JP2013155100A - グリーンハニカム成形体、グリーンハニカム成形体の製造方法、及び、ハニカム焼成体の製造方法 - Google Patents

グリーンハニカム成形体、グリーンハニカム成形体の製造方法、及び、ハニカム焼成体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い気孔率と、低い熱膨張率と、を兼ね備えるセラミクスハニカムフィルタを製造することのできる、グリーンハニカム成形体等を提供する。
【解決手段】本発明のグリーンハニカム成形体は、酸化アルミニウム粉末、酸化チタン源粉末、及び、造孔剤を含む。酸化アルミニウム粉末の粒度分布は、20〜70μmに第1のピークを、15μm以下に第2のピークを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、グリーンハニカム成形体、グリーンハニカム成形体の製造方法、及び、ハニカム焼成体の製造方法に関する。
従来より、セラミクスハニカムフィルタが、DPF(Diesel particulate filter)用等として広く知られている。このセラミクスハニカムフィルタは、多数の貫通孔を有するセラミクスハニカム構造体の一部の貫通孔の一端側が封口部で封じられると共に、残りの貫通孔の他端側が封口部で封じられた構造を有する。
セラミクスハニカム焼成体の材料として、例えば、チタン酸アルミニウム系のものが知られている。
国際公開第05/105704号パンフレット
ところで、チタン酸アルミニウム系のセラミクスハニカムフィルタに対しては、高い気孔率と、低い熱膨張率と、を兼ね備えることが求められている。高い気孔率により圧力損失を低下させることができる一方、低い熱膨張率により熱応力による破損を抑制することができるからである。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、高い気孔率と、低い熱膨張率と、を兼ね備えるセラミクスハニカムフィルタを製造することのできる、グリーンハニカム成形体等を提供することを目的とする。
本発明は、酸化アルミニウム粉末、酸化チタン源粉末、及び、造孔剤を含み、
前記酸化アルミニウム粉末の粒度分布が、20〜70μmに第1のピークを、15μm以下に第2のピークを有する、グリーンハニカム成形体を提供する。
本発明の成形体を焼成することにより、気孔率が高く、かつ、熱膨張率の低い、チタン酸アルミニウム系のハニカム焼成体が得られる。
第1のピークを構成する大粒子は主として、多孔構造の骨格を形成し、焼成(焼結)に伴う気孔率の低下を抑制する役目を果たす。第2のピークを構成する小粒子は、酸化チタン源粉末と反応し易く、チタン酸アルミニウム系結晶を生成し易くする役目を果たす。そして、酸化アルミニウム粉末が、上述のような2つのピークを有する粒度分布を持つ場合、作用機序は不明であるが、熱膨張率が極めて低く、かつ、気孔率が高いチタン酸アルミニウム系焼成体を得ることが可能となる。
ここで、さらに、マグネシウム源粉末を含むことが好ましい。また、さらに、ケイ素源粉末を含むことが好ましい。
また、互いに平行に配置された複数の貫通孔を有することが好ましい。
また、さらに、前記各貫通孔の少なくとも一端を封じる封口部を備えることが好ましい。
本発明は、ペーストを複数の貫通孔を有するグリーンハニカム成形体に成形する工程を備え、
前記ペーストは、酸化アルミニウム粉末、酸化チタン源粉末、造孔剤、及び、溶媒を含み、
前記酸化アルミニウム粉末の粒度分布が、20〜70μmに第1のピークを、15μm以下に第2のピークを有する、グリーンハニカム成形体の製造方法を提供する。
本発明に掛かるハニカム焼成体の製造方法は、上述のグリーンハニカム成形体を焼成する工程を備える。
本発明によれば、高い気孔率と、低い熱膨張率と、を兼ね備えるセラミクスハニカムフィルタを得ることができる。
図1の(a)は本発明の一実施形態に係るグリーンハニカム成形体の斜視図、図1の(b)は、(a)の入口側端面の一部拡大図、図1の(c)は、(a)の出口側端面の一部拡大図である。 酸化アルミニウム粉末A、酸化アルミニウム粉末B、及び、実施例7の比率の酸化アルミニウム粉末A及びBの混合粉末Cにかかる体積基準の粒度分布である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、寸法の比率は図面に示すものに限定されない。また、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明にかかるグリーンハニカム成形体は、酸化アルミニウム粉末、酸化チタン源粉末、及び、造孔剤を少なくとも含む。
(酸化アルミニウム粉末)
