JP2013158077A - マルチレベル電力変換器 - Google Patents

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正和 宗島
Takehisa Koganezawa
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Abstract

【課題】電圧均一回路を用いることなく、半導体素子の必要個数を減らし、装置の小型化及びコスト低減ができるマルチレベル電力変換器を提供する。
【解決手段】直流電源VDCと、該VDCの正、負極端間に直列接続された、リアクトルL1,スイッチング素子S9,S10,コンデンサC1,スイッチング素子S11,S12と、前記C1の両端間に各々接続されたS1,S2とS3,S4と、前記VDCの正、負極端間に直列接続された、リアクトルL2,スイッチング素子S13,S14,コンデンサC2,スイッチング素子S15,S16と、前記C2の両端間に各々接続されたS5,S6とS7,S8と、前記S1〜S16のオン、オフ制御によってマルチレベル電圧を切り換える制御手段とを備え、前記S3,S4の共通接続点とS5,S6の共通接続点を共通に接続し、前記S1,S2の共通接続点と、S7,S8の共通接続点とを交流出力端子A,Bとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、マルチレベルの相電圧が出力可能で、且つ1個の直流電圧源で動作する電力変換回路に係り、直流電源から複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器に関する。
従来、マルチレベル電力変換器として、例えば非特許文献1に記載の5レベルインバータが知られている。図13は非特許文献1に記載の5レベルインバータの主回路1相分の構成図を示している。図13の回路において、5レベルインバータ1の直流側に設けたダイオード整流器2の直流出力電圧を4分圧するために4台の直流リンクコンデンサCdc1〜Cdc4が直列接続され、これらコンデンサCdc1〜Cdc4に蓄えられたエネルギーを用いて、インバータ1には5分圧に対応する5レベルの電位を有する交流出力が生成される。
上記の5レベルインバータ1の動作を説明する。コンデンサCdc1〜Cdc4で分圧する電圧の中性点をM点とし、インバータ1の出力端をA点とし、直流電圧を均一に4分圧した電圧をEとすると、スイッチング素子S1〜S8を以下のオン・オフパターン制御の組み合わせ(スイッチングモードSM1〜SM5)によって制御することで、端子間A−Mに5レベルの電圧出力が生成される。
(SM1)S1,S2,S3とS4がオン、S5,S6,S7とS8がオフのとき、端子間A−Mには電圧+2Eが出力される。
(SM2)S2,S3,S4とS5がオン、S1,S6,S7とS8がオフのとき、端子間A−Mには電圧+Eが出力される。
(SM3)S3,S4,S5とS6がオン、S1,S2,S7とS8がオフのとき、端子間A−Mには電圧0が出力される。
(SM4)S4,S5,S6とS7がオン、S1,S2,S3とS8がオフのとき、端子間A−Mには電圧−Eが出力される。
(SM5)S5,S6,S7とS8がオン、S1,S2,S3とS4がオフのとき、端子間A−Mには電圧−2Eが出力される。
Kazunori Hasegawa,Hirohumi Akagi,"Voltage Balancing of the Four Split DC Capacitors for a Five−Level Diode−Clanped PWM Inverter with a Front−End Diode Rectifier",international Power Electronics Conference (IPEC),IEEJ/IEEE,pp.734−739,Jun,2010
前記の図13の構成では、5レベルインバータの直流側の電源電圧(ダイオード整流器2の出力電圧)を4分圧するために4つの直流リンクコンデンサCdc1〜Cdc4が直列接続されており、これらのコンデンサに蓄えられたエネルギーを用いて5レベル電圧の交流出力が生成される。
原理上、出力電圧波形に合わせた電圧レベルとなるように、5レベルインバータには有効電力が流入もしくは流出するため、4つのコンデンサCdc1〜Cdc4に生じる直流電圧の各平均値が等しくならないという問題が発生する。交流出力の各レベルについての波高を全て等しくするためには、各コンデンサCdc1〜Cdc4に生じる直流電圧の平均値が全て等しくなるよう制御する必要がある。
そのため、図13に示す非特許文献1の回路では、各コンデンサCdc1〜Cdc4に生じる直流電圧の平均値を昇降圧チョッパ動作によって均一にするための電圧均一回路3をインバータ1の直流側に設けている。この電圧均一回路3は、半導体スイッチの他に、結合巻線をもつ大型の直流リアクトルLCや逆流阻止用ダイオードを必要とし、これら回路素子の増加が装置の大形化及びコスト高になるという問題があった。
また、図13に示す5レベルインバータ1には、半導体スイッチの他に、高耐圧大電流容量のクランプ用ダイオードを多く必要とし、それらが回路の大形化及びコスト高の要因になる。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、電圧均一回路を用いることなく、半導体素子の必要個数を減らし、装置の小型化及びコスト低減ができるマルチレベル電力変換器を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1記載のマルチレベル電力変換器は、直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、直流電源と、前記直流電源の正、負極端間に順次直列に接続された第1のリアクトル、互いに逆の耐圧方向に制御できる第1のスイッチング手段、第1のコンデンサおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第2のスイッチング手段と、前記直流電源の正、負極端間に順次直列に接続された第2のリアクトル、互いに逆の耐圧方向に制御できる第3のスイッチング手段、第2のコンデンサおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第4のスイッチング手段と、前記第1のコンデンサの両端間に直列接続された第1および第2のスイッチング素子と、前記第1のコンデンサの両端間に直列接続された第3および第4のスイッチング素子と、前記第2のコンデンサの両端間に直列接続された第5および第6のスイッチング素子と、前記第2のコンデンサの両端間に直列接続された第7および第8のスイッチング素子と、前記第1〜第8のスイッチング素子をオン、オフ制御することと、前記第1〜第4のスイッチング手段を前記直流電源と第1および第2のコンデンサの電圧に応じてオン、オフ制御することによって複数の電圧レベルを出力させる制御手段とを備え、前記第3および第4のスイッチング素子の共通接続点と前記第5および第6のスイッチング素子の共通接続点を共通に接続し、前記第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子の第1の共通接続点と、前記第7のスイッチング素子および第8のスイッチング素子の第2の共通接続点とを複数の電圧レベルの交流出力端としたことを特徴としている。
