JP2013149445A - 金属電池用負極材料、当該金属電池用負極材料を含む金属電池、及び、当該金属電池用負極材料の製造方法 - Google Patents

金属電池用負極材料、当該金属電池用負極材料を含む金属電池、及び、当該金属電池用負極材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属電池に用いることにより当該電池の充電容量を従来よりも大きくできる負極材料、当該金属電池用負極材料を含む金属電池、及び、当該金属電池用負極材料の製造方法を提供する。
【解決手段】AB型構造(ただし、xは0を超える実数である。)を主相とする合金水素化物を含むことを特徴とする、金属電池用負極材料。
【選択図】図5

Description

本発明は、金属電池に用いることにより当該電池の充電容量を従来よりも大きくできる負極材料、当該金属電池用負極材料を含む金属電池、及び、当該金属電池用負極材料の製造方法に関する。
二次電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換し放電を行うことができる他に、放電時と逆方向に電流を流すことにより、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄積(充電)することが可能な電池である。二次電池の中でもリチウム電池はエネルギー密度が高いため、ノート型のパーソナルコンピューターや、携帯電話機等の携帯機器の電源として幅広く応用されている。
リチウム電池の負極材料として、従来、グラファイト等の炭素材料が用いられてきた。例えば、特許文献1には、リチウムイオン二次電池の負極活物質として粒状グラファイトを用いることが記載されている。
特開2004−296305号公報
しかしながら、後述する比較例1に示すように、グラファイトを負極材料として用いたリチウム電池は、充電容量が小さいという問題がある。
一方、リチウム電池に用いられる負極活物質として、組成元素の一部をリチウムと交換することによりリチウムを吸蔵・放出する、いわゆるコンバージョン系の負極活物質が知られている。コンバージョン系の負極活物質としては、これまでに遷移金属酸化物、遷移金属リン化物、遷移金属フッ化物、遷移金属硫化物、及び遷移金属窒化物等が報告されていた。
2008年、J.M.Tarasconらにより、MgH及びTiH等の金属水素化物が、コンバージョン反応によりリチウムを吸蔵・放出することが報告された。一般的に、コンバージョン系の負極活物質である金属水素化物を含む負極における電極反応は、以下の通りである。
充電時:AH+xLi+xe→A+xLiH 式(I)
放電時:A+xLiH→AH+xLi+xe 式(II)
(上記式(I)及び(II)中、AHはコンバージョン系の負極活物質である金属水素化物を示し、xは0を超える実数である。)
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、金属電池に用いることにより当該電池の充電容量を従来よりも大きくできる負極材料、当該金属電池用負極材料を含む金属電池、及び、当該金属電池用負極材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の金属電池用負極材料は、AB型構造(ただし、xは0を超える実数である。)を主相とする合金水素化物を含むことを特徴とする。
本発明においては、前記主相は以下の組成式(1)で表されることが好ましい。
αβ 組成式(1)
(上記組成式(1)中、αは、Zr、Ti、Mg、及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、且つ、βは、Mn、V、Cr、Mo、Ni、Cu、Zn、Fe、及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、且つ、xは0を超える実数である。)
本発明においては、前記主相は、ZrCoVH(0<x≦5)、Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6(0<x≦5)、ZrV(0<x≦5)、ZrCr(0<x≦5)、及びZr(Fe0.50.5(0<x≦5)からなる群より選ばれる少なくとも1つの組成を含んでいてもよい。
本発明においては、平均粒径が1nm〜100μmの粒子であることが好ましい。
本発明の金属電池は、正極、負極、並びに、当該正極及び当該負極の間に介在する電解質層を備える金属電池であって、前記負極は、少なくとも負極活物質層を備え、前記負極活物質層は、上記金属電池用負極材料を含有することを特徴とする。
本発明の金属電池用負極材料の製造方法は、AB型ラーベス相構造を主相とする、合金水素化物の前駆体を準備する工程、及び、前記合金水素化物の前駆体と水素とを反応させ、AB型構造(ただし、xは0を超える実数である。)を主相とする合金水素化物を含む金属電池用負極材料を製造する工程、を有することを特徴とする。
本発明の製造方法においては、前記主相は以下の組成式(2)で表されることが好ましい。
αβ 組成式(2)
(上記組成式(2)中、αは、Zr、Ti、Mg、及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、且つ、βは、Mn、V、Cr、Mo、Ni、Cu、Zn、Fe、及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。)
