JP6992589B2 - 位相調整装置及び無線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、位相調整装置及び無線装置に関する。
近年、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の1つである、ETCシステム(Electronic Toll Collection:電子料金収受システム)が発達したことにより、ノンストップ料金所やマルチレーンフリーフローETCシステム(MLFF-ETC)の普及が進められている。MLFF-ETCは、単一の周波数帯を持つ信号を用いて、複数の車線を走行する車両に搭載されたETC車載器とDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)通信を行うことにより、料金所等で車両を停止させることなく、該当する有料道路を走行する車両から自動的に通行料金を徴収するシステムである。
上記MLFF-ETCにおいては、所定の複数の走行車線をカバーする通信エリアを構築するために、互いに数10センチメートル以上離隔して設置された複数の基地局アンテナが用いられる。このようなMLFF-ETCにおいては、好適に通信エリアを構築するために、複数の基地局アンテナと送受信装置との間を接続する複数の高周波同軸ケーブルの間における通過位相量の差を調整することが求められる。
このような高周波同軸ケーブルにおける通過位相量を測定する技術の一例としては、下記特許文献4及び5に開示されているような技術を挙げることができる。また、高周波同軸ケーブルに対する調整、すなわち、較正の一例としては、下記特許文献1~3に開示された技術を挙げることができる。
特開平11-261323号公報 特開2010-93510号公報 特表2014-532167号公報 特開2013-152135号公報 特開昭63-21572号公報
しかしながら、上記特許文献1~5に開示された高周波同時期ケーブルの通過位相量の測定や較正においては、高周波同軸ケーブルのケーブル長を調整するために高精度で加工を行うことが求められる。さらに、上記特許文献1~5に開示された測定や較正においては、測定及び較正を行うためのシステムを無線通信システム内に組み込み、測定及び較正を行った後には、上記システムを無線通信システムから取り除かなくてはならないことから、較正作業の負担やコストの増加を避けることが難しい。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、較正作業の負担やコストの増加を抑えつつ、精度よく高周波同軸ケーブルの通過位相量を調整することが可能な、新規、且つ、改良された位相調整装置及び無線装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の基地局アンテナと送受信装置とをそれぞれ接続する複数の高周波同軸ケーブルの通過位相量を調整する位相調整装置であって、前記各基地局アンテナに設けられる調整基準部と、前記調整基準部と前記送受信装置との間に設けられる制御部とを含み、前記調整基準部は、前記高周波同軸ケーブルの一端に接続される接続部と、反射端と、前記接続部との接続を前記反射端と前記基地局アンテナとの間で切り替える第1のスイッチと、を有し、前記制御部は、前記高周波同軸ケーブルの他端と接続される移相器と、基準信号を発生させ、前記基準信号と前記反射端で反射された前記基準信号である反射信号とに基づいて通過位相量を検出する基準信号部と、前記通過位相量を用いて、前記移相器を制御する位相制御部と、前記移相器との接続を前記基準信号部と前記送受信装置との間で切り替える第2のスイッチと、を有する、位相調整装置が提供される。
前記基準信号部は、前記基準信号を発生する基準信号発生部と、前記基準信号と前記反射信号とに基づいて前記通過位相量を検出する検出部と、を有していてもよい。
前記検出部は、前記基準信号と、当該基準信号が前記第2のスイッチ、前記移相器及び前記高周波同軸ケーブルを介して前記反射端へ到達し、前記反射端で反射された前記反射信号とに基づいて前記通過位相量を検出する位相検出部と、前記基準信号発生部からの前記基準信号を、前記第2のスイッチと前記位相検出部とに分配する第1の分配器と、前記第1の分配器からの前記基準信号を前記第2のスイッチへ出力し、前記反射端で反射されて前記高周波同軸ケーブル及び前記移相器を介して前記第2のスイッチから出力された前記反射信号を前記位相検出部へ出力する、方向性結合器又は循環回路と、を有していてもよい。
前記移相器、前記第2のスイッチ及び前記検出部は、それぞれ複数個設けられていてもよい。
前記基準信号発生部は、第2の分配器を介して前記検出部に接続されてもよい。
前記各第2のスイッチは、第3の分配器を介して前記送受信装置に接続されてもよい。
前記位相制御部は、前記複数の高周波同軸ケーブルの間における、周波数に対する前記通過位相量の変化量に基づき、前記通過位相量を調整するかどうかを判断してもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記位相調整装置と、前記複数の基地局アンテナと、前記複数の高周波同軸ケーブルと、前記送受信装置と、を含む無線装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、較正作業の負担やコストの増加を抑えつつ、精度よく高周波同軸ケーブルの通過位相量を調整することができる。
本発明の実施形態に係る無線通信システム1の構成を説明するための構成図である。 本発明の実施形態に係る無線通信システム1の較正動作を説明するためのフローチャート(その1)である。 本発明の実施形態に係る無線通信システム1の較正動作を説明するためのフローチャート(その2)である。 周波数に対する、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの通過位相量の関係を示す位相情報のグラフである。 本発明の実施形態に係る較正動作を行う前の、周波数に対する各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの通過位相量の関係を示す位相情報のグラフである。 本発明の実施形態に係る較正動作を行った後の、周波数に対する各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの通過位相量の関係を示す位相情報のグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
さらに、以下の説明においては、特段の断りがない限りは、「接続」とは、複数の要素の間を電気的に、且つ、信号(高周波アナログ信号又はデジタル信号)を搬送可能に接続することを意味する。さらに、以下の説明における「接続」には、複数の要素を直接的に接続する場合だけでなく、他の要素を介して間接的に接続する場合も含まれる。
<<本発明の実施形態をなすに至った背景>>
まずは、本発明の実施形態の詳細な説明に先立ち、本発明者が本発明の実施形態をなすに至った背景について説明する。
先に説明したように、近年、ITSの1つであるETCシステムが発達したことにより、ノンストップ料金所やMLFF-ETCの普及が進められている。上記MLFF-ETCにおいては、所定の複数の走行車線をカバーする通信エリアを構築するために、互いに数10センチメートル以上離隔して設置された複数の基地局アンテナが用いられる。そして、このようなMLFF-ETCにおいては、複数の基地局アンテナと送受信装置との間を接続する複数の高周波同軸ケーブルの間における通過位相量の差を調整し、好適に通信を行うことができる所定の広さの通信エリアを構築することが求められる。なお、このようなMLFF-ETCにおいては、例えば、5.8GHz帯の周波数(例えば、5.775GHz~5.845GHz)を持つ信号を用いたDSRC通信が用いられる。
