JP6414499B2 - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents
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Description
実施形態に係る車両用駆動装置1を制御するための車両用駆動装置の制御装置30について、図面を参照して説明する。
車両用駆動装置1には、駆動力源に駆動連結される入力部材Iと、車輪Wに駆動連結される出力部材Oとを結ぶ動力伝達経路2に、油圧式の摩擦係合装置CLが設けられている。図1及び図2は、本実施形態に係る車両用駆動装置1及び制御装置30の概略構成を示す模式図である。図1及び図2に示すように、本実施形態では、入力部材Iに駆動連結される駆動力源は、内燃機関ENGとされている。入力部材Iと出力部材Oとを結ぶ動力伝達経路2には変速装置TMが設けられている。変速装置TMは、複数の係合装置C1、B1、・・・を備えると共に当該複数の係合装置C1、B1、・・・の係合又は解放に応じて複数の変速段が形成され、各変速段の変速比で入力部材Iの回転を変速して出力部材Oに伝達する。摩擦係合装置CLは、変速装置TMに備えられた複数の係合装置C1、B1、・・・の一つとされている。
係合制御部44は、駆動力源により、入力部材Iの回転速度ωiを、摩擦係合装置CLの一対の係合部材間の回転速度差が無くなる同期回転速度ωsに近づける制御を行っている状態で、摩擦係合装置CLを解放状態から係合状態に移行させる場合に、摩擦係合装置CLを係合させるための準備制御を行い、当該準備制御の終了後に、入力部材Iの現在の回転速度ωiと、入力部材Iの回転速度ωiの変化率Dωiとに基づいて、推定時間ΔTe後の入力部材Iの回転速度ωiである推定回転速度ωieを推定し、推定回転速度ωieと同期回転速度ωsとの回転速度差である推定回転速度差Δωiesが係合判定閾値以下である場合に、摩擦係合装置CLの係合を実行する。
まず、本実施形態に係る車両用駆動装置1の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る車両用駆動装置1の駆動伝達系及び油圧供給系の構成を示す模式図である。なお、この図2は、軸対称の構成を一部省略して示している。この図において、実線は駆動力の伝達経路を示し、破線は作動油の供給経路を示し、一点鎖線は電力の供給経路を示している。この図に示すように、車両用駆動装置1は、トルクコンバータTCを介して入力部材Iに駆動連結される内燃機関ENGの回転駆動力を、変速装置TMで変速して出力部材Oに伝達する構成となっている。
後進段(Rev)は、第三クラッチC3及び第二ブレーキB2が係合されて形成される。
これらの各変速段は、入力部材I(内燃機関ENG)と出力部材Oとの間の変速比(減速比)が大きい順に、第一段、第二段、第三段、第四段、第五段、及び第六段となっている。
第二遊星歯車機構PG2の第一サンギヤS2は、第一クラッチC1により第一遊星歯車機構PG1のキャリアCA1と選択的に一体回転するように駆動連結される。キャリアCA2は、第二クラッチC2により入力部材Iと選択的に一体回転するように駆動連結されるとともに、第二ブレーキB2又はワンウェイクラッチFにより非回転部材としてのケースCsに選択的に固定される。ワンウェイクラッチFは、一方向の回転のみを阻止することによりキャリアCA2を選択的にケースCsに固定する。リングギヤR2は、出力部材Oと一体回転するように駆動連結されている。第二サンギヤS3は、第三クラッチC3により第一遊星歯車機構PG1のキャリアCA1と選択的に一体回転するように駆動連結されるとともに、第一ブレーキB1によりケースCsに選択的に固定される。
回転電機MGは、非回転部材に固定されたステータと、このステータと対応する位置で径方向内側に回転自在に支持されたロータと、を有している。回転電機MGのロータは、入力部材I及び摩擦係合装置CLを介さずに車輪Wに駆動連結されている。本実施形態では、図1に示すように、回転電機MGは、変速装置TMが駆動連結された前輪ではなく、後輪に駆動連結されている。回転電機MGは、直流交流変換を行うインバータを介して蓄電装置としてのバッテリに電気的に接続されている。そして、回転電機MGは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能と、を果たすことが可能とされている。すなわち、回転電機MGは、インバータを介してバッテリからの電力供給を受けて力行し、或いは車輪Wから伝達される回転駆動力により発電し、発電された電力は、インバータを介してバッテリに蓄電される。ここで、車輪Wから伝達される回転駆動力には、車輪W及び路面を介して伝達された内燃機関ENGの駆動力も含まれる。