本発明の製造方法においては、前記主相は、ZrCoV、Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6、ZrV、ZrCr、及びZr(Fe0.50.5からなる群より選ばれる少なくとも1つの組成を含んでいてもよい。
本発明の製造方法においては、合金水素化物の前駆体を準備する工程は、2種以上の金属を溶かして当該合金水素化物の前駆体を調製する工程を有していてもよい。
本発明の製造方法においては、前記合金水素化物の前駆体が水素吸蔵合金であって、調製した前記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた後に当該水素吸蔵合金から水素を放出させるサイクルを、少なくとも1回行う工程を有していてもよい。
本発明によれば、負極材料が、AB型構造を主相とする合金水素化物を含むため、当該負極材料を用いた金属電池は、従来の負極材料を用いた金属電池よりも充電容量が大きい。
本発明に係る金属電池の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面の模式図である。 実施例1に用いた水素吸蔵合金(ZrCoV)のXRDスペクトルである。 実施例2に用いた水素吸蔵合金(Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6)のXRDスペクトルである。 実施例1に用いた水素吸蔵合金(ZrCoV)の倍率1,000倍のSEM画像である。 実施例3のリチウム電池の充電曲線である。 実施例4のリチウム電池の充電曲線である。
1.金属電池用負極材料
本発明の金属電池用負極材料は、AB型構造(ただし、xは0を超える実数である。)を主相とする合金水素化物を含むことを特徴とする。
金属電池の負極材料として従来から用いられるグラファイトは、体積当りの充電容量が小さい。したがって、十分な充電容量を得るためには、負極中のグラファイトの含有量を高くする必要がある。その結果、負極の体積が大きくなり、省体積化の要求に応え難いという課題があった。
本発明者らは、鋭意努力の結果、主相がAB型構造である合金水素化物を用いた金属電池において、従来よりも充電容量を大きくできることを見出し、本発明を完成させた。
本発明におけるAB型構造とは、元素A及び元素Bが、A:B=1:2のモル比で組み合わさってAB型ラーベス相構造を形成し、さらに当該AB型ラーベス相構造1モルに対し水素原子をxモル含む構造である。AB型ラーベス相構造は、通常、六方晶又は立方晶構造をとる。
通常、元素AはTi、Zr等の第4族元素(チタン族元素)であり、元素Bは遷移金属元素である。AB型構造の合金水素化物は、他の合金水素化物と比較して、電池の負極として用いた場合、上記式(I)の反応における水素の放出速度が早く、また、上記式(II)の反応における水素の吸蔵能が高いという性質を有する。
合金水素化物の主相がAB型構造であるとは、合金水素化物全体の体積を100体積%としたとき、上述したAB型構造を50体積%以上、好ましくは70体積%以上、より好ましくは90体積%以上、さらに好ましくは100体積%含むことを指す。AB型構造が合金水素化物の50体積%未満である場合には、本発明の効果である充電容量の向上の効果を発揮できないおそれがある。
合金水素化物中におけるAB型構造以外の部分は、例えば、AB型構造であったり、製造工程や加工工程において生じるその他の微量の不純物であったりしてもよい。本発明の金属電池用負極材料においては、合金水素化物中の50体積%以上がAB型構造を有していれば、コンバージョン反応により十分量の金属原子を吸蔵・放出し、且つ充電容量の向上の効果が発揮される。
合金水素化物の全質量を100質量%としたとき、合金水素化物中の水素の含有割合は0.5質量%以上であることが好ましい。水素の含有割合が0.5質量%未満であるとすると、上記式(I)及び(II)に示したようなコンバージョン反応が十分進行しないおそれがある。電池容量を大きくするためには、水素吸蔵量は多ければ多いほど好ましい。
合金水素化物中の水素の含有割合(質量%)とは、合金水素化物の質量M、及び、水素化前の合金の質量Mから、(M−M)/Mで与えられる割合である。
合金水素化物の主相は以下の組成式(1)で表されることが好ましい。なお、以下の組成式(1)において、元素αは上述した元素Aに、元素βは上述した元素Bに、それぞれ相当する。
αβ 組成式(1)
上記組成式(1)中、元素αは、Zr、Ti、Mg、又はCaである。上記組成式(1)中、元素βは、Mn、V、Cr、Mo、Ni、Cu、Zn、Fe、又はCoである。元素α及び元素βはそれぞれ1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。なお、上記組成式(1)中、xは0を超える実数である。
主相の組成は特に限定されないが、例えば、上記組成式(1)において元素αがZrであり、元素βがCo及びVであるZrCoVH(0<x≦5);上記組成式(1)において元素αがZr及びTiであり、元素βがNi、Mn及びVであるZr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6(0<x≦5);上記組成式(1)において元素αがZrであり、元素βがVであるZrV(0<x≦5);上記組成式(1)において元素αがZrであり、元素βがCrであるZrCr(0<x≦5);上記組成式(1)において元素αがZrであり、元素βがFe及びVであるZr(Fe0.50.5(0<x≦5);等が挙げられる。合金水素化物の主相は、これらの組成を1種類のみ含んでいてもよいし、これらの組成を2種類以上含んでいてもよい。
