JP2013149539A - 質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 イオンの導入効率低下の防止と洗浄作業の手間の削減が課題である。
【解決手段】 電極のイオン導入穴が第一領域、第二領域及び第三領域に分割されており、第一領域と第三領域の両方または何れか一方のイオン導入穴の中心軸方向と第二領域のイオン導入穴の内部のイオンの流れ方向の軸が異なり、第一領域と第三領域のイオン導入穴の軸が、偏心した位置関係にある事を特徴とする質量分析装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ロバスト性が高く高感度分析が可能な質量分析装置に関する。
一般的な大気圧イオン化質量分析装置は、大気圧下で生成したイオンを真空中に導入しイオンの質量を分析する。
大気圧下でイオンを生成するイオン源には、エレクトロスプレー方式(ESI)、大気圧化学イオン化方式(APCI)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化方式(MALDI)など様々な方式があるが、何れの方法においても所望のイオン以外にノイズ成分となる物質を生成する。例えばESIイオン源では、小径の金属キャピラリーに試料溶液を流しながら高電圧印加し試料をイオン化するため、イオン以外にも帯電液滴や中性液滴などのノイズ成分も同時に生成される。
一般的な質量分析装置は、それぞれを細孔で区切られたいくつかの空間で区切られており、各々の空間は真空ポンプで排気されていて、後段に行くほど真空度が高い(圧力が低い)。第一番目の細孔電極(AP1)で大気圧と区切られた第一番目の空間はロータリーポンプなどで排気され数百Pa程度の真空度に保持されることが多い。第二番目の細孔電極(AP2)で第一番目の空間とくぎられた第二番目の空間には、イオンを収束させながら透過させるイオン輸送部(四重極電極、静電レンズ電極など)があり、ターボ分子ポンプなどで数Pa程度に排気されることが多い。第三番目の細孔電極(AP3)で第二番目の空間とくぎられた第三番目の空間には、イオンの分離や解離を行うイオン分析部(イオントラップ、四重極フィルター電極、コリジョンセル、飛行時間型質量分析計(TOF)など)とイオンを検出する検出部があり、ターボ分子ポンプなどで0.1Pa以下に排気されることが多い。3つよりも多くの空間で区切られた質量分析装置もあるが、3つ程度の空間からなる装置が一般的である。
生成したイオンなど(ノイズ成分を含む)は、AP1を通過し真空容器内に導入される。その後、イオンはAP2を通過しイオン輸送部で中心軸上に収束される。その後、イオンはAP3を通過しイオン分析部で、質量毎に分離されたり、イオンを分解したりすることで、より詳細なイオンの構造を分析できる。最終的にイオンは検出部で検出される。
最も一般的な質量分析計では、AP1、AP2、AP3が同軸上に配置されることが多い。先に述べたイオン以外の液滴は、細孔電極や輸送部や分析部の電界の影響を受けにくいため、基本的に直進する傾向がある。そのため、非常に小径な各細孔電極の表面などを汚染する場合がある。
そのため、一般的な質量分析装置では定期的にAP1やAP2を取り外し洗浄することが必要となる。しかし、洗浄のためには真空排気ポンプなどの真空システムを立ち下げる必要があり、再立上げ後の安定動作には1日以上かかる場合が一般的である。また、過剰な直進液滴の導入は検出器まで到達する恐れがあり、検出器の寿命を短くすることにもつながる。
この問題を解決するために、特許文献1ではイオン源とAP1との間に複数穴を有する部材を配置している。この部材にはAP1と同軸の位置には穴が開いていないので、AP1からのノイズ成分の導入を低減する事ができる。但し、この複数穴を有する部材はAP1の外側に配置されているので、この部材の表裏のどちら側も大気圧状態である。
一方、特許文献2または特許文献3では、AP1出口の軸とAP2の軸を直交に配置することで、直進する液滴の除去を図っている。但し、直角に曲げられたAP1とAP2の間の空間は、AP2の軸と直交方向にロータリーポンプなどの真空排気ポンプで排気している。
米国特許5986259 米国特許5756994 米国特許6700119
特許文献1に記載された装置構成では、AP1の外側が大気圧なので、AP1の内側との圧力差が大きい。そのため、AP1出口近傍での流れが音速状態になりマッハディスクを発生させるおそれがある。マッハディスクによりAP1出口近傍の流れが乱れるため、AP2へのイオンの導入効率が低下する。