詳細には、MLFF-ETCにおいては、5.8GHzの周波数を持つ信号の波長は約5センチメートル程度と短いことから、複数の基地局アンテナ間での位相の同期を許容位相範囲内で行うために、数ミリメートル単位レベルで、各基地局アンテナと送受信装置とを接続する複数の高周波同軸ケーブルの調整を行う必要がある。
さらに、高周波同軸ケーブル内の誘電体の特性ばらつき等の高周波同軸ケーブル単体の電気長のずれによって生ずる複数の高周波同軸ケーブルにおける位相誤差、高周波同軸ケーブルの引き回し(曲げ等)による位相誤差、屋外に設置される高周波同軸ケーブルの配線設置環境の気温の変化により生じる通過位相量の変化等により、複数の高周波同軸ケーブルの間における通過位相量の差分が変化することがある。従って、高周波同軸ケーブルの設置時だけでなく、MLFF-ETC運用時においても、適宜、複数の高周波同軸ケーブルの通過位相量の調整を行い、複数の基地局アンテナ間で位相の同期を好適に行えるようにする必要がある。
しかしながら、先に説明したように、上記特許文献1~5に開示された高周波同軸ケーブルの通過位相量の測定や較正においては、高周波同軸ケーブルのケーブル長を調整するために高精度の加工を行うことが求められる。さらに、上記特許文献1~5に開示された測定や較正においては、測定及び較正を行うためのシステムを無線通信システム内に組み込み、測定及び較正を行った後には、上記システムを無線通信システムから取り除かなくてはならないことから、較正作業の負担やコストの増加を避けることが難しい。
詳細には、上記特許文献1においては、複数の基地局アンテナから受信した信号の合成電力が最大になるように、高周波同軸ケーブルのケーブル長を調整している。特許文献1に開示の方法においては、受信する信号の周波数が数100MHz以下であれば、高周波同時期ケーブルのケーブル長を調整することにより、複数の基地局アンテナ間で位相の同期を好適に行えるようにすることできる。しかしながら、MLFF-ETCにおいては、5.8GHzの周波数を持つ信号の使用が前提であり、数ミリメートル以下の精度で高周波同軸ケーブルのケーブル長を調整する必要となることから、このような高い精度での高周波同軸ケーブルの加工は難しく、特許文献1に開示の方法では、較正作業の負担やコストの増加を抑えることが難しい。
また、上記特許文献2においては、可変移相器を追加接続することで通過位相量を調整している。上記特許文献2においては、較正作業に用いる基準信号は、別途装置内に備えられた送信装置に接続された送信アンテナから送信した信号を既知の反射板を介して受信することによって取得する。もしくは、較正作業に用いる基準信号は、別途装置外に設置した送信装置に接続された送信アンテナから送信した信号を受信することによって取得する。従って、このように受信した基準信号に基づいて、複数の高周波同軸ケーブルの通過位相量を調整しようとする場合、各々の高周波同軸ケーブルで受信した基準信号の遅延時間(位相)を同一とみなせる程度にまで遠方に上記反射板又は上記送信アンテナを設置する必要がある。もしくは、複数の高周波同軸ケーブルの受信位置と基準信号の送信源との位置関係から幾何学的に算出した遅延時間を補正値として考慮する必要がある。すなわち、上記特許文献2の開示の方法では、較正作業を行うために正確に較正のためのシステムの構築や計算を行う必要があることから、較正作業の負担(時間)やコストの増加を抑えることが難しい。
さらに、上記特許文献3においては、自己較正回路を設けることにより通過位相量を調整している。このように自己較正回路を設けることにより、正確に較正のためのシステムの構築や較正作業が容易となるが、基地局アンテナの設置間隔が数10センチメートル以上離れるような較正の場合、較正を行うための自己試験線路は高周波同軸ケーブル又は導波管等により形成されることとなる。その場合、上述したように、MLFF-ETCにおいては、5.8GHzの周波数を持つ信号の使用が前提であり、数ミリメートル以下の精度で高周波同軸ケーブル又は導波管等の長さを調整する必要となることから、このような高い精度での高周波同軸ケーブル等の加工は難しく、特許文献3に開示の方法であっても、較正作業の負担やコストの増加を抑えることが難しい。
そこで、本発明者は、上述の状況を鑑みて、較正作業の負担やコストの増加を抑えつつ、高周波同軸ケーブルの設置時だけでなく、MLFF-ETCの運用時においても、適宜、精度よく高周波同軸ケーブルの通過位相量を調整することが可能な本発明の実施形態を創作した。以下、このような本発明の実施形態の詳細を順次説明する。
<<実施形態>>
<無線通信システム1の概略構成>
まずは、図1を参照して、本発明の実施形態に係る無線通信システム(無線装置)1の概略構成を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の構成を説明するための構成図である。
本実施形態に係る無線通信システム1は、設置間隔が数十センチメートル以上離れた複数の基地局アンテナ10を用いて所望の通信エリアを構築するためのシステムである。詳細には、当該無線通信システム1は、上記通信エリアを構築するために用いられる複数の基地局アンテナ10と送受信装置50との間を接続する複数の高周波同軸ケーブル30の間における、高周波同軸ケーブル30単体の電気長のずれ、高周波同軸ケーブル30の配線設置環境、及び、高周波同軸ケーブル30の周辺環境の温度変化等によって生じる通過位相量の差を、基地局アンテナ10の設置工事時及び運用時に調整することができる。
なお、以下の説明においては、本実施形態に係る無線通信システム1は、MLFF-ETC用の通信エリアを構築するための無線通信システムであるものとし、従って、当該無線通信システム1で使用される無線信号は、DSRC(ETC)等で使用される5.8GHz帯の周波数を持つ信号であるものとする。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る無線通信システム1は、複数の基地局アンテナ10(10a、10b、10c)と、各基地局アンテナ10に設けられた複数の調整基準装置(調整基準部)20(20a、20b、20c)と、各調整基準装置20と接続される複数の高周波同軸ケーブル30(30a、30b、30c)と、各高周波同軸ケーブル30と接続される制御装置(制御部)40と、当該制御装置40と接続される送受信装置50と、を主に含む。以下に、本実施形態に係る無線通信システム1に含まれる各装置の概略について説明する。
(基地局アンテナ10)
基地局アンテナ10は、電磁波(信号)を空間に送信(放射)したり、空間中を伝播する電磁波を受信したりする装置である。本実施形態においては、複数の基地局アンテナ10は、互いに数10センチメートル以上離隔して設置され、所望の範囲の通信エリア(詳細には、所定の複数の走行車線(図示省略)をカバーする通信エリア)を構築することができる。
具体的には、例えば、各基地局アンテナ10は、複数のアンテナ素子を配列したアレイアンテナからなり、運用動作時には、車両(図示省略)に搭載されたETC車載器(図示省略)から送信された信号を受信し、受信した信号を後述する送受信装置50へ供給する。また、各基地局アンテナ10は、送受信装置50からの制御に従って、所定の通知信号を上記ETC車載器に対して送信してもよい。この場合、ETC車載器は、上記通知信号を受信した場合には、当該通知信号の応答として応答信号を送信してもよい。
