JP2013148170A - 物体の耐震支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐震支持装置の小型化を達成する。
【解決手段】
物体側の取付部としての支持板11には保持台16が取り付けられており、この保持台16には鋼製の球体22が開口部21から突出して装着され、球体22は基盤側に当接する。保持台16には接触部として摩擦接触面26が形成されており、摩擦接触面26は環状の小径エッジ25aと環状の大径エッジ25bとの間に形成され、摩擦接触面26の接触角は球体22と保持台16との静摩擦角よりも大きく設定されている。保持台16はその底部中心で支持板11に取り付けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、基盤上に配置される各種機器や器具等の物体を地震発生時に安定支持するための物体の耐震支持装置に関する。
建物の内部に配置されるコンピュータや精密機器等の物体を地震発生時に安定的に支持するための耐震支持装置としては、鋼製の球体を物体と基盤面との間に配置するようにした形態のものがある。球体を用いた耐震支持装置としては、例えば、特許文献1に記載されるように、球体を収容する筒状収容孔が形成され物体側に取り付けられる支持枠を有するものが開発されている。
この支持枠の底部には凹部が形成され、その凹部と筒状収容孔との境界部に形成された環状のエッジに球体が突き当てられている。環状のエッジは物体が基盤に荷重を加える方向であって球体の中心を通る垂直線つまり垂直軸から一定の半径を有しており、エッジと球体の中心との垂直線に対する角度は球体と支持枠との静摩擦角よりも大きい角度に設定されている。エッジを球体の表面に接触させるにはエッジの半径を球体の半径よりも小さく設定する必要があり、球体の半径をRとし、エッジの半径をrとし、静摩擦角をρとすると、エッジの半径rはRsinρ<r<Rの範囲に設定されている。これにより、地震発生により基盤が水平振動したときには、球体が回転運動して水平振動を吸収し、物体に水平振動が伝達されることを防止することができる。
このように、球体を回転させることにより基盤の水平振動を防止するようにした耐震支持装置としては、支持枠の内部に形成されたテーパ面に球体を線接触させるようにして突き当てるようにした形態があり、さらには球体を球内面形状の摩擦接触面に接触させるようにして突き当てるようにした形態が研究されている。
特許第3409611号公報
上述のように球体を回転させて基盤の水平振動が物体に伝達されないようにした形態の耐震支持装置においては、球体を収容する支持枠を精密機器等の物体側の取付部に取り付けるタイプと、基盤側の取付部に支持枠を取り付けて球体を物体の底面に当接させるようにしたタイプとがある。いずれのタイプにおいても支持枠をその外周部で物体側や基盤側の取付部に取り付けるようにしている。このため、支持枠の底部側には径方向外方に迫り出させてフランジを突設し、そのフランジに複数本のボルトを貫通させるようにしてフランジで支持枠を取付部に固定するようにしている。
支持枠の底部にフランジを設けるようにすると、フランジの径方向の寸法は球体を収容する収容孔が形成された円筒部の外径よりも大きくなるので、支持枠の外径寸法を小さくすることができなくなる。このため、耐震支持装置を小型化することには限度があった。さらに、精密機器等の物体の底面に耐震支持装置を取り付ける場合には、物体の四隅に耐震支持装置が取り付けられることになり、物体を安定して支持するためには、耐震支持装置を物体の角部にまで寄せることが好ましいが、従来のようにフランジが支持枠に設けられていると、物体の角部にまで耐震支持装置を寄せることができなくなる。
本発明の目的は、耐震支持装置の小型化を達成することにある。
本発明の物体の耐震支持装置は、基盤上に配置される物体を地震発生時に安定支持する物体の耐震支持装置であって、前記物体側と前記基盤側の一方を取付部として当該取付部に取り付けられる金属製の保持台と、前記保持台内に装着され前記保持台の開口面から突出して前記物体側と前記基盤側の他方に設けられた支持面に接触する鋼製の球体とを備え、前記物体が前記基盤に荷重を加える方向であって前記球体の中心を通る垂直線から一定の半径を有し、前記球体の中心を頂点として前記垂直線とのなす接触角が前記球体と前記保持台との静摩擦角よりも大きい接触部を前記保持台に形成し、前記保持台を前記取付部に取り付ける固定ねじ部材が貫通するとともに前記接触部の半径よりも小径の貫通孔を前記保持台の底部の中心に形成し、前記保持台を当該保持台の中心で前記取付部に取り付けることを特徴とする。