酸化アルミニウム(アルミナ:Al)粉末は、レーザ回折法による体積基準の粒度分布において、少なくとも二つのピークを有する。粒度分布は、例えば、レーザ回折散乱式粒度分布計により測定することができる。
第1のピークは、20〜70μmの範囲に存在する。第1のピークの位置の好ましい範囲は25〜60μm、より好ましい範囲は30〜50μmである。
第2のピークは、15μm以下に存在する。第2のピークの位置の好ましい範囲は2μm以上であり、より好ましい範囲は3〜9μmである。第1のピークの高さが、第2のピークの高さよりも高いことが好ましい。また、酸化アルミニウムの粒度分布は、第1ピーク及び第2ピーク以外に、1又は複数の他のピークを有していても良いが、他のピークの高さは、第1のピーク及び第2のピークよりもそれぞれ低いことが好ましい。
このような酸化アルミニウム粉末は、粒度分布の最大ピークが20〜70μmにある粉末と、粒度分布の最大ピークが15μm以下にある粉末とを混合することにより容易に得ることができる。混合比も特に限定されず、得られる混合粉が少なくとも二つのピークを有するものであればよい。ピークの高さも特に限定されないが、いずれのピークとも、頻度が0.5%以上であることが好ましい。
酸化アルミニウムの結晶型としては、γ型、δ型、θ型、α型等が挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。これらの混合物でも良い。なかでも、α型の酸化アルミニウムが好ましく用いられる。
この酸化アルミニウム粉末は、焼成後に生成するチタン酸アルミニウム系セラミクスのアルミニウム成分となる。この酸化アルミニウム粉末中のアルミニウム原子のモル数が、グリーンハニカム成形体中の全アルミニウム原子のモル数に占める割合は、少なくとも70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
酸化アルミニウム粉末は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
(チタニウム源粉末)
チタニウム源粉末は、焼成後に生成するチタン酸アルミニウム系セラミクスのチタン成分となる化合物であり、かかる化合物としては、例えば酸化チタンが挙げられる。酸化チタンとしては、例えば、酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)等が挙げられ、なかでも酸化チタン(IV)が好ましく用いられる。酸化チタン(IV)の結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型等が挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。より好ましくは、アナターゼ型、ルチル型の酸化チタン(IV)である。
チタニウム源は、単独で空気中で焼成することによりチタニア(酸化チタン)となる化合物であってもよい。かかる化合物としては、例えば、チタニウム塩、チタニウムアルコキシド、水酸化チタニウム、窒化チタン、硫化チタン、チタン金属等が挙げられる。
チタニウム塩として具体的には、三塩化チタン、四塩化チタン、硫酸チタン(IV)等が挙げられる。チタニウムアルコキシドとして具体的には、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)tert−ブトキシド、チタン(IV)n−ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、および、これらのキレート化物等が挙げられる。硫化チタンとして具体的には、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)等が挙げられる。
チタニウム源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記のなかでも、チタニウム源としては、酸化チタンが好ましく用いられ、より好ましくは、酸化チタン(IV)である。
チタニウム源粉末の粒径は、特に限定されないが、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径(D50または平均粒子径ということがある)が0.1〜25μmの範囲内であるものを用いることが好ましく、焼成時の収縮率を十分に低くするためには、D50が0.5〜20μmの範囲内であるチタニウム源粉末を用いることがより好ましい。なお、チタニウム源粉末は、バイモーダルな粒径分布を示すことがあるが、このようなバイモーダルな粒径分布を示すチタニウム源粉末を用いる場合においては、レーザ回折法により測定される粒径分布における、粒径が大きい方のピークの粒径が、好ましくは20〜50μmの範囲内である。
