JP2013147604A - ポリプロピレン樹脂組成物、およびそれを含む成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】揮発性の有機化合物成分を低減したポリプロピレン樹脂組成物、およびそれを含む成形体を提供する。
【解決手段】特定のオレフィン重合用触媒を用いて製造されるプロピレン重合体(成分(A))と、前記成分(A)100重量部に対して、特定の化合物(成分(B))0.01〜0.5重量部と、前記成分(A)100重量部に対して、ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))0.01〜0.5重量部とを含むポリプロピレン樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】特定のオレフィン重合用触媒を用いて製造されるプロピレン重合体(成分(A))と、前記成分(A)100重量部に対して、特定の化合物(成分(B))0.01〜0.5重量部と、前記成分(A)100重量部に対して、ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))0.01〜0.5重量部とを含むポリプロピレン樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、揮発性の有機化合物成分を低減したポリプロピレン樹脂組成物、およびそれを含む成形体に関するものである。
ポリプロピレンは、剛性、耐熱性に優れた材料として広い用途を有しており、バンパーやインストルメンタルパネル(ダッシュボード)などの自動車内外装部品、テレビケース等の家電機器部品の各種工業部品用成形材料に利用されている。これらの製品は近年、薄肉化、高機能化、大型化されており、材料であるポリプロピレンの更なる高性能化が要求されている。
特許文献1には、トレハロースと熱可塑性ポリマーとを含有する熱可塑性ポリマー組成物、トレハロースを有効成分として含有する熱可塑性ポリマー用加工安定化剤、および、熱可塑性ポリマーの加工安定性を向上させるためのトレハロースの使用が記載されている。
特許文献2には、熱劣化・熱酸化劣化性及びフォギング性の改善を目的として、無機充填材を含有するポリプロピレン樹脂にモンモリロナイト及び酸化防止剤が配合されたポリプロピレン樹脂組成物が記載されている。
特許文献3には、VOCの排出の抑制、耐侯性及びガラス曇り防止性能の改良を目的として、樹脂組成物に対して、エチレンと4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの共重合体を配合したポリオレフィン樹脂組成物及びその成形体が記載されている。
近年、使用する樹脂材料に対して、揮発性の有機化合物(Volatile Organic Compounds:略称VOC)の低減が求められるようになってきており、自動車等の車両の内装材料等においてもVOCの少ない樹脂材料の使用が望まれている。
特許文献1〜3に記載の材料においても、揮発性の有機化合物成分の低減が求められている。本発明の目的は、揮発性の有機化合物成分を低減したポリプロピレン樹脂組成物、およびそれを含む成形体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記のオレフィン重合用触媒を用いて製造されるプロピレン重合体(成分(A))と、前記成分(A)100重量部に対して、下記の化合物(成分(B))0.01〜0.5重量部と、前記成分(A)100重量部に対して、ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))0.01〜0.5重量部とを含むポリプロピレン樹脂組成物に係るものである。
オレフィン重合用触媒:チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(成分(a))と、有機アルミニウム化合物(成分(b))と、下記の式(1)で表される化合物(成分(c))とを接触させて得られるオレフィン用重合触媒。
(1)
(式中、Raは、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RbおよびRcは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RdおよびReは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、Rfは炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RgおよびRhは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表し、Ri、Rj、Rk、Rl、RmおよびRnは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表す。)
化合物(成分(B)):下記の化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記のアルコキシ化体、下記の式(3)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコースおよびフルクトースからなる化合物群。
アルコキシ化体:下記の式(2)で表される化合物に含まれる水酸基の少なくとも1個が炭素数1〜12のアルキル基でアルコキシ化された化合物であり、該式(2)で表される化合物は、分子内にアルデヒド基またはケトン基1個とm−1個の水酸基とを有する化合物である。
CmH2mOm (2)
(式(2)中、mは3以上の整数を表す。)
(3)
(式(3)中、pは2以上の整数を表す。)
オレフィン重合用触媒:チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(成分(a))と、有機アルミニウム化合物(成分(b))と、下記の式(1)で表される化合物(成分(c))とを接触させて得られるオレフィン用重合触媒。
(1)
(式中、Raは、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RbおよびRcは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RdおよびReは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、Rfは炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RgおよびRhは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表し、Ri、Rj、Rk、Rl、RmおよびRnは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表す。)
化合物(成分(B)):下記の化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記のアルコキシ化体、下記の式(3)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコースおよびフルクトースからなる化合物群。
アルコキシ化体:下記の式(2)で表される化合物に含まれる水酸基の少なくとも1個が炭素数1〜12のアルキル基でアルコキシ化された化合物であり、該式(2)で表される化合物は、分子内にアルデヒド基またはケトン基1個とm−1個の水酸基とを有する化合物である。
CmH2mOm (2)
(式(2)中、mは3以上の整数を表す。)
(3)
(式(3)中、pは2以上の整数を表す。)
また、本発明は、上記のポリプロピレン樹脂組成物を含む成形体に係るものである。
本発明によれば、揮発性の有機化合物成分を低減したポリプロピレン樹脂組成物を得ることができる。
1.ポリプロピレン樹脂組成物
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、下記のオレフィン重合用触媒を用いて製造されるプロピレン重合体(以下、「成分(A)」と記載することがある。)と、前記成分(A)100重量部に対して、下記の化合物(以下、「成分(B)」と記載することがある。)0.01〜0.5重量部と、前記成分(A)100重量部に対して、ヒドロキシフェニル基を有する化合物(以下、「成分(C)」と記載することがある。)0.01〜0.5重量部とを含む。