保持台に設けられて球体が接触する接触部は、球体と保持台との静摩擦角よりも大きい接触角に設定されているので、物体を支持する基盤面が地震により水平振動すると、球体が保持台の内部で回転し、基盤側の支持面から物体に伝達される水平振動を抑制することができる。これにより、地震発生時に物体が転倒することを防止できる。接触部の接触角は静摩擦角よりも大きく設定されており、球体は保持台の底部には接触していない。このように球体が接触しない底部の中心部の領域を利用して保持台を取付部に取り付けるための固定ねじ部材が貫通する貫通孔が保持台の中心部に形成されている。これにより、保持台はその径方向の中心部で取付部に取り付けられることになり、保持台の外周部に径方向に突出させてフランジを設けることが不要となり、球体の径を小径とすることなく、保持台の外径を小さくすることができ、耐震支持装置の小型化を達成することができる。
(A)は物体に取り付けられた耐震支持装置を示す平面図であり、(B)は(A)の正面図である。 図1に示された耐震支持装置の拡大断面図である。 耐震支持装置の変形例を示す断面図である。 (A)〜(E)は図2および図3に示された耐震支持装置の地震発生時の挙動を示す概略図である。 耐震支持装置の他の変形例を示す断面図である。 耐震支持装置のさらに他の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示される物体の耐震支持装置は四辺形の支持板11を有している。この支持板11の上には、コンピュータや複写機等の各種機器からなる物体10が図1(B)に二点鎖線で示されるように配置されるようになっており、支持板11は取付部を構成している。物体10が配置される建物の床面つまり基盤面12の上には、四辺形の台板13が配置されるようになっている。この台板13の中央部にはPタイル等の樹脂製の支持層14が設けられ、台板13の外周部には支持層14よりも厚いゴム層15が設けられており、支持層14とゴム層15の表面は支持面13aとなっている。支持板11の四隅には物体10を支持する保持台16が取り付けられている。支持板11に取り付けられる保持台16の数は、図1(A)に示されるように4つに限られることなく、少なくとも3個としてそれ以上の任意の数とすることができる。保持台16は、図1(A)に破線で示されるように外周面が円筒形となっている。
それぞれの保持台16は、図2に示されるように、支持板11の下面に取り付けられている。保持台16の上面には、物体の荷重を受ける平坦な荷重受け面17が形成されており、図示する耐震支持装置が使用されるときには荷重受け面17は上面となる。保持台16の内部には保持台16の下端の開口部21から下方に突出する半径Rの鋼製の球体22が装着されている。球体22は支持板11よりも下側となって基盤側に配置される。球体22が保持台16から外れるのを防止するために、保持台16の開口部21にはリング状のストッパ23がねじ止めされている。
保持台16の底部には、物体10から基盤面12に向けて荷重が加わる方向であって球体22の中心点つまり中心Oを通る方向の垂直軸つまり垂直線Vから一定の半径r1を有する凹部24が形成されている。この凹部24は保持台16の径方向中心線である垂直線Vと同軸となって形成されており、この凹部24内には球体22の表面内側部Aが入り込んでいる。この凹部24は保持台16に形成された環状の小径エッジ25aにより区画され、この小径エッジ25aの内側が凹部24となっている。保持台16には球体22の表面中央部Bと表面外側部Cとを仕切る半径r2の大径エッジ25bが形成されており、小径エッジ25aと大径エッジ25bとの間には、球体22の表面中央部Bが接触する摩擦接触面26が形成されている。この摩擦接触面26は球体22の外面に対応した半径Rの球内面形状となっており、球体22の表面中央部Bが摩擦接触面26の全体的に均一に接触するようになっている。
図2に示すように、球体22の中心Oを頂点として小径エッジ25aを通る仮想円錐面S1と、中心Oを通る垂直線Vとのなす小径エッジ25aの接触角をαとすると、凹部24の半径つまり小径エッジ25aの半径r1は、R・sinαとなる。この半径r1よりも内側の部分は、球体22の表面内側部Aが入り込む凹部24となっており、球体22の表面内側部Aは保持台16には接触しない。
