JP2013158670A - 開放循環冷却水系の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レジオネラ属菌を確実に殺菌し、その増殖を抑制して、冷却水中のレジオネラ属菌数を長期間不検出レベルに維持することができ、しかも、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等が繁殖しにくい開放循環冷却水系の処理方法を提供する。
【解決手段】開放循環冷却水系の冷却水に対して、ハロゲン系酸化物による処理を24時間に1時間以上行い、かつ、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]による処理を30日間に1回以上行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、レジオネラ属菌を確実に殺菌し、その増殖を抑制して、冷却水中のレジオネラ属菌数を長期間不検出レベルに維持することができ、しかも、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等が繁殖しにくい開放循環冷却水系の処理方法に関する。
冷却水系などの循環水系において、バイオフィルムは機器や水系周辺の汚染原因となるとともに、冷却水系においては熱交換効率低下の原因になり、その抑制のために様々な技術的提案が行われている。
このような技術のうち、ハロゲン系酸化物による処理は、特表2003−503323号公報(特許文献1)や特表平11−506139号公報(特許文献2)に開示されており、本出願人も特開2009−160505号公報(特許文献3)で水系水におけるスライム抑制方法を提案している。この特許文献3により提案された方法は、低濃度のハロゲン系酸化物を含む薬剤を水系水に添加する技術であり、水系の金属材質に対する腐食を防止しながら極めて効果的にバイオフィルムの抑制が可能となる。このように、ハロゲン系酸化物は細菌類の殺菌、バイオフィルムの成長抑制には極めて有効である。
ここで、開放循環冷却水系では、バイオフィルムの抑制の他に、レジオネラ属菌に対する除菌効果も求められる。
上記のようなハロゲン系酸化物は、実験室での試験ではレジオネラ属菌に対して優れた殺菌作用を示すが、実際の開放循環冷却水系をハロゲン系酸化物で処理してみると、充分な殺菌、抑制効果が得られない場合が多く、驚くべきことに、遊離残留塩素濃度として2mg/Lを維持してもレジオネラ属菌を殺菌できない水系も存在する。
さらに、ハロゲン系酸化物の水系への添加を長期間継続すると、塩素剤に対して強い耐性を示すメチロバクテリウム等の細菌類や真菌類等が繁殖し、バイオフィルムを形成する恐れがある。
一方、有機系の各種の殺菌剤は、レジオネラ属菌の殺菌処理に古くから使われており、高濃度で添加したり、連続的に水系に添加することにより、レジオネラ属菌を効果的に殺菌、その増殖を抑制することができるとされている。このような技術は、特開平7−80468号公報(特許文献4)、特開平11−57737号公報(特許文献5)、特開2009−227584号公報(特許文献6)等で開示されている。
しかし、一般に有機系の殺菌剤は、バイオフィルムに対する殺菌効果や剥離効果が弱いので、間欠的な処理で一時的に水中に浮遊しているレジオネラ属菌が不検出になった場合でも、水系内にバイオフィルムが残存し、これがレジオネラ属菌繁殖の温床となって、比較的短期間でレジオネラ属菌が水中に検出されるようになる。また、ある種の有機系殺菌剤はアメーバの嚢子やカビの胞子に対する効果が弱く、特にアメーバを殺滅しきれない場合には生残したアメーバ内でレジオネラ属菌が増殖するため、レジオネラ属菌の除菌効果が充分に得られない。加えて、有機系殺菌剤はハロゲン系酸化物と比較して耐性菌や耐性を持った藻類が繁殖しやすいという欠点も有する。
従って、レジオネラ属菌を確実に殺菌し、その増殖を抑制して、冷却水中のレジオネラ属菌数を長期間不検出レベルに維持することができ、しかも、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等が繁殖しにくい開放循環冷却水系の処理方法が求められていた。
特表2003−503323号公報 特表平11−506139号公報 特開2009−160505号公報 特開平7−80468号公報 特開平11−57737号公報 特開2009−227584号公報