一方、特許文献2または特許文献3の装置構成では、直角に曲げられたAP1とAP2の間の空間を、AP2の軸と直交方向にロータリーポンプなどの真空排気ポンプで排気している。そのため、液滴などのノイズ成分と共にイオンまでも排気してしまうので、イオンのロスが生じ感度低下を招く。また、AP1出口の軸とAP2の軸を直交に配置しているが、流れの軌道上から直接AP2の先端が見える位置にあるため、使用条件などによってはAP2の汚染の頻度が増加するおそれがある。AP2が汚染された場合は、真空システムを立ち下げてのAP2洗浄作業を行う必要がある。
上記課題は、大気圧下で生成したイオンを、真空排気手段で排気された真空室へ導入し、イオンの質量を分析する質量分析装置において、イオンを真空室に導入するイオン導入穴が開いた電極を有し、電極のイオン導入穴が第一領域、第二領域及び第三領域に分割されており、第一領域と第三領域の両方または何れか一方のイオン導入穴の中心軸方向と第二領域のイオン導入穴の内部のイオンの流れ方向の軸が異なり、第二領域は第一領域と第三領域へつながる出口以外に出口が無く、電極は、第一領域あるいは第三領域と第二領域との間、または、第二領域の途中部分で、分離する事ができ、第一領域と第三領域のイオン導入穴の軸が、偏心した位置関係にある事を特徴とする質量分析装置によって解決される。
本発明により、ロバスト性が高くメンテナンスが容易なイオン導入部を実現し、高感度かつ低ノイズの質量分析装置の実現が可能となる。
実施例1の装置構成図。 (A)実施例1のイオン源の方向から見た第1細孔電極の説明図(B)実施例1の第一細孔電極の中心軸上での断面の説明図。 (A)実施例2のイオン源の方向から見た第1細孔電極の説明図(B)実施例2の第一細孔電極の中心軸上での断面の説明図。 (A)実施例3のイオン源の方向から見た第1細孔電極の説明図(B)実施例3の第一細孔電極の中心軸上での断面の説明図。 実施例4の装置構成図。 実施例5の第一細孔電極の説明図。 実施例6の第一細孔電極の説明図。 実施例7の第一細孔電極の説明図。 (A)実施例8のイオン源の方向から見た第1細孔電極の説明図(B)実施例8の第一細孔電極の中心軸上での断面の説明図。 (A)実施例9のイオン源の方向から見た第1細孔電極の説明図。(B)実施例9の第一細孔電極の中心軸上での断面の説明図。 実施例10の第一細孔電極の説明図。
(実施例1)
実施例1では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成について説明する。
図1に本方式を用いた質量分析装置の構成の説明図を示す。
質量分析装置1は、主に大気圧下にあるイオン源2と真空容器3で構成される。図1に示したイオン源2は、エレクトロスプレー方式(ESI)と呼ばれる原理により、試料溶液のイオンを生成する。ESI方式の原理は、金属キャピラリー5に高電圧6を印加しながら試料溶液7を供給することで、試料溶液のイオン8が生成される。ESI方式のイオン生成原理の過程では、試料溶液7の液滴9が分裂を繰り返し、最終的に非常に微細な液滴になりイオン化する。イオン化の過程で充分に微細になる事ができなかった液滴には、中性液滴や帯電液滴などがある。これらの液滴9を低減するため、金属キャピラリー5の外側に管10を設け、両者の間隙にガス11を流し、管10の出口端12からガス11を噴霧することで、液滴9の気化を促進している。
大気圧下で生成したイオン8や液滴9は、第一細孔電極13に開けられた穴14に導入される。導入されたイオン8は、第一細孔電極13の穴14を通過し第一真空室15に導入される。その後、イオン8は第二細孔電極16に開けられた穴17を通過し第二真空室18に導入される。第二真空室18には、イオンを収束させながら透過させるイオン輸送部19がある。イオン輸送部19には多重極電極や静電レンズなどを用いることができる。イオン輸送部19を通過したイオン20は、第三細孔電極21に開けられた穴22を通過し、第三真空室23に導入される。第三真空室23には、イオンの分離や解離を行うイオン分析部24がある。イオン分析部24には、イオントラップ、四重極フィルター電極、コリジョンセル、飛行時間型質量分析計(TOF)などを用いることができる。イオン分析部24を通過したイオン25は検出器26で検出される。検出器26には、電子増倍管やマルチチャンネルプレート(MCP)などを用いることができる。検出器26で検出されたイオン25は電気信号などに変換され制御部27によりイオンの質量や強度などの情報を詳細に分析する事ができる。また制御部27では、ユーザからの指示入力を受け付けや電圧等の制御を行うための入出力部やメモリ等を備え、電源操作に必要なソフトウェア等なども有している。
なお、第一真空室15はロータリーポンプ(RP)28で排気され、数百Pa程度に保持される。第二真空室18はターボ分子ポンプ(TMP)29で排気され、数Pa程度に保持される。第三真空室23はTMP30で排気され、0.1Pa以下に保持される。また、図1に示したような電極4を第一細孔電極13の外側に配置し、両者の間隙にガス31を導入し、電極4の出口端32から噴霧させることで、真空容器3に導入される液滴9の低減を図っている。
