JP2013153062A - 基板処理装置及びこれに用いられる液供給装置 - Google Patents

基板処理装置及びこれに用いられる液供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェット工程における評価にも使用することができ、かつ、ベーク処理を経た評価用基板を作製することができる。
【解決手段】制御部21は、搬送部9を操作して、カセットステージ3からの基板Wに対して塗布部15において処理液を塗布させ、熱処理部19で汚染用物質を基板Wに付着させる。基板Wには汚染用物質を含む処理液を塗布して汚染用物質が付着されるので、ウェット工程における汚染を再現した評価用の基板Wを作製できる。また、処理液の塗布後に熱処理部19において基板Wに熱処理を施すので、ベーク処理を経た評価用の基板Wを作製できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)を処理する基板処理装置及びこれに用いられる液供給装置に係り、特に、基板に付着した微粒子の除去性能を評価するために、基板に汚染用物質を付着させて評価用の基板を作製する技術及び汚染用物質を含む分散液を供給する技術に関する。
従来、この種の装置として、標準粒子希釈液に空気を供給して標準粒子をエアロゾル化するエアロゾル発生器と、このエアロゾル発生器の内部に基板を配置可能な粒子付着槽とを備えた基板処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
この基板処理装置は、純水及び標準粒子分散液によりエアロゾル発生器内で標準粒子希釈液を生成させ、生成した標準粒子希釈液を内部に収容した基板に対して供給する。これにより、表面検査機校正用の標準汚染基板や、洗浄装置評価用の標準汚染基板が作成される。
また、この種の方法として、微粒子分散液を調製し、この微粒子分散液をピペットで一定量だけ取り出し、この微粒子分散液を基板の表面にピペットで分割して配置し、この基板を加熱して、微粒子分散液の溶媒を蒸発させることで評価用基板を作製するものがある(例えば、特許文献2参照)。
この方法は、基板の表面に不均一なパターンで微粒子を付着させるので、洗浄後にパターンを観察することで、予期せぬ事象で微粒子が付着する二次汚染を判定することができる。したがって、作成された評価用基板を使用して処理を行うことにより、洗浄装置等の適切な評価を行うことができる。
特開平7−335515号公報 特開平9−266189号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
半導体製造には、大きく分けてドライ工程とウェット工程とがあり、その割合は現状ではおよそ1:1である。これらの工程においては、デバイス性能を悪化させ、歩留まりを低下させる原因となるパーティクルが付着する可能性が潜んでいる。しかしながら、従来の装置は、エアロゾルによりパーティクルを基板に付着させて評価用の基板を作製するので、ドライ状態でパーティクルを付着させた評価用基板しか作製できない。したがって、ウェット工程の評価に使用する評価用基板を作製することができないという問題がある。
ところで、半導体製造工程には、例えば100℃前後まで基板を昇温させるベーク工程が存在する。基板には、フォトレジスト膜などの有機膜が被着されていることが多く、その状態でベーク処理を行うと、有機膜上に付着しているパーティクルの付着力が、有機膜の溶融や凝固によって強固になる。また、パーティクル自体が有機物である場合にも、ベーク処理によって強固になる。したがって、ベーク処理が行われた基板は、パーティクルの除去がより難しくなるが、従来の装置ではベーク処理が行われた評価用基板の作製も困難であるという問題がある。
また、従来の方法は、ピペットを用いて基板の表面に微粒子分散液を付着させる必要があり、評価用基板の作製に長時間を要するとともに、評価用基板の表面における微粒子の付着度合いのバラツキが大きくなるという問題がある。また、この従来の方法では、溶媒を蒸発させるために乾燥を行っているが、ベーク工程における加熱温度よりも低く、ベーク工程におけるパーティクルの付着を再現することはできない。
また、従来の装置では、分散液を基板に供給する前に、分散液に対して直接的に供給する純水や空気の量を調整することで、基板に付着させるパーティクル数を調整している。また、従来の方法では、液中のパーティクル濃度が既知の分散液にパーティクルを投入して、パーティクル濃度を調整している。つまり、従来の装置及び従来の方法は、分散液の原液に対して直接的にパーティクル数の調整を行っているので、その調整が非常に難しいという問題もある。つまり、濃度を下げるには、分散液の原液に大量の液体を投入する必要があり、濃度を上げるには、分散液の原液を大量に投入する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ウェット工程における評価にも使用することができ、かつ、ベーク処理を経た評価用基板を作製することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
また、本発明のもう一つの目的は、汚染用物質の濃度調整を容易に行うことができる液供給装置を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板に対して汚染用物質を塗布する基板処理装置において、未処理の基板を供給するとともに、処理済の基板を収納する基板供給収納部と、汚染用物質を分散した処理液を供給する液供給部と、前記基板供給収納部から供給された基板に対して、前記液供給部から供給される処理液を塗布する塗布部と、処理液が塗布された基板を熱処理する熱処理部と、前記基板供給収納部と、前記塗布部と、前記熱処理部との間で基板を搬送する搬送部と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、基板供給収納部からの基板に対して塗布部において処理液を塗布させ、熱処理部で汚染用物質を基板に付着させる。基板には汚染用物質を含む処理液を塗布して汚染用物質が付着されるので、ウェット工程における汚染を再現した評価用基板を作製できる。また、処理液の塗布後に熱処理部において基板に熱処理を施すので、ベーク処理を経た評価用基板を作製できる。
