JP2013160568A - セラミックヒータ構造体の検査方法 - Google Patents

セラミックヒータ構造体の検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013160568A
JP2013160568A JP2012021264A JP2012021264A JP2013160568A JP 2013160568 A JP2013160568 A JP 2013160568A JP 2012021264 A JP2012021264 A JP 2012021264A JP 2012021264 A JP2012021264 A JP 2012021264A JP 2013160568 A JP2013160568 A JP 2013160568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic heater
inspecting
ceramic
ultrasonic wave
end portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012021264A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5860296B2 (ja
Inventor
Katsuteru Ito
勝照 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2012021264A priority Critical patent/JP5860296B2/ja
Publication of JP2013160568A publication Critical patent/JP2013160568A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5860296B2 publication Critical patent/JP5860296B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】絶縁基体及び発熱抵抗体を有するセラミックヒータと、このセラミックヒータの基端部を包囲するハウジングとを備えるセラミックヒータ構造体において、セラミックヒータの基端部に内在するクラック等の欠陥を超音波により適切に検査しうる、セラミックヒータ構造体の検査方法を提供する。
【解決手段】セラミックヒータ構造体100のうち、セラミックヒータ130の先端部130sが液体30中に没した状態で、液体30を通じて、セラミックヒータ130の先端部130sの先端側面130smに、縦波超音波11がセラミックヒータ130内を伝わることなく、横波超音波12がセラミックヒータ130内を基端側GKに向けて伝わる入射角θiで、液中超音波10を入射させて、欠陥を検査するセラミックヒータ構造体100の検査方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、セラミックヒータ及び、これを保持するハウジングを備えるセラミックヒータ構造体の検査方法に関する。
例えば、ディーゼルエンジンの始動時の予備加熱に用いられるグロープラグなど、セラミックヒータ及び、これを保持するハウジングを備えるセラミックヒータ構造体が知られている。
ところで、セラミックヒータ構造体のセラミックヒータ内部に、クラック等の欠陥が生じている場合がある。この場合には、セラミックヒータ構造体の信頼性が低下するため、セラミックヒータ構造体の状態で、セラミックヒータに内在する欠陥の検査を求められる場合がある。
ところで、物品の非破壊検査の方法として、超音波探傷法が知られている。例えば特許文献1には、このような超音波探傷法を用いる超音波探傷装置として、液中に配置した発振器から液中を介して被検査材に超音波を斜めに入射させ、その後、被検査材から放射されるエコーを受信することにより被検査材内の欠陥を検出する斜角超音波探傷装置が開示されている。
特開平6−258292号公報
このような斜めに入射する超音波を用いれば、ハウジングに包囲されたセラミックヒータの基端部内に存在する欠陥も検知することができると考えられた。
しかしながら、セラミックヒータに接する液中から超音波(縦波)をセラミックヒータに向けて入射させると、セラミック内では、縦波超音波のほか横波超音波が発生して、両者が伝播する。