オレフィン重合用触媒:チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(以下、「成分(a)」と記載することがある。)と、有機アルミニウム化合物(以下、「成分(b)」と記載することがある。)と、下記の式(1)で表される化合物(以下、「成分(c)」と記載することがある。)とを接触させて得られるオレフィン用重合触媒。
(1)
(式中、Raは、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RbおよびRcは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RdおよびReは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、Rfは炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RgおよびRhは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表し、Ri、Rj、Rk、Rl、RmおよびRnは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表す。)
化合物(成分(B)):下記化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記アルコキシ化体、下記の式(3)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコースおよびフルクトースからなる化合物群。
アルコキシ化体:下記の式(2)で表される化合物に含まれる水酸基の少なくとも1個が炭素数1〜12のアルキル基でアルコキシ化された化合物であり、該式(2)で表される化合物は、分子内にアルデヒド基またはケトン基1個とm−1個の水酸基とを有する化合物である。
CmH2mOm (2)
(式(2)中、mは3以上の整数を表す。)
(3)
(式(3)中、pは2以上の整数を表す。)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、下記のオレフィン重合用触媒を用いて製造されるプロピレン重合体(以下、「成分(A)」と記載することがある。)と、前記成分(A)100重量部に対して、下記の化合物(以下、「成分(B)」と記載することがある。)0.01〜0.5重量部と、前記成分(A)100重量部に対して、ヒドロキシフェニル基を有する化合物(以下、「成分(C)」と記載することがある。)0.01〜0.5重量部とを含む。
オレフィン重合用触媒:チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(以下、「成分(a)」と記載することがある。)と、有機アルミニウム化合物(以下、「成分(b)」と記載することがある。)と、下記の式(1)で表される化合物(以下、「成分(c)」と記載することがある。)とを接触させて得られるオレフィン用重合触媒。
(1)
(式中、Raは、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RbおよびRcは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RdおよびReは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、Rfは炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RgおよびRhは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表し、Ri、Rj、Rk、Rl、RmおよびRnは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表す。)
化合物(成分(B)):下記化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記アルコキシ化体、下記の式(3)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコースおよびフルクトースからなる化合物群。
アルコキシ化体:下記の式(2)で表される化合物に含まれる水酸基の少なくとも1個が炭素数1〜12のアルキル基でアルコキシ化された化合物であり、該式(2)で表される化合物は、分子内にアルデヒド基またはケトン基1個とm−1個の水酸基とを有する化合物である。
CmH2mOm (2)
(式(2)中、mは3以上の整数を表す。)
(3)
(式(3)中、pは2以上の整数を表す。)
<プロピレン重合体(成分(A))>
本発明で用いられるプロピレン重合体(成分(A))とは、プロピレン単独重合体又はプロピレンと他のモノマーとの共重合体をいう。これらは単独で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。前記共重合体としては、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、プロピレン単独重合体成分又はプロピレンに由来する構造単位を主要な構造単位とする重合体成分(以下、「重合体成分(I)」と記載することがある。)と、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンとの共重合体成分(以下、「重合体成分(II)」と記載することがある。)とからなる重合材料等が挙げられる。
本発明で用いられるプロピレン重合体(成分(A))とは、プロピレン単独重合体又はプロピレンと他のモノマーとの共重合体をいう。これらは単独で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。前記共重合体としては、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、プロピレン単独重合体成分又はプロピレンに由来する構造単位を主要な構造単位とする重合体成分(以下、「重合体成分(I)」と記載することがある。)と、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンとの共重合体成分(以下、「重合体成分(II)」と記載することがある。)とからなる重合材料等が挙げられる。
成分(A)は、ポリプロピレン樹脂組成物の引張強度と耐衝撃性のバランスの観点から、13C−NMRで測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率(以下、「[mmmm]分率」と記載することがある。)が0.97以上であることが好ましく、0.98以上であることがより好ましい。ここでいうアイソタクチック・ペンタッド分率とは、A.ZambelliらによってMacromolecules、1973年、6号,925ページ〜926ページに発表されている方法、すなわち13C−NMRを使用して測定される結晶性ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。ただし、NMR吸収ピークの帰属に関しては、その後発刊されたMacromolecules、1975年、8号、687ページ〜689ページに基づいて行うものである。[mmmm]分率の理論的な上限値は1.00である。アイソタク[mmmm]分率が1.00に近いほど、成分(A)は高い立体規則性を示す分子構造を有する高結晶性の重合体であることを表す指標である。
また、成分(A)が上記ランダム共重合体又は重合体成分(I)と、重合体成分(II)とからなる重合材料の場合には、共重合体中のプロピレン単位の連鎖について測定される値を用いる。
また、成分(A)が上記ランダム共重合体又は重合体成分(I)と、重合体成分(II)とからなる重合材料の場合には、共重合体中のプロピレン単位の連鎖について測定される値を用いる。
成分(A)の230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFR)は、得られる成形体の引張強度と耐衝撃性のバランス、樹脂組成物の成形加工性の観点から、0.05〜500g/10分であることが好ましく、1〜120g/10分であることがより好ましく、1〜80g/10分であることが更に好ましく、5〜50g/10分であることが特に好ましい。