また、本発明において、基板を洗浄する洗浄部と、前記基板供給収納部から供給された基板を前記洗浄部で洗浄させた後、洗浄後の基板に対して前記塗布部で塗布を行わせる制御部と、をさらに備えることが好ましい(請求項2)。
制御部は、基板供給収納部から供給された基板を洗浄部で洗浄することで、基板の汚染度を初期化することができる。したがって、その後に塗布部で処理液を塗布することにより、基板を所望の汚染度に制御できる。
また、本発明において、基板の汚染度を測定する測定部と、前記制御部は、前記塗布部で塗布を行わせる前に、基板の汚染度を前記測定部で測定させるとともに、前記塗布部で塗布を行わせた後に、基板の汚染度を前記測定部で測定させる制御部と、をさらに備えることが好ましい(請求項3)。
処理液の塗布前後における測定部の測定結果を比較することで、所望の汚染度になったことを確認できる。また、塗布後の測定結果を基準として、洗浄処理等の能力を判定できる。
また、本発明において、前記制御部は、前記塗布部での塗布後における前記測定部での測定の結果、基板の汚染度が目標値と不一致である場合には、前記洗浄部で基板を洗浄させ、前記液供給部の処理液を調製させて、前記測定部による測定及び前記塗布部による塗布を行わせることが好ましい(請求項4)。
基板の汚染度が目標値と一致していない場合には、洗浄部で基板を洗浄させて初期化を行わせ、液供給部の処理液を調製させ、測定及び塗布により基板に汚染用物質を塗布させる。したがって、所望の汚染度となる評価用基板を作製できる。
また、本発明において、前記熱処理部は、基板を加熱する加熱部と、基板を冷却する冷却部とを備えていることが好ましい(請求項5)。
加熱部で加熱することで処理液の汚染用物質を基板に定着させることができ、冷却部で冷却することで洗浄等の評価対象の処理装置に素早く移動させて処理できる。また、加熱部で加熱するので、ベーク処理における汚染を評価することができる。
また、本発明において、前記液供給部は、液体に汚染用物質を分散させた分散液を貯留する分散槽と、前記分散槽で生成された分散液を希釈して処理液として貯留する希釈槽とを備えていることが好ましい(請求項6)。
分散槽では、汚染用物質を分散させた分散液を貯留させ、希釈槽では、分散槽で生成された分散液を希釈して処理液を貯留させる。希釈槽で分散液を希釈するので、処理液を所望する汚染用物質の濃度に調整し易くできる。
また、本発明において、前記塗布部は、未処理の基板に処理液を供給する前に、待機位置において所定量の処理液を吐出するプリディスペンス部と、前記プリディスペンス部で吐出された処理液における汚染用物質の濃度を測定する濃度測定部とを備え、前記液供給部は、前記濃度測定部における測定の結果が目標濃度と不一致である場合には、前記分散槽から前記希釈槽への分散液の補充または前記希釈槽への液体の補充により汚染用物質の濃度を調整することが好ましい(請求項7)。
塗布部におけるプリディスペンス部で吐出した処理液について濃度測定部で汚染用物質の濃度を測定し、その結果に応じて汚染用物質の濃度を調整する。したがって、基板の汚染度を正確にできる。また、濃度調整は、分散槽から希釈槽への分散液の補充または希釈槽への液体の補充を行うことにより行う。したがって、直接的に分散液について濃度調整を行うのではなく、希釈槽の希釈液について濃度調整を行うので、汚染用物質の濃度調整を容易に行うことができる。
また、本発明において、前記分散槽は、上部に形成された投入口と、中心部にて鉛直軸周りに回転可能に構成され、中心部より外周側に複数個の挿入口を備えた回転板と、前記回転板の各挿入口に設けられ、前記回転板の各挿入口の内周面を各挿入口の中心部に向かって伸縮させる滴下機構と、前記回転板を回転させ、前記投入口にいずれかの挿入口を位置させる駆動部と、をさらに備え、汚染用物質を含む分散液の原液を貯留する原液容器を、その吐出口が前記挿入口の下方に向くように前記各挿入口に挿入しておき、前記制御部は、所望の原液容器が前記投入口に位置するように前記駆動部を操作して移動させた状態で、前記滴下機構を操作して、前記分散槽に汚染用物質を含む分散液の原液を投入させることが好ましい(請求項8)。
回転板の各挿入口には、濃度が異なる原液容器を配置しておくことができる。したがって、所望の濃度の原液容器が投入口に位置するように、制御部が駆動部を操作して回転板を回転させ、滴下機構を操作することにより、分散槽における分散液の濃度を広い範囲で調整することができる。しかも、回転板を回転させて所望濃度の原液容器を投入口に位置させるだけでよく、分散槽における調整を比較的容易にできる。
また、請求項9に記載の液供給装置は、汚染用物質を含む処理液を基板に供給するための液供給装置において、液体に汚染用物質を分散させた分散液を貯留する分散槽と、前記分散槽で生成された分散液を希釈して処理液を貯留する希釈槽と、前記希釈槽から基板に対して処理液を供給する供給手段と、前記分散槽から前記希釈槽への分散液の補充または前記希釈槽への液体の補充により汚染用物質の濃度を調整する制御部と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項9に記載の発明によれば、供給手段から供給される処理液は、制御部が、分散槽から希釈槽への分散液の補充または希釈槽への液体の補充を行うことにより汚染用物質の濃度を調整できる。したがって、直接的に分散液について濃度調整を行うのではなく、希釈槽の希釈液について濃度調整を行うので、汚染用物質の濃度調整を容易に行うことができる。