車両用駆動装置1の油圧制御系は、内燃機関ENGによって駆動される機械式オイルポンプMP、及び専用の電動モータ23によって駆動される電動オイルポンプEPから供給される作動油の油圧を所定圧に調整するための油圧制御装置PCを備えている。油圧制御装置PCは、各係合装置C1、B1・・・、LC等に対して供給される油圧を調整するための複数のリニアソレノイド弁などの油圧制御弁を備えている。油圧制御弁は、制御装置30から供給される油圧指令の信号値に応じて弁の開度を調整することにより、当該信号値に応じた油圧の作動油を各係合装置C1、B1・・・及びLC等に供給する。制御装置30から各リニアソレノイド弁に供給される信号値は電流値とされている。そして、各リニアソレノイド弁から出力される油圧は、基本的に制御装置30から供給される電流値に比例する。
油圧制御装置PCは、油圧調整用のリニアソレノイド弁から出力される油圧(信号圧)に基づき一又は二以上の調整弁の開度を調整することにより、当該調整弁からドレインする作動油の量を調整して作動油の油圧を一又は二以上の所定圧に調整する。所定圧に調整された作動油は、それぞれ必要とされるレベルの油圧で、変速装置TMが有する複数の係合装置C1、B1・・・及びロックアップクラッチLC等に供給される。
次に、車両用駆動装置1の制御を行う制御装置30及び内燃機関制御装置31の構成について、図3を参照して説明する。
制御装置30の制御ユニット32〜34及び内燃機関制御装置31は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備えるとともに、当該演算処理装置(コンピュータ)からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶装置等を有して構成されている。そして、制御装置のROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御装置30の各機能部41〜46などが構成されている。また、制御装置30の制御ユニット32〜34及び内燃機関制御装置31は、互いに通信を行うように構成されており、センサの検出情報及び制御パラメータ等の各種情報を共有するとともに協調制御を行い、各機能部41〜46の機能が実現される。
アクセル開度センサSe5は、アクセルペダルの操作量を検出するためのセンサである。制御装置30は、アクセル開度センサSe5の入力信号に基づいてアクセル開度を検出する。
車両制御ユニット34は、統合制御部46を備えている。統合制御部46は、内燃機関ENG、回転電機MG、変速装置TM、及びロックアップクラッチLC等に対して行われる各種トルク制御、及び各係合装置の係合制御等を車両全体として統合する制御を行う。
統合制御部46は、アクセル開度、車速、及びバッテリの充電量等に応じて、車輪Wの駆動のために要求されているトルクであって、駆動力源側から車輪W側に伝達される目標駆動力である車両要求トルクを算出するとともに、内燃機関ENG及び回転電機MGの運転モードを決定する。運転モードとして、回転電機MGのみを駆動力源として走行する電動モードと、少なくとも内燃機関ENGを駆動力源として走行するパラレルモードと、を有する。例えば、アクセル開度が小さく、バッテリの充電量が大きい場合に、運転モードとして電動モードが決定され、それ以外の場合、すなわちアクセル開度が大きい、もしくはバッテリの充電量が小さい場合に、運転モードとしてパラレルモードが決定される。
統合制御部46は、車速、変速入力要求トルク、及びシフト位置に基づいて、変速装置TMにおける目標変速段を決定する。ここで、変速入力要求トルクは、変速装置TMの入力部材Iに伝達される駆動力源の要求トルクであって、本実施形態では、内燃機関要求トルクとされる。
統合制御部46は、ROM等に格納された変速マップを参照し、車速及び内燃機関要求トルクに基づいて目標変速段を決定する。変速マップには複数のアップシフト線と複数のダウンシフト線とが設定されており、車速及び内燃機関要求トルクが変化して変速マップ上でアップシフト線又はダウンシフト線を跨ぐと、統合制御部46は、変速装置TMにおける新たな目標変速段を決定する。
