JP2013154725A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動力補助制御部は、変速機構制御部が現在の車速において選択し得る変速段の内で変速比が最も大きい目標変速段である最低変速段を決定し、変速機構に形成されている現在の変速段が前記最低変速段であるか否か判定し、現在の変速段が最低変速段であると判定している場合は、駆動力補助制御の実行を許可し、現在の変速段が最低変速段でないと判定している場合は、駆動力補助制御の実行を禁止する制御装置。
【選択図】図3
Description
前記車輪への要求駆動力と車速に応じて目標変速段を決定し、前記目標変速段を前記変速機構に形成させる変速機構制御部と、
前記車輪への要求駆動力が増加した場合に、前記内燃機関から前記車輪に伝達される駆動力を、前記回転電機の出力トルクにより補助する駆動力補助制御を実行する駆動力補助制御部と、を備え、
前記駆動力補助制御部は、前記変速機構制御部が現在の車速において選択し得る変速段の内で変速比が最も大きい変速段である最低変速段を決定し、前記変速機構に形成されている現在の変速段が前記最低変速段であるか否か判定し、
現在の変速段が前記最低変速段であると判定している場合は、前記駆動力補助制御の実行を許可し、現在の変速段が前記最低変速段でないと判定している場合は、前記駆動力補助制御の実行を禁止する点にある。
また、本願において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が一又は二以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いている。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。また、このような伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等が含まれていてもよい。
上記の特徴構成とは異なり、現在の変速段が最低変速段でない場合に、駆動力補助制御の実行を許可すると、最低変速段へのダウンシフト制御が開始された後、変速機構の変速比の変化が開始される前に、回転電機の出力トルクが駆動力補助トルクのために既に増加されている場合がある。このため、回転電機の出力トルクを、変速機構の変速比の変化を補助するために更に十分増加させることができない場合がある。特に、要求駆動力の増加により、目標変速段が最低変速段に変更されて、駆動力補助が要求されている場合は、車両の急加速が要求されている場合であり、回転電機の出力トルクは駆動力補助のために最大出力トルク付近まで増加されている場合があり、変速機構の変速比の変化を補助するために回転電機の出力トルクを更に増加させることが困難な場合がある。このような場合は、変速機構の変速比を変化させるために、内燃機関の出力トルク及び回転電機の駆動力補助トルクが使用されて、出力部材に伝達されるトルクが、変速機構の変速比の変化中低下し、変動する場合がある。このトルク変動により、運転者が加速抜け感を感じ、車両のドライバビリティが悪化する。
一方、現在の変速段が最低変速段である場合は、要求駆動力の増加によりダウンシフト制御が開始される可能性がなく、上記のように、ダウンシフト制御中に出力部材に伝達されるトルクが低下して変動する恐れがない。
一方、最低変速段へのダウンシフト制御が開始された後、現在の変速段が最低変速段に変更されたと判定されると、駆動力補助制御の実行が許可され、回転電機の駆動力補助トルクにより良好な車両の加速感が得られる。
前記最低段ダウンシフト制御の開始後、少なくとも前記変速機構の変速比の変化開始までは、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されていないと判定して、前記駆動力補助制御の実行を禁止し、少なくとも前記変速機構の変速比の変化終了後に、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されたと判定して、前記駆動力補助制御の実行を許可すると好適である。
また、少なくとも変速機構の変速比の変化終了後は、変速比の変化のために、出力部材への伝達トルクが低下することはない。上記の構成のように、少なくとも変速機構の変速比の変化終了後に、駆動力補助制御の実行を許可し、回転電機の出力トルクを駆動力補助のために増加させても、出力部材への伝達トルクが変速比の変化のために低下する恐れはなく、回転電機の出力トルクの増加に応じて出力部材への伝達トルクを増加させることができる。
また、少なくとも変速機構の変速比の変化終了後に、駆動力補助制御の実行が許可されるので、駆動力補助を開始する時点をダウンシフト制御が完了する時点より早期化させることができる。これにより、要求駆動力の増加に対する、出力部材への伝達トルクの応答を向上させることができ、車両のドライバビリティを向上させることができる。
