JP2013159317A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤのサイドウォール部に形成された凹部に応力が集中するのを抑制する。
【解決手段】トレッドとビードを連結するサイドウォール部に形成され、前記サイドウォール部の摩耗状態を示す凹部を備えた空気入りタイヤであって、トレッドからビードまでの高さをHとすると、前記凹部は、タイヤ最大幅部よりトレッド側へ0.4Hの高さからタイヤ最大幅部よりビード側へ0.2Hの高さまでのタイヤサイド部に形成され、前記凹部のタイヤ径方向の開口縁の曲率半径は、タイヤ周方向の開口縁の曲率半径より大きくし、10mm以上とする。
【選択図】図3
【解決手段】トレッドとビードを連結するサイドウォール部に形成され、前記サイドウォール部の摩耗状態を示す凹部を備えた空気入りタイヤであって、トレッドからビードまでの高さをHとすると、前記凹部は、タイヤ最大幅部よりトレッド側へ0.4Hの高さからタイヤ最大幅部よりビード側へ0.2Hの高さまでのタイヤサイド部に形成され、前記凹部のタイヤ径方向の開口縁の曲率半径は、タイヤ周方向の開口縁の曲率半径より大きくし、10mm以上とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。
トラックやバス等の大型車両に用いられる空気入りタイヤのサイドウォール部には、縁石との接触によって擦り減ったサイドウォール部の摩耗状態を示す凹部が形成されたものがある。この種の空気入りタイヤにおいて、凹部の開口部がリング状のものがある(例えば、特許文献1)。
しかしながら、タイヤの転動によりサイドウォール部が変形したとき、凹部の曲率半径が小さい部位に応力が集中する。
本発明は上記事項を考慮し、タイヤのサイドウォール部に形成された凹部に応力が集中するのを抑制することを目的とする。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、トレッドとビード部を連結するサイドウォール部に形成され、前記サイドウォール部の摩耗状態を示す凹部を備えた空気入りタイヤであって、トレッドの表面からビード部の先端までの高さをHとすると、前記凹部は、タイヤ最大幅部よりビード側へ0.2Hの高さ位置からタイヤ最大幅部よりトレッド側へ0.4Hの高さ位置までの領域であるタイヤサイド部に形成され、前記凹部のタイヤ径方向の開口縁の曲率半径は、タイヤ周方向の開口縁の曲率半径より大きく、10mm以上である。
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、タイヤのサイドウォール部が縁石に接触するなどして摩耗すると、凹部の深さが浅くなる。この凹部の深さを見ることでサイドウォール部の摩耗度合いが分かる。
また、トレッドの表面からビード部の先端までの高さをHとすると、凹部は、タイヤ最大幅部よりビード側へ0.2Hの高さ位置からタイヤ最大幅部よりトレッド側へ0.4Hの高さ位置までの領域であるタイヤサイド部に形成されている。タイヤサイド部は、サイドウォール部の中で特に摩耗が進行しやすい部位なので、凹部の摩耗度合いを見ることで、サイドウォール部の摩耗限界を正確に把握することができる。
さらに、凹部のタイヤ径方向の開口縁の曲率半径は、タイヤ周方向の開口縁の曲率半径より大きく、10mm以上となっている。タイヤの転動によるサイドウォール部の変形は、タイヤ径方向の変形よりタイヤ周方向の変形の方が大きいため、タイヤ径方向の曲率半径を大きくすることで、凹部の変形によるタイヤ周方向への応力集中を抑制できる。また、タイヤ径方向の開口縁の曲率半径が10mm以上でないと、凹部の開口縁に作用する応力を十分に分散できないので、タイヤ径方向のクラックの発生を抑制することが困難となる。
請求項2に記載の空気入りタイヤは、前記凹部の開口面の中心部を通るタイヤ径方向の直線を基準線として、少なくとも、前記中心部を通り周方向へ±45度傾いた境界線より前記基準線側の領域において、前記凹部の開口縁の曲率半径が10mm以上に形成されている。
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、凹部の開口面の中心部を通るタイヤ径方向の直線を基準線として、少なくとも、前記中心部を通り周方向へ±45度傾いた境界線より基準線側の領域の曲率半径が10mm以上に形成されている。上記の領域では、タイヤの転動によりサイドウォール部が変形したときに最も応力が集中するため、この領域において凹部の開口縁の曲率半径を10mm以上に形成することで、応力をタイヤ周方向へ分散させてクラックの発生を抑制できる。