上記ランダム共重合体としては、例えば、プロピレンに由来する構造単位と、エチレンに由来する構造単位とからなるランダム共重合体;プロピレンに由来する構造単位と、プロピレン以外のα−オレフィンに由来する構造単位とからなるランダム共重合体;プロピレンに由来する構造単位と、エチレンに由来する構造単位と、プロピレン以外のα−オレフィンに由来する構造単位とからなるランダム共重合体が挙げられる。
上記ランダム共重合体を構成するプロピレン以外のα−オレフィンとしては、炭素数4〜10のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンである。
上記ランダム共重合体を構成するプロピレン以外のα−オレフィンとしては、炭素数4〜10のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンである。
プロピレンに由来する構造単位と、α−オレフィンに由来する構造単位とからなるランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム、プロピレン−1−デセンランダム共重合体等が挙げられる。
プロピレンに由来する構造単位と、エチレンに由来する構造単位と、α−オレフィンに由来する構造単位とからなるランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン、プロピレン−エチレン−1−デセン共重合体等が挙げられる。
プロピレンに由来する構造単位と、エチレンに由来する構造単位と、α−オレフィンに由来する構造単位とからなるランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン、プロピレン−エチレン−1−デセン共重合体等が挙げられる。
ランダム共重合体中のエチレン及び/又はα−オレフィンに由来する構造単位の含有量は、0.1〜40重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましく、2〜15重量%であることが更に好ましい。そして、プロピレンに由来する構造単位の含有量は99.9〜60重量%であることが好ましく、99.9〜70重量%であることがより好ましく、98〜85重量%であることが更に好ましい(但し、ランダム共重合体の全重量を100重量%とする。)。
重合体成分(I)におけるプロピレンに由来する構造単位を主要な構造単位とする重合体成分としては、例えば、エチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位と、プロピレンに由来する構造単位とからなるプロピレン共重合体成分が挙げられる。
重合体成分(I)が、プロピレンに由来する構造単位を主要な構造単位とする重合体成分である場合、エチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位の含有量は、0.01重量%以上20重量%未満である(但し、重合体成分(I)の重量を100重量%とする)。
炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンであり、より好ましくは、1−ブテンである。
炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンであり、より好ましくは、1−ブテンである。
プロピレンに由来する構造単位を主要な構造単位とする重合体成分としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分等が挙げられる。
重合体成分(I)としては、好ましくは、プロピレン単独重合体成分、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分である。
重合体成分(I)としては、好ましくは、プロピレン単独重合体成分、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分である。
重合体成分(II)としては、好ましくは、エチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位と、プロピレンに由来する構造単位とを有する共重合体成分である。
重合体成分(II)に含有されるエチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する単位の含有量は、好ましくは、20〜80重量%であり、より好ましくは、20〜60重量%であり、更に好ましくは、30〜60重量%である(但し、重合体成分(II)の重量を100重量%とする)。
重合体成分(II)に含有されるエチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する単位の含有量は、好ましくは、20〜80重量%であり、より好ましくは、20〜60重量%であり、更に好ましくは、30〜60重量%である(但し、重合体成分(II)の重量を100重量%とする)。
重合体成分(II)を構成する炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、前記重合体成分(I)を構成する炭素数4〜10のα−オレフィンと同様のα−オレフィンが挙げられる。
重合体成分(II)としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−デセン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−1−デセン共重合体成分等が挙げられ、好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分であり、より好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体成分である。
重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料の重合体成分(II)の含有量は1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、10〜40重量%であることが更に好ましく、10〜30重量%であることが特に好ましい(但し、プロピレン重合体(成分(A))の重量を100重量%とする)。
重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなるプロピレン共重合体の重合体成分(I)がプロピレン単独重合体成分の場合、該プロピレン共重合体としては、例えば、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−オクテン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−デセン)共重合体等が挙げられる。
また、重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料の重合体成分(I)がプロピレンに由来する構造単位を主要な構造単位とする重合体成分の場合、重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなるプロピレン共重合体としては、例えば、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−オクテン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−デセン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−デセン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−オクテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−デセン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−デセン)共重合体、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合体、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−デセン)共重合体、(プロピレン−1−オクテン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合体、(プロピレン−1−オクテン)−(プロピレン−1−デセン)共重合体等が挙げられる。