前記最低段ダウンシフト制御の開始後、前記変速機構の変速比を変化させる際に、前記変速機構の変速比の変化を前記回転電機の出力トルクにより補助する変速比変化補助制御を実行する変速比変化補助制御部を更に備え、
前記駆動力補助制御部は、前記最低段ダウンシフト制御の開始後、少なくとも前記変速機構の変速比の変化終了までは、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されていないと判定して、前記駆動力補助制御の実行を禁止し、前記変速機構の変速比の変化終了後に、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されたと判定して、前記駆動力補助制御の実行を許可すると好適である。
また、変速比を変化させる期間において、回転電機は、駆動力補助するためのトルクを出力していないので、上記の構成のように、回転電機に変速比の変化を補助するためのトルクを出力させることができる。よって、変速機構の変速比を変化させるために、内燃機関の出力トルクが使用されて、出力部材への伝達トルクが、変速機構の変速比の変化中低下することを防止することができる。
よって、変速比の変化開始までの間、駆動力補助によって増加していない出力部材への伝達トルクが、変速比の変化中に低下することなく維持され、トルク変動が生じることを防止できる。
また、上記の構成によれば、変速機構の変速比の変化終了後に、駆動力補助制御の実行が許可されるので、上記のように、回転電機の駆動力補助トルクの増加に応じて出力部材への伝達トルクを増加させることができ、また、駆動力補助を開始する時点をダウンシフト制御が完了する時点より早期化させることができる。
前記駆動力補助制御部は、前記最低段ダウンシフト制御の開始後、前記変速機構の変速比の変化開始までは、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されていないと判定して、前記駆動力補助制御の実行を禁止し、前記変速機構の変速比の変化開始直後に、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されたと判定して、前記駆動力補助制御の実行を許可すると好適である。
また、変速比の変化開始直後に、駆動力補助制御の実行が許可されるので、回転電機の出力トルクが駆動力補助のために増加する。よって、回転電機に出力させた駆動力補助トルクを、変速比を変化させるために使用することができ、変速比を変化させるために、内燃機関の出力トルクが使用されて、出力部材への伝達トルクが、変速機構の変速比の変化中低下することを防止することができる。
よって、変速比の変化開始までの間、駆動力補助によって増加していない出力部材への伝達トルクが、変速比の変化中に低下することなく維持され、トルク変動が生じることを防止できる。
また、上記の構成によれば、変速比の変化開始直後に、回転電機の出力トルクが駆動力補助のために増加されているので、変速比の変化中に、増加された回転電機の出力トルクを、変速比の変化のために使用するだけでなく、出力部材への伝達トルクの増加のためにも使用することができる。このため、変速比の変化中から、回転電機の出力トルクの増加に応じて出力部材への伝達トルクを増加させることができる。よって、駆動力補助を開始する時点をダウンシフト制御が完了する時点より更に早期化させることができる。
なお、出力軸Oが、本発明における「出力部材」に相当する。
なお、車輪Wへの要求駆動力としてアクセル開度Accの他にブレーキ操作量も考慮されるように構成されてもよい。
駆動力補助制御部46は、変速機構制御部43が現在の車速Vsにおいて決定し得る目標変速段Goの内で変速比が最も大きい目標変速段である最低変速段GLを決定し、変速機構TMに形成されている現在の変速段が最低変速段GLであるか否か判定する。そして、駆動力補助制御部46は、現在の変速段が最低変速段GLであると判定している場合は、駆動力補助制御の実行を許可し、現在の変速段が最低変速段GLでないと判定している場合は、駆動力補助制御の実行を禁止する点に特徴を有している。
以下、本実施形態に係る車両用駆動装置1及び制御装置30について、詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るハイブリッド車両の車両用駆動装置1の構成について説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両は、車両の駆動力源としてエンジンE及び回転電機MGを備え、これらのエンジンEと回転電機MGとが直列に駆動連結されるパラレル方式のハイブリッド車両となっている。ハイブリッド車両は、変速機構TMを備えており、当該変速機構TMにより、中間軸Mに伝達されたエンジンE及び回転電機MGの回転速度ωmを変速すると共にトルクを変換して出力軸Oに伝達する。