しかるに、縦波超音波の音速は、横波超音波の音速の2倍弱であるため、発生した縦波超音波と横波超音波とは、音速の違いにより時間差を有して、それぞれがセラミックヒータの基端部内の各所に到達する。このため、入射した超音波のエコーを観察する場合に、縦波超音波に起因するエコーと、横波超音波に起因するエコーとが存在することとなり、受信するエコーの波形が複雑になる。このため、セラミックヒータの基端部に欠陥が存在していても、これを適切に検知し難い場合があった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、絶縁基体及び発熱抵抗体を有するセラミックヒータと、このセラミックヒータの基端部を包囲するハウジングとを備えるセラミックヒータ構造体において、セラミックヒータの基端部に内在するクラック等の欠陥を超音波により適切に検査しうる、セラミックヒータ構造体の検査方法を提供することを目的とする。
その一態様は、軸線に沿う軸線方向に延びる棒状をなし、絶縁性セラミックからなる絶縁基体、及び、上記絶縁基体内に埋設され、導電性セラミックからなり、通電により発熱する発熱抵抗体、を有するセラミックヒータと、上記セラミックヒータのうち、上記軸線方向の基端側の基端部を包囲して保持しつつ、先端側の先端部を露出させるハウジングと、を備えるセラミックヒータ構造体における、上記セラミックヒータの上記基端部に内在する欠陥を超音波により検査する検査方法であって、上記セラミックヒータ構造体のうち、上記セラミックヒータの上記先端部が液体中に没した状態で、上記液体を通じて、上記セラミックヒータの上記先端部の側面である先端側面に、縦波超音波が上記セラミックヒータ内を伝わることなく、横波超音波が上記セラミックヒータ内を上記基端側に向けて伝わる入射角で、液中超音波を入射させて、上記欠陥を検査するセラミックヒータ構造体の検査方法である。
このセラミックヒータ構造体の検査方法によると、セラミックヒータ内には縦波超音波は伝わらず、その一方で横波超音波は入射する。このため、縦波超音波に起因するエコーが無くなり、受信されるエコーは、横波超音波のみに起因するシンプルな波形となる。しかも、横波超音波は縦波超音波に比して、音速が約1/2であると同時に、波長も約1/2と短いため、より小さな欠陥まで検査することが可能となる。そして、入射した横波超音波は、セラミックヒータ内を基端側に向けて伝わる。このため、セラミックヒータのうち、ハウジングに包囲された基端部における欠陥の有無や大きさなどを適切に検査できる。
なお、液中超音波の入射角の範囲は、縦波超音波はセラミックヒータ(絶縁基体)内に入射しない一方、横波超音波は入射して、セラミックヒータ内を基端側に向けて伝わる範囲を選択する。この入射角の範囲は、公知のスネルの法則により、液中を伝わる液中超音波(縦波)の音速と、セラミックヒータ(絶縁基体)中を伝わる縦波超音波及び横波超音波の音速から算出すると良い。これにより、セラミックヒータのうち、ハウジングに包囲された基端部について、欠陥の有無や大きさなどの検査を適切に行うことができる。
なお、「セラミックヒータ構造体」としては、例えば、ディーゼルエンジンの始動時の予備加熱に用いられるグロープラグや、排気ガス中の特定ガスのガス濃度を検出するガスセンサなどが挙げられる。また、「セラミックヒータ」としては、グロープラグに用いるセラミックヒータや、ガスセンサのセンサ部を加熱するのに用いるセラミックヒータなどが挙げられる。また、「ハウジング」としては、例えば、グロープラグにおける主体金具、セラミックヒータを囲む外筒などが挙げられる。
また、液中超音波を伝える「液体」としては、水、油、有機溶剤、フロリナート(商標名)などのフッ素系液体などが挙げられる。
また、液中超音波を発生させるものとしては、液中超音波を発信する発信プローブや、この発信プローブを液中超音波によるエコーを受信する受信プローブにも兼用する兼用プローブが挙げられる。
更に、上述のセラミックヒータ構造体の検査方法であって、前記セラミックヒータの前記先端部は、前記発熱抵抗体のうち、U字状に曲げ返された曲げ返し部を含み、上記セラミックヒータの上記先端部の前記先端側面のうち、上記曲げ返し部よりも前記基端側の基端側先端側面に、前記液中超音波を入射させるセラミックヒータ構造体の検査方法とすると良い。
このセラミックヒータ構造体の検査方法では、セラミックヒータの先端部の先端側面のうち、基端側先端側面に液中超音波を入射させる。これにより、セラミックヒータの先端部内の曲げ返し部で生じる複雑な反射波の影響をなくすことができる。
更に、上述のセラミックヒータ構造体の検査方法であって、前記セラミックヒータ構造体を前記軸線を中心として回転させ、前記先端部の前記先端側面の全周にわたって、前記液中超音波を入射させて、前記欠陥を検査するセラミックヒータ構造体の検査方法とすると良い。
このセラミックヒータ構造体の検査方法では、セラミックヒータの基端部の全周にわたって、内在する欠陥を確実に検査することができる。
更に、上述のセラミックヒータ構造体の検査方法であって、前記液中超音波を発信する発信プローブを、前記セラミックヒータの前記先端部から放射されるエコーを受信する受信プローブにも兼用する兼用プローブを用いるセラミックヒータ構造体の検査方法とすると良い。
