JP2013151825A - クランプ金具装置及びその製造方法 - Google Patents

クランプ金具装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】余分な材料を使用せず、しかも十分な強度を有し、かつ組み立て易いクランプ金具装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】支持パイプ15、15aを挟持する第1、第2のクランプ機構13、14を、第1、第2の平面座11、12を介して背中合わせに連結されたクランプ金具装置10において、それぞれの第1、第2の平面座11、12に形成された仮想正方形sの角部位置に、管状の雄形突起27〜30と、雄形突起27〜30が嵌入し、雄形突起27〜30の出口側に外側に開くテーパー部36を備えた雌孔31〜34とが交互に形成され、しかも、雄形突起27〜30の先側が、雌孔31〜34のテーパー部36に沿って拡径し、第1、第2のクランプ機構13、14が連結されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築現場等において足場板を支持するパイプ支柱等の交叉部分を連結する場合に使用する、又は2本のパイプ材を繋ぎ合わせるために使用するクランプ金具装置及びその製造方法に関するものである。
一般に建築現場等で使用される組立足場は、柱や梁等を構成するパイプ材をクランプ金具装置で縦横に連結することによって組み立てられている(特許文献1参照)。
図7に示すように、従来のクランプ金具装置70は、それぞれパイプ71、72を挟持する第1、第2のクランプ機構73、74を有し、それぞれ第1、第2のクランプ機構73、74の平面座75、76を、背中合わせにして4本のリベット78(通常、直径Dが6mm)によって連結している。
そして、第1、第2のクランプ機構73、74は、それぞれパイプ71、72が嵌入する半円弧状の凹部82、83を有する固定受け部材84、85と、この固定受け部材84、85の基部にピン86、87を介して回動自在に連結されている半円弧状の凹部88、89を有する可動受け部材90、91と、可動受け部材90、91と固定受け部材84、85を連結するボルト92、93及びナット94、95を有している。なお、ボルト92、93の基部は固定受け部材84、85の先部にピン97、98を介して回動可能に連結されている。図7の上部に平面座75、76に形成されているリベット孔98を示す。
特開2004−27781号公報
しかしながら、従来のクランプ金具装置においては、以下のような問題があった。
(1)第1、第2のクランプ機構73、74をプレス成形する他、平面座75、76に設けた4つのリベット孔98にそれぞれリベット78を入れ込む必要があり、余分な材料が必要となっていた。
(2)また、従来の技術では、リベット78は通常直径Dが6mmのものを使用していたので、引っ張りに対してはある程度の強度を有するが、剪断に対してはリベット78とリベット孔98との間に多少のガタ(隙間)を設ける必要があることもあって、1又は2本のリベットに剪断力が集中して強度不足が生じる場合があった。
(3)勿論、リベットの直径を大きくすることも考えられるが、組み立てにあっては、リベットの頭部を押し潰してかしめるので、隣り合うリベットを隙間を有して配置することが必要となり、クランプ機構73、74の大型化に繋がるという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、余分な材料を使用せず、しかも十分な強度を有し、かつ組み立て易いクランプ金具装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に添う第1の発明にかかるクランプ金具装置は、支持パイプの外側面に一致させた第1の凹部を内側に有する固定受け部材と、該固定受け部材の基端部に回動自在に第1のピンを介して連結され、先端部にはナット受け座が形成されて、前記支持パイプの外側面に一致する第2の凹部を内側に有する可動受け部材と、前記固定受け部材の先端部に回動自在に第2のピンを介して取付けられ、その先部が前記ナット受け座に装着され、螺合するナットによって前記固定受け部材と前記可動受け部材による前記支持パイプの締結を行う取付けボルトとをそれぞれ備えた第1、第2のクランプ機構を、それぞれの前記固定受け部材に形成された第1、第2の平面座を介して背中合わせに連結されたクランプ金具装置において、