請求項3に記載の空気入りタイヤは、前記凹部のタイヤ径方向の開口縁が直線状であり、タイヤ周方向の開口縁が半円形状である。
請求項3に記載の空気入りタイヤでは、凹部のタイヤ径方向の開口縁が直線状となっているので、タイヤ径方向の開口縁が曲線である場合と比べて、凹部へ作用する応力をより分散させることができる。
請求項4に記載の空気入りタイヤは、前記凹部の底部は平面になっている。
請求項4に記載の空気入りタイヤでは、凹部の底部は平面になっているので、底部を曲面とするより、サイドウォール部が摩耗したときの凹部の開口面積を確保できる。
請求項5に記載の空気入りタイヤは、前記凹部は、タイヤの周方向に等間隔に複数形成されている。
請求項5に記載の空気入りタイヤでは、凹部がタイヤの周方向に等間隔に複数形成されているので、それぞれの凹部の深さを見ることで、摩耗量のバラツキを把握できる。
請求項6に記載の空気入りタイヤは、前記凹部の開口縁は、面取りされている。
請求項6に記載の空気入りタイヤでは、凹部の開口縁が面取りされているので、開口縁に応力が集中してクラックが発生するのを抑制できる。
本発明は、上記の構成としたので、タイヤのサイドウォール部に形成された凹部に応力が集中するのを抑制できる。
(第1実施形態)
図1及び2を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ10について説明する。なお、図中矢印Wは空気入りタイヤ10の幅方向を示し、矢印Rは空気入りタイヤ10の径方向を示し、矢印Cは空気入りタイヤ10の周方向を示す。また、符号CLは空気入りタイヤ10の赤道面を示す。
図1及び2を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ10について説明する。なお、図中矢印Wは空気入りタイヤ10の幅方向を示し、矢印Rは空気入りタイヤ10の径方向を示し、矢印Cは空気入りタイヤ10の周方向を示す。また、符号CLは空気入りタイヤ10の赤道面を示す。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10(以下、タイヤ10と記載する)は、主にトラックやバスなどに用いられる重荷重用のタイヤである。タイヤ10は、左右一対のビード部12(図1では、片側のビード部12のみ図示)と、これら一対のビード部12内にそれぞれ埋設された一対のビードコア14と、一対のビードコア14間をトロイド状に延びたカーカス層16と、カーカス層16よりタイヤ10の径方向外側に設けられたベルト層18と、このベルト層18よりタイヤ10の径方向外側に設けられたトレッド部20と、ビード部12とトレッド部20とを連結するサイドウォール部22と、を備えている。
カーカス層16は、一例として1枚のカーカスプライによって構成されている(複数枚のカーカスプライで構成してもよい)。このカーカスプライは、複数本のコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を被覆ゴムで被覆して形成されている。カーカス層16は、端部側がビードコア14周りにタイヤ10の内側から外側へ折り返されている。
ベルト層18は、一例として複数枚のベルトプライによって構成されている(1枚のベルトプライで構成してもよい)。このベルトプライは、複数本のコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を被覆ゴムで被覆して形成されている。
トレッド部20には、タイヤ10の周方向に延びる複数の周方向溝24が形成されている。また、トレッド部20には、周方向に対して交差する方向に延びる図示しない幅方向溝が複数形成されている。
サイドウォール部22には、タイヤ10の内側へ凹んだ凹部としてのサイドウェアインジケータ26が形成されている。サイドウェアインジケータ26の開口縁26Bの形状は、直線と半円からなる長円形状であり(図2参照)、サイドウェアインジケータ26の深さは、カーカス層16に達しない深さに形成されている。本実施形態では一例として深さを5.5mmとしている。このサイドウェアインジケータ26は、タイヤサイド部30の摩耗状態を示すものであり、サイドウェアインジケータ26の開口面から底部26Aまでの深さを見ることでサイドウォール部22の摩耗度合いを把握することができる。