このセラミックヒータ構造体の検査方法では、発信プローブを受信プローブにも兼用する兼用プローブを用いる。これにより、用いるプローブが1つになるので、検査装置の小型化が図れる。また、セラミックヒータの先端部から放射されるエコーには指向性があり、発信プローブと同じ角度方向、及び、これとは180度逆側に向けて、相対的に強く放射されやすい。このため、受信プローブの兼用により、発信プローブと受信プローブの角度方向が同じになるので、より強いエコーを容易に受信できる。
実施形態に係るグロープラグの縦断面図である。 実施形態に係るグロープラグのうち、セラミックヒータを含む先端部分を拡大した縦断面図である。 実施形態に係るグロープラグの検査装置の構成を示す説明図である。 実施形態に係り、セラミックヒータのヒータ先端部付近における超音波の伝わり方の説明図である。 実施形態に係るグロープラグの検査装置により、セラミックヒータのヒータ基端部内に欠陥が存在しないグロープラグのエコーを測定した波形の例である。 実施形態に係るグロープラグの検査装置により、セラミックヒータのヒータ基端部内にクラックが存在するグロープラグのエコーを測定した波形の例である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。まず、図1及び図2を参照して、本発明の検査方法を用いて検査が行われるセラミックヒータ構造体の一例として、セラミックヒータ130を備えたグロープラグ100について説明する。図1は、グロープラグ100全体の縦断面図である。また、図2は、グロープラグ100のうち、セラミックヒータ130を含む先端部分を拡大した縦断面図である。
グロープラグ100は、軸線AXに沿う軸線方向HJに延びる形状をなす。なお、図中上側をグロープラグ100の基端側GK、図中下側をグロープラグ100の先端側GSとする。このグロープラグ100は、セラミックヒータ130と、このセラミックヒータ130を包囲して保持するハウジングとしての主体金具110及び外筒150とを備え、これらの他、中軸120、リング部材140、ピン端子160等から構成されている。
このうち主体金具110は、S45C相当の鉄系素材からなり、軸線方向HJに自身の金具基端部110kから金具先端部110sまで延びる筒状をなす。この主体金具110内には、軸孔110hが形成されている。また、主体金具110の外周には、図示しないディーゼルエンジンへの取り付けのための雄ねじ部111が形成されている。また、主体金具110の金具基端部110kの外側には、取り付け工具が係合する工具係合部113が形成されている。一方、この金具基端部110kの内側には、基端側GKに向かって軸孔110hを拡径するテーパ部115が形成され、軸孔110hの基端部は、大径孔110hkとされている。
中軸120は、ステンレス等の鉄系素材からなり、軸線方向HJに自身の中軸基端部120kから中軸先端部120sまで延びる棒状をなす。そして、中軸基端部120kを金具基端部110kから基端側GKに向けて突出させた状態で、主体金具110内に挿通されている。また、中軸先端部120sは、後述するリング部材140のリング基端部140k内に嵌合している。
セラミックヒータ130は、軸線方向HJに自身のヒータ基端部130kからヒータ先端部130sまで延びる棒状をなし、通電により発熱するヒータ先端部130sを金具先端部110sから先端側GSに向けて突出させた状態で、主体金具110内に挿通されている。このセラミックヒータ130は、絶縁性セラミック(具体的には、窒化珪素質セラミック)からなる棒状の絶縁基体131の内部に、導電性セラミック(具体的には、導電成分として炭化タングステンを含有する窒化珪素質セラミック)からなる発熱抵抗体132が埋設された構造をなす。
発熱抵抗体132は、発熱部133及び一対のリード部135,136を有する。このうち発熱部133は、U字状に曲げ返された形状をなし、ヒータ先端部130s内に配置されている。また、このU字状に曲げ返された発熱部133(曲げ返し部)の両端には、一対のリード部135,136が繋がり、セラミックヒータ130の基端面130kmまで延びて基端面130kmに露出している。また、各々のリード部135,136には、電極取出部137,138が形成されている。即ち、リード部135には、ヒータ基端部130kにおいて電極取出部137が形成され、ヒータ基端部130kの外周に露出して、次述するリング部材140と電気的に接続されている。また、リード部136には、ヒータ基端部130kよりも先端側GSにおいて電極取出部138が形成され、セラミックヒータ130の外周に露出して、後述する外筒150と接続されている。
リング部材140は、ステンレスからなり、軸線方向HJに自身のリング基端部140kからリング先端部140sまで延びる筒状をなす。そして、主体金具110内に配置されて、中軸120とセラミックヒータ130との間を接続している。
