JP2013154070A - ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】湾曲部での曲がり易さを確実に確保することができるガイドワイヤを提供すること。
【解決手段】ガイドワイヤ1は、可撓性を有する長尺体で構成され、その先端部に、外力を付与しない自然状態で、一方向に湾曲した湾曲部25を有するワイヤ本体2と、湾曲部25が挿通するように設置され、湾曲部25の長さLよりも短い管状体で構成された造影マーカ3とを備えている。造影マーカ3は、その管壁を厚さ方向に貫通し、その中心軸方向に沿って形成されたスリット31を有している。このスリット31は、湾曲部25に対しその湾曲内側に位置している。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガイドワイヤに関する。
ガイドワイヤは、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療や、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルを誘導するのに使用される。例えばPCI(Percutaneous Coronary Intervention:経皮的冠状動脈インターベンション)を行なう際、X線透視下で、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態で、バルーンカテーテルと共に目的部位である冠状動脈の狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。
このような治療に用いられるガイドワイヤとしては、可撓性を有するワイヤ本体(芯線)と、ワイヤ本体の先端部に装着され、造影性を有し、横断面形状が円形をなす金属製の筒体で構成された1つの造影用チップと、ワイヤ本体を造影用チップごと被覆する被覆層とを有するガイドワイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のガイドワイヤは、ワイヤ本体の先端部に、外力を付与しない自然状態で円弧状に(一方向に)湾曲する湾曲部を設けることができる。この場合、造影用チップは、湾曲部が挿通した状態で、当該湾曲部に位置することとなる。そして、このガイドワイヤを、例えば比較的細い、すなわち、ガイドワイヤの外径とほぼ同じ内径の血管内に挿入した際には、当該ガイドワイヤは、湾曲部がほとんど直線状に近い状態に矯正されてしまう。このとき、湾曲部は、前述したように横断面形状が円形をなす造影チップで、さらに直線状に矯正されることにもなる。このような状態で、血管にその途中から分岐した側枝があり、当該側枝にガイドワイヤを挿入したい場合がある。この場合、湾曲部の湾曲方向に沿うようにガイドワイヤの先端部を側枝に向かわせれば、その挿入操作を行なうことができそうである。
しかしながら、前述したようにこのときの湾曲部は直線状態となっているため、ガイドワイヤの先端部を湾曲部の湾曲方向に沿うように側枝に向かわせるのは、実際上困難である。その結果、ガイドワイヤを側枝に挿入することができないという問題があった。
このように、湾曲部は、自然状態で湾曲していても、ガイドワイヤが挿入される血管径によっては、選択性を失ってしまっていた。
また、湾曲部に造影チップを設けると、造影チップの存在によって硬くなって、直線状に矯正され、湾曲部が側枝に向かいにくくなるという問題があった。
特開平7−275367号公報
本発明の目的は、湾曲部での曲がり易さを確実に確保することができるガイドワイヤを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) 可撓性を有する長尺体で構成され、その先端部に、外力を付与しない自然状態で、一方向に湾曲した湾曲部を有するワイヤ本体と、
前記湾曲部が挿通するように設置され、前記湾曲部の長さよりも短い、少なくとも1つの管状体とを備え、
前記管状体は、その管壁を厚さ方向に貫通し、その中心軸方向に沿って形成されたスリットを有し、該スリットが前記湾曲部に対しその湾曲内側に位置していることを特徴とするガイドワイヤ。
(2) 可撓性を有する長尺体で構成され、その先端部に、外力を付与しない自然状態で、一方向に湾曲した湾曲部を有するワイヤ本体と、
前記湾曲部に設けられ、該湾曲部の長さよりも短い、少なくとも1つ管状体とを備え、
前記管状体は、その管壁を厚さ方向に貫通し、その中心軸方向に沿って形成されたスリットを有し、該スリットが前記湾曲部に対しその湾曲外側に位置していることを特徴とするガイドワイヤ。
(3) 前記湾曲部は、前記スリットが位置している方向とその反対方向とで曲げ易さが異なる上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
(4) 前記スリットは、その幅が前記管状体の中心軸方向に沿って一定となっている上記(1)ないし(3)に記載のガイドワイヤ。
(5) 前記管状体は、前記ワイヤ本体よりも剛性が高いものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