本発明に係る金属電池用負極材料は、平均粒径が1nm〜100μmの粒子であることが好ましい。平均粒径が1nm未満では、表面に存在する酸化物等の増加により容量が低下するおそれがある。また、平均粒径が100μmを超えると、充放電時にリチウムイオン伝導経路や電子伝導経路が途切れる問題が生じ、本発明の効果である充電容量の向上の効果が十分享受できないおそれがある。
金属電池用負極材料の平均粒径は、ガス吸着試験によって求めることができる。ガス吸着試験の具体例を以下に示す。まず、比表面積・細孔分布測定装置(Quantachrome社製、商品名:AUTOSORB−1)等を用いて、窒素ガス吸着法で測定する。測定した各粒子の表面積の値と、公知である材料の真密度より、各粒子を球体と仮定したときの平均粒径を算出する。
本発明に係る金属電池用負極材料は、AB型構造を主相とする合金水素化物を含むことにより、従来の負極材料であるグラファイトよりも体積当たりの充電容量(Ah/L)を大きくすることができる。
本発明に係る負極材料は金属電池に用いられる。上記式(I)及び(II)はリチウム電池内で生じる反応を示すが、コンバージョン反応における金属水素化物の挙動は、リチウム電池以外の金属電池でも同様であると考えられる。そのため、本発明に係る金属電池用負極材料は、リチウム電池以外の金属電池、例えば、ナトリウム電池、カリウム電池、マグネシウム電池、カルシウム電池等にも用いることができる。
2.金属電池
本発明の金属電池は、正極、負極、並びに、当該正極及び当該負極の間に介在する電解質層を備える金属電池であって、負極は、少なくとも負極活物質層を備え、当該負極活物質層は、上記金属電池用負極材料を含有することを特徴とする。
図1は、本発明に係る金属電池の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面の模式図である。なお、本発明に係る金属電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。
金属電池100は、正極活物質層2及び正極集電体4を含む正極6と、負極活物質層3及び負極集電体5を含む負極7と、当該正極6及び当該負極7に挟持される電解質層1を備える。以下、本発明の金属電池に用いられる負極、正極、及び電解質層、並びに本発明の金属電池に好適に用いられるセパレータ及び電池ケースについて、詳細に説明する。
本発明に用いられる負極は、上記製造方法により製造される金属電池用負極材料を含有する負極活物質層を備える。本発明に用いられる負極は、通常、負極活物質層に加えて、負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを備える。
本発明に用いられる負極活物質層は、上述した金属電池用負極材料に加えて、他の負極活物質を含有していてもよい。
他の負極活物質としては、金属イオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に限定されない。本発明に係る金属電池がリチウム電池である場合には、例えば、金属リチウム、リチウム合金、リチウム元素を含有する金属酸化物、リチウム元素を含有する金属硫化物、リチウム元素を含有する金属窒化物、及びグラファイト等の炭素材料等を挙げることができる。
リチウム合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。また、固体電解質をコートした金属リチウムも使用できる。
金属電池用負極材料を含む負極活物質全体の含有割合は、負極活物質層の総質量を100質量%としたとき、60〜98質量%であることが好ましい。
負極活物質層は、必要に応じて導電化材及び結着剤等を含有していても良い。
本発明に用いられる導電化材としては、負極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等を挙げることができる。また、負極活物質層における導電化材の含有割合は、導電化材の種類によって異なるものであるが、負極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、1〜30質量%である。
本発明に用いられる結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。また、負極活物質層における結着剤の含有割合は、負極活物質等を固定化できる程度であれば良く、より少ないことが好ましい。結着剤の含有割合は、負極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、1〜10質量%である。
本発明に用いられる負極活物質層は、負極用電解質を含有してもよい。この場合、負極用電解質としては、後述する電解液、ゲル電解質、及び固体電解質等を用いることができる。
負極活物質層の層厚としては、特に限定されるものではないが、例えば10〜100μm、中でも10〜50μmであることが好ましい。
本発明に用いられる負極集電体は、上記負極活物質層の集電を行う機能を有するものである。上記負極集電体の材料としては、例えば銅、アルミニウム、SUS、ニッケル、鉄及びチタン等を挙げることができる。負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