このリング部材140のリング先端部140s内には、セラミックヒータ130のヒータ基端部130kが圧入され、セラミックヒータ130に設けられた電極取出部137がリング部材140に内側から当接して、両者が電気的に接続している。
一方、リング部材140のリング基端部140k内には、中軸120の中軸先端部120sが圧入され、リング部材140と中軸120とが電気的に接続している。さらに、リング部材140と中軸120とは、リング基端部140kと中軸先端部120sとの間に形成された溶接部149により、互いに固着されている。
外筒150は、ステンレスからなり、軸線方向HJに自身の外筒基端部150kから外筒先端部150sまで延びる筒状をなす。この外筒150には、ヒータ先端部130sを外筒先端部150sから先端側GSに向かって突出させると共に、ヒータ基端部130kを外筒基端部150kから基端側GKに向かって突出させた状態で、セラミックヒータ130が圧入されている。セラミックヒータ130に設けられた電極取出部138は、外筒150に内側から当接して、外筒150と電極取出部138とが電気的に接続している。
また、外筒150の外筒基端部150kは、径小とされて、主体金具110の金具先端部110s内に嵌合している。そして、外筒150と主体金具110とは、外筒基端部150kと金具先端部110sとの間に形成された溶接部159により、互いに固着されている。
ピン端子160は、中軸120の中軸基端部120kに円周加締めにより固定されている。このピン端子160には、図示しない外部の電源から電力を供給するコードが接続される。また、ピン端子160の先端側GSには、Oリング161及び筒状の絶縁部材163が配置されている。具体的には、これらOリング161及び絶縁部材163は、主体金具110の金具基端部110k(軸孔110hの大径孔110hk)内に、中軸120と間隙に配置されている。
次いで、上記グロープラグ100の製造方法について説明する。まず、発熱抵抗体132は、導電性セラミック粉末等より一体に射出成形し、未焼成発熱抵抗体として用意する。一方、絶縁基体131は、絶縁性セラミック粉末等を予め金型プレス成形して、未焼成発熱抵抗体が収容される凹部を自身の合わせ面に有する未焼成分割成形体として形成しておく。
そして、この未焼成分割成形体の凹部内に未焼成発熱抵抗体を挟んで収容し、更にプレス圧縮した後、脱バインダ処理、ホットプレス等の焼成工程を経て、その外周面を円筒形に研磨して整えることで、セラミックヒータ130を得る。
次に、リング部材140及び外筒150は、ステンレス鋼材から所定形状に成形した後、表面にAuメッキを施して形成する。そして、リング部材140のリング先端部140s内に、セラミックヒータ130のヒータ基端部130kを圧入する。また、外筒150内にセラミックヒータ130を圧入して、セラミックヒータ130、リング部材140及び外筒150を一体にする。
中軸120は、所定の寸法に切断された棒状部材から塑性加工や切削等により形成する。そして、リング部材140のリング基端部140k内に、中軸120の中軸先端部120sを圧入し、リング部材140と中軸120とを、溶接部149でレーザ溶接する。
次に、主体金具110を用意し、その金具先端部110s側から中軸120を挿入する。そして、外筒150と主体金具110とを、溶接部159でレーザ溶接する。
その後、中軸120をOリング161及び絶縁部材163に挿通し、中軸基端部120kにピン端子160を嵌め込む。そして、絶縁部材163を先端側GSに押圧すると共にピン端子160を径方向内側に加締める。かくして、グロープラグ100が完成する。
次に、このグロープラグ100のうち、セラミックヒータ130、特にヒータ基端部130kに内在する欠陥を超音波により検査する。図3に、グロープラグ100を検査する本発明の検査方法を用いた検査装置1の構成を示す。また、図4に、セラミックヒータ130のヒータ先端部130s付近における超音波の伝わり方の説明図を示す。
なお、本実施形態では、グロープラグ100が、本発明における「セラミックヒータ構造体」に相当し、セラミックヒータ130が、本発明における「セラミックヒータ」に相当する。また、主体金具110及び外筒150が、本発明における「ハウジング」に相当する。
検査装置1は、水槽2を備え、この水槽2内には水30(液体)が貯められている。そして、グロープラグ100を保持治具40に固定すると共に、グロープラグ100のうち、セラミックヒータ130のヒータ先端部130s及び外筒150を含め、主体金具110の金具先端部110sよりも先端側GSの部位を、軸線AXが水平面30Sに直交するように水30の中に水没させる。
