JP2013159532A - ガラス管成形用スリーブ、ガラス管の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大口径のガラス管を成形できるガラス管成形用スリーブ及びガラス管の成形方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るガラス管成形用スリーブは、溶融ガラスが巻き付けられる円筒部と、円筒部に巻き付けられた溶融ガラスが管状となって離れる先端部と、円筒部の軸心に貫入されたブローパイプと、を備え、先端部の外径は、溶融ガラスの進行方向に対して略同一もしくは大きくなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るガラス管成形用スリーブは、溶融ガラスが巻き付けられる円筒部と、円筒部に巻き付けられた溶融ガラスが管状となって離れる先端部と、円筒部の軸心に貫入されたブローパイプと、を備え、先端部の外径は、溶融ガラスの進行方向に対して略同一もしくは大きくなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス管成形用スリーブ及びガラス管の成形方法に関し、特に、大口径のガラス管を成形できるダンナー法によるガラス管成形用スリーブ及びガラス管の成形方法に関する。
ガラス管の成形方法として、ダンナー法やダウンドロー法等、種々の手法が従来より提案されている。例えば、ダンナー法では、マッフル内に配置された回転するスリーブに溶融ガラスを供給する。供給された溶融ガラスは、スリーブに巻き付きながら管状となる。そして、この管状となった溶融ガラスをスリーブ先端から管引機で引っ張り出す。この際、スリーブ中心を貫通するブローパイプ(スリーブシャフト)を通して、ガラス管内へ気体を供給しながらガラス管を引くことによりガラス管を成形する。成形されたガラス管は、切断機で所望の長さに切断される。ダンナー法では、上記工程を連続して行うため、生産性に優れた手法である(例えば、特許文献1,2参照)。このため、ガラス管の成形に広く用いられている。
ところで、現在では、口径のより大きなガラス管が求められている。ガラス管の口径を大きく(太く)するには、ガラス管内へ供給する気体の風量を増やす等の方法が考えられる。気体の供給量を増やすことでガラス管内の圧力を高めることができる。このため、スリーブ先端から離れた溶融ガラスが径方向に縮小しようとする作用を抑制し、ガラス管の口径を大きくすることができる。
しかしながら、ガラス管の口径を大きくした場合、ガラス管内の排気抵抗が低くなる。このため、ガラス管内へ供給する気体の風量をより多くする必要がある。しかし、気体の風量を増やした場合には、ガラス管が気体により急冷される。この結果、ガラス管の寸法が不安定になるおそれがある。
また、ガラス管の排気抵抗を増加させるために、スリーブからガラス切断機までの距離を長くすることも考えられる。しかし、この場合、設備の設置面積(フットプリント)が大きくなる。このため、設備のレイアウトを見直す必要があり、現実的ではない。また、既存の設備をそのまま使用することができない。このため、ガラス管の成形に必要な設備費が増加してしまう。
本発明は、大口径のガラス管を成形できるガラス管成形用スリーブ及びガラス管の成形方法を提供することを目的とする。
本発明のガラス管成形用スリーブは、溶融ガラスが巻き付けられる円筒部と、円筒部に巻き付けられた溶融ガラスが管状となって離れる先端部と、円筒部の軸心に貫入されたブローパイプと、を備え、先端部の外径は、溶融ガラスの進行方向に対して略同一もしくは大きくなることを特徴とする。
本発明のガラス管の成形方法は、ガラス管成形用のスリーブを用いるガラス管の成形方法であって、スリーブの円筒部に溶融ガラスを供給する工程と、円筒部に貫入されたブローパイプから気体を供給する工程と、溶融ガラスの進行方向に対して外径が同一もしくは大きくなるスリーブの先端部から、円筒部に巻き付いた管状の溶融ガラスを引く工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、円筒部に巻き付けられた溶融ガラスが管状となって離れる先端部の端面における外径が、円筒部の外径以上となっているため、大口径のガラス管を成形することができる。
(第1の実施形態)
