JP2013150586A - 飲食品用pH調整剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来品と比較して、少量で効果があり、かつ、飲食品の風味を損なわない飲食品用のpH調整剤を提供すること。
【解決手段】オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするpH調整剤、該pH調整剤を用いる飲食品のpH調整方法、およびpH調整剤を含有していても風味低下の少ない飲食品。
【選択図】なし
【解決手段】オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を有効成分として含有することを特徴とするpH調整剤、該pH調整剤を用いる飲食品のpH調整方法、およびpH調整剤を含有していても風味低下の少ない飲食品。
【選択図】なし
Description
本発明は、飲食品用pH調整剤、飲食品のpHを調整する方法、および飲食品のpH調整のためのオロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩の使用に関する。
飲食品のpH調整は、保存安定性向上、味質改善などの種々の目的で行われており、クエン酸、乳酸、酢酸、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等の有機酸およびその塩類、リン酸およびリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類などのpH調整剤が汎用されている。しかし、これらのpH調整剤、なかでもpHを酸性側に調整するいわゆる酸味料の中には独特の酸味や苦味が感じられ、飲食品の風味に影響を与えるものがある。
これまで飲食品の風味に影響を与えにくいpH調整剤として、例えば、グルコン酸塩を含有する食品用pH調整剤(特許文献1参照)が提案されているが、目的のpHに低下させるためには多量に使用する必要があり、飲食品によっては使用し難い場合もある。従って、従来のものと比較して、少量で効果があり、かつ、飲食品の風味を損なわないpH調整剤が求められている。
本発明の課題は、従来品と比較して、少量で効果があり、かつ、飲食品の風味を損なわない飲食品用pH調整剤、該pH調整剤を用いる飲食品のpH調整方法、およびpH調整剤を含有していても風味低下の少ない飲食品を提供することにある。
本発明は以下の(1)〜(4)の発明を包含する。
(1)オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を含有することを特徴とする飲食品用pH調整剤。
(2)オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を飲食品に添加することを特徴とする、飲食品のpHを調整する方法。
(3)オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩の、飲食品のpHを調製するための使用。
(4)pH調整剤としてオロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を含有する飲食品。
(1)オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を含有することを特徴とする飲食品用pH調整剤。
(2)オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を飲食品に添加することを特徴とする、飲食品のpHを調整する方法。
(3)オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩の、飲食品のpHを調製するための使用。
(4)pH調整剤としてオロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を含有する飲食品。
本発明のpH調整剤は少量でも飲食品のpHを調整することができ、かつ酸味を感じにくいので、飲食品本来の風味に影響を与えることなく、pH調整効果を最大限に発揮できる。しかも、本発明のpH調整剤の成分であるオロト酸は、安全性に優れるので、本発明のpH調整剤を用いて製造した飲食品は消費者が安心して摂取できる。
本発明の飲食品用pH調整剤(以下、pH調整剤という)は、オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を含有する。
本発明に用いるオロト酸(ウラシル−4−カルボン酸)としては、オロト酸のフリー体(遊離体)、オロト酸の水和物、オロト酸の誘導体、それらの薬理学的に許容される塩のいずれであってもよい。
オロト酸の誘導体としては、オロト酸の4位のカルボン酸にメチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキル基がエステル結合した4−エステル置換体;オロト酸の1 ,2 ,3 ,6位の水素の一つ以上がメチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキル基、またはメチル、エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキル基を持つアルコキシ基に置換されたものがあげられる。
オロト酸またはオロト酸の誘導体の塩としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;亜鉛塩等の重金属塩;アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等のアンモニウム塩;モルホリン、ピペリジン等の付加した有機アミン付加塩等の薬理学的に許容される塩等があげられる。
オロト酸またはオロト酸の誘導体の塩は、微生物由来のもの、化学合成により得られるもの、市販のもの、乳清等食品から抽出したもののいずれを用いてもよい。
オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩は、そのまま本発明のpH調整剤として飲食品のpH調整に用いることができる。また、本発明のpH調整剤は、本発明の効果に影響がない限り、他の成分を含有してもよい。
他の成分としては、例えば、各種タンパク質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類等があげられる。また、飲食品において許容され、通常使用される添加剤、例えば、アスパルテーム、ステビア等の甘味料、デキストリン、澱粉等の賦形剤、着色料、香料、苦味料、増粘安定剤、ゲル化剤、安定剤、ガムベース、結合剤、希釈剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、酸化防止剤、保存料、防腐剤、防かび剤、発色剤、漂白剤、光沢剤、酵素、調味料、香辛料抽出物等などを含有してもよい。また、オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩に加えて、必要に応じ、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の通常の酸味料やpH調整剤を含有してもよい。
本発明のpH調整剤の形態に特に限定はなく、例えば、固形状、液状、半液体状、顆粒状、粒状、粉末状、カプセル状、クリーム状、ペースト状があげられる。本発明のpH調整剤は、上記の各形態に応じて適宜選択した適当な賦形剤等の添加剤を用いて、公知の種々の方法にて調製すればよい。
本発明のpH調整剤におけるオロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩の含有量は特に限定されないが、通常10〜100重量%、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%である。