本発明は、上記課題を解決する、すなわち、レジオネラ属菌を確実に殺菌し、その増殖を抑制して、冷却水中のレジオネラ属菌数を長期間不検出レベルに維持することができ、しかも、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等が繁殖しにくい開放循環冷却水系の処理方法を提供することを目的とする。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、上記課題を解決するために、請求項1に記載の通り、開放循環冷却水系の冷却水に対して、ハロゲン系酸化物による処理を24時間に1時間以上行い、かつ、有機系殺菌剤による処理を30日間に1回以上行う、開放循環冷却水系の処理方法であって、該有機系殺菌剤による処理が、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を、前記冷却水に添加する処理であることを特徴とする開放循環冷却水系の処理方法である。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、請求項2に記載の通り、請求項1に記載の開放循環冷却水系の処理方法において、前記有機系殺菌剤による処理が、前記ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を、前記冷却水系の保有水量に対する添加濃度が、有効成分濃度として1mg/L以上200mg/L以下となるように添加する処理であり、かつ、該有機系殺菌剤による処理を、2日間ないし30日間に1回行うことを特徴とする。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、請求項3に記載の通り、請求項1または請求項2に記載の開放循環冷却水系の処理方法において、前記有機系殺菌剤による処理が、前記ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]とともに、イソチアゾリン系化合物を前記冷却水に添加する処理であることを特徴とする。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、請求項4に記載の通り、請求項3に記載の開放循環冷却水系の処理方法において、前記有機系殺菌剤による処理が、前記ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を、前記冷却水系の保有水量に対する添加濃度が、有効成分濃度として1mg/L以上200mg/L以下となるように添加するとともに、前記イソチアゾリン系化合物を、前記冷却水系の保有水量に対する添加濃度が、有効成分濃度として0.1mg/L以上50mg/L以下となるように添加する処理であり、かつ、該有機系殺菌剤による処理を、2日間ないし30日間に1回行うことを特徴とする。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、請求項5に記載の通り、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の開放循環冷却水系の処理方法において、前記ハロゲン系酸化物による処理が、水中で遊離塩素を生成する物質を前記冷却水に添加し、該冷却水中の酸化力を遊離残留塩素濃度として0.01mg/L以上5mg/L以下の範囲に維持する処理であることを特徴とする。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、請求項6に記載の通り、請求項5に記載の開放循環冷却水系の処理方法において、前記ハロゲン系酸化物による処理が、水中で遊離塩素を生成する物質を前記冷却水に添加し、該冷却水中の酸化力を遊離残留塩素濃度として0.01mg/L以上1mg/L以下の範囲に維持する処理であり、かつ、該ハロゲン系酸化物による処理を常時行うことを特徴とする。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、請求項7に記載の通り、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の開放循環冷却水系の処理方法において、前記ハロゲン系酸化物による処理が、水中で結合塩素を生成する物質を前記冷却水に添加し、該冷却水中の酸化力を全残留塩素濃度として0.5mg/L以上100mg/L以下の範囲に維持する処理であることを特徴とする。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、請求項8に記載の通り、請求項7に記載の開放循環冷却水系の処理方法において、前記ハロゲン系酸化物による処理が、水中で結合塩素を生成する物質を前記冷却水に添加し、該冷却水中の酸化力を全残留塩素濃度として0.5mg/L以上10mg/L以下の範囲に維持する処理であり、かつ、該ハロゲン系酸化物による処理を常時行うことを特徴とする。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法によれば、ハロゲン系酸化物による処理と有機系殺菌剤による処理を併用する際に、有機系殺菌剤として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を使用することで、レジオネラ属菌を確実に殺菌し、その増殖を抑制して、冷却水中のレジオネラ属菌数を長期間不検出レベルに維持することができ、しかも、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等が繁殖しにくい開放循環冷却水系とすることができる。