また、本発明において、前記分散槽は、上部に形成された投入口と、中心部にて鉛直軸周りに回転可能に構成され、中心部より外周側に複数個の挿入口を備えた回転板と、前記回転板の各挿入口に設けられ、前記回転板の各挿入口の内周面を各挿入口の中心部に向かって伸縮させる滴下機構と、前記回転板を回転させ、前記投入口にいずれかの挿入口を位置させる駆動部と、をさらに備え、汚染用物質を含む分散液の原液を貯留する原液容器を、その吐出口が前記挿入口の下方に向くように前記各挿入口に挿入しておき、前記制御部は、所望の原液容器が前記投入口に位置するように前記駆動部を操作して移動させた状態で、前記滴下機構を操作して、前記分散槽に汚染用物質を含む分散液の原液を投入させることが好ましい(請求項10)。
回転板の各挿入口には、濃度が異なる原液容器を配置しておくことができる。したがって、所望の濃度の原液容器が投入口に位置するように、制御部が駆動部を操作して回転板を回転させ、滴下機構を操作することにより、分散槽における分散液の濃度を広い範囲で調整することができる。しかも、回転板を回転させて所望濃度の原液容器が投入口に位置させるだけでよく、分散槽における調整を比較的容易にできる。
本発明に係る基板処理装置によれば、制御部は、搬送部を操作して、基板供給収納部からの基板に対して塗布部において処理液を塗布させ、熱処理部で汚染用物質を基板に付着させる。基板には汚染用物質を含む処理液を塗布して汚染用物質が付着されるので、ウェット工程における汚染を再現した評価用基板を作製できる。また、処理液の塗布後に熱処理部において基板に熱処理を施すので、ベーク処理を経た評価用基板を作製できる。
実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。 塗布部及び液供給装置の概略構成を示す図である。 原液容器の概略構成を示す斜視図である。 原液投入機構の概略構成を示す斜視図である。 本実施例と従来例におけるサンプル作製からの経過時間と汚染用物質の除去率との関係を示すグラフである。 本実施例のサンプル作製日と汚染用物質の除去率との関係を示すグラフである。 ベーク処理を行わなかったサンプルにおけるサンプル作製日と汚染用物質の除去率との関係を示すグラフである。 ベーク温度と汚染用物質の除去率との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
図1は、実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
本実施例に係る基板処理装置1は、一対のカセットステージ3を含むインデクサ5と、基板受渡部7と、搬送部9と、洗浄部11と、測定部13と、塗布部15と、液供給装置17と、熱処理部19と、制御部21とを備えている。
カセットCは、複数枚の基板Wを積層して収容可能な収容器である。このカセットCは、未処理の基板Wや、処理済の基板Wを収容し、その状態で複数枚の基板Wとともに各工程の装置へ搬送移動される。一対のカセットステージ3は、未処理の基板Wが収容されたカセットCを載置するための載置部3aと、処理済の基板Wが収容されたカセットCを載置するための載置部3bとを備えている。
インデクサ5は、カセットステージ3に沿って移動可能なロボットRを有し、ロボットRの図示しないハンドにより、未処理の基板Wを収納したカセットCから基板Wを取り出すとともに、カセットC内の基板Wだけを取り出し、基板Wだけを基板受渡部7に搬送する。また、インデクサ5は、処理済の基板Wを基板受渡部7から受け取って、処理済の基板WをカセットCに収容する。
基板受渡部7は、インデクサ5側と搬送部9側との両方からアクセス可能な受け渡し台23を備えている。基板受渡部7は、インデクサ5から渡された未処理の基板Wを受け渡し台23に載置し、搬送部9に対してその基板Wを渡す。また、基板受渡部7は、搬送部9から渡された処理済の基板Wを受け渡し台23に載置し、インデクサ5に対してその基板Wを渡す。
搬送部9は、旋回自在かつ進退自在の搬送アーム25を備えたロボットCRを有している。搬送部9は、この搬送アーム25によって、基板受渡部7と、洗浄部11と、測定部13と、塗布部15と、熱処理部19との間にて基板Wを一枚ずつ搬送し、また受け渡しする。
洗浄部11は、搬送部9から未処理の基板Wを受け取り、その基板Wに対して洗浄処理を行う。例えば、洗浄部11は、ブラシ及び洗浄液を基板Wに作用させて、基板Wの処理面を清浄にする。洗浄処理が行われた基板Wは、搬送部9により測定部13に搬出される。
測定部13は、洗浄部11で清浄にされた基板Wの処理面における清浄度を測定する。測定部13は、例えば、レーザー散乱方式の表面検査機により、基板Wの処理面に付着している異物の個数を測定する。また、測定部13は、塗布部15及び熱処理部19を経た基板Wの処理面に付着している異物(汚染用物質)の個数を測定する。
塗布部15は、洗浄及び測定を経た基板Wの処理面に対して、汚染用物質を塗布する。液供給装置17は、汚染用物質を分散した処理液を塗布部15に対して供給する。塗布部15及び液供給装置17の詳細については後述する。
熱処理部19は、塗布部15により汚染用物質を塗布された基板Wに対して熱処理を施す。具体的には、ベークユニット27と、クーリングユニット29とを二段積みで備えている。ベークユニット27は、基板Wを所定の温度にまで加熱する。所定の温度とは、例えば、100℃〜140℃程度の範囲であり、好ましくは110℃程度である。但し、加熱温度におよって基板Wに付着した汚染用物質の除去率が変わるので、汚染用物質の種類に応じて適宜に異なる温度で加熱したり、評価対象の洗浄方法や洗浄装置に応じて適宜に異なる温度で加熱したりするのが好ましい。クーリングユニット29は、ベークユニット27で昇温された基板Wを所定の温度にまで冷却する。所定の温度とは、例えば、常温(25℃)程度である。