上記構成により、従来のような電圧均一回路を用いることなく交流出力の各電圧レベルの波高値を等しくすることができ、且つ少ない素子数でマルチレベル電力変換器を実現することができる。
また、第1および第2のコンデンサの電圧を小さい電圧に制御した場合でも高調波の少ない複数の電圧レベルを出力させることが可能となり、スイッチング損失も低減することができる。
また、第1〜第4のスイッチング手段のオン、オフ制御によって第1および第2のコンデンサの合計電圧を可変制御することができる。これによって、直流電源電圧に対して任意の複数の電圧レベルの出力が可能となり、直流電源電圧と出力電圧のマッチングを取ったスイッチング損失を最小限に低減することができる。
また、請求項2に記載のマルチレベル電力変換器は、請求項1において、前記第1および第2のリアクトル、第1〜第4のスイッチング手段、第1〜第8のスイッチング素子、第1および第2のコンデンサによってマルチレベル電圧変換部を構成し、前記マルチレベル電圧変換部を三相交流の各相に各々設け、前記三相各相のマルチレベル電圧変換部の第1の共通接続点どうしを中性点として共通接続し、前記第2の共通接続点をU相、V相、W相の各出力端としたことを特徴としている。
上記構成により、少ない素子数でY結線接続による三相のマルチレベル電力変換器を実現することができる。
また請求項3に記載のマルチレベル電力変換器は、請求項1において、前記第1および第2のリアクトル、第1〜第4のスイッチング手段、第1〜第8のスイッチング素子、第1および第2のコンデンサによってマルチレベル電圧変換部を構成し、前記マルチレベル電圧変換部を三相交流の各相に各々設け、U相のマルチレベル電圧変換部の第2の共通接続点とV相のマルチレベル電圧変換部の第1の共通接続点をU相の出力端とし、V相のマルチレベル電圧変換部の第2の共通接続点とW相のマルチレベル電圧変換部の第1の共通接続点をV相の出力端とし、W相のマルチレベル電圧変換部の第2の共通接続点とU相のマルチレベル電圧変換部の第1の共通接続点をW相の出力端としたことを特徴としている。
上記構成により、少ない素子数でΔ結線接続による三相のマルチレベル電力変換器を実現することができる。
また、請求項4に記載のマルチレベル電力変換器は、請求項1、2、3の装置において、前記制御手段のオン、オフ制御は、同一電圧レベルの出力時に前記第1のコンデンサを充電又は放電させる制御モードと第2のコンデンサを充電又は放電させる制御モードとを有していることを特徴としている。
上記構成により、制御モードの選択によって第1および第2のコンデンサの電圧バランスを制御することができる。
また請求項5に記載のマルチレベル電力変換器は、直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、一端が直流電源の正極端に接続されるリアクトルと、前記リアクトルの他端と前記直流電源の負極端との間に順次直列に接続された、互いに逆の耐圧方向に制御できる第1のスイッチング手段、コンデンサおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第2のスイッチング手段と、前記コンデンサの両端間に直列接続された第1および第2のスイッチング素子と、前記コンデンサの両端間に直列接続された第3および第4のスイッチング素子とによってマルチレベル電圧変換部を構成し、前記マルチレベル電圧変換部をM個(Mは2以上の正数)設け、前記M個のマルチレベル電圧変換部の第1〜第4のスイッチング素子をオン、オフ制御することと、前記第1および第2のスイッチング手段を前記直流電源およびコンデンサの電圧に応じてオン、オフ制御することによって複数の電圧レベルを出力させる制御手段を設け、前記各マルチレベル電圧変換部のリアクトルの一端どうしを共通接続し、第2のスイッチング手段の前記直流電源の負極側端どうしを共通接続し、N番目(Nは正数)のマルチレベル電圧変換部の前記第1および第2のスイッチング素子の共通接続点をN+1番目のマルチレベル電圧変換部の第3および第4のスイッチング素子の共通接続点に接続し、M番目のマルチレベル電圧変換部の第1および第2のスイッチング素子の第1の共通接続点と、第1番目のマルチレベル電圧変換部の第3および第4のスイッチング素子の第2の共通接続点とを複数の電圧レベルの交流出力端としたことを特徴としている。
上記構成によれば、M個のマルチレベル電圧変換部によって、少ない素子数で(2M+1)レベルの電圧を出力することができる。
また請求項6に記載のマルチレベル電力変換器は、直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、前記請求項5に記載のマルチレベル電力変換器を三相交流の各相に各々設け、前記三相各相のマルチレベル電力変換器の前記第1の共通接続点どうしを中性点として共通接続し、前記第2の共通接続点をU相、V相、W相の各出力端としたことを特徴としている。
上記構成により、少ない素子数でU,V,Wの出力相電圧を(2M+1)レベルとしたY結線接続による三相のマルチレベル電力変換器を実現することができる。
また請求項7に記載のマルチレベル電力変換器は、直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、前記請求項5に記載のマルチレベル電力変換器を三相交流の各相に各々設け、U相のマルチレベル電力変換器の第2の共通接続点とV相のマルチレベル電力変換器の第1の共通接続点をU相の出力端とし、V相のマルチレベル電力変換器の第2の共通接続点とW相のマルチレベル電力変換器の第1の共通接続点をV相の出力端とし、W相のマルチレベル電力変換器の第2の共通接続点とU相のマルチレベル電力変換器の第1の共通接続点をW相の出力端としたことを特徴としている。
上記構成により、少ない素子数でU,V,Wの出力相電圧を(2M+1)レベルとしたΔ結線接続による三相のマルチレベル電力変換器を実現することができる。
また請求項8に記載のマルチレベル電力変換器は、直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、直流電源と、前記直流電源の正、負極端間に順次直列に接続された、互いに逆の耐圧方向に制御できる第1のスイッチング手段、第1のリアクトル、第1のコンデンサ、第2のリアクトルおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第2のスイッチング手段と、前記直流電源の正、負極端間に順次直列に接続された、互いに逆の耐圧方向に制御できる第3のスイッチング手段、第3のリアクトル、第2のコンデンサ、第4のリアクトルおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第4のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手段および第1のリアクトルの共通接続点と前記第2のスイッチング手段および第2のリアクトルの共通接続点との間に直列接続された第1および第2のスイッチング素子と、前記第1のコンデンサの両端間に直列接続された第3および第4のスイッチング素子と、前記第3のスイッチング手段および第3のリアクトルの共通接続点と前記第4のスイッチング手段および第4のリアクトルの共通接続点との間に直列接続された第5および第6のスイッチング素子と、前記第2のコンデンサの両端間に直列接続された第7および第8のスイッチング素子と、前記第1〜第8のスイッチング素子をオン、オフ制御することと、前記第1〜第4のスイッチング手段を前記直流電源と第1および第2のコンデンサの電圧に応じてオン、オフ制御することによって複数の電圧レベルを出力させる制御手段とを備え、前記第3および第4のスイッチング素子の共通接続点と前記第5および第6のスイッチング素子の共通接続点を共通に接続し、前記第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子の第1の共通接続点と、前記第7のスイッチング素子および第8のスイッチング素子の第2の共通接続点とを複数の電圧レベルの交流出力端としたことを特徴としている。