車両用駆動装置1の油圧制御系は、車両の駆動力源や専用のモータによって駆動される油圧ポンプから供給される作動油の油圧を所定圧に調整するための油圧制御装置PCを備えている。ここでは詳しい説明を省略するが、油圧制御装置PCは、油圧調整用のリニアソレノイド弁からの信号圧に基づき一又は二以上の調整弁の開度を調整することにより、当該調整弁からドレインする作動油の量を調整して作動油の油圧を一又は二以上の所定圧に調整する。所定圧に調整された作動油は、それぞれ必要とされるレベルの油圧で、変速機構TMの複数の係合装置C1、・・・、並びに第一係合装置CL1や第二係合装置CL2の各摩擦係合要素等に供給される。
次に、車両用駆動装置1の制御を行う制御装置30及びエンジン制御装置31の構成について、図2を参照して説明する。
制御装置30の制御ユニット32〜34及びエンジン制御装置31は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備えるとともに、当該演算処理装置からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶装置等を有して構成されている。そして、制御装置のROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御装置30の各機能部41〜47などが構成されている。また、制御装置30の制御ユニット32〜34及びエンジン制御装置31は、互いに通信を行うように構成されており、センサの検出情報及び制御パラメータ等の各種情報を共有するとともに協調制御を行い、各機能部41〜47の機能が実現される。
入力回転速度センサSe1は、入力軸I及び中間軸Mの回転速度を検出するためのセンサである。入力軸I及び中間軸Mには回転電機MGのロータが一体的に駆動連結されているので、回転電機制御ユニット32は、入力回転速度センサSe1の入力信号に基づいて回転電機MGの回転速度ωm(角速度)、並びに入力軸I及び中間軸Mの回転速度を検出する。
エンジン制御装置31は、エンジンEの動作制御を行うエンジン制御部41を備えている。本実施形態では、エンジン制御部41は、車両制御ユニット34からエンジン要求トルクが指令されている場合は、車両制御ユニット34から指令されたエンジン要求トルクを出力トルク指令値に設定し、エンジンEが出力トルク指令値のトルクを出力するように制御するトルク制御を行う。また、エンジン制御装置31は、エンジンの燃焼開始要求があった場合は、エンジンEの燃焼開始が指令されたと判定して、エンジンEへの燃料供給及び点火を開始するなどして、エンジンEの燃焼を開始する制御を行う。
動力伝達制御ユニット33は、変速機構TMの制御を行う変速機構制御部43と、第一係合装置CL1の制御を行う第一係合装置制御部44と、エンジンEの始動制御などにおいて第二係合装置CL2の制御を行う第二係合装置制御部45と、を備えている。
変速機構制御部43は、変速機構TMを制御する機能部である。変速機構制御部43は、車速Vs、及び車輪Wへの要求駆動力としてのアクセル開度Acc、ブレーキ操作量、及びシフト位置などのセンサ検出情報に基づいて目標変速段Goを決定し、目標変速段Goを変速機構TMに形成させる。本実施形態では、変速機構制御部43は、油圧制御装置PCを介して変速機構TMに備えられた各係合装置C1、・・・に供給される油圧を制御することにより、各係合装置C1、・・・を係合又は解放して目標とされた変速段を変速機構TMに形成させる。具体的には、変速機構制御部43は、油圧制御装置PCに各係合装置の目標油圧(指令圧)を指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(指令圧)の油圧を各係合装置に供給する。
変速マップには、図7に示すように、概略的に車速Vsが大きくなるに従い、アクセル開度Accも大きくなる線で表される複数のアップシフト線(実線)と複数のダウンシフト線(破線)とが設定されている。例えば、図7に「5−6」で示されているアップシフト線は、目標変速段Goが第五変速段から第六変速段へ変更させる車速Vs及びアクセル開度Accが設定された線であり、図7に「6−5」で示されているダウンシフト線は、目標変速段Goが第六変速段から第五変速段へ変更させる車速Vs及びアクセル開度Accが設定された線である。なお、アップシフトとは変速比の大きい変速段から変速比の小さい変速段への切り替えを意味し、ダウンシフトとは変速比の小さい変速段から変速比の大きい変速段への切り替えを意味する。なお、第一変速段、第二変速段、第三変速段、第四変速段、第五変速段、第六変速段の順に、変速比が小さくなるように設定されている。
また、シフト位置の変更があった場合も、目標変速段が変更される場合がある。例えば、セカンドレンジ、又はローレンジに変更されたと検出した場合にも、目標変速段Goが変更される場合がある。
第一係合装置制御部44は、第一係合装置CL1の係合状態を制御する。本実施形態では、第一係合装置制御部44は、第一係合装置CL1の伝達トルク容量を、車両制御ユニット34から指令された第一目標トルク容量に近づけるように、油圧制御装置PCを介して第一係合装置CL1に供給される油圧を制御する。具体的には、第一係合装置制御部44は、第一目標トルク容量に基づき設定した目標油圧(指令圧)を、油圧制御装置PCに指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(指令圧)の油圧を第一係合装置CL1に供給する。