このとき、有機系殺菌剤による処理として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を、冷却水系の保有水量に対する添加濃度が、有効成分濃度として1mg/L以上200mg/L以下となるように添加する処理を、2日間ないし30日間に1回行うことにより、少ない有機系殺菌剤の添加量で、レジオネラ属菌の殺菌、抑制効果を長期間持続することができ、さらに、メチロバクテリウム等の塩素耐性菌の繁殖を抑制することが可能となる。
さらに、有機系殺菌剤による処理として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]と、イソチアゾリン系化合物とを併用することで、長期間のレジオネラ属菌の殺菌、抑制効果に加えて、塩素耐性菌や有機系殺菌剤に耐性を持った細菌類、藻類、真菌類等の繁殖抑制効果も充分なものとなる。
特に、有機系殺菌剤による処理として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を冷却水系の保有水量に対する有効成分濃度として1mg/L以上200mg/L以下、イソチアゾリン系化合物を冷却水系の保有水量に対する有効成分濃度として0.1mg/L以上50mg/L以下の濃度で添加する処理を、2日間ないし30日間に1回行うことにより、少ない有機系殺菌剤の添加量で、レジオネラ属菌の殺菌、抑制効果を長期間、確実に得ることができ、また、各種耐性菌等の繁殖も充分に抑制できるので、開放循環冷却水系の各種微生物障害の防止方法として有用である。
本発明において、ハロゲン系酸化物として水中で遊離塩素を生成する物質を使用し、冷却水中の酸化力を遊離残留塩素濃度として0.01mg/L以上5mg/L以下の範囲に24時間に1時間以上維持する処理を行うことで、レジオネラ属菌繁殖の温床となるバイオフィルムの付着、成長を有効に抑制することができ、また、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等の繁殖も有効に抑えることができる。
さらに、冷却水中の酸化力を遊離残留塩素濃度として0.01mg/L以上1mg/L以下の範囲に常時維持することで、水系で用いられる機器などの軟鋼や銅などの金属に対する腐食を抑制しつつ、バイオフィルムの付着、成長を極めて効果的に抑制できるので、レジオネラ属菌数を長期間不検出レベルに維持することが可能となる。また、耐性菌、耐性藻類、真菌類等の繁殖も充分に抑えることができる。
また、ハロゲン系酸化物として水中で結合塩素を生成する物質を使用することで、冷却水中に酸化力を維持することが容易となり、このとき、冷却水中の酸化力を全残留塩素濃度として0.5mg/L以上100mg/L以下の範囲に24時間に1時間以上維持することで、レジオネラ属菌繁殖の温床となるバイオフィルムの付着、成長を効果的に抑制することができる。また、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等の繁殖も、より有効に抑えることができる。
加えて、冷却水中の酸化力を全残留塩素濃度として0.5mg/L以上10mg/L以下の範囲に常時維持することで、水系で用いられる機器などの軟鋼や銅などの金属に対する腐食をより効果的に防ぎながら、レジオネラ属菌数を、より確実に不検出レベルに維持することが可能となり、また、耐性菌、耐性藻類、真菌類等の繁殖も、より確実に抑えることができる。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、上述のように、開放循環冷却水系の冷却水に対して、ハロゲン系酸化物による処理を24時間に1時間以上行い、かつ、特定の有機系殺菌剤による処理を30日間に1回以上行うことを特徴とする開放循環冷却水系の処理方法である。
本発明において、ハロゲン系酸化物としては、水中で酸化力を示すハロゲン系酸化物であれば良く、具体的には、水中で遊離塩素を生成する物質及び水中で結合塩素を生成する物質から選択される少なくとも1種の物質を用いる。
水中で遊離塩素を生成する物質とは、その物質を添加した水系水をJIS K0101 28に記載の残留塩素測定法により測定した際に、遊離残留塩素が検出される物質のことであり、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜臭素酸ナトリウム等の次亜ハロゲン酸塩、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸等のハロゲン化イソシアヌル酸、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−エチルメチルヒダントイン、及び、1,3−ジクロロ−5,5−ジエチルヒダントイン等のハロゲン化ヒダントイン等を挙げることができる。
