較例の個人認証媒体について評価を行った。その評価結果を表1に示す。
<盗み見による不正利用の評価>
実施例1と各比較例で得られた個人認証媒体の個人情報を、通常の使用状況(非通電時)にて盗み見が可能か評価した。
評価は、盗み見が不可能である場合は「〇」、盗み見が可能である場合は「×」として評価した。
<スイッチ時間>
実施例1と比較例2で得られた個人認証媒体の、調光層及びエレクトロクロミック型調光ミラーを内装した箇所に対して、不透明から透明に変化する時間を比較した。
<繰り返し耐久性>
実施例1と比較例2で得られた個人認証媒体の、調光層及びエレクトロクロミック型調光ミラーを内装した箇所に対して、繰り返し耐久性を評価した。可視領域(400~800nm)の吸収極大をλmaxとした時、初期と1000回繰り返した際の吸光度変化を、島津製作所株式会社製のUV-3600で測定した。
評価は、以下の基準で実施した。
〇:λmaxの吸光度が初期に比べて90%以上である
×:λmaxの吸光度が初期に比べて50%未満である
Figure 2024068680000002
表1に示す結果から分かるように、本発明に基づく実施例1では、通電することで上記調光層が透明状態と不透明状態に変更可能であり、不透明状態の際に上記個人認証媒体に記載された個人情報を隠すことが可能であることで、通常の使用状況にて個人情報を盗み見ることを防ぎ、かつスイッチ時間及び繰り返し耐久性にも優れた個人認証媒体を得ることができ、本実施形態による効果が確認できた。
これに対して比較例1の個人認証媒体は、調光層を使用していないことで、通常の使用状況にて個人情報を盗み見られる恐れがあった。
また比較例2の個人認証媒体は、エレクトロクロミック型調光ミラーを使用することで、通常の使用状況にて個人情報を盗み見られることは回避できるが、透明/不透明のスイッチ時間が遅く、透明から不透明に切り替わる際に、盗み見られる恐れがあることが分かった。また繰り返し耐久性にも問題があるため、しばらく使用すると読取困難になることが分かった。
本開示は、特に、IDカードやパスポート等のような、盗み見による不正利用のリスクを有する個人認証媒体において、特に有用である。
1 基板
2 印刷層(表示層)
3 第1樹脂層(表示層)
4 レーザー印字
5 調光層
6 表面保護層
7 隠蔽層
10 ICタグ
10A ICチップ
10B アンテナ
11 リード線
12 非隠蔽表示
13 個人情報の表示
20 RFIDリーダ
50 高分子層
51、52 透明電極
53、54 透明樹脂層
100 個人認証媒体

Claims (6)

  1. 基板の一方の面側に、少なくとも個人情報を含む表示が付与された表示層と、少なくとも上記表示が付与された表示領域と重なる部分が透明な表面保護層と、がこの順に積層し、
    上記表示層と上記表面保護層との間における、少なくとも上記表示領域の少なくとも一部と重なる領域に、調光層が設けられ、
    上記調光層は、液晶組成物を含む高分子層と、上記高分子層を挟んで対向する一対の透明電極とを有し、上記一対の透明電極に対する通電と非通電によって、上記高分子層が透明状態と不透明状態とに変更可能な構成となっている、
    ことを特徴とする個人認証媒体。
  2. 上記調光層は、上記高分子層及び上記一対の透明電極を挟んで対向する、一対の透明樹脂層を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の個人認証媒体。
  3. 上記表示には、個人情報の表示と、個人情報以外の表示である非隠蔽表示とを有し、
    上記調光層は、上記個人情報の表示の領域の上に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載した個人認証媒体。
  4. 上記表示層は、発色ラミネート材からなる第1樹脂層を有し、
    その第1樹脂層に対するレーザー照射による発色で、当該第1樹脂層に上記個人情報の表示が付与された、
    ことを特徴とする請求項3に記載した個人認証媒体。
  5. 上記表示層は、上記第1樹脂層と、第1樹脂層の基板側に形成された印刷層とを有し、
    上記印刷層で非隠蔽表示が形成されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載した個人認証媒体。
  6. 上記一対の透明電極に電力を供給する電力供給部を有し、
    上記電力供給部は、ICチップとアンテナとを備えるICタグから構成され、当該ICタグは、RFIDリーダからの電波をエネルギー元として上記一対の透明電極に供給する電力を発生する、
    ことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか1項に記載した個人認証媒体。
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