JP2013148568A - 投射システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検査対象物2に光を照射する照射装置10を備え、前記検査対象物2からの透過光を撮影装置14に投射する投射システム1において、前記検査対象物2の検査箇所Rに焦点を有し、前記検査対象物2からの透過光に基づき前記検査箇所Rの像を前記撮影装置14に投射する拡大投射光学ユニット12を備える構成とした。
【選択図】図1
Description
例えば、検査対象物が眼鏡レンズなど光透過性の光学部材の場合には、検査対象物を透過した透過光をスクリーンに投射し、スクリーン上の照度パターンを検査者が目視観察することで、レンズ表面のキズや塵等の付着、レンズ内部の泡、脈理等といった各種の欠陥を検査している(例えば、特許文献1参照)。
<第1の実施形態>
図1は、第1の本実施形態に係る投射システム1の概略構成図である。
投射システム1は、例えば液晶パネルに用いられるガラス基板、或いは各種の光学部品といった透光性材を検査対象物2とし、当該検査対象物2の表面のキズや塵等の付着、内部の気泡、脈理といった各種の欠陥の有無を検査する検査用投射システムである。
投射システム1は、図1に示すように、照射装置10と、拡大投射光学ユニット12と、撮影装置14と、スクリーン15と、照射装置移動機構16と、光学ユニット移動機構18と、コンピュータ22とを備えている。照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12は、それぞれ同じ光軸Kの上に配置され、また照射装置10と拡大投射光学ユニット12の間に検査対象物2が挿入配置されている。検査対象物2は、照射装置10の照射光が検査箇所Rを透過するように支持台24により支持されており、検査対象物2の検査箇所Rを透過した照射光が拡大投射光学ユニット12を経てスクリーン15に投射され、スクリーン15に投射された像が撮影装置14により画像として取り込まれる。
本実施形態では、照射光が広範囲に拡がった場合でも十分な照度が確保されるように、光源に放電ランプ34を用いることとし、100W直流型の超高圧水銀ランプが用いられている。放電ランプ34は、電極間距離が1〜1.5mmに形成され、陰極側を回転楕円反射鏡32の開口端32Aに向け、陽極側を回転楕円反射鏡32の底部32Bの側に向けて取り付けられている。また、放電ランプ34の電極間に生ずるアークの発光点は、先端側、すなわち陰極先端部近傍が最も明るいことから、その部分が回転楕円反射鏡32の第1焦点f1に位置するように配されている。発光点が第1焦点f1に配されることで、放電ランプ34の光が回転楕円反射鏡32によって第2焦点f2で集光される。
回転楕円反射鏡32は、内表面に誘電体多層膜を蒸着して可視光を反射し赤外波長域の光を透過する、いわゆるコールドミラーとして構成されており、照射光に赤外波長域の光が含まれないようにしている。
そこで、点光源形成球レンズ28の入射側には、上記内面反射に起因した光成分であって点光源Sの集光度を低下させる程に光軸Kと成す角度が大きな光成分である上記拡散光成分43の通過を遮蔽する拡散光成分遮蔽用絞り44を設け、点光源Sの集光度の低下を防止することとしている。
そこで、筒体36の出射開口30には、迷光45を遮蔽して出射する迷光成分遮蔽用のアパーチャ46を設け、投射された像が不鮮明になることを防止している。
そして、上述のように入射用絞り40、拡散光成分遮蔽用絞り44、及びアパーチャ46が設けられることで、集光型放電ランプユニット26における第1焦点f1と発光点の位置ズレや、放電ランプ34の封じ部での光ロス、光学系の光軸ズレ等による照度ムラや投射像のボケが抑えられる光を検査対象物2に検査光として照射できる。
本実施形態においては、拡大投射光学ユニット12は、検査箇所Rを拡大投射するための光学素子の他、ディストーション補正や他の収差を補正する光学素子を組合せて成る光学系を備えている。
なお、拡大投射光学ユニット12は、1枚の拡大投射用レンズを備えるだけの構成であっても良い。
撮影装置14は、拡大投射光学ユニット12によってスクリーン15に拡大投射された検査箇所Rの拡大像を撮影によって取り込み、コンピュータ22に出力する装置であり、例えばCCDカメラ等により構成されている。