なお、図1においては、本実施形態に係る無線通信システム1には、3個の基地局アンテナ10a、10b、10cが設けられているものして描かれているが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、当該無線通信システム1には、構築したい通信エリアの広さ等に応じて、数10個程度の基地局アンテナ10が設けられてもよい。
(調整基準装置20)
調整基準装置20は、各基地局アンテナ10の入出力端(図示省略)に接続されるようにして設けられ、較正動作時には、後述する較正用の基準信号を反射することができる。すなわち、調整基準装置20は、各基地局アンテナ10と後述する送受信装置50とをそれぞれ接続する複数の高周波同軸ケーブル30の通過位相量を調整する位相調整装置の一部して機能することができる。なお、図1においては、本実施形態に係る無線通信システム1には、3個の調整基準装置20a、20b、20cが設けられているものして描かれているが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、当該無線通信システム1には、上述の基地局アンテナ10の個数に応じて複数の調整基準装置20が設けられてもよい。また、当該調整基準装置20の詳細構成については後述する。
(高周波同軸ケーブル30)
高周波同軸ケーブル30は、複数の基地局アンテナ10と送受信装置50とを接続し、基地局アンテナ10と送受信装置50との間(詳細には、調整基準装置20と制御装置40との間)で5.8GHz帯の周波数を持つ無線信号を少ない損失で搬送することができる。例えば、各調整基準装置20と制御装置40との間を接続する複数の高周波同軸ケーブル30は、数メートルから数10メートルの長さを持っており、設置環境に応じて、互いに同一の長さを持っているとは限らない。なお、図1においては、本実施形態に係る無線通信システム1には、3個の高周波同軸ケーブル30a、30b、30cが設けられているものして描かれているが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、当該無線通信システム1には、上述の基地局アンテナ10の個数に応じて複数の高周波同軸ケーブル30が設けられてもよい。
(制御装置40)
制御装置40は、上述した調整基準装置20(詳細には、高周波同軸ケーブル30)と送受信装置50との間に設けられる。制御装置40は、運用動作時には、送受信装置50において送受信する無線信号を分配及び合成することができる。また、制御装置40は、較正動作時には、較正用の基準信号を発生させるとともに、調整基準装置20で反射した基準信号(反射信号)を検出する。そして、制御装置40は、これらの基準信号と反射信号との位相差である通過位相量を検出し、検出した通過位相量に基づいて、較正動作を行うことができる。さらに、制御装置40は、較正動作と運用時動作とを行うために搬送する信号を切り替えることができる。すなわち、制御装置40は、各基地局アンテナ10と後述する送受信装置50とをそれぞれ接続する複数の高周波同軸ケーブル30の通過位相量を調整する位相調整装置の一部して機能することができる。なお、制御装置40の詳細構成については後述する。
なお、本実施形態においては、制御装置40は、後述する送受信装置50に組み込まれてもよいが、以下の説明においては、制御装置40と送受信装置50とは別個の装置であるものとして説明する。例えば、ETCシステムで使用されるDSRC通信の標準規格として、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses) STD(Standard) T75があるが、当該標準規格においては、後述する送受信装置50の入出力端における信号レベルを規定している。従って、本実施形態に係る無線通信システム1においては、送受信装置50に制御装置40を組み込まないことが好ましく、送受信装置50に制御装置40を組み込まないことにより、送受信装置50の入出力端の位置が明確になることから、上記標準規格を満たしているかどうかの確認を容易に行うことができるようになる。
(送受信装置50)
送受信装置50は、運用動作時には、基地局アンテナ10から供給された無線信号を処置することができ、基地局アンテナ10から放射される無線信号を送信することができる。具体的には、例えば、送受信装置50は、基地局アンテナ10から供給された無線信号を処理して、上記無線信号を送信したETC車載器(図示省略)を搭載した車両(図示省略)を識別するための車両識別情報(LID)を取得することができる。
<調整基準装置20の詳細構成>
以上、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の概略構成を説明した。次に、本実施形態に係る調整基準装置20の詳細構成を、図1を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る調整基準装置20は、基地局アンテナ10と接続される接続部200と、較正用の基準信号を反射する反射端202と、高周波同軸ケーブル30の一方の端部(図示省略)に接続される接続部206と、上記接続部206との接続を反射端202と基地局アンテナ10との間で切り替えるスイッチ(第1のスイッチ)(Switch;SW)204とを主に有する。以下に、本実施形態に係る調整基準装置20に含まれる各ブロックの詳細を説明する。
(接続部200)
接続部200は、上述した基地局アンテナ10の入出力端(図示省略)に接続され、基地局アンテナ10からの無線信号を後述するスイッチ204に出力し、スイッチ204からの無線信号を基地局アンテナ10へ出力する。
(反射端202)
反射端202は、スイッチ204からの較正用の基準信号をスイッチ204へ反射することができる。本実施形態においては、反射端202は、オープン状態又はショート状態の回路等であってもよく、各調整基準装置20の反射端202が同一の高周波特性(基準信号に対するインピーダンス等)を持ち、上記基準信号を反射することができれば、特に限定されるものではない。例えば、誘電体層からなる基板の上に、精度よく金属層からなる配線パターンを形成することにより、同一の高周波特性を持つ本実施形態に係る反射端202を取得することができる。
(スイッチ204)
スイッチ204は、本実施形態に係る無線通信システム1の運用動作時と較正動作時との間で、後述する接続部206との接続を反射端202と基地局アンテナ10との間で切り替えることができる。詳細には、スイッチ204は、運用動作時には、基地局アンテナ10(詳細には、接続部200)と、高周波同軸ケーブル30(詳細には、接続部206)とを接続し、較正動作時には、反射端202と、高周波同軸ケーブル30(詳細には、接続部206)とを接続するように切り替えることができる。なお、スイッチ204は、制御装置40と制御信号線60と接続され、制御装置40からの制御に従って、切り替えることができる。
(接続部206)
接続部200は、上述した高周波同軸ケーブル30の一方の端部(図示省略)に接続され、高周波同軸ケーブル30からの信号をスイッチ204に出力し、スイッチ204からの信号を高周波同軸ケーブル30へ出力する。
<制御装置40の詳細構成>