<ガラス管成形システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係るガラス管成形システム100の断面模式図である。ガラス管成形システム100は、溶融窯110と、清澄槽(リファイナ)120と、撹拌装置130と、ガラス管成形装置140と、管引き装置150と、切断装置160とを備える。ガラス管成形システム100は、ダンナー法によりガラス管を成形する。
<ガラス管成形システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係るガラス管成形システム100の断面模式図である。ガラス管成形システム100は、溶融窯110と、清澄槽(リファイナ)120と、撹拌装置130と、ガラス管成形装置140と、管引き装置150と、切断装置160とを備える。ガラス管成形システム100は、ダンナー法によりガラス管を成形する。
溶融窯110は、ガラスの原料である珪砂(けいしゃ)、ソーダ灰、石灰石などを加熱して溶融させ、溶融ガラスGとする。清澄槽120は、ガラス化反応により発生するH2O、CO2、O2などの気体あるいは溶融時に巻き込まれた空気が原因で、溶融ガラスG中に生じた気泡を溶融ガラスGから取り除く。
撹拌装置130は、撹拌槽131と、回転軸132と、撹拌翼133と、ノズル134とを備える。撹拌槽131は、溶融ガラスGを収容する。回転軸132は、図示しないモータにより駆動されて回転する。撹拌翼133は、回転軸132に取り付けられ、撹拌槽131内に収容されている溶融ガラスGを撹拌する。ノズル134は、撹拌された溶融ガラスGをリボン状にしてガラス管成形装置140へ供給する。
ガラス管成形装置140は、撹拌装置130から供給される溶融ガラスGを管状に形成する。なお、ガラス管成形装置140の構成は、図2を参照して後述する。
管引き装置150は、第1,第2のローラ151,152を備える。第1,第2のローラ151,152は、管状に形成された溶融ガラスG(以下、ガラス管Sと記載する)と当接した状態で図示しないモータにより回転駆動され、ガラス管Sを管引きする。
切断装置160は、カッター161を備える。切断装置160は、カッター161を使用して、ガラス管Sを所望の長さに切断する。
<ガラス管成形装置の構成>
図2は、ガラス管成形装置140の断面模式図である。ガラス管成形装置140は、マッフル炉141と、ガラス管成形用スリーブ142(以下、スリーブ142と記載する)と、ブローパイプ143と、エア供給機144(例えば、ブロア)と、回転機構145とを備える。ガラス管成形装置140は、ダンナー法によるガラス管成形装置である。
図2は、ガラス管成形装置140の断面模式図である。ガラス管成形装置140は、マッフル炉141と、ガラス管成形用スリーブ142(以下、スリーブ142と記載する)と、ブローパイプ143と、エア供給機144(例えば、ブロア)と、回転機構145とを備える。ガラス管成形装置140は、ダンナー法によるガラス管成形装置である。
スリーブ142は、先端を下向きに傾斜させた状態でマッフル炉141内に配置される。スリーブ142は、撹拌装置130から供給される溶融ガラスGが巻き付けられる円筒部142Aと、円筒部142Aに巻き付けられた溶融ガラスGが管状となって離れる先端部142Bとから構成される。
なお、スリーブ142は、耐火物(例えば、耐火煉瓦)で構成することが好ましい。また、必要に応じてスリーブ142の表面を耐火性の金属(白金(Pt)もしくは白金合金(例えば、白金とロジウム(Rh)との合金))で被覆することがより好ましい。
従来のスリーブは、端面へ行くに従い外径が細くなる、いわゆる先細りの形状となっている。しかし、このスリーブ142は、円筒部142Aの端面142aから先端部142Bの端面142bまでの外径が略同径となっている。つまり、スリーブ142は、溶融ガラスの進行方向に対して、外径がほとんど変化しない円柱形状(寸胴)となっている。なお、ここでいう略同径とは、完全に同一である必要はなく、測定誤差や加工精度の範囲内で同径であればよいとの意である。
ブローパイプ143は、スリーブ142の軸心を貫通する孔に挿入されている。ブローパイプの一端143aには、エア供給機144が接続されている。エア供給機144からエアを送りこむことで、ブローパイプ143の他端143bからエアが、管状に成形された溶融ガラスG内に向かって吹き付けられる。