制御部21は、CPUやメモリを内蔵し、ロボットCRや塗布部15の動作など、上述した各部を統括的に制御する。図示しないメモリは、後述する回転板101における装着口107の位置と、各装着口107に装着された原液容器91の汚染用物質の種類や濃度との対応を示すテーブルを予め格納されている。また、図示しないメモリは、希釈液における汚染用物質の目標濃度や、塗布後の汚染用物質の目標となる汚染度を予め設定されている。
なお、上述したインデクサ5が本発明における「基板供給収納部」に相当し、液供給装置17が本発明における「液供給部」に相当し、ベークユニット27が本発明における「加熱部」に相当し、クーリングユニット29が本発明における「冷却部」に相当する。
ここで、図2を参照する。なお、図2は、塗布部及び液供給装置の概略構成を示す図である。
塗布部15は、いわゆる枚葉式の装置であり、一枚ずつの基板Wを順次に処理してゆく。塗布部15は、スピンチャック31と、回転軸33と、電動モータ35と、飛散防止カップ37と、吐出ノズル39と、カップ洗浄ノズル41と、プリディスペンス部43と、供給配管45と、開閉弁47とを備えている。
スピンチャック31は、基板Wを水平姿勢で回転可能に保持する。回転軸33は、スピンチャック31の下部に一端側が取り付けられ、他端側が電動モータ35の回転軸に取り付けられている。電動モータ35が回転駆動されると、回転軸33とスピンチャック31が回転し、スピンチャック31に保持されている基板Wが水平面内で回転される。
飛散防止カップ37は、スピンチャック31の側方及び下方を囲うように設けられている。飛散防止カップ37は、回転する基板Wから周囲に飛散する処理液を受け止めて、排液として排出する。飛散防止カップ37とスピンチャック31とは相対的に昇降可能に構成されている。塗布前の基板Wをスピンチャック31に載置したり、塗布後の基板Wをスピンチャック31から払い出したりする際には、スピンチャック31と飛散防止カップ37とが相対的に昇降する。
吐出ノズル39は、汚染用物質を分散した処理液を基板Wに対して吐出する。吐出ノズル39は、処理液を吐出する先端部が、基板Wの回転中心付近の「吐出位置」と、飛散防止カップ37の側方にあたる「待機位置」との間で揺動可能に構成されている。吐出ノズル39は、その基端部に供給配管45の一端側が連通接続されている。供給配管45の他端側からは、汚染用物質を分散した処理液が供給される。その処理液の供給は、供給配管45に設けられた開閉弁47によって制御される。
吐出ノズル39の待機位置には、プリディスペンス部43が設けられている。このプリディスペンス部43は、基板Wに処理液を吐出する前に、吐出ノズル39から一定量の処理液が吐出される。このプリディスペンス部43は、吐出された処理液が流下する際に、処理液に含まれている汚染用物質の濃度を測定する濃度測定部49を備えている。測定された結果は、制御部21にフィードバックされる。
カップ洗浄ノズル41は、飛散して飛散防止カップ37の内壁に付着した処理液を溶解して除去するための洗浄液を吐出する。飛散防止カップ37に処理液が付着して固化すると、そこから汚染用物質が飛散して基板Wに付着するので、定期的にカップ洗浄ノズル41で防止カップ37の内壁を洗浄することが好ましい。これにより、基板Wに付着させる汚染用物質の個数を長期間にわたって正確に制御することができる。
液供給装置17は、吐出ノズル39に連通された供給配管45の他端側が連通接続され、汚染用物質を分散した処理液を供給する。
液供給装置17は、大きく分けて、分散槽51と希釈槽53とを備えている。
分散槽51は、液体に汚染用物質を分散させて分散液を調製し、貯留する。希釈槽53は、分散槽51で生成された分散液を希釈して処理液として貯留する。分散槽51は、その上部に、内部空間に連通した投入口55を形成されている。この投入口55には、原液投入機構57が設けられている。原液投入機構57は、詳細については後述するが、汚染用物質を含む分散液の原液を投入するための機構である。
分散槽51の底部と希釈槽53の上部とは、連結配管59で連通接続されている。連結配管59は、開閉弁61を取り付けられている。連結配管59は、分散槽51内の分散液を希釈槽53に対して供給する。供給量は、制御部21が開閉弁61を操作することによって行われる。分散槽51と希釈槽53の上部には、純水供給配管63の一端側が連通接続されている。純水供給配管63の他端側は、純水供給源に連通接続されている。純水供給配管63のうち分散槽51側には開閉弁65が設けられ、純水供給配管63のうち希釈槽53側には開閉弁67が設けられている。
分散槽51及び希釈槽53の上部には、窒素ガス供給配管69の一端側が連通接続されている。窒素ガス供給配管69の他端側は、窒素ガス供給源に連通接続されている。窒素ガス供給配管69のうち分散槽51側には開閉弁71が設けられ、窒素ガス供給配管69のうち希釈槽53側には開閉弁73が設けられている。窒素ガス供給配管69のうち、開閉弁71,73の下流側には、圧抜き配管75の一端側が連通接続されている。圧抜き配管75の他端側は、大気に開放されている。圧抜き配管75のうち分散槽51側には、開閉弁77が設けられ、圧抜き配管75のうち希釈槽53側には、開閉弁79が設けられている。希釈槽53は、上述した供給配管45の他端側が挿通されている。