以上、本発明の実施形態に係る調整基準装置20の詳細構成を説明した。次に、本実施形態に係る制御装置40の詳細構成を、図1を参照して説明する。本実施形態に係る制御装置40は、較正用の基準信号を出力し、さらに、調整基準装置20(詳細には、反射端202)で反射した基準信号(反射信号)を検出し、基準信号と反射信号との位相差である通過位相量を検出して、無線通信システム1における較正を行うことができる装置である。さらに、制御装置40は、上述のような較正動作と、通常の運用動作とを切り替えて行うことができるように、信号の搬送される経路等を切り替えることができる。
図1に示すように、本実施形態に係る制御装置40は、上述した高周波同軸ケーブル30の他方の端部(図示省略)と接続される接続部400と、上記移相器416を制御する位相制御部406と、各種状態情報を表示する表示部408と、高周波同軸ケーブル30の通過位相量を調整する移相器416と、移相器416との接続を基準信号部430と送受信装置50との間で切り替えるスイッチ(第2のスイッチ)418と、基準信号を発生させ、基準信号と上述した反射端202で反射された反射信号との位相差(通過位相量)を検出する基準信号部430と、上記スイッチ418と送受信装置50とを接続する分配器(第3の分配器)(divider;DIV)440と、送受信装置50と接続される接続部450とを主に有する。以下に、本実施形態に係る制御装置40に含まれる各ブロックの詳細を説明する。
(接続部400)
接続部400は、高周波同軸ケーブル30の他方の端部(図示省略)と接続され、高周波同軸ケーブル30からの信号を後述するスイッチ418に出力し、スイッチ418からの信号を高周波同軸ケーブル30へ出力する。
(位相制御部406)
位相制御部406は、制御装置40に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)等のハードウェアを用いて、制御装置40の各機能ブロックを制御する機能を有する。詳細には、位相制御部406は、後述する位相検出部426を制御して、上記基準信号と上記反射信号との位相差である通過位相量を検出し、検出した通過位相量に基づいて、後述する移相器416を制御して、無線通信システム1における較正を行うことができる。また、位相制御部406は、検出結果及び較正結果(状態情報)を、送受信装置50へ送信したり、後述する表示部408に表示させたりすることができる。さらに、位相制御部406は、上述した調整基準装置20を、較正動作と運用動作との間で切り替えるような制御を行うことができる。従って、図1に示すように、位相制御部406は、制御信号線60を介して調整基準装置20のスイッチ204と接続されており、さらに、制御信号線62を介して送受信装置50と接続されている。
(表示部408)
表示部408は、操作者に対して、上述した検出結果及び較正結果(状態情報)を表示することができる。表示部408、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現することができる。なお、表示部408は、制御装置40と一体の装置として構成されていてもよく、あるいは、制御装置40と別体の装置として構成されていてもよい。
(移相器416)
移相器416は、上述した高周波同軸ケーブル30の他方の端部(図示省略)(詳細には、接続部40)と接続され、当該高周波同軸ケーブル30の通過位相量を調整する可変移相器である。移相器416は、上述した位相制御部406によって制御されることにより、高周波同軸ケーブル30の通過位相量を調整し、すなわち、無線通信システム1における高周波同軸ケーブル30の較正を行うことができる。
(スイッチ418)
スイッチ418は、上述した位相制御部406の制御によって、上述した移相器416との接続を基準信号部430と送受信装置50(詳細には、後述する接続部450)との間で切り替えることができる。
(基準信号部430)
基準信号部430は、較正用の基準信号を発生させ、当該基準信号と、上述した反射端202で反射された基準信号(反射信号)との位相差である通過位相量を検出する。図1に示すように、基準信号部430は、基準信号を発生する基準信号発生部402と、当該基準信号発生部402からの基準信号を分配する分配器(第2の分配器)404と、分配器404から分配された基準信号を用いて上記位相差(通過位相量)を検出する検出部420とを主に有する。以下に、本実施形態に係る基準信号部430に含まれる各ブロックの詳細を説明する。
~基準信号発生部402~
基準信号発生部402は、較正用の基準信号を発生させることができる。詳細には、当該基準信号発生部は、例えば、DSRC(ETC)等で使用されている5.8GHz帯(例えば、5.775GHz~5.845GHz)の周波数を持つ高周波信号を発生させることができる。また、本実施形態においては、基準信号発生部402が発生させる基準信号の信号レベルは、特に限定されるものではないが、少なくとも本実施形態に係る無線通信システム1を構成する各種部品(分配器、方向性結合器及びスイッチ等)において定められている定格電力内であり、且つ、基準信号及び反射信号の信号レベルが、後述する位相検出部426で検出可能な範囲に入っていればよい。基準信号発生部402が発生させる基準信号の信号レベルは、例えば、-10dBm~0dBmであることができる。
~分配器404~
分配器404は、上述の基準信号発生部402と接続され、基準信号発生部402からの基準信号を後述する検出部420に分配する。
~検出部420~
検出部420は、分配器404から分配された基準信号を用いて、当該基準信号と、上述した反射端202で反射された基準信号(反射信号)との位相差である通過位相量を検出する。なお、検出部420の詳細構成については、後述する。
(分配器440)
分配器440は、スイッチ418と送受信装置50と接続され、スイッチ418からの信号を送受信装置50(詳細には、後述する接続部450)に出力し、送受信装置50からの無線信号をスイッチ418へ分配する。
(接続部450)
接続部450は、送受信装置50と接続され、スイッチ418からの信号を送受信装置50に出力し、送受信装置50からの無線信号をスイッチ418へ出力する。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、移相器416と、スイッチ418と、検出部420とは、上述の基地局アンテナ10の個数に応じて、それぞれ複数個設けられていてもよい。また、図1に示すように、1つの移相器416と、1つのスイッチ418と、1つの検出部420とは、位相調整部410として1つのユニットをなしていてもよい。従って、位相調整部410(410a、410b、410c)は、上述の基地局アンテナ10の個数に応じて複数個設けられていてもよい。
<検出部420の詳細構成>
以上、本発明の実施形態に係る制御装置40の詳細構成を説明した。さらに、本実施形態に係る制御装置40に含まれる検出部420の詳細構成を、図1を参照して説明する。検出部420は、先に説明したように、分配器404から分配された基準信号を用いて、当該基準信号と、反射端202で反射された基準信号(反射信号)との位相差である通過位相量を検出する。図1に示すように、検出部420は、基準信号発生部402からの基準信号を、スイッチ418と位相検出部426とに分配する分配器(第1の分配器)422と、分配器422からの基準信号をスイッチ418へ出力し、スイッチ418から出力された反射信号を後述する位相検出部426へ出力する方向性結合器(directional coupler;DC)424と、基準信号と反射信号との位相差(通過位相量)を検出する位相検出部426とを主に有する。以下に、本実施形態に係る検出部420に含まれる各ブロックの詳細を説明する。
(分配器422)
分配器422は、基準信号発生部402からの基準信号を、スイッチ418(詳細には、後述する方向性結合器424)と位相検出部426とに分配する。