また、統合制御部46は、運転者によるシフト位置の変更により、アップシフト要求又はダウンシフト要求があった場合に、目標変速段を変更する場合がある。なお、ダウンシフトとは変速比の小さい変速段から変速比の大きい変速段への変更を意味し、アップシフトとは変速比の大きい変速段から変速比の小さい変速段への変更を意味する。
内燃機関制御装置31は、内燃機関ENGの動作制御を行う内燃機関制御部41を備えている。本実施形態では、内燃機関制御部41は、統合制御部46から内燃機関要求トルクが指令されている場合は、内燃機関ENGが内燃機関要求トルクを出力するように制御するトルク制御を行う。
また、内燃機関制御部41は、統合制御部46などから始動指令があった場合は、スタータ13に電力を供給するリレー回路をオンにするなどして、スタータ13に電力を供給させて内燃機関ENGを回転させると共に、内燃機関ENGへの燃料供給及び点火などを開始して、内燃機関ENGの燃焼を開始させる。
回転電機制御ユニット32は、回転電機MGの動作制御を行う回転電機制御部42を備えている。本実施形態では、回転電機制御部42は、統合制御部46から回転電機要求トルクが指令されている場合は、回転電機MGが回転電機要求トルクを出力するように制御する。具体的には、回転電機制御部42は、インバータが備える複数のスイッチング素子をオンオフ制御することにより、回転電機MGの出力トルクを制御する。
動力伝達制御ユニット33は、変速装置TMの制御を行う変速制御部43と、ロックアップクラッチLCの制御を行うロックアップ制御部45と、を備えている。
ロックアップ制御部45は、ロックアップクラッチLCの係合の状態を制御する。本実施形態では、ロックアップ制御部45は、ロックアップクラッチLCに供給される油圧が、統合制御部46から指令されたロックアップクラッチLCの油圧指令に一致するように、油圧制御装置PCに備えられた各リニアソレノイド弁に供給される信号値を制御する。
変速制御部43は、変速装置TMが備えた複数の係合装置C1、B1・・・の係合及び解放を制御して、変速装置TMの状態を制御する。
本実施形態では、変速制御部43は、油圧制御装置PCを介して変速装置TMに備えられた複数の係合装置C1、B1・・・に供給される油圧を制御することにより、各係合装置C1、B1・・・を係合又は解放して、統合制御部46から指令された目標変速段を変速装置TMに形成させる。具体的には、変速制御部43は、油圧制御装置PCに各係合装置の目標油圧(油圧指令)を指令し、油圧制御装置PCは、指令された目標油圧(油圧指令)に応じた油圧を各係合装置に供給する。本実施形態では、変速制御部43は、油圧制御装置PCが備えた各油圧制御弁に供給される信号値を制御することにより、各係合装置に供給される油圧を制御するように構成されている。
本実施形態では、変速制御部43は、車輪Wの回転中に、複数の係合装置C1、B1・・・の全てを解放状態に制御して変速装置TMを駆動力の伝達を行わないニュートラル状態とするように制御するニュートラル走行制御を行うように構成されている。ニュートラル状態では、変速装置TMにいずれの変速段も形成されておらず、変速装置TMの入力部材Iと出力部材Oとの間で駆動力の伝達を行わない。
係合制御部44は、駆動力源により、入力部材Iの回転速度ωiを、摩擦係合装置CLの一対の係合部材間の回転速度差が無くなる同期回転速度ωsに近づける制御を行っている状態で、摩擦係合装置CLを解放状態から係合状態に移行させる場合に、摩擦係合装置CLを係合させるための準備制御を行い、当該準備制御の終了後に、入力部材Iの現在の回転速度ωiと、入力部材Iの回転速度ωiの変化率Dωiとに基づいて、推定時間ΔTe後の入力部材Iの回転速度ωiである推定回転速度ωieを推定し、推定回転速度ωieと同期回転速度ωsとの回転速度差である推定回転速度差Δωiesが係合判定閾値以下である場合に、摩擦係合装置CLの係合を実行する係合制御を実行する。
図5に、本実施形態とは異なる比較例のタイムチャートを示す。図5の比較例では、本実施形態のように、推定回転速度差Δωiesに応じて、摩擦係合装置CLの係合を実行するように構成されておらず、入力部材Iの回転速度ωiが同期回転速度ωsに近づいた場合に、摩擦係合装置CLの係合を実行するように構成されている。時刻T01で内燃機関ENGを始動させた後、時刻T04で、入力部材Iの回転速度ωiが、同期回転速度ωsよりも所定回転速度だけ小さく設定された判定下限回転速度ωsLに到達した場合に、摩擦係合装置CLの係合圧を変化させる指令(本例では油圧指令)を増加させ、係合を開始している。摩擦係合装置CLの実際の係合圧(本例では油圧)は、係合圧を変化させる指令(油圧指令)に対して遅れて増加する。そのため、時刻T04で、係合圧を変化させる指令(油圧指令)の増加を開始した後、実際の係合圧(油圧)が増加し始めるまでには、追従遅れが生じる。