そして、この水30中において、ヒータ先端部130sの側面である先端側面130smから一定距離を隔てて、入射角θiが17度(14度〜21度の範囲内)となるように、超音波探触子20(兼用プローブ)を設置する。この超音波探触子20は、液中超音波10を発信(放射)する発信プローブ21と、この液中超音波10に起因して、セラミックヒータ130のヒータ先端部130sから放射されるエコー13(図3及び図4では不図示)を受信する受信プローブ22とを兼ねている。また、液中超音波10は、ヒータ先端部130sの先端側面130smのうち、U字状の発熱部133(曲げ返し部)よりも基端側GKの基端側先端側面130smk内(本実施形態では、先端からの距離l=2mmの位置)に入射させている。
ここで、超音波探触子20から放射される液中超音波10(入射波)は、水30中では縦波となる。そして、この液中超音波10は、ヒータ先端部130sの先端側面130smで屈折されて、セラミックヒータ130の内部に超音波が入射し、伝播する。セラミックヒータ130内を伝わるこの超音波には、本来、縦波超音波11と横波超音波12の両方が存在し、これらと液中超音波(入射波)の間には、以下の式(1)で表されるスネルの法則が成立する。
sinθi/Vi=sinθs/Vs=sinθl/Vl …(1)
なお、Viは水30中における液中超音波10(縦波)の音速であり、20℃(室温)で、Vi=1480m/sである。また、Vsはセラミックヒータ130(窒化珪素質セラミックからなる絶縁基体131)内を伝わる横波超音波12の音速であり、本実施形態では、Vs=5800m/sである。また、Vlはセラミックヒータ130内を伝わる縦波超音波11の音速であり、本実施形態では、Vl=10860m/sである。また、θiは入射波(液中超音波10)の入射角を、θsは横波超音波12の屈折角を、θlは縦波超音波11の屈折角をそれぞれ示す。
ここで、縦波超音波11の音速Vlが、横波超音波12の音速Vsよりも速い(2倍弱)ことから、上述の式(1)により、縦波超音波11の屈折角θlの方が横波超音波12の屈折角θsよりも大きくなることが判る。そこで、入射角θiを適切な範囲とすることにより、式(1)の左辺と中辺との等号は成り立つが、右辺の等号は成立しない関係とする。即ち、縦波超音波11がセラミックヒータ130に入射されず、横波超音波12のみ入射して、この横波超音波12のみをセラミックヒータ130内を基端側GKに向けて伝わるようにする。本実施形態の入射角θiの範囲(14度〜21度)は、このように選択したものである。
かくして、液中超音波10をセラミックヒータ130のヒータ先端部130sの先端側面130sm(基端側先端側面130smk)に入射させた後、この液中超音波10に起因して、セラミックヒータ130のヒータ先端部130sから放射されるエコー13を観測することで、セラミックヒータ130に内在する欠陥を検査する。ところで、このように横波超音波12のみを、セラミックヒータ130内に入射させることで、縦波超音波11に起因するエコー13が無くなり、受信されるエコー13は、横波超音波12のみに起因するシンプルな波形となる。しかも、横波超音波12は縦波超音波11に比して、波長が約1/2と短いため、より小さな欠陥まで検査することが可能となる。そして、入射した横波超音波12は、セラミックヒータ130内を基端側GKに向けて伝わるので、セラミックヒータ130のうちでも、グロープラグ100の主体金具110及び外筒150(ハウジング)に包囲されたヒータ基端部130k内に存在する欠陥の検査が可能となる。
図5は、本実施形態の検査装置1により、セラミックヒータ130のヒータ基端部130k内に欠陥が存在しないグロープラグ100のエコー13を測定した波形の例である。ここで、横軸は、超音波探触子20から液中超音波10を放射した後、超音波探触子20にエコー13が戻るまでの時間を示す。また、縦軸は、エコー13の振幅を示す。この図5中、右側に現れた波形のピークは、セラミックヒータ130のヒータ基端部130kのうち、基端面130kmで反射した反射波のエコー13である。この基端面130kmによる反射波以外に波形のピークが生じていないことから、このセラミックヒータ130のヒータ基端部130kには、欠陥が存在しないことが判る。
一方、図6は、本実施形態の検査装置1により、セラミックヒータ130のヒータ基端部130k内にクラックが存在するグロープラグ100のエコー13を測定した波形の例である。この図6では、図5の場合よりも早いタイミングに、エコー13のピークが生じていることが判る。これは、ヒータ基端部130kの基端面130kmよりも先端側GSにクラック(反射面)が存在していることを示す。このように、本実施形態によれば、セラミックヒータ130のヒータ基端部130kに内在するクラック等の欠陥を適切に検査することができる。
また、保持治具40は図示しない回転機構を有しており、この保持治具40に保持されたグロープラグ100を、軸線AXを中心として回転させ得るようになっている。そして、グロープラグ100を回転させることにより、セラミックヒータ130のヒータ先端部130sの先端側面130smの全周にわたって、液中超音波10を入射させている。これにより、セラミックヒータ130のヒータ基端部130kの全周にわたって、内在する欠陥を確実に検査することができる。