本発明に用いられる負極を製造する方法は、上記負極が得られる方法であれば特に限定されない。なお、負極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、負極活物質層をプレスしてもよい。
本発明に用いられる正極は、好ましくは正極活物質を含有する正極活物質層を備えるものである。本発明に用いられる正極は、正極活物質層に加えて、正極集電体、及び当該正極集電体に接続された正極リードを備えることが好ましい。
本発明に用いられる正極活物質としては、金属電池に使用できる正極活物質であれば特に限定されない。本発明に係る金属電池がリチウム電池である場合には、例えば、LiCoO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNiPO、LiMnPO、LiNiO、LiMn、LiCoMnO、LiNiMn、LiFe(PO及びLi(PO等を挙げることができる。正極活物質からなる微粒子の表面にLiNbO等を被覆してもよい。
これらの中でも、本発明においては、LiCoOを正極活物質として用いることが好ましい。
本発明に用いられる正極活物質層の厚さは、目的とする金属電池の用途等により異なるものであるが、10〜250μmであるのが好ましく、20〜200μmであるのがより好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。
正極活物質の平均粒径としては、例えば1〜50μm、好ましくは1〜20μm、より好ましくは3〜5μmであることが好ましい。正極活物質の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、正極活物質の平均粒径が大きすぎると、平坦な正極活物質層を得るのが困難になる場合があるからである。なお、正極活物質の平均粒径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される活物質担体の粒径を測定して、平均することにより求めることができる。
正極活物質層は、必要に応じて導電化材、結着剤、及び正極用電解質等を含有していても良い。導電化材、結着剤、及び正極用電解質の詳細は、上述した負極活物質層における導電化材、結着剤、及び負極用電解質等と同様である。
正極集電体の材料としては、上述した負極集電体の材料と同様のものを用いることができる。また、正極集電体の形状としては、上述した負極集電体の形状と同様のものを採用することができる。
本発明に用いられる正極を製造する方法は、上記の正極を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。なお、正極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、正極活物質層をプレスしても良い。
本発明に用いられる電解質層は、正極及び負極の間に保持され、正極及び負極の間で金属イオンを交換する働きを有する。
電解質層には、電解液、ゲル電解質、及び固体電解質等を用いることができる。これらは、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
電解液としては、水系電解液及び非水系電解液を用いることができる。
本発明に用いられる非水系電解液としては、通常、金属塩及び非水溶媒を含有したものを用いる。本発明に係る金属電池がリチウム電池である場合には、金属塩としてリチウム塩が使用できる。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO及びLiAsF等の無機リチウム塩;LiCFSO、LiN(SOCF(Li−TFSI)、LiN(SO及びLiC(SOCF等の有機リチウム塩等を挙げることができる。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル(AcN)、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びこれらの混合物等を挙げることができる。非水系電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5〜3mol/Lの範囲内である。
本発明においては、非水系電解液又は非水溶媒として、例えば、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(PP13TFSI)、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(P13TFSI)、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(P14TFSI)、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DEMETFSI)、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TMPATFSI)に代表されるような、イオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。
本発明に用いられる水系電解液としては、通常、金属塩及び水を含有したものを用いる。本発明に係る金属電池がリチウム電池である場合には、金属塩としてリチウム塩が使用できる。上記リチウム塩としては、例えばLiOH、LiCl、LiNO、CHCOLi等のリチウム塩等を挙げることができる。