上記構成により、従来のような電圧均一回路を用いることなく交流出力の各電圧レベルの波高値を等しくすることができ、且つ少ない素子数でマルチレベル電力変換器を実現することができる。
さらに、リアクトルを介して電流が流れているスイッチング素子をオフ制御して電圧がゼロに急変したときのリアクトルのエネルギーは、第1および第2のコンデンサに吸収されるため、スイッチング素子にサージ電圧が加わって素子が破壊されるのを防ぐことができる。このためリアクトルのサージ電圧を吸収するスナバ回路が不要となる。
また、第1〜第4のスイッチング手段のオン、オフ制御によって第1および第2のコンデンサの合計電圧を可変制御することができる。これによって、直流電源電圧に対して任意の複数の電圧レベルの出力が可能となり、直流電源電圧と出力電圧のマッチングを取ったスイッチング損失を最小限に低減することができる。
(1)請求項1〜8に記載の発明によれば、従来のような電圧均一回路を用いることなくコンデンサの電圧を制御できるため、交流出力の各電圧レベルの波高値を等しくすることができ、且つ少ない素子数でマルチレベル電力変換器を実現することができる。これによって、装置の小型化及びコスト低減を実現することができる。
また、コンデンサの電圧を小さい電圧に制御した場合でも高調波の少ない複数の電圧レベルを出力させることが可能となり、スイッチング損失も低減することができる。
また、第1〜第4のスイッチング手段のオン、オフ制御によってコンデンサの合計電圧を可変制御することができる。これによって、直流電源電圧に対して任意の複数の電圧レベルの出力が可能となり、直流電源電圧と出力電圧のマッチングを取ったスイッチング損失を最小限に低減することができる。
(2)請求項2、6に記載の発明によれば、少ない素子数でY結線接続による三相のマルチレベル電力変換器を実現することができる。
(3)請求項3、7に記載の発明によれば、少ない素子数でΔ結線接続による三相のマルチレベル電力変換器を実現することができる。
(4)請求項4に記載の発明によれば、制御モードの選択によって第1および第2のコンデンサの電圧バランスを制御することができる。
(5)請求項5に記載の発明によれば、少ない素子数で(2M+1)レベルの電圧を出力するマルチレベル電力変換器を実現することができる。
(6)請求項8に記載の発明によれば、リアクトルを介して電流が流れているスイッチング手段をオフ制御して電圧がゼロに急変したときのリアクトルのエネルギーは、コンデンサに吸収されるため、スイッチング手段にサージ電圧が加わって素子が破壊されるのを防ぐことができる。このためリアクトルのサージ電圧を吸収するスナバ回路が不要となる。
本発明の実施例1の5レベル電力変換器の回路図。 本発明の実施例1の5レベル電力変換器におけるコンデンサの充放電モード1を表し、(a),(c)は充電モード時の電流経路を示す回路図、(b),(d)は放電モード時の電流経路を示す回路図。 本発明の実施例1の5レベル電力変換器におけるコンデンサの充放電モード2を表し、(a),(c)は充電モード時の電流経路を示す回路図、(b),(d)は放電モード時の電流経路を示す回路図。 本発明の実施例1の5レベル電力変換器におけるスイッチングパターンのモードと出力端子間の電圧の関係を表し、(a)はコンデンサ電圧をE/2に制御したときの電圧特性図、(b)はコンデンサ電圧をEに制御したときの電圧特性図。 本発明の実施例2の5レベル電力変換器の回路図。 本発明の実施例3の5レベル電力変換器の回路図。 本発明の実施例4の5レベル電力変換器の回路図。 本発明の実施例5の5レベル電力変換器の回路図。 本発明の実施例6の5レベル電力変換器の回路図。 本発明の実施例7の5レベル電力変換器の回路図。 本発明の実施例7の5レベル電力変換器における電流遮断時のサージエネルギー吸収のようすを表し、スイッチング素子を介してコンデンサを充電しているときの電流経路を示す回路図。 本発明の実施例7の5レベル電力変換器における電流遮断時のサージエネルギー吸収のようすを表し、スイッチング素子をオフしたときに発生するサージ電流がコンデンサに吸収される経路を示す回路図。 従来のマルチレベル電力変換器の一例を示す回路図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。本実施形態例では、従来の、各相のコンデンサ電圧の平均値を等しくするための電圧均一回路を用いることなく少ない素子数でマルチレベル電力変換器を構成した。
以下に示す実施例1〜3、7は、本発明を5レベル電力変換器(5レベルインバータ)に適用した実施例であり、実施例4〜6は、マルチレベル電圧変換部をM個多重して(2M+1)レベルの電圧を出力できるようにしたマルチレベル電力変換器の実施例である。
図1に本発明の実施例1の5レベル電力変換器100を示す。図1において、VDCは直流電源であり、C1,C2は直流電源VDCの電圧が充電又は放電される第1、第2のコンデンサである。
第1のコンデンサC1の両端間には、第1および第2のスイッチング素子S1,S2が直列に接続され、第3および第4のスイッチング素子S3,S4が直列に接続されている。
第2のコンデンサC2の両端間には、第5および第6のスイッチング素子S5,S6が直列に接続され、第7および第8のスイッチング素子S7,S8が直列に接続されている。
第1のコンデンサC1の一端および第1、第3のスイッチング素子S1,S3の共通接続点は、互いに逆の耐圧方向に制御できる第1のスイッチング手段、例えば互いに逆の耐圧方向に直列接続されたスイッチング素子S10,S9と、第1のリアクトルL1を介して前記直流電源VDCの正極端に接続されている。
第1のコンデンサC1の他端および第2、第4のスイッチング素子S2,S4の共通接続点は、互いに逆の耐圧方向に制御できる第2のスイッチング手段、例えば互いに逆の耐圧方向に直列接続されたスイッチング素子S11,S12を介して前記直流電源VDCの負極端に接続されている。
第2のコンデンサC2の一端および第5、第7のスイッチング素子S5,S7の共通接続点は、互いに逆の耐圧方向に制御できる第3のスイッチング手段、例えば互いに逆の耐圧方向に直列接続されたスイッチング素子S14,S13と、第2のリアクトルL2を介して前記直流電源VDCの正極端に接続されている。
第2のコンデンサC2の他端および第6、第8のスイッチング素子S6,S8の共通接続点は、互いに逆の耐圧方向に制御できる第4のスイッチング手段、例えば互いに逆の耐圧方向に直列接続されたスイッチング素子S15,S16を介して前記直流電源VDCの負極端に接続されている。
前記スイッチング素子S3およびS4の共通接続点と、スイッチング素子S5およびS6の共通接続点は、共通に接続されている。
前記スイッチング素子S1およびS2の第1の共通接続点を出力端子Aとし、前記スイッチング素子S7およびS8の第2の共通接続点を出力端子Bとしている。