(方向性結合器424)
方向性結合器424は、分配器422からの基準信号をスイッチ418へ出力することができる。さらに、方向性結合器424は、基準信号発生部402から、スイッチ418、移相器416、高周波同軸ケーブル30及びスイッチ204を介して反射端202に到達し、当該反射端202で反射されて、スイッチ418、高周波同軸ケーブル30及び移相器416を介してスイッチ418から出力された基準信号(反射信号)を後述する位相検出部426へ出力することができる。
例えば、方向性結合器424は、3ポートの方向性結合器(単方向性結合器)であることができる。このような場合、方向性結合器424の入力ポート(図示省略)から入力された反射信号は、出力ポート(図示省略)と、位相検出部426に接続された結合ポート(図示省略)とに出力されることとなる。さらに、分配器422に接続された上記出力ポートに入力された基準信号は、上記入力ポートに出力されるものの、上記結合ポートには出力されることはない。
すなわち、本実施形態においては、基準信号と、反射端202で反射した反射信号とが合成することで定在波が発生することとなるが、上記方向性結合器424は、定在波のうち反射信号の進行方向と同じ方向に進行する信号のみを位相検出部426に出力する機能を持っている。従って、基準信号は、上述の方向性結合器424の機能により、方向性結合器424を介して位相検出部426へ入力されることはない。
なお、分配器422においては、基準信号と反射信号とが合成され、後述する位相検出部426に入力されるが、反射信号の信号レベルは、その往復経路における損失により、基準信号に対して影響がない程度の信号レベルにまで減少することから、合成された合成波が位相検出部426に入力されても問題を生じさせることはない。例えば、基準信号を、5.8GHzの周波数を持つ信号とし、高周波同軸ケーブル30のケーブル長を10mとした場合、高周波同軸ケーブル30における損失は6dB程度となる。従って、このような高周波同軸ケーブル30を往復する反射信号は、基準信号に対して約12dBcだけ信号レベルが低くなり、さらに本実施形態に係る無線通信システム1における各ブロックの挿入損失を考慮すると、反射信号の信号レベルがさらに低下することとなる。従って、このような低い信号レベルにある反射信号が基準信号と合成されて、位相検出部426に入力されても、位相差(通過位相量)の検出に問題が生じることはない。
なお、本実施形態においては、上述の方向性結合器424を、例えばフェライト素子を利用したサーキュレータ(循環回路)(図示省略)に置き換えることにより、分配器422における反射信号の影響をより取り除くことができる。しかしながら、サーキュレータは、誘電体層からなる基板の上に、精度よく金属層からなる配線パターンを形成することにより得られる方向性結合器424に比べて、高価であるため、本実施形態に係る無線通信システム1を構築するためのコストの増加を鑑みると、方向性結合器424を用いることが好ましい。
(位相検出部426)
位相検出部426は、基準信号、及び、当該基準信号がスイッチ418、移相器416、高周波同軸ケーブル30及びスイッチ204を介して反射端202へ到達し、当該反射端202で反射されたことによって得られる反射信号の振幅変化を検出する。さらに、位相検出部426は、基準信号に対する反射信号の位相差(基準信号の位相を基準とした反射信号の位相)である通過位相量(位相情報)を検出して、検出結果を位相制御部406に出力することができる。なお、当該位相制御部406は、当該検出結果に基づいて、移相器416を制御することができる。また、位相検出部426は、位相制御部406によって制御されることにより、上記検出を行うことができる。
<動作>
以上、本実施形態に係る検出部420の詳細構成について説明した。次に、図2A、図2B及び図3を参照して、本実施形態に係る無線通信システム1の高周波同軸ケーブル30の較正動作の詳細について説明する。図2A及び図2Bは、本実施形態に係る無線通信システム1の較正動作を説明するためのフローチャートである。図3は、周波数に対する、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの通過位相量の関係を示す位相情報のグラフである。
詳細には、本発明の実施形態に係る較正動作は、図2A及び図2Bのフローチャートで示され、当該フローチャートは、ステップS101からステップS129の複数のステップを有する。以下に、本実施形態に係る較正動作の各ステップの詳細を説明する。以下の説明においては、基地局アンテナ10の設置工事の場合に行われる較正動作の一例を説明する。なお、以下に示す較正動作は、本発明の実施形態に係る較正動作のあくまでも一例であって、本実施形態に係る較正動作が下記の動作に限定されるものではない。
(ステップS101)
まず、図2Aに示すように、位相制御部406は、送受信装置50及び調整基準装置20に対し送受信動作(運用動作)の停止又は較正動作を起動する制御信号を送信する。さらに、位相制御部406は、スイッチ418を制御する。なお、この際、送受信装置50は、制御装置40(詳細には、位相制御部406)に接続されていなくてもよい。
(ステップS103)
次に、位相制御部406は、上記制御信号によってスイッチ418を制御して、移相器416と方向性結合器424とを接続し、上記制御信号によってスイッチ204を制御して、高周波同軸ケーブル30と反射端202とを接続する。
(ステップS105)
基準信号発生部402は、基準信号を任意の周波数帯域に亘って送信する。この際、送信される基準信号の周波数帯域は、送受信装置50で使用される信号の周波数帯域(例えば、5.775GHz~5.845GHz)をカバーし、且つ、送受信装置50で使用される信号の周波数帯域よりも広いことが好ましい。
(ステップS107)
基準信号発生部402から送信した基準信号は、分配器404を介して分配器422に入力される。そして、上記基準信号は、分配器422を介して、方向性結合器424と位相検出部426とに分配される。さらに、方向性結合器424に分配された基準信号は、スイッチ418、移相器416、高周波同軸ケーブル30及びスイッチ204を介して反射端202に到達し、当該反射端202で反射されて、上述の経路を逆方向に、すなわち、スイッチ204、高周波同軸ケーブル30、移相器416、スイッチ418及び方向性結合器424を介して位相検出部426に、反射信号として入力される。加えて、位相検出部426は、基準信号及び反射信号の振幅変化を検出し、基準信号に対する反射信号の位相差(基準信号の位相を基準とした反射信号の位相)である通過位相量(位相情報)を検出して、検出結果を位相制御部406に出力する。
(ステップS109)
位相制御部406は、各位相検出部426で得られた位相情報(通過位相量)に基づき、所望の周波数帯域における、複数の高周波同軸ケーブル30の間における通過位相量の差を算出し、算出した通過位相量の差が閾値以内であるかどうかを判断する。すなわち、当該ステップS109においては、位相制御部406は、較正動作を行うべきか否かを判断している。そして、位相制御部406は、通過位相量の差が閾値以内であった場合にはステップS111へ進み、通過位相量の差が閾値以内でなかった場合には、較正動作を行うステップS117へ進む。
ここで、所望の周波数帯域とは、送受信装置50で使用される信号の周波数帯域(例えば、5.775GHz~5.845GHz)であることが好ましい。また、本実施形態においては、上記閾値は、基地局アンテナ10の指向特性や構築しようとする通信エリアの広さ等により、各種実測値等を参照して適宜選択することができる。例えば、複数の高周波同軸ケーブル30の間における通過位相量の許容される差分を±1%とした場合には、上記閾値は、-7.2度から+7.2度に設定されることとなる。