本発明に用いられるゲル電解質は、通常、非水系電解液にポリマーを添加してゲル化したものである。本発明に用いられるゲル電解質として、具体的には、上述した非水系電解液に、ポリエチレンオキシド、ポリプロプレンオキシド、ポリアクリルニトリル、ポリビニリデンフロライド(PVdF)、ポリウレタン、ポリアクリレート、セルロース等のポリマーを添加し、ゲル化することにより得られる。本発明においては、LiTFSI(LiN(CFSO)−PEO系の非水ゲル電解質が好ましい。
固体電解質としては、硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、及びポリマー電解質等を用いることができる。
硫化物系固体電解質としては、具体的には、LiS−P、LiS−P、LiS−P−P、LiS−SiS、LiS−SiS、LiS−B、LiS−GeS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−SiS−P、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、LiPS−LiGeS、Li3.40.6Si0.4、Li3.250.25Ge0.76、Li4−xGe1−x等を例示することができる。
酸化物系固体電解質としては、具体的には、LiPON(リン酸リチウムオキシナイトライド)、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO、La0.51Li0.34TiO0.74、LiPO、LiSiO、LiSiO等を例示することができる。
本発明に用いられるポリマー電解質は、通常、金属塩及びポリマーを含有する。本発明に係る金属電池がリチウム電池である場合には、金属塩としてリチウム塩が使用できる。リチウム塩としては、上述した無機リチウム塩、及び/又は有機リチウム塩を使用できる。ポリマーとしては、リチウム塩と錯体を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明の金属電池には、セパレータを用いることができる。セパレータは、正極及び負極の間に配置されるものであり、通常、正極活物質層と負極活物質層との接触を防止し、電解質を保持する機能を有する。上記セパレータの材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース及びポリアミド等の樹脂を挙げることができ、中でもポリエチレン及びポリプロピレンが好ましい。また、上記セパレータは、単層構造であっても良く、複層構造であっても良い。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、又は、PP/PE/PP若しくはPE/PP/PEの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。本発明においては、上記セパレータが、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等であっても良い。また、上記セパレータの膜厚は、特に限定されるものではなく、一般的な金属電池に用いられるセパレータの膜厚と同様である。
セパレータには、上述した電解液等の電解質を含浸させて用いてもよい。
本発明に係る金属電池は、正極、電解質層及び負極等を収納する電池ケースを備えていてもよい。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
本発明に係る金属電池は、例えば、リチウム電池、ナトリウム電池、カリウム電池、マグネシウム電池、カルシウム電池等を挙げることができ、中でも、リチウム電池、ナトリウム電池、カリウム電池が好ましく、特に、リチウム電池が好ましい。また、本発明の金属電池は、例えば車載用電池として用いられることが好ましい。
3.金属電池用負極材料の製造方法
本発明の金属電池用負極材料の製造方法は、AB型ラーベス相構造を主相とする、合金水素化物の前駆体を準備する工程、及び、前記合金水素化物の前駆体と水素とを反応させ、AB型構造(ただし、xは0を超える実数である。)を主相とする合金水素化物を含む金属電池用負極材料を製造する工程、を有することを特徴とする。
本発明は、(1)合金水素化物の前駆体を準備する工程、及び、(2)合金水素化物を含む金属電池用負極材料を製造する工程を有する。本発明は、必ずしも上記2工程のみに限定されることはなく、上記2工程以外にも、例えば、後述するような水素吸蔵放出サイクルを行う工程等を有していてもよい。
以下、上記工程(1)及び(2)について、順に説明する。
3−1.合金水素化物の前駆体を準備する工程
本発明に用いられる合金水素化物の前駆体とは、AB型ラーベス相構造を主相とし、且つ合金水素化物の原料となる化合物であり、水素と反応させることにより合金水素化物へ変換できる化合物のことである。本発明に用いられる合金水素化物の前駆体としては、例えば、水素吸蔵合金が挙げられる。
合金水素化物の前駆体としては、市販品を用いてもよいし、予め調製したものを用いてもよい。
本発明に用いられる合金水素化物の前駆体は、AB型ラーベス相構造を主相として有していれば特に限定されない。合金水素化物の前駆体の主相がAB型ラーベス相構造であるとは、合金水素化物の前駆体全体の体積を100体積%としたとき、AB型ラーベス相構造を50体積%以上、好ましくは70体積%以上、より好ましくは90体積%以上、さらに好ましくは100体積%含むことをいう。