回転機構145は、スリーブ142と連結されたモータ(不図示)と、このモータの回転速度等を制御するモータドライバ(不図示)とを備える。回転機構145は、スリーブ142を回転させる。
<ガラス管Sの成形>
次にガラス管Sの成形について図1,図2を参照して説明する。
溶融窯110では、ガラスの原料が溶融され、溶融ガラスGとなる。溶融ガラスGは、清澄槽120で清澄された後、撹拌装置130で撹拌される。溶融ガラスGは、この撹拌により均質化される。撹拌された溶融ガラスGは、撹拌装置130のノズル134からリボン状に供給される。
次にガラス管Sの成形について図1,図2を参照して説明する。
溶融窯110では、ガラスの原料が溶融され、溶融ガラスGとなる。溶融ガラスGは、清澄槽120で清澄された後、撹拌装置130で撹拌される。溶融ガラスGは、この撹拌により均質化される。撹拌された溶融ガラスGは、撹拌装置130のノズル134からリボン状に供給される。
リボン状の溶融ガラスGは、回転機構145により回転動作させられるスリーブ142に供給される。溶融ガラスGは、スリーブ142の円筒部142A上に供給される。溶融ガラスGは、円筒部142Aに巻き付きながら傾斜した状態のスリーブ142の円筒部142A上を先端部142Bへと流れる。この際、溶融ガラスGは、円筒部142Aに巻き付きながらスリーブ142の外周面を流れるため、厚みが略一定の管形状に成形されながら先端部142Bへと流れる。
スリーブ142により管状に成形された溶融ガラスG(ガラス管S)は、スリーブ142の先端部142Bの端面から離れる。ガラス管Sは、管引き装置150により引き伸ばされつつ切断装置160へと搬送される。なお、ブローパイプ143からは、ガラス管Sが径方向に縮むのを抑制するため、ガラス管S内へエアが吹き付けられている。管引き装置150により管引きされたガラス管Sは、切断装置160が備えるカッター161により所望の長さに切断される。
第1の実施形態では、スリーブ142の形状を、いわゆる先細りの形状としておらず、円筒部142Aの端面142aから先端部142Bの端面142bまでの外径が略同径となるようにしている。このため、溶融ガラスGを巻き付ける円筒部の外径が同じである場合、溶融ガラスGが管状となって離れる先端部142Bの外径が、従来のスリーブの先端部の外径に比べて大きく(太く)なる。この結果、スリーブ142で成形されるガラス管Sの口径を大きく(太く)することができる。
また、ガラス管Sを成形する際には、ガラス管Sが縮むのを抑えるために、ブローパイプ143からエアを吹き付けて、ガラス管S内の圧力を高めている。しかしながら、スリーブ142を使用してガラス管Sを成形することで、ガラス管Sの口径を大きくすることができるので、吹き付けるエアの流量を減らすことができる。このため、ブローパイプ143から吹き付けられるエアによる影響、例えば、ブローエアによりガラス管Sが急冷されることによるガラス管Sの変形や寸法精度(例えば、ガラス管Sの外径や肉厚の精度)の低下等を低減することができる。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係るガラス管成形装置240の断面模式図である。以下、ガラス管成形装置240の構成について説明するが、図2を参照して説明したガラス管成形装置140の構成と同一の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。なお、ガラス管成形装置240は、図1を参照して説明したガラス管成形システム100のガラス管成形装置140と取り換えて使用される。また、ガラス管成形装置240は、ダンナー法によるガラス管成形装置である。
図3は、第2の実施形態に係るガラス管成形装置240の断面模式図である。以下、ガラス管成形装置240の構成について説明するが、図2を参照して説明したガラス管成形装置140の構成と同一の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。なお、ガラス管成形装置240は、図1を参照して説明したガラス管成形システム100のガラス管成形装置140と取り換えて使用される。また、ガラス管成形装置240は、ダンナー法によるガラス管成形装置である。