詳細には、当該ステップS109においては、位相制御部406は、所望の周波数帯域内の各周波数において、複数の高周波同軸ケーブル30の間における通過位相量の差が閾値以内であるかどうかを判断する。例えば、ここで、3つの高周波同軸ケーブル30a、30b、30cがあり、所望の周波数帯域内の周波数をf、fとする。さらに、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの、周波数f、fにおける通過位相量(位相差)をθaf1、θbf1、θcf1、θaf2、θbf2、θcf2とする。このような場合、周波数f、fにおける、複数の高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの間における通過位相量の差Δθabf1(周波数fにおける高周波同軸ケーブル30aと高周波同軸ケーブル30bとの間の通過位相量の差)、Δθbcf1(周波数fにおける高周波同軸ケーブル30bと高周波同軸ケーブル30cとの間の通過位相量の差)、Δθcaf1(周波数fにおける高周波同軸ケーブル30cと高周波同軸ケーブル30aとの間の通過位相量の差)、Δθabf2(周波数fにおける高周波同軸ケーブル30aと高周波同軸ケーブル30bとの間の通過位相量の差)、Δθbcf2(周波数fにおける高周波同軸ケーブル30bと高周波同軸ケーブル30cとの間の通過位相量の差)、Δθcaf2(周波数fにおける高周波同軸ケーブル30cと高周波同軸ケーブル30aとの間の通過位相量の差)は、以下の数式(1)によって示される。
Figure 0006992589000001
当該ステップS109においては、位相制御部406は、例えば、上述の6つの通過位相量の差Δθabf1、Δθbcf1、Δθcaf1、Δθabf2、Δθbcf2、Δθcaf2の値が、上述の閾値以内であるかを判断する。
(ステップS111)
位相制御部406の制御により、基準信号発生部402は、基準信号の送信を停止する。
(ステップS113)
位相制御部406は、制御信号によってスイッチ418を制御して、移相器416と分配器440とを接続し、上記制御信号によってスイッチ204を制御して、高周波同軸ケーブル30と基地局アンテナ10とを接続する。
(ステップS115)
位相制御部406は、送受信装置50及び調整基準装置20に対し較正動作の停止又は運用動作(送受信動作)を起動する制御信号を送信する。そして、送受信装置50は、上述の制御信号に基づき、送受信動作を開始する。さらに、位相制御部406は、上述のステップS109で得られた通過位相量の差等を含む較正結果を表示部408に表示させ、較正動作を終了する。
(ステップS117)
次に、図2Bに示すように、位相制御部406は、各位相検出部426で得られた位相情報(通過位相量)に基づき、所望の周波数帯域における通過位相量の変化の傾き(変化量)を算出する。さらに、位相制御部406は、複数の高周波同軸ケーブル30の間における、通過位相量の変化の傾きの差を算出し、算出した通過位相量の変化の傾きの差が閾値以内であるかどうかを判断する。そして、位相制御部406は、通過位相量の変化の傾きの差が閾値以内でない場合には、較正動作によって較正できないと判断してステップS121へ進み、通過位相量の変化の傾きの差が閾値以内である場合には、さらに較正動作を行うステップS125へ進む。
ここで、所望の周波数帯域とは、送受信装置50で使用される信号の周波数帯域(例えば、5.775GHz~5.845GHz)であることが好ましい。また、本実施形態においては、上記閾値は、基地局アンテナ10の指向特性や構築しようとする通信エリアの広さ等により、各種実測値等を参照して適宜選択することができる。詳細には、当該ステップS117における閾値は、上述したステップS109で使用した閾値と同一の値であってもよく、もしくは、他の値であってもよい。例えば、当該ステップS117における閾値は、-20度から+20度に設定されることとなる。
ここで、ステップS107において、各位相検出部426によって得られた、周波数に対する、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの通過位相量の関係を示す位相情報のグラフである図3を用いて、当該ステップS117における動作を説明する。
図3に示される、周波数に対する通過位相量は、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの位相特性を示し、言い換えると、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの位相長さ及び位相の線形性を示している。例えば、高周波同軸ケーブル30の電気長が長くなるほど、位相特性の傾きが大きくなる。
当該ステップS117においては、位相制御部406は、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの直線的な位相特性に、所定の位相量を加えることで、複数の高周波同軸ケーブル30の間における通過位相量の差が許容範囲に収まるか否かを判断している。言いかえると、位相制御部406は、較正動作を行う意義があるか否かを判断している。
例えば、ここで、3つの高周波同軸ケーブル30a、30b、30cがあり、所望の周波数帯域内の周波数をf、fとする。さらに、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの、周波数f、fにおける通過位相量をθaf1、θbf1、θcf1、θaf2、θbf2、θcf2とする。このような場合、周波数fから周波数fにおける、通過位相量の変化の傾き(変化量)ΔY/ΔX(高周波同軸ケーブル30aに対応)、ΔY/ΔX(高周波同軸ケーブル30bに対応)及びΔY/ΔX(高周波同軸ケーブル30cに対応)は、以下の数式(2)によって示される。なお、これらの通過位相量の変化の傾きの差ΔSab、ΔSbc、ΔScaは、図3に示される各直線の傾きに対応する。
Figure 0006992589000002
そして、位相制御部406は、複数の高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの間における、通過位相量の変化の傾きの差ΔSab(高周波同軸ケーブル30aと高周波同軸ケーブル30bとの間の通過位相量の変化の傾きの差)、ΔSbc(高周波同軸ケーブル30bと高周波同軸ケーブル30cとの間の通過位相量の変化の傾きの差)、ΔSca(高周波同軸ケーブル30cと高周波同軸ケーブル30aとの間の通過位相量の変化の傾きの差)を算出する。通過位相量の変化の傾きの差ΔSab、ΔSbc、ΔScaは、以下の数式(3)によって算出することができる。
Figure 0006992589000003
さらに、位相制御部406は、複数の高周波同軸ケーブル30の間における、通過位相量の変化の傾きの差ΔSab、ΔSbc、ΔScaが閾値以内であるかどうかを判断する。
(ステップS119)
較正動作によって較正できない旨の判断に基づき、位相制御部406の制御により、基準信号発生部402は、基準信号の送信を停止する。
(ステップS121)
位相制御部406は、制御信号によってスイッチ418を制御して、移相器416と分配器440とを接続し、上記制御信号によってスイッチ204を制御して、高周波同軸ケーブル30と基地局アンテナ10とを接続する。
