JP2013160614A - X線検出装置 - Google Patents

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誠司 樋口
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Abstract

【課題】性能を落とさずに試料からのX線の検出を行うことができるX線検出装置を提供する。
【解決手段】X線検出装置のX線検出器1は、試料Sへ照射する放射線の放射線源と試料台(試料保持部)2との間に配置されている。SDD(X線検出素子)11はペルチェ素子(冷却手段)17で冷却され、X線透過窓12の試料台2に対向する面には、赤外線を反射する反射膜13が設けられている。反射膜13は、試料台2及び試料Sから放射される赤外線を反射することによって、X線検出器1へのX線検出器1外からの熱の流入を抑制する。試料Sをヒータ21で加熱した場合でも、熱によってX線検出器1のX線検出性能に悪影響が生じることが無く、X線検出装置は、高感度で試料Sからの特性X線を検出することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線を試料へ照射し、試料から発生するX線を検出するX線検出装置に関する。
X線分析は、電子線又はX線等の放射線を試料へ照射し、試料から発生するX線をX線検出器で検出し、特性X線又は蛍光X線のスペクトルから試料に含有される元素の定性分析又は定量分析を行う分析手法である。また放射線のビームで試料を走査しながら試料からのX線を検出することにより、試料に含有される元素の分布を得ることができる。電子線を用いるX線検出装置は、電子顕微鏡に組み込まれていることもある。特許文献1には、X線分析により元素分布を生成する技術の例が開示されている。
X線検出器には、X線検出素子として、感度及びエネルギー分解能に優れた半導体素子を用いたものがある。半導体素子を用いたX線検出素子は、液体窒素又はペルチェ素子等を用いた冷却が必要なものが多い。このため、X線検出器は、周りからの熱の流入を防止する必要がある。特許文献2には、熱を遮蔽し、X線検出器以外の部分へ伝導により熱を逃がす部材を備えた技術の例が開示されている。
特許第3654551号公報 特開平3−276089号公報
放射線源と試料との間にX線検出器を配置した場合、X線検出器を試料にできるだけ近づけることができ、試料から発生するX線を高感度で検出することが可能となる。通常、試料は室温以上の温度に保持され、半導体素子を用いたX線検出素子は室温よりも低温に冷却され、試料とX線検出器との間は真空に保たれるので、試料からX線検出素子への熱輻射による熱の流入が問題となる。X線検出器を試料にできるだけ近づける配置では、熱を遮蔽する部材を試料とX線検出器との間に配置することはできないので、X線検出器への熱の流入を防止することは困難である。特に、試料からのX線を透過させるX線透過窓は、X線を透過させるために薄く形成してあるので、X線透過窓からの熱の流入を防止することは困難である。X線検出器へ熱が流入した場合は、X線検出素子を冷却する能力が悪化し、X線検出素子の温度上昇によってX線検出性能に悪影響が生じるという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、X線検出器への輻射熱の流入を防止することによって、性能を落とさずに試料からのX線の検出を行うことができるX線検出装置を提供することにある。
本発明に係るX線検出装置は、試料保持部と、放射線源と、X線検出器とを備え、前記試料保持部が保持する試料へ前記放射線源からの放射線を照射し、試料から発生するX線を前記X線検出器で検出するX線検出装置において、前記X線検出器は、放射線の経路に沿った前記放射線源と前記試料保持部との間の位置に配置されており、前記X線検出器の前記試料保持部に対向する部分に、X線の透過が可能であり、しかも熱輻射による赤外線を反射する反射膜を設けてあることを特徴とする。
本発明に係るX線検出装置は、前記反射膜は、金又は銀の金属膜であることを特徴とする。
本発明に係るX線検出装置は、前記X線検出器は、試料からのX線が透過するX線透過窓と、該X線透過窓を透過したX線を検出するX線検出素子と、前記X線透過窓及び前記X線検出素子を冷却する冷却手段とを有し、前記反射膜は、前記X線透過窓の前記試料保持部に対向する面に設けてあることを特徴とする。
本発明に係るX線検出装置は、前記試料保持部が保持する試料を加熱する手段を備えることを特徴とする。
本発明においては、X線検出装置は、放射線源と試料保持部との間にX線検出器を配置してあり、X線検出器の試料保持部に対向する部分には、熱輻射による赤外線を反射する反射膜が設けられている。X線検出器よりも高温の試料から発生する赤外線が反射膜で反射することによって、試料からX線検出器への熱の流入が抑制される。