それぞれの前記第1、第2の平面座に軸心を合わせて形成される仮想(即ち、架空)の正方形の角部位置に、前記第1、第2の平面座をプレス加工することによって形成された管状の雄形突起と、雌孔とが交互に形成され、しかも、前記雌孔は嵌入した前記雄形突起の出口側に外側に開くテーパー部を備え、更に、前記雄形突起の先側が、前記雌孔のテーパー部に沿って拡径して、前記第1、第2のクランプ機構が連結されている。
第1の発明に係るクランプ金具装置において、前記雄形突起の基部の外側径は、前記第1、第2の平面座の厚みの3〜4.5倍の範囲にあるのが好ましい。従って、平面座の厚みが3.2mmの場合は、雄形突起の外側直径が9.6〜14.4mmの範囲にある。
前記目的に添う第2の発明に係るクランプ金具装置の製造方法は、支持パイプの外側面に一致させた第1の凹部を内側に有する固定受け部材と、該固定受け部材の基端部に回動自在に第1のピンを介して連結され、先端部にはナット受け座が形成されて、前記支持パイプの外側面に一致する第2の凹部を内側に有する可動受け部材と、前記固定受け部材の先端部に回動自在に第2のピンを介して取付けられ、その先部が前記ナット受け座に装着され、螺合するナットによって前記固定受け部材と前記可動受け部材による前記支持パイプの締結を行う取付けボルトとをそれぞれ備えた第1、第2のクランプ機構を、それぞれの前記固定受け部材に形成された第1、第2の平面座を介して背中合わせに連結されたクランプ金具装置の製造方法において、
それぞれの前記第1、第2の平面座に軸心を合わせて仮想形成される正方形の角部位置に、プレス加工によって管状の雄形突起と、装着される前記雄形突起の出側位置にはテーパー部を有する雌孔とを交互に形成し、前記第1、第2の平面座に形成された前記雄形突起を、対応する前記雌孔に挿入した後、前記雄形突起の先端部を前記雌孔のテーパー部に沿って広げる。
第2の発明に係るクランプ金具装置の製造方法において、前記雌孔に嵌入前の前記雄形突起の長さは、前記第1、第2の平面座の厚みの1.3〜1.6倍の範囲にあるのが好ましい。従って、平面座の厚みを3.2mmとすると、雄形突起の長さは、4.16〜5.12mmの範囲にある。
本発明に係るクランプ金具装置及びその製造方法においては、以下のような効果を有する。
(1)本発明に係るクランプ金具装置及びその製造方法においては、第1、第2の平面座に形成される管状の雄形突起が、プレス加工によって形成されるので、従来のようにリベットを用いる必要がない。従って、安価にこのクランプ金具装置を製造できる。
(2)本発明に係るクランプ金具装置及びその製造方法においては、平面座に仮想的に形成された正方形の角部の一方の対角位置に雄形突起を、他方の対角位置に出口側に外側に開くテーパー部を備えた雌孔を形成し、連結にあっては雄形突起の先側を雌孔のテーパー部に沿って拡径(以下、この部分を「拡径部」という)しているが、雄形突起の拡径部の径が、特定の試験荷重をかけても雌孔から雄形突起が抜けない程度の比較的小さな径(例えば、雄形突起の基部の直径の1.15〜1.4倍)で済むので、雄形突起の基部直径を従来のリベットより大きくできる。
(3)また、雄形突起の拡径部の位置は、前記した正方形の対角線上にある。従って、隣り合う拡径部の距離は、従来の正方形の辺ではなくて対角線の長さであるので、この意味からも雄形突起の基部直径を大きくでき、これによって、十分な剪断強度と引っ張り強度を有する雄形突起とすることができる。
本発明の一実施の形態に係るクランプ金具装置の正面図である。 同クランプ金具装置の平面図である。 同クランプ金具装置の対向する固定受け部材を連結した状態の斜視図である。 (A)、(B)は同クランプ金具装置の固定受け部材の平面図、(C)は斜視図である。 (A)〜(D)は同クランプ金具装置の第1、第2の平面座の取付け方法の説明図である。 同クランプ金具装置と従来例に係るクランプ金具装置を比較した実施例についての説明図である。 従来例に係るクランプ金具装置の正面図である。
続いて、添付した図面を参照しながら、本発明を具体化した実施の形態について説明する。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係るクランプ金具装置10は鋼材(普通鋼、炭素鋼、高張力鋼)からなって、それぞれの平面座11、12を向かい合わせて連結される第1、第2のクランプ機構13、14を備えている。