重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなるプロピレン共重合体として、好ましくは、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体または(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体であり、より好ましくは、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体である。
重合体成分(I)の135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η]I)は、0.1〜5dl/gであり、好ましくは、0.3〜4dl/gであり、より好ましくは、0.5〜3dl/gである。
重合体成分(II)の135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η]II)は1〜20dl/gであり、好ましくは、1〜10dl/gであり、より好ましくは、2〜7dl/gである。
また、重合体成分(I)の極限粘度([η]I)に対する重合体成分(II)の極限粘度([η]II)の比は、好ましくは、1〜20であり、より好ましくは、2〜10であり、更に好ましくは、2〜9である。
なお、本発明における極限粘度(単位:dl/g)は、以下の方法によって、テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定される値である。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1dl/g、0.2dl/g及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定する。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1dl/g、0.2dl/g及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定する。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。
プロピレン重合体(成分(A))が重合体成分(I)と重合体成分(II)とを多段重合させて得られる重合材料である場合、前段の重合槽から一部抜き出した重合体パウダーから重合体成分(I)又は重合体成分(II)の極限粘度を求め、この極限粘度の値と各成分の含有量を用いて残りの成分の極限粘度を算出する。
また、重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなるプロピレン共重合体が、重合体成分(I)が前段の重合工程で得られ、重合体成分(II)が後段の工程で得られる方法によって製造される共重合体である場合、重合体成分(I)及び重合体成分(II)の含有量、極限粘度([η]Total、[η]I、[η]II)の測定及び算出の手順は、以下のとおりである。なお、極限粘度([η]Total)は、プロピレン重合体(成分(A))の全体の極限粘度を示す。
前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度([η]I)、後段の重合工程後の最終重合体(成分(I)と成分(II))の前記の方法で測定した極限粘度([η]Total)、最終重合体に含有される重合体成分(II)の含有量から、重合体成分(II)の極限粘度[η]IIを、下記式から計算する。
[η]II=([η]Total−[η]I×FI)/FII
[η]Total:後段重合工程後の最終重合体の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段重合工程後に重合槽より抜き出した重合体パウダーの極限粘度(dl/
g)
FI:プロピレン重合体(成分(A))全体に対する重合体成分(I)の重量比
FII:プロピレン重合体(成分(A))全体に対する重合体成分(II)の重量比
尚、FI、FIIは重合時の物質収支から求める。
[η]II=([η]Total−[η]I×FI)/FII
[η]Total:後段重合工程後の最終重合体の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段重合工程後に重合槽より抜き出した重合体パウダーの極限粘度(dl/
g)
FI:プロピレン重合体(成分(A))全体に対する重合体成分(I)の重量比
FII:プロピレン重合体(成分(A))全体に対する重合体成分(II)の重量比
尚、FI、FIIは重合時の物質収支から求める。
プロピレン重合体(成分(A))全体に対する重合体成分(II)の重量比(FII)、および、プロピレン重合体(成分(A))中の重合体成分(II)のコモノマーに由来する単位の含有量((Cα´)II)は、プロピレン重合体(成分(A))の13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982、15、1150−1152)に基づいて求めることが出来る。
また、上記以外に、プロピレン重合体(成分(A))全体に対する重合体成分(II)の重量比(FII)は、プロピレン単独重合体成分とプロピレン重合体(成分(A))全体の結晶融解熱量をそれぞれ測定し、次式を用いて計算により求めることもできる。結晶融解熱量は、示差走査型熱分析(DSC)により測定できる。
FII=1−(ΔHf)Total/(ΔHf)
(ΔHf)Total:ブロピレン重合体(A)全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf):プロピレン単独重合体成分の融解熱量(cal/g)
FII=1−(ΔHf)Total/(ΔHf)
(ΔHf)Total:ブロピレン重合体(A)全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf):プロピレン単独重合体成分の融解熱量(cal/g)
プロピレン重合体(成分(A))中の重合体成分(II)のコモノマーに由来する単位の含有量((Cα´)II)を求める方法として、上記以外にも、赤外線吸収スペクトル法によりプロピレン重合体(A)全体のコモノマーに由来する単位の含有量((Cα´)Total)を測定し、次式を用いて計算により求めることができる。
(Cα´)II=(Cα´)Total/FII
(Cα´)Total:プロピレン重合体(成分(A))全体のコモノマーに由来する単位の含有量(重量%)
(Cα´)II:重合体成分(II)のコモノマーに由来する単位の含有量(重量%)
(Cα´)II=(Cα´)Total/FII
(Cα´)Total:プロピレン重合体(成分(A))全体のコモノマーに由来する単位の含有量(重量%)
(Cα´)II:重合体成分(II)のコモノマーに由来する単位の含有量(重量%)
本発明のプロピレン重合体(成分(A))は、特定のオレフィン重合用触媒を用いて製造することにより得られる。
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、成分(a)と、成分(b)と、成分(c)とを接触させて得られる。
<固体触媒成分(成分(a))>
成分(a)は、チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する公知の如何なる固体触媒成分であってもよい。成分(a)として、特公昭46−34092号公報、特公昭47−41676号公報、特公昭55−23561号公報、特公昭57−24361号公報、特公昭52−39431号公報、特公昭52−36786号公報、特公平1−28049号公報、特公平3−43283号公報、特開平4−80044号公報、特開昭55−52309号公報、特開昭58−21405号公報、特開昭61−181807号公報、特開昭63−142008号公報、特開平5−339319号公報、特開昭54−148093号公報、特開平4−227604号公報、特開平6−2933号公報、特開昭64−6006号公報、特開平6−179720号公報、特公平7−116252号公報、特開平8−134124号公報、特開平9−31119号公報、特開平11−228628号公報、特開平11−80234号公報および特開平11−322833号公報に記載された固体触媒成分を例示することができる。