レーザ回折法により測定されるチタニウム源粉末のモード径は、特に限定されないが、0.3〜60μmの範囲内であるチタニウム源粉末を用いることができる。
グリーンハニカム成形体中における、Al(アルミナ)を単位要素として計算された全アルミニウム成分のモル数と、TiO(チタニア)を単位要素として計算された全チタニウム成分のモル数との比は、35:65〜45:55とすることが好ましく、より好ましくは40:60〜45:55である。このような範囲内で、チタニウム源を酸化アルミニウムに対して過剰に用いることにより、焼成時の収縮率を低減させることが可能となる。なお、グリーンハニカム成形体は、酸化アルミニウム粉末以外に、アルミニウム原子を含む粉末を含有することができる。その場合には、酸化アルミニウム(Al)粉末に含まれるAlのモル数、および、Al(アルミナ)を単位要素として計算された酸化アルミニウム以外の全アルミニウム成分のモル数の合計に対する、TiO(チタニア)を単位要素として計算された全チタニウム成分のモル数の比が、成形体中において上記範囲内となるように調整される。
チタニウム源粉末は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
(マグネシウム源粉末)
グリーンハニカム成形体は、マグネシウム源粉末を含有していてもよい。グリーンハニカム成形体がマグネシウム源粉末を含む場合、焼成後に得られるチタン酸アルミニウム系セラミクスは、チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶を含む焼成体である。
マグネシウム源としては、マグネシア(酸化マグネシウム)のほか、単独で空気中で焼成することによりマグネシアとなる化合物が挙げられる。後者の例としては、例えば、マグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウム等が挙げられる。
マグネシウム塩として具体的には、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム等が挙げられる。
マグネシウムアルコキシドとして具体的には、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等が挙げられる。
マグネシウム源として、アルミニウムを含む化合物を用いることもできる。このような化合物としては、例えば、マグネシアスピネル(MgAl)が挙げられる。
マグネシウム源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
マグネシウム源粉末の粒径は、特に限定されないが、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径(D50または平均粒子径ということがある)が0.5〜30μmの範囲内であるものを用いることが好ましく、焼成時の収縮率低減の観点からは、D50が3〜20μmの範囲内であるマグネシウム源を用いることが好ましい。
グリーンハニカム成形体中における、MgO(マグネシア)を単位要素として計算されるマグネシウム源のマグネシウム成分のモル数は、グリーンハニカム成形体中の、Al(アルミナ)を単位要素として計算された全アルミニウム成分のモル数と、TiO(チタニア)を単位要素として計算された全チタニウム成分のモル数との合計量を1としたときに、0.03〜0.15とすることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.12である。マグネシウム源のMgの含有量をこの範囲内に調整することにより、耐熱性がより向上された、大きい細孔径および開気孔率を有するチタン酸アルミニウム系セラミクスを比較的容易に得ることができる。
マグネシウム源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
(ケイ素源粉末)
グリーンハニカム成形体は、ケイ素源粉末をさらに含有していてもよい。ケイ素源は、シリコン成分となってチタン酸アルミニウム系セラミクスに含まれる化合物であり、ケイ素源の併用により、耐熱性がより向上されたチタン酸アルミニウム系セラミクスを得ることが可能となる。ケイ素源としては、例えば、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素等の酸化ケイ素(シリカ)が挙げられる。
ケイ素源は、単独で空気中で焼成することによりシリカとなる化合物であってもよい。かかる化合物としては、例えば、ケイ酸、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、長石、ガラスフリット等が挙げられる。なかでも、長石、ガラスフリット等が好ましく用いられ、工業的に入手が容易であり、組成が安定している点で、ガラスフリット等がより好ましく用いられる。なお、ガラスフリットとは、ガラスを粉砕して得られるフレークまたは粉末状のガラスをいう。ケイ素源として、長石とガラスフリットとの混合物を含む粉末を用いることもできる。