本発明においては、反射膜は、効率良く赤外線を反射する金又は銀の金属膜である。
本発明においては、X線検出器は、X線透過窓とX線検出素子とを備え、X線透過窓及びX線検出素子を冷却手段で冷却する。また、反射膜は、X線透過窓の試料保持部に対向する面に設けてある。輻射熱が流入し易いX線透過窓の表面で赤外線を反射することで、X線検出器への熱の流入を効果的に防止することができる。
本発明においては、X線検出装置は、試料保持部で保持した試料の加熱が可能である。試料を加熱したとしても、加熱により発生する輻射熱のX線検出器への流入が抑制される。
本発明にあっては、X線検出器への熱の流入が抑制されるので、X線検出素子の温度が上昇することが無く、X線検出器のX線検出性能に悪影響が生じることは無い。従って、X線検出装置は、性能を落とさずに、試料からのX線を高感度で検出することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
X線検出装置の構成を示すブロック図である。 X線検出器の模式的断面図である。 熱輻射の温度特性を示す特性図である。 金の金属膜への光の侵入長さを示す特性図である。 膜厚20nmの金の金属膜のX線透過率を示す特性図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、X線検出装置の構成を示すブロック図である。X線検出装置は、試料Sに電子線(放射線)を照射する電子銃(放射線源)31と、電子レンズ系32と、試料Sが載置される試料台(試料保持部)2とを備えている。電子レンズ系32は、電子線の方向を変更させる走査コイルを含んでいる。電子銃31及び電子レンズ系32は、X線検出装置全体を制御する制御装置4に接続されている。なお、図1中には、平面状の試料Sを図示しているが、X線検出装置は、球面状等のその他の形状の試料を扱うことも可能である。また、図1では、電子銃31、電子レンズ系32及び試料台2が同一軸上にある状態を示しているが、試料台2を傾斜させた場合等、電子銃31、電子レンズ系32及び試料台2が同一軸上に乗っていない場合もある。
電子レンズ系32と試料台2との間には、電子線が貫通する位置にX線検出器1が配置されている。X線検出器1は、電子線を通すための孔を設けた形状に形成されている。図1中には、X線検出器1の断面を示している。X線検出器1は、X線の入射面を試料台2に対向させて、孔を電子線が通る位置に配置されている。また、X線検出器1は、X線の入射面が電子線の光軸にほぼ直交して配置されている。試料Sが試料台2に載置された状態では、試料Sの電子線が照射される面の前面にX線検出器1が配置されている。試料Sの上面とX線検出器1のX線の入射面との間の距離は、数mmであることが望ましい。制御装置4からの制御信号に従って、電子銃31が電子線を放出し、電子レンズ系32が電子線の方向を定め、電子線はX線検出器1の孔を通って試料台2上の試料Sへ照射される。試料S上で、電子線を照射された部分では、特性X線が発生し、発生した特性X線はX線検出器1で検出される。図1には、電子線を実線矢印で示し、特性X線を破線矢印で示している。X線検出器1は、検出した特性X線のエネルギーに比例した信号を出力する。
X線検出器1には、出力した信号を処理する信号処理部33が接続されている。信号処理部33は、X線検出器1が出力した信号を受け付け、各値の信号をカウントし、X線検出器1が検出した特性X線のエネルギーとカウント数との関係、即ち特性X線のスペクトルを取得する処理を行う。信号処理部33は、制御装置4に接続されている。
電子レンズ系32が電子線の方向を順次変更することにより、電子線は試料S上を走査しながら試料Sに照射される。電子線が試料Sを走査することにより、試料Sの走査範囲内の夫々の部分に電子線が順次照射される。電子線が試料Sを走査することに伴い、試料S上の夫々の部分で発生した特性X線がX線検出器1で順次検出される。信号処理部33は、順次信号処理を行うことにより、試料S上の夫々の部分で発生した特性X線のスペクトルを順次生成する。また、信号処理部33は、特性X線のスペクトルから試料Sに含まれる種々の元素の量を計算し、試料S上の夫々の部分で発生した特性X線のスペクトルから得られた各元素の量を、試料S上の各部分に対応させることによって、試料S上の各元素の分布を表した元素分布画像を生成する。元素分布画像は、試料S上の夫々の部分に含有される各元素の量が色又は濃淡で表された画像である。信号処理部33は、生成した元素分布画像のデータを制御装置4へ出力する。制御装置4は、信号処理部33から出力された元素分布画像のデータを記憶する。制御装置4は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いて構成されており、使用者による操作の受け付け、及び特性X線の検出結果の出力を行うことができる。