照射装置移動機構16、及び光学ユニット移動機構18のそれぞれが照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12を移動するときには、照射装置10と拡大投射光学ユニット12が同一の光軸K上に常に位置するように移動される。
画像解析部60は、撮影装置14によって撮影された画像に基づいて検査対象物2の検査箇所Rでの欠陥の有無を判別する。この判別は、例えば、撮影画像内の輝度分布に基づき、欠陥に起因する暗所を検出することで行われる。
走査制御部62は、検査箇所Rの範囲内で拡大投射光学ユニット12の焦点位置を移動し、各焦点位置の拡大像が撮影装置14に取り込まれるように照射装置移動機構16、光学ユニット移動機構18、及び撮影装置移動機構20のそれぞれを制御する。このとき、走査制御部62は、少なくとも拡大像の縁部がラップするように焦点位置を移動させることで、検査箇所Rの全範囲を漏れなく走査する。この走査制御部62の制御によって、検査箇所Rの焦点位置での拡大像が次々とコンピュータ22に出力され、拡大像のそれぞれについて画像解析部60によって欠陥の有無が判別される。
これにより、検査箇所Rの焦点位置の像が撮影装置14に取り込まれ、コンピュータ22に撮影画像が出力される。コンピュータ22では、撮影装置14の撮影画像を画像解析して、撮影画像に写された範囲内での欠陥の有無を判別する。この撮影画像に写る範囲は、必ずしも検査箇所Rの全範囲を含むものではなく、あくまでも拡大投射光学ユニット12の焦点位置の像に対応する範囲に限られる。したがって、検査箇所Rの全範囲について欠陥の有無を判別すべく、コンピュータ22は、照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12を移動させることで検査箇所Rの範囲内で焦点位置を移動させ、順次撮影し、撮影画像に基づいて欠陥の有無を判別する。
また、検査対象物2が有する曲面を検査箇所Rとして検査する場合には、検査箇所Rの面に垂直に照射光を入射させるべく、照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12を曲面に沿って移動させることが好ましい。
また図4は撮影装置14による撮影画像の一例を示す図であり、図4(A)は拡大投射光学ユニット12を通して撮影した画像を示し、図4(B)は拡大投射光学ユニット12を用いずに撮影した場合を示す。
一方、図3(B)に示すように、検査対象物2の透過光が拡散面2Aを通って出射する場合、この拡散面2Aで光の拡散が生じてしまうため、当該拡散によって欠陥Dでの光量変化が埋もれる。この結果、図4(B)に示すように、欠陥Dを透過した透過光の像を撮影した撮影画像にあっては、画像内での光量変化が小さくなることから、欠陥Dが検出できない。
なお、図3(B)の図例示では、拡散面2Aの下に欠陥Dが存在する場合を例示したが、拡散面2Aの表面に欠陥Dが存在する場合も同様である。
この構成によれば、発散光が検査対象物2に照射されることで、検査対象物2の欠陥(脈理、キズ等)が拡大して投射される。これにより、検査対象物2が拡散面2Aを有しない場合には、透過光を上記拡大投射光学ユニット12を通さずに、直接スクリーン15に投射しても、小さい欠陥を目視で十分に確認することができる。
点光源Sを形成するための光学系を、1つの点光源形成球レンズ28のみから構成したため、複数のレンズを用いて構成された光学系に比べて、レンズの軸合わせが容易となる。
この構成によれば、集光型放電ランプユニット26等の光源から発せられて拡散する光を効率良く点光源形成球レンズ28に入射し、点光源Sの光量を上げることができる。
特に本実施形態によれば、集光型放電ランプユニット26の光を光軸Kに近付く方向に屈折させて発散を抑えて点光源形成球レンズ28に入射する入射光学系と、集光型放電ランプユニット26の光から点光源6を形成する点光源形成光学系とを、同軸に設けた一対の球レンズたる入射球レンズ42、及び点光源形成球レンズ28で構成したため、これら入射光学系、及び点光源形成光学系をコンパクトに構成できる。
これら拡散光成分遮蔽用絞り44とアパーチャ46により、筒体36の内面反射に起因して生じた上記拡散光成分43、及び迷光45が遮蔽されるため、照度ムラや投射像のボケを抑え、欠陥Dの像が不鮮明になることを防止できる。
この構成によれば、放電ランプ34が光源に用いられることで、強い光を照射することができる。さらに、放電ランプ34の発光点は有限の大きさを有しているものの、第1焦点f1から外れた箇所で発光し、照度ムラの要因と成る光成分が入射用絞り40で遮蔽されるため、照度ムラの無い照射光を得ることができる。特に、このような光で点光源Sを形成して照射することで、広い範囲を照度ムラ無く、なおかつ高い照度で照射することができる。