第1のクランプ機構13(第2のクランプ機構14も同じ)は、支持パイプ15(第2のクランプ機構14においては15a)の外側面に一致させた第1の凹部16を内側に有する固定受け部材17と、固定受け部材17の基端部に回動自在に第1のピン18を介して連結され、先端部にはU字状の開口部19を有するナット受け座20が形成されて、支持パイプ15の外側面に一致する第2の凹部21を内側に有する可動受け部材22とを有している。
第1のクランプ機構13は、更に、固定受け部材17の先端部に回動自在に第2のピン23を介して取付けられ、その先部がナット受け座20に装着されて、螺合するナット24によって固定受け部材17と可動受け部材22によって支持パイプ15の締結を行う取付けボルト25を備えている。図3、図4に示すように、この第1、第2のクランプ機構13、14は、それぞれの固定受け部材17に形成された第1、第2の平面座11、12に設けられた雄形突起27〜30を介して背中合わせに連結されている。なお、第2のクランプ機構14の平面座12に設けられた雄形突起28、30の位置は平面座11の雄形突起27、29の位置と異なっているので、第2のクランプ機構14の固定受け部材を番号17aとする。
図4(A)〜(C)、図5(A)に示すように、この実施の形態においては、固定受け部材17、17aの平面座(平面部分をいう)11、12は一辺が約45mm(42〜48mm程度がよい)の正方形であり、この中に軸心を同じくして1辺20mm(18〜23mmの範囲がよい)の仮想の正方形sを形成し、その角部位置に管状の雄形突起27〜30とこれらが嵌入する雌孔31〜34を交互に形成している。従って対角線上にある雌孔31、33及び32、34の距離は、25.4〜32.5mmとなって、雌孔31〜34の径を十分に大きくできる。この実施の形態では、雄形突起27〜30の基部の直径(外側径)は、平面座11、12の厚み(例えば、3〜3.2mm)の3〜4.5倍程度となっている(具体的には、11〜14mm、例えば13mm)。また、雄形突起27〜30の長さは平面座11、12の厚みの1.3〜1.6倍程度である。
一方、雄形突起27〜30の厚みは、1.2〜1.8mmであるから、最小条件(雄形突起の直径を11mm、厚みを1.2mm)で計算して各雄形突起27〜30の断面積が37mm2となり、直径が6mmのリベット(断面積28mm2)より大きくなって、剪断破壊強度及び引っ張り強度ともに大きくなる。
また、雌孔31〜34の出側(即ち、雄形突起27〜30が突出する側)には、図5(A)〜(D)に示すように、外側に直径が徐々に大きくなるテーパー部36が設けられている。
このテーパー部36のテーパー角は40〜50度程度となって、突出側の最大径は、雌孔31〜34の内径+1.8〜3.5mm程度となっている。このテーパー部36の形成は、雌孔31〜34をプレス抜きするときに同時に作成するのが好ましい。
雄形突起27〜30の形成は、雄形突起27〜30の中心位置に予め小径の円孔を形成し、プレス加工によって、押し抜きを行うことになる。このときの加工は、材料によって変わるが、ホットプレスであってもよいし、冷間プレスであってもよい。円孔の直径は、雄形突起27〜30の長さ、外径及び内径によって決定されるが、プレスしても金属の容積は変わらないので、周知の方法によって容易に計算できる。
図5(B)〜(D)に、この雄形突起28、29(27、30も同様)の加工方法を記載しているが、雄形突起27〜30を雌孔31〜34に入れて、別のパンチによって雄形突起27〜30の先端のテーパー部36に沿った拡径加工を行う。この場合の拡径代を片側1.2〜2mm程度とするのがよい。これによって、十分な抜け耐力を有する。なお、図5(B)〜(D)は図4において矢視P−P’を示す。また、図5(A)は図5(B)の矢視R−R’を示す。
雄形突起27〜30の先端部外側に面取り(0.2〜0.5mm)を行うと、雄形突起27〜30の基部外径と雌孔31〜34の内径を一致させることができ、これによって、雄形突起27〜30と雌孔31〜34のガタをなくすことができる。
図6に本発明の一実施の形態に係るクランプ金具装置10と従来例に係るクランプ金具装置70とを剪断破壊させた実験装置40を示す。図に示すように、直径が48.6mmの支柱41に、クランプ金具装置70、10を介して支持パイプ42を取付け、支持パイプ42の途中に60kgの重り43を設け、剪断破壊した距離Lを測定した。