本方式の第一細孔電極13の穴14は、図1および図2に示すように、三つの領域14−1〜14−3に分割されている。第一領域14−1の流れの軸38と第二領域14−2の流れの軸39は直交する位置関係にあり、第二領域14−2の流れの軸39と第三領域14−3の流れの軸40もまた直交する位置関係にある。なお、各流れの軸38〜40とは、各領域14−1〜14−3内での流れの中心軸を指しているので、厳密には流れが直交していない箇所なども存在する場合があり得る。ちなみに、本発明の効果を得るには、厳密な直交の位置関係にある必要はなく、直交に近い状態の位置関係においても本発明の効果を得ることができる。また、第一領域14−1の流れの軸38と第三領域14−3での流れの軸40は、平行でかつ中心位置がずれている位置関係にある。なお、各流れの軸38および40とは、各領域14−1および14−3内の流れの中心軸を指しているので、厳密には流れが平行になっていない箇所なども存在する場合があり得る。ちなみに、本発明の効果を得るには、厳密な平行の位置関係にある必要はなく、平行に近い状態の位置関係においても本発明の効果を得ることができる。また、第二領域14−2は、Oリング33などの真空気密手段により、第一領域14−1や第三領域14−3への出入り口以外に出口が無い空間となっている。
次に、図2に示す本方式の第一細孔電極13の構造図により、導入されたイオン8と液滴9を分離し、イオン8のみを効率良く透過させる原理について説明する。図2(A)はイオン源2の方向から見た第一細孔電極13の図を示し、図2(B)は第一細孔電極13の中心軸上での断面図を表している。
図2に示すような第一細孔電極13の穴14に液滴9やイオン8を導入すると、第一領域14−1の穴を通過して導入されたイオン8や液滴9は、第二領域14−2において粒径の大きさにより選別される(粒径分離)。イオン化の過程で充分に微細になる事ができなかった液滴9の中で比較的大きな液滴9−1(図中白丸で記載)は、イオン8(図中黒三角で記載)や比較的小さな液滴9−2(図中黒四角で記載)に比較すると重く慣性が大きいため、第一カーブ34を曲がり切れずに内壁面35に衝突して失活する。つまり、小さな液滴9−2やイオン8のみが第一カーブ34を曲がることが出来る。その後、第二カーブ36においても同様に、液滴9−2は慣性が大きいため第二カーブ36を曲がり切れず内壁面37に衝突して失活する。つまり、イオン8のみが第二カーブ36を曲がることが出来る。第二カーブ36を曲がったイオン8は第三領域14−3の穴を通過して第二細孔電極16に至る。本方式では、第一領域14−1の流れの軸38の方向および第三領域14−3の流れの軸40の方向に対し、第二領域14−2の流れの軸39の方向が異なる方向にある(図では直交)ことにより、第一細孔電極13の穴14の内部での粒径分離を可能としている。
また、慣性の大きい液滴9をより効率良く直進させてカーブさせないためには、第二領域14−2への導入を高速状態のジェット流にする事が望ましい。音速に近いジェット流を発生させる条件は、配管の一次側の圧力が大気圧(=10万Pa)以上で有る事を前提とし、二次側の圧力を一次側圧力の半分以下程度の圧力にする必要がある。よって、第一細孔電極13の第一領域14−1の一次側圧力は大気圧であるので、第二領域14−2の内部はその半分程度、つまり5万Pa以下にする必要があることが分かる。この条件を満たすことで、効率の良い粒径分離を行う事が可能となり、第一真空室15への液滴9などのノイズ成分の流入を大幅に減少する事が出来る。
また、第二領域14−2の圧力を5万Pa以下にすることで、第二細孔電極16の穴17へのイオン8の導入効率も向上できる。従来方法のような第一細孔電極で大気圧と第一真空室を仕切った場合は、第一細孔電極の出口で音速となるためマッハディスクが生じ、流れの乱れにより第二細孔電極の穴への導入効率が低下する。これに対し本方式では、第一細孔電極13を通過したイオン8は、最終的に第三領域14−3の穴を通過し第一真空室15へ入る。その際に、第三領域14−3の流路の一次側は第二領域14−2となるので、一次側(第二領域14−2)の圧力が5万Pa以下なので、第三領域14−3の出口では音速の流れにはなり得ない。よって、本方式では、第一細孔電極13の出口で音速にならないので、流れの乱れを低減できるため、第二細孔電極16の穴17へのイオン8の導入効率が向上できる。
また、第二領域14−2はOリング33などの真空気密手段によって、第一領域14−1や第三領域14−3への出入り口以外に出口が無い空間となっている。第二領域14−2は、特に真空ポンプなどで排気されていないので、第一領域14−1から流入したイオン8を含む気体の流れは、全て第三領域14−3に流れるため、従来方法のような真空ポンプの排気によるイオンのロスなどが大幅に低減し、感度向上につながる。