また、本発明のガイドワイヤでは、前記管状体は、その外径が前記管状体の中心軸方向に沿って一定のものであるのが好ましい。
また、本発明のガイドワイヤでは、前記管状体は、造影性を有するのが好ましい。
また、本発明のガイドワイヤでは、前記湾曲部は、その外径が前記ワイヤ本体の長手方向に沿って一定の部分であるのが好ましい。
また、本発明のガイドワイヤでは、前記スリットは、その幅が前記湾曲部の外径と同じかまたはそれよりも若干大きいのが好ましい。
また、本発明のガイドワイヤでは、前記ワイヤ本体は、前記湾曲部の基端側に外径が先端方向に向かって漸減するテーパ部を有し、
前記管状体は、前記湾曲部の前記テーパ部との境界部付近に設置されているのが好ましい。
本発明によれば、管状体は、スリットが湾曲部に対しその湾曲外側または湾曲内側を向くように、湾曲部に設置されている。これにより、湾曲部は、スリットが位置して(向いて)いる方向とその反対方向とで曲げ易さが異なることとなる。すなわち、湾曲部は、スリットが向いている方向には、曲げ易く、それと反対方向には、前記スリットが向いている方向のときよりも曲げ難い。前者は、ガイドワイヤの先端部に対し前記スリットが向いている方向に向かって外力を付与した際、湾曲部がスリットに至るまで変位することができるからである。これに対し、後者は、ガイドワイヤの先端部に対し前記反対方向に向かって外力を付与した際、湾曲部が、管状体のスリット以外の部分でそれ以上の変位が規制されるためである。
このように本発明では、スリットの向きに応じて、湾曲部での曲がり易さを確実に確保することができる。
本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す部分縦断面側面図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1に示すガイドワイヤの先端部が湾曲部の湾曲方向(図1中での矢印B方向)にさらに湾曲した状態を示す横断面図である。 図1に示すガイドワイヤの使用状態の一例を示す部分縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す部分縦断面側面図である。 図5中のC−C線断面図である。 図5に示すガイドワイヤの先端部が湾曲部の湾曲方向と反対方向(図1中での矢印D方向)に湾曲した状態を示す横断面図である。 図5に示すガイドワイヤの使用状態の一例を示す部分縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第3実施形態を示す部分縦断面側面図である。 本発明のガイドワイヤの第4実施形態を示す部分縦断面側面図である。
以下、本発明のガイドワイヤを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す部分縦断面側面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示すガイドワイヤの先端部が湾曲部の湾曲方向(図1中での矢印B方向)にさらに湾曲した状態を示す横断面図、図4は、図1に示すガイドワイヤの使用状態の一例を示す部分縦断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1、図4、図9および図10中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。また、図1中(図5、図9および図10についても同様)では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向との比率は実際とは異なる。
各図に示すガイドワイヤ1は、本実施形態では、比較的細い血管(管腔)100内に挿入して用いられるガイドワイヤである。このガイドワイヤ1は、長尺体で構成されたワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端部(先端側の部分)に設置された1つの造影マーカ3と、ワイヤ本体2全体を造影マーカ3ごと覆う被覆層4とを備えている。
ガイドワイヤ1の全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。
ワイヤ本体2は、可撓性を有する、すなわち、柔軟性または弾性を有する1本の線材で構成されている。図1に示すように、ワイヤ本体2は、その先端部に設けられた外径一定部(第1の外径一定部)21と、外径一定部21の基端側に設けられたテーパ部22と、テーパ部22の基端側に設けられた外径一定部(第2の外径一定部)23とで構成されている。
外径一定部21は、その外径φdがワイヤ本体2の中で最も小さく、ワイヤ長手方向に沿って一定となっている小径部である。また、外径一定部21は、先端側の直線状部24と、それよりも基端側の湾曲部25とに分けることができる。直線状部24は、外力を付与しない自然状態で、直線状をなす部分である。湾曲部25は、自然状態で、一方向に湾曲した、すなわち、円弧状に湾曲した部分である。