分散槽51と希釈槽53は、底部に排液配管81の一端側が連通接続されている。排液配管81の他端側は、図示しない排液処理部に連通接続されている。排液配管81は、分散槽51側に開閉弁83を備え、希釈槽53側に開閉弁85を備えている。また、分散槽51は、底部に攪拌ユニット87を備え、希釈槽53は、底部に攪拌ユニット89を備えている。この攪拌ユニット87は、内部に貯留する液体を攪拌する機能を備え、例えば、窒素ガスをバブリングして攪拌を行う。
次に、図3及び図4を参照する。なお、図3は、原液容器の概略構成を示す斜視図であり、図4は、原液投入機構57の概略構成を示す斜視図である。
原液容器91は、所定の濃度で汚染用物質を含む分散液の原液を貯留している。原液容器91は、弾性を有する部材で構成された胴部93と、胴部93の下部に形成された円錐部95とを備えている。円錐部95の下端部には、吐出口97が形成されている。図3中に二点鎖線で示すように、胴部93の外周面を中心部に向けて押圧してたわませると、吐出口97から汚染用物質を含む分散液の原液が所定量だけ滴下される。また、胴部93と円錐部95との境界付近には、鐔部99が形成されている。この鐔部99は、円錐部95の外径よりも大径で、鐔部99の外径よりも小径の穴部に原液容器91を載置する際に係止される。
なお、汚染用物質としては、例えば、PSL(Polystyrene Latex)と呼ばれるポリスチレンラテックスや、シリコン酸化物(SiO2)、窒化珪素(SiN)の微粒子が挙げられる。特に、PSLは、標準粒子として広く用いられているので、入手しやすく好適である。原液容器91は、上記の汚染用物質を所定の濃度で純水に分散して得られる分散液の原液を貯留している。複数個の原液容器91を用意しておき、原液容器91ごとに汚染用物質の種類や粒子サイズ、濃度を異なるものとしておくのが好ましい。
原液投入機構57は、上述した原液容器91をセットされ、いずれかの原液容器91から原液を分散槽51に投入する。原液投入機構57は、回転板101と、駆動部103と、滴下機構105とを備えている。
回転板101は、回転中心部の外周側に、上下方向に貫通した8個の装着口107を形成されている。装着口107は、高さ方向における中央部付近に、係止突起109が形成されている。係止突起109の内径は、原液容器91の円錐部の外径より大径であり、鐔部99の外径より小径である。駆動部103は、回転板101の中心部であって下部に設けられ、鉛直軸周りに回転板101を回転させる。滴下機構105は、装着口107の上部内側面に埋め込まれている。滴下機構105は、装着口107の内周面をその中心側に向かって進退自在に構成されている。具体的には、原液容器91の胴部93を押圧する部材を、平面視で装着口107の中心部に対して進退させる構成である。
制御部21は、図示しないメモリを参照することで、どの装着口107にどの濃度の原液容器91がセットされているかが予め分かっている。したがって、駆動部103を作動させて、所望の濃度の原液容器91を分散槽51の投入口55に位置させ、滴下機構105を作動させることにより、所望の濃度の原液を分散槽51に投入するようになっている。
なお、上述した装着口107が本発明における「挿入口」に相当する。
次に、上述した構成の基板処理装置1による洗浄評価用の基板Wの作製について説明する。
制御部21は、インデクサ5において載置部3aに載置されたカセットC内の複数枚の未処理の基板Wを順次に基板受渡部7の受け渡し台23に搬送する。ロボットCRは、搬送アーム25によって受け渡し台23に載置された基板Wを、まずは洗浄部11に搬送する。
洗浄部11は、搬入された基板Wを洗浄し、基板Wの処理面を清浄化する。これにより、これから汚染用物質で汚染される基板Wの処理面がリセットされる。
次にロボットCRは、洗浄部11で洗浄された基板Wを搬送アーム25で取り出し、次に測定部13に搬送する。測定部13は、取り込んだ基板Wの処理面における清浄度を測定する。このとき、清浄度が所定の清浄度よりも低い場合には、再び洗浄部11に搬送して再度洗浄を行う。清浄度が所定の清浄度を満たしている場合には、搬送アーム25が基板Wを塗布部15に搬送する。
なお、塗布部15における塗布処理前に、液供給装置17は、塗布のために予め次のような処理液を調製し、その汚染用物質の濃度調整を行っている。
まず、開閉弁65を操作して、分散槽51に所定量の純水を貯留させる。次に、原液投入機構57を操作して、汚染物質用の分散液の原液を貯留する原液容器91を投入口55の真上に位置させる。そして、滴下機構105を操作して、所定量の原液を原液容器91から分散槽51へ滴下させる。このとき、攪拌ユニット87を操作して、濃度を分散槽51内で均一にするために、分散槽51内を攪拌しておくのが好ましい。これにより、分散液が調製できた。この分散液の濃度は、基板に供給して塗布する処理液の目標濃度よりも十分に濃い値にしておく。次に、開閉弁61を開放した後、開閉弁71を操作して、窒素ガスを分散槽51内に送り込む。これにより、分散槽51内に貯留している、汚染用物質を含む分散液の必要量を希釈槽53に供給する。希釈槽53では、制御部21が図示しない濃度計により汚染用物質の濃度を測定し、その結果に応じて開閉弁67を操作して、純水を供給して濃度を低くしたり、開閉弁61を操作して、分散液を供給して濃度を高くしたりする。このとき、希釈液の濃度を槽内で均一にするために、攪拌ユニット89を作動させておくことが好ましい。濃度が処理液としての目標濃度に達したとき、処理液の調製が完了する。その後、制御部21は、塗布部15を操作して、基板Wに対して塗布を行う。
なお、半導体プロセスにおける汚染の実態に近づけるために、原液容器91としては、例えば、PSLを貯留し、その粒子径としては、少なくとも49nm、70nmの二種類のものを混在させるように、少なくとも二種類の原液容器91により分散槽51にて分散液を調製することが好ましい。