試料台2には、試料台2を移動させるステッピングモータ等の駆動部34が連結されている。駆動部34は、試料台2を水平面方向に移動させる。駆動部34は、制御装置4に接続されており、制御装置4に動作を制御される。また、試料台2には、試料台2に載置された試料Sを加熱するヒータ21が内蔵されている。ヒータ21には、電力を供給してヒータ21を発熱させるための電力供給部35が接続されている。電力供給部35は、制御装置4に接続されており、制御装置4に動作を制御される。制御装置4は、駆動部34の動作を制御して試料台2を移動させ、試料S上で電子線を走査する部分の位置を調整する処理を行う。X線検出装置の構成の内、少なくとも電子銃31、電子レンズ系32、X線検出器1及び試料台2は、図示しない真空箱の中に納められている。真空箱は、電子線及びX線を遮蔽する材料で構成されており、X線検出装置の動作中には真空箱の内部は真空に保たれている。
図2は、X線検出器1の模式的断面図である。X線検出器1は、孔を形成してある平板状の熱伝導プレート16を備えている。熱伝導プレート16には、配線を含む基板14が取り付けられており、基板14にはX線検出素子であるSDD(Silicon Drift Detector)11が実装されている。熱伝導プレート16は、熱伝導率が高く、かつ線膨張係数が基板14に近い材料で形成されている。例えば、基板14はガラスセラミックで形成されており、熱伝導プレート16は窒化アルミニウム(AlN)で形成されている。SDD11は、試料台2に対向する面が開放されるように実装されており、電子線の経路に交差する平面状に複数のSDD11が孔を囲んで配置されている。SDD11の試料台2に対向する面の正面には、X線を透過させるX線透過窓12が配置されている。X線透過窓12は、ベリリウム又はパラキシリレン樹脂等のX線を透過させる材料で平板状に形成されている。また、熱伝導プレート16の下側には、X線透過窓12を支持する支持部材15が取り付けられている。支持部材15は、アルミニウム又はステンレス鋼等の金属材で形成されており、基板14及びSDD11を囲む位置に設けられている。支持部材15には、SDD11の試料台2側の面に対向する部分が開口しており、この開口した部分にX線透過窓12が取り付けられている。X線透過窓12は、SDD11で検出すべきX線を透過させると共に、SDD11の汚染防止、SDD11の冷却時の結露防止、カソードルミネッセンス又はフィラメント光等の迷光の進入防止、及びSDD11への反射電子の衝突防止のために設けられている。
熱伝導プレート16の上側には、ペルチェ素子17が取り付けられている。ペルチェ素子17はSDD11を冷却する冷却手段である。熱伝導プレート16には、ペルチェ素子17の吸熱側が接触している。ペルチェ素子17の放熱側には、図示しない放熱板等の放熱手段が設けられている。ペルチェ素子17によって、熱伝導プレート16、基板14、SDD11、支持部材15及びX線透過窓12がまとめて冷却される。従来のX線検出器では、SDDを個別にペルチェ素子で冷却する構成が多いものの、この従来の構成ではX線検出器の高さが長大になり、電子レンズ系32と試料台2との間にX線検出器を配置することが困難となる。本実施の形態では、熱伝導プレート16、基板14、SDD11、支持部材15及びX線透過窓12をまとめて冷却する構成としたので、ペルチェ素子17を熱伝導プレート16に配置してX線検出器1の高さが従来に比べて縮小した。このため、X線検出器1を電子レンズ系32と試料台2との間に配置することが可能となり、X線検出器1を試料Sに近づけてX線の検出効率を向上させることが可能となった。SDD11は、ペルチェ素子17によって−70〜−20℃程度に冷却される。
更に、X線透過窓12の試料台2に対向する表面には、試料Sからの熱輻射による赤外線を反射する反射膜13が設けられている。反射膜13は、X線検出器1外からの赤外線を反射することによって、X線検出器1への熱の流入を防止する。特に、冷却されたSDD11よりも高温でX線検出器1に近接した試料Sからの輻射熱を遮断する。反射膜13は、熱輻射による赤外線を反射し、しかも試料Sからの特性X線が透過するように形成されている。反射膜13は、X線透過窓12の表面に金属を蒸着することによって形成されており、数nm〜100nmの厚みに形成されている。赤外線の反射率を高く保つために、反射膜13は金(Au)又は銀(Ag)の金属膜であることが望ましい。