例えば、前記スイッチング素子S1〜S8は、IGBT等の半導体スイッチで構成され、S9〜S16は図1に記載のように双方向に直列接続したスイッチ2個で構成する、もしくはS9とS10、S11とS12、S13とS14、S15とS16をそれぞれ1個の双方向スイッチで構成してもよい。
前記スイッチング素子S1〜S8は、図示省略の制御部(制御手段)によって、5レベルの電圧を出力するためのスイッチングパターンに従ってオン、オフ制御され、スイッチング素子S9〜S16は、前記スイッチング素子S1〜S8とは別個に、前記直流電源VDC、コンデンサC1,C2の各電圧に応じて、図示省略の制御部によってオン、オフ制御され、その結果出力端子A,B間に5レベルの電圧が出力されるものである。
尚、前記直流電源VDCの電源電圧は固定でも可変でもよい。
上記構成において、スイッチング素子S1〜S8のオン、オフは、例えば表1に示すモード1〜モード14を有するスイッチングパターンに従って制御される。
Figure 2013158077
表1はスイッチング素子S1〜S8のオン・オフのモード1〜14(表1中ではMode1〜14と表記している)により出力端子A,B間に出力される電圧VABとコンデンサC1,C2の充放電の有無を示している。
直流電源VDCの電圧がEのとき、出力端子A,B間の電圧は2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの電圧、又はE,E/2,0,−E/2,−Eの5レベルの電圧を出力可能である。
ただし、電流I>0とすると表1のようにコンデンサC1とC2が充放電されるため、次のようなコンデンサ電圧の制御が必要である。すなわち、力行時、かつ直流電源VDCの電圧よりもコンデンサC1の電圧の方が小さい場合には、スイッチング素子S10とS11をオン制御することでコンデンサC1にリアクトルL1を介して電流を流して、コンデンサC1を充電することが可能である。
同様に、力行時、かつ直流電源VDCの電圧よりもコンデンサC2の電圧の方が小さい場合には、スイッチング素子S14とS15をオン制御することでコンデンサC2にリアクトルL2を介して電流を流して、コンデンサC2を充電することが可能である。
また回生時、かつ直流電源VDCの電圧よりもコンデンサC1の電圧の方が大きい場合には、スイッチング素子S9とS12をオン制御することでコンデンサC1にリアクトルL1を介して電流を流して、コンデンサC1を放電することが可能である。
同様に、回生時、かつ直流電源VDCの電圧よりもコンデンサC2の電圧の方が大きい場合には、スイッチング素子S13とS16をオン制御することでコンデンサC2にリアクトルL2を介して電流を流して、コンデンサC2を放電することが可能である。
また、力行時、かつ直流電源VDCの電圧よりもコンデンサC1とC2の合計電圧の方が小さい場合には、スイッチング素子S14とS11をオン制御するか、又はスイッチング素子S10とS15をオン制御することでコンデンサC1とC2にリアクトルL2又はL1を介して電流を流して、コンデンサC1とC2を両方充電することが可能である。
また回生時、かつ直流電源VDCの電圧よりもコンデンサC1とC2の合計電圧の方が大きい場合には、スイッチング素子S13とS12をオン制御するか、又はスイッチング素子S9とS16をオン制御することでコンデンサC1とC2にリアクトルL2又はL1を介して電流を流して、コンデンサC1とC2を両方放電することが可能である。
このようなコンデンサC1,C2の充放電モードは図2、図3のように示される。コンデンサ充放電モード1を示す図2の(a)は、(VC2)<E(VC2はコンデンサC2の電圧、Eは直流電源VDCの電圧)の時にスイッチング素子S14とS15をオン制御することで実線の矢印のように直流電源VDC→リアクトルL2→スイッチング素子S13の寄生ダイオード→スイッチング素子S14→コンデンサC2→スイッチング素子S15→スイッチング素子S16の寄生ダイオード→直流電源VDCの経路で充電電流が流れ、コンデンサC2を充電することができることを示している。
図2(b)は、(VC2)>Eの時にスイッチング素子S13とS16をオン制御することで破線の矢印のように直流電源VDC→スイッチング素子S16→スイッチング素子S15の寄生ダイオード→コンデンサC2→スイッチング素子S14の寄生ダイオード→スイッチング素子S13→リアクトルL2→直流電源VDCの経路で放電電流が流れ、コンデンサC2を放電することができることを示している。
図2(c)は、(VC1)<E(VC1はコンデンサC1の電圧、Eは直流電源VDCの電圧)の時にスイッチング素子S10とS11をオン制御することで実線の矢印のように直流電源VDC→リアクトルL1→スイッチング素子S9の寄生ダイオード→スイッチング素子S10→コンデンサC1→スイッチング素子S11→スイッチング素子S12の寄生ダイオード→直流電源VDCの経路で充電電流が流れ、コンデンサC1を充電することができることを示している。
図2(d)は、(VC1)>Eの時にスイッチング素子S9とS12をオン制御することで破線の矢印のように直流電源VDC→スイッチング素子S12→スイッチング素子S11の寄生ダイオード→コンデンサC1→スイッチング素子S10の寄生ダイオード→スイッチング素子S9→リアクトルL1→直流電源VDCの経路で放電電流が流れ、コンデンサC1を放電することができることを示している。
これらの動作により、コンデンサ充放電モード1によれば、直流電源VDCの電圧EによってコンデンサC1又はC2をEまで充放電すること、および力行と回生の切り換えを行うことが可能である。
コンデンサ充放電モード2を示す図3の(a)は、(VC1+VC2)<Eの時にスイッチング素子S14とS11をオン制御することで実線の矢印のように直流電源VDC→リアクトルL2→スイッチング素子S13の寄生ダイオード→スイッチング素子S14→コンデンサC2→スイッチング素子S6の寄生ダイオード→スイッチング素子S3の寄生ダイオード→コンデンサC1→スイッチング素子S11→スイッチング素子S12の寄生ダイオード→直流電源VDCの経路で充電電流が流れ、コンデンサC2とC1を充電することができることを示している。
図3(b)は、(VC1+VC2)>Eの時にスイッチング素子S13,S6,S3,S12をオン制御することで破線の矢印のように直流電源VDC→スイッチング素子S12→スイッチング素子S11の寄生ダイオード→コンデンサC1→スイッチング素子S3→スイッチング素子S6→コンデンサC2→スイッチング素子S14の寄生ダイオード→スイッチング素子S13→リアクトルL2→直流電源VDCの経路で放電電流が流れ、コンデンサC1とC2を放電することができることを示している。
図3(c)は、(VC1+VC2)<Eの時にスイッチング素子S10とS15をオン制御することで実線の矢印のように直流電源VDC→リアクトルL1→スイッチング素子S9の寄生ダイオード→スイッチング素子S10→コンデンサC1→スイッチング素子S4の寄生ダイオード→スイッチング素子S5の寄生ダイオード→コンデンサC2→スイッチング素子S15→スイッチング素子S16の寄生ダイオード→直流電源VDCの経路で充電電流が流れ、コンデンサC1とC2を充電することができることを示している。