第二係合装置制御部45は、エンジンEの始動制御中などにおいて第二係合装置CL2の係合状態を制御する。本実施形態では、第二係合装置制御部45は、第二係合装置CL2の伝達トルク容量を、車両制御ユニット34から指令された第二目標トルク容量に近づけるように、油圧制御装置PCを介して第二係合装置CL2に供給される油圧を制御する。具体的には、第二係合装置制御部45は、第二目標トルク容量に基づき設定した目標油圧(指令圧)を、油圧制御装置PCに指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(指令圧)の油圧を第二係合装置CL2に供給する。
本実施形態では、第二係合装置CL2は、変速機構TMの変速段を形成する複数の一つとされる。
回転電機制御ユニット32は、回転電機MGの動作制御を行う回転電機制御部42を備えている。本実施形態では、回転電機制御部42は、車両制御ユニット34から回転電機要求トルクが指令されている場合は、車両制御ユニット34から指令された回転電機要求トルクTmoを出力トルク指令値に設定し、回転電機MGが出力トルク指令値のトルクを出力するように制御する。具体的には、回転電機制御部42は、インバータが備える複数のスイッチング素子をオンオフ制御することにより、回転電機MGの出力トルクを制御する。
車両制御ユニット34は、エンジンE、回転電機MG、変速機構TM、第一係合装置CL1、及び第二係合装置CL2等に対して行われる各種トルク制御、及び各係合装置の係合制御等を車両全体として統合する制御を行う機能部を備えている。
なお、車輪Wへの要求駆動力としてアクセル開度Accの他にブレーキ操作量も考慮されるように構成されてもよい。すなわち、車両制御ユニット34は、車輪Wへの要求駆動力としてのアクセル開度Accおよびブレーキ操作量、車速Vs、及びバッテリの充電量等に応じて、車両要求トルクを算出するとともに、エンジンE及び回転電機MGの運転モードを決定するように構成されてもよい。
本実施形態では、車両制御ユニット34は、駆動力補助制御部46及び変速比変化補助制御部47を備えている。
以下、駆動力補助制御部46及び変速比変化補助制御部47について詳細に説明する。
駆動力補助制御部46は、図3及び図4に示すように、車輪Wへの要求駆動力としてのアクセル開度Accが増加した場合に、エンジンEから車輪Wに伝達される駆動力を、回転電機MGの出力トルクにより補助する駆動力補助制御を実行する機能部である。
本実施形態では、要求駆動力補助トルク決定部52(駆動力補助率決定部50)は、アクセル開度Accに応じて駆動力補助率Ktasを決定する。要求駆動力補助トルク決定部52(回転電機最大トルク決定部51)は、回転電機MGの回転速度ωmに基づいて、現在の回転電機MGの回転速度ωmにおいて回転電機MGが出力可能な最大トルクである回転電機最大トルクTmmxを決定する。そして、要求駆動力補助トルク決定部52は、駆動力補助率Ktasと回転電機最大トルクTmmxとを乗算して、要求駆動力補助トルクTmtasrを算出するように構成されている。
駆動力補助率決定部50は、図5の例に示すような、アクセル開度Accが0%から100%まで増加するに従い、駆動力補助率Ktasが0.0から1.0まで増加するように予め設定された特性マップを備えており、当該特性マップを用い、アクセル開度Accに基づいて駆動力補助率Ktasを設定するように構成されている。
回転電機最大トルク決定部51は、図6の例に示すような、回転電機MGの回転速度ωmと回転電機最大トルクTmmxとの関係特性が設定された特性マップを備えており、当該特性マップを用い、回転電機MGの回転速度ωmに基づいて回転電機最大トルクTmmxを設定するように構成されている。
また、本実施形態では、図7に示すように、高駆動力領域は、目標変速段Goに最低変速段GLが設定されるアクセル開度Accの範囲と、一致するように設定されている。
まず、駆動力補助制御の課題について、図8に示す比較例に基づいて説明する。
詳しくは、図9を用いて後述するが、時刻t11において、アクセル開度Accが、回転電機MGによる駆動力補助が要求される高駆動力領域まで増加されている(時刻t11以降)。また、時刻t11において、図7に示すように、現在の車速V1において、アクセル開度AccがA1からA2に増加され、目標変速段Goが第四変速段からより変速比の大きい第二変速段に変更されており、ダウンシフトの変速制御が開始されている。第二変速段は、現在の車速V1において決定され得る最低変速段GLである。このように、図8に示す例では、アクセル開度Accが、駆動力補助が要求されるまで増加されたとき、ダウンシフトの変速制御が開始されている(時刻t11)。