以上で説明したように、本実施形態のグロープラグ100(セラミックヒータ構造体)の検査方法によると、セラミックヒータ130内には縦波超音波11は伝わらず、その一方で横波超音波12は入射する。このため、縦波超音波11に起因するエコー13が無くなり、受信されるエコー13は、横波超音波12のみに起因するシンプルな波形となる。しかも、横波超音波12は縦波超音波11に比して、波長が約1/2と短いため、より小さな欠陥まで検査することが可能となる。そして、入射した横波超音波12は、セラミックヒータ130内を基端側GKに向けて伝わる。このため、セラミックヒータ130のうち、主体金具110及び外筒150(ハウジング)に包囲されたヒータ基端部130kにおける欠陥の有無や大きさなどを適切に検査できる。
また、本実施形態のグロープラグ100(セラミックヒータ構造体)の検査方法では、セラミックヒータ130のヒータ先端部130sの先端側面130smのうち、発熱部133(曲げ返し部)よりも基端側GKの基端側先端側面130smkに、液中超音波10を入射させている。これにより、ヒータ先端部130s内の発熱部133(曲げ返し部)で生じる複雑な反射波の影響をなくすことができる。
また、本実施形態のグロープラグ100(セラミックヒータ構造体)の検査方法では、グロープラグ100を回転させ、セラミックヒータ130のヒータ先端部130sの先端側面130smの全周にわたって、液中超音波10を入射させている。これにより、セラミックヒータ130のヒータ基端部130kの全周にわたって、内在する欠陥を確実に検査することができる。
また、本実施形態のグロープラグ100(セラミックヒータ構造体)の検査方法では、発信プローブ21を受信プローブ22にも兼用する超音波探触子20(兼用プローブ)を用いている。これにより、用いるプローブが超音波探触子20の1つになるので、検査装置1の小型化が図れる。また、セラミックヒータ130のヒータ先端部130kから放射されるエコー13には指向性があり、受信プローブ22の兼用により、発信プローブ21と受信プローブ22の角度方向が同じになるので、より強いエコー13を容易に受信できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、セラミックヒータ構造体として、セラミックヒータ130を備えたグロープラグ100を検査したが、これに代えて、センサ部を加熱するセラミックヒータを備えたガスセンサを検査しても良い。
また、上述の実施形態では、セラミックヒータ130のヒータ先端部130sを水30中に没した状態としたが、水30に代えて、油、有機溶剤、フロリナートなどのフッ素系溶液など、その他の液体を用いても良い。この場合、それぞれの液体中における液中超音波10の音速Viに応じて、入射角θiを調整する。
また、上述の実施形態では、発信プローブ21を受信プローブ22にも兼用する超音波探触子20(兼用プローブ)を用いたが、発信プローブ21と受信プローブ22を別々に配置しても良い。ただし、液中超音波10によるエコー13には指向性があり、受信プローブ22は、発信プローブ21と同じ角度方向、あるいは、これとは軸線AXについて180度逆側の角度方向に配置するのが好ましい。
AX 軸線
HJ 軸線方向
GK 基端側
GS 先端側
100 グロープラグ(セラミックヒータ構造体)
110 主体金具(ハウジング)
130 セラミックヒータ
130k ヒータ基端部
130s ヒータ先端部
130sm 先端側面
130smk 基端側先端側面
131 絶縁基体
132 発熱抵抗体
133 発熱部(曲げ返し部)
150 外筒(ハウジング)
10 液中超音波
11 縦波超音波
12 横波超音波
13 エコー
θi 液中超音波の入射角
θl 縦波超音波の屈折角
θs 横波超音波の屈折角
20 超音波探触子(兼用プローブ)
21 発信プローブ
22 受信プローブ
30 水(液体)

Claims (4)

  1. 軸線に沿う軸線方向に延びる棒状をなし、絶縁性セラミックからなる絶縁基体、及び、上記絶縁基体内に埋設され、導電性セラミックからなり、通電により発熱する発熱抵抗体、を有するセラミックヒータと、
    上記セラミックヒータのうち、上記軸線方向の基端側の基端部を包囲して保持しつつ、先端側の先端部を露出させるハウジングと、を備える
    セラミックヒータ構造体における、上記セラミックヒータの上記基端部に内在する欠陥を超音波により検査する検査方法であって、
    上記セラミックヒータ構造体のうち、上記セラミックヒータの上記先端部が液体中に没した状態で、
    上記液体を通じて、上記セラミックヒータの上記先端部の側面である先端側面に、