図示する保持台16においては、小径エッジ25aの接触角αは約20度に設定されており、この接触角αは静摩擦角ρよりも大きく設定されている。静摩擦角ρは、物体10と支持板11により保持台16に加わる荷重をPとし、摩擦接触面26と球体22との接触面に沿う方向の力をFとし、PとFの合力Wをいくら大きくしても保持台16が球体22に対してすべり始めない角度である。この静摩擦角ρは摩擦接触面26と球体22との摩擦係数によって相違することになる。この静摩擦角ρは、針状部材により球体22に垂直方向の荷重を加えるようにし、荷重を加える位置を垂直線Vの位置から徐々に径方向外方に変化させることにより、球体22が回転し始める位置によって求めることができる。球体22が回転し始める位置のなす角度が静摩擦角ρとなっている。静摩擦角ρと半径r1との関係は、Rsinρ<r1<Rとなっている。
球体22の中心Oを頂点として大径エッジ25bを通る仮想円錐面S2と、中心Oを通る垂直線Vとのなす角度は大径エッジ25bの接触角βとなっており、大径エッジ25bの半径r2は、R・sinβとなっている。静摩擦角ρと半径r2との関係は、Rsinρ<r2<Rとなっている。この大径エッジ25bを、球体22の中心Oを通る水平面Hの位置と同一とすると、大径エッジ25bの半径r2は最大半径となる。大径エッジ25bは水平面Hよりも上側つまり小径エッジ25a側の位置に形成されており、図示する場合には、大径エッジ25bの接触角βは約70度に設定されている。
したがって、図2に示す保持台16においては、球内面形状の摩擦接触面26が球体22に接触する接触範囲角度θは50度となっている。この接触範囲角度θの範囲における摩擦接触面26の垂直線Vからの半径rは、いずれもRsinρ<r<Rに設定されており、中心Oを頂点として垂直線Vとなす角度は静摩擦角ρよりも大きくなっている。このように、凹部24の部分では球体22に接触させることなく、所定の接触範囲角度θの範囲を有する摩擦接触面26に球体22を接触させると、摩擦接触面26は図2において球体22の上部つまり水平面Hよりも上側の部分であって、球体22の表面中央部Bに接触することになる。球体22の表面中央部Bと摩擦接触面26との接線は、垂直線Vに対して角度を有している。これにより、保持台16の水平の荷重受け面17に物体10の荷重が加わると、摩擦接触面26からは全体的に均一に分散された分布荷重が球体22にその中心Oに向けて作用することになる。
大径エッジ25bを水平面Hの位置に設定することも可能であるが、球体22の表面外側部Cにおける摩擦接触面26との接線は垂直線Vに平行に近い角度となり、摩擦接触面26からの荷重は球体22にはあまり加えられないので、大径エッジ25bは水平面Hよりも小径エッジ25a側にずらされている。大径エッジ25bの接触角βとしては、図示する70度よりも小さい45度に設定しても、摩擦接触面26から球体22に対して分布荷重を加えることができることが判明しており、小径エッジ25aの接触角αを20度とし、大径エッジ25bの接触角βを45度としたときには、接触範囲角度θは25度となる。このように、大径エッジ25bの接触角βとしては、45度から最大90度の範囲に設定することができる。
このように、小径エッジ25aと大径エッジ25bとの間の球内面形状の摩擦接触面26を上述した接触範囲角度θの範囲で球体22に接触させるようにすると、物体10の荷重は摩擦接触面26から全体的に中心Oに向けて加わることになり、エッジが球体22に食い込むことなく、一定の摩擦力が球体22と摩擦接触面26との間に発生する。球体22と摩擦接触面26との間の摩擦係数は、球体22と支持面13aとの間の摩擦係数よりも小さい値となるように、支持面13aを形成する素材が設定されている。例えば、支持層14をPタイルとした場合にはその摩擦係数は0.25〜0.29程度であり、フローリングとした場合にはその摩擦係数は0.23〜0.29程度となる。これに対し、摩擦接触面26と球体22の表面をそれぞれ鏡面仕上げして摩擦接触面26にクロムメッキのコーティング層を設けると、摩擦接触面26の摩擦係数は、約0.16〜0.17である。一方、摩擦接触面26にフッ素樹脂製のコーティング層を設けると、摩擦係数は約0.11である。いずれの場合にも、摩擦接触面26の摩擦係数は支持面13aの摩擦係数よりも小さい値に設定される。なお、球体22を建物の床面を基盤面としてこれに直接接触させる場合にも、基盤面の摩擦係数よりも摩擦接触面26の摩擦係数を小さくする。