塗布部15は、基板Wをスピンチャック31に載置するとともに、プリディスペンス部43に吐出ノズル39を位置させる。そして、少量の処理液を吐出させる。そして、濃度測定部49で測定された結果に基づき、制御部21は、そのまま塗布を行うか、処理液の汚染用物質の濃度調整を行うか否かを決定する。
濃度が目標濃度である場合には、吐出ノズル39を吐出位置に移動させる。そして、静止した状態の基板Wに対して処理液を供給する。処理液の供給量は、例えば、10cc程度である。その後、電動モータ35を作動させて所定の回転速度で基板Wを回転させる。このときの回転速度は、例えば、500rpm程度であり、これにより基板Wの中心部から供給された処理液を基板Wの外周部に間で拡げるとともに、余分な処理液を遠心力で振り切る。その後、電動モータ35を高速回転に切り換えて、基板Wに供給された処理液の溶媒である純水を振り切って乾燥させる。このときの高速回転は、例えば、2500rpm程度である。電動モータ35の回転を停止させた後、ロボットCRは搬送アーム25によって、基板Wをベークユニット27に搬送する。
ベークユニット27は、処理液の吐出により処理面に汚染用物質が付着された基板Wを加熱する。加熱温度は、100℃〜140℃程度であり、付着力を考慮すると好ましくは120℃である。加熱時間は、例えば、3分間である。
加熱処理の後、ロボットCRは基板Wをクーリングユニット29に搬送する。クーリングユニット29では、加熱された基板Wを降温する。基板Wは、例えば、常温(25℃)にまで降温される。
ロボットCRは、常温にまで降温した基板Wを測定部13に搬送する。ここでは、基板Wに付着した汚染用物質の個数をカウントし、基板Wが目標とする汚染度に達しているか否かを検査する。目標とする汚染度に達している場合には、ロボットCRにより基板Wを基板受渡部7に搬送し、インデクサ5のカセットCに収納させる。上述した処理を全ての基板Wに対して施した後、インデクサ5のカセットCに全ての基板Wを収納する。これにより、一つのカセットCに収納された複数枚の基板Wに対する汚染処理を終える。目標とする汚染度に達していない場合には、基板Wを洗浄部11に戻して洗浄して、一旦、汚染用物質を除去した後、再度塗布を行う。その際には、処理液における汚染用物質の濃度調整を行ってから再塗布を行うことが好ましい。
上述したように、本実施例に係る基板処理装置1によると、制御部21は、搬送部9を操作して、カセットステージ3からの基板Wに対して塗布部15において処理液を塗布させ、熱処理部19で汚染用物質を基板Wに付着させる。基板Wには汚染用物質を含む処理液を塗布して汚染用物質が付着されるので、ウェット工程における汚染を再現した評価用の基板Wを作製できる。また、処理液の塗布後に熱処理部19において基板Wに熱処理を施すので、ベーク処理を経た評価用の基板Wを作製できる。
また、制御部21は、カセットステージ3から供給された基板Wを洗浄部11で洗浄することで、基板Wの汚染度を初期化することができる。したがって、その後に塗布部15で処理液を塗布することにより、基板Wを所望の汚染度に制御できる。
さらに、制御部21は、処理液の塗布前後における測定部13の測定結果を比較することで、基板Wが所望の汚染度になったことを確認できる。また、塗布後の測定結果を基準として、洗浄処理等の能力を判定できる。また、制御部21は、基板Wの汚染度が目標値と一致していない場合には、洗浄部11で基板Wを洗浄させて初期化を行わせ、液供給装置17の処理液を調製させ、測定及び塗布により基板Wに汚染用物質を塗布させる。したがって、所望の汚染度となる評価用の基板Wを作製できる。
また、基板処理装置1は、ベークユニット27とクーリングユニット29からなる熱処理部19を備えている。ベークユニット27で基板Wを加熱することで処理液の汚染用物質を基板Wに定着させることができ、クーリングユニット29で基板Wを冷却することで洗浄等の評価対象の処理装置に素早く移動させて処理できる。また、ベークユニット27で基板Wを加熱するので、ベーク処理における汚染を評価することができる。
さらに、液供給装置17は、分散槽51で汚染用物質を分散させた分散液を貯留させ、希釈槽53で分散槽で生成された分散液を希釈して処理液を貯留させる。処理液濃度よりも十分に濃い濃度の分散液を希釈槽53で希釈するので、処理液を所望する汚染用物質の濃度に調整し易くでき、また濃度を変更することも容易である。
また、塗布部15は、プリディスペンス部43で吐出した処理液について濃度測定部49で汚染用物質の濃度を測定し、その結果に応じて汚染用物質の濃度を調整する。したがって、基板Wの汚染度を正確にできる。また、濃度調整は、分散槽51から希釈槽53への分散液の補充または希釈槽53への純水の補充を行うことにより行う。したがって、直接的に分散液について濃度調整を行うのではなく、希釈槽53の希釈液(処理液)について濃度調整を行うので、汚染用物質の濃度調整を容易に行うことができる。
さらに、液供給装置17は、回転板101を備え、各装着口107には、濃度が異なる原液容器91を配置しておくことができる。したがって、所望の濃度の原液容器91が投入口に位置するように、制御部21が駆動部103を操作して回転板101を回転させ、滴下機構105を操作することにより、分散槽51における分散液の濃度を広い範囲で調整することができる。しかも、回転板101を回転させて所望濃度の原液容器91を投入口55に位置させるだけでよく、分散槽51における調整を比較的容易にできる。
次に、上述した基板処理装置1によって作製された洗浄評価用の基板Wについて説明する。なお、汚染用物質としては、PSLを用いた。
ここで図5を参照する。なお、図5は、本実施例と従来例におけるサンプル作製からの経過時間と汚染用物質の除去率との関係を示すグラフである。