合金水素化物の前駆体の主相は、以下の組成式(2)で表されることが好ましい。なお、以下の組成式(2)において、元素αは上述した元素Aに、元素βは上述した元素Bに、それぞれ相当する。
αβ 組成式(2)
上記組成式(2)中、元素αは、Zr、Ti、Mg、又はCaである。上記組成式(2)中、元素βは、Mn、V、Cr、Mo、Ni、Cu、Zn、Fe、又はCoである。元素α及びβはそれぞれ1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。
合金水素化物の前駆体の主相の組成は特に限定されないが、例えば、上記組成式(2)において元素αがZrであり、元素βがCo及びVであるZrCoV;上記組成式(2)において元素αがZr及びTiであり、元素βがNi、Mn及びVであるZr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6;上記組成式(2)において元素αがZrであり、元素βがVであるZrV;上記組成式(2)において元素αがZrであり、元素βがCrであるZrCr;上記組成式(2)において元素αがZrであり、元素βがFe及びVであるZr(Fe0.50.5;等が挙げられる。合金水素化物の前駆体の主相は、これらの組成を1種類のみ含んでいてもよく、2種類以上含んでいてもよい。
合金水素化物の前駆体を準備する工程は、2種以上の金属を溶かして合金水素化物の前駆体を調製する工程を有していてもよい。
2種以上の金属を溶かす方法は、金属が均一に溶けて混ざる方法であれば特に限定されない。2種以上の金属を溶かす方法の具体例としては、アーク溶解法、高周波溶解法等が挙げられる。なお、2種以上の金属とは、合金水素化物の前駆体を構成する2種以上の金属元素に対応する純金属であることが好ましい。
調製された合金水素化物の前駆体は、後述する水素との反応に適した結晶構造とする観点から、アルゴン雰囲気等の不活性雰囲気下、800〜1200℃の温度条件下で、5分間〜20時間熱処理することが好ましい。
合金水素化物の前駆体が水素吸蔵合金である場合には、調製した水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた後に当該水素吸蔵合金から水素を放出させるサイクル(以下、水素吸蔵放出サイクルと称する場合がある。)を、少なくとも1回行う工程を有していてもよい。
水素を吸蔵させる方法は、特に限定されるものではないが、例えば、水素ガス雰囲気下で加圧する方法が挙げられる。加圧時の圧力は、水素を吸蔵させる温度における平衡圧力よりも高い圧力であれば特に限定されるものではない。一方、水素を放出させる方法は、特に限定されるものではないが、例えば減圧する方法や、減圧かつ加熱する方法が挙げられる。このような水素吸蔵放出サイクルを行うことによって、水素吸蔵合金のAB型ラーベス相構造を保持したまま、水素吸蔵合金の粒径のみを小さくすることができる。
水素吸蔵放出サイクルの回数は、1回以上であれば特に限定されるものではないが、例えば2〜100回繰り返すことが好ましく、2〜30回繰り返すことがより好ましい。
なお、水素吸蔵放出サイクルの前に、乳鉢やメカニカルミリングを用いて合金水素化物の前駆体を粗粉砕してもよい。
3−2.合金水素化物を含む金属電池用負極材料を製造する工程
本工程は、合金水素化物の前駆体と水素とを反応させ、AB型構造(ただし、xは0を超える実数である。)を主相とする合金水素化物を含む金属電池用負極材料を製造する工程である。
合金水素化物の前駆体と水素との反応条件は、特に限定されない。なお、水素化は100%進行する必要は必ずしもない。合金水素化物への変換効率は50%以上であればよく、80%以上が好ましく、100%であるのがより好ましい。したがって、本発明により製造される金属電池用負極材料は、合金水素化物のみからなっていてもよく、合金水素化物とその前駆体からなるものであってもよく、合金水素化物及びその前駆体を含み、さらに製造工程において生じた微量の不純物等を含んでいてもよい。
水素化の方法としては、例えば、水素ガス雰囲気下で加圧する方法が挙げられる。水素化時の圧力は、水素化の温度における平衡圧力よりも高い圧力であれば特に限定されるものではない。水素化時の圧力を水素化の温度における平衡圧力よりも高い圧力とする理由は、本発明により製造される負極材料を金属電池に用いた場合に、電池製造工程中や、上記式(I)に示した充電反応中に、水素原子(H)が水素ガス(H)として負極材料から脱離してしまうのを防ぐためである。
本発明に係る製造方法により、上述した金属電池用負極材料が製造できる。
以下に、本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
1.リチウム電池用負極材料の製造
[実施例1]
1−1.水素吸蔵合金の作製
まず、ジルコニウム(Zr)、コバルト(Co)、及びバナジウム(V)の各純金属をアーク溶解により溶かして混合し、合金を作製した。次に、アーク溶解後の合金を、アルゴン雰囲気下、1000℃の温度条件で12時間熱処理し、熱力学的に安定な結晶構造を有する水素吸蔵合金を製造した。
1−2.水素吸蔵合金への水素吸蔵・放出サイクルの実施