保持台16の底部には凹部24に連通させて貫通孔31が形成されており、この貫通孔31の中心軸は垂直線Vと同軸となっている。この貫通孔31と凹部24の間には貫通孔31よりも大径の収納凹部32が形成されている。貫通孔31には、保持台16を取付部としての支持板11に固定するための固定ねじ部材33が取り付けられるようになっており、支持板11には固定ねじ部材33がねじ結合されるねじ孔34が形成されている。収納凹部32内には固定ねじ部材33の頭部33aとワッシャ35が配置される。固定ねじ部材33の頭部33aの外周面が六角形の場合には収納凹部32の内周面を頭部33aが嵌合する六角形とすると、固定ねじ部材33が保持台16に対して回転するのを規制することができる。
このように、保持台16を物体10側に取り付けるために、保持台16の底部に垂直線Vと同軸に貫通孔31を形成すると、保持台16の底部外周に固定ねじ部材を取り付けるためのフランジを設けることが不要となるので、保持台16の外径を小さくすることができ、耐震支持装置の小型化を達成することができる。これにより、保持台16を物体10の角部に近付けて物体10の底面に取り付けることができ、物体10を安定的に支持することができる。
図2に示した耐震支持装置においては、固定ねじ部材33により物体10側に保持台16を直接固定しているが、固定ねじ部材33を調整ねじ部材を介して保持台16を物体10側に固定するようにしても良い。
図3は、このように調整ねじ部材36を介して保持台16を物体10側に固定するようにした耐震支持装置を示す。支持板11のねじ孔34にねじ結合される調整ねじ部材36にはねじ孔37が形成されており、このねじ孔37には固定ねじ部材33がねじ結合される。調整ねじ部材36にはナット38が取り付けられており、保持台16と支持板11の高さ位置を調整した状態のもとで調整ねじ部材36を支持板11に締結することができる。
図3に示した保持台16においては、図2に示した部材と共通する部材には同一の符号が付されており、保持台16の支持板11に対する取付形態が相違することを除いて他の構造は図2に示した保持台16と同一となっている。
図2および図3に示されるように、接触角が静摩擦角よりも大きく設定された球内面形状の摩擦接触面26を球体22に接触させるとともに、支持面13aと摩擦接触面26のそれぞれの摩擦係数の関係を設定することにより、図示する耐震支持装置は、地震により物体10に加わる加速度が高くなると、球体22が回転して基盤側の水平振動が物体10に伝達されるのを抑制することになる。これにより、地震発生時に物体が転倒することを防止できるとともに物体の暴走発生を防止することができる。
図4(A)〜(E)は、図2および図3に示した耐震支持装置の地震発生時の挙動を示す概略図である。
図4(A)は地震が発生していない状態を示す。この状態のもとで、地震が発生して台板13が基盤とともに図3において左方向に振動すると、加振力が小さいときには、図4(B)に示すように、球体22と支持面13aとの摩擦力と、摩擦接触面26と球体22との摩擦力とにより球体22は台板13とともに移動し、球体22は回転することなく保持台16と一体となって水平方向に振動することになる。つまり、加振力が小さい状態のもとでは、物体10は台板13と一体となって振動することになる。
これに対して、加振力が高まると、図4(C)に示すように、球内面形状の摩擦接触面26の全体の接触角が静摩擦角ρよりも大きく設定されるとともに球体22と台板13の支持面13aとの摩擦係数よりも球体22と摩擦接触面26との摩擦係数の方が小さく設定されているので、台板13の水平振動により球体22は台板13に対して回転して転がり接触しながら、保持台16に保持された状態のもとで自転して摩擦接触面26に対しては球体22が滑り接触することになる。このように、地震の加速度が上昇するに伴って、球体22が保持台16と一体に水平振動する状態から、球体22が基盤側の台板13に対して転がり接触しながら摩擦接触面26に滑り接触する状態に変化することになり、このときには球体22は保持台16に対して自転することになる。これにより、地震の加速度が大きくなると、物体10には地震により加速度が加わることがなくなる。物体に加わる加速度つまり応答加速度を高めることが防止できると、物体10が支持板11の上で転倒することが防止される。