湾曲部25がワイヤ本体2の中で最も小径の部分に設けられていることにより、当該湾曲部25は、曲り易い(変形し易い)ものとなる。
外径一定部23は、その外径φdがワイヤ本体2の中で最も大きく、ワイヤ長手方向に沿って一定となっている大径部である。なお、外径一定部23の基端部には、面取りを施した面取り部231が設けられている。
外径一定部21と外径一定部23との間に位置するテーパ部22は、その外径φdが先端方向に向かって漸減した外径漸減部である。なお、テーパ部22の最小外径と外径一定部21の外径φdとは、ほぼ同等であり、テーパ部22の最大外径と外径一定部23の外径φdとは、ほぼ同等である。
また、テーパ部22のテーパ角度(外径φdの減少率)は、図1に示す構成ではワイヤ長手方向に沿って一定であるが、これに限定されず、例えば、ワイヤ長手方向に沿って変化する部位があってもよい。この場合、例えば、テーパ角度が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。
ワイヤ本体2に外径一定部21とテーパ部22とが設けられていることにより、ワイヤ本体2は、全体として先細り形状をなすものとなる。これにより、ワイヤ本体2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ1は、先端部11に良好な狭窄部の通過性および柔軟性を得て、血管等への追従性、安全性が向上するとともに、折れ曲がり等も防止することができる。また、ワイヤ本体2は、その先端側の部分では柔軟性に富み、基端側の部分では比較的剛性が高いものとなるので、先端部11の柔軟性と優れた操作性(押し込み性、トルク伝達性等)とを両立することができる。
ワイヤ本体2の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等SUSの全品種)、ピアノ線、コバルト系合金、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む)などの各種金属材料を使用することができるが、そのなかでも特に、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む)が好ましく、より好ましくは超弾性合金である。
超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに、復元性があり、曲がり癖が付き難いので、ワイヤ本体2を超弾性合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、特に、その先端側の部分に十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管等に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られるとともに、ワイヤ本体2が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、ワイヤ本体2に備わる復元性により曲がり癖が付かないので、ガイドワイヤ1の使用中にワイヤ本体2に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
超弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。なお、Ni−Ti系合金に代表される超弾性合金は、被覆層4の密着性にも優れている。
図1に示すように、ガイドワイヤ1の外表面には、その全体を外径φdがワイヤ長手方向に沿って一定となるように覆う被覆層4が設けられている。この被覆層4は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ1の操作性を向上させることがある。
ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)の低減を図るためには、被覆層4は、以下に述べるような摩擦を低減し得る材料で構成されているのが好ましい。これにより、血管壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、血管100内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。なお、ガイドワイヤ1がカテーテル200のルーメン(管腔)201内に挿入して用いられるものである場合には(図8参照)、カテーテル200の内壁との摩擦抵抗が低減されて摺動性が向上し、ルーメン201内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ1を血管100内(またはカテーテル200内)で移動させたり、回転させたりした際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれを確実に防止することができる。
このような摩擦を低減し得る材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、またはこれらの複合材料が挙げられる。