(ステップS123)
位相制御部406は、送受信装置50及び調整基準装置20に対し較正動作の停止又は運用動作(送受信動作)を起動する制御信号を送信する。そして、送受信装置50は、上述の制御信号に基づき、送受信動作を開始する。さらに、位相制御部406は、上述のステップS117で得られた較正動作によって較正できない旨の判断(例えば、未較正である旨を示す表示)等を表示部408に表示させ、較正動作を終了する。
なお、本実施形態においては、未較正で終了した場合には、上述した所望の周波数帯域を狭めたり、閾値を大きくしたりする(詳細には、閾値の範囲を広くする)等、無線通信システム1の運用に要求仕様を緩和することや、高周波同軸ケーブル30のケーブル長を調整したり、高周波同軸ケーブル30を交換したりすることが好ましい。
(ステップS125)
位相制御部406は、各位相検出部426で得られた位相情報(通過位相量)に基づき、所望の周波数帯域の中心周波数における複数の高周波同軸ケーブル30の通過位相量の中から、最も大きな値を持つ最大通過位相量と、最も小さな値を持つ最小通過位相量とを抽出し、最大通過位相量と最小通過位相量との差分(最大通過位相量差)を算出する。さらに、位相制御部406は、算出した差分が180度以内であるかどうかを判断する。位相制御部406は、算出した差分が180度以内でなかった場合にはステップS127へ進み、上記差分が180度以内であった場合にはステップS129へ進む。なお、当該ステップS125においては、所望の周波数帯域が複数存在する場合には、全ての周波数帯域の中心周波数に対して上述のような算出及び判断を行う。
なお、当該ステップS125は、移相器416によって調整可能な位相調整量の範囲が限られているため、次のステップS129で行われる較正動作における移相器416の調整量をできるだけ少なくすることができる較正動作の基準となる通過位相量を決定するために行われる。
例えば、ここで、3つの高周波同軸ケーブル30a、30b、30cがあり、所望の周波数帯域内の中心周波数をfとする。さらに、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの、中心周波数fにおける通過位相量をθaf0、θbf0、θcf0とする。このような場合、位相制御部406は、上述の通過位相量θaf0、θbf0、θcf0から最大値を持つ最大通過位相量θmaxf0と最小値を持つ最小通過位相量θminf0とを選択し、以下の数式(4)に従い、最大通過位相量θmaxf0と最小通過位相量θminf0との差分(最大通過位相量差)Δθf0を算出する。
Figure 0006992589000004
そして、当該ステップS125においては、位相制御部406は、上述のように算出された差分(最大通過位相量差)Δθf0が180度以内であるかどうかを判断する。
(ステップS127)
位相制御部406は、上述のステップS125で抽出された最小通過位相量θminf0に360度(位置周期分)加算して、ステップS125へ戻る。すなわち、上記差分(最大通過位相量差)Δθf0が180度以内になるまで、上述のステップS125及びステップS127を繰り返す。
(ステップS129)
位相制御部406は、上述のステップS125において、中心周波数における複数の高周波同軸ケーブル30の通過位相量の中から抽出された最も小さな値を持つ最小通過位相量を基準として、当該中心周波数における複数の高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの間における通過位相量の差が小さくなるように、各移相器416を制御する。各移相器416は、移相量を変化させることにより、上記通過位相量の差を小さくする。そして、位相制御部406は、上述の図2AのステップS105へ戻る。
例えば、ここで、3つの高周波同軸ケーブル30a、30b、30cがあり、所望の周波数帯域内の中心周波数をfとする。さらに、各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの、中心周波数fにおける通過位相量をθaf0、θbf0、θcf0とする。このような場合、中心周波数における複数の高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの間における通過位相量の差Δθabf0(中心周波数fにおける高周波同軸ケーブル30aと高周波同軸ケーブル30bとの間の通過位相量の差)、Δθbcf0(中心周波数fにおける高周波同軸ケーブル30bと高周波同軸ケーブル30cとの間の通過位相量の差)、Δθcaf0(中心周波数fにおける高周波同軸ケーブル30cと高周波同軸ケーブル30aとの間の通過位相量の差)は、以下の数式(5)によって示される。
Figure 0006992589000005
当該ステップS129においては、位相制御部406は、上述した最小通過位相量θminf0を基準として、中心周波数fにおける複数の高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの間における通過位相量の差Δθabf0、Δθbcf0、Δθcaf0がより小さくなるように、各移相器416を制御する。
すなわち、当該ステップS129は、所望の周波数帯域の中心周波数fにおいて、最小通過位相量θminf0を持つ高周波同軸ケーブル30に対して、他の高周波同軸ケーブル30の通過位相量の差が小さくなるように、他の高周波同軸ケーブル30と接続される移相器416を用いて通過位相量を調整する較正動作を行うステップであると言える。
なお、所望の周波数帯の中心周波数fにおける通過位相量の差Δθabf0、Δθbcf0、Δθcaf0を小さくすることにより、当該周波数帯域の上限周波数fmax及び加減周波数fminにおいても通過位相量の差を小さくすることができる。
<実施例>
以上、本実施形態に係る無線通信システム1の高周波同軸ケーブル30の較正動作の詳細について説明した。次に、具体的な実施例を示しながら、本実施形態に係る較正動作の例についてより具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本実施形態に係る較正動作のあくまでも一例であって、本実施形態に係る較正動作が下記の実施例に限定されるものではない。
本実施形態に係る較正動作の例についてより具体的に説明するために、本実施形態に係る較正動作を行う前の各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの通過位相量と、上記較正動作を行った後の各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの通過位相量とを、図4及び図5を参照して、比較する。図4は、本実施形態に係る較正動作を行う前の、周波数に対する各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの通過位相量の関係を示す位相情報のグラフであり、図5は、本実施形態に係る較正動作を行った後の、周波数に対する各高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの通過位相量の関係を示す位相情報のグラフである。