このグラフは、従来例と本実施例とで作成した評価用の基板Wを同じ洗浄装置で洗浄した後、洗浄前と洗浄後の汚染用物質の個数をカウントし、その個数から除去率を算出してプロットしたものである。さらに、同時に作製した評価用の基板Wについて時間をおいて除去率を測定した。なお、洗浄は、スプレーノズルにより行い、設定スプレー強さを液滴速度38m/s、スプレー処理時間を30秒とした。
図5のグラフから明らかなように、従来例は、時間の経過とともに除去率が低下し、15時間の時点で除去率が23%程度にまで低下した。一方、本実施例は、216時間(およそ8日間)が経過した時点でも82%程度であり、制作時点からの経過時間にかかわらずほぼ80%程度で一定となった。これにより、本実施例は、評価用の基板Wを作製した時点からの経過時間にかかわらず、汚染用物質が安定して基板Wに付着していることがわかる。換言すると、洗浄装置の評価用の基板Wとして好適なものが作製できたことを示す。
次に、図6を参照する。なお、図6は、本実施例のサンプル作製日と汚染用物質の除去率との関係を示すグラフである。
このグラフは、本実施例により異なる日に作製した複数枚の評価用の基板Wについて、それぞれ作製した日に洗浄処理を行って、日毎に除去率の変化を示したものである。
図6のグラフから明らかなように、除去率は日を変えた場合であっても、80%程度で安定していることがわかる。その変動幅は、5%程度であった。
なお、図7は、本発明によらない従来の作成方法、すなわち、処理液の塗布のみを行い、ベーク処理を行わなかったサンプルにおけるサンプル作製日と汚染用物質の除去率との関係を示すグラフである。
図7のグラフから明らかなように、ベーク処理を行わないと作製日によって除去率が20%程度も変動し、除去率が安定しないことがわかる。これは、汚染用物質であるPSLは、主成分がポリスチレンである。ポリスチレンには定まった融点がないが、およそ100℃で柔らかくなることがわかっている。また、一度柔らかくなったPSLを常温に戻すと、基板Wへの付着力が増すことも分かっている。したがって、ベーク処理時における温度が高いほど水分を蒸発させるのに有効であるものの、ベーク処理時の温度が高過ぎると、基板WにPSLが強固に付着し過ぎて取れ難くなって、洗浄評価に不適となる。
そこで本発明者等は、ベーク処理時の温度を変えて評価用の基板Wを作製し、温度ごとの汚染用物質の除去率の変化を測定した。ここで、図8を参照する。なお、図8は、ベーク温度と汚染用物質の除去率との関係を示すグラフである。
図8のグラフから明らかなように、ベーク処理時の温度が100℃未満では、除去率が高いが、ベーク処理時の温度が100℃を超えて140℃までは温度に応じて除去率が低下してゆくことが分かる。除去率は、高すぎても低すぎても評価には不適であり、汚染用物質の種類や、基板Wの種類、評価対象の洗浄方法や装置に応じてベーク処理時の温度を適宜に設定するのが好ましい。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、基板処理装置1が洗浄部11を備えている。しかしながら、処理面が清浄な基板Wを安定して塗布部15にまで搬送できれば、本発明は洗浄部11を備える必要はない。これにより、基板処理装置1の構成を簡単化してコスト低減を図ることができる。
(2)上述した実施例では、測定部13を備えているが、本発明は必ずしも測定部13を備える必要はない。これにより、基板処理装置1の構成を簡単化してコスト低減を図ることができる。
(3)上述した実施例では、搬送部9を中心部に配置し、その周囲に洗浄部11や塗布部15を配置したが、本発明はこのような配置に限定されない。例えば、洗浄部11や塗布部15を直線状に配置し、それに沿って搬送アーム25が移動可能なように搬送部9を配置する構成を採用してもよい。
(4)上述した実施例では、分散槽51が原液投入機構57として回転板101を備え、複数個の原液容器91を装着可能な装着口107を備えている。しかしながら、本発明はそのような構成に限定されるものではない。例えば、原液容器91を複数個備えた原液容器載置ユニットを備え、各原液容器91の吐出口97と分散槽51とを配管で連通接続し、任意の原液容器91から原液を分散槽51に滴下する構成としてもよい。これにより回転制御が不要となり、配管の開閉弁を制御するだけでよく、制御をより簡易化することができる。
(4)上述した実施例では、PSLの分散液を含む処理液を基板Wに供給する構成としたが、例えば、PSLの他に、シリコン酸化物の粒子の分散液を含む処理液や、窒化珪素の粒子の分散液を含む処理液を供給する液供給装置17を複数並設する構成としてもよい。これにより、評価用の基板Wを種々のプロセスにおける評価用として用いることが可能となる。
(5)上述した実施例では、処理液を基板Wに塗布する際に基板Wを静止させた状態としたが、基板Wを回転させた状態で処理液を供給するようにしてもよい。また、静止させた基板Wに処理液を供給させ始めた後に、基板Wを回転させ始めるようにしてもよい。このような基板Wの回転制御は、基板Wの処理面に付着する汚染用物質の分布等を考慮して決定すればよい。
(6)上述した実施例では、吐出ノズル39を基板Wの回転中心に固定した。しかし、基板Wの処理面における汚染用物質の分布が不均一である場合には、例えば、基板Wの中心部から周辺部に吐出ノズル39を揺動させつつ処理液を供給するようにしてもよい。また、基板Wの中心部で吐出ノズル39から処理液を吐出し、その後中心部と周縁の中間付近に吐出ノズル39を移動させて、その箇所で残りの処理液を吐出するようにしてもよい。このような吐出方法により、基板Wの処理面において均一な汚染用物質の分布とすることができる。
1 … 基板処理装置
3 … カセットステージ
3a,3b … 載置部
5 … インデクサ
7 … 基板受渡部
9 … 搬送部
11 … 洗浄部
13 … 測定部