また、被覆層4は、ガイドワイヤ1を血管等に挿入する際の安全性の向上を目的として設けることもできる。この目的のためには、被覆層4は柔軟性に富む材料(軟質材料、弾性材料)で構成されているのが好ましい。
このような柔軟性に富む材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等の熱可塑性エラストマー、ラテックスゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料、またはこれらのうちに2以上を組み合わせた複合材料が挙げられる。
また、被覆層4は、先端41および基端42は、それぞれ、丸みを帯びている。これにより、ガイドワイヤ1を血管等に押し込んで挿入した際に、先端41で血管を傷つけるのを確実に防止することができたり、基端42でガイドワイヤ1の操作者の指等を傷つけるのを確実に防止したりすることができる。
また、被覆層4は、単層のものであってもよいし、2層以上の積層体でもよい。
また、ガイドワイヤ1の少なくとも先端部11の外面には、親水性材料がコーティングされているのが好ましい。これにより、親水性材料が湿潤して潤滑性を生じ、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)が低減し、摺動性が向上する。従って、ガイドワイヤ1の操作性が向上する。
親水性材料としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
このような親水性材料は、多くの場合、湿潤(吸水)により潤滑性を発揮し、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減する。これにより、ガイドワイヤ1の摺動性が向上し、血管100内(またはカテーテル200内)でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。
ワイヤ本体2の湾曲部25には、管状体で構成された造影マーカ3が設置されている。造影マーカ3は、その内側を湾曲部25が挿通しており、当該湾曲部25のテーパ部22との境界部251付近に配置され、固定されている。この固定方法としては、本実施形態では、境界部251と造影マーカ3の基端部との間に設けられた、接着(接着剤や溶媒による接着)等の固定部材5を介して固定する方法が採られている。また、その他の固定方法としては、例えば、嵌合、かしめ、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)による方法も用いることができる。
造影マーカ3は、例えば、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金等のような金属材料で構成されている。このような金属材料は、X線不透過材料であり、造影マーカ3がX線造影性を有するものとなる。これにより、X線透視下でガイドワイヤ1の先端部11(湾曲部25)の位置を確認しつつ血管100内に挿入することができる。
前述したように、造影マーカ3は、管状体で構成されている。造影マーカ3の全長(長さ)Lは、湾曲部25の長さLよりも短いことが好ましい。
また、造影マーカ3は、その内径φdおよび外径φdがそれぞれワイヤ長手方向(管状体の中心軸方向)に沿って一定である。なお、内径φdは、湾曲部25(外径一定部21)の外径φdよりも大きく、外径φdは、外径一定部23の外径φdよりも小さい。そして、このような条件内で内径φdおよび外径φdをそれぞれ適宜設定する、すなわち、造影マーカ3の管壁の厚さ(壁厚=外径φd−内径φd)を適宜設定するとともに、造影マーカ3の構成材料を適宜選択することにより、造影マーカ3は、ワイヤ本体2、特に湾曲部25よりも剛性が高いものとなる。これにより、湾曲部25を保護することができ、よって、当該湾曲部25の不本意な変形を確実に防止することができる。
図1に示すように、造影マーカ3には、その管壁を厚さ方向に貫通し(欠損し)、ワイヤ長手方向に沿ったスリット(欠損部)31が形成されている。すなわち、図2、図3に示すように、造影マーカ3は、その横断面形状が「C」字状をなす部材で構成されている。スリット31が形成されていることにより、造影マーカ3をワイヤ本体2に装着する際に、スリット31を若干広げつつ、ワイヤ本体2の側方から装着することができ、よって、その装着操作を容易に行なうことができる。
また、スリット31は、その幅wがワイヤ長手方向に沿って一定となっている。さらに、幅wは、湾曲部25の外径φdと同じかまたはそれよりも若干大きい。
そして、このようなスリット31を有する造影マーカ3は、当該スリット31が湾曲部25に対しその湾曲内側、すなわち、円弧の内側を向くように装着されている。これにより、湾曲部25は、スリット31が向いて(位置して)いる方向(図1中の矢印B方向)とその反対方向(図1中の矢印B’方向)とで曲げ易さが異なる。図1に示す構成では、湾曲部25は、矢印B方向に曲げ易く、矢印B’方向には矢印B方向のときよりも曲げ難い。前者は、ガイドワイヤ1の先端部11に対し矢印B方向(湾曲部25の湾曲方向と同方向)に向かって外力を付与した際、湾曲部25がスリット31に挿入されるまで変位することができるからである(図3参照)。これに対し、後者は、ガイドワイヤ1の先端部11に対し矢印B’方向に向かって外力を付与した際、湾曲部25が、スリット31以外の非欠損部32でそれ以上の変位が規制されるためである。