図4(D)は地震により台板13が図4において左方向に振動した状態から右方向に揺り戻し振動した状態を示しており、揺り戻し初期の加振力が小さいときには、球体22と支持面13aとの摩擦力と、摩擦接触面26と球体22との摩擦力とにより球体22は台板13とともに移動し、球体22は回転することなく保持台16と一体となって水平方向に振動することになる。
加振力が高まると、図4(E)に示すように、球体22と台板13の支持面13aとの摩擦係数よりも球体22と摩擦接触面26との摩擦係数の方が小さく設定されているので、台板13の水平振動により球体22は台板13に対して回転して転がり接触しながら、保持台16に保持された状態のもとで自転して摩擦接触面26に対して滑り接触することになる。
台板13が図4(C)に示した状態から右方向に揺り戻し振動するときに、大きな加振力が加えられると、図4(D)に示したように球体22が保持台16と一体となって水平方向に振動することなく、図4(E)に示すように、球体22は保持台16に保持された状態のもとで自転することになる。つまり、図4(C)に示す方向に球体22が自転した状態から図3(E)に示す方向に球体22の回転方向が反転されることになる。
このように、地震による加振力が小さいときには、球体22と摩擦接触面26との摩擦力により保持台16は球体22と一体となって振動し、加振力が高くなると、球体22と摩擦接触面26とが静摩擦接触した状態から転がり摩擦状態に変化して球体22が自転することにより、基盤面12側から物体10に対する振動伝達が抑制される。これにより、大きな震度の地震が発生しても、支持板11の上に取り付けられた物体10が転倒したり暴走したりすることを防止できる。
図5および図6はそれぞれ耐震支持装置の変形例を示す断面図であり、これらの図においては図2および図3に示された部材と共通する部材には同一の符号が付されている。
図2および図3に示した保持台16においては、球内面形状の摩擦接触面26が接触部として設けられているのに対して、図5においては環状のエッジ25により接触部が形成され、図6においてはテーパ面41に球体22が接触する環状の接触線42により接触部が形成されている。球体22が接触するエッジ25とテーパ面41の摩擦係数は、基盤面としての支持面の摩擦係数よりも小さくなっている。
図5に示されるように、保持台16には、球体22の表面内側部Aが入り込む凹部24と、それよりも開口部21側の円筒面40とが形成されている。円筒面40の内径は球体22の外径よりも大きく設定されており、円筒面40には球体22は接触しないようになっている。凹部24と円筒面40との境界部に形成された接触部としての環状のエッジ25に球体22が接触するようになっている。
図5に示すように、球体22の中心Oを頂点としてエッジ25を通る仮想円錐面Sと、中心Oを通る垂直線Vとのなす接触角をγとすると、凹部24の半径つまりエッジ25の半径rは、R・sinγとなる。この半径rよりも内側の部分は、球体22の表面内側部Aが入り込む凹部24となっており、球体22の表面内側部Aは保持台16には接触しない。この接触角γは球体22と保持台16との静摩擦角ρよりも大きく設定されており、環状のエッジ25の半径rは、Rsinρ<r<Rとなる。
図6に示すように、テーパ面41のうち球体22が接触する部分は環状の接触線42となっており、球体22の中心Oを頂点として接触線42を通る仮想円錐面Sと、中心Oを通る垂直線Vとのなす接触角をδとすると、接触線42の半径rは、R・sinδとなる。球体22は接触線42の部分で保持台16と接触しており、テーパ面41の他の部分には接触していない。この接触角δは球体22と保持台16との静摩擦角ρよりも大きく設定されており、環状のエッジ25の半径rは、Rsinρ<r<Rとなる。
このように、接触部としての環状のエッジ25の接触角γと、接触部としての環状の接触線42の接触角δとをいずれも、静摩擦角ρよりも大きい角度に設定するとともに、球体22と台板13の支持面13aとの摩擦係数よりも球体22とエッジ25および接触線42の摩擦係数の方が小さく設定されているので、図4に示した場合と同様の挙動となって基盤側の振動が物体に伝達されるのを防止できる。つまり、地震による加振力が小さいときには、球体22とエッジ25または接触線42との摩擦力により保持台16は球体22と一体となって振動し、加振力が高くなると、球体22とエッジ25または接触線42とが静摩擦接触した状態から転がり摩擦状態に変化して球体22が自転することにより、基盤面12側から物体10に対する振動伝達が抑制される。これにより、大きな震度の地震が発生しても、支持板11の上に取り付けられた物体10が転倒したり暴走したりすることを防止できる。
しかも、それぞれの保持台16は、保持台16の底部の中心であって球体22が接触しない部位に形成された貫通孔31を貫通する固定ねじ部材33により取付部としての支持板11に取り付けられているので、保持台16の外径が小さくなり、保持台16を小型化することができる。図5および図6に示した保持台16の支持板11に対する取付形態としては、図3に示されるように、調整ねじ部材36を用いるようにしても良い。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図示する耐震支持装置は、保持台16の下側に球体22を装着するようにしているが、保持台16と球体22の関係を上下逆転させて、物体と基盤面12との間に配置するようにしても良い。その場合には、物体が取り付けられる支持板11の下面を支持面13aとしてその支持面13aに球体22を接触させることになり、保持台16は基盤面12に固定されることになる。また、図示する耐震支持装置は、建築物内に配置される機器を耐震支持するようにしているが、建築構造物自体を耐震支持するようにしても良い。
10 物体
11 支持板
12 基盤面
13 台板
13a 支持面
14 支持層
15 ゴム層
16 保持台
17 荷重受け面
21 開口部
22 球体
23 ストッパ
24 凹部
25 エッジ
25a 小径エッジ
25b 大径エッジ
26 摩擦接触面
31 貫通孔
32 収納凹部
33 固定ねじ部材
33a 頭部
34 ねじ孔
35 ワッシャ
36 調整ねじ部材
37 ねじ孔
38 ナット
40 円筒面
41 テーパ面
42 接触線

Claims (5)

  1. 基盤上に配置される物体を地震発生時に安定支持する物体の耐震支持装置であって、
    前記物体側と前記基盤側の一方を取付部として当該取付部に取り付けられる金属製の保持台と、
    前記保持台内に装着され前記保持台の開口面から突出して前記物体側と前記基盤側の他方に設けられた支持面に接触する鋼製の球体とを備え、
    前記物体が前記基盤に荷重を加える方向であって前記球体の中心を通る垂直線から一定の半径を有し、前記球体の中心を頂点として前記垂直線とのなす接触角が前記球体と前記保持台との静摩擦角よりも大きい接触部を前記保持台に形成し、
    前記保持台を前記取付部に取り付ける固定ねじ部材が貫通するとともに前記接触部の半径よりも小径の貫通孔を前記保持台の底部の中心に形成し、
    前記保持台を当該保持台の中心で前記取付部に取り付けることを特徴とする物体の耐震支持装置。
  2. 請求項1記載の物体の耐震支持装置において、前記取付部に軸方向の位置を調整自在にねじ結合されるとともに前記固定ねじ部材がねじ結合されるねじ孔が形成された調整ねじ部材を有し、前記保持台を前記調整ねじ部材を介して前記取付部に取り付けることを特徴とする物体の耐震支持装置。
  3. 請求項1または2記載の物体の耐震支持装置において、前記接触部は、前記垂直線から一定の半径を有するとともに前記球体の表面内側部が入り込む凹部を区画する環状の小径エッジと、前記球体の中心を通る水平面に沿う半径を最大半径とする環状の大径エッジとの間に形成され、前記球体に接触する球内面形状の摩擦接触面であることを特徴とする物体の耐震支持装置。
  4. 請求項1または2記載の物体の耐震支持装置において、前記接触部は、前記垂直線から一定の半径を有するとともに前記球体の表面内側部が入り込む凹部を区画する環状のエッジであることを特徴とする物体の耐震支持装置。
  5. 請求項1または2記載の物体の耐震支持装置において、前記接触部は、前記保持台の前記底部から前記開口部に向けて内径が大きくなるテーパ面に形成され、前記球体が接触する環状の線接触線であることを特徴とする物体の耐震支持装置。
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