一方、目標変速段Goが変更されてダウンシフトの変速制御を開始した後、変速機構TMの変速段の目標変速段Goへの変更が完了するまでには、時間がかかり、時間遅れが生じている(時刻t11から時刻t14)。特に、ダウンシフトを開始した後、解放側係合装置を直結係合状態から滑り係合状態に移行させるまでには、時間がかかり、時間遅れが生じている(時刻t11から時刻t12)。すなわち、ダウンシフト制御の開始後しばらくの間(時刻t11から時刻t12)は、ダウンシフト制御の開始前の変速段が形成されたままの状態になっている。よって、この間、増加された回転電機MGの出力トルクが、変速前の変速段を介して出力軸Oに伝達され、駆動力源側から出力軸Oに伝達されるトルクである出力軸伝達トルクが、回転電機MGの出力トルクの増加に応じて増加している。なお、エンジンEの出力トルクも、アクセル開度Accの増加に応じて増加されており、出力軸伝達トルクはエンジンEの出力トルクの増加に応じても増加している。
よって、図8に示す比較例では、イナーシャ制御フェーズの開始前に駆動力補助トルクに応じて大きくなっている出力軸伝達トルクが、イナーシャ制御フェーズの間に大きく低下しており、トルク変動が生じている。このトルク変動により、運転者が加速抜け感を感じ、車両のドライバビリティが悪化する。
回転電機MGの回転速度ωmが、変速後の同期回転速度まで変化したあと(時刻t13)、後述するトルク制御フェーズの制御が開始され、出力軸伝達トルクが、変速後の目標変速段の変速比により増大されるトルクまで次第に増加している(時刻t13から時刻t14)。そして、トルク制御フェーズが終了すると、ダウンシフトの変速制御が終了する(時刻t14)。
上記の課題に対して、駆動力補助制御部46は、変速機構制御部43が現在の車速Vsにおいて選択し得る変速段の内で変速比が最も大きい変速段である最低変速段GLを決定し、変速機構TMに形成されている現在の変速段が最低変速段GLであるか否か判定するように構成されている。そして、駆動力補助制御部46は、現在の変速段が最低変速段GLであると判定している場合は、駆動力補助制御の実行を許可し、現在の変速段が最低変速段GLでないと判定している場合は、駆動力補助制御の実行を禁止するように構成されている。
そして、駆動力補助制御許可禁止判定部54が、変速機構TMに形成されている現在の変速段Gが最低変速段GLであるか否かを判定するように構成されている。
本実施形態では、図4に示すように、駆動力補助制御許可禁止判定部54は、変速機構TMの変速比を変化させるイナーシャ制御フェーズ等の変速制御フェーズに基づいて、現在の変速段が最低変速段GLに変更されたか否かを判定するように構成されている。
なお、駆動力補助制御部46は、現在の変速段が最低変速段GLでないと判定している場合であって、変速機構制御部43によって目標変速段Goが現在の変速段から当該現在の変速段より変速比が大きい変速段であって最低変速段GL以外の変速段に変更され、当該最低変速段GL以外の変速段を変速機構TMに形成させる一般ダウンシフト制御を行う場合には、変速機構TMの変速比の変化終了後も、駆動力補助制御の実行を禁止するように構成されている。
よって、少なくとも変速機構TMの変速比の変化終了後に、駆動力補助制御の実行を許可することにより、駆動力補助を開始する時点をダウンシフト制御が完了する時点より早期化することができる。これにより、アクセル開度Accの増加に対する、出力軸Oに伝達されるトルク(出力軸伝達トルク)の応答を向上させることができ、車両のドライバビリティを向上させることができる。
以下で、本実施形態に係る駆動力補助制御として、第一の駆動力補助制御と、第二の駆動力補助制御と、2つの異なる構成について説明する。
まず、第一の駆動力補助制御の構成及び挙動について説明する。
<第一の駆動力補助制御の構成>
第一の駆動力補助制御に係る駆動力補助制御部46は、最低段ダウンシフト制御の開始後、少なくとも変速機構TMの変速比の変化終了までは、現在の変速段が最低変速段GLに変更されていないと判定して、駆動力補助制御の実行を禁止し、変速機構TMの変速比の変化終了後に、現在の変速段が最低変速段GLに変更されたと判定して、駆動力補助制御の実行を許可するように構成されている。
また、第一の駆動力補助制御に係る変速比変化補助制御部47は、最低段ダウンシフト制御の開始後、変速機構TMの変速比を変化させる際に、変速機構TMの変速比の変化を回転電機MGの出力トルクにより補助する変速比変化補助制御を実行するように構成されている。
第一の駆動力補助制御の挙動について、図9を参照して説明する。
図8の比較例と同様に、時刻t21において、アクセル開度Accが高駆動力領域まで増加している。アクセル開度Accの増加に応じて要求駆動力補助トルクTmtasrが増加されており、回転電機MGによる駆動力補助が要求されている。図9に示す例では、図8の比較例と同様に、要求駆動力補助トルクTmtasrが、回転電機MGの最大出力トルクTmmxまで増加されている。また、時刻t21において、図8の比較例と同様に、図7に示すように、現在の車速V1においてアクセル開度AccがA1からA2に増加され、目標変速段Goが第四変速段からより変速比の大きい第二変速段に変更されており、ダウンシフトの変速制御が開始されている。駆動力補助制御部46は、第二変速段を最低変速段GLと決定しており、最低段ダウンシフト制御が開始されたと判定している。