図3(d)は、(VC1+VC2)>Eの時にスイッチング素子S9,S4,S5,S16をオン制御することで破線の矢印のように直流電源VDC→スイッチング素子S16→スイッチング素子S15の寄生ダイオード→コンデンサC2→スイッチング素子S5→スイッチング素子S4→コンデンサC1→スイッチング素子S10の寄生ダイオード→スイッチング素子S9→リアクトルL1→直流電源VDCの経路で放電電流が流れ、コンデンサC2とC1を放電することができることを示している。
これらの動作により、コンデンサ充放電モード2によれば、コンデンサC1とC2で直流電源VDCの電圧Eを分圧することによって、コンデンサC1,C2をE/2まで充放電すること、および力行と回生の切り換えを行うことが可能である。
ここで、表1のスイッチングパターンの各モード1〜モード14と出力端子A,B間の電流Iの経路を以下に説明する。尚表1はコンデンサC1,C2の電圧がEであり、電流I>0のときを示している。
<モード1>
スイッチング素子S1,S4,S5,S8が各々オフ、スイッチング素子S2,S3,S6,S7が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S2→C1→S3→S6→C2→S7→出力端子Bの経路で流れる。このモード1ではコンデンサC1,C2が放電され、出力端子A,B間の電圧は2Eとなる。
<モード2>
スイッチング素子S1,S4,S6,S8が各々オフ、スイッチング素子S2,S3,S5,S7が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S2→C1→S3→S5→S7→出力端子Bの経路で流れる。このモード2ではコンデンサC1が放電され、出力端子A,B間の電圧はEとなる。
<モード3>
スイッチング素子S1,S4,S5,S7が各々オフ、スイッチング素子S2,S3,S6,S8が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S2→C1→S3→S6→S8→出力端子Bの経路で流れる。このモード3ではコンデンサC1が放電され、出力端子A,B間の電圧はEとなる。
<モード4>
スイッチング素子S2,S4,S5,S8が各々オフ、スイッチング素子S1,S3,S6,S7が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S1→S3→S6→C2→S7→出力端子Bの経路で流れる。このモード4ではコンデンサC2が放電され、出力端子A,B間の電圧はEとなる。
<モード5>
スイッチング素子S1,S3,S5,S8が各々オフ、スイッチング素子S2,S4,S6,S7が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S2→S4→S6→C2→S7→出力端子Bの経路で流れる。このモード5ではコンデンサC2が放電され、出力端子A,B間の電圧はEとなる。
<モード6>
スイッチング素子S2,S4,S6,S8が各々オフ、スイッチング素子S1,S3,S5,S7が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S1→S3→S5→S7→出力端子Bの経路で流れる。このモード6では出力端子A,B間にはスイッチング素子S1,S3,S5,S7を介して直送され、出力端子A,B間の電圧は0となる。
<モード7>
スイッチング素子S2,S4,S5,S7が各々オフ、スイッチング素子S1,S3,S6,S8が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S1→S3→S6→S8→出力端子Bの経路で流れる。このモード7では出力端子A,B間にはスイッチング素子S1,S3,S6,S8を介して直送され、出力端子A,B間の電圧は0となる。
<モード8>
スイッチング素子S1,S3,S5,S7が各々オフ、スイッチング素子S2,S4,S6,S8が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S2→S4→S6→S8→出力端子Bの経路で流れる。このモード8では出力端子A,B間にはスイッチング素子S2,S4,S6,S8を介して直送され、出力端子A,B間の電圧は0となる。
<モード9>
スイッチング素子S1,S3,S6,S8が各々オフ、スイッチング素子S2,S4,S5,S7が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S2→S4→S5→S7→出力端子Bの経路で流れる。このモード9では出力端子A,B間にはスイッチング素子S2,S4,S5,S7を介して直送され、出力端子A,B間の電圧は0となる。
<モード10>
スイッチング素子S2,S4,S6,S7が各々オフ、スイッチング素子S1,S3,S5,S8が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S1→S3→S5→C2→S8→出力端子Bの経路で流れる。このモード10ではコンデンサC2が充電され、出力端子A,B間の電圧は−Eとなる。
<モード11>
スイッチング素子S1,S3,S6,S7が各々オフ、スイッチング素子S2,S4,S5,S8が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S2→S4→S5→C2→S8→出力端子Bの経路で流れる。このモード11ではコンデンサC2が充電され、出力端子A,B間の電圧は−Eとなる。
<モード12>
スイッチング素子S2,S3,S6,S8が各々オフ、スイッチング素子S1,S4,S5,S7が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S1→C1→S4→S5→S7→出力端子Bの経路で流れる。このモード12ではコンデンサC1が充電され、出力端子A,B間の電圧は−Eとなる。
<モード13>
スイッチング素子S2,S4,S5,S7が各々オフ、スイッチング素子S1,S4,S6,S8が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S1→C1→S4→S6→S8→出力端子Bの経路で流れる。このモード13ではコンデンサC1が充電され、出力端子A,B間の電圧は−Eとなる。
<モード14>
スイッチング素子S2,S3,S6,S7が各々オフ、スイッチング素子S1,S4,S5,S8が各々オンとなり、電流Iは、出力端子A→S1→C1→S4→S5→C2→S8→出力端子Bの経路で流れる。このモード14ではコンデンサC1,C2が充電され、出力端子A,B間の電圧は−2Eとなる。
上記モード1〜14のスイッチングパターンによるオン、オフ制御によって、コンデンサC1とC2の電圧がEのとき、出力端子A,B間の電圧は2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの電圧を出力することが可能である。
また、A,B間の電圧がEのときにコンデンサC1を放電するモード(モード2、3)とC2を放電するモード(モード4、5)を選択できるため、コンデンサC1とC2の電圧バランスを制御することが可能である。
同様に、A,B間の電圧が−EのときにコンデンサC1を充電するモード(モード12、13)とC2を充電するモード(モード10、11)を選択できるため、コンデンサC1とC2の電圧バランスを制御することが可能である。
このためコンデンサC1とC2の電圧を等しく保つことができる。電流Iの極性によりコンデンサC1とC2の充放電の極性が変化するが、表1は電流I>0のときを示している。
