JP2013159947A - 防護壁 - Google Patents

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【課題】簡単且つ安価な構成で、衝撃力を受けても防護壁形状を保持し、破壊された躯体から生じるコンクリート片の散逸を防止することができる。
【解決手段】壁構造をなすコンクリート造の躯体10の表面に樹脂製の補強塗膜2が被覆されてなり、補強塗膜2は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなり、補強塗膜2は、衝撃力を受ける躯体10における壁部12の外面12aと、この外面12aの反対側の内面12cとに設けられた構成の防護壁を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁構造をなすコンクリート造の躯体が補強された防護壁に関する。
従来、石油プラントや弾薬庫等の危険物の爆発圧を抑えるための防護壁、車両の暴走を阻止するために中央分離帯に設置される防護壁、津波による波力への被害を軽減するための津波防護壁等が知られている。このような防護壁としては、鉄筋コンクリート造のものが多く、さらに例えば特許文献1のようにコンクリートを鉄筋や鉄骨で補強して壁の剛性を高めているものもある。
特開2010−168808号公報
しかしながら、従来の防護壁では、衝撃力により、防護壁の躯体表面のコンクリートが剥がれ、このコンクリート片が散逸することとなる。例えば、津波対策として設けられている防護壁では、前記コンクリート片が津波とともに周囲へ流れ出し、その流れに乗って他の構造物などに衝突するおそれがあり、被害が拡大するという問題があった。
また、衝撃力によって防護壁自体の形状が保持できなくなると、防護壁が自立できなくなり、転倒することになる。この場合にも、転倒時に防護壁が破壊されてコンクリート片が散逸することから、この点で改善の余地があった。
なお、防護壁に鉄板やゴムを貼り付け、衝撃力に対する剛性を高め、上述したコンクリート片の散逸を防ぐという方法もあるが、衝撃力に耐え得るためには、相当の厚さ寸法の貼り付け材が必要であり、多大な費用がかかるという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、簡単且つ安価な構成で、衝撃力を受けても防護壁形状を保持し、破壊された躯体から生じるコンクリート片の散逸を防止することができる防護壁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る防護壁では、壁構造をなすコンクリート造の躯体の表面に樹脂製の補強塗膜が被覆されてなり、補強塗膜は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなることを特徴としている。
本発明では、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなる補強塗膜が、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂であり、例えば10〜25MPa程度の高強度と例えば200%以上の大きな破断伸び(伸び変形性能)を有する。このため、躯体の変形が塑性域に達しても、補強塗膜が躯体の大変形に追従して伸び変形するので、補強塗膜によって躯体の変形に応じたエネルギー吸収性能が発揮される。したがって、衝撃力に対応することが可能な防護壁を設けることができる。
仮に、衝撃力を受けることにより躯体の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、補強塗膜は伸びることはあっても破断せず、補強塗膜によって躯体の表面が被覆された状態が維持される。これにより、躯体のコンクリート片の散逸が防止され、また、躯体が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状が保持される。例えば、躯体が津波対策として設けられている津波防護壁の場合において、破壊によって生じたコンクリート片が津波とともに流れ、その流れに乗って他の構造物などに衝突するといった被害の増大を防止することができる。しかも、補強塗膜は変形抵抗性能が高いので、防護壁に衝撃が加わって躯体が撓み変形したときに、補強塗膜の変形抵抗力によって躯体を元の形状に戻す力が働く。その結果、躯体は、一旦大きく撓み変形した後に若干戻され、最終的な変形量が小さく抑えられる。
また、本発明の防護壁によれば、躯体に補強塗膜を吹き付けや塗布することによって形成されるので、鉄板やゴム材などで防護壁表面を補強する場合に比べて、容易に且つ安価に施工することができ、既設の防護壁においても容易に施工できる。
また、本発明に係る防護壁では、補強塗膜は、躯体のうち2面以上に設けられていることが好ましい。
これにより、躯体の2面以上が補強塗膜によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより効果的に発揮される。
また、本発明に係る防護壁では、補強塗膜は、少なくとも衝撃力を受ける躯体の防護壁面と、防護壁面の反対側の裏面と、に設けられていることが好ましい。
本発明では、衝撃力による躯体の破壊が防護壁面とその反対側の裏面とに生じる場合において、上記した形状保持が効果的に発揮される。
また、本発明に係る防護壁では、補強塗膜は、躯体の表面全体に設けられていることが好ましい。
これにより、躯体の表面全体が補強塗膜によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより一層効果的に発揮される。
また、本発明に係る防護壁では、躯体は、津波対策に用いられる津波防護壁であって、地中に埋設された底版と、底版から立設された壁部と、を備え、補強塗膜が、壁部の表面に被覆されていてもよい。
また、本発明に係る防護壁では、躯体は、車両の暴走を阻止するための車両用防護柵であって、地盤に固定される支持盤と、該支持盤に支持された柵本体部と、を備え、補強塗膜が、柵本体部の表面に被覆されていてもよい。
また、本発明に係る防護壁では、躯体は、天井部と、側面部とを有する洞門形状のシェッドであって、補強塗膜が、躯体の外周面と内周面に被覆されていてもよい。
また、本発明に係る防護壁では、躯体は、橋梁に用いられる橋梁高欄であって、補強塗膜が、橋梁高欄の表面に被覆されていてもよい。
本発明の防護壁によれば、多種多様の躯体に対して補強塗膜を塗布することにより、それぞれの躯体を補強することができる。
本発明の防護壁によれば、津波等の衝撃力によって躯体が破壊されたとしても、その躯体のコンクリート片の散逸を防ぎ(局所破壊防止)、転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持(全体破壊防止/形状保持)することができる。そのため、コンクリート片の散逸に伴う被害を抑えることができる。しかも、本発明に係る防護壁は、低コストで容易に施工することができる。
本発明の実施の形態による防護壁の概略構成を示す一部破断斜視図である。 図1に示す防護壁の断面図である。 ポリウレア樹脂の力学的特性を示す図である。 変形例による防護壁の構成を示す断面図である。 実施例1による試験結果を示す図である。 実施例2による試験結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態による防護壁について、図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態による防護壁1(構造体)は、津波対策として例えば海岸線に沿って延在して設けられる構造体であって、鉄筋コンクリート造の躯体10の表面に靭性の高い樹脂製の補強塗膜2を被覆することで補強された構造である。
躯体10は、鉄筋コンクリート製であり、地中に埋設された底版11と、その底版11の上面に立設されて地表面から地上に立ち上げられた壁部12と、を備え、断面視で逆T型状をなしている。ここで、本実施の形態の躯体10は、津波時において、壁部12の側面(外面12a、内面12c)に高さの3倍の静水圧程度の津波による水圧が作用する。
躯体10に被覆される補強塗膜2は、底版11の上面11aの表面全体と、壁部12の表面全体と、を所定の塗布厚(例えば図2に示す厚さ寸法Dは4mm)をもって被覆するように設けられている。つまり、壁部12を被覆する補強塗膜2は、壁部12の一方の外面12a(防護壁面)から前記壁部12の天端12bを経て前記壁部12の内面12c(裏面)に亘って延在しており、補強塗膜2のうち、外面12aを被覆する外面部分2a、前記天端12bを被覆する天端部分2b、及び前記内面12cを被覆する内面部分2cが連設されて一体に形成されている。
なお、とくに図示しないが、本実施の形態の防護壁1の長さ方向(延長方向)の露出する端面にも補強塗膜2を被覆してもよい。
上記した補強塗膜2は、躯体10の表面に吹き付けやローラーなどで塗布される樹脂製の塗膜であって、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤との化学反応により形成された化合物からなる。例えば、補強塗膜2としては、イソシアネートとアミンとの化学反応により形成された化合物であるポリウレア樹脂を用いることができる。
具体的に補強塗膜2は、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂からなる。例えば、ポリウレア樹脂の場合には、図3に示すような力学的特性を有している。ここで、補強塗膜2を構成する合成樹脂としては、例えば引張強度が鉄筋の十分の一程度の20MPa程度(10〜25MPa)であって、破断伸びが200%以上の物性を有する樹脂からなり、例えば「スワエールAR−100(登録商標:三井化学産資株式会社製)」が用いられる。なお、補強塗膜2の厚さ寸法Dは、2mm以上であることが好ましい。
ここで、躯体10に補強塗膜2を被覆する施工方法としては、塗布するコンクリート表面を十分に清掃して塵等を取り除いた後、プライマーを塗布し、その後、ポリウレア樹脂を底版11の上面11aおよび壁部12の周面に所定厚さだけ塗布する。これにより、躯体10の表面に補強塗膜2が形成される。なお、プライマーの塗布は省略することも可能であり、或いは、補強塗膜2と躯体10との付着性を高めるために躯体10の表面を斫って凸凹に加工してもよい。
次に、上記した構成からなる防護壁1の作用について、具体的に説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態では、補強塗膜2が、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂であるため、躯体10の変形が塑性域に達しても、補強塗膜2が躯体10の大変形に追従して伸び変形するので、補強塗膜2によって躯体10の変形に応じたエネルギー吸収性能が発揮される。したがって、衝撃力に対応することが可能な防護壁1を設けることができる。
仮に、衝撃力を受けることにより躯体10の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、補強塗膜2は伸びることはあっても破断せず、補強塗膜2によって躯体10の表面が被覆された状態が維持される。これにより、躯体10のコンクリート片の散逸が防止され、また、躯体10が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状が保持される。例えば、躯体10が本実施の形態のように津波対策として設けられている防護壁1の場合において、破壊によって生じたコンクリート片が津波とともに流れ、その流れに乗って他の構造物などに衝突するといった被害の増大を防止することができる。
しかも、補強塗膜2はせん断付着力、曲げ引張強度、伸び性能においていずれも高いものを有しているので、防護壁1に衝撃が加わって躯体10が撓み変形したときに、補強塗膜2の変形抵抗力によって躯体10を元の形状に戻す力が働く。その結果、躯体10は、一旦大きく撓み変形した後に若干戻され、最終的な変形量が小さく抑えられる。
また、躯体10に補強塗膜2を吹き付けや塗布することによって形成されるので、鉄板やゴム材などで防護壁表面を補強する場合に比べて、容易に且つ安価に施工することができ、既設の防護壁においても容易に施工できる。
また、防護壁1の補強塗膜2が躯体10のうち2面以上に設けられ、とくに補強塗膜2が衝撃力を受ける躯体10の防護壁面をなす外面12aと、その反対側の裏面(内面12c)とに設けられているので、躯体10の2面以上が補強塗膜2によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより効果的に発揮される。
上述のように本実施の形態による防護壁では、津波等の衝撃力によって躯体10が破壊されたとしても、その躯体10のコンクリート片の散逸を防ぎ(局所破壊防止)、転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持(全体破壊防止/形状保持)することができる。そのため、コンクリート片の散逸に伴う被害を抑えることができる。しかも、本実施の形態による防護壁は、低コストで容易に施工することができる。
(変形例)
次に、上述した実施の形態の変形例について説明する。
すなわち、上記した実施の形態では、躯体10のうち底版11の上面11aおよび壁部12の周面のみに補強塗膜2を設けているが、このような被覆範囲に制限されることはない。図4に示す変形例では、躯体10の表面全体、すなわち一体化された底版11と壁部12の全表面にわたって補強塗膜2を被覆した構成となっている。
この場合、躯体10の表面全体が補強塗膜2によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより一層効果的に発揮される。
次に、上述した実施の形態および変形例による防護壁1の効果を裏付けるために行った試験例(実施例1、2)について以下説明する。
(実施例1)
実施例1では、矩形断面の鉄筋コンクリート製の梁材を試験体に使用し、その梁材の表面にポリウレア樹脂を塗布しない試験体1と、ポリウレア樹脂を塗布した試験体2、3、4とに対して載荷装置を使用した衝撃曲げ試験を行い、ポリウレア樹脂の塗布状況を変えた試験体1〜4の変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
各試験体1〜4の梁材は、縦100mm×横120mmで長さ寸法が1200mmの6面を有する構造体であり、4週強度で25N/mmのコンクリートを使用している。さらに、試験体1〜3の内部にD13(芯被り35mm)、せん断補強筋D6を使用している。そして、載荷条件としては、試験体1〜4を長さ方向を水平方向に向けて配置し、試験体1〜4の長さ方向の中心部に対して30kNの荷重を準静的な0.0001m/sの速度で載荷を付与した。
ここで、試験体1は梁材の6面に塗布厚4mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体2は梁材の6面に塗布厚2mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体3は梁材のうち長さ方向を水平方向に向けた状態で上面および下面の2面のみに塗布厚2mmのポリウレア樹脂を塗布したもの(4側面にポリウレア樹脂を塗布しない場合)であり、試験体4は鉄筋とポリウレア樹脂を施していないものである。
図5は、上記試験体1〜4において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図5に示すように、試験体4の場合には、変形量δが略40mmで破壊し、その破壊箇所においてコンクリート片が生じた。
上下2面にポリウレア樹脂2mmを塗布した試験体3の場合は、変形量δが略60mmで破壊しているが、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体4の場合よりはじん性が高い、つまり拘束効果(ラッピング効果)を有し、一定の形状保持効果があることが確認された。
また、梁材の表面全周(6面)にポリウレア樹脂を塗布した試験体1、2においては、降伏後(図5の降伏点P1より右側)でも30kNの荷重が維持されていることが確認できることから、ラッピング効果が大きく、形状保持効果が高いことがわかる。
(実施例2)
次に、実施例2では、上記実施例1における梁材の6面に塗布厚2mmでポリウレア樹脂を塗布し、衝撃曲げ試験で載荷速度を変えた試験を行い、変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
第1試験T1は4m/s(高速)の載荷速度とし、第2試験T2は0.5〜1m/s(中速)の載荷速度とし、第3試験T3は0.1〜0.5m/s(低速)の載荷速度とし、第4試験T4は0.0001m/s(準静的速度)の載荷速度とした。
図6は、上記第1試験T1〜第4試験T4において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図6に示すように、各試験T1〜T4ともに降伏後でも準静的最大荷重が維持されていることがわかる。このことから、ポリウレア樹脂を梁材の6面全体にわたって塗布する場合には、載荷速度にかかわらず、準静的最大荷重が維持されることを確認することができる。このとき、梁材の試験体は大きく変形し、約5度程度の角度で屈曲していたが、コンクリート片が生じることもなく、梁材としての形状が保持されていた。このように、ポリウレア樹脂を塗布した梁材は、衝撃や持続的な加力に対して有効であり、コンクリート片の発生を防ぐことができることが確認できた。
以上、本発明による防護壁の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では防護壁として津波対策用の津波防護壁を適用対象としているが、これに限定されることはなく、他の形状の防護壁に適用することも可能である。例えば、車両防護柵、ロックシェッド、スノーシェッド、橋梁高欄などの防護壁を対象としても良い。
車両の暴走を阻止するための車両用防護柵の場合、地盤に固定される支持盤と、該支持盤に支持された柵本体部とを備え、補強塗膜が柵本体部の表面に被覆された構成とすることができる。また、橋梁に用いられる橋梁高欄の場合には、補強塗膜が、橋梁高欄の表面に被覆された構成とすることができる。
また、天井部と、側面部とからなる洞門形状のロックシェッドやスノーシェッドなどのシェッドの場合には、補強塗膜を天井部および側面部からなる躯体の外周面と内周面に被覆された構成とすることができる。ここで、ロックシェッドの構成として、山側および谷側のそれぞれの側面部が壁体をなす構造のものや、壁体ではなく柱を配列させた構造のものであっても良いし、或いは、底版を備えた断面視で矩形状のシェッドであってもかまわない。
さらに、シェッドの場合、内部への漏水を防止する機能も求められているため、補強塗膜を目地部を跨いで塗布させて目地部を被覆するように設けることが好ましい。これにより、目地部が破損し、目地部が一旦大きく開いたとしても、補強塗膜の変形抵抗力によって戻る方向(すなわち、開かれた目地部を閉じる方向)の力が作用し、その結果、最終的な目地部の開き量が小さく抑えられるという効果を奏する。
また、補強塗膜2において、例えばガラス片やガラス繊維、ガラスフリット等を分散させてなる不燃性を有する混入材を、ポリウレア樹脂に混入させることも可能である。あるいは混入材として、例えばコンクリート、煉瓦、瓦、石綿スレート、鉄鋼、アルミニウム、モルタル、漆喰等のガラス以外の不燃材料であっても良い。
また、上記した実施の形態では、補強塗膜2として、イソシアネートとアミンとの化学反応により形成された化合物からなるポリウレア樹脂が用いられているが、本発明は、イソシアネートとポリオールとの化学反応により形成された化合物からなるポリウレタン樹脂を補強塗膜として用いることも可能であり、また、イソシアネートとポリオールとアミンとの化学反応により形成された化合物からなる樹脂を補強塗膜として用いることも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 防護壁
2 補強塗膜
10 躯体
11 底版
11a 上面
12 壁部
12a 外面(防護壁面)
12b 天面
12c 内面(裏面)

Claims (8)

  1. 壁構造をなすコンクリート造の躯体の表面に樹脂製の補強塗膜が被覆されてなり、
    前記補強塗膜は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなることを特徴とする防護壁。
  2. 前記補強塗膜は、前記躯体のうち2面以上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防護壁。
  3. 前記補強塗膜は、少なくとも衝撃力を受ける前記躯体の防護壁面と、該防護壁面の反対側の裏面と、に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防護壁。
  4. 前記補強塗膜は、前記躯体の表面全体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防護壁。
  5. 前記躯体は、津波対策に用いられる津波防護壁であって、
    地中に埋設された底版と、該底版から立設された壁部と、を備え、
    前記補強塗膜が、前記壁部の表面に被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防護壁。
  6. 前記躯体は、車両の暴走を阻止するための車両用防護柵であって、
    地盤に固定される支持盤と、該支持盤に支持された柵本体部と、を備え、
    前記補強塗膜が、前記柵本体部の表面に被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防護壁。
  7. 前記躯体は、天井部と、側面部とを有する洞門形状のシェッドであって、
    前記補強塗膜が、躯体の外周面と内周面に被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防護壁。
  8. 前記躯体は、橋梁に用いられる橋梁高欄であって、
    前記補強塗膜が、前記橋梁高欄の表面に被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防護壁。
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