<ガラス管成形装置の構成>
ガラス管成形装置240は、マッフル炉141と、ガラス管成形用スリーブ242(以下、スリーブ242と記載する)と、ブローパイプ143と、エア供給機144と、回転機構145とを備える。
ガラス管成形装置240は、マッフル炉141と、ガラス管成形用スリーブ242(以下、スリーブ242と記載する)と、ブローパイプ143と、エア供給機144と、回転機構145とを備える。
スリーブ242は、先端を下向きに傾斜させた状態でマッフル炉141内に配置される。スリーブ242は、撹拌装置130から供給される溶融ガラスGが巻き付けられる円筒部242Aと、円筒部242Aに巻き付けられた溶融ガラスGが管状となって離れる先端部242Bとから構成される。
このスリーブ242の先端部242Bの端面242bには、周辺部から突出し、円筒部242Aとは反対側に延びる突出部242Cが設けられている。スリーブ242は、円筒部242A、先端部242B及び突出部242Cの外径が略同径となっている。つまり、スリーブ242は、溶融ガラスの進行方向に対して、外径がほとんど変化しない円柱形状(寸胴)となっている。なお、ここでいう略同径とは、完全に同一である必要はなく、測定誤差や加工精度の範囲内で同径であればよいとの意である。
突出部242Cは、厚みが薄くなっており(例えば、20〜100mm)、体積に比べて表面積が広いため、放熱性が高くなっている。なお、突出部242Cの厚みが20mmより薄いと強度不足となるおそれがある。また、突出部242Cの厚みが100mmを超えると十分な放熱性が得られないおそれがある。このため、突出部242Cの厚みは、30〜80mmであることが好ましい。
このため、突出部242Cにおいて、溶融ガラスGの温度が低くなる。温度が低くなると溶融ガラスGの粘性が高くなるため、突出部242Cの外周面を流れる溶融ガラスGの流速が低下する。この結果、突出部242Cにおいて、溶融ガラスGの肉厚が厚くなる(図3の領域A参照)。
また、スリーブ242は、耐火物(例えば、耐火煉瓦)で構成することが好ましく、必要に応じてスリーブ242の表面を耐火性の金属(例えば、白金(Pt)もしくは白金合金(例えば、白金とロジウム(Rh)との合金))で被覆することがより好ましい。また、図4に示すように、突出部242Cにおける溶融ガラスGの肉厚を効率よく厚くするために、突出部242Cの内周面まで金属Mで被覆するようにしてもよい。突出部242Cの内周面まで金属Mで被覆することで、突出部242Cの放熱性が向上するため、溶融ガラスGを効率よく冷却することができる。この結果、溶融ガラスGの肉厚をより効率よく厚くすることができる。
なお、突出部242Cは、外径が先端部242Bと同径の円形状の耐火物を先端部242Bの端面242bに接続して形成してもよい。また、スリーブ242の先端部242Bの端面242bを、周囲を50mm〜100mmほど残し、円筒部242A側に向かって凹ませる(切削)ことで、突出部242Cを形成するようにしてもよい。また、図2を参照して説明したスリーブ142よりも長く、厚みが50mm〜100mmほどの円筒形の耐火物内に、スリーブ142を挿入することにより先端部242Bの端面242bに突出部242Cを形成してもよい。
<ガラス管Sの成形>
次に、この実施形態におけるガラス管Sの成形について説明する。なお、スリーブ242を用いること以外は、図1,2を参照して説明したガラス管成形システム100でのガラス管Sの成形と同じである。このため、スリーブ242におけるガラス管Sの成形について説明し、重複した説明を省略する。
次に、この実施形態におけるガラス管Sの成形について説明する。なお、スリーブ242を用いること以外は、図1,2を参照して説明したガラス管成形システム100でのガラス管Sの成形と同じである。このため、スリーブ242におけるガラス管Sの成形について説明し、重複した説明を省略する。
撹拌装置130からリボン状に供給される溶融ガラスGは、回転機構145により回転動作させられるスリーブ242に供給される。溶融ガラスGは、スリーブ242の円筒部242A上に供給される。溶融ガラスGは、円筒部242Aに巻き付きながら傾斜した状態のスリーブ242の円筒部142A上を先端部242Bへと流れる。この際、溶融ガラスGは、円筒部242Aに巻き付きながらスリーブ242の外周面を流れるため、厚みが略一定の管形状に成形されながら先端部242Bへと流れる。