図4は、上記モード1〜14と出力端子A,B間の電圧VABの関係を表し、コンデンサ電圧をE/2に制御したとき(図4(a))と、Eに制御したとき(図4(b))に、モード1〜14のスイッチングパターンによるオン、オフ制御によって出力可能な5レベルの電圧を各々示している。
図4において、VC1=VC2=E/2のときには、E,E/2,0,−E/2,−Eの5レベルの電圧を、VC1=VC2=Eのときには、2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの電圧を各々出力することができる。このため、出力電圧が小さいときでも高調波の少ない5レベルの電圧を出力可能であり、スイッチング損失も低減することができる。
よって、実施例1はリアクトルL1,L2が必要であるが、コンデンサ電圧を可変制御することで、直流電圧と出力電圧のマッチングを取ることによるスイッチング損失を最小限に低減することが可能である。
すなわち、例えば直流電源電圧VDCと出力電圧VABの差(電圧比)が大きい場合、スイッチング損失が大となるが、本実施例のようにスイッチング素子S9〜S16をオン、オフ制御してコンデンサC1,C2の電圧を適切に制御することで、スイッチング損失を最小限に低減することが可能となる。
尚、スイッチング素子S9〜S16は、直流電源VDCおよびコンデンサC1、C2の各電圧を監視し、それらの電圧に応じて、スイッチング素子S1〜S8とは別個にオン、オフ制御されるものである。
以上のように実施例1によれば、直流電源1個、リアクトル2個、スイッチング素子16個、コンデンサ2個のみで、5レベル電力変換器を実現することができる。
図5に実施例2の回路構成を示す。本実施例2は、実施例1(図1)のスイッチング素子S1〜S16、リアクトルL1,L2およびコンデンサC1,C2によってマルチレベル電圧変換部200を構成し、該マルチレベル電圧変換部200を三相分(200U,200V,200W)設けて直流電源VDCに対してY結線に接続したものである。
図5において、図1と同一部分は同一符号をもって示している。
三相各相のマルチレベル電圧変換部200U,200V,200Wの、出力端子Aどうしを中性点Nとして共通接続し、出力端子Bを三相各相の出力端U,V,Wとしている。
図5の構成では、三相各々に個別の直流電源は不要であり、直流電源VDCは1個でよい。
図5のマルチレベル電圧変換部200U,200V,200Wの各動作は図1の回路と同一である。
図5の回路では、Y結線の中性点Nを基準に、三相U,V,Wに任意の5レベルの電圧(2E,E,0,−E,−2EやE,E/2,0,−E/2,−E)を出力することができる。
本実施例2においても、リアクトルが必要であるがコンデンサ電圧を可変制御することで、直流電圧と出力電圧のマッチングを取ったスイッチング損失を最小限に低減する方式が可能である。
以上のように実施例2によれば、直流電源1個、リアクトル6個、スイッチング素子48個、コンデンサ6個によって、三相の5レベル電力変換器を実現することができる。
図6に実施例3の回路構成を示す。本実施例3では、実施例1(図1)のスイッチング素子S1〜S16、リアクトルL1,L2およびコンデンサC1,C2によってマルチレベル電圧変換部200を構成し、該マルチレベル電圧変換部200を三相分(200U,200V,200W)設けて直流電源VDCに対してΔ結線に接続したものである。
すなわちU相のマルチレベル電圧変換部200Uの出力端子BおよびV相のマルチレベル電圧変換部200Vの出力端子AをU相の出力端Uとし、V相のマルチレベル電圧変換部200Vの出力端子BおよびW相のマルチレベル電圧変換部200Wの出力端子AをV相の出力端Vとし、W相のマルチレベル電圧変換部200Wの出力端子BおよびU相のマルチレベル電圧変換部200Uの出力端子AをW相の出力端Wとしている。
図6において、図1と同一部分は同一符号をもって示している。
図6の構成では、三相各々に個別の直流電源は不要であり、直流電源VDCは1個でよい。
図6のマルチレベル電圧変換部200U,200V,200Wの各動作は図1の回路と同一である。
図6の回路では、Δ結線の間に任意の5レベルの電圧(2E,E,0,−E,−2EやE,E/2,0,−E/2,−E)を出力することができる。
本実施例3においても、リアクトルが必要であるがコンデンサ電圧を可変制御することで、直流電圧と出力電圧のマッチングを取ったスイッチング損失を最小限に低減する方式が可能である。
以上のように実施例3によれば、直流電源1個、リアクトル6個、スイッチング素子48個、コンデンサ6個によって、三相の5レベル電力変換器を実現することができる。
図7に実施例4の回路構成を示す。本実施例4では、実施例1(図1)と同様に直流電源VDCの正、負極端間に接続されたスイッチング素子S1〜S4,S9〜S12,リアクトルLおよびコンデンサCによってマルチレベル電圧変換部300を構成し、該マルチレベル電圧変換部300をM個(3001〜300M)(Mは2以上の任意の正数)、出力端子A,B間に多重に接続して構成した。
すなわち、M個のマルチレベル電圧変換部300のうちN番目(NはMより小さい正数)のマルチレベル電圧変換部の第1および第2のスイッチング素子S1,S2の共通接続点をN+1番目のマルチレベル電圧変換部の第3および第4のスイッチング素子S3,S4の共通接続点に接続し、M番目のマルチレベル電圧変換部300Mの第1および第2のスイッチング素子S1M,S2Mの共通接続点を出力端子Aとし、1番目のマルチレベル電圧変換部3001の第3および第4のスイッチング素子S31,S41の共通接続点を出力端子Bとしている。
尚、図7の各素子の番号における下付き文字1Mは、1〜M番目のマルチレベル電圧変換部を構成する素子であることを表している。
図7のマルチレベル電圧変換部3001〜300Mの各動作は図1の回路と同様であり、出力端子A,B間の出力電圧は(2M+1)レベルとすることができる。
M個のコンデンサC1〜CMは、図2のコンデンサ充放電モード1と同様にスイッチング素子を制御することによって直流電源VDCの電圧EによりEまで充放電することができる。
またM個のコンデンサC1〜CMは、図3のコンデンサ充放電モード2と同様にスイッチング素子を制御することによって直流電源VDCの電圧EがM個のコンデンサにより分圧されるため、E,E/2,E/3,…,E(M−1),E/(M)に充放電することができる。
本実施例4においてもリアクトルが必要であるが、コンデンサ電圧を可変制御することで直流電圧と出力電圧のマッチングを取ったスイッチング損失を最小限に低減する方式が可能である。
以上のように実施例4によれば、直流電源1個、リアクトルM個、スイッチング素子8M個、コンデンサM個によって(2M+1)レベルの電力変換器を実現することができる。
図8に実施例5の回路構成を示す。本実施例5では、実施例4(図7)のM個のマルチレベル電圧変換部3001〜300Mによって(2M+1)レベル電圧変換部400を構成し、該(2M+1)レベル電圧変換部400を三相分(400U,400V,400W)設けて直流電源VDCに対してY結線に接続したものである。
図8において、図7と同一部分は同一符号をもって示している。
三相各相の(2M+1)レベル電圧変換部400U,400V,400Wの、出力端子Aどうしを中性点Nとして共通接続し、出力端子Bを三相各相の出力端U,V,Wとしている。
図8の構成では、三相各々に個別の直流電源は不要であり、直流電源VDCは1個でよい。
図8の(2M+1)レベル電圧変換部400U,400V,400Wの各動作は図7の回路と同一である。