成分(a)は、チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する公知の如何なる固体触媒成分であってもよい。成分(a)として、特公昭46−34092号公報、特公昭47−41676号公報、特公昭55−23561号公報、特公昭57−24361号公報、特公昭52−39431号公報、特公昭52−36786号公報、特公平1−28049号公報、特公平3−43283号公報、特開平4−80044号公報、特開昭55−52309号公報、特開昭58−21405号公報、特開昭61−181807号公報、特開昭63−142008号公報、特開平5−339319号公報、特開昭54−148093号公報、特開平4−227604号公報、特開平6−2933号公報、特開昭64−6006号公報、特開平6−179720号公報、特公平7−116252号公報、特開平8−134124号公報、特開平9−31119号公報、特開平11−228628号公報、特開平11−80234号公報および特開平11−322833号公報に記載された固体触媒成分を例示することができる。
成分(a)として、チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子の他に、さらに内部電子供与体をも含有する固体触媒成分が好ましい。該内部電子供与体としては、後述の有機酸のエステル類もしくはエーテル類が好ましい。成分(a)の製造方法として、以下(1)〜(5)の方法を例示することができる。
(1)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触させる方法。
(2)ハロゲン化マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合物とを接触させる方法。
(3)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを電子供与性溶媒に溶解させて溶液を得、次いで、該溶液を担体物質に含浸させる方法。
(4)ジアルコキシマグネシウム化合物と、ハロゲン化チタン化合物と、電子供与体とを接触させる方法。
(5)マグネシウム原子、チタン原子および炭化水素オキシ基を含有する固体成分(以下、「成分(x)」と記載することがある。)と、ハロゲン化化合物(以下、「成分(y)」と記載することがある。)と、内部電子供与体(以下、「成分(z)」と記載することがある。)とを接触させる方法。
中でも、成分(x)と、成分(y)と、成分(z)とを接触させる方法(5)が好ましい。
(1)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触させる方法。
(2)ハロゲン化マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合物とを接触させる方法。
(3)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを電子供与性溶媒に溶解させて溶液を得、次いで、該溶液を担体物質に含浸させる方法。
(4)ジアルコキシマグネシウム化合物と、ハロゲン化チタン化合物と、電子供与体とを接触させる方法。
(5)マグネシウム原子、チタン原子および炭化水素オキシ基を含有する固体成分(以下、「成分(x)」と記載することがある。)と、ハロゲン化化合物(以下、「成分(y)」と記載することがある。)と、内部電子供与体(以下、「成分(z)」と記載することがある。)とを接触させる方法。
中でも、成分(x)と、成分(y)と、成分(z)とを接触させる方法(5)が好ましい。
<固体成分(成分(x))>
成分(x)として、好ましくは、少なくとも20重量%以上の炭化水素オキシ基を含有する固体状物質であり、より好ましくは、25重量%以上の炭化水素オキシ基を含有する固体状物質である。具体的には、Si−O結合を有するケイ素化合物(d)の存在下に、下記の式(6)で表されるチタン化合物(e)を、有機マグネシウム化合物(f)で還元して得られる固体生成物が好ましい。このとき任意成分としてエステル化合物(g)を共存させると、重合活性や立体規則性重合能がさらに向上するため好ましい。
(6)
(式中、rは1〜20の数を表し、R11は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。X1は、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのX1は同一であっても異なっていてもよい。)
成分(x)として、好ましくは、少なくとも20重量%以上の炭化水素オキシ基を含有する固体状物質であり、より好ましくは、25重量%以上の炭化水素オキシ基を含有する固体状物質である。具体的には、Si−O結合を有するケイ素化合物(d)の存在下に、下記の式(6)で表されるチタン化合物(e)を、有機マグネシウム化合物(f)で還元して得られる固体生成物が好ましい。このとき任意成分としてエステル化合物(g)を共存させると、重合活性や立体規則性重合能がさらに向上するため好ましい。
(6)
(式中、rは1〜20の数を表し、R11は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。X1は、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのX1は同一であっても異なっていてもよい。)
Si−O結合を有するケイ素化合物(d)としては、下記の一般式で表わされるものが挙げられる。
Si(OR12)sR13 4-s
R14(R15 2SiO)tSiR16 3、または、
(R17 2SiO)u
ここにR12は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R13、R14、R15、R16およびR17はそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。sは0<s≦4を満足する数を表し、tは1〜1000の数を表し、uは2〜1000の数を表す。
Si(OR12)sR13 4-s
R14(R15 2SiO)tSiR16 3、または、
(R17 2SiO)u
ここにR12は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R13、R14、R15、R16およびR17はそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。sは0<s≦4を満足する数を表し、tは1〜1000の数を表し、uは2〜1000の数を表す。
かかるケイ素化合物(d)の具体例としては、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、テトライソプロポキシシラン、ジイソプロポキシ−ジイソプロピルシラン、テトラプロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ヘキサメチルジシロヘキサン、ヘキサエチルジシロヘキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン等を例示することができる。
これらのケイ素化合物のうち好ましいものは一般式Si(OR12)sR13 4-sで表わされるアルコキシシラン化合物であり、その場合tは好ましくは1≦s≦4を満足する数であり、特にs=4のテトラアルコキシシランが好ましく、最も好ましくはテトラエトキシシランである。
これらのケイ素化合物のうち好ましいものは一般式Si(OR12)sR13 4-sで表わされるアルコキシシラン化合物であり、その場合tは好ましくは1≦s≦4を満足する数であり、特にs=4のテトラアルコキシシランが好ましく、最も好ましくはテトラエトキシシランである。
上記の式(6)において、R11の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プロペニル基等のアリル基、ベンジル基等のアラルキル基等が例示される。これらの基のうち炭素数2〜18のアルキル基または炭素数6〜18のアリール基が好ましい。特に炭素数2〜18の直鎖状アルキル基が好ましい。