図3は、熱輻射の温度特性を示す特性図である。図3の横軸は熱輻射の波長を対数で示し、縦軸はエネルギー密度を対数で示す。図3には、温度が300K、500K、1000K及び3000Kである夫々の物体からの熱輻射の波長とエネルギー密度との関係を示している。300Kはほぼ室温である。特性X線の検出時には、試料Sの温度は室温〜1000K程度の温度範囲に調整される。図3より、試料Sからの熱の流入を防止するためには、1〜20μmの波長範囲の赤外線を反射すれば良いことが明らかである。
図4は、金の金属膜への光の侵入長さを示す特性図である。図4の横軸は光の波長を対数で示し、縦軸は光の侵入長を示す。1〜20μmの波長範囲の赤外線の侵入長は、10〜20nmである。金の金属膜で熱輻射による赤外線を反射するには、膜厚は20nm以上であれば十分であることが明らかである。1〜20μmの波長範囲の赤外線に対する反射率は、膜厚20nmの金の金属膜で97〜99%になる。図5は、膜厚20nmの金の金属膜のX線透過率を示す特性図である。図5の横軸はX線のエネルギーを示し、縦軸は夫々のエネルギーのX線の透過率を示している。X線の透過率は、エネルギー100eV以上で50%、1keV以上で80%、1.4keV以上で90%となっている。即ち、膜厚20nmの金の金属膜は、試料SのX線分析に十分な特性X線を透過させることができる。このように、反射膜13を膜厚20nmの金の金属膜とした場合は、反射膜13は、熱輻射による赤外線を十分に反射し、しかも試料Sからの特性X線を透過させる。反射膜13を銀の金属膜とした場合でも、同様に、反射膜13は、熱輻射による赤外線を十分に反射し、しかも試料Sからの特性X線を透過させることができる。アルミニウム等のその他の金属でも赤外線を反射することは可能であるものの、表面に酸化膜が形成された場合に反射率が低下する。反射膜13が金の金属膜である場合は、反射膜13は酸化されることが無く、反射率が低下することが無い。反射膜13が銀の金属膜である場合は、酸化膜が形成された状態でも高い反射率が保たれる。膜厚20μmの銀の金属膜では、酸化膜が形成された状態でも97%程度の反射率が保たれる。
X線検出装置の動作を以下に説明する。制御装置4は、電子銃31及び電子レンズ系32へ制御信号を送信し、電子銃31は電子線を放出し、電子レンズ系32は制御信号に従って電子線の方向を調整する。試料Sは電子線で走査され、試料Sでは特性X線が発生し、X線検出器1は発生した特性X線を検出する。特性X線は反射膜13及びX線透過窓12を透過してSDD11へ入射し、X線検出器1はSDD11によって特性X線を検出する。X線検出器1は、検出した特性X線のエネルギーに応じた信号を信号処理部33へ出力する。信号処理部33は、走査の進展に応じて、試料S上の夫々の部分で発生した特性X線のスペクトルを順次生成し、生成したスペクトルに基づいて元素分布画像を生成する。信号処理部33は、元素分布画像のデータを出力し、制御装置4は、元素分布画像のデータを記憶する。また、制御装置4は、制御信号を駆動部34へ送信し、駆動部34は、制御信号に従って試料台2を移動させることにより、試料Sを移動させる。試料Sの移動により、元素分布画像が生成される試料S上の位置が調整される。
X線検出装置は、ヒータ21を用いて試料Sを加熱することができる。制御装置4は、電力供給部35へ制御信号を出力し、電力供給部35は制御信号に従ってヒータ21へ電力を供給し、ヒータ21は発熱する。試料台2に載置された試料Sは、発熱したヒータ21によって加熱される。X線検出装置は、試料Sの走査と並行して、試料Sを加熱する処理を行い、複数の元素分布画像を取得することができる。これにより、加熱された試料S中で特定の元素が拡散する様子等、試料Sの熱による変化がX線分析によって観測される。このとき、加熱された試料S及び試料台2からは温度に応じた赤外線が放射される。この赤外線は反射膜13によって反射され、X線透過窓12を通った熱の流入はほぼ防止される。このため、X線検出器1へのX線検出器1外からの熱の流入は最小限に抑えられる。ペルチェ素子17がSDD11を冷却する能力が悪化することが抑制され、SDD11の温度が上昇することは無い。従って、熱の流入によってX線検出器1のX線検出性能に悪影響が生じることは無く、X線検出装置は性能を落とさずに試料SからのX線を高感度で検出することが可能となる。このため、高精度の元素分布画像を生成する等、高精度のX線分析も可能となる。また、試料Sをヒータ21で加熱したとしても、X線検出装置は、性能を落とすこと無く、試料Sの熱による変化を検出することができる。