また、水中で結合塩素を生成する物質とは、その物質を添加した水系水をJIS K0101 28に記載の残留塩素測定法により測定した際に、結合残留塩素が検出される物質のことであり、例えば、モノクロラミン、ジクロラミン、トリクロラミン、クロラミンB(ベンゼンスルホンクロラミドナトリウム塩)、及び、クロラミンT(N−クロロ−p−トルエンスルホンアミドナトリウム塩)等のクロラミン類、及び、安定化次亜ハロゲン酸塩等を挙げることができる。
安定化次亜ハロゲン酸塩としては、特表2003−503323号公報(特許文献1)や特表平11−506139号公報(特許文献2)に開示されているように、次亜塩素酸塩とスルファミン酸塩とから得られる安定化次亜塩素酸塩、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム等から1種以上選ばれる臭素イオン源、次亜塩素酸塩、及び、スルファミン酸塩から得られる安定化次亜臭素酸塩、または、これらの混合物を用いることができる。
また、水中で結合塩素を生成する物質として、予めアンモニアが存在している水系に次亜ハロゲン酸塩を添加して、水系中でクロラミン類を生成させたり、予めスルファミン酸塩が存在している水系に次亜ハロゲン酸塩を添加して、水系中で安定化次亜ハロゲン酸塩を生成させても良く、この場合も本発明に含まれる。
ここで、次亜ハロゲン酸塩などの水中で遊離塩素を生成する物質の場合、冷却水中の有機物などと反応して速やかに分解してしまうため、有効濃度を一定レベルに維持するのが難しく、その結果、濃度低下のために充分な微生物抑制効果が得られなかったり、あるいは、過剰添加により重要な機器に腐食が生じたりするおそれがある。一方、水中で結合塩素を生成する物質、特に、次亜ハロゲン酸塩とスルファミン酸塩とを反応させて得られる安定化次亜ハロゲン酸塩は、冷却水中での分解速度が遅く、その濃度変化が少ないので、有効濃度の維持が容易であり、結果として安定した効果が得られるので好ましい。
開放循環冷却水系の冷却水に、これらハロゲン系酸化物を添加するハロゲン系酸化物による処理は、レジオネラ属菌繁殖の温床となるバイオフィルムの付着、成長を効果的に抑制し、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等の繁殖を有効に抑えるためには、24時間に少なくとも1時間以上行う必要がある。充分な微生物抑制効果を得るためには、高濃度のハロゲン系酸化物による処理が好ましいが、高濃度のハロゲン系酸化物を冷却水に添加すると、冷却水系を構成する機器、配管等の金属材質が腐食するリスクが高まる。従って、比較的低濃度のハロゲン系酸化物で常時連続的に処理することが、レジオネラ属菌の殺菌と、耐性菌、耐性藻類、真菌類等の繁殖抑制を維持しながら、金属材質の腐食を低レベルに制御するためには好ましい。
そこで、水中で遊離塩素を生成する物質で処理するときのハロゲン系酸化物の濃度は、24時間に1時間、あるいはそれよりも長く、間欠的に処理を行う場合には冷却水中の酸化力を遊離残留塩素濃度として0.01mg/L以上5mg/L以下の範囲に維持するように、また、常時連続的に処理を行う場合には冷却水中の酸化力を遊離残留塩素濃度として0.01mg/L以上1mg/L以下の範囲に維持するように、添加量を調整する。なお、遊離残留塩素の測定は、JIS K0101 28に準拠した方法で実施する。また、JIS K0101 28に記載の方法と同様の測定結果が得られる方法であれば、遊離残留塩素濃度測定電極や、その他の測定機器を用いて測定しても構わない。
水中で遊離塩素を生成する物質を用いてハロゲン系酸化物による処理を行う場合の、より好ましい処理方法は、冷却水中の酸化力を遊離残留塩素濃度として0.01mg/L以上0.1mg/L以下の範囲に常時維持する方法であり、この方法によると、レジオネラ属菌繁殖の温床となるバイオフィルムの付着、成長を効果的に抑制し、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等の繁殖を有効に抑えるとともに、冷却水系を構成する機器、配管等の腐食リスクを極めて低レベルに抑えることができる。
一方、水中で結合塩素を生成する物質で処理するときのハロゲン系酸化物の濃度は、24時間に1時間、あるいはそれよりも長く、間欠的に処理を行う場合には冷却水中の酸化力を全残留塩素濃度として0.5mg/L以上100mg/L以下の範囲に維持するように、また、常時連続的に処理を行う場合には冷却水中の酸化力を全残留塩素濃度として0.5mg/L以上10mg/L以下の範囲に維持するように、添加量を調整する。なお、全残留塩素の測定は、JIS K0101 28に準拠した方法で実施する。また、JIS K0101 28に記載の方法と同様の測定結果が得られる方法であれば、全残留塩素濃度測定電極や、その他の測定機器を用いて測定しても構わない。