このようにガイドワイヤ1では、スリット31の向きに応じて、湾曲部25での曲がり易さを確実に確保することができる。すなわち、ガイドワイヤ1は、スリット31により湾曲部25が曲がり易さの方向について異方向性を有する、湾曲指向性チップ付きガイドワイヤとなっている。
以上のような構成のガイドワイヤ1を血管100に挿入して用いた場合について、図4を参照しつつ説明する。なお、血管100には、その長手方向の途中から分岐した側枝101がある。そして、ここでは、ガイドワイヤ1を側枝101に挿入させる場合について説明する。また、この手技は、X線造影下で行なわれる。
図4(a)に示す状態は、ガイドワイヤ1が血管100の奥側(末梢側)に向かって押し込まれている。また、この状態では、ガイドワイヤ1は、その外径φdとほぼ同じ内径φdの比較的細い血管100内に挿入されているため、先端部11(湾曲部25)がほとんど直線状に近い状態(直線状態)に矯正されている。
図4(a)に示す状態から、ガイドワイヤ1をさらに押し込む。この際、造影マーカ3のスリット31の向きを確認しつつ、すなわち、手掛かりとして、湾曲部25の曲り易い方向を把握して、その方向を図中下側に向けておく。
そして、ガイドワイヤ1の先端部11が側枝101に到達したとき、図4(b)示すように、当該先端部11が前記直線状態から解放される。この際、先端部11は、前述したようにスリット31が向いている方向、すなわち、側枝101に向かって確実に湾曲することとなり、その結果、ガイドワイヤ1を側枝101に確実に挿入させることができる。
<第2実施形態>
図5は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す部分縦断面側面図、図6は、図5中のC−C線断面図、図7は、図5に示すガイドワイヤの先端部が湾曲部の湾曲方向と反対方向(図1中での矢印D方向)に湾曲した状態を示す横断面図、図8は、図5に示すガイドワイヤの使用状態の一例を示す部分縦断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明のガイドワイヤの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、造影マーカのスリットの向きが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
各図に示すガイドワイヤ1は、本実施形態では、カテーテル200(内視鏡も含む)のルーメン201内に挿入して用いられるカテーテル用ガイドワイヤである。
図5〜図7に示すように、造影マーカ3は、スリット31が湾曲部25に対しその湾曲外側、すなわち、円弧の外側を向くように装着されている。これにより、湾曲部25は、スリット31が向いて(位置して)いる方向(図5中の矢印D方向)とその反対方向(図5中の矢印D’方向)とで曲げ易さが異なる。図5に示す構成では、湾曲部25は、矢印D方向に曲げ易く、矢印D’方向には矢印D方向のときよりも曲げ難い。前者は、ガイドワイヤ1の先端部11に対し矢印D方向(湾曲部25の湾曲方向と反対方向)に向かって外力を付与した際、湾曲部25がスリット31に挿入されるまで変位することができるからである(図7参照)。これに対し、後者は、ガイドワイヤ1の先端部11に対し矢印D’方向に向かって外力を付与した際、湾曲部25が、非欠損部32でそれ以上の変位が規制されるためである。
このように本実施形態でも、ガイドワイヤ1は、スリット31の向きに応じて、湾曲部25での曲がり易さを確実に確保することができるよう構成されている。
以上のような構成のガイドワイヤ1をカテーテル200に挿入して用いた場合について、図8を参照しつつ説明する。なお、カテーテル200は、前記第1実施形態での血管100の内径φdと同じである。また、この手技は、X線造影下で行なわれる。
図8(a)に示す状態は、ガイドワイヤ1の先端部11がカテーテル200の先端開口202から突出している。また、先端部11は、湾曲部25の形状にならって湾曲している。
図8(a)に示す状態から、ガイドワイヤ1を基端側に引張ると、先端部11は、カテーテル200の先端開口202の縁部から、湾曲部25の湾曲方向と反対方向に向かって外力を受ける(図8(b)参照)。この際、先端部11は、前述したようにスリット31が向いている方向、すなわち、前記外力の方向に向かって確実に湾曲することとなり、その結果、ガイドワイヤ1の先端部11をカテーテル200内に円滑に収納することができる。なお、この状態では、先端部11(湾曲部25)は、ほとんど直線状に近い状態に矯正されることとなる。
<第3実施形態>
図9は、本発明のガイドワイヤの第3実施形態を示す部分縦断面側面図である。
