JP2013155170A

JP2013155170A - 化粧水

Info

Publication number: JP2013155170A
Application number: JP2012275512A
Authority: JP
Inventors: Toru Iwakawa; 徹岩川
Original assignee: Nippon Eisei Center Co Ltd
Current assignee: Nippon Eisei Center Co Ltd
Priority date: 2012-01-05
Filing date: 2012-12-18
Publication date: 2013-08-15

Abstract

【課題】美白効果及びしわ改善効果と優れた保湿効果を有するスプレータイプの化粧水を提供すること。
【解決手段】加水分解アルギンと海水とクロレラ抽出物とからなる原料から得られた天然保湿剤が、温泉水に添加されてなり、美白効果及びしわ改善効果と、保湿効果及びミラル効果とが複合的に発揮される化粧水。
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧水に関し、特に、天然原料を使用して、肌にとって優れた美白効果及びしわ改善効果と保湿効果を有するスプレータイプの化粧水に関するものである。

化粧品においては、通常、化学防腐剤の添加によって多年に亘って腐らないようにしているのが実情である。

こうした化学防腐剤としてパラベン（パラオキシ安息香酸エステル）が用いられている（後記の非特許文献１）。パラベンは、パラオキシ安息香酸にエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどを反応させることにより生成されている。

パラベンは、人体に害が殆どない濃度でも、細菌や酵母、カビなどの成長を抑制する作用があるので、食品や化粧品の保存期間を延長するために広く使われている。

しかし、パラベンは、人体に害が殆どないと考えられる濃度でも、細菌や酵母、カビなどの成長を抑制する性質があるため、皮膚疾患、中枢神経麻痺、癌などを誘発することが知られている。特に、パラオキシ安息香酸メチル（メチルパラベン）は、細菌のＤＮＡを切って殺菌する作用をするが、これを摂取すると、人間の遺伝子が破壊されて細胞が死滅したり、遺伝子の変異が発生する恐れがある。

そこで、こうしたパラベンを用いないでも防腐性を示す化粧水が提案されている（例えば、後記の特許文献１）。これは、パラベンを含まず、３質量％以下の低級アルコ−ル及び１０質量％以下の二価グリコールを含む化粧水であって、炭素数４又は５のアルキル基を持つグリセリンモノアルキルエーテル０．３〜５質量％含有することを特徴とする化粧水である。

しかしながら、上記した化粧水は、パラベンを含んでいないが、主成分として化学合成によって生成した化学防腐剤を用いており、またその性能に限界があり、防腐性や低刺激性だけでなく、それ以外の要求性能を満たしてはいない。

従って、本発明の目的は、天然の原料を用いて、肌にとって美白効果としわ改善効果、更には保湿効果やミネラル効果にも優れた、新しい要求性能を実現した化粧水を提供することにある。

即ち、本発明は、加水分解アルギンと海水とクロレラ抽出物とからなる原料から得られた天然保湿剤が、温泉水に添加されてなる化粧水に係るものである。

本発明によれば、上記の天然保湿剤において、海藻由来のアルギン酸加水分解物である加水分解アルギンは、肌の上に極薄の被膜を作り、外気に対する肌のバリア機能を高めて肌の水分が失われるのを防止する保湿効果に優れ、しかも基底膜を構成するタンパク質の分解促進酵素（ＭＭＰ−９）の発生を抑制して基底膜を保護する効果も有し、またクロレラ抽出物は、緑藻類の抽出成分であるクロレラエキスがたんぱく質、ビタミンＢ、ミネラル、必須アミノ酸を豊富に含むために保湿作用や皮膚細胞の活性化作用に優れている。これらの加水分解アルギン及びクロレラ抽出物を海水に溶解又は分散させた天然保湿剤であるから、化学合成物ではない天然の原料から得られ、人体に無害であって保湿効果、更にはミネラル効果にも優れ、美白効果及びしわ改善効果を示すものである。