先端部242Bにまで流れた溶融ガラスGは、さらに、先端部242Bの端面242bに設けられた突出部242Cへと流れる。突出部242Cは、放熱性が高い。このため、突出部242Cにおいて、溶融ガラスGの温度が低くなる。温度が低くなると溶融ガラスGの粘性が高くなるため、突出部242Cの外周面を流れる溶融ガラスGの流速が低下し、突出部242Cにおいて、溶融ガラスGの肉厚が厚くなる。
以上のように、ガラス管成形装置240が備えるスリーブ242は、先端部242Bの端面242bの周辺部から突出し、円筒部242Aとは反対側に延びる突出部242Cを設けているので、成形されるガラス管Sの肉厚を効率よく厚くすることができる。また、突出部242Cの厚みや突出量を変えることにより、成形されるガラス管Sの肉厚を制御することができる。
また、ガラス管Sの肉厚を厚くするためには、スリーブ242に供給する溶融ガラスGの流量を多くすることが考えられる。しかし、この場合、溶融窯110、清澄槽120、撹拌装置130等の容量を大きくする必要があり、設備投資費用が大きくなってしまう。
一方、この実施形態に係るガラス管成形装置240では、上述したようにスリーブ242の先端部242Bの端面242bに、周辺部から突出し、円筒部242Aとは反対側に延びる突出部242Cを設けてガラス管Sの肉厚を制御しているので、大口径で肉厚のガラス管を安定して成形できる。また、設備投資費用を抑制することができる。その他の効果は、第1の実施形態に係るガラス管成形装置140と同じである。
次に、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
発明者らは、従来の先端部が先細り形状となったスリーブと、図3を参照して説明したスリーブ242を用いてガラス管をそれぞれ成形した。次に、発明者らは、成形したガラス管の曲り、肉厚及び扁平を測定した。
発明者らは、従来の先端部が先細り形状となったスリーブと、図3を参照して説明したスリーブ242を用いてガラス管をそれぞれ成形した。次に、発明者らは、成形したガラス管の曲り、肉厚及び扁平を測定した。
各実施例及び比較例で成形したガラス管の材料として用いたガラスの組成を以下に示す。各組成は、酸化物基準における質量%で表示した。また、ガラスの熱膨張係数は、51.8×10−7/Kである。
SiO2 70.8%
Al2O3 4.9%
Na2O 5.8%
K2O 2.8%
B2O3 15.6%
Cl 0.1%
SiO2 70.8%
Al2O3 4.9%
Na2O 5.8%
K2O 2.8%
B2O3 15.6%
Cl 0.1%
(実施例1)
実施例1では、図5(断面図)に示すスリーブを用いて外径φが50mm、肉厚Tが1.5mmのガラス管Xを成形した。図5に示すスリーブの各サイズを以下に示す。なお、図5に記載されている数値の単位はすべてmm(ミリメートル)である。また、突出部242Cには、図4に示したスリーブ240と同様に、白金(Pt)が被覆されている。
全長 1400mm
胴部外径 260mm
突出部外径 260mm
突出部内径 190mm
突出部長 75mm
実施例1では、図5(断面図)に示すスリーブを用いて外径φが50mm、肉厚Tが1.5mmのガラス管Xを成形した。図5に示すスリーブの各サイズを以下に示す。なお、図5に記載されている数値の単位はすべてmm(ミリメートル)である。また、突出部242Cには、図4に示したスリーブ240と同様に、白金(Pt)が被覆されている。
全長 1400mm
胴部外径 260mm
突出部外径 260mm
突出部内径 190mm
突出部長 75mm
次に、ガラス管X成形時の条件を以下に示す。
ガラス流量 342Kg/h(hour)
ブロー圧 69mmH2O(水頭圧)(約0.69MPa)
ガラス流量 342Kg/h(hour)
ブロー圧 69mmH2O(水頭圧)(約0.69MPa)
(実施例2)
実施例2では、図5に示すスリーブを用いて外径φが60mm、肉厚Tが2.4mmのガラス管Yを成形した。図5に示すスリーブの各サイズについては、重複説明を省略する。また、突出部242Cには、図4に示したスリーブ240と同様に、白金(Pt)が被覆されている。