以下、この図を参照して本発明のガイドワイヤの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、造影マーカの配置数が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示す本実施形態のガイドワイヤ1では、複数(図示の構成では3つ)の造影マーカ3がワイヤ長手方向に沿って配置されている。そして、これらの造影マーカ3は、連結されている、すなわち、接合されている。また、これらの造影マーカ3は、湾曲部25の基端側の部分に偏在している。
このように造影マーカ3が配置されることにより、当該造影マーカ3同士が密集することとなり、ガイドワイヤ1の先端部11での造影性が向上する。
<第4実施形態>
図10は、本発明のガイドワイヤの第4実施形態を示す部分縦断面側面図である。
以下、この図を参照して本発明のガイドワイヤの第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、造影マーカの配置形態が異なること以外は前記第3実施形態と同様である。
図10に示す本実施形態のガイドワイヤ1では、ワイヤ本体2の外径一定部21は、直線状部24と湾曲部25とが交互に図示の構成では3つずつ形成されており、各湾曲部25にそれぞれ造影マーカ3が配されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端部11のどこに湾曲部25が形成されているのかをX線透視下で把握することができる。
以上、本発明のガイドワイヤを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ガイドワイヤを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のガイドワイヤは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、ワイヤ本体は、前記各実施形態では1本の線材で構成されているが、先端側に配置された第1ワイヤと、第1ワイヤの基端側に配置された第2ワイヤとの2本の線材で構成され、これら線材同士が溶接により接合(連結)してなるものであってもよい。この場合、第1ワイヤは、超弾性合金で構成されているのが好ましく、第2ワイヤは、ステンレス鋼で構成されているのが好ましい。
また、ワイヤ本体の湾曲部に装着される造影マーカとしての管状体は、造影性を有しているが、これに限定されず、造影性が省略されていてもよい。この場合、管状体を樹脂材料で構成することができる。
1 ガイドワイヤ
11 先端部
2 ワイヤ本体
21 外径一定部(第1の外径一定部)
22 テーパ部
23 外径一定部(第2の外径一定部)
231 面取り部
24 直線状部
25 湾曲部
251 境界部
3 造影マーカ
31 スリット(欠損部)
32 非欠損部
4 被覆層
41 先端
42 基端
5 固定部材
100 血管(管腔)
101 側枝
200 カテーテル
201 ルーメン(管腔)
202 先端開口
、L 長さ
φd、φd、φd、φd、φd 外径
φd、φd 内径

Claims (5)

  1. 可撓性を有する長尺体で構成され、その先端部に、外力を付与しない自然状態で、一方向に湾曲した湾曲部を有するワイヤ本体と、
    前記湾曲部が挿通するように設置され、前記湾曲部の長さよりも短い、少なくとも1つの管状体とを備え、
    前記管状体は、その管壁を厚さ方向に貫通し、その中心軸方向に沿って形成されたスリットを有し、該スリットが前記湾曲部に対しその湾曲内側に位置していることを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 可撓性を有する長尺体で構成され、その先端部に、外力を付与しない自然状態で、一方向に湾曲した湾曲部を有するワイヤ本体と、
    前記湾曲部に設けられ、該湾曲部の長さよりも短い、少なくとも1つ管状体とを備え、
    前記管状体は、その管壁を厚さ方向に貫通し、その中心軸方向に沿って形成されたスリットを有し、該スリットが前記湾曲部に対しその湾曲外側に位置していることを特徴とするガイドワイヤ。
  3. 前記湾曲部は、前記スリットが位置している方向とその反対方向とで曲げ易さが異なる請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記スリットは、その幅が前記管状体の中心軸方向に沿って一定となっている請求項1ないし3に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記管状体は、前記ワイヤ本体よりも剛性が高いものである請求項1ないし4のいずれかに記載のガイドワイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107802943A (zh) * 2017-12-06 2018-03-16 陈佳 输尿管扭曲专用辅助支撑导丝

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