また、第二領域14−2の流れ方向に直交する断面形状が、第一領域14−1または第三領域14−3の断面形状と異なる構成にすることでイオン化の効率を向上する事ができる。実際には、図2に示すように第二領域14−2の断面形状を第一領域14−1または第三領域14−3よりも大きくすることで断面積が大きくなり、流速を遅くすることが出来る。流速が遅くなることにより、第二領域14−2におけるイオン8や液滴9の滞留時間を長くする事が出来る。一般に、第一細孔電極13はヒータなどの加熱手段(図示なし)で加熱して使用する場合が多く、加熱により第一細孔電極13内部での脱溶媒作用、気化の促進などの効果が得られる。本方式のように、第一細孔電極13内部での滞留時間を長く稼ぐことで、一層の気化の促進を図る事ができ、結果的に気化によるイオン化効率の向上が可能となる。
以上で述べたように、本方式を用いることで、第一真空室15への液滴9などのノイズ成分の流入を低減し、第二細孔電極16以降の電極類の汚染を大幅に減少できるため、これらの電極類のメンテナンスの頻度を大幅に低減できる。しかし、図2に示した第一カーブ34や第二カーブ36の内壁面35、37は液滴9の衝突による汚染が懸念されるため、定期的な洗浄などのメンテナンスが必要となる。
そこで本方式では、第一細孔電極13を第一領域14−1と第二領域14−2の間で、前段部13−1と後段部13−2に容易に分割できる構造としている。本構成では、第一細孔電極13の前段部13−1を取り外し、実質的に第三領域14−3の穴のみ、つまり後段部13−2だけで大気圧と第一真空室15を区切った場合でも、RP28やTMP29、30などの真空ポンプを含む真空システムがダメージを受ける事のない程度に第三領域14−3の穴の大きさが設定される。このような構成にすることで、真空システムを立ち下げることなく、第一領域14−1を取り外した上で第二領域14−2の内面などの汚れをアルコールなどの溶媒で拭き取るなどの洗浄作業を行う事が容易になる。これにより、従来方法のように洗浄の都度真空システムを立ち下げ、再立ち上げの動作安定のために1日以上待機する必要がなくなり、装置のスループットが向上する。
実際に真空システムを立ち下げることなく前段部13−1(第一領域14−1)を取り外すことを前提にした場合、前段部13−1を取り付けた状態で第二領域14−2の圧力を大気圧(=10万Pa)の1/10程度以上にすることが必要となる。つまりこの条件は、第一領域14−1の有る無しの状態を比較したとき、前者は1万Pa以上、後者は大気圧(=10万Pa)となり、第三領域14−3の外側の圧力変動を1/10以下にすることが出来る。真空システムを健全に維持するためには、1/10程度圧力変動に抑える必要があることから、第二領域14−2の圧力は1万Pa以上にすること望ましい。一般的な質量分析装置では、図1に示す例と同様で各部屋を真空ポンプで排気するが、TMP29、30の背圧を排気する真空ポンプを、第一真空室15の排気に使用するRP28で兼ねる場合が多い。TMP動作の背圧条件は高いものでも数千Pa程度である。この値は、第一真空室15の一般的な圧力の数百Paに対しても約10倍程度であり、この事からも10倍以内の圧力変動に抑える事は必須である。
以上のことから、第二領域14−2の圧力は、1万Paから5万Paの範囲で使用する事が望ましいという事が分かる。
実際に、第一細孔電極13の第一領域14−1および第三領域14−3の流量およびコンダクタンスの式は以下の式1から式3で表される。ここで、Q:流量[Pa・m3/s]、C1、C2:第一領域14−1および第三領域14−3の排気コンダクタンス[m3/s]、P1:大気圧[=10万Pa]、P2:第二領域14−2の圧力[Pa]、P3:第一真空室15の圧力[Pa]、S=RP28の排気速度[m3/s]、D1、D2:第一領域14−1および第三領域14−3の内径[m]、L1、L2:第一領域14−1および第三領域14−3の長さ[m]とする。
(数1)
Q=C1(P1-P2)=C2(P2-P3)≒SP3
(数2)
C1=1305*D1 4/L1*(P1+P2)/2
(数3)
C2=1305*D2 4/L2*(P2+P3)/2
上記の式1から式3と、第二領域14−2の圧力P2=1万Pa〜5万Paの条件から、以下の式4、式5が得られる。
(数4)
D1 4/L1=1.55*10-13*SP3〜2.04*10-13*SP3
(数5)
D2 4/L2≒6.13*10-13*SP3〜1.53*10-11*SP3
ここで、RP28の排気速度S=450L/min(=0.0075 m3/s)、第一真空室15の圧力P3=250Paとした例の場合、P2=1万Pa〜5万Paを満たすための以下の条件式が得られる。
(数6)
D1 4/L1=2.91*10-13〜3.83*10-13
(数7)