第一の駆動力補助制御に係る駆動力補助制御部46は、変速機構TMの変速比を変化させるイナーシャ制御フェーズの終了まで(時刻t23まで)は、現在の変速段が目標変速段Goとしての最低変速段GLに変更されていないと判定して、駆動力補助制御の実行を禁止しており(目標補助制御OFF)、イナーシャ制御フェーズの終了直後(時刻t23)に、現在の変速段が最低変速段GLであると判定して、駆動力補助制御の実行を許可している(目標補助制御ON)。
よって、イナーシャ制御フェーズの終了まで(時刻t23まで)は、要求駆動力補助トルクTmtasrが増加され、駆動力補助が要求されているにもかかわらず、駆動力補助制御の実行を禁止して回転電機MGに駆動力補助トルクを出力させていない。そして、イナーシャ制御フェーズの終了直後(時刻t23)から、駆動力補助制御の実行を許可して回転電機MGに駆動力補助トルクを出力させている。
一方、ダウンシフト制御の開始後、係合側係合装置に対する指令圧がストロークエンド圧付近まで増加される(時刻t21から時刻t23)。図9に示す例では、油圧シリンダへの作動油の充填を早めるため、指令圧が、変速制御の開始後、一時的にストロークエンド圧より高く設定されている。
イナーシャ制御フェーズでは、回転速度(変速比)の関係は、変速前の変速段から変速後の変速段の状態に移行されるが、トルク伝達の関係は、変化せず変速前の変速段の状態のままに維持される。解放側係合装置は滑りながらトルクを伝達している状態にされ、係合側係合装置は解放状態にされる。つまり、イナーシャ制御フェーズでは、トルク伝達の関係は、変速前の変速段の関係のままで変化がなく、回転速度(変速比)の関係だけが変速前の変速段から変速後の変速段の関係に移行される。
本実施形態では、解放側係合装置の係合圧(指令圧)は、イナーシャ制御フェーズの期間中、最小係合圧付近に設定されており、解放側係合装置の係合圧(指令圧)の低下により駆動力源側に余剰トルクが生じないように構成されている。このため、回転電機MGの出力トルクの増加により駆動力源側に余剰トルクを生じさせ、回転電機MGの回転速度ωmを変化させるように構成されている。
変速比変化補助制御部47は、回転電機MGの回転速度ωmが変速後の同期回転速度に到達するときの回転電機MGの回転速度ωmの変化速度が、変速後の同期回転速度の変化速度に近づくように、回転電機MGの回転速度ωmが、変速後の同期回転速度に近づくにつれ、回転電機MGの出力トルクを減少させるように構成されている。
よって、トルク制御フェーズの開始後、トルク伝達の関係が、変速前の変速段から変速比のより大きい変速後の変速段に移行していくため、駆動力源のトルクがより増大されて出力軸Oに伝達されていく。
よって、トルク制御フェーズの制御による出力軸伝達トルクの増大に加えて、駆動力補助トルクによる駆動力源のトルクの増加により、出力軸伝達トルクを増加させることができている。
次に、第二の駆動力補助制御の構成及び挙動について説明する。
<第二の駆動力補助制御の構成>
第二の駆動力補助制御に係る駆動力補助制御部46は、最低段ダウンシフト制御の開始後、変速機構TMの変速比の変化開始までは、現在の変速段が最低変速段GLに変更されていないと判定して、駆動力補助制御の実行を禁止し、変速機構TMの変速比の変化開始直後に、現在の変速段が最低変速段GLに変更されたと判定して、駆動力補助制御の実行を許可するように構成されている。
また、第二の駆動力補助制御に係る変速比変化補助制御部47は、最低段ダウンシフト制御の開始後、変速機構TMの変速比を変化させる際に、解放側係合装置の係合圧(指令圧)の制御により変速機構TMの変速比の変化を補助するように構成されている。
第二の駆動力補助制御の挙動について、図10を参照して説明する。
図8及び図9と同様に、時刻t31において、アクセル開度Accが高駆動力領域まで増加している。アクセル開度Accの増加に応じて要求駆動力補助トルクTmtasrが増加されており、回転電機MGによる駆動力補助が要求されている。図10に示す例では、図8及び図9と同様に、要求駆動力補助トルクTmtasrが、回転電機MGの最大出力トルクTmmxまで増加されている。また、時刻t31において、図8及び図9と同様に、目標変速段Goが第四変速段からより変速比の大きい第二変速段に変更されており、ダウンシフトの変速制御が開始されている。駆動力補助制御部46は、第二変速段を最低変速段GLと決定しており、最低段ダウンシフト制御が開始されたと判定している。
第二の駆動力補助制御に係る駆動力補助制御部46は、変速機構TMの変速比を変化させるイナーシャ制御フェーズの開始まで(時刻t32まで)は、現在の変速段が目標変速段Goとしての最低変速段GLに変更されていないと判定して、駆動力補助制御の実行を禁止しており(目標補助制御OFF)、イナーシャ制御フェーズの開始直後(時刻t32)に、現在の変速段が最低変速段GLであると判定して、駆動力補助制御の実行を許可している(目標補助制御ON)。
