JP2013152135A - フェーズドアレーアンテナの校正経路測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アンテナモジュール1、2内で、校正信号入力用の方向性結合器12、22の終端端子を終端状態と全反射状態を切替える信号切替えスイッチを備える。校正経路の測定時に信号切替スイッチ12、22を全反射状態に切替えて、校正信号の反射信号をサーキュレータ42により分離し、校正信号と反射信号との位相差および振幅比を測定し、各測定値に1/2を乗算した結果をアンテナモジュール1、2の校正時に測定結果から差し引くことにより、校正経路を単体で測定または調整することなく、校正経路の誤差を補正する。
【選択図】図1
Description
また、この種のフェーズドアレーアンテナにおいて、各アンテナモジュール間の通過位相および利得の誤差は、アンテナ放射特性の誤差として検出されることも知られている。
一方、試験用の基準送信機から各アンテナモジュールにテスト信号を送信し、各アンテナモジュールの受信特性の平均からのずれを補正することにより校正を行う技術も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
ただし、上記特許文献、特許文献2に記載のフェーズドアレーアンテナの校正装置は、いずれも各校正経路の誤差を検出する手段を備えていない。
また、アンテナモジュールが故障した際の交換時には、再度誤差の測定を行う必要があるという課題があった。さらに、校正経路が何らかの理由で特性が劣化していても、劣化検知手段を備えていないことから、アンテナモジュール自体の劣化なのか、または校正経路の劣化なのかを知るために、再度の分解測定を行う必要があるので、整備のために多大な労力および時間を要するという課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1の構成を示すブロック図である。
図1において、この発明の実施の形態1が適用されるフェーズドアレーアンテナは、アンテナおよび無線信号の処理を行うアンテナモジュール1、2と、校正信号を各アンテナモジュール1、2に配信する基準送信機20と、基準送信機20からの校正信号を復調してアンテナモジュール1、2の相互間の誤差補正演算を行う校正演算処理部30と、基準送信機20から各アンテナモジュール1、2までの校正信号の通過位相および減衰量を測定する校正経路測定回路40と、を備えている。
また、アンテナモジュール1の校正時において、信号切替スイッチ13は、終端器14側を短絡することにより、方向性結合器12を介して校正信号が送受信部16に入力されるようにする。
分配器41で分配された校正信号の他方は、位相差・振幅比測定器50に入力される。また、サーキュレータ42の反射側端子からの出力信号(校正信号の反射信号)も、位相差・振幅比測定器50に入力される。
位相差・振幅比測定器50の測定結果(位相差、振幅比)は、1/2演算回路44において1/2が乗算されて、校正経路測定回路40の測定値(通過位相、減衰量)となり、校正演算処理部30に与えられる。
図2はこの発明の校正経路(点線矢印参照)の特性を示すブロック図であり、2つのアンテナモジュール1、2の場合の校正信号の通過位相φおよび減衰量Aを示している。
同様に、分配器41からサーキュレータ42を介してアンテナ切替スイッチ43に至る経路の通過位相および減衰量をφ2、A2とし、アンテナ切替スイッチ43からアンテナモジュール1までの通過位相および減衰量をφ3、A3とし、アンテナ切替スイッチ43からアンテナモジュール2までの通過位相および減衰量をφ’3、A’3とする。
ここで、アンテナモジュール1の校正経路測定時に得られた測定結果をφm、Amとし、アンテナモジュール2の校正経路測定時に得られた測定結果をφ’m、A’mとすると、以下の式(1)〜式(4)が得られる。
Am=A2+A3+A3+A4−A5 ・・・(2)
φ’m=φ2+φ’3+φ’3+φ4−φ5 ・・・(3)
A’m=A2+A’3+A’3+A4−A5 ・・・(4)
A3−A’3=(Am−A’m)/2 ・・・(6)
なお、位相差・振幅比測定器50としては、たとえば、大型で高価ではあるが、ベクトルネットワークアナライザなどを用いることができる。