ケイ素源がガラスフリットである場合、得られるチタン酸アルミニウム焼成体の耐熱分解性をより向上させるという観点から、屈伏点が700℃以上のものを用いることが好ましい。ガラスフリットの屈伏点は、熱機械分析装置(TMA:Thermo Mechanical Analyisis)を用いて測定される、ガラスフリットを低温から昇温した際の、膨張が止まり、収縮が始まる温度(℃)と定義される。
ガラスフリットを構成するガラスには、ケイ酸〔SiO〕を主成分(全成分中50重量%以上)とする一般的なケイ酸ガラスを用いることができる。ガラスフリットを構成するガラスは、その他の含有成分として、一般的なケイ酸ガラスと同様、アルミナ〔Al〕、酸化ナトリウム〔NaO〕、酸化カリウム〔KO〕、酸化カルシウム〔CaO〕、マグネシア〔MgO〕等を含んでいてもよい。また、ガラスフリットを構成するガラスは、ガラス自体の耐熱水性を向上させるために、ZrOを含有していてもよい。
ケイ素源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ケイ素源の粒径は、特に限定されないが、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径(D50または平均粒子径ということがある)が0.5〜30μmの範囲内であるものを用いることが好ましく、原料混合物のグリーンハニカム成形体への充填率をより向上させ、機械的強度のより高い焼成体を得るためには、D50が1〜20μmの範囲内であるケイ素源を用いることが好ましい。
グリーンハニカム成形体がケイ素源を含む場合、グリーンハニカム成形体中におけるケイ素源の含有量は、全アルミニウム成分をAl(アルミナ)に換算した重量と、全チタニウム成分をTiO(チタニア)に換算した重量との合計量100重量部に対して、ケイ素源をSiO(シリカ)に換算した重量が、0.1重量部〜10重量部となる量であることが好ましく、より好ましくは5重量部以下である。また、グリーンハニカム成形体中におけるケイ素源の含有量は、グリーンハニカム成形体中に含まれる無機材料中、2重量%以上5重量%以下とすることがより好ましい。ケイ素源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
上述の酸化アルミニウム粉末に加えて、マグネシアスピネル(MgAl)等の複合酸化物のように、チタニウム、アルミニウム、ケイ素およびマグネシウムのうち、2つ以上の金属元素を成分とする化合物を原料として用いることができる。この場合、そのような化合物は、それぞれの金属源化合物を混合したものと同じであると考えることができ、このような考えに基づき、グリーンハニカム成形体中における各成分の量が上記範囲内に調整される。
グリーンハニカム成形体は、酸化アルミニウム粉末以外に、チタン酸アルミニウム、チタン酸アルミニウムマグネシウム、シリカ成分を含むチタン酸アルミニウムマグネシウムなど、焼成されたチタン酸アルミニウム系セラミクス粉末を含むことができる。
(造孔剤)
グリーンハニカム成形体は、造孔剤を含む。造孔剤は、焼成により除去されて、焼成体に気孔を形成させるものである。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーン等の植物材料;氷;およびドライアイス等が挙げられる。造孔剤の添加量は、アルミニウム、チタニウム、マグネシウム、およびケイ素を含む粉末の合計量、すなわち、セラミクス源粉末の100重量部に対して、0〜40重量部であることが好ましく、より好ましくは0〜25重量部である。
(その他の添加物)
グリーンハニカム成形体は、その他の添加物を含むことができる。その他の添加物は、例えば、有機バインダ、潤滑剤及び可塑剤、分散剤、溶媒である。
(有機バインダ)
有機バインダは水溶性であることが好ましい。有機バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコール等のアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の塩等が挙げられる。
有機バインダの量は、アルミニウム、チタニウム、マグネシウム、およびケイ素を含む粉末の合計量、すなわち、セラミクス源粉末の100重量部に対して、20重量部以下であることが好ましく、より好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは6重量部である。また、有機バインダは、0.1重量部以上であることが好ましく、より好ましくは3重量部以上である。