また図5に示すように、撮影装置14を光軸Kの軸上に設け、この撮影装置14のピントを撮影画像に合わせることで、スクリーン15に投射することなく、拡大投射光学ユニット12によって拡大投射された像を直接撮影して検査を行う投射システム100を構成しても良い。撮影装置14は、3軸ステージ54、及びアクチュエータ55を有する撮影装置移動機構20によって、照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12の移動に合わせて光軸Kの軸上に位置するように移動可能に構成される。
また、放電ランプ34の放射光に含まれる赤外波長域の光成分によって検査対象物2に熱的損傷を与えてしまう虞もある。
そこで図6に示すように、照射光量を調整する手段としての調光板70と、照射光の波長を選択する波長選択手段としての波長選択フィルタ71とを照射装置110が備える構成にしても良い。
調光板70が第2焦点f2よりも当該集光型放電ランプユニット26の側に配置されることで、調光板70によって進行方向に乱れたが生じた光成分を、上記入射用絞り40で遮蔽することができ、照度ムラの発生を抑制できる。
波長選択フィルタ71は、光軸Kに対して入射面が垂直ではなく、傾斜角αで入射面が傾斜して配置されている。これにより入射面で反射した光、特に、波長選択フィルタ71で反射されて除去される光成分(本変形例では赤外波長成分の光)が放電ランプ34に戻り(例えば、放電ランプ34の先端部分)、熱的損傷を引き起こすといった事態を防止できる。
なお、照射装置が平行光を放射する場合には、照射装置の光を入射光学系を通さずに、点光源形成光学系に直接入射しても良い。
図8は、第2の実施形態に係る投射システムの概略構成図である。
投射システム200は、偏光器201を備え、光弾性の原理を用いて検査対象物2の歪み(応力)Sを検査する検査用投射システムである。
偏光器201は、検査対象物2の入射側及び出射側に設けられた入射側偏光板(偏光素子)202及び出射側偏光板(偏光素子)203を光軸Kと同軸に備えている。入射側偏光板202は、照射装置10の出射開口30の出射側に設けられ、図示しない保持手段によって筒体36に着脱可能な状態で支持されている。出射側偏光板203は、拡大投射光学ユニット12の光学系の入射側に設けられ、図示しない保持手段によって着脱可能な状態で筐体48に支持されている。偏光板202,203の少なくとも一方は回転自在に支持されており、偏光板202,203の相対角度を調節できるようになっている。
この投射システム200は、偏光器201を備える以外は、第1の実施形態で説明した投射システム1と略同様の構成を有するため、ここでは、投射システム1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の画像解析部60は、撮影装置14によって撮影された画像に基づいて検査対象物2の検査箇所Rでの応力の有無及びその分布を判別する。この判別は、例えば、撮影画像内の色の分布を検出することで行われる。
したがって、本実施形態では、検出したい欠陥Dに応じて、偏光板202,203及び波長板204を配設するか否かを適宜選択することが可能である。
一方、拡大投射光学ユニット12を用いずに検査対象物2を撮影すると、検査対象物2が立体物であるため、検査対象物2を透過する光の量が検査箇所Rの全体で低下し、図9(D)〜図9(F)及び図10(D)〜図10(F)に示すように、撮影画像には、検査対象物2の影のみが写り出されることとなり、応力の分布が検出できない。
さらに、偏光板202,203及び波長板204は着脱可能な状態で支持されているため、一つの投射システム200において、応力分布観察のみならず、偏光板202,203及び波長板204を外した状態で各種欠陥の観察が可能となる。
また、出射側偏光板203と拡大投射光学ユニット12との間に、出射側偏光板203以外からの光を遮る遮光板を設けてもよい。これにより、出射側偏光板203以外からの光によって色が不明確になることによって応力分布の判別に支障をきたすことを防止できる。
図11は、第3の実施形態に係る投射システム300の概略構成図である。