水中で結合塩素を生成する物質を用いてハロゲン系酸化物による処理を行う場合の、より好ましい処理方法は、水中で結合塩素を生成する物質として次亜ハロゲン酸塩とスルファミン酸塩とを反応させて得られる安定化次亜ハロゲン酸塩を用いる方法であり、このとき、冷却水中の酸化力を全残留塩素濃度として1mg/L以上2mg/L以下の範囲に常時維持することがさらに好ましい。安定化次亜ハロゲン酸塩は、他のハロゲン系酸化物と比較して冷却水中で安定であり、冷却水中の酸化力を低濃度レベルに維持するのに適している。従って、この方法によると、レジオネラ属菌繁殖の温床となるバイオフィルムの付着、成長を効果的に抑制し、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類等の繁殖を有効に抑えるとともに、冷却水系を構成する機器、配管等の腐食リスクを極めて低レベルに抑えるという効果を、より確実に発揮させることができる。
本発明において行う有機系殺菌剤による処理は、レジオネラ属菌の殺菌、抑制効果を長期間維持するためには、30日間に1回以上行う必要がある。このとき、2日間よりも短い期間に1回の割合での有機系殺菌剤による処理、あるいは、継続した有機系殺菌剤による処理を行うことは、薬剤を多量に消費するにもかかわらず、その消費量の増加に見合った効果の増大は得られにくい。
本発明で有機系殺菌剤として使用する、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]の添加濃度は、冷却水系の保有水量に対する有効成分濃度として1mg/L以上200mg/L以下であり、有機系殺菌剤による処理1回につき当該濃度に相当する量の薬剤を冷却水に一括投入する。このような処理を2日間ないし30日間に1回行うことで、確実かつ効果的に長期間にわたってレジオネラ属菌数を不検出レベルに維持することができる。より好ましいポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]の添加濃度は5mg/L以上50mg/L以下である。
また、本発明でポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]と併用するイソチアゾリン系化合物としては、たとえば5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、及び、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが挙げられ、これらから少なくとも1種を選択し、冷却水系の保有水量に対するイソチアゾリン系化合物の合計濃度が0.1mg/L以上50mg/L以下となるように冷却水に添加する。より好ましいイソチアゾリン系化合物の添加濃度は0.5mg/L以上20mg/L以下である。
有機系殺菌剤としてポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]とイソチアゾリン系化合物とを併用する場合、冷却水への両薬剤の添加は、両薬剤が同時に冷却水中に残存する状態を作り出せる限りにおいて、同時に行っても、別々の日時に行っても構わない。但し、両薬剤を併用することによる微生物に対する相乗効果を最大限に発揮させるためには、ほぼ同時刻に添加することが好ましい。この際、両薬剤を別々に添加しても、両薬剤を混合し一液化した薬剤を添加しても同様の効果を得ることができる。
このように、本発明における有機系殺菌剤による処理を、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]とイソチアゾリン系化合物との併用処理とし、その頻度を2日間ないし30日間に1回とすることで、長期間のレジオネラ属菌の殺菌、抑制効果を一層確実にし、塩素耐性菌の繁殖を抑えるとともに、有機系殺菌剤に耐性を持った細菌類、藻類、真菌類等の繁殖抑制効果も充分なものとなる。
上記したハロゲン系酸化物による処理と、特定の有機系殺菌剤による処理を併用することで、レジオネラ属菌を確実に不検出レベルに殺菌し、その増殖を抑制することができ、その効果を長期間持続させることができる。しかも、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類、あるいは、メチロバクテリウム等の強い塩素耐性を示す細菌類等の繁殖も効果的に抑えることができるので、開放循環冷却水系の微生物制御方法として非常に有用である。