    縦波超音波が上記セラミックヒータ内を伝わることなく、横波超音波が上記セラミックヒータ内を上記基端側に向けて伝わる入射角で、液中超音波を入射させて、
    上記欠陥を検査する
    セラミックヒータ構造体の検査方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックヒータ構造体の検査方法であって、
    前記セラミックヒータの前記先端部は、前記発熱抵抗体のうち、U字状に曲げ返された曲げ返し部を含み、
    上記セラミックヒータの上記先端部の前記先端側面のうち、上記曲げ返し部よりも前記基端側の基端側先端側面に、前記液中超音波を入射させる
    セラミックヒータ構造体の検査方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセラミックヒータ構造体の検査方法であって、
    前記セラミックヒータ構造体を前記軸線を中心として回転させ、前記先端部の前記先端側面の全周にわたって、前記液中超音波を入射させて、前記欠陥を検査する
    セラミックヒータ構造体の検査方法。
  4. 請求項3に記載のセラミックヒータ構造体の検査方法であって、
    前記液中超音波を発信する発信プローブを、前記セラミックヒータの前記先端部から放射されるエコーを受信する受信プローブにも兼用する兼用プローブを用いる
    セラミックヒータ構造体の検査方法。
JP2012021264A 2012-02-02 2012-02-02 セラミックヒータ構造体の検査方法 Expired - Fee Related JP5860296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012021264A JP5860296B2 (ja) 2012-02-02 2012-02-02 セラミックヒータ構造体の検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012021264A JP5860296B2 (ja) 2012-02-02 2012-02-02 セラミックヒータ構造体の検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013160568A true JP2013160568A (ja) 2013-08-19
JP5860296B2 JP5860296B2 (ja) 2016-02-16

Family

ID=49172944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012021264A Expired - Fee Related JP5860296B2 (ja) 2012-02-02 2012-02-02 セラミックヒータ構造体の検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5860296B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5824118B1 (ja) * 2014-07-15 2015-11-25 日本特殊陶業株式会社 セラミックヒータ構造体の検査方法、及びセラミックヒータ構造体の製造方法
RU2814130C1 (ru) * 2023-03-02 2024-02-22 Акционерное общество "Обнинское научно-производственное предприятие "Технология" им. А.Г.Ромашина" Ультразвуковой способ измерения высоты вертикально ориентированных плоскостных дефектов в кварцевой керамике

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50129092A (ja) * 1974-03-29 1975-10-11
JPS63111440A (ja) * 1986-10-29 1988-05-16 Kyocera Corp セラミツク成形体の亀裂検出法
JPH01107149A (ja) * 1987-10-20 1989-04-25 Toshiba Corp 超音波探傷試験方法
JPH06337263A (ja) * 1993-05-28 1994-12-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 超音波探傷方法
JP2007051861A (ja) * 2005-07-22 2007-03-01 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50129092A (ja) * 1974-03-29 1975-10-11