上記のようなトルク変動を低減するためには、入力部材Iの回転速度ωiが同期回転速度ωsに近づいたときの、入力部材Iの回転速度ωiの変化率Dωiを考慮して、摩擦係合装置CLの係合圧を増加させることが好ましい。
そこで、係合制御部44は、上記のように、入力部材Iの現在の回転速度ωiと、入力部材Iの回転速度ωiの変化率Dωiとに基づいて、推定時間ΔTe後の入力部材Iの回転速度ωiである推定回転速度ωieを推定し、推定回転速度ωieと同期回転速度ωsとの回転速度差である推定回転速度差Δωiesが係合判定閾値以下である場合に、摩擦係合装置CLの係合を実行するように構成されている。
入力部材Iの回転速度ωiの変化率Dωiの大きさが大きく、推定時間ΔTe後の推定回転速度差Δωiesが、係合判定閾値よりも大きい場合は、摩擦係合装置CLの係合を実行しないので、摩擦係合装置CLの係合部材間の回転速度差が大きい状態で、摩擦係合装置CLが係合されないようにでき、係合によりトルク変動が出力部材Oに伝達されないようにできる。
ωie(t)=ωi(t)+Dωi(t)×ΔTe ・・・(1)
入力部材Iの回転速度ωiの変化率Dωiは、次式に示すように、入力部材Iの回転速度ωiの時間微分値に相当する。係合制御部44は、例えば、入力部材Iの回転速度ωiの変化率Dωiを、現在の入力部材Iの回転速度ωiから、所定時間ΔT0前の入力部材Iの回転速度ωiを減算した後、所定時間ΔT0で除算して算出することができる。
Dωi(t)=dωi(t)/dt=(ωi(t)−ωi(t-ΔT0))/ΔT0
・・・(2)
制御挙動について、図6のタイムチャートを参照して説明する。
時刻T11まで、ニュートラル走行制御が行われており、変速装置TMの複数の係合装置C1、B1・・・の全てが解放状態に制御されており、油圧が供給されていない。車輪W(出力部材O)が回転しており、出力部材Oに目標変速段の変速比を乗算して算出される同期回転速度ωsがゼロより大きくなっている。また、内燃機関ENGが回転停止状態にされている。
時刻T34までは、図6の時刻T14までと、内燃機関ENG及び入力部材Iの回転速度の上昇速度を除き、同様であるので説明を省略する。
係合制御部44は、入力部材Iの回転速度ωiが、判定下限回転速度ωsLまで上昇し、実回転速度差Δωiの大きさが、判定実行閾値以下になった場合に、推定時間ΔTe後の推定回転速度ωieを推定している(時刻T34)。図7の例では、入力部材Iの回転速度ωiは、小さい変化率で上昇しており、推定回転速度ωieは、判定上限回転速度ωsHよりも小さくなり、推定回転速度差Δωiesは、係合判定閾値よりも小さくなる。そのため、係合制御部44は、摩擦係合装置CLの係合を実行すると判定している(時刻T34)。係合制御部44は、摩擦係合装置CLの油圧指令を待機圧から次第に増加させている(時刻T34以降)。摩擦係合装置CLの実際の油圧は、油圧指令に対して、追従遅れ時間ΔTp遅れて増加している。しかし、入力部材Iの回転速度ωiの変化率Dωi(上昇速度)が小さい場合は、摩擦係合装置CLの実際の油圧が増加し始めたとき、入力部材Iの回転速度ωiは、同期回転速度ωsから大きく離れておらず、摩擦係合装置CLの係合部材間の回転速度差は小さくなっている(時刻T35付近)。そのため、摩擦係合装置CLの伝達トルクの増加が抑制され、出力部材O側にトルク変動が伝達されることを抑制できている。
次に、係合制御の処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。
まず、係合制御部44は、駆動力源により、入力部材Iの回転速度ωiを同期回転速度ωsに近づける制御を行っている状態で、摩擦係合装置CLを解放状態から係合状態に移行させる係合制御の開始条件が成立したと判定した場合に、係合制御の処理を開始する(ステップ♯01:Yes)。係合制御部44は、摩擦係合装置CLを係合させるための準備制御の処理を実行する(ステップ♯02)。係合制御部44は、入力部材Iの現在の回転速度ωiと同期回転速度ωsとの回転速度差である実回転速度差Δωiの大きさが、判定実行閾値以下になったか否かを判定する(ステップ♯03)。係合制御部44は、実回転速度差Δωiの大きさが、判定実行閾値以下になったと判定した場合(ステップ♯03:Yes)に、入力部材Iの現在の回転速度ωiと、入力部材Iの回転速度ωiの変化率Dωiとに基づいて、推定時間ΔTe後の入力部材Iの回転速度ωiである推定回転速度ωieを推定する処理を行う(ステップ♯04)。