本発明の開放循環冷却水系の処理方法は、さらにその特性を改良するなどの目的で、本発明の効果が損なわれない限り、例えばアクリル酸系、マレイン酸系、メタクリル酸系、スルホン酸系、イタコン酸系、または、イソブチレン系の各重合体やこれらの共重合体、燐酸系重合体、有機ホスホン酸、有機ホスフィン酸、あるいはこれらの水溶性塩などのスケール防止剤、例えばベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール等のアゾール類、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン系化合物、例えばニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン酸系化合物、例えばグルコン酸、クエン酸、シュウ酸、ギ酸、酒石酸、フィチン酸、琥珀酸、乳酸等の有機カルボン酸など、各種の水処理剤を併用することができ、その場合も本発明に含まれる。
特に、アゾール類等の防食剤を併用することにより、ハロゲン系酸化物の使用による銅管の腐食を効果的に抑制することができるので、好ましい。
以下に、本発明の開放循環冷却水系の処理方法の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<実施例1 冷却塔模擬試験装置による評価>
1ヶ月間の無処理運転により、レジオネラ属菌を定着させた冷却塔模擬試験装置(屋外に設置:保有水量は60Lでポンプにより循環しており、電熱ヒーターで循環水温を35℃に調節、試験期間は7月から9月)7台を使用して条件1から条件7の処理条件で薬剤を添加し、8週間にわたりレジオネラ属菌数およびアメーバ数の推移を調査した。また、8週間後に冷却塔内の充填材を目視観察するとともに充填材への付着物を採取し、顕微鏡観察を行った。条件1から条件5(比較例)の結果を表1に、条件6、条件7(実施例)の結果を表2に示す。
[条件1(遊離残留塩素による単独処理)]
次亜塩素酸ナトリウムの12重量%溶液を、冷却水中の酸化力が遊離残留塩素濃度として1mg/L以上2mg/L以下の範囲を1日に1時間維持するように添加した。1週間に1回、採水当日の次亜塩素酸ナトリウム添加前に冷却水を採水し、レジオネラ属菌数およびアメーバ数を測定した。
[条件2(結合残留塩素による単独処理)]
次亜塩素酸ナトリウム7重量%とスルファミン酸ナトリウム20重量%とを含有する安定化次亜塩素酸ナトリウム製剤を、冷却水中の酸化力が全残留塩素濃度として1mg/L以上2mg/L以下の範囲を常時維持するように添加した。1週間に1回、冷却水を採水し、レジオネラ属菌数およびアメーバ数を測定した。
[条件3(ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]とイソチアゾリン系化合物との混合製剤による単独処理)]
有機系殺菌剤として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライドを10重量%、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを0.3重量%、それぞれ含有する混合製剤を、1週間に1回、18gずつ添加した。このときの添加濃度は、保有水量に対する有効成分濃度として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライドが30mg/L、イソチアゾリン系化合物の合計濃度が3.9mg/Lである。毎週、上記混合製剤を添加する日の薬剤添加前に冷却水を採水し、レジオネラ属菌数およびアメーバ数を測定した。
[条件4(遊離残留塩素による処理とイソチアゾリン系化合物による処理とを併用)]
次亜塩素酸ナトリウムの12重量%溶液を、冷却水中の酸化力が遊離残留塩素濃度として1mg/L以上2mg/L以下の範囲を1日に1時間維持するように添加するとともに、有機系殺菌剤として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを10重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを3重量%、それぞれ含有するイソチアゾリン製剤を、1週間に1回、3gずつ添加した。このときの添加濃度は、保有水量に対するイソチアゾリン系化合物の合計濃度として、6.5mg/Lである。毎週、イソチアゾリン製剤を添加する日の薬剤添加前に冷却水を採水し、レジオネラ属菌数およびアメーバ数を測定した。
[条件5(結合残留塩素による処理とグルタルアルデヒドによる処理とを併用)]
次亜塩素酸ナトリウム7重量%とスルファミン酸ナトリウム20重量%とを含有する安定化次亜塩素酸ナトリウム製剤を、冷却水中の酸化力が全残留塩素濃度として1mg/L以上2mg/L以下の範囲を常時維持するように添加するとともに、有機系殺菌剤として、グルタルアルデヒドの20重量%溶液を、1週間に1回、6gずつ添加した。このときの添加濃度は、保有水量に対する有効成分濃度として、20mg/Lである。毎週、グルタルアルデヒドを添加する日の薬剤添加前に冷却水を採水し、レジオネラ属菌数およびアメーバ数を測定した。