本発明のpH調整剤を飲食品に添加することにより、該飲食品の風味を低下させることなく、特に酸味を必要以上に付与させることなく、飲食品のpHを調整することができる。
本発明のpH調整剤を添加し、pH調整される対象となる食品としては、アルコール飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳飲料などの飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);飯類、麺類、パン類、およびパスタ類などの炭水化物含有飲食品; クッキーやケーキなどの洋菓子類、饅頭や羊羹などの和菓子類、キャンディー類、ガム類、ヨーグルト、プリン、ゼリーなどの冷菓や氷菓などの各種菓子類;かまぼこ、ちくわ、ハンバーグ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳、ヨーグルト、バター、チーズ等の乳製品; マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料などを例示することができる。
本発明のpH調整剤の飲食品への添加は、飲食品(飲食品原料を含む)の製造前、製造・加工時、製造後(保存・運搬時等)のいずれの時期であってもよい。添加は飲食品または原料に混合、溶解、噴霧等の任意に手段により行う。
本発明のpH調整剤の飲食品への添加量は、飲食品の種類、形態、調整前のpH、目標とするpH値、目的(保存安定性向上、味質改善等)等により異なるため、適宜調節する。例えば、清涼飲料の場合は、飲食品100重量部に対して0.001〜0.1重量部、好ましくは0.005〜0.05重量部添加すればよい。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。なお、下記実施例において濃度表示は「%」又はモル濃度で示し、「%」は「重量%」を意味する。
(実施例1)
食品添加物として使用されている既存の酸味料5種(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、乳酸)及びオロト酸からなる6種の酸味物質を用いて種々の濃度(0〜5m mol/L) の水溶液を調製し、pHを測定した。結果を図1に示す。図1に示したとおり、オロト酸は評価した6種の酸味物質の中でリン酸と並びpH低下効果が最も大きかった。
食品添加物として使用されている既存の酸味料5種(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、乳酸)及びオロト酸からなる6種の酸味物質を用いて種々の濃度(0〜5m mol/L) の水溶液を調製し、pHを測定した。結果を図1に示す。図1に示したとおり、オロト酸は評価した6種の酸味物質の中でリン酸と並びpH低下効果が最も大きかった。
また、上記6種の酸味物質について酸味を感じる最低濃度である閾値(重量%)を、訓練された3名のパネルにより調べた。結果を下記表1に示す。
表1に示すとおり、閾値はオロト酸が0.01%であり、最も高かった。
以上の結果から、オロト酸は酸としての強度は強いが、酸味は弱いという特徴を有する酸であることが示された。
以上の結果から、オロト酸は酸としての強度は強いが、酸味は弱いという特徴を有する酸であることが示された。
(実施例2)
下記表2に示す組成を有する水溶液を調製した。各水溶液は、オロト酸、クエン酸およびリン酸から選ばれる酸味物質、ならびに果糖ぶどう糖液糖およびグラニュー糖から選ばれる甘味料を含有する。便宜上、甘味料として果糖ぶどう糖液糖を用いたものを試験区1とし、グラニュー糖を用いたものを試験区2とした。
下記表2に示す組成を有する水溶液を調製した。各水溶液は、オロト酸、クエン酸およびリン酸から選ばれる酸味物質、ならびに果糖ぶどう糖液糖およびグラニュー糖から選ばれる甘味料を含有する。便宜上、甘味料として果糖ぶどう糖液糖を用いたものを試験区1とし、グラニュー糖を用いたものを試験区2とした。
各水溶液の酸味について、訓練されたパネル4名により官能評価を行った。
評価基準を以下に示す。なお、各評価において、試験区1および試験区2ともに、酸味物質としてクエン酸を用いた水溶液の酸味の評点を2点とした。
強い酸味を感じる :3点
やや強い酸味を感じる:2点
弱い酸味を感じる :1点
酸味を感じない :0点
各水溶液について、4名の評点の平均値を「酸味スコア」として表2に合わせて示す。
評価基準を以下に示す。なお、各評価において、試験区1および試験区2ともに、酸味物質としてクエン酸を用いた水溶液の酸味の評点を2点とした。
強い酸味を感じる :3点
やや強い酸味を感じる:2点
弱い酸味を感じる :1点
酸味を感じない :0点
各水溶液について、4名の評点の平均値を「酸味スコア」として表2に合わせて示す。
表2に示すとおり、他の酸味料と比較して、オロト酸の酸味は非常に弱かった。このように、オロト酸は、既存の酸味料と比較し、飲食品のpHを少量で調整することが可能であり、かつ、酸味を付与しにくいpH調整剤として有用である。
本発明は、飲食品の製造・加工分野において利用できる。
Claims (4)
- オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を含有することを特徴とする飲食品用pH調整剤。
- オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を飲食品に添加することを特徴とする、飲食品のpHを調整する方法。
- オロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩の、飲食品のpHを調製するための使用。
- pH調整剤としてオロト酸もしくはオロト酸の誘導体またはその塩を含有する飲食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012014084A JP2013150586A (ja) | 2012-01-26 | 2012-01-26 | 飲食品用pH調整剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012014084A JP2013150586A (ja) | 2012-01-26 | 2012-01-26 | 飲食品用pH調整剤 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2013150586A true JP2013150586A (ja) | 2013-08-08 |
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JP2012014084A Pending JP2013150586A (ja) | 2012-01-26 | 2012-01-26 | 飲食品用pH調整剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013150586A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015097477A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | 扶桑化学工業株式会社 | 酒粕分解物含有pH調整剤 |
-
2012
- 2012-01-26 JP JP2012014084A patent/JP2013150586A/ja active Pending
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