よって、イナーシャ制御フェーズの開始まで(時刻t32まで)は、要求駆動力補助トルクTmtasrが増加され、駆動力補助が要求されているにもかかわらず、駆動力補助制御の実行を禁止して回転電機MGに駆動力補助トルクを出力させていない。そして、イナーシャ制御フェーズの開始直後(時刻t32)から、駆動力補助制御の実行を許可して回転電機MGに駆動力補助トルクを出力させている。
一方、ダウンシフト制御の開始後、図9と同様に、係合側係合装置に対する指令圧がストロークエンド圧付近まで増加される(時刻t31から時刻t33)。
駆動力補助トルクの増加により駆動力源のトルクが増加して、解放側係合装置の最小係合圧が、駆動力補助トルクの増加に応じて増加している(時刻t32直後)。一方、変速比変化補助制御部47は、イナーシャ制御フェーズの期間中(時刻t32から時刻t33)、解放側係合装置の係合圧(指令圧)の制御により、変速機構TMの変速比の変化を補助する。変速比変化補助制御部47は、駆動力補助制御の開始後、駆動力補助トルクの増加により、解放側係合装置の最小係合圧が増加した後も、解放側係合装置の係合圧(指令圧)を、駆動力補助トルクが増加される前(イナーシャ制御フェーズの開始時)の係合圧の状態に維持する。すなわち、変速比変化補助制御部47は、エンジンEの出力トルクを、全て出力軸O側に伝達可能な最小の係合圧を指令圧に設定する。
よって、イナーシャ制御フェーズが開始されるまでの間、駆動力補助制御の実行が禁止されることにより、出力軸伝達トルクが、イナーシャ制御フェーズの間に低下することなく維持される。よって、図8の比較例とは異なり、トルク変動が生じることを防止できており、運転者が加速抜け感を感じ、車両のドライバビリティが悪化することを防止できている。
これにより、イナーシャ制御フェーズの期間の後半で、解放側係合装置の係合圧は、エンジンEの出力トルク及び回転電機MGの駆動力補助トルクを伝達可能な最小係合圧まで増加することとなり、出力軸Oに伝達されるトルク(出力軸伝達トルク)が、駆動力補助トルクに応じて増加する。図9に示した第一の駆動力補助制御では、イナーシャ制御フェーズの終了後に出力軸伝達トルクが駆動力補助トルクに応じて増加されるのに比べ、第二の駆動力補助制御では、イナーシャ制御フェーズの期間の後半から、出力軸伝達トルクが駆動力補助トルクに応じて増加されており、駆動力補助の開始時期を更に早期化することができている。よって、アクセル開度Accの増加に対する、出力軸Oに伝達されるトルク(出力軸伝達トルク)の応答を更に向上させることができ、車両のドライバビリティを更に向上させることができている。
よって、トルク制御フェーズの開始後、トルク伝達の関係が、変速前の変速段から変速比のより小さい変速後の変速段に移行していくため、駆動力補助トルク分だけ増加されている駆動力源のトルクがより増大されて出力軸Oに伝達されていく。
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
或いは、車両用駆動装置1は、図12に示すように、回転電機MGと変速機構TMと間の動力伝達経路に更にトルクコンバータTC、及びトルクコンバータTCの入出力部材間を直結係合状態にするロックアップクラッチCL2を備えるように構成されてもよい。
2 :動力伝達経路
30 :制御装置
31 :エンジン制御装置
32 :回転電機制御ユニット
33 :動力伝達制御ユニット
34 :車両制御ユニット
41 :エンジン制御部
42 :回転電機制御部
43 :変速機構制御部
44 :第一係合装置制御部
45 :第二係合装置制御部
46 :駆動力補助制御部
47 :変速比変化補助制御部
50 :駆動力補助率決定部
51 :回転電機最大トルク決定部
52 :要求駆動力補助トルク決定部
53 :最低変速段決定部
54 :駆動力補助制御許可禁止判定部
Acc :アクセル開度(車輪への要求駆動力)
C1 :変速機構の係合装置
DF :出力用差動歯車装置
E :エンジン(内燃機関)
G :変速段
GL :最低変速段
Go :目標変速段
Kro :目標変速比
Ktas :駆動力補助率
MG :回転電機
O :出力軸(出力部材)
PC :油圧制御装置
Se1 :入力回転速度センサ
Se2 :出力回転速度センサ
Se3 :エンジン回転速度センサ
TM :変速機構
Tm :回転電機の出力トルク
Tmmx :回転電機最大トルク(最大出力トルク)
Tmo :回転電機要求トルク
Tmtasr:要求駆動力補助トルク
Tmtas:駆動力補助トルク
Vs :車速
W :車輪
ωm :回転電機の回転速度
Claims (7)
- 内燃機関と車輪に駆動連結された出力部材とを結ぶ動力伝達経路に回転電機が設けられていると共に、変速比が異なる複数の変速段を切り替えて形成可能な変速機構が、前記動力伝達経路における前記回転電機と前記出力部材との間に設けられた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置であって、