それぞれ3個のクランプ金具装置70、10の測定を行った結果、リベットかしめした従来のクランプ金具装置70においては、Lが、2.3m(一回目)、2.2m(2回目)、2.2m(3回目)で、平均Lが2.233mであった。
また、クランプ金具装置10においてはLが、3.5m(1回目)、3.5m(2回目)、3.6m(3回目)で平均が3.533mであった。このことから、本発明の一実施の形態に係るクランプ金具装置10の方がより大きな剪断破壊強度を有することが分かる。
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。例えば、前記実施の形態においては、第1、第2のクランプ機構は同一直径の支持パイプを固定するようにしていたが、第1、第2のクランプ機構に異なる直径の支持パイプを挟持させてもよい。
また、前記実施の形態では、第1、第2のクランプ機構の固定受け部材は異なる位置に雄形突起、及び雌孔が設けられていたが、同一位置に設け、第1、第2のクランプ機構に平行配置された支持パイプを挟持するようにしてもよい。
10:クランプ金具装置、11、12:平面座、13:第1のクランプ機構、14:第2のクランプ機構、15、15a:支持パイプ、16:第1の凹部、17、17a:固定受け部材、18:第1のピン、19:開口部、20:ナット受け座、21:第2の凹部、22:可動受け部材、23:第2のピン、24:ナット、25:取付けボルト、27〜30:雄形突起、31〜34:雌孔、36:テーパー部、40:実験装置、41:支柱、42:支持パイプ、43:重り

Claims (4)

  1. 支持パイプの外側面に一致させた第1の凹部を内側に有する固定受け部材と、該固定受け部材の基端部に回動自在に第1のピンを介して連結され、先端部にはナット受け座が形成されて、前記支持パイプの外側面に一致する第2の凹部を内側に有する可動受け部材と、前記固定受け部材の先端部に回動自在に第2のピンを介して取付けられ、その先部が前記ナット受け座に装着され、螺合するナットによって前記固定受け部材と前記可動受け部材による前記支持パイプの締結を行う取付けボルトとをそれぞれ備えた第1、第2のクランプ機構を、それぞれの前記固定受け部材に形成された第1、第2の平面座を介して背中合わせに連結されたクランプ金具装置において、
    それぞれの前記第1、第2の平面座に軸心を合わせて形成される仮想正方形の角部位置に、前記第1、第2の平面座をプレス加工することによって形成された管状の雄形突起と、雌孔とが交互に形成され、しかも、前記雌孔は嵌入した前記雄形突起の出口側に外側に開くテーパー部を備え、更に、前記雄形突起の先側が、前記雌孔のテーパー部に沿って拡径して、前記第1、第2のクランプ機構が連結されていることを特徴とするクランプ金具装置。
  2. 請求項1記載のクランプ金具装置において、前記雄形突起の基部の外側径は、前記第1、第2の平面座の厚みの3〜4.5倍の範囲にあることを特徴とするクランプ金具装置。
  3. 支持パイプの外側面に一致させた第1の凹部を内側に有する固定受け部材と、該固定受け部材の基端部に回動自在に第1のピンを介して連結され、先端部にはナット受け座が形成されて、前記支持パイプの外側面に一致する第2の凹部を内側に有する可動受け部材と、前記固定受け部材の先端部に回動自在に第2のピンを介して取付けられ、その先部が前記ナット受け座に装着され、螺合するナットによって前記固定受け部材と前記可動受け部材による前記支持パイプの締結を行う取付けボルトとをそれぞれ備えた第1、第2のクランプ機構を、それぞれの前記固定受け部材に形成された第1、第2の平面座を介して背中合わせに連結されたクランプ金具装置の製造方法において、
    それぞれの前記第1、第2の平面座に軸心を合わせて仮想形成される正方形の角部位置に、プレス加工によって管状の雄形突起と、装着される前記雄形突起の出側位置にはテーパー部を有する雌孔とを交互に形成し、前記第1、第2の平面座に形成された前記雄形突起を、対応する前記雌孔に挿入した後、前記雄形突起の先端部を前記雌孔のテーパー部に沿って広げることを特徴とするクランプ金具装置の製造方法。
  4. 請求項3記載のクランプ金具装置の製造方法において、前記雌孔に嵌入前の前記雄形突起の長さは、前記第1、第2の平面座の厚みの1.3〜1.6倍の範囲にあることを特徴とするクランプ金具装置の製造方法。
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