図3は校正経路測定回路40内の位相差・振幅比測定器50の具体的構成を示すブロック図であり、比較的小型で安価な回路構成例を示している。図3において、前述と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。また、図3に示されないフェーズドアレーアンテナの構成は、図1に示した通りである。
ここで、基準送信機20(図1参照)から分配器41を介して配信される校正信号の周波数をfcとすると、校正信号および反射信号の各周波数fcは、ミキサ51、51aにおいて、周波数floの局部発振器54により、同じ中間周波数に周波数変換され、ともに周波数「fc−flo」となる
イメージ成分が除去された周波数「fc−flo」の校正信号および反射信号は、AD変換器53、53aによりデジタル信号に変換されて、位相差・振幅比演算回路55に入力される。
また、図3内のAD変換器53、53aに代えてオシロスコープを用い、位相差・振幅比演算回路55をPC内の処理とすれば、システム組み込みに適した小型で安価な校正経路測定回路40を実現することができる。
なお、上記実施の形態1(図3)では、位相差・振幅比測定器50の受信側において、ミキサ51、51aおよび局部発振器54を用いたが、図4のように、直交ミキサ56を用いてもよい。
直交ミキサ56は、サーキュレータ42の反射側端子に入力端が接続された並列のミキサ57、57aと、分配器41に接続された移相器58と、を備えている。
移相器58からの局発信号のうち、I信号(0°)はミキサ57に入力され、Q信号(90°)はミキサ57aに入力される。
Am=20・log√(VI 2+VQ 2) ・・・(8)
なお、上記実施の形態1、2(図3、図4)では、位相差・振幅比測定器50の演算部として、位相差・振幅比演算回路55を用いたが、図5のように、第1および第2の積算器66、66a(以下、単に「積算器66、66a」という)を用いてもよい。
また、可変減衰器61は、積算器66aの算出結果によりフィードバック調整され、可変移相器62は、積算器66の算出結果によりフィードバック調整される。
また、可変減衰器61により振幅レベルが可変調整された反射信号は、さらに可変移相器62により位相が可変調整された後、位相比較器63の比較端子に入力される。
また、分配器41からの校正信号は、振幅検波器64aを介してコンパレータ65aの基準端子に入力される。
同様に、コンパレータ65aは、反射信号の振幅を、校正信号の振幅と比較し、比較結果をハイ(High)信号またはロー(Low)信号として積算器66aに入力する。
積算器66、66aの演算結果は、それぞれ可変移相器62および可変減衰器61に与えられ、以下、同様の比較演算処理を繰り返し実行する。
したがって、前述の実施の形態1、2と同様に校正経路の測定を行うことができる。
また、可変減衰器61、可変移相器62、位相比較器63、振幅検波器64、64a、コンパレータ65、65aや積算器66、66aは、いずれも一般に高周波で動作し、半導体基板上にモノリシックで実装が容易な特徴を有するので、非常に小型で高速に動作する校正経路測定回路40Bを実現することができる。
これにより、前述と同様の作用効果を奏することができる。
Claims (6)
- 複数のアンテナモジュールが同期して1つのアンテナとして動作するフェーズドアレーアンテナの校正経路測定装置であって、
誤差校正用の校正信号を生成する基準送信機と、
前記校正信号を前記複数のアンテナモジュールの各々に切替えて配信するためのアンテナ切替スイッチと、
前記複数のアンテナモジュールの各アンテナ素子の経路に設置されて、前記校正信号を取り込むための方向性結合器と、
前記方向性結合器の終端端子を終端状態と全反射状態とに切替えることにより、前記複数のアンテナモジュールの各々に前記校正信号を入力する状態と前記複数のアンテナモジュールの各々から前記校正信号を反射する状態とを切替える信号切替スイッチと、
前記校正信号を反射する状態で前記複数のアンテナモジュールの各々から受信される反射信号の前記校正信号に対する誤差を演算する校正演算処理部と、
を備えたことを特徴とするフェーズドアレーアンテナの校正経路測定装置。 - 前記基準送信機からの校正信号を第1および第2の出力端子から分配出力する分配器と、