[条件6(遊離残留塩素による処理とポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]による処理とを併用)]
次亜塩素酸ナトリウムの12重量%溶液を、冷却水中の酸化力が遊離残留塩素濃度として1mg/L以上2mg/L以下の範囲を1日に1時間維持するように添加するとともに、有機系殺菌剤として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]の10重量%溶液を、1週間に1回、12gずつ添加した。このときの添加濃度は、保有水量に対する有効成分濃度として、20mg/Lである。毎週、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を添加する日の薬剤添加前に冷却水を採水し、レジオネラ属菌数およびアメーバ数を測定した。
[条件7(結合残留塩素による処理とポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]とイソチアゾリン系化合物との混合製剤による処理とを併用)]
次亜塩素酸ナトリウム7重量%とスルファミン酸ナトリウム20重量%とを含有する安定化次亜塩素酸ナトリウム製剤を、冷却水中の酸化力が全残留塩素濃度として1mg/L以上2mg/L以下の範囲を常時維持するように添加するとともに、有機系殺菌剤として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライドを10重量%、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを0.3重量%、それぞれ含有する混合製剤を、1週間に1回、6gずつ添加した。このときの添加濃度は、保有水量に対する有効成分濃度として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライドが10mg/L、イソチアゾリン系化合物の合計濃度が1.3mg/Lである。毎週、上記混合製剤を添加する日の薬剤添加前に冷却水を採水し、レジオネラ属菌数およびアメーバ数を測定した。
Figure 2013158670
Figure 2013158670
表1より、遊離塩素や結合塩素による単独処理では、レジオネラ属菌やアメーバを殺滅する効果は殆ど得られず、塩素剤に強い細菌類や真菌類の繁殖を抑えることができないことが、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]とイソチアゾリン系化合物との混合製剤による単独処理では、レジオネラ属菌やアメーバを長期間不検出とすることができず、バイオフィルムの付着抑制効果も充分ではないことが判る。また、ハロゲン系酸化物とイソチアゾリン系化合物やグルタルアルデヒドを併用した場合にも、レジオネラ属菌やアメーバの抑制効果は長期間持続せず、各有機系殺菌剤に耐性を持った藻類や真菌類の繁殖を抑制できなかった。
一方、表2より、本発明の開放循環冷却水系の処理方法であるハロゲン系酸化物とポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]との併用処理を行うことで、レジオネラ属菌やアメーバに対する殺菌、抑制効果を長期間持続することができ、特に、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]とともに、イソチアゾリン系化合物を添加することで、試験期間中、レシオネラ属菌、アメーバともに不検出レベルを維持することができた。しかも、この処理条件では、他の微生物の充填材への付着も全く認められなかった。
<実施例2 実機冷却水系での評価>
茨城県内にある空調用冷却水系(冷凍能力500RT、保有水量20m3)で、次亜塩素酸ナトリウムの12重量%溶液を連続的に注入し、冷却水中の遊離残留塩素濃度を常時0.3mg/L以上0.6mg/L以下の範囲に維持するとともに、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを10重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを3重量%、それぞれ含有するイソチアゾリン製剤を、2週間に1回、2kg(保有水量に対するイソチアゾリン系化合物の合計濃度で13mg/L)ずつ添加する処理を2ヶ月間継続した。この間、冷却水中のレジオネラ属菌数に減少は認められず、102個/100mLオーダーを維持したままであった。そこで、遊離塩素による処理は継続したまま、上記イソチアゾリン製剤を添加する処理に替えて、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライドを10重量%、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを2重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを0.6重量%、それぞれ含有する混合製剤を、2週間に1回、4kgずつ添加する処理に変更した。このときの添加濃度は、保有水量に対する有効成分濃度として、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライドが20mg/L、イソチアゾリン系化合物の合計濃度が5.2mg/Lである。処理変更1週間後には、レジオネラ属菌は不検出(10個/100mL未満)となり、その後3ヶ月間、不検出の状態を継続した。また、この間、冷却塔充填材に付着物は認められず、清浄な状態が保たれた。
以上の結果から、本発明の開放循環冷却水系の処理方法によれば、レジオネラ属菌を確実に不検出レベルに殺菌し、その増殖を抑制することができ、しかもその効果を長期間持続させることができること、加えて、薬剤耐性菌や薬剤耐性を持った藻類、真菌類、あるいは、メチロバクテリウム等の強い塩素耐性を示す細菌類等の繁殖も効果的に抑えることができることが理解される。

Claims (8)

  1. 開放循環冷却水系の冷却水に対して、ハロゲン系酸化物による処理を24時間に1時間以上行い、かつ、有機系殺菌剤による処理を30日間に1回以上行う、開放循環冷却水系の処理方法であって、該有機系殺菌剤による処理が、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を、前記冷却水に添加する処理であることを特徴とする開放循環冷却水系の処理方法。
  2. 前記有機系殺菌剤による処理が、前記ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を、前記冷却水系の保有水量に対する添加濃度が、有効成分濃度として1mg/L以上200mg/L以下となるように添加する処理であり、かつ、該有機系殺菌剤による処理を、2日間ないし30日間に1回行うことを特徴とする請求項1に記載の開放循環冷却水系の処理方法。
  3. 前記有機系殺菌剤による処理が、前記ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]とともに、イソチアゾリン系化合物を前記冷却水に添加する処理であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の開放循環冷却水系の処理方法。
  4. 前記有機系殺菌剤による処理が、前記ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]を、前記冷却水系の保有水量に対する添加濃度が、有効成分濃度として1mg/L以上200mg/L以下となるように添加するとともに、前記イソチアゾリン系化合物を、前記冷却水系の保有水量に対する添加濃度が、有効成分濃度として0.1mg/L以上50mg/L以下となるように添加する処理であり、かつ、該有機系殺菌剤による処理を、2日間ないし30日間に1回行うことを特徴とする請求項3に記載の開放循環冷却水系の処理方法。
  5. 前記ハロゲン系酸化物による処理が、水中で遊離塩素を生成する物質を前記冷却水に添加し、該冷却水中の酸化力を遊離残留塩素濃度として0.01mg/L以上5mg/L以下の範囲に維持する処理であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の開放循環冷却水系の処理方法。
  6. 前記ハロゲン系酸化物による処理が、水中で遊離塩素を生成する物質を前記冷却水に添加し、該冷却水中の酸化力を遊離残留塩素濃度として0.01mg/L以上1mg/L以下の範囲に維持する処理であり、かつ、該ハロゲン系酸化物による処理を常時行うことを特徴とする請求項5に記載の開放循環冷却水系の処理方法。
  7. 前記ハロゲン系酸化物による処理が、水中で結合塩素を生成する物質を前記冷却水に添加し、該冷却水中の酸化力を全残留塩素濃度として0.5mg/L以上100mg/L以下の範囲に維持する処理であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の開放循環冷却水系の処理方法。
  8. 前記ハロゲン系酸化物による処理が、水中で結合塩素を生成する物質を前記冷却水に添加し、該冷却水中の酸化力を全残留塩素濃度として0.5mg/L以上10mg/L以下の範囲に維持する処理であり、かつ、該ハロゲン系酸化物による処理を常時行うことを特徴とする請求項7に記載の開放循環冷却水系の処理方法。
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