実施例2では、図5に示すスリーブを用いて外径φが60mm、肉厚Tが2.4mmのガラス管Yを成形した。図5に示すスリーブの各サイズについては、重複説明を省略する。また、突出部242Cには、図4に示したスリーブ240と同様に、白金(Pt)が被覆されている。
次に、ガラス管Y成形時の条件を以下に示す。
ガラス流量 330Kg/h(hour)
ブロー圧 131mmH2O(水頭圧)(約1.31MPa)
ガラス流量 330Kg/h(hour)
ブロー圧 131mmH2O(水頭圧)(約1.31MPa)
(比較例)
比較例では、図6(断面図)に示すスリーブを用いて外径φが47mm、肉厚Tが1.6mmのガラス管Zを成形した。図6に示すスリーブの各サイズを以下に示す。なお、図6に記載されている数値の単位はすべてmm(ミリメートル)である。
全長 1400mm
胴部外径 260mm
先端部外径 140mm
先端テーパー部長 130mm
比較例では、図6(断面図)に示すスリーブを用いて外径φが47mm、肉厚Tが1.6mmのガラス管Zを成形した。図6に示すスリーブの各サイズを以下に示す。なお、図6に記載されている数値の単位はすべてmm(ミリメートル)である。
全長 1400mm
胴部外径 260mm
先端部外径 140mm
先端テーパー部長 130mm
次に、ガラス管Z成形時の条件を以下に示す。
ガラス流量 339Kg/h(hour)
ブロー圧 193mmH2O(水頭圧)(約1.93MPa)
ガラス流量 339Kg/h(hour)
ブロー圧 193mmH2O(水頭圧)(約1.93MPa)
(測定結果)
実施例1,2及び比較例で成形した上記ガラス管X,Y,Zの「曲り」、「偏肉」、「偏平」を測定した。各測定項目を以下に説明する。
実施例1,2及び比較例で成形した上記ガラス管X,Y,Zの「曲り」、「偏肉」、「偏平」を測定した。各測定項目を以下に説明する。
「曲り」は、ガラス管がどの程度曲がっているかを表す指標である。この値が小さいほうが、ガラス管が真っ直ぐに成形できていることを示す。なお、「曲り」は、以下の方法で測定した。ガラス管の両端をローラにより2点支持した後、両支持点の中心に位置するガラス管外面に上方からダイヤルゲージを接触させた。そして、ガラス管を1回転した際のダイヤルゲージの変位量(上下方向)を測定し、その測定値の半分をガラス管の「曲り」とした。なお、測定に使用したガラス管の全長は1500mmであり、支持点間の距離は1400mmであった。
「偏肉」は、ガラス管の肉厚の偏りを表す指標である。この値が小さいほうが、ガラス管の肉厚に偏りがなく、均一な肉厚であることを示す。「偏肉」は、以下の方法で測定した。ガラス管の軸線に直交する方向の同一断面における肉厚をノギスで複数点測定した。次に、これら測定値の最大値と最小値との差を偏肉とした。
「偏平」は、ガラス管の外径の歪みを表す指標である。この値が小さいほうが、ガラス管の外径が真円に近いことを示す。「偏平」は、以下の方法で測定した。ガラス管の軸線に直交する方向の同一断面における外径寸法をノギスで複数点測定した。次に、これら測定値の最大値と最小値との差を偏平とした。
表1に示すように、実施例1,2のガラス管X,Yは、比較例のガラス管Zに比べて、「曲り」、「偏肉」、「偏平」のすべての測定項目(実施例2の偏肉を除く)の値が小さいことがわかる。このことから、従来の先細りする形状のスリーブ(比較例)に比べて、突出部の外径と円筒部の外径とを略同径とした寸胴系のスリーブ(実施例1,2)のほうが寸法精度の高いガラス管を成形できることがわかった。また、従来の先細りする形状のスリーブ(比較例)では、成形が困難な外径φが60mmのガラス管を成形できることがわかった。
(その他の実施形態)
以上のように、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
以上のように、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
例えば、第1の実施形態では、スリーブ142の形状を、円筒部142Aと先端部142Bの外径を略同径とした寸胴形状としているが、スリーブ142の外径を、円筒部142Aから先端部142Bの端面142bに向けて(溶融ガラスの進行方向に対して)大きく(太く)なるようにしてもよい。この際、外径を徐々に大きくしてもよいし(図7(a)参照)、段階的に大きくしてもよい(図7(b)参照)。