前記分配器の第1の出力端子と前記アンテナ切替スイッチの共通端子との間に挿入され、第1端子、第2端子および反射側端子を有するサーキュレータと、
前記分配器の第2の出力端子および前記サーキュレータの反射側端子に接続された位相差・振幅比測定器と、
前記位相差・振幅比測定器により測定された位相差および振幅比の1/2を、前記位相差・振幅比測定器の校正経路の誤差として前記校正演算処理部に入力する1/2演算回路と、を備え、
前記サーキュレータは、前記分配器の第1の出力端子から前記サーキュレータの第1端子に入力される校正信号を、前記サーキュレータの第2端子および前記アンテナ切替スイッチを介して前記複数のアンテナモジュールの各々に配信するとともに、前記アンテナ切替スイッチを介して前記第2端子に受信される反射信号を、前記反射側端子を介して前記位相差・振幅比測定器に入力することを特徴とする請求項1に記載のフェーズドアレーアンテナの校正経路測定装置。 - 前記位相差・振幅比測定器は、
前記分配器の第2の出力端子から受信される校正信号と、前記サーキュレータの反射側端子から受信される反射信号とを、同じ中間周波数に変換するミキサおよび局部発振器を備え、
前記中間周波数において、前記校正信号と前記反射信号との位相差および振幅比を測定することを特徴とする請求項2に記載のフェーズドアレーアンテナの校正経路測定装置。 - 前記位相差・振幅比測定器は、
前記分配器の第2の出力端子から受信される校正信号を局発信号として用い、前記サーキュレータの反射側端子から受信される反射信号を入力信号とする直交ミキサを備え、
前記直交ミキサの同相信号および直交信号から得られる直流信号に基づき、前記校正信号と前記反射信号との位相差および振幅比を測定することを特徴とする請求項2に記載のフェーズドアレーアンテナの校正経路測定装置。 - 前記位相差・振幅比測定器は、
前記分配器の第2の出力端子から入力される校正信号、または前記サーキュレータの反射側端子から受信される反射信号、のいずれか一方の信号の移相および振幅を制御する可変移相器および可変減衰器と、
前記可変移相器または前記可変減衰器を介した前記一方の信号と、前記可変移相器および前記可変減衰器を介していない他方の信号との位相差および振幅比を個別に比較する第1および第2のコンパレータと、
前記第1および第2のコンパレータの各比較結果に応じて前記可変移相器および前記可変減衰器の設定値を個別に増減させる第1および第2の積算器と、を備え、
前記第1のコンパレータおよび前記第1の積算器を含む第1の比較ループと、前記第2のコンパレータおよび前記第2の積算器を含む第2の比較ループとにより、前記可変移相器および前記可変減衰器の各設定値を収束させ、
収束完了時の前記可変移相器および前記可変減衰器の各設定値に対応した前記第1および第2の積算器の値により、前記校正信号と前記反射信号との位相差および振幅比を測定することを特徴とする請求項2に記載のフェーズドアレーアンテナの校正経路測定装置。 - 前記位相差・振幅比測定器は、
前記可変移相器および前記可変減衰器と前記第1のコンパレータとの間に挿入された位相比較器と、
前記可変減衰器と前記第2のコンパレータとの間に挿入された第1の振幅検波器と、
前記他方の信号の受信端子と前記第2のコンパレータとの間に挿入された第2の振幅検波器と、を備え、
前記位相比較器は、前記可変移相器および前記可変減衰器を介した前記一方の信号と前記他方の信号との位相差を比較結果として生成し、
前記第1のコンパレータは、前記位相比較器の比較結果が所定の収束値に収束するまでハイレベルの出力信号を前記第1の積算器に入力し、
前記第1の振幅検波器は、前記可変減衰器を介した前記一方の信号を前記第2のコンパレータの比較端子に入力し、
前記第2の振幅検波器は、前記他方の信号を前記第2のコンパレータの基準端子に入力し、
前記第2のコンパレータは、前記第1の振幅検波器からの前記一方の信号の振幅が前記第2の振幅検波器からの前記他方の信号の振幅に収束するまでハイレベルの出力信号を前記第2の積算器に入力することを特徴とする請求項5に記載のフェーズドアレーアンテナの校正経路測定装置。
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