しかも、この天然保湿剤が、海水を含むと共に、温泉水、特に我国の鹿児島県産出の温泉水に添加されており、これらの海水及び温泉水が豊富なミネラル成分を含むことから、美白効果やしわ改善効果に優れ、なめらかな肌にすることができる。特に、鹿児島県産出の温泉水は、火山灰シラスを含むことから、この火山灰シラスのミネラル成分（ＳｉＯ₂、ＭｇＯなど）による研磨及び脱臭効果といった効能を発揮することができる。

本発明の化粧水においては、美白効果及びしわ改善効果と、保湿効果及びミネラル効果とが複合的に発揮されるが、このためには、前記温泉水が８０質量％又はそれ以上の割合を占めるのが望ましい。

この化粧水は、化学合成された防腐剤を含まないで天然成分を９７質量％以上含むものであって、使い方としては、スプレータイプのミネラルウォーターとして肌にスプレーすることができる。

また、前記温泉水は、我国の鹿児島県産出の温泉水であるのが望ましい。この温泉水は、本来の成分に加えて火山灰シラスを含有するが、シラスが研磨効果に優れたＳｉＯ₂等の成分を有し、かつ脱臭効果のあるＭｇＯなどのミネラル成分も有するミネラル効果の高いものであり、肌上の異種物質の除去効果と美白効果を与えるからである。

このシラスは微粒になる程その表面がマイナスイオンに帯電されているので、プラスイオンを帯びた肌の表面の付着不純物を引きつけて除去する作用もある。また、シラスは多孔質であることから、それ自体が対象物の表面の細部にまで行き渡ると同時に、上記した保湿剤などの添加剤を吸着保持しながらその作用を十二分に発揮させることができる。

本発明の化粧水は、上記以外にも、他の保湿剤、界面活性剤、増粘剤などの他の成分を添加してよい。例えば、βグルカン、ブチレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、アルブチン、ラベンダー抽出物、グリセリン、パンテノール、トコフェリル酢酸、アデノシン、セラミド３、ヒドロキシエチルセルロース、ディソジウムEDTA、コセス−７、PPG-1-PEG-9 ラウリルグリコールエーテル、PEG-40 水添ヒマシ油、ヒドロキシカプリル酸、カプリルグリコール、アルギニン及び火山灰シラスからなる群より選ばれた少なくとも１種が更に添加されてよい。

次に、本発明を実施例について更に詳細に説明する。

まず、本実施例の化粧水の基本成分組成とその効能を下記の表１に示す（表中の％は質量％である）。

この表に示す基本成分以外にも、上記したβグルカン、ブチレングリコールなどの他の成分を所定量添加してもよい。

この化粧水は、顔の表面にスプレーして使用されるが、上記の天然保湿剤が皮膚表面だけでなく、皮膚内部に浸透することによって皮膚内部まで十二分に保湿し、しっとりとした肌を作り上げることが確認された。本実施例の化粧水に用いる天然保湿剤を他の保湿剤と比較して下記の表２に示すが、皮膚表面の角質層のみならず、表皮内部までも迅速かつ長期的に保湿できることが分かった。

なお、ここで、上記温泉水に含まれる火山灰シラスは、成分分析によって次の組成からなっていることが分かっている（％は質量％を表す）。
ＳｉＯ₂：７３．３％
ＴｉＯ₂：０．３７％
Ａｌ₂Ｏ₃：１３．４％
Ｆｅ₂Ｏ₃：２．２９％
ＭｇＯ：０．３８％
ＣａＯ：１．７５％
Ｎａ₂Ｏ：３．２９％
Ｋ₂Ｏ：３．５６％
Ｈ₂Ｏ：１．６６％（乾燥時に蒸発する量）

上記の成分を見れば、上記温泉水は本来のミネラル成分に加えて、火山灰シラスによる、研磨効果のあるＳｉＯ₂、ＴｉＯ₂、Ａｌ₂Ｏ₃など、脱臭効果のあるＭｇＯ、ＣａＯ、Ｎａ₂Ｏなどの独特のミネラル成分を相当量含有していることが分かる。