まず、熱処理後の水素吸蔵合金を、鉄乳鉢にて約1mm角の大きさまで粉砕した。次に、水素吸蔵合金粉末をSUS容器に加えて、水素吸蔵合金粉末に水素を吸蔵させ放出させるサイクルを繰り返し、水素吸蔵合金を微細化させた。そのサイクルは、(a)まず25℃の温度条件下、水素の圧力が0.9MPaの条件下で、水素吸蔵合金粉末に水素を吸蔵させた。(b)次に150℃の温度条件下、1Pa以下の真空条件下で水素吸蔵合金粉末から水素を放出させた。
上記(a)及び(b)を行うサイクルを10回繰り返した後、さらに25℃の温度条件下、水素の圧力が0.9MPaの条件下で、水素吸蔵合金粉末に水素を吸蔵させ、実施例1のリチウム電池用負極材料(ZrCoVH(0<x≦5))を製造した。なお、水素吸放出時における平衡圧力は25℃において約0.01気圧であり、水素吸蔵量は約1.7質量%であった。
[実施例2]
まず、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、及びバナジウム(V)の各純金属をアーク溶解により溶かして混合し、合金を作製した。
以下、実施例1と同様に、得られた合金を用いて水素吸蔵合金を作製し、乳鉢で粗粉砕し、水素吸蔵・放出サイクルを実施した後に水素を吸蔵させ、実施例2のリチウム電池用負極材料(Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6(0<x≦5))を製造した。
2.水素吸蔵合金の評価
2−1.XRD分析
実施例1及び実施例2に用いた水素吸蔵合金について、X線回折法(X−ray diffraction:XRD)により結晶構造を調べた。測定には、粉末X線回折計(Rint 2200、Rigaku)を用いた。測定条件は、CuKα線を用い、加速電圧は40kVとし、印加電流は40mAとした。
図2は実施例1に用いた水素吸蔵合金(ZrCoV)のXRDスペクトルである。図2に示すように、実施例1に用いた水素吸蔵合金のXRDスペクトルには、ZrCoVのAB型ラーベス相構造を示すピーク(2θ=36°、39°、42°、43°、44°、65°、及び67°)が観測される。
以上より、実施例1に用いた水素吸蔵合金が、AB型ラーベス相構造の単相となっていることが確認できた。
図3は実施例2に用いた水素吸蔵合金(Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6)のXRDスペクトルである。図3に示すように、実施例2に用いた水素吸蔵合金のXRDスペクトルには、Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6のAB型ラーベス相構造を示すピーク(2θ=36°、39°、42°、43°、44°、45°、47°、50°、62°、65°、67°、及び70°)が観測される。
以上より、実施例2に用いた水素吸蔵合金が、AB型ラーベス相構造の単相となっていることが確認できた。
2−2.SEM観察
実施例1に用いた水素吸蔵合金について、走査型電子顕微鏡(日立製、S−5500)を用いて、加速電圧20kVにて、倍率1,000倍で、走査型電子顕微鏡(Scanning electron microscope;以下、SEMと称する。)観察を行った。
図4は実施例1に用いた水素吸蔵合金(ZrCoV)の倍率1,000倍のSEM画像である。図4より、ZrCoVのSEM画像には、長径が1〜50μm程度、短径が0.5〜30μm程度の粒子が見られる。
3.リチウム電池の作製
[実施例3]
まず、試験電極を作製した。電極活物質として実施例1のリチウム電池用負極材料(ZrCoVH(0<x≦5))、導電化材としてカーボンブラック、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、ZrCoVH:カーボンブラック:PVdF=71:21:8の質量比で混合し、混練することにより、ペーストを得た。次に、得られたペーストを、銅箔上にドクターブレードにて塗工し、乾燥し、プレスすることにより、厚さ10μmの試験電極を得た。
CR2032型コインセルを用い、作用極として上記試験電極を用い、対極としてリチウム金属を用い、セパレータとしてポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレン(PE/PP/PE)の多孔質セパレータを用いた。また、電解液として、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、及びエチルメチルカーボネート(EMC)を、EC:DMC:EMC=3:3:4の体積比で混合した溶媒に、支持塩であるLiPFを濃度1mol/Lで溶解させたものを用いた。これらの材料を用いて、実施例3のリチウム電池を作製した。
[実施例4]
実施例3において、電極活物質として、実施例1のリチウム電池用負極材料(ZrCoVH(0<x≦5))の替わりに実施例2のリチウム電池用負極材料(Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6(0<x≦5))を用いたこと以外は、実施例3と同様に、実施例4のリチウム電池を作製した。
[比較例1]
実施例3において、電極活物質として、実施例1のリチウム電池用負極材料(ZrCoVH(0<x≦5))の替わりにグラファイト(日立化成工業製)を用いたこと以外は、実施例3と同様に、比較例1のリチウム電池を作製した。
4.充電特性の評価