投射システム300は、検査対象物2及び偏光器201をチャンバ301に収めてユニット化し、検査対象物2を試験可能とした試験ユニット(試験手段)302を備えている。チャンバ301は、拡大投射光学ユニット12の焦点位置と外れた位置に一対の窓303,304を備えており、一方が入射窓303、他方が出射窓304となる。チャンバ301内において、検査対象物2は支持台24により支持されており、入射側偏光板202、出射側偏光板203及び波長板204はチャンバ301に支持されている。チャンバ301は、図示は省略するが、加熱手段や加圧手段によって、検査対象物2に熱的及び又は機械的外力を加えることができるように構成されている。
したがって、投射システム300では、検査対象物2に熱的及び又は機械的外力を加えながら、外力によって検査対象物2に生じる応力を検査することができる。
なお、投射システム300は、チャンバ301、試験ユニット移動機構305及び試験操作部308を備える以外は、第2の実施形態で説明した投射システム200と略同様の構成を有するため、ここでは、投射システム200と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
また、検査対象物2に万力で圧力を加えながら拡大投射光学ユニット12及び偏光器201を通して検査対象物2を撮影すると、図14に示すように、撮影画像には、検査対象物2と万力との接触部分で色が変化し、応力Sが生じることが写し出される。
2 検査対象物
2A 拡散面
f1 第1焦点
f2 第2焦点
10、110 照射装置(照射手段)
12 拡大投射光学ユニット(投射光学系)
14 撮影装置
15 スクリーン
22 コンピュータ
26 集光型放電ランプユニット(光源)
28 点光源形成球レンズ(点光源形成光学系)
30 出射開口(端部開口)
32 回転楕円反射鏡
34 放電ランプ
36 筒体
40 入射用絞り(入射用遮蔽部材)
42 入射球レンズ(入射光学系)
44 拡散光成分遮蔽用絞り(内面反射成分遮蔽部材)
46 アパーチャ(内面反射成分遮蔽部材)
60 画像解析部
62 走査制御部
70 調光板
71 波長選択フィルタ
72 反射ミラー
202 入射側偏光板(偏光素子)
203 出射側偏光板(偏光素子)
D 欠陥
E 照射光
K 光軸
R 検査箇所
S 点光源
Claims (7)
- 検査対象物に光を照射する照射手段を備え、前記検査対象物からの透過光又は反射光を投射する投射システムにおいて、
前記検査対象物の検査箇所に焦点を有し、前記検査対象物からの透過光又は反射光に基づき前記検査箇所の像を投射する投射光学系を備えたことを特徴とする投射システム。 - 前記照射手段は、光源の光を集光して点光源を形成する点光源形成光学系を備え、
前記点光源形成光学系によって形成された点光源からの発散光を前記検査対象物に照射することを特徴とする請求項1に記載の投射システム。 - 前記照射手段は、
前記光源から発せられ発散する光を光軸の方向に曲げて発散を抑え前記点光源形成光学系に入射する入射光学系を備えたことを特徴とする請求項2に記載の投射システム。 - 前記照射手段は、
前記光源の光が入射される筒体を備え、
前記光源の光を集光して前記点光源を形成する点光源形成球レンズを前記筒体の中に設けて前記点光源形成光学系が構成され、前記点光源の発散光を前記筒体の端部開口から照射するとともに、
前記筒体の中の点光源形成球レンズの入射側、及び前記端部開口のそれぞれに、前記筒体の内面反射によって生じた光成分を遮蔽する内面反射成分遮蔽部材を備える
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の投射システム。 - 前記照射手段は、
第1焦点、及び第2焦点を有する回転楕円反射鏡と、
前記第1焦点に発光点を位置させた放電ランプと、
前記第2焦点と前記点光源形成光学系の間に設けられ、前記第2焦点で集光し発散する光のうち、前記第1焦点と発光点のズレに起因する成分を遮蔽する入射用遮蔽部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の投射システム。 - 前記検査対象物の入射側と出射側にそれぞれ偏光素子を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の投射システム。
- 入射側と出射側の前記偏光素子の少なくとも一方を回転自在に支持したことを特徴とする請求項6に記載の投射システム。
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