X1におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
特に塩素原子が好ましい。X1における炭素数1〜20の炭化水素オキシ基は、R11と同様の炭素数1〜20の炭化水素基を有する炭化水素オキシ基である。X1として特に好ましくは、炭素数2〜18の直鎖状アルキル基を有するアルコキシ基が好ましい。
特に塩素原子が好ましい。X1における炭素数1〜20の炭化水素オキシ基は、R11と同様の炭素数1〜20の炭化水素基を有する炭化水素オキシ基である。X1として特に好ましくは、炭素数2〜18の直鎖状アルキル基を有するアルコキシ基が好ましい。
上記の一般式(6)で表されるチタン化合物におけるrは1〜20の数を表し、好ましくは1≦r≦5を満足する数である。
かかるチタン化合物(e)の具体例を挙げると、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−iso−ブトキシチタン、n−ブトキシチタントリクロライド、ジ−n−ブトキシチタンジクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロライド、ジ−n−テトライソプロピルポリチタネート(r=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−ブチルポリチタネート(r=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−ヘキシルポリチタネート(r=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−オクチルポリチタネート(r=2〜10の範囲の混合物)が挙げられる。また、テトラアルコキシチタンに少量の水を反応して得られるテトラアルコキシチタンの縮合物を挙げることもできる。
チタン化合物(e)として好ましくは、上記の式(6)で表されるチタン化合物におけるrが1、2または4であるチタン化合物である。特に好ましくは、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブチルチタニウムダイマーまたはテトラ−n−ブチルチタニウムテトラマーである。なお、チタン化合物(e)は複数種を混合した状態で用いることも可能である。
有機マグネシウム化合物(f)は、マグネシウム−炭素の結合を有する任意の型の有機マグネシウム化合物である。特に一般式R18MgX2(式中、Mgはマグネシウム原子を、R18は炭素数1〜20の炭化水素基を、X2はハロゲン原子を表わす。)で表わされるグリニャール化合物または一般式R19R20Mg(式中、Mgはマグネシウム原子を、R19およびR20はそれぞれ炭素数1〜20の炭化水素基を表わす。)で表わされるジハイドロカルビルマグネシウムが好適に使用される。ここでR19とR20は同一でも異なっていてもよい。R18〜R20の具体例としてはそれぞれ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等の炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基が挙げられる。特にR18MgX2で表されるグリニャール化合物をエーテル溶液で使用することが触媒性能の点から好ましい。
上記の有機マグネシウム化合物と、炭化水素に該有機マグネシウム化合物を可溶化する有機金属との炭化水素可溶性錯体を使用することもできる。有機金属化合物の例としては、Li、Be、B、AlまたはZnの化合物が挙げられる。
エステル化合物(g)としては、モノまたは多価のカルボン酸エステルが用いられ、それらの例として飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルを挙げることができる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル等を挙げることができる。
これらのエステル化合物のうち、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル等の不飽和脂肪族カルボン酸エステルまたはフタル酸エステル等の芳香族カルボン酸エステルが好ましく、特にフタル酸のジアルキルエステルが好ましく用いられる。
成分(x)は、ケイ素化合物(d)の存在下、あるいはケイ素化合物(d)およびエステル化合物(g)の存在下、チタン化合物(e)を有機マグネシウム化合物(f)で還元して得られる。
チタン化合物(e)、ケイ素化合物(d)およびエステル化合物(g)は適当な溶媒に溶解もしくは希釈して使用するのが好ましい。かかる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物が挙げられる。
還元反応温度として、好ましくは、−50〜70℃であり、より好ましくは、−30〜50℃であり、更に好ましくは、−25〜35℃である。反応時間として、好ましくは、30分〜6時間である。その後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
また還元反応の際に、無機酸化物、有機ポリマー等の多孔質担体を共存させ、固体生成物を多孔質担体に含浸させることも可能である。用いられる多孔質担体としては、公知のものでよい。SiO2、Al2O3、MgO、TiO2、ZrO2等に代表される多孔質無機酸化物、あるいはポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−エチレングリコール−ジメタクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機多孔質ポリマー等を挙げることができる。これらのうち、好ましくは有機多孔質ポリマーが用いられ、中でもスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、またはアクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体が特に好ましい。
多孔質担体は、細孔半径200〜2000Åにおける細孔容量が好ましくは0.3cc/g以上、より好ましくは0.4cc/g以上であり、かつ該範囲の細孔容量は、細孔半径35〜75000Åにおける細孔容量の好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。多孔質担体の細孔容量が小さいと触媒成分を有効に固定化することができないことがあり、好ましくない。また、多孔質担体の細孔容量が0.3cc/g以上であっても、それが200〜2000Åの細孔半径に十分存在するものでなければ触媒成分を有効に固定化することができない場合があり、好ましくない。
ケイ素化合物(d)の使用量は、チタン化合物(e)中のチタン原子に対するケイ素原子の原子比で、好ましくは、Si/Ti=1〜500であり、より好ましくは、1〜300であり、更に好ましくは、3〜100である。さらに、有機マグネシウム化合物(f)の使用量は、チタン原子とケイ素原子の和とマグネシウム原子の原子比で、好ましくは、(Ti+Si)/Mg=0.1〜10であり、より好ましくは、0.2〜5.0であり、更に好ましくは、0.5〜2.0である。また、成分(x)においてMg/Tiのモル比の値が、好ましくは、1〜51であり、より好ましくは、2〜31であり、更に好ましくは、4〜26になるようにチタン化合物(e)、ケイ素化合物(d)、有機マグネシウム化合物(f)の使用量を決定してもよい。また、任意成分のエステル化合物(g)の使用量は、チタン化合物(ロ)のチタン原子に対するエステル化合物のモル比で、好ましくは、エステル化合物/Ti=0.05〜100であり、より好ましくは、0.1〜60であり、更に好ましくは、0.2〜30である。
還元反応で得られた固体生成物は通常、固液分離し、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の不活性炭化水素溶媒で数回洗浄を行う。このようにして得られた成分(x)は三価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性もしくは極めて弱い結晶性を示す。触媒性能の点から、特に非晶性の構造が好ましい。
<ハロゲン化化合物(成分(y))>