潤滑剤及び可塑剤としては、グリセリン等のアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸アルミニウム等のステアリン酸金属塩等が挙げられる。潤滑剤の添加量は、アルミニウム、チタニウム、マグネシウム、およびケイ素を含む粉末の合計量、すなわち、セラミクス源粉末の100重量部に対して、0〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等の界面活性剤等が挙げられる。分散剤の添加量は、アルミニウム、チタニウム、マグネシウム、およびケイ素を含む粉末の合計量、すなわち、セラミクス源粉末の100重量部に対して、0〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8重量部である。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール類;および水等を用いることができる。なかでも、水が好ましく、不純物が少ない点で、より好ましくはイオン交換水が用いられる。成形時(乾燥前)の溶媒の使用量は、アルミニウム、チタニウム、マグネシウム、およびケイ素を含む粉末の合計量、すなわち、セラミクス源粉末の100重量部に対して、10重量部〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは20重量部〜80重量部である。成形体は、焼成前に、溶媒を除去すべく乾燥されることが好ましく乾燥後の成形体における溶媒の含有量は、例えば、グリーンハニカム成形体の全体の重量に対して、15〜30wt%程度とすることができる。
(グリーンハニカム成形体の形状)
グリーンハニカム成形体は、同一方向に互いに平行に延びる多数の貫通孔を有する。グリーンハニカム成形体の一例を、図1に示す。このグリーンハニカム成形体70は、断面六角形の互いに平行な貫通孔70cを多数有する柱状体(円柱体)である。貫通孔70cは、隔壁70dにより形成されている。各貫通孔70cはグリーンハニカム成形体70の入口側端面70a及び出口側端面70bに垂直である。
図1の(b)に示すように、複数の貫通孔70cのうち一部の貫通孔70caは、貫通孔に直交する入口側端面70aにおいて封口部70eで塞がれ、図1の(c)に示すように、複数の貫通孔70cのうち残りの貫通孔70cbは、貫通孔に直交する出口側端面70bにおいて封口部70eで塞がれている。図1の(b)に示すように、入口側端面70aでは、封口部70eで塞がれた貫通孔70caは、封口部70eで塞がれた他の貫通孔70caと隣接せずに、封口部70eで塞がれていない貫通孔70cbと隣接している。図1の(c)に示すように、出口側端面70bでは、封口部70eで塞がれた6個の貫通孔70cb同士は、封口部70eで塞がれていない一つの貫通孔70caを取り囲むように互いに隣接している。このように、複数の貫通孔70cは、入口側端面70a及び出口側端面70bのいずれか一方の端面において封口部70eで塞がれている。これにより、ハニカム構造体100において、貫通孔70cの一部における入口側端面70aはガスの流入口として開口しており、入口側端面70aで開口している貫通孔70cに隣接する貫通孔70cの出口側端面70bはガスの流出口として開口し、隔壁70dにより粒子の捕集が可能である。
封口部の材料は、貫通孔70cの端部を閉鎖できるものであれば特に限定されないが、焼成後にチタン酸アルミニウム系セラミクスを与える原料(例えば、上述のセラミクス原料と、バインダと、溶媒とを含むスラリー、あるいは、チタン酸アルミニウム系セラミクスとバインダと溶媒とを含むスラリー)が例示できる。
なお、本発明のグリーンハニカム成形体は、未封口のものでもよい。例えば、未封口のグリーンハニカム成形体を焼成し、その後封口部を形成することも可能である。
また、貫通孔70の断面形状は、六角形には限定されず、矩形、円形、楕円形、3角形、正方形、8角形等にすることができる。また、複数の貫通孔70が、径の異なるもの、断面形状の異なるものを有していてもよい。また、貫通孔70間の間隔や、貫通孔70の配置様式も特に限定されない。さらに、グリーンハニカム焼成体の外形も、円柱に限られず、例えば3角柱、4角柱、6角柱、8角柱等とすることができる。
<グリーンハニカム成形体の製造方法>
本実施形態に係るグリーンハニカム成形体の製造方法の一例を示す。この製造方法は、例えば、成形工程と、乾燥工程とをこの順に備えている。