<例１〜６>
次に、本発明に基づく天然保湿剤（ペオハイドラン）を用いた化粧水について、具体的に説明する。

まず、成分である温泉水は、次の具体的な組成からなっている。
ＳｉＯ₂：８０ｍｇ／Ｌ
ＴｉＯ₂：０．１ｍｇ／Ｌ
Ａｌ₂Ｏ₃：０．０５ｍｇ／Ｌ
Ｋ：２．５ｍｇ／Ｌ
Ｃａ：４．２ｍｇ／Ｌ
Ｍｇ：３．２ｍｇ／Ｌ
Ｎａ₂Ｏ：２ｍｇ／Ｌ

また、ペオハイドランは、次の具体的な組成からなっている（％は質量％を表す：以下、それを単に数字で示すことがある）。
グリセリン：５０％
水分：４６．６２５％
加水分解アルギン (Hydrolyzed Algin)：２．２２５％
クロレラ抽出物：０．４％
海洋深層水：０．７５％

上記の原料を順次添加した後、７０℃まで加温し、しかる後に３０分間攪拌した。

なお、上記以外の他の成分は、次の通りであった。
ラベンダー抽出物：保湿剤
ディソジウムEDTA：金属イオン封鎖剤(Chelating Agent)
コセス−７：柔和剤
ＰＰＧ−１−ＰＥＧ−９ラウリルグリコールエーテル：柔和剤
ＰＥＧ−４０水添ヒマシ油：柔和剤

そして、下記の表３に示すように各成分の含有量を種々に変え、得られた各化粧水について保湿力テストを行った。

上記の処方で作られた各製品の保湿力実験をするために、２０〜４０代男女各５名ずつ、６グループに分けて実験した。即ち、１日２回ずつ３０分間、１週間かけて顔全体に化粧水を付着した後、１週間後に水分テスターで水分を測定した。水分測定器はｂｅｓｔ社のｈ６−６１１（製造国：台湾）を使用した。結果を下記の表４に示す。

この実験結果から分るように、ペオハイドランによって保湿力が向上し、その含有量は４％以上、特に５％が良いことが分った。

<例７〜１２>
次に、下記の表５に示すように各成分の含有量を種々に変え、得られる各化粧水について皮膚の明るさ実験を行った。

そして、上記の各例によるそれぞれの化粧水について、温泉水含有量の変化による皮膚色に与える影響を調べるため、２０〜４０代男女各５名ずつ、６グループに分けて実験した。即ち、皮膚色の明るさの変化を測るために、１日２回ずつ３０分間、４週間かけて顔全体に化粧水を付着した後、４週後に、分光測色計(Minolta社モデル番号：CM-3500D 製造元：日本)を使用して皮膚色の明るさの変化を測り、皮膚トーン改善の程度を評価した。その結果を下記の表６に示す。測定値が高くなることは皮膚が明るくなることを意味し、低くなることは皮膚が暗くなることを意味する。

この実験結果から、実験前後の皮膚の明るさの改善度が温泉水の含有量によって変化し、その含有量は７０％以上、更には８０％以上が望ましいことが分った。

本発明は、化粧水、特に美白効果及びしわ改善効果と優れた保湿効果を有するスプレータイプの化粧水を提供することができる。

特開２０１０−２４８１１７号公報（特許請求の範囲、明細書の段落番号［００１０］〜［００２７］）

新化粧品学（第２版）、２００１年、第２２５頁

Claims

加水分解アルギンと海水とクロレラ抽出物とからなる原料から得られた天然保湿剤が、温泉水に添加されてなる化粧水。
美白効果及びしわ改善効果と、保湿効果及びミネラル効果とが複合的に発揮される、請求項１に記載した化粧水。
前記温泉水が８０質量％又はそれ以上の割合を占める、請求項１又は２に記載した化粧水。
βグルカン、ブチレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、アルブチン、ラベンダー抽出物、グリセリン、パンテノール、トコフェリル酢酸、アデノシン、セラミド３、ヒドロキシエチルセルロース、ディソジウムEDTA、コセス−７、PPG-1-PEG-9 ラウリルグリコールエーテル、PEG-40 水添ヒマシ油、ヒドロキシカプリル酸、カプリルグリコール、アルギニン及び火山灰シラスからなる群より選ばれた少なくとも１種が更に添加されている、請求項１〜３のいずれか１項に記載した化粧水。
スプレータイプのミネラルウォーターである、請求項１〜４のいずれか１項に記載した化粧水。