D2 4/L2=1.15*10-12〜2.87*10-11
これら条件式を用いることで、例えば、L1、L2=20mm(=0.02m)である場合、D1 =0.28〜0.3mm、D2 =0.39〜0.87mm程度にすれば良い事がわかる。RP28の排気速度や第一真空室15の設定圧力、または、L1、L2などの長さの制限にもよるが、D1 ≦1mm、D2 ≦1.5mmの範囲で使用することが望ましい。
以上、実施例1では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成について説明した。
(実施例2)
実施例2では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴が複数で、第三領域の穴が1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成について説明する。
図3に示す本方式の第一細孔電極13の構造図を用いて説明する。図3(A)はイオン源2の方向から見た第一細孔電極13の図を示し、図3(B)は第一細孔電極13の中心軸上での断面図を表している。図3では簡便のため図2で示したようなイオン8や液滴9の図示はしないが、基本的な原理は図2と同様である。
図3に示すような第一細孔電極13の穴14に液滴9やイオン8を導入すると、第一領域14−1の穴を通過して導入されたイオン8や液滴9は、第二領域において粒径の大きさにより選別される(粒径分離)。イオン化の過程で充分に微細になる事ができなかった液滴9の中で比較的大きな液滴9−1は、イオン8や比較的小さな液滴9−2に比較すると重く慣性が大きいため、第一カーブ34を曲がり切れずに内壁面35に衝突して失活する。つまり、小さな液滴9−2やイオン8のみが第一カーブ34を曲がることが出来る。その後、第二カーブ36を曲がったイオン8は第三領域14−3の穴を通過して第二細孔電極16に至る。なお、本方式では第二カーブ36の周辺に液滴が衝突する内壁面が無いが、ある程度の粒径分離が行われる。本方式では、第一領域14−1の流れの軸38の方向および第三領域14−3の流れの軸40の方向に対し、第二領域14−2の流れの軸39の方向が異なる方向にある(図では直交)ことにより、第一細孔電極13の穴14の内部での粒径分離を可能としている。
また、本方式も図2と同様に、第一細孔電極13を第一領域14−1と第二領域14−2の間で、前段部13−1と後段部13−2に容易に分割できる構造としている。
ちなみに、本方式の第一細孔電極13の構成は、図1で説明した装置構成と組み合わせることが可能である。
以上、実施例2では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴が複数で、第三領域の穴が1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成について説明した。
(実施例3)
実施例3では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴が1つで、第三領域の穴が複数の構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成について説明する。
図4に示す本方式の第一細孔電極13の構造図を用いて説明する。図4(A)はイオン源2の方向から見た第一細孔電極13の図を示し、図4(B)は第一細孔電極13の中心軸上での断面図を表している。図4では簡便のため図2で示したようなイオン8や液滴9の図示はしないが、基本的な原理は図2と同様である。
図4に示すような第一細孔電極13の穴14に液滴9やイオン8を導入すると、第一領域14−1の穴を通過して導入されたイオン8や液滴9は、第二領域において粒径の大きさにより選別される(粒径分離)。イオン化の過程で充分に微細になる事ができなかった液滴9の中で比較的大きな液滴9−1は、イオン8や比較的小さな液滴9−2に比較すると重く慣性が大きいため、第一カーブ34を曲がり切れずに内壁面35に衝突して失活する。つまり、小さな液滴9−2やイオン8のみが第一カーブ34を曲がることが出来る。その後、第二カーブ36においても同様に、液滴9−2は慣性が大きいため第二カーブ36を曲がり切れず内壁面37に衝突して失活する。つまり、イオン8のみが第二カーブ36を曲がることが出来る。第二カーブ36を曲がったイオン8は第三領域14−3の穴を通過して第二細孔電極16に至る。本方式では、第一領域14−1の流れの軸38の方向および第三領域14−3の流れの軸40の方向に対し、第二領域14−2の流れの軸39の方向が異なる方向にある(図では直交)ことにより、第一細孔電極13の穴14の内部での粒径分離を可能としている。
また、本方式も図2と同様に、第一細孔電極13を第一領域14−1と第二領域14−2の間で、前段部13−1と後段部13−2に容易に分割できる構造としている。