図4に示すように、本実施形態に係る較正動作を行う前においては、所望の周波数帯域(5.78GHz~5.82GHz)における複数の高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの間における通過位相量の差が大きい。しかしながら、図5に示すように、本実施形態に係る較正動作を行った後においては、所望の周波数帯域における複数の高周波同軸ケーブル30a、30b、30cの間における通過位相量の差が小さくなっている。すなわち、本実施形態によれば、無線通信システム1における複数の高周波同軸ケーブル30の通過位相量を精度よく調整し、通過位相量の差を小さくすることができることから、これら複数の高周波同軸ケーブルに接続された複数の基地局アンテナ10間で位相の同期を好適に行えるように較正することができる。
<まとめ>
以上のように本発明の実施形態によれば、較正動作において用いる調整基準装置20及び制御装置40を無線通信システム1に予め組み込むことにより、較正作業に係る負担やコストの増加を抑えつつ、高周波同軸ケーブル30の設置時だけでなく、MLFF-ETC運用時においても、適宜、複数の高周波同軸ケーブル30の通過位相量の調整を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、較正作業の負担やコストの増加を抑えつつ、精度よく高周波同軸ケーブル30の通過位相量を調整することができる。
なお、上述の説明においては、本実施形態に係る無線通信システム1は、MLFF-ETC用の通信エリアを構築するための無線通信システムであるものとして説明した。しかしながら、本実施形態に係る無線通信システム1を適用可能な無線通信は、MLFF-ETC用の通信エリアを構築するための無線通信システムに限定されるものではなく、複数の高周波同軸ケーブル30の通過位相量を調整するものであれば他の無線通信システムであってもよい。
また、本実施形態においては、本実施形態に係る無線通信システム1に含まれる調整基準装置20及び制御装置40だけを組み合わせて位相調整装置として用いてもよい。
さらに、以上のように説明した本発明の実施形態は、様々に変形利用することができる。例えば、位相制御部406は、上述した本実施形態に係る較正動作のステップS107において、図3に示すような、位相検出部426によって得られた、周波数に対する、各高周波同軸ケーブル30の通過位相量の関係を示す位相情報のグラフを用いて、高周波同軸ケーブル30の不具合を検出することもできる。もし、高周波同軸ケーブル30に断線等の不具合があった場合には、図3に示される直線の傾き(通過位相量の変化の傾き)が、他の高周波同軸ケーブル30の直線の傾きと極端に異なることとなる(傾きが緩くなる)。従って、高周波同軸ケーブル30の通過位相量の変化の傾きを検出することにより、高周波同軸ケーブル30の不具合を検出することができる。
<<補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上述した各実施形態に係る動作は、必ずしも記載された順序に沿って動作又は処理されなくてもよい。例えば、上記動作の各ステップは、適宜順序が変更されて処理されてもよい。また、各ステップは、時系列的に処理される代わりに、一部並列的に又は個別的に処理されてもよい。さらに、各ステップの動作方法又は処理方法についても、必ずしも記載された方法に沿って動作又は処理されなくてもよく、例えば、他の機能部によって他の方法で動作又は処理されていてもよい。
さらに、上記の実施形態に係る動作の少なくとも一部は、コンピュータを機能させる情報処理プログラムとして、ソフトウェアで構成することが可能であり、ソフトウェアで構成する場合には、上記動作の少なくとも一部を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体に収納し、制御装置40等、もしくは、制御装置40等と接続された他の装置に読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。さらに、上記動作の少なくとも一部を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
1 無線通信システム
10、10a、10b、10c 基地局アンテナ
20、20a、20b、20c 調整基準装置
30、30a、30b、30c 高周波同軸ケーブル
40 制御装置
50 送受信装置
60、62 制御信号線
200、206、400、450 接続部
202 反射端
204、418 スイッチ
402 基準信号発生部
404、422、440 分配器
406 位相制御部
408 表示部
410、410a、410b、410c 位相調整部
416 移相器
420 検出部
424 方向性結合器
426 位相検出部
430 基準信号部

Claims (8)

  1. 複数の基地局アンテナと送受信装置とをそれぞれ接続する複数の高周波同軸ケーブルの通過位相量を調整する位相調整装置であって、
    前記各基地局アンテナに設けられる調整基準部と、前記調整基準部と前記送受信装置との間に設けられる制御部とを含み、
    前記調整基準部は、
    前記高周波同軸ケーブルの一端に接続される接続部と、
    反射端と、
    前記接続部との接続を前記反射端と前記基地局アンテナとの間で切り替える第1のスイッチと、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記高周波同軸ケーブルの他端と接続される移相器と、
    基準信号を発生させ、前記基準信号と前記反射端で反射された前記基準信号である反射信号とに基づいて通過位相量を検出する基準信号部と、
    前記通過位相量を用いて、前記移相器を制御する位相制御部と、
    前記移相器との接続を前記基準信号部と前記送受信装置との間で切り替える第2のスイッチと、
    を有する、
    位相調整装置。
  2. 前記基準信号部は、
    前記基準信号を発生する基準信号発生部と、
    前記基準信号と前記反射信号とに基づいて前記通過位相量を検出する検出部と、
    を有する、
    請求項1に記載の位相調整装置。
  3. 前記検出部は、
    前記基準信号と、当該基準信号が前記第2のスイッチ、前記移相器及び前記高周波同軸ケーブルを介して前記反射端へ到達し、前記反射端で反射された前記反射信号とに基づいて前記通過位相量を検出する位相検出部と、
    前記基準信号発生部からの前記基準信号を、前記第2のスイッチと前記位相検出部とに分配する第1の分配器と、
    前記第1の分配器からの前記基準信号を前記第2のスイッチへ出力し、前記反射端で反射されて前記高周波同軸ケーブル及び前記移相器を介して前記第2のスイッチから出力された前記反射信号を前記位相検出部へ出力する、方向性結合器又は循環回路と、
    を有する、
    請求項2に記載の位相調整装置。
  4. 前記移相器、前記第2のスイッチ及び前記検出部は、それぞれ複数個設けられる、請求項2又は3に記載の位相調整装置。
  5. 前記基準信号発生部は、第2の分配器を介して前記検出部に接続される、請求項4に記載の位相調整装置。
  6. 前記各第2のスイッチは、第3の分配器を介して前記送受信装置に接続される、請求項4又は5に記載の位相調整装置。
  7. 前記位相制御部は、前記複数の高周波同軸ケーブルの間における、周波数に対する前記通過位相量の変化量に基づき、前記通過位相量を調整するかどうかを判断する、請求項1~6のいずれか1項に記載の位相調整装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の前記位相調整装置と、
    前記複数の基地局アンテナと、
    前記複数の高周波同軸ケーブルと、
    前記送受信装置と、
    を含む無線装置。
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