なお、本実施の形態においては、反射膜13は金属蒸着膜であるとしたが、反射膜13は蒸着以外の方法で形成された形態であってもよい。また、本実施の形態においては、反射膜13をX線透過窓12の表面に形成した形態を示したが、X線検出器1は、支持部材15の表面にも反射膜13を形成した形態であってもよい。この形態では、X線検出器1への熱の流入がより抑制される。また、本実施の形態においては、ヒータ21によって試料Sを加熱する形態を示したが、X線検出装置は、レーザ照射等のその他の方向で試料Sを加熱する形態であってもよい。また、X線検出装置は、直接的に試料Sを加熱するのではなく、試料Sに電圧を印加する等の直接的な加熱以外の処置を試料Sに対して行い、結果的に試料Sの温度が上昇する形態であってもよい。
また、信号処理部33は、本実施の形態で説明した制御装置4の処理の一部を実行する形態であってもよく、制御装置4は、本実施の形態で説明した信号処理部33の処理の一部を実行する形態であってもよい。また、X線検出装置は、信号処理部33と制御装置4とが一体になった形態であってもよい。また、本実施の形態に係るX線検出装置は、SEM(走査型電子顕微鏡)又はTEM(透過型電子顕微鏡)に組み込まれた形態であってもよい。この形態では、X線検出装置には、SEM又はTEM用に、反射電子、二次電子又は透過電子等の電子を検出する検出器と、検出器からの信号を処理する信号処理部とが備えられる。
また、本実施の形態においては、X線検出器1はX線検出素子としてSDD11を用いた形態を示したが、X線検出器1はSDD以外の半導体素子をX線検出素子として用いた形態であってもよい。また、X線検出器1は、液体窒素を用いた冷却器等、ペルチェ素子17以外の冷却手段によりX線検出素子を冷却する形態であってもよい。また、本実施の形態においては、試料保持部として試料Sを載置する試料台2を備えた形態を示したが、X線検出装置は、載置以外の方法で試料を保持する試料保持部を備えた形態であってもよい。例えば、X線検出装置は、試料Sの表面を横側に向けて固定し、横から電子線を照射する形態であってもよい。また、本実施の形態においては、電子線で試料Sを走査して元素分布画像を生成する形態を示したが、X線検出装置は、電子線の走査を行わない形態であってもよい。この形態では、X線検出装置は電子レンズ系32を備えていなくてもよい。また、X線検出装置は、特性X線を検出し、特性X線のスペクトルを生成する処理までを実行する形態であってもよい。
また、本実施の形態においては、電子線を試料Sへ照射する形態を示したが、X線検出装置は、電子線以外の放射線を試料Sへ照射する形態であってもよい。例えば、X線検出装置は、X線を試料Sへ照射する形態であってもよい。この形態では、X線検出装置は、電子銃31の代わりにX線源を備え、電子レンズ系32を備えておらず、X線検出器1は、試料Sから発生する蛍光X線を検出する。また、X線検出装置は、荷電粒子を試料Sへ照射する形態であってもよい。
また、本実施の形態においては、放射線源の真下にX線検出器1を配置した形態を示したが、光学系等を用いて放射線の経路を曲げる形態では、X線検出器1は放射線の経路に沿って放射線源と試料保持部との間に配置されていればよい。また、本実施の形態においては、複数のSDD11が平面状に配置された形態を示したが、X線検出器1は、複数のX線検出素子が放射線の経路を囲んで球面状、傘状又は多面体状に配置された形態であってもよい。
1 X線検出器
11 SDD(X線検出素子)
12 X線透過窓
13 反射膜
17 ペルチェ素子(冷却手段)
2 試料台(試料保持部)
21 ヒータ
31 電子銃(放射線源)
33 信号処理部
35 電力供給部
4 制御装置

Claims (4)

  1. 試料保持部と、放射線源と、X線検出器とを備え、前記試料保持部が保持する試料へ前記放射線源からの放射線を照射し、試料から発生するX線を前記X線検出器で検出するX線検出装置において、
    前記X線検出器は、放射線の経路に沿った前記放射線源と前記試料保持部との間の位置に配置されており、
    前記X線検出器の前記試料保持部に対向する部分に、X線の透過が可能であり、しかも熱輻射による赤外線を反射する反射膜を設けてあること
    を特徴とするX線検出装置。
  2. 前記反射膜は、金又は銀の金属膜であること
    を特徴とする請求項1に記載のX線検出装置。
  3. 前記X線検出器は、
    試料からのX線が透過するX線透過窓と、
    該X線透過窓を透過したX線を検出するX線検出素子と、
    前記X線透過窓及び前記X線検出素子を冷却する冷却手段とを有し、
    前記反射膜は、前記X線透過窓の前記試料保持部に対向する面に設けてあること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のX線検出装置。
  4. 前記試料保持部が保持する試料を加熱する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載のX線検出装置。
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