実施例3、実施例4、及び比較例1のリチウム電池について、充放電サイクル試験機(日鉄エレックス社製)を用いて、電池評価環境温度25℃、電流レートC/50にて充電した。電圧範囲は、0.01〜2.5Vとした。実施例3の充電結果を図5に、実施例4の充電結果を図6に、それぞれ示す。
また、これらの充電結果から充電容量を算出した。下記表1は、実施例3、実施例4、及び比較例1のリチウム電池について、試験電極に用いた電極活物質、及び充電容量(Ah/L)をまとめた表である。
図5は実施例3のリチウム電池の充電曲線である。図6は実施例4のリチウム電池の充電曲線である。
図5及び図6から分かるように、実施例3及び実施例4のリチウム電池の充電曲線は、従来の負極活物質を用いたときよりプラトー領域が広い。特に、図5において、プラトー領域から算出される充電容量は約2700Ah/Lである。したがって、実施例3及び実施例4のリチウム電池は電圧制御がしやすく、リチウムデポ(リチウム堆積)防止等の安全設計がしやすい。
上記表1より、比較例1の充電容量は837Ah/Lである。これに対し、上記表1より、実施例3の充電容量は3663Ah/Lである。したがって、ZrCoVHを用いた実施例3の充電容量は、グラファイトを用いた比較例1の充電容量の4.4倍である。また、上記表1より、実施例4の充電容量は2107Ah/Lである。したがって、Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6を用いた実施例4の充電容量は、グラファイトを用いた比較例1の充電容量の2.5倍である。
5.実施例のまとめ
以上より、AB型構造を主相とする合金水素化物を用いた本発明に係る金属電池は、グラファイトを負極に用いた従来の金属電池よりも体積当たりの充電容量が格段に大きいことが明らかとなった。
1 電解質層
2 正極活物質層
3 負極活物質層
4 正極集電体
5 負極集電体
6 正極
7 負極
100 金属電池

Claims (10)

  1. AB型構造(ただし、xは0を超える実数である。)を主相とする合金水素化物を含むことを特徴とする、金属電池用負極材料。
  2. 前記主相は以下の組成式(1)で表される、請求項1に記載の金属電池用負極材料。
    αβ 組成式(1)
    (上記組成式(1)中、αは、Zr、Ti、Mg、及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、且つ、βは、Mn、V、Cr、Mo、Ni、Cu、Zn、Fe、及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、且つ、xは0を超える実数である。)
  3. 前記主相は、ZrCoVH(0<x≦5)、Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6(0<x≦5)、ZrV(0<x≦5)、ZrCr(0<x≦5)、及びZr(Fe0.50.5(0<x≦5)からなる群より選ばれる少なくとも1つの組成を含む、請求項1又は2に記載の金属電池用負極材料。
  4. 平均粒径が1nm〜100μmの粒子である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属電池用負極材料。
  5. 正極、負極、並びに、当該正極及び当該負極の間に介在する電解質層を備える金属電池であって、
    前記負極は、少なくとも負極活物質層を備え、
    前記負極活物質層は、前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属電池用負極材料を含有することを特徴とする、金属電池。
  6. AB型ラーベス相構造を主相とする、合金水素化物の前駆体を準備する工程、及び、
    前記合金水素化物の前駆体と水素とを反応させ、AB型構造(ただし、xは0を超える実数である。)を主相とする合金水素化物を含む金属電池用負極材料を製造する工程、を有することを特徴とする、金属電池用負極材料の製造方法。
  7. 前記主相は以下の組成式(2)で表される、請求項6に記載の金属電池用負極材料の製造方法。
    αβ 組成式(2)
    (上記組成式(2)中、αは、Zr、Ti、Mg、及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、且つ、βは、Mn、V、Cr、Mo、Ni、Cu、Zn、Fe、及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。)
  8. 前記主相は、ZrCoV、Zr0.5Ti0.5Ni1.0Mn0.40.6、ZrV、ZrCr、及びZr(Fe0.50.5からなる群より選ばれる少なくとも1つの組成を含む、請求項6又は7に記載の金属電池用負極材料の製造方法。
  9. 合金水素化物の前駆体を準備する工程は、2種以上の金属を溶かして当該合金水素化物の前駆体を調製する工程を有する、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の金属電池用負極材料の製造方法。
  10. 前記合金水素化物の前駆体が水素吸蔵合金であって、
    調製した前記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた後に当該水素吸蔵合金から水素を放出させるサイクルを、少なくとも1回行う工程を有する、請求項9に記載の金属電池用負極材料の製造方法。
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