ちなみに、本方式の第一細孔電極13の構成は、図1で説明した装置構成と組み合わせることが可能である。
以上、実施例3では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴が1つで、第三領域の穴が複数の構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成について説明した。
以上、実施例2と実施例3では、第一領域や第三領域の穴が複数個ある構成について説明したが、第一領域と第三領域のどちらの穴も複数個ある構成でも良い。
(実施例4)
実施例4では、第一真空室にイオン収束部を配置した構成について説明する。
図5に本方式を用いた質量分析装置の構成の説明図を示す。図5では、第一真空室15にイオン収束部41を配置した構成であり、それ以外については実施例1(図1)の構成とほぼ同様であるため、図1と図5の差異についてのみ説明する。
第一細孔電極13を通過したイオン8は、イオン収束部41により中心軸上42に収束され、第二細孔電極16の穴17に導入される。イオン8は中心軸上42に位置的に収束されているので、第二細孔電極16の穴17への導入効率が向上し、感度が向上する。その他については、図1と同様である。
ちなみに、本方式のイオン収束部41を有する構成は、図3や図4で説明した第一細孔電極13と組み合わせることも可能である。
以上、実施例4では、第一真空室にイオン収束部を配置した構成について説明した。
(実施例5)
実施例5では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴と第三領域の穴が共に1つの構成で、第二領域と第三領域の間で第一細孔電極を分割できる構成について説明する。
図6に示す本方式の第一細孔電極13の構造図を用いて説明するが、基本的な原理は図2と同様であるので詳細な説明は省略する。
図6の構成は、第一細孔電極13を第二領域14−2と第三領域14−3の間で、前段部13−1と後段部13−2に容易に分割できる構造としている。分割の効果は実施例1と同様で、真空システムを立ち下げることなく、第一領域14−1と第二領域14−2を取り外した上で第二領域14−2の内面などの汚れをアルコールなどの溶媒で拭き取るなどの洗浄作業を行う事ができる。これにより、従来方法のように洗浄の都度真空システムを立ち下げ、再立ち上げの動作安定のために1日以上待機する必要がなくなり、装置のスループットが向上する。
ちなみに、本方式の第一細孔電極13の構成は、図1や図5で説明した装置構成のどちらとも組み合わせることも可能である。また、本方式の第一細孔電極13の分割方式は、図3や図4で説明した第一細孔電極13の構成と組み合わせることができる。
以上、実施例5では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴と第三領域の穴が共に1つの構成で、第二領域と第三領域の間で第一細孔電極を分割できる構成について説明した。
(実施例6)
実施例6では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴と第三領域の穴が共に1つの構成で、第二領域の途中で第一細孔電極を分割できる構成について説明する。
図7に示す本方式の第一細孔電極13の構造図を用いて説明するが、基本的な原理は図2と同様であるので詳細な説明は省略する。
図7の構成は、第一細孔電極13を第二領域14−2の途中で、前段部13−1と後段部13−2に容易に分割できる構造としている。分割の効果は実施例1と同様で、真空システムを立ち下げることなく、第一領域14−1と第二領域14−2を第二領域14−2の途中部分で取り外した上で、第二領域14−2の内面などの汚れをアルコールなどの溶媒で拭き取るなどの洗浄作業を行う事ができる。これにより、従来方法のように洗浄の都度真空システムを立ち下げ、再立ち上げの動作安定のために1日以上待機する必要がなくなり、装置のスループットが向上する。
ちなみに、本方式の第一細孔電極13の構成は、図1や図5で説明した装置構成のどちらとも組み合わせることも可能である。また、本方式の第一細孔電極13の分割方式は、図3や図4で説明した第一細孔電極13の構成と組み合わせることができる。
以上、実施例6では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴と第三領域の穴が共に1つの構成で、第二領域の途中で第一細孔電極を分割できる構成について説明した。
(実施例7)
実施例5では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間および第二領域と第三領域の間で分割できる構成について説明する。