15 … 塗布部
17 … 液供給装置
19 … 熱処理部
21 … 制御部
W … 基板
C … カセット
23 … 受け渡し台
25 … 搬送アーム
27 … ベークユニット
29 … クーリングユニット
51 … 分散槽
53 … 希釈槽
55 … 投入口
57 … 原液投入機構
101 … 回転板
103 … 駆動部
105 … 滴下機構
107 … 装着口
R、CR … ロボット

Claims (10)

  1. 基板に対して汚染用物質を塗布する基板処理装置において、
    未処理の基板を供給するとともに、処理済の基板を収納する基板供給収納部と、
    汚染用物質を分散した処理液を供給する液供給部と、
    前記基板供給収納部から供給された基板に対して、前記液供給部から供給される処理液を塗布する塗布部と、
    処理液が塗布された基板を熱処理する熱処理部と、
    前記基板供給収納部と、前記塗布部と、前記熱処理部との間で基板を搬送する搬送部と、
    を備えていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    基板を洗浄する洗浄部と、
    前記基板供給収納部から供給された基板を前記洗浄部で洗浄させた後、洗浄後の基板に対して前記塗布部で塗布を行わせる制御部と、をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理装置において、
    基板の汚染度を測定する測定部と、
    前記塗布部で塗布を行わせる前に、基板の汚染度を前記測定部で測定させるとともに、前記塗布部で塗布を行わせた後に、基板の汚染度を前記測定部で測定させる制御部と、をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項3に記載の基板処理装置において、
    前記制御部は、前記塗布部での塗布後における前記測定部での測定の結果、基板の汚染度が目標値と不一致である場合には、前記洗浄部で基板を洗浄させ、前記液供給部の処理液を調製させて、前記測定部による測定及び前記塗布部による塗布を行わせることを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記熱処理部は、基板を加熱する加熱部と、基板を冷却する冷却部とを備えていること を特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記液供給部は、液体に汚染用物質を分散させた分散液を貯留する分散槽と、前記分散槽で生成された分散液を希釈して処理液として貯留する希釈槽とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項6に記載の基板処理装置において、
    前記塗布部は、未処理の基板に処理液を供給する前に、待機位置において所定量の処理液を吐出するプリディスペンス部と、前記プリディスペンス部で吐出された処理液における汚染用物質の濃度を測定する濃度測定部とを備え、
    前記液供給部は、前記濃度測定部における測定の結果が目標濃度と不一致である場合には、前記分散槽から前記希釈槽への分散液の補充または前記希釈槽への液体の補充により汚染用物質の濃度を調整することを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項6または7に記載の基板処理装置において、
    前記分散槽は、
    上部に形成された投入口と、
    中心部にて鉛直軸周りに回転可能に構成され、中心部より外周側に複数個の挿入口を備えた回転板と、
    前記回転板の各挿入口に設けられ、前記回転板の各挿入口の内周面を各挿入口の中心部に向かって伸縮させる滴下機構と、
    前記回転板を回転させ、前記投入口にいずれかの挿入口を位置させる駆動部と、
    をさらに備え、
    汚染用物質を含む分散液の原液を貯留する原液容器を、その吐出口が前記挿入口の下方に向くように前記各挿入口に挿入しておき、
    前記制御部は、所望の原液容器が前記投入口に位置するように前記駆動部を操作して移動させた状態で、前記滴下機構を操作して、前記分散槽に汚染用物質を含む分散液の原液を投入させることを特徴とする基板処理装置。
  9. 汚染用物質を含む処理液を基板に供給するための液供給装置において、
    液体に汚染用物質を分散させた分散液を貯留する分散槽と、
    前記分散槽で生成された分散液を希釈して処理液を貯留する希釈槽と、
    前記希釈槽から基板に対して処理液を供給する供給手段と、
    前記分散槽から前記希釈槽への分散液の補充または前記希釈槽への液体の補充により汚染用物質の濃度を調整する制御部と、
    を備えていることを特徴とする液供給装置。
  10. 請求項9に記載の液供給装置において、
    前記分散槽は、
    上部に形成された投入口と、
    中心部にて鉛直軸周りに回転可能に構成され、中心部より外周側に複数個の挿入口を備えた回転板と、
    前記回転板の各挿入口に設けられ、前記回転板の各挿入口の内周面を各挿入口の中心部に向かって伸縮させる滴下機構と、
    前記回転板を回転させ、前記投入口にいずれかの挿入口を位置させる駆動部と、
    をさらに備え、
    汚染用物質を含む分散液の原液を貯留する原液容器を、その吐出口が前記挿入口の下方に向くように前記各挿入口に挿入しておき、
    前記制御部は、所望の原液容器が前記投入口に位置するように前記駆動部を操作して移動させた状態で、前記滴下機構を操作して、前記分散槽に汚染用物質を含む分散液の原液を投入させることを特徴とする液供給装置。
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