成分(y)としては、成分(x)中の炭化水素オキシ基をハロゲン原子に置換し得る化合物が好ましい。中でも、第4族元素のハロゲン化合物、第13族元素のハロゲン化合物、または第14族元素のハロゲン化合物が好ましい。
成分(y)としては、成分(x)中の炭化水素オキシ基をハロゲン原子に置換し得る化合物が好ましい。中でも、第4族元素のハロゲン化合物、第13族元素のハロゲン化合物、または第14族元素のハロゲン化合物が好ましい。
第4族元素のハロゲン化合物としては、一般式M(OR21)vX3 4-v(式中、Mは第4族元素を表し、R21は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、X3はハロゲン原子を表し、vは0≦v<4を満足する数を表す。)で表されるハロゲン化合物が好ましい。Mの具体例としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられ、なかでもチタンが好ましい。R21の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、tert−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシレル基、ナフチル基等のアリール基、プロペニル基等のアリル基、ベンジル基等のアラルキル基等が例示される。これらの中で炭素数2〜18のアルキル基または炭素数6〜18のアリール基が好ましい。特に炭素数2〜18の直鎖状アルキル基が好ましい。また、2種以上の異なるOR21基を有する第4族元素のハロゲン化合物を用いることも可能である。
X3で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。この中で、特に塩素原子が好ましい結果を与える。
一般式M(OR21)vX3 4-vで表される第4族元素のハロゲン化合物のbは、0≦v<4を満足する数であり、好ましくは、0≦b≦2を満足する数であり、より好ましくは、v=0である。
具体的には、一般式M(OR21)vX3 4-vで表されるチタン化合物としては、四塩化チタン、四臭化チタン、四沃化チタン等のテトラハロゲン化チタン、メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、ブトキシチタントリクロライド、フェノキシチタントリクロライド、エトキシチタントリブロマイド等のトリハロゲン化アルコキシチタン、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジブトキシチタンジクロライド、ジフェノキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジブロマイド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン、それぞれに対応したジルコニウム化合物、ハフニウム化合物を挙げることができる。好ましくは四塩化チタンである。
第13族元素または第14族元素のハロゲン化合物としては、一般式MR22 j-kX4 k(式中、Mは第13族または第14族原子を、R22は炭素数が1〜20の炭化水素基を、X4はハロゲン原子を、jはMの原子価を表す。kは0<k≦jを満足する数を表す)で表される化合物が好ましい。ここでいう第13族の原子としてはB、Al、Ga、In、Tlが挙げられ、BまたはAlが好ましく、Alがより好ましい。また、第14族の原子としてはC、Si、Ge、Sn、Pbが挙げられ、Si、GeまたはSnが好ましく、SiまたはSnがより好ましい。
jはMの原子価であり、例えばMがSiのときj=4である。cは0<k≦jを満足する数を表し、MがSiのときkは好ましくは3または4である。X4で表されるハロゲン原子としてF、Cl、Br、Iが挙げられ、Clが好ましい。
R22の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プロペニル基等のアルケニル基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。好ましいR22はアルキル基またはアリール基であり、特に好ましいR22はメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、フェニル基またはパラトリル基である。
第13族元素のハロゲン化合物として具体的には、トリクロロボロン、メチルジクロロボロン、エチルジクロロボロン、フェニルジクロロボロン、シクロヘキシルジクロロボロン、ジメチルクロロボロン、メチルエチルクロロボロン、トリクロロアルミニウム、メチルジクロロアルミニウム、エチルジクロロアルミニウム、フェニルジクロロアルミニウム、シクロヘキシルジクロロアルミニウム、ジメチルクロロアルミニウム、ジエチルクロロアルミニウム、メチルエチルクロロアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロライド、ガリウムクロライド、ガリウムジクロライド、トリクロロガリウム、メチルジクロロガリウム、エチルジクロロガリウム、フェニルジクロロガリウム、シクロヘキシルジクロロガリウム、ジメチルクロロガリウム、メチルエチルクロロガリウム、インジウムクロライド、インジウムトリクロライド、メチルインジウムジクロライド、フェニルインジウムジクロライド、ジメチルインジウムクロライド、タリウムクロライド、タリウムトリクロライド、メチルタリウムジクロライド、フェニルタリウムジクロライド、ジメチルタリウムクロライド等が挙げられ、これら化合物名のクロロをフルオロ、ブロモ、またはヨードに変更した化合物も挙げられる。
第14族元素のハロゲン化合物として具体的には、テトラクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロメタン、モノクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、ノルマルブチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、パラトリルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、ジクロロシラン、メチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、モノクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、テトラクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、メチルトリクロロゲルマン、エチルトリクロロゲルマン、フェニルトリクロロゲルマン、ジクロロゲルマン、ジメチルジクロロゲルマン、ジエチルジクロロゲルマン、ジフェニルジクロロゲルマン、モノクロロゲルマン、トリメチルクロロゲルマン、トリエチルクロロゲルマン、トリノルマルブチルクロロゲルマン、テトラクロロ錫、メチルトリクロロ錫、ノルマルブチルトリクロロ錫、ジメチルジクロロ錫、ジノルマルブチルジクロロ錫、ジイソブチルジクロロ錫、ジフェニルジクロロ錫、ジビニルジクロロ錫、メチルトリクロロ錫、フェニルトリクロロ錫、ジクロロ鉛、メチルクロロ鉛、フェニルクロロ鉛等が挙げられ、これら化合物名のクロロをフルオロ、ブロモ、またはヨードに変更した化合物も挙げられる。
成分(y)として、テトラクロロチタン、メチルジクロロアルミニウム、エチルジクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン又はテトラクロロ錫が、重合活性の観点から、好ましい。成分(y)として、上記化合物の中の1種類のみを用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
<内部電子供与体(成分(z))>
本発明では成分(a)の調製において成分(z)を用いた接触処理が適宜可能である。成分(z)との接触処理により高い立体規則性重合能を付与することができる場合がある。成分(z)としては、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、有機酸または無機酸の酸アミド類、酸無水物、酸ハライド類等の含酸素電子供与性化合物、アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与性化合物を挙げることができる。これらの電子供与性化合物のうち好ましくは有機酸のエステル類および/またはエーテル類であり、より好ましくはカルボン酸エステル類、もしくは、酸ハライド類(以下、「成分(z1)と記載することがある。)および/またはエーテル類(以下、「成分(z2)」と記載することがある。)である。