図8の回路では、Y結線の中性点Nを基準に、三相U,V,Wに任意の(2M+1)レベルの電圧を出力することができる。
本実施例5においても、リアクトルが必要であるがコンデンサ電圧を可変制御することで、直流電圧と出力電圧のマッチングを取ったスイッチング損失を最小限に低減する方式が可能である。
以上のように実施例5によれば、直流電源1個、リアクトル3M個、スイッチング素子24M個、コンデンサ3M個によって、三相の(2M+1)レベル電力変換器を実現することができる。
図9に実施例6の回路構成を示す。本実施例6では、実施例4(図7)のマルチレベル電圧変換部3001〜300Mによって(2M+1)レベル電圧変換部400を構成し、該(2M+1)レベル電圧変換部400を三相分(400U,400V,400W)設けて直流電源VDCに対してΔ結線に接続したものである。
すなわち、U相の(2M+1)レベル電圧変換部400Uの出力端子BおよびV相の(2M+1)レベル電圧変換部400Vの出力端子AをU相の出力端Uとし、V相の(2M+1)レベル電圧変換部400Vの出力端子BおよびW相の(2M+1)レベル電圧変換部400Wの出力端子AをV相の出力端Vとし、W相の(2M+1)レベル電圧変換部400Wの出力端子BおよびU相の(2M+1)レベル電圧変換部400Uの出力端子AをW相の出力端Wとしている。
図9において、図7と同一部分は同一符号をもって示している。
図9の構成では、三相各々に個別の直流電源は不要であり、直流電源VDCは1個でよい。
図9の(2M+1)レベル電圧変換部400U,400V,400Wの各動作は図7の回路と同一である。
図9の回路では、Δ結線の間に(2M+1)レベルの電圧を出力することができる。
本実施例6においても、リアクトルが必要であるがコンデンサ電圧を可変制御することで、直流電圧と出力電圧のマッチングを取ったスイッチング損失を最小限に低減する方式が可能である。
以上のように実施例6によれば、直流電源1個、リアクトル3M個、スイッチング素子24M個、コンデンサ3M個によって、三相の(2M+1)レベル電力変換器を実現することができる。
前記実施例1〜実施例6は、従来の回路と比較して、各相のコンデンサ電圧の平均値を等しくするための電圧均一回路を用いることなく、また、少ない素子数でマルチレベル電力変換器を実現できる。
しかし、リアクトルLを介して電流が流れているスイッチング素子S9〜S12の双方向スイッチをオフすると、電流がゼロに急変するため、スイッチング素子S9とS10に加わるサージ電圧が大きくなり、素子が破壊される可能性があり、リアクトルLに並列に抵抗を設置してエネルギーを消費するなどのスナバ回路が必要となる場合がある。
そこで本実施例7では、リアクトルLを介して電流が流れている双方向スイッチ(スイッチング素子S9〜S12)をオフして、電流がゼロに急変するときに双方向スイッチにサージ電圧が印加されず、サージ電圧のエネルギーを吸収する別のスナバ回路を不要とした回路を構成した。
図10に実施例7の回路構成を示す。本実施例7では、実施例1(図1)のように直流電源VDCの正極端とスイッチング素子S9の間に接続されたリアクトルL1を除去し、その代わりに、スイッチング素子S10およびS1の共通接続点とスイッチング素子S3の間にリアクトルL1を接続し、スイッチング素子S2およびS11の共通接続点とスイッチング素子S4の間にリアクトルL2を接続し、また、実施例1のように直流電源VDCの正極端とスイッチング素子S13の間に接続されたリアクトルL2を除去し、その代わりに、スイッチング素子S14およびS5の共通接続点とスイッチング素子S7の間にリアクトルL3を接続し、スイッチング素子S6およびS15の共通接続点とスイッチング素子S8の間にリアクトルL4を接続したものである。その他の部分は図1と同様に構成されている。
上記構成において、リアクトルL1,L2とスイッチング素子S9〜S12、又はリアクトルL3,L4とスイッチング素子S13〜S16を介してコンデンサC1又はC2を充放電しているときに、スイッチング素子S9〜S16をオフした場合、コンデンサC1、C2がリアクトルL1〜L4のサージ電圧を吸収するスナバとして動作する。このためスイッチング素子S9〜S16にはサージ電圧は印加されない。
図11、図12にリアクトルL1、L2とスイッチング素子S9〜S12を介してコンデンサC1を充電しているときに、スイッチング素子S9〜S12をオフした場合の動作例を示す。コンデンサC1の電圧が直流電源VDCのEよりも小さいときにはスイッチング素子S10とS11をオンすることで直流電源VDCからコンデンサC1を充電することができる。
このとき、直流電源VDCとコンデンサC1の電圧差とリアクトルL1、L2に応じて図11のようにS9→S10→L1→C1→L2→S11→S12の経路で充電電流が流れる。次にスイッチング素子S10とS11をオフすると、図12のようにリアクトルL1、L2に流れている電流をコンデンサC1が吸収する(スイッチング素子S2,S1の各寄生ダイオードを通した閉回路によってコンデンサC1が充電される)。この動作はコンデンサC2側についても同様である。
これによって、電流を遮断したときに発生するサージ電圧に対してコンデンサC1、C2がスナバ回路として動作する。
このためスイッチング素子にサージ電圧が加わって素子が破壊されるのを防止することができ、これによってリアクトルL1〜L4のサージ電圧を吸収するスナバ回路が不要となる。
尚、前記第1のスイッチング手段を構成するスイッチング素子S9およびS10を1個の双方向スイッチで構成し、第2のスイッチング手段を構成するスイッチング素子S11およびS12を1個の双方向スイッチで構成し、第3のスイッチング手段を構成するスイッチング素子S13およびS14を1個の双方向スイッチで構成し、第4のスイッチング手段を構成するスイッチング素子S15およびS16を1個の双方向スイッチで構成してもよい。
100…5レベル電力変換器
200,200U,200V,200W,3001〜300M…マルチレベル電圧変換部
400U,400V,400W…(2M+1)レベル電圧変換部
S1〜S16…スイッチング素子
DC…直流電源
C1,C2…コンデンサ
L1〜L4…リアクトル
A,B…出力端子

Claims (8)

  1. 直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、
    直流電源と、
    前記直流電源の正、負極端間に順次直列に接続された第1のリアクトル、互いに逆の耐圧方向に制御できる第1のスイッチング手段、第1のコンデンサおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第2のスイッチング手段と、
    前記直流電源の正、負極端間に順次直列に接続された第2のリアクトル、互いに逆の耐圧方向に制御できる第3のスイッチング手段、第2のコンデンサおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第4のスイッチング手段と、
    前記第1のコンデンサの両端間に直列接続された第1および第2のスイッチング素子と、
    前記第1のコンデンサの両端間に直列接続された第3および第4のスイッチング素子と、
    前記第2のコンデンサの両端間に直列接続された第5および第6のスイッチング素子と、
    前記第2のコンデンサの両端間に直列接続された第7および第8のスイッチング素子と、