また、第2の実施形態では、スリーブ242の形状を、円筒部242A、先端部242B及び突出部242Cの外径を略同径とした寸胴形状としているが、スリーブ242の外径を、円筒部242Aから突出部242Cの先端に向けて(溶融ガラスの進行方向に対して)徐々に大きく(太く)なるようにしてもよい。この際、外径を徐々に大きくしてもよいし(図8(a)参照)、段階的に大きくしてもよい(図8(b),図8(c)参照)。
本発明のガラス管成形用スリーブは、大口径のガラス管の成形に好適である。
100…ガラス管成形システム、110…溶融窯、120…清澄槽、130…撹拌装置、131…撹拌槽、132…回転軸、133…撹拌翼、134…ノズル、140…ガラス管成形装置、141…マッフル炉、142…ガラス管成形用スリーブ、142A…円筒部、142B…先端部、142a…端面、142b…端面、143…ブローパイプ、143a…一端、143b…他端、144…エア供給機、145…回転機構、145A…回転体、145B…ドライバ、150…管引き装置、151,152…ローラ、160…切断装置、161…カッター、240…ガラス管成形装置、242…ガラス管成形用スリーブ、242A…円筒部、242B…先端部、242C…突出部、242b…端面、G…溶融ガラス、S…ガラス管。
Claims (8)
- 溶融ガラスが巻き付けられる円筒部と、
前記円筒部に巻き付けられた前記溶融ガラスが管状となって離れる先端部と、
前記円筒部の軸心に貫入されたブローパイプと、
を備え、
前記先端部の外径は、前記溶融ガラスの進行方向に対して略同一もしくは大きくなることを特徴とするガラス管成形用スリーブ。 - 前記先端部の端面の周辺部から突出し、前記円筒部とは反対側に延びる突出部を有することを特徴とする請求項1に記載のガラス管成形用スリーブ。
- 前記先端部は、前記先端部の端面の中心を含む領域が前記円筒部側に向かって凹んでいることを特徴とする請求項1に記載のガラス管成形用スリーブ。
- 前記先端部は、前記円筒部とは反対側の肉厚が薄くなっていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のガラス管成形用スリーブ。
- 前記先端部の少なくとも一部は、金属層により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のガラス管成形用スリーブ。
- 前記突出部の内周面の少なくとも一部は、金属層により被覆されていることを特徴とする請求項2に記載のガラス管成形用スリーブ。
- 前記金属層は、白金もしくは白金合金であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のガラス管成形用スリーブ。
- ガラス管成形用のスリーブを用いるガラス管の成形方法であって、
前記スリーブの円筒部に溶融ガラスを供給する工程と、
前記円筒部に貫入されたブローパイプから気体を供給する工程と、
前記溶融ガラスの進行方向に対して外径が同一もしくは大きくなる前記スリーブの先端部から、前記円筒部に巻き付いた管状の溶融ガラスを引く工程と、
を有することを特徴とするガラス管の成形方法。
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JP2012023781A JP2013159532A (ja) | 2012-02-07 | 2012-02-07 | ガラス管成形用スリーブ、ガラス管の成形方法 |
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WO2020137011A1 (ja) * | 2018-12-25 | 2020-07-02 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス物品製造装置及びガラス物品の製造方法 |
-
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- 2012-02-07 JP JP2012023781A patent/JP2013159532A/ja active Pending
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