図8に示す本方式の第一細孔電極13の構造図を用いて説明するが、基本的な原理は図2と同様であるので詳細な説明は省略する。
図8の構成は、第一領域14−1と第二領域14−2の間および第二領域14−2と第三領域14−3の間で、前段部13−1と中段部13−3と後段部13−2に容易に分割できる構造としている。分割の効果は実施例1と同様で、真空システムを立ち下げることなく、第一領域14−1と第二領域14−2を取り外した上で第二領域14−2の内面などの汚れをアルコールなどの溶媒で拭き取るなどの洗浄作業を行う事ができる。これにより、従来方法のように洗浄の都度真空システムを立ち下げ、再立ち上げの動作安定のために1日以上待機する必要がなくなり、装置のスループットが向上する。
ちなみに、本方式の第一細孔電極13の構成は、図1や図5で説明した装置構成のどちらとも組み合わせることも可能である。また、本方式の第一細孔電極13の分割方式は、図3や図4で説明した第一細孔電極13の構成と組み合わせることができる。
以上、実施例7では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域の穴と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間および第二領域と第三領域の間で分割できる構成について説明した。
以上、実施例5〜7では、実施例1と異なる第一細孔電極の分割位置について説明したが、これ以外にも、第一領域や第三領域の途中で分割する構成も可能で同様の効果があるが、分割した箇所の穴が比較的小さいため洗浄などの作業が多少困難になる可能性がある。
(実施例8)
実施例8では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成で、第一領域が斜めに配置されている構成について説明する。
図9に示す本方式の第一細孔電極13の構造図を用いて説明するが、基本的な原理は図2と同様であるので詳細な説明は省略する。図9(A)はイオン源2の方向から見た第一細孔電極13の図を示し、図9(B)は第一細孔電極13の中心軸上での断面図を表している。
図9の構成では、第一領域14−1の流れの軸38が第三領域14−3の流れの軸40に対して斜めに配置されている。これまでの実施例では、第一領域14−1の流れの軸38が、第三領域14−3の流れの軸40にほぼ平行で第二領域14−2の流れの軸39にほぼ直交している構成であったが、図9のような装置構成でもこれまで実施例と同様の効果が得られる。
ちなみに、本方式の第一細孔電極13の構成は、図1や図5で説明した装置構成のどちらとも組み合わせることも可能である。また、図3や図4で説明した第一細孔電極13の構成と組み合わせることができる。また、図6、図7、図8で説明した第一細孔電極13の分割方式と組み合わせることができる。
以上、実施例8では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成で、第一領域が斜めに配置されている構成について説明した。
(実施例9)
実施例9では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成で、第三領域が斜めに配置されている構成について説明する。
図10に示す本方式の第一細孔電極13の構造図を用いて説明するが、基本的な原理は図2と同様であるので詳細な説明は省略する。図10(A)はイオン源2の方向から見た第一細孔電極13の図を示し、図10(B)は第一細孔電極13の中心軸上での断面図を表している。
図10の構成では、第三領域14−3の流れの軸40が第一領域14−1の流れの軸38に対して斜めに配置されている。これまでの実施例では、第三領域14−3の流れの軸40が、第一領域14−1の流れの軸38にほぼ平行で第二領域14−2の流れの軸39にほぼ直交している構成であったが、図10のような装置構成でもこれまで実施例と同様の効果が得られる。
ちなみに、本方式の第一細孔電極13の構成は、図1や図5で説明した装置構成のどちらとも組み合わせることも可能である。また、図3や図4で説明した第一細孔電極13の構成と組み合わせることができる。また、図6、図7、図8で説明した第一細孔電極13の分割方式と組み合わせることができる。
以上、実施例9では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成で、第三領域が斜めに配置されている構成について説明した。
以上、実施例8と実施例9では、第一領域や第三領域の流れの軸が斜めに配置された構成について説明したが、どちらの流れの軸とも第二領域に対して斜めに配置されている構成でも良い。また、図9や図10で示した方向とは異なる方向に斜めに配置されていても良い。また、第二領域を斜めに配置する事も可能であるが、構造が多少複雑になる可能性がある。