最後に、その他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
以上で説明した本発明の実施形態は、少なくとも以下の構成を備えている。
駆動力源に駆動連結される入力部材(I)と、車輪(W)に駆動連結される出力部材(O)とを結ぶ動力伝達経路(2)に、油圧式の摩擦係合装置(CL)が設けられた車両用駆動装置(1)の制御装置(30)であって、駆動力源により、入力部材(I)の回転速度(ωi)を、摩擦係合装置(CL)の一対の係合部材間の回転速度差が無くなる同期回転速度(ωs)に近づける制御を行っている状態で、摩擦係合装置(CL)を解放状態から係合状態に移行させる場合に、摩擦係合装置(CL)を係合させるための準備制御を行い、当該準備制御の終了後に、入力部材(I)の回転速度(ωi)と、入力部材(I)の回転速度(ωi)の変化率(Dωi)とに基づいて、推定時間(ΔTe)後の入力部材(I)の回転速度(ωi)である推定回転速度(ωie)を推定し、推定回転速度(ωie)と同期回転速度(ωs)との回転速度差である推定回転速度差(Δωies)が係合判定閾値以下である場合に、摩擦係合装置(CL)の係合を実行する。
また、係合を実行しなかった後、再び、推定回転速度(ωie)を推定し、推定回転速度差(Δωies)が係合判定閾値以下になった場合に、トルク変動を抑制して、摩擦係合装置(CL)を係合させることができる。
30 :車両用駆動装置の制御装置
44 :係合制御部
CL :摩擦係合装置
Dωi :入力部材の回転速度の変化率
ENG :内燃機関
I :入力部材
MG :回転電機
O :出力部材
TM :変速装置
W :車輪
ωe :内燃機関の回転速度
ωi :入力部材の回転速度
ωie :入力部材の推定回転速度
ωs :同期回転速度
ωsH :判定上限回転速度
ωsL :判定下限回転速度
Claims (6)
- 駆動力源に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材とを結ぶ動力伝達経路に、油圧式の摩擦係合装置が設けられた車両用駆動装置の制御装置であって、
前記駆動力源により、前記入力部材の回転速度を、前記摩擦係合装置の一対の係合部材間の回転速度差が無くなる同期回転速度に近づける制御を行っている状態で、前記摩擦係合装置を解放状態から係合状態に移行させる場合に、前記摩擦係合装置を係合させるための準備制御を行い、該準備制御の終了後に、前記入力部材の現在の回転速度と、前記入力部材の回転速度の変化率とに基づいて、推定時間後の前記入力部材の回転速度である推定回転速度を推定し、前記推定回転速度と前記同期回転速度との回転速度差である推定回転速度差が係合判定閾値以下である場合に、前記摩擦係合装置の係合を実行し、
前記推定時間は、前記摩擦係合装置の係合圧を変化させる指令に対する実際の係合圧の追従遅れ時間に応じた時間に決定されている車両用駆動装置の制御装置。 - 前記係合判定閾値は、前記摩擦係合装置の係合時のトルク変動が許容範囲内になるように決定されている請求項1に記載の車両用駆動装置の制御装置。
- 前記入力部材の回転速度の変化率に前記推定時間を乗算した値を、前記入力部材の現在の回転速度に加算した値を、前記推定回転速度として算出する請求項1又は2に記載の車両用駆動装置の制御装置。
- 前記推定回転速度差が前記係合判定閾値より大きい場合は、前記摩擦係合装置の係合を実行せず、その後、前記推定回転速度差が前記係合判定閾値以下になった場合に、前記摩擦係合装置の係合を実行する請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置の制御装置。
- 前記入力部材の現在の回転速度と前記同期回転速度との回転速度差である実回転速度差の大きさが、判定実行閾値以下になった場合に、前記推定回転速度を推定する請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置の制御装置。
- 前記係合判定閾値は、前記判定実行閾値と同じ値に設定されている請求項5に記載の車両用駆動装置の制御装置。
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