JPS63111440A (ja) * 1986-10-29 1988-05-16 Kyocera Corp セラミツク成形体の亀裂検出法
JPH01107149A (ja) * 1987-10-20 1989-04-25 Toshiba Corp 超音波探傷試験方法
JPH06337263A (ja) * 1993-05-28 1994-12-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 超音波探傷方法
JP2007051861A (ja) * 2005-07-22 2007-03-01 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5824118B1 (ja) * 2014-07-15 2015-11-25 日本特殊陶業株式会社 セラミックヒータ構造体の検査方法、及びセラミックヒータ構造体の製造方法
RU2814130C1 (ru) * 2023-03-02 2024-02-22 Акционерное общество "Обнинское научно-производственное предприятие "Технология" им. А.Г.Ромашина" Ультразвуковой способ измерения высоты вертикально ориентированных плоскостных дефектов в кварцевой керамике

Also Published As

Publication number Publication date
JP5860296B2 (ja) 2016-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111323480B (zh) 一种手持式自动对焦激光超声无损检测系统
CN105021703A (zh) 一种薄壁金属与非金属粘接质量超声c扫描成像检测方法
JP5860296B2 (ja) セラミックヒータ構造体の検査方法
JP2014185895A (ja) 超音波探傷の探触子および超音波探傷方法
US9683742B2 (en) Pressure sensor integrated glow plug
JP4307291B2 (ja) スパークプラグ用絶縁碍子の検査方法
KR100931370B1 (ko) 초음파 공구혼 및 이를 이용한 적외선 열화상 비파괴검사시스템
JP5824118B1 (ja) セラミックヒータ構造体の検査方法、及びセラミックヒータ構造体の製造方法
TWI226438B (en) Probe for physical properties measurement
EP3625529B1 (fr) Dispositif de contrôle de serrage par ultrasons et procédé mettant en oeuvre le dispositif
KR101113095B1 (ko) 비파괴 검사용 초음파 측정장치
JP7183335B2 (ja) ガスセンサ
JP2010197366A (ja) ローラの亀裂診断装置及び診断方法
KR101104889B1 (ko) 테이퍼와 곡률이 있는 초음파 보정 시험편
JP5627563B2 (ja) 表面探傷装置及び表面探傷方法
JP2003130855A (ja) 配管用超音波探傷方法及びその装置
Miura et al. laser-induced surface wave testing: A new method for measuring the depth of cracks
CN111239243A (zh) 一种基于激光超声和周向导波的小口径薄壁管纵向缺陷的无损检测方法
CN104914161A (zh) 一种基于相控阵技术的联箱接管管座孔内壁裂纹检测方法
JP4789502B2 (ja) 電位差法を用いた深い亀裂に対する亀裂深さ測定手法および装置
JPH06123733A (ja) 内挿式超音波探触子の操作装置
RU150304U1 (ru) Ультразвуковой преобразователь контроля узла приварки коллектора к парогенератору
JPWO2013024579A1 (ja) ガスセンサ
CN113433217A (zh) 一种水冷壁管内壁腐蚀减薄的无损检测装置
JP2002031624A (ja) 空洞の超音波検査方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5860296

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees