JP2013159708A - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物および印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】低粘度で、硬化性に優れ、かつ皮膜強度の優れた活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物及びその印刷物の提供。
【解決手段】ビニルエーテルモノマーを5〜25重量%、および分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーを20〜55重量%、及び3級アミン化合物を10〜30重量%含有し、かつ25℃における粘度が3〜25mPa・sであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ビニルエーテルモノマーを5〜25重量%、および分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーを20〜55重量%、及び3級アミン化合物を10〜30重量%含有し、かつ25℃における粘度が3〜25mPa・sであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物およびその活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物から得られた硬化物に関する。特に、インクジェットプリンタ用インクに適用できる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物およびその印刷物に関する。
紫外線などの活性エネルギー線を用いた硬化システムは、生産性の向上や近年の環境問題を解決する上で有力な方法となっている。これらの光硬化システムでは(メタ)アクリレート系材料を使用したラジカル硬化系が主流となっており、このラジカル硬化系材料を使用したインクジェットインク組成物をインクジェットプリンタ用に適用することにより、必要な場所に必要な量のインクを滴下可能であり、非吸収性基材への印字が可能で、乾燥時間の短縮、さらに一般的に無溶媒であるため環境に有害なVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の発生が無いことなどから、商業印刷分野のみならず、ディスプレーなどの電子分野、エレクトロニクス関連分野など、さまざまな工業分野において利用されている。
ラジカル硬化系で用いられる重合性化合物としては、官能基をもった(メタ)アクリレートを主体とした組成のものが使用され、特に多官能性(メタ)アクリレートを使用することで、高速硬化性が維持できるものの、高粘度となってしまうため、単官能(メタ)アクリレートを併用して粘度を低下させる処方が一般的である(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2)。
しかし、単官能性(メタ)アクリレートは、臭気が強く、皮膚毒性が高いものが多く、安全性が低く、さらに硬化性や皮膜強度が低下するといった問題があった。
また、特許文献2には、重合性化合物として、前記の単官能性(メタ)アクリレートの代わりに特定量のビニルエーテルモノマーを含有させ、また特定量の多官能性(メタ)アクリレートと組み合わせる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物が開示されており、確かにインク組成物の低粘度化には効果があるが、この組合せだけでは、未だ硬化性や硬化皮膜強度は不十分であった。
「日本印刷学会誌」第43巻第3号(2006)P.3−7
「日本印刷学会誌」第43巻第4号(2006)P.42−48
本発明は、低粘度で、硬化性に優れ、かつ皮膜強度の優れた活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物及びその印刷物の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ビニルエーテルモノマーと、分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーと、3級アミン化合物を、それぞれ特定量含有させることで、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) ビニルエーテルモノマーを5〜25重量%、分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーを20〜55重量%、および3級アミン化合物を10〜30重量%含有し、かつ25℃における粘度が3〜25mPa・sであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、に関する。
(2) さらに、前記ビニルエーテルモノマーがジビニルエーテルモノマーである(1)に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、に関する。
(3) さらに、前記ビニルエーテルモノマーがジエチレングリコールジビニルエーテルである(1)または(2)に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、に関する。
(4) さらに、チオキサントン系光増感剤を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクジェットインク組成物、に関する。
(5) さらに、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、に関する。
(6) さらに、(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェットインク組成物を使用する印刷方法、に関する。
(7) さらには、(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェットインク組成物を使用して得られる印刷物、に関する。
(1) ビニルエーテルモノマーを5〜25重量%、分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーを20〜55重量%、および3級アミン化合物を10〜30重量%含有し、かつ25℃における粘度が3〜25mPa・sであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、に関する。
(2) さらに、前記ビニルエーテルモノマーがジビニルエーテルモノマーである(1)に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、に関する。
(3) さらに、前記ビニルエーテルモノマーがジエチレングリコールジビニルエーテルである(1)または(2)に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、に関する。
(4) さらに、チオキサントン系光増感剤を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクジェットインク組成物、に関する。
(5) さらに、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、に関する。
(6) さらに、(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェットインク組成物を使用する印刷方法、に関する。
(7) さらには、(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェットインク組成物を使用して得られる印刷物、に関する。
本発明により、適正粘度で、硬化性に優れ、かつ皮膜強度の優れた活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物及びその印刷物を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、ビニルエーテルモノマーと、分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーと、3級アミン化合物を、それぞれ特定量含有させる。
すなわち、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、ビニルエーテルモノマーを5〜25重量%、および分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーを20〜55重量%、及び3級アミン化合物を10〜30重量%含有し、かつ25℃における粘度が3〜25mPa・sである。
当該インク組成物は、ビニルエーテルモノマーを5〜25重量%含有することが好ましく、含有量が5重量%に満たないと、低粘度化の効果が少なく、また、25重量%より多いと、硬化性と硬化皮膜強度に劣る。
また、分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有するエチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーの官能基数は2であることが好ましく、官能基数がこれより小さい場合は硬化性や硬化皮膜硬度が低下し、官能基数がこれより大きいと硬化性や硬化皮膜硬度は良化するが、硬化皮膜の歪みが大きくなり、結果的に密着性を低下させる。
さらに、当該2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーの分子内のアルキレン基は炭素数3以上であることが好ましく、これより小さいと低粘度化の効果や密着性が低下する。
さらには、分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーは、20〜55重量%含有することが好ましく、この範囲であれば、低粘度性、硬化性、硬化皮膜強度、密着性のバランスに優れる。
また、当該インク組成物は、3級アミン化合物を10〜30重量%含有することが好ましく、10重量%に満たないと硬化性に劣り、30重量%より多いと硬化皮膜強度が低下する。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、25℃において3〜25mPa・sの粘度であることが好ましい。前記範囲内の粘度であれば、インクジェットでの安定吐出温度範囲とされる25〜50℃において、安定して吐出することができる。25℃での粘度が3mPa・sより低いと、10〜50kHzの高周波数のピエゾ型インクジェットヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められることがある。25℃での粘度が、25mPa・sを超えると、温度制御装置が大型で高価になるので、実用性に乏しい。
本発明におけるインク組成物の粘度は、25℃において、コーンプレート型粘度計などの市販の粘度計を用いて測定することができる。測定条件は、インク組成物の粘度に応じて適切に設定する。
本発明におけるインク組成物の粘度は、25℃において、コーンプレート型粘度計などの市販の粘度計を用いて測定することができる。測定条件は、インク組成物の粘度に応じて適切に設定する。
なお、前記ビニルエーテルモノマーの例としては、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチル−1プロペニルエーテル、トリエチレングリコールメチルプロペニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、2−シクロペンテン−1−イルエーテルなどが挙げられる。なかでも、ジエチレングリコールジビニルエーテルがより好ましい。これらのビニルエーテルモノマーは、単独でも2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能性エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーとしては、例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールダイマージアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,5ペンタンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタジオールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートなどが挙げられる。これら分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能性エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーは、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
さらに、3級アミン化合物としては、次の化合物が例示できる。トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の脂肪族アミンや、4、4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等の芳香族アミン、さらにはアミンアクリレート類などがあげられる。なかでもアミンアクリレート類が好ましい。これらの3級アミン化合物は、一種または2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明で用いられる光重合開始剤は、活性エネルギー線照射によりラジカル重合を開始させる物質を発生させることが可能な化合物であるものが、好ましい。
光重合開始剤の例には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルフォスフィンオキサイド、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、トリメチルベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ミヒラ−ケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、トリメチルベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン混合物、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、L−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノンなどが挙げられる。
なかでも、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド系開始剤がより好ましい。
これらの光重合開始剤の添加量は、当該インク組成物中において、1〜15重量%であることが好ましい。これらの光重合開始剤は、単独でも二種以上組み合わせて使用しても良い。
光重合開始剤の例には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルフォスフィンオキサイド、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、トリメチルベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ミヒラ−ケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、トリメチルベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン混合物、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、L−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノンなどが挙げられる。
なかでも、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド系開始剤がより好ましい。
これらの光重合開始剤の添加量は、当該インク組成物中において、1〜15重量%であることが好ましい。これらの光重合開始剤は、単独でも二種以上組み合わせて使用しても良い。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、光増感剤を含んでいても良い。
光増感剤の例には、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセン等のアントラセン誘導体、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤を挙げることができる。
なかでも、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤がより好ましい。
これらの光増感剤の添加量は、インク組成物中において、0.01〜10重量%であることが好ましい。これらの光増感剤は、単独でも二種以上組み合わせて使用しても良い。
光増感剤の例には、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセン等のアントラセン誘導体、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤を挙げることができる。
なかでも、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤がより好ましい。
これらの光増感剤の添加量は、インク組成物中において、0.01〜10重量%であることが好ましい。これらの光増感剤は、単独でも二種以上組み合わせて使用しても良い。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、25℃における表面張力が、20〜40mNm/mであることが好ましい。表面張力は、インクジェットヘッドからの吐出性と、基材にパターンを描画するときの解像度に影響する。表面張力が前記範囲にあるインク組成物は、吐出性と前記解像度に優れる。
表面張力は、公知の方法、例えば、懸滴法やリング法により測定して良いが、プレート法にて測定することが好ましい。例えば、表面張力は、協和界面科学社製 CBVP−Z型等を用いて測定できる。
表面張力は、公知の方法、例えば、懸滴法やリング法により測定して良いが、プレート法にて測定することが好ましい。例えば、表面張力は、協和界面科学社製 CBVP−Z型等を用いて測定できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、用途に応じて、非反応性化合物、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料、顔料誘導体などを含んでいても良い。公知慣用のものであればいかなるものも、その硬化性、インク組成物の特性を損なわない範囲で、特に制限なく使用することができる。
以下に実施例および比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部は重量部を、%は重量%を意味する。
(分散体の調製)
NPGDA(ライトアクリレートNP−A、共栄社化学社製)77.5部に、分散剤(EFKA7701、BASF社製)7.5部を溶解させ、次いでフタロシアニン顔料(LIONOL BLUE FG−7400G、トーヨーケム社製)15部を加え、ペイントシェーカーを用いて2時間分散処理を行い、分散体を得た。
NPGDA(ライトアクリレートNP−A、共栄社化学社製)77.5部に、分散剤(EFKA7701、BASF社製)7.5部を溶解させ、次いでフタロシアニン顔料(LIONOL BLUE FG−7400G、トーヨーケム社製)15部を加え、ペイントシェーカーを用いて2時間分散処理を行い、分散体を得た。
(実施例1〜7、比較例1〜6)
下記表1及び表2に示す原料を、分散体以外順次混合し、50℃に加温しながら1時間攪拌して溶け残りがないことを確認し、室温に戻した後、分散体1を加えて攪拌した。その後、孔径2μmのガラスフィルターを用いて加圧濾過を行い、実施例1〜7、比較例1〜6の各インクを作製した。
下記表1及び表2に示す原料を、分散体以外順次混合し、50℃に加温しながら1時間攪拌して溶け残りがないことを確認し、室温に戻した後、分散体1を加えて攪拌した。その後、孔径2μmのガラスフィルターを用いて加圧濾過を行い、実施例1〜7、比較例1〜6の各インクを作製した。
<粘度>
得られた各インクの25℃における粘度は、コーンプレート型粘度計TV−22(東機産業社製)を用いて、せん断速度192s−1、回転速度50rpmで測定した。
得られた各インクの25℃における粘度は、コーンプレート型粘度計TV−22(東機産業社製)を用いて、せん断速度192s−1、回転速度50rpmで測定した。
得られた各インクをインクジェットヘッド(コニカミノルタ社製、KM512MH)に注入し、適宜加温して、ABS製樹脂基材(住友ベークライト社製、EAR003)上に360×720dpi、および720×720dpiの印字率100%にて吐出、次いで紫外線照射装置UD80(パナソニック電工社製LEDランプ、385nm)、コンベア速度20m/分、積算光量20mJ/cm2の条件で硬化させた。
得られた各インクの硬化皮膜は、下記の方法に従って評価した。
得られた各インクの硬化皮膜は、下記の方法に従って評価した。
<硬化性>
硬化皮膜の表面を指触観察し、べたつきがないものを○、べたつくものを×として、硬化性を評価した。○は実用可、×は実用不可である。
硬化皮膜の表面を指触観察し、べたつきがないものを○、べたつくものを×として、硬化性を評価した。○は実用可、×は実用不可である。
<皮膜強度>
硬化皮膜表面を、爪で引っかいたときに、傷がまったく付かないものを○、傷あとが少し付くものを△、完全に硬化皮膜が剥がれるものを×として、スクラッチの評価とした。○、△は実用可、×は実用不可である。
硬化皮膜表面を、爪で引っかいたときに、傷がまったく付かないものを○、傷あとが少し付くものを△、完全に硬化皮膜が剥がれるものを×として、スクラッチの評価とした。○、△は実用可、×は実用不可である。
<密着性>
硬化皮膜表面に「×」状の切れ込みを入れ、その上にセロファンテープを密着させて剥がしたときに、その硬化皮膜が剥がれないものを○、剥がれるものを×として、密着性の評価とした。○は実用可、×は実用不可である。
硬化皮膜表面に「×」状の切れ込みを入れ、その上にセロファンテープを密着させて剥がしたときに、その硬化皮膜が剥がれないものを○、剥がれるものを×として、密着性の評価とした。○は実用可、×は実用不可である。
評価結果を表2に示した。
表2から、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、低粘度で、硬化性に優れ、かつ皮膜強度に優れていることが判る。
なお、比較例7は、インク組成物の25℃における粘度が、25mPa・s超えており、加熱装置をインクジェットのヘッドに配置しても吐出が不安定になり、描画できないため、表2においては、評価項目を「−」で示した。
また、比較例1および2は、特許文献2に対応したものであるが、3級アミン化合物を併用していないため、本発明のインク組成物と比較して、硬化性、皮膜強度が不十分である。
なお、比較例7は、インク組成物の25℃における粘度が、25mPa・s超えており、加熱装置をインクジェットのヘッドに配置しても吐出が不安定になり、描画できないため、表2においては、評価項目を「−」で示した。
また、比較例1および2は、特許文献2に対応したものであるが、3級アミン化合物を併用していないため、本発明のインク組成物と比較して、硬化性、皮膜強度が不十分である。
本発明によれば、インクジェットプリンタ用インクに適用できる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物として使用され、良好な皮膜強度を備えた印刷物として有効に利用できる。
Claims (7)
- ビニルエーテルモノマーを5〜25重量%、分子内に炭素数3以上のアルキレン基を有する2官能エチレン性二重結合基含有アクリレートモノマーを20〜55重量%、および3級アミン化合物を10〜30重量%含有し、かつ25℃における粘度が3〜25mPa・sであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
- 前記ビニルエーテルモノマーがジビニルエーテルモノマーである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
- 前記ビニルエーテルモノマーがジエチレングリコールジビニルエーテルである請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
- チオキサントン系光増感剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクジェットインク組成物。
- アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットインク組成物を使用する印刷方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットインク組成物を使用して得られる印刷物。
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