成形工程では、まず、酸化アルミニウム粉末、酸化チタン源粉末、造孔剤、及び、溶媒を用意する。ここで、必要に応じて、マグネシウム源、シリカ源や、他の添加物を用意することもできる。そして、これらの原料を混練機等により混合してペーストを得た後、グリーン体の隔壁の断面形状に対応する出口開口を有する押出機からこのペーストを押し出して成形体を得る。そして、成形体を所望の長さに切ることにより、未乾燥のグリーンハニカム成形体を得る。
乾燥工程では、成形工程で得られたグリーンハニカム成形体を熱風やマイクロウエーブ等により乾燥して溶媒を除去する。その後、必要に応じて、各貫通孔の端部に公知の方法で封口を行い、封口部を有するグリーンハニカム成形体を得る。なお、焼成前に封口せずに、焼成後に封口しその後再度封口部の焼成を行っても良い。
<ハニカム焼成体の製造方法>
本実施形態に係るハニカム焼成体の製造方法は、得られた乾燥済みグリーンハニカム成形体を焼成して、チタン酸アルミニウム系セラミクス製のハニカム焼成体を得る焼成工程を備えている。焼成温度は、例えば1200〜1800℃である。
[実施例1〜22、比較例1〜3]
<原料混合物の調製>
酸化アルミニウム粉末A、酸化アルミニウム粉末B、酸化チタン粉末、酸化マグネシウム粉末、ガラス(SiO)粉末、チタン酸アルミニウムマグネシウム粉末、造孔剤(各種澱粉)、分散剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル)、潤滑剤及び可塑剤(グリセリン)、及び、水を含むペーストを調製した。ペースト中の各成分の含有量は表1、表2、及び表3のとおりである。
Figure 2013155100

Figure 2013155100

Figure 2013155100
また、各固体原料粉末(酸化アルミニウム粉末を除く)の平均粒子径(D50)を表4に、酸化アルミニウム粉末A,BのD10,D50,D90等を表5に、体積基準の粒度分布を図2に示す。なお、図2は、さらに、実施例7の比率で酸化アルミニウム粉末A及びBが混合された混合粉の体積基準の粒度分布Cも示す。これらの測定は、レーザ回折散乱粒度分布測定機(日機装、MT3300)で行った。
Figure 2013155100

Figure 2013155100
上記のペーストを表1〜3に示す濃度でそれぞれ混練した後に押出成形し、その後乾燥機内で乾燥することによりグリーンハニカム成形体(セル密度:300cpsi、セル壁厚:0.3mm)をそれぞれ作製した。これらの成形体は、長さ240mmの円柱体であり、長手方向に延在する多数の貫通孔(断面形状:六角形状)を有していた。正六角形状の断面を有する貫通孔の一辺の長さは0.84mmであった。その後、貫通孔の一端を封口した。
<焼成>
続いて、成形体を1500℃で焼成することにより、焼成体を得た。得られた焼成体の気孔率をアルキメデス法により、熱膨張係数を島津製作所 熱機械分析装置TMA−60により、平均気孔径をMicromeritics 水銀圧入法細孔分布測定器WIN9400により、チタン酸アルミニウム転化率(以下、AT化率と呼ぶことがある)を粉末X線回折法により、焼結収縮率を、焼成前後の断面方向(貫通孔の軸と垂直な方向)の長さ(幅)の比により、それぞれ測定した。
実施例では、比較例に比して、気孔率が十分高く、かつ、熱膨張係数の極めて低いハニカム焼成体が得られることが確認された。
70…グリーンハニカム焼成体、70e…封口部。

Claims (7)

  1. 酸化アルミニウム粉末、酸化チタン源粉末、及び、造孔剤を含み、
    前記酸化アルミニウム粉末の粒度分布が、20〜70μmに第1のピークを、15μm以下に第2のピークを有する、グリーンハニカム成形体。
  2. さらに、マグネシウム源粉末を含む請求項1記載のグリーンハニカム成形体。
  3. さらに、ケイ素源粉末を含む請求項1又は2記載のグリーンハニカム成形体。
  4. 互いに平行に配置された複数の貫通孔を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリーンハニカム成形体。
  5. さらに、各前記貫通孔の少なくとも一端を封じる封口部を備える、請求項4記載のグリーンハニカム成形体。
  6. ペーストを複数の貫通孔を有するグリーンハニカム成形体に成形する工程を備え、
    前記ペーストは、酸化アルミニウム粉末、酸化チタン源粉末、造孔剤、及び、溶媒を含み、
    前記酸化アルミニウム粉末の粒度分布が、20〜70μmに第1のピークを、15μm以下に第2のピークを有する、グリーンハニカム成形体の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のグリーンハニカム成形体を焼成する工程を備える、ハニカム焼成体の製造方法。
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