    前記第1〜第8のスイッチング素子をオン、オフ制御することと、前記第1〜第4のスイッチング手段を前記直流電源と第1および第2のコンデンサの電圧に応じてオン、オフ制御することによって複数の電圧レベルを出力させる制御手段とを備え、
    前記第3および第4のスイッチング素子の共通接続点と前記第5および第6のスイッチング素子の共通接続点を共通に接続し、
    前記第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子の第1の共通接続点と、前記第7のスイッチング素子および第8のスイッチング素子の第2の共通接続点とを複数の電圧レベルの交流出力端としたことを特徴とするマルチレベル電力変換器。
  2. 前記第1および第2のリアクトル、第1〜第4のスイッチング手段、第1〜第8のスイッチング素子、第1および第2のコンデンサによってマルチレベル電圧変換部を構成し、
    前記マルチレベル電圧変換部を三相交流の各相に各々設け、
    前記三相各相のマルチレベル電圧変換部の第1の共通接続点どうしを中性点として共通接続し、前記第2の共通接続点をU相、V相、W相の各出力端としたことを特徴とする請求項1に記載のマルチレベル電力変換器。
  3. 前記第1および第2のリアクトル、第1〜第4のスイッチング手段、第1〜第8のスイッチング素子、第1および第2のコンデンサによってマルチレベル電圧変換部を構成し、
    前記マルチレベル電圧変換部を三相交流の各相に各々設け、
    U相のマルチレベル電圧変換部の第2の共通接続点とV相のマルチレベル電圧変換部の第1の共通接続点をU相の出力端とし、
    V相のマルチレベル電圧変換部の第2の共通接続点とW相のマルチレベル電圧変換部の第1の共通接続点をV相の出力端とし、
    W相のマルチレベル電圧変換部の第2の共通接続点とU相のマルチレベル電圧変換部の第1の共通接続点をW相の出力端としたことを特徴とする請求項1に記載のマルチレベル電力変換器。
  4. 前記制御手段のオン、オフ制御は、同一電圧レベルの出力時に前記第1のコンデンサを充電又は放電させる制御モードと第2のコンデンサを充電又は放電させる制御モードとを有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマルチレベル電力変換器。
  5. 直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、
    一端が直流電源の正極端に接続されるリアクトルと、前記リアクトルの他端と前記直流電源の負極端との間に順次直列に接続された、互いに逆の耐圧方向に制御できる第1のスイッチング手段、コンデンサおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第2のスイッチング手段と、前記コンデンサの両端間に直列接続された第1および第2のスイッチング素子と、前記コンデンサの両端間に直列接続された第3および第4のスイッチング素子とによってマルチレベル電圧変換部を構成し、
    前記マルチレベル電圧変換部をM個(Mは2以上の正数)設け、
    前記M個のマルチレベル電圧変換部の第1〜第4のスイッチング素子をオン、オフ制御することと、前記第1および第2のスイッチング手段を前記直流電源およびコンデンサの電圧に応じてオン、オフ制御することによって複数の電圧レベルを出力させる制御手段を設け、
    前記各マルチレベル電圧変換部のリアクトルの一端どうしを共通接続し、第2のスイッチング手段の前記直流電源の負極側端どうしを共通接続し、N番目(Nは正数)のマルチレベル電圧変換部の前記第1および第2のスイッチング素子の共通接続点をN+1番目のマルチレベル電圧変換部の第3および第4のスイッチング素子の共通接続点に接続し、M番目のマルチレベル電圧変換部の第1および第2のスイッチング素子の第1の共通接続点と、第1番目のマルチレベル電圧変換部の第3および第4のスイッチング素子の第2の共通接続点とを複数の電圧レベルの交流出力端としたことを特徴とするマルチレベル電力変換器。
  6. 直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、
    前記請求項5に記載のマルチレベル電力変換器を三相交流の各相に各々設け、
    前記三相各相のマルチレベル電力変換器の前記第1の共通接続点どうしを中性点として共通接続し、前記第2の共通接続点をU相、V相、W相の各出力端としたことを特徴とするマルチレベル電力変換器。
  7. 直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、
    前記請求項5に記載のマルチレベル電力変換器を三相交流の各相に各々設け、
    U相のマルチレベル電力変換器の第2の共通接続点とV相のマルチレベル電力変換器の第1の共通接続点をU相の出力端とし、
    V相のマルチレベル電力変換器の第2の共通接続点とW相のマルチレベル電力変換器の第1の共通接続点をV相の出力端とし、
    W相のマルチレベル電力変換器の第2の共通接続点とU相のマルチレベル電力変換器の第1の共通接続点をW相の出力端としたことを特徴とするマルチレベル電力変換器。
  8. 直流電源の電圧を複数の電圧レベルに変換した交流出力を生成するマルチレベル電力変換器であって、
    直流電源と、
    前記直流電源の正、負極端間に順次直列に接続された、互いに逆の耐圧方向に制御できる第1のスイッチング手段、第1のリアクトル、第1のコンデンサ、第2のリアクトルおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第2のスイッチング手段と、
    前記直流電源の正、負極端間に順次直列に接続された、互いに逆の耐圧方向に制御できる第3のスイッチング手段、第3のリアクトル、第2のコンデンサ、第4のリアクトルおよび互いに逆の耐圧方向に制御できる第4のスイッチング手段と、
    前記第1のスイッチング手段および第1のリアクトルの共通接続点と前記第2のスイッチング手段および第2のリアクトルの共通接続点との間に直列接続された第1および第2のスイッチング素子と、
    前記第1のコンデンサの両端間に直列接続された第3および第4のスイッチング素子と、
    前記第3のスイッチング手段および第3のリアクトルの共通接続点と前記第4のスイッチング手段および第4のリアクトルの共通接続点との間に直列接続された第5および第6のスイッチング素子と、
    前記第2のコンデンサの両端間に直列接続された第7および第8のスイッチング素子と、
    前記第1〜第8のスイッチング素子をオン、オフ制御することと、前記第1〜第4のスイッチング手段を前記直流電源と第1および第2のコンデンサの電圧に応じてオン、オフ制御することによって複数の電圧レベルを出力させる制御手段とを備え、
    前記第3および第4のスイッチング素子の共通接続点と前記第5および第6のスイッチング素子の共通接続点を共通に接続し、
    前記第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子の第1の共通接続点と、前記第7のスイッチング素子および第8のスイッチング素子の第2の共通接続点とを複数の電圧レベルの交流出力端としたことを特徴とするマルチレベル電力変換器。
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