前記車輪への要求駆動力と車速に応じて目標変速段を決定し、前記目標変速段を前記変速機構に形成させる変速機構制御部と、
前記車輪への要求駆動力が増加した場合に、前記内燃機関から前記車輪に伝達される駆動力を、前記回転電機の出力トルクにより補助する駆動力補助制御を実行する駆動力補助制御部と、を備え、
前記駆動力補助制御部は、前記変速機構制御部が現在の車速において選択し得る変速段の内で変速比が最も大きい変速段である最低変速段を決定し、前記変速機構に形成されている現在の変速段が前記最低変速段であるか否か判定し、
現在の変速段が前記最低変速段であると判定している場合は、前記駆動力補助制御の実行を許可し、現在の変速段が前記最低変速段でないと判定している場合は、前記駆動力補助制御の実行を禁止する制御装置。 - 前記駆動力補助制御部は、前記現在の変速段が前記最低変速段でないと判定している場合であって、前記変速機構制御部によって前記目標変速段が前記現在の変速段から前記最低変速段に変更され、前記変速機構に前記最低変速段を形成させる最低段ダウンシフト制御が開始された場合には、
前記最低段ダウンシフト制御の開始後、少なくとも前記変速機構の変速比の変化開始までは、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されていないと判定して、前記駆動力補助制御の実行を禁止し、少なくとも前記変速機構の変速比の変化終了後に、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されたと判定して、前記駆動力補助制御の実行を許可する請求項1に記載の制御装置。 - 前記現在の変速段が前記最低変速段でないと判定されている場合であって、前記変速機構制御部によって前記目標変速段が前記現在の変速段から前記最低変速段に変更され、前記変速機構に前記最低変速段を形成させる最低段ダウンシフト制御が開始された場合に、
前記最低段ダウンシフト制御の開始後、前記変速機構の変速比を変化させる際に、前記変速機構の変速比の変化を前記回転電機の出力トルクにより補助する変速比変化補助制御を実行する変速比変化補助制御部を更に備え、
前記駆動力補助制御部は、前記最低段ダウンシフト制御の開始後、少なくとも前記変速機構の変速比の変化終了までは、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されていないと判定して、前記駆動力補助制御の実行を禁止し、前記変速機構の変速比の変化終了後に、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されたと判定して、前記駆動力補助制御の実行を許可する請求項1又は2に記載の制御装置。 - 前記最低段ダウンシフト制御の開始後、前記変速機構の変速比の変化終了までは、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されていないと判定して、前記駆動力補助制御の実行を禁止し、前記変速機構の変速比の変化終了直後に、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されたと判定して、前記駆動力補助制御の実行を許可する請求項2又は3に記載の制御装置。
- 前記現在の変速段が前記最低変速段でないと判定されている場合であって、前記変速機構制御部によって前記目標変速段が前記現在の変速段から前記最低変速段に変更され、前記変速機構に前記最低変速段を形成させる最低段ダウンシフト制御が開始された場合に、
前記駆動力補助制御部は、前記最低段ダウンシフト制御の開始後、前記変速機構の変速比の変化開始までは、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されていないと判定して、前記駆動力補助制御の実行を禁止し、前記変速機構の変速比の変化開始直後に、前記現在の変速段が前記最低変速段に変更されたと判定して、前記駆動力補助制御の実行を許可する請求項1又は2に記載の制御装置。 - 前記駆動力補助制御部は、前記現在の変速段が前記最低変速段でないと判定している場合であって、前記変速機構制御部によって前記目標変速段が前記現在の変速段から該現在の変速段より変速比が大きい変速段であって前記最低変速段以外の変速段に変更され、当該最低変速段以外の変速段を前記変速機構に形成させる一般ダウンシフト制御を行う場合には、前記変速機構の変速比の変化終了後も、前記駆動力補助制御の実行を禁止する請求項2から5のいずれか一項に記載の制御装置。
- 前記駆動力補助制御部は、前記車輪への要求駆動力が、予め定められた最大駆動力を含む高駆動力領域に含まれる場合のみ、前記駆動力補助制御を実行する請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
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