また、サイドウェアインジケータ26が形成されているタイヤサイド部30は、トレッド20の表面からビード部12の先端までの高さをHとすると、タイヤ最大幅部Mよりビード側へ0.2Hの高さ位置h1からタイヤ最大幅部Mよりトレッド側へ0.4Hの高さh2位置までの領域とする。この領域の範囲は、縁石の高さや、工事現場で摩耗するタイヤ10の摩耗発生領域等により統計的に割り出されたもので、この範囲であればサイドウェアインジケータ26としての機能を発揮できる。なお、トレッド20の表面からビード部12の先端までの高さ(タイヤセクションハイト)Hは、厳密には(タイヤ直径−リム径)/2で求められる。ここで、リムは、準拠規格の標準リムである。
また、ベルト層18のうち、最もタイヤ径方向内側に位置するベルトプライ18Aの端部からサイドウォール部22へタイヤ幅方向に延長した延長線と、サイドウォール部22との交点を交点Kとすると、サイドウェアインジケータ26は、タイヤ最大幅部Mから交点Kまでの領域T内に開口していることが好ましい。本実施形態では、領域T内のタイヤ最大幅部M側にサイドウェアインジケータ26を形成した。
図2に示すように、サイドウェアインジケータ26は、タイヤ10の周方向に等間隔で4つ形成されている。また、それぞれのサイドウェアインジケータ26は、開口面積を176.7mm2としている。なお、開口面積は、100mm2より小さいと、タイヤが汚れた際に視認性が悪くなり、1300mm2より大きければ、サイドウェアインジケータ26の底部26Aが傷付きやすくなり、カーカス層16が露出する虞がある。このため、開口面積を100mm2以上1300mm2以下に形成するのが好ましい。
図3(A)に示すように、サイドウェアインジケータ26の開口面の中心部Pを通るタイヤ径方向の直線を基準線XLとすると、図3(A)に示すように、中心部Pを通り基準線XLから±45度傾けた境界線DL1、DL2より基準線XL側の領域Aの開口縁26Bが直線状に形成されている。
また、サイドウェアインジケータ26のタイヤ周方向の開口縁26Bは、直線状に形成されたタイヤ径方向の開口縁26を緩和曲線で繋いでおり、半円状に形成されている。これにより、サイドウェアインジケータ26の特定の部位に応力が集中しないようになっている。
また、図3(B)に示すように、サイドウェアインジケータ26は、開口縁26Bの全周に亘って面取りされており、サイドウェアインジケータ26の底部26Aと内壁との間は、滑らかな曲面で繋がっている。
次に、本実施形態に係るタイヤ10の作用について説明する。本実施形態に係るサイドウェアインジケータ26は、サイドウォール部22が縁石に接触したときに最も摩耗するタイヤサイド部30(好ましくは領域T内)に形成されている。これにより、サイドウェアインジケータ26の深さを見ることで、サイドウォール部22の摩耗限界を正確に把握できる。すなわち、タイヤ10の交換時期を見誤ることがない。
また、サイドウェアインジケータ26の底部26Aが平面に形成されているので、サイドウォール部22が底部26Aの近傍まで摩耗し、サイドウェアインジケータ26の深さが浅くなっても、一定の開口面積を確保できる。ここで、内圧を充填したタイヤの場合、サイドウォール部22は複数の曲面から形成される。そのため、ここでいう平面は、内圧が充填されたタイヤにおいては曲面となる。
さらに、図2に示すように、サイドウェアインジケータ26は、タイヤ周方向に等間隔に4つ形成されているので、それぞれのサイドウェアインジケータ26の深さを見ることでサイドウォール部22の摩耗量のバラツキを把握することができる。
また、図3(A)に示すように、内圧が充填されたタイヤ10の無負荷時におけるサイドウェアインジケータ26のタイヤ径方向の開口縁26Bの形状が直線状となっている。タイヤの転動によりサイドウォール部が変形したとき、タイヤ径方向の変形よりタイヤ周方向の変形の方が大きいので、タイヤ径方向の開口縁26Bに応力が集中しやすくなるが、本実施形態では、タイヤ径方向の開口縁26Bの形状が直線状なので、タイヤ径方向の応力集中を抑制できる。特に、サイドウェアインジケータ26の中心部Pを通り基準線XLから±45度に傾けた境界線DL1、DL2の範囲で応力が集中しやすいので、サイドウェアインジケータ26の領域Aの開口縁26Bの形状を直線状とする(曲率半径を10mm以上とする)ことで、応力をタイヤ周方向へ分散させてクラックの発生を抑制できる。
図8〜図10に示す半径7.5mmの円形のサイドウェアインジケータ102が形成されたタイヤ100の転動位置と、サイドウェアインジケータ102に作用する主歪の関係から、サイドウェアインジケータ102の中心部Pを通る基準線XLを基準として±45度の範囲で応力が集中することを実証する。なお、主歪とは、サイドウェアインジケータ26に作用する歪のうち最も大きい引張歪のことをいう。また、図中の矢印Gはタイヤ100の転動方向を示している。
図8、及び図9に示すタイヤ100は、本実施形態に係るタイヤ10と同構造であり、タイヤ100のサイドウォール部104には、タイヤ周方向に等間隔で4つのサイドウェアインジケータ102が形成されている。また、タイヤ100のサイズは275/70R22.5で、内圧が900kPaに設定されている。このタイヤ100に荷重3150kgf(30.9kN)を付加した状態で、図8(A)の位置から図9(A)の位置までタイヤ100が転動したときのサイドウェアインジケータ102の変形状態を観察した。
ここで、タイヤ100が矢印Gの方向に転動している状態では、タイヤ100の接地部分が路面106に沿って、タイヤ100の進行方向の前後に広がるように変形する。タイヤ100は、乗用車に比べてタイヤ100へ作用する荷重が大きいので、タイヤ100の変形量も大きくなっている。
このとき、図8(A)に示すように、タイヤ100の中心Oを通って路面に垂直な直線YLに対して、回転方向とは逆向きに25度(−25度)の位置にあるサイドウェアインジケータ102は、サイドウォール部104の変形に伴って図8(B)の矢印に示す方向に応力が作用する。
サイドウェアインジケータ102に応力が作用することによって、サイドウェアインジケータ102のタイヤ周方向の開口縁102A(M1)の曲率半径が小さくなり、逆にタイヤ径方向の開口縁102A(M2)の曲率半径が大きくなる。つまり、サイドウェアインジケータ102のタイヤ周方向M1の変形の方が大きく、円形のサイドウェアインジケータ102が楕円状に変形する。
また、図8(A)の状態から回転方向にタイヤ100が転動すると、上記のサイドウェアインジケータ102は、タイヤ100の転動によって移動する。図9(A)は、サイドウェアインジケータ102が直線YLに対して、回転方向に25度(+25度)の位置に移動した状態である。このとき、サイドウェアインジケータ102は、サイドウォール部104の変形に伴って図9(B)の矢印に示す方向に応力が作用して上述したように楕円状に変形し、サイドウェアインジケータ102のタイヤ周方向の開口縁102A(M1)の曲率半径が小さくなり、逆にタイヤ径方向の開口縁102A(M2)の曲率半径が大きくなる。
ここで、タイヤ100が転動する間に、上記のサイドウェアインジケータ102に作用する主歪の大きさ及び方向を測定し、図10に示した。なお、サイドウェアインジケータ102に作用する主歪の大きさと方向は、Correlated Solutions社製の3次元歪測定器VIC−3Dを用いて測定した。
図10の横軸は、サイドウェアインジケータ102の転動位置を角度で示したものであり、角度は、中心Oとサイドウェアインジケータ102の中心部とを結ぶ直線XLと、直線YLとの間の角度である。縦軸は、サイドウェアインジケータ102に作用する応力による主歪の大きさ、及び直線XLに対する主歪の方向を示している。また、曲線Sは、サイドウェアインジケータ102の転動位置において、タイヤ径方向を基準とした主歪の方向をプロットして結んだものであり、曲線Tは、サイドウェアインジケータ102の転動位置において、主歪の大きさをプロットして結んだものである。
図10のグラフから分かるように、サイドウェアインジケータ102に作用する主歪の大きさ(曲線T)は、図8(A)のサイドウェアインジケータ102の転動位置(−25度)からタイヤ100が転動するに従って徐々に大きくなり、サイドウェアインジケータ102の転動位置が−12度付近に差し掛かったとき、主歪は約12%となっている。また、この状態のサイドウェアインジケータ102に作用する主歪の方向(曲線S)は、40度〜45度の範囲(鎖線で囲まれた領域U1)となっている。
その後、主歪は11%〜13%程度で推移し、サイドウェアインジケータ102の転動位置が12度付近に差し掛かったとき、主歪が11%以下に下がっている。また、このときのサイドウェアインジケータ102に作用する主歪の方向は、−40度〜−45度の範囲(鎖線で囲まれた領域U2)となっている。以上より、サイドウェアインジケータ102に作用する応力は、サイドウェアインジケータ102の転動位置が−12度〜12度の範囲で大きくなることが判明した。また、サイドウェアインジケータ102のタイヤ径方向に対して±45度の範囲において、主歪が特に大きくなることが判明した。
次に、サイドウェアインジケータ102が形成されたタイヤ100を比較例として、第1実施形態のタイヤ100のサイドウェアインジケータ26に作用する主歪の大きさ及びクラックの有無を比較する下記の試験を行った。タイヤのサイズは共に275/70R22.5とした。
試験1:実施例のタイヤ10及び比較例のタイヤ100をそれぞれリム幅7.5インチのリムに取り付け、内圧を900kPaに設定して、それぞれのタイヤに対して3150kgf(30.9kN)の荷重を加えながら転動させ、サイドウェアインジケータに作用する主歪を比較した。なお、主歪の測定には、Correlated Solutions社製の3次元歪測定器VIC−3Dを用いた。
試験2:実施例のタイヤ10及び比較例のタイヤ100をそれぞれリム幅7.5インチのリムに取り付け、内圧を700kPaに設定して、ドラム試験機に取り付けた。この状態で、3465kgf(33.98kN)の荷重を加えながらドラムを回転させ、各タイヤを10000km走行させた後、サイドウェアインジケータにクラックが発生したかを目視で確認した。
試験2:実施例のタイヤ10及び比較例のタイヤ100をそれぞれリム幅7.5インチのリムに取り付け、内圧を700kPaに設定して、ドラム試験機に取り付けた。この状態で、3465kgf(33.98kN)の荷重を加えながらドラムを回転させ、各タイヤを10000km走行させた後、サイドウェアインジケータにクラックが発生したかを目視で確認した。
図6に示すように、比較例のタイヤ100のサイドウェアインジケータ102に作用する主歪を100として実施例のタイヤ10のサイドウェアインジケータ26に作用する主歪を換算すると、80となった。つまり、サイドウェアインジケータ26のタイヤ径方向の開口縁26Bの曲率半径を∞(直線)にすることで、サイドウェアインジケータ26に作用する主歪を低減できることが確認された。また、比較例のサイドウェアインジケータ102にはクラックが発生したが、実施例のサイドウェアインジケータ26にはクラックが発生しなかった。これにより、実施例のサイドウェアインジケータ26では、タイヤ径方向に作用する応力がタイヤ径方向へ分散されていることが確認された。
次に、サイドウェアインジケータ102のタイヤ径方向の開口縁102Aの曲率半径を10mm以上にすればクラックの発生を抑制できることを確かめるため、下記の試験を行った。タイヤのサイズは275/70R22.5とした。
試験3:曲率半径が6mm、7.5mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、及び12.5mmの円形のサイドウェアインジケータが形成されたタイヤに対して試験1、及び試験2を行い、各々の曲率半径のサイドウェアインジケータに作用する主歪の大きさとクラック発生の有無を評価した。
図7に示すように、サイドウェアインジケータの曲率半径(横軸)を大きくするほど主歪(縦軸)が低減することが確認された。また、曲率半径が10mm以上でないと、タイヤ転動時にサイドウォール部が変形したとき、応力を十分にタイヤ周方向へ分散させることができず、クラックの発生を抑制できないことが確認された。
なお、実施例のサイドウェアインジケータ26に作用する主歪は10%程度であった。この結果から、図3(A)のサイドウェアインジケータ26の領域Aの開口縁26Bの形状を直線にすることで、領域Aの開口縁26Bを曲線に形成する場合と比べて、より応力をタイヤ周方向に分散させることができることが確認された。
なお、サイドウェアインジケータ26は、タイヤ周方向に等間隔で4つ形成されていたが、タイヤサイド部30のタイヤ周方向における摩耗状態が把握可能な数だけ形成されていればよい。例えば、タイヤ周方向に等間隔で3つ形成されていてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る空気入りタイヤについて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付し、説明を省略する。本実施形態に係る空気入りタイヤ50では、サイドウェアインジケータ52以外の構成は第1実施形態に係るタイヤ10と同一の構成であるため、サイドウェアインジケータ52の構成についてのみ説明する。
次に、第2実施形態に係る空気入りタイヤについて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付し、説明を省略する。本実施形態に係る空気入りタイヤ50では、サイドウェアインジケータ52以外の構成は第1実施形態に係るタイヤ10と同一の構成であるため、サイドウェアインジケータ52の構成についてのみ説明する。
サイドウェアインジケータ52は、第1実施形態に係るサイドウェアインジケータ26と同様にタイヤサイド部30に開口している(図1参照)。また、サイドウェアインジケータ52の開口縁52Bは、図4(A)に示すように、タイヤ周方向に長い楕円状に形成されている。
ここで、サイドウェアインジケータ52の開口面の中心部Pを通るタイヤ径方向の直線を基準線XLとすると、基準線XLから中心部Pの周りに±45度傾けた境界線DL1、DL2より基準線XL側の領域Eの開口縁52Bの曲率半径は、タイヤ径方向の開口縁52Bの曲率半径より大きく、10mm以上に形成されている。本実施形態では一例として20mmとしている。
また、サイドウェアインジケータ52のタイヤ周方向の開口縁52Bは、領域Eの開口縁52Bを緩和曲線で繋いだ形状となっており、サイドウェアインジケータ52の特定の部位に応力が集中しないようになっている。
また、図4(B)に示すように、サイドウェアインジケータ52の断面は半円状に形成されており、底部52Aは曲面で構成されている。さらに、サイドウェアインジケータ52の開口縁52Aは、全周に亘って面取りされている。
次に、本実施形態に係る空気入りタイヤ50の作用について説明する。空気入りタイヤ50に形成されたサイドウェアインジケータ52の領域Eにおける開口縁52Bの曲率半径は、タイヤ周方向の開口縁52Bの曲率半径より大きく、10mm以上に形成されているので、タイヤ50が転動してサイドウォール部22が変形したとき、タイヤ周方向の変形による応力の集中を抑制できる。このため、サイドウェアインジケータ52に作用する主歪がタイヤ周方向へ分散されてクラックの発生が抑制される。
また、底部52Aは、断面が半円状に形成されているので、サイドウォール部22の摩耗に伴って、開口面積が縮小し、底部52Aの近傍まで摩耗すると、サイドウェアインジケータ52を視認できなくなる。従って、サイドウェアインジケータ52が視認できなくなった時点でタイヤ50の交換時期であることを使用者に喚起させることができる。その他の作用については、第1実施形態と同様であるため、省略する。
なお、本実施形態に係るサイドウェアインジケータ52は、底部52Aが曲面で構成されていたが、第1実施形態のサイドウェアインジケータ26と同様に平面の底部としてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る空気入りタイヤについて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付し、説明を省略する。本実施形態に係る空気入りタイヤ60では、サイドウェアインジケータ62以外の構成は第1実施形態に係るタイヤ10と同一の構成であるため、サイドウェアインジケータ62の構成についてのみ説明する。
次に、第3実施形態に係る空気入りタイヤについて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付し、説明を省略する。本実施形態に係る空気入りタイヤ60では、サイドウェアインジケータ62以外の構成は第1実施形態に係るタイヤ10と同一の構成であるため、サイドウェアインジケータ62の構成についてのみ説明する。
サイドウェアインジケータ62は、第1実施形態に係るサイドウェアインジケータ26と同様にタイヤサイド部30に開口している(図1参照)。また、サイドウェアインジケータ62の開口縁62Bは、図5(A)に示すように、タイヤ径方向の開口縁62Bを開口面の内側に凹ませた長円形状に形成されている。
ここで、サイドウェアインジケータ62の開口面の中心部Pと直交するタイヤ径方向の直線を基準線XLとすると、基準線XLから中心部Pの周りに±45度傾けた境界線DL1、DL2より基準線XL側の領域Fの開口縁62Bの曲率半径は、タイヤ周方向の開口縁62Bの曲率半径より大きく、10mm以上に形成されている。本実施形態では一例として20mmとしている。
また、サイドウェアインジケータ62のタイヤ周方向の開口縁62Bは、領域Fの開口縁62Bを緩和曲線で繋いだ形状となっており、サイドウェアインジケータ62の特定に部位に応力が集中しないようになっている。
また、図5(B)に示すように、サイドウェアインジケータ62の底部62Aは、平面となっている。さらに、サイドウェアインジケータ62の開口縁62Aは、全周に亘って面取りされている。
次に、本実施形態に係る空気入りタイヤ60の作用について説明する。空気入りタイヤ60に形成されたサイドウェアインジケータ62の領域Fにおける開口縁62Bは、サイドウェアインジケータ62の開口面の中心部側に凹んだ形状となっており、曲率半径は、タイヤ周方向の開口縁62Bの曲率半径より大きく、10mm以上に形成されている。このため、タイヤ60が転動してサイドウォール部22が変形したとき、サイドウェアインジケータ62のタイヤ径方向の開口縁62Bは、外側に広がるように変形し、全体として長円に近づく。これにより、サイドウェアインジケータ62のタイヤ径方向に作用する主歪がタイヤ周方向へ分散され、クラックの発生を抑制できる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、第1実施形態のサイドウェアインジケータ26と第2実施形態のサイドウェアインジケータ52が同じタイヤに形成されていてもよい。
10 空気入りタイヤ
12 ビード部
20 トレッド
26 サイドウェアインジケータ(凹部)
26A 底部
26B 開口縁
30 タイヤサイド部
50 空気入りタイヤ
52 サイドウェアインジケータ(凹部)
60 空気入りタイヤ
62 サイドウェアインジケータ(凹部)
M タイヤ最大幅部
P 中心部
XL 基準線
DL1 境界線
DL2 境界線
H タイヤセクションハイト
12 ビード部
20 トレッド
26 サイドウェアインジケータ(凹部)
26A 底部
26B 開口縁
30 タイヤサイド部
50 空気入りタイヤ
52 サイドウェアインジケータ(凹部)
60 空気入りタイヤ
62 サイドウェアインジケータ(凹部)
M タイヤ最大幅部
P 中心部
XL 基準線
DL1 境界線
DL2 境界線
H タイヤセクションハイト
Claims (6)
- トレッドとビード部を連結するサイドウォール部に形成され、前記サイドウォール部の摩耗状態を示す凹部を備えた空気入りタイヤであって、
トレッドの表面からビード部の先端までの高さをHとすると、前記凹部は、タイヤ最大幅部よりビード側へ0.2Hの高さ位置からタイヤ最大幅部よりトレッド側へ0.4Hの高さ位置までの領域であるタイヤサイド部に形成され、前記凹部のタイヤ径方向の開口縁の曲率半径は、タイヤ周方向の開口縁の曲率半径より大きく、10mm以上である空気入りタイヤ。 - 前記凹部の開口面の中心部を通るタイヤ径方向の直線を基準線として、少なくとも、前記中心部を通り周方向へ±45度傾いた境界線より前記基準線側の領域において、前記凹部の開口縁の曲率半径が10mm以上に形成されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凹部のタイヤ径方向の開口縁が直線状であり、タイヤ周方向の開口縁が半円形状である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凹部の底部は平面になっている請求項1〜3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凹部は、タイヤの周方向に等間隔に複数形成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凹部の開口縁は、面取りされている請求項1〜5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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