(実施例10)
実施例10では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成で、第二領域内に偏向電極が配置されている構成について説明する。
図11に示す本方式の第一細孔電極13の構造図を用いて説明するが、基本的な原理は図2と同様であるので詳細な説明は省略する。
図11の構成では、第二領域14−2の内部の第一カーブ34と第二カーブ36の付近に偏向電極43、44が配置されている。偏向電極43、44に電圧を印加することで、イオン8を効率良くカーブさせることができる。偏向電極43、44に印加する電圧は、イオン8が正イオンの場合は正電圧、負イオンの場合は負電圧を印加する。なお、偏向電極43、44の配置はどちらか一方のみでも良い。
ちなみに、本方式の第一細孔電極13の構成は、図1や図5で説明した装置構成のどちらとも組み合わせることも可能である。また、図3、図4、図9、図10で説明した第一細孔電極13の構成と組み合わせることができる。また、図6、図7、図8で説明した第一細孔電極13の分割方式と組み合わせることができる。
以上、実施例9では、第一細孔電極の穴が三つの領域に分割され、第一領域と第三領域の穴が共に1つの構成で、第一領域と第二領域の間で第一細孔電極を分割できる構成で、第二領域内に偏向電極が配置されている構成について説明した。
1…質量分析装置
2…イオン源
3…真空容器
4…電極
5…金属キャピラリー
6…高電圧
7…試料溶液
8…イオン
9…液滴
9−1…大きな液滴
9−2…小さな液滴
10…管
11…ガス
12…管の出口端
13…第一細孔電極
13−1…第一細孔電極の前段部
13−2…第一細孔電極の後段部
13−3…第一細孔電極の中段部
14…第一細孔電極の穴
14−1…第一細孔電極の穴の第一領域
14−2…第一細孔電極の穴の第二領域
14−3…第一細孔電極の穴の第三領域
15…第一真空室
16…第二細孔電極
17…第二細孔電極の穴
18…第二真空室
19…イオン輸送部
20…イオン
21…第三細孔電極
22…第三細孔電極の穴
23…第三真空室
24…イオン分析部
25…イオン
26…検出器
27…制御部
28…ロータリーポンプ(RP)
29…ターボ分子ポンプ(TMP)
30…ターボ分子ポンプ(TMP)
31…ガス
32…電極の出口端
33…Oリング
34…第一カーブ
35…内壁面
36…第二カーブ
37…内壁面
38…第一領域の流れの軸
39…第二領域の流れの軸
40…第三領域の流れの軸
41…イオン収束部
42…中心軸上
43…偏向電極
44…偏向電極

Claims (8)

  1. 大気圧下で生成したイオンを、真空排気手段で排気された真空室へ導入し、前記イオンの質量を分析する質量分析装置において、
    前記イオンを前記真空室に導入するイオン導入穴が開いた電極を有し、前記電極のイオン導入穴が第一領域、第二領域及び第三領域に分割されており、
    前記第一領域と前記第三領域の両方または何れか一方のイオン導入穴の中心軸方向と前記第二領域のイオン導入穴の内部の前記イオンの流れ方向の軸が異なり、
    前記第二領域は前記第一領域と前記第三領域へつながる出口以外に出口が無く、
    前記電極は、前記第一領域あるいは前記第三領域と前記第二領域との間、または、第二領域の途中部分で、分離する事ができ、
    前記第一領域と前記第三領域のイオン導入穴の軸が、偏心した位置関係にある事を特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1の質量分析装置において、前記第三領域のイオン導入穴の穴径が1.5mm以下である事を特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項1の質量分析装置において、前記第二領域の内部の圧力が1万Pa以上5万Pa以下の範囲にある事を特徴とする質量分析装置。
  4. 請求項1の質量分析装置において、前記第一領域のイオン導入穴の穴径が1mm以下である事を特徴とする質量分析装置。
  5. 請求項1の質量分析装置において、前記第一領域と前記第三領域の両方または何れか一つのイオン導入穴の断面形状と前記第二領域のイオン導入穴の断面形状が異なる事を特徴とする質量分析装置。
  6. 請求項1の質量分析装置において、前記第一領域のイオン導入穴を複数個有する事を特徴とする質量分析装置。
  7. 請求項1の質量分析装置において、前記第三領域のイオン導入穴を複数個有する事を特徴とする質量分析装置。
  8. 請求項1の質量分析装置において、前記イオンを収束するイオン収束電極を有し、前記第三領域が、前記第二領域と前記イオン収束電極の間に配置される事を特徴とする質量分析装置。
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