本発明では成分(a)の調製において成分(z)を用いた接触処理が適宜可能である。成分(z)との接触処理により高い立体規則性重合能を付与することができる場合がある。成分(z)としては、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、有機酸または無機酸の酸アミド類、酸無水物、酸ハライド類等の含酸素電子供与性化合物、アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与性化合物を挙げることができる。これらの電子供与性化合物のうち好ましくは有機酸のエステル類および/またはエーテル類であり、より好ましくはカルボン酸エステル類、もしくは、酸ハライド類(以下、「成分(z1)と記載することがある。)および/またはエーテル類(以下、「成分(z2)」と記載することがある。)である。
成分(z)のカルボン酸エステル類の例としては、モノおよび多価のカルボン酸エステルが挙げられ、それらの例として飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルを挙げることができる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル等を挙げることができる。
これらのカルボン酸エステル類のうち、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル等の不飽和脂肪族カルボン酸エステルまたは安息香酸エステル、フタル酸エステル等の芳香族カルボン酸エステルが好ましく用いられる。より好ましくは、芳香族多価カルボン酸エステルであり、更に好ましくは、フタル酸ジアルキルエステルである。
成分(z1)の有機酸ハライドの例としては、モノまたは多価のカルボン酸ハライドが用いられ、それらの例として脂肪族カルボン酸ハライド、脂環式カルボン酸ハライド、芳香族カルボン酸ハライドを挙げることができる。具体例としては、アセチルクロライド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、吉草酸クロライド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、安息香酸クロライド、トルイル酸クロライド、アニス酸クロライド、コハク酸クロライド、マロン酸クロライド、マレイン酸クロライド、イタコン酸クロライド、フタル酸クロライド等を挙げることができる。これらのうち、安息香酸クロライド、トルイル酸クロライド、フタル酸クロライド等の芳香族カルボン酸クロライドが好ましく、さらに好ましくは芳香族ジカルボン酸ジクロライドであり、特にフタル酸クロライドが好ましく用いられる。
成分(z2)の例としては、ジアルキルエーテルおよび下記の式(7)で表されるジエーテル化合物を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上が好適に用いられる。
(7)
(但し、R31〜R34はそれぞれ独立して、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは脂環式のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、R13およびR16はそれぞれ独立して、水素原子であってもよい。)
(7)
(但し、R31〜R34はそれぞれ独立して、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは脂環式のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、R13およびR16はそれぞれ独立して、水素原子であってもよい。)
具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−3,7−ジメチルオクチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ヘプチル−2−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上が好適に用いられる。成分(z2)として、好ましくは、ジアルキルエーテルであり、より好ましくは、ジ−n−ブチルエーテルである。なお、ジ−n−ブチルエーテルは単にジブチルエーテルもしくはブチルエーテルと記載することもある。
<固体触媒成分(成分(a))の調製>
前記の好ましい固体触媒成分(成分(a))は、成分(x)と、成分(y)と、成分(z)とを接触させることにより得られる。これらの接触処理は通常、全て窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で行われる。
前記の好ましい固体触媒成分(成分(a))は、成分(x)と、成分(y)と、成分(z)とを接触させることにより得られる。これらの接触処理は通常、全て窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で行われる。
成分(a)を得る接触処理の具体的な方法としては、
・成分(x)に成分(y)、成分(z)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、
・成分(x)に成分(y)と成分(z)の混合物(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、
・成分(x)に成分(z)を投入し、接触処理した後、成分(y)を投入し、接触処理する方法、
・成分(x)に成分(z)を投入し、接触処理した後、成分(y)、成分(z)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、
・成分(x)に成分(z)を投入し、接触処理した後、成分(y)と成分(z)の混合物を投入し、接触処理する方法、
・成分(y)に成分(x)、成分(z)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、
・成分(y)に成分(x)、成分(z)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、等が挙げられ、また、これら接触処理の後、さらに成分(y)で1回以上接触処理する方法、成分(y)と成分(z)の混合物で1回以上接触処理する方法が挙げられる。
・成分(x)に成分(y)、成分(z)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、
・成分(x)に成分(y)と成分(z)の混合物(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、
・成分(x)に成分(z)を投入し、接触処理した後、成分(y)を投入し、接触処理する方法、
・成分(x)に成分(z)を投入し、接触処理した後、成分(y)、成分(z)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、
・成分(x)に成分(z)を投入し、接触処理した後、成分(y)と成分(z)の混合物を投入し、接触処理する方法、
・成分(y)に成分(x)、成分(z)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、
・成分(y)に成分(x)、成分(z)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法、等が挙げられ、また、これら接触処理の後、さらに成分(y)で1回以上接触処理する方法、成分(y)と成分(z)の混合物で1回以上接触処理する方法が挙げられる。
接触処理は、スラリー法やボールミルなどによる機械的粉砕手段など各成分を接触させうる公知のいかなる方法によっても行なうことができるが、機械的粉砕を行なうと固体触媒成分に微粉が多量に発生し、粒度分布が広くなる場合があり、工業的観点から好ましくない。よって、希釈剤の存在下で両者を接触させるのが好ましい。また、接触処理後は、そのまま次の操作を行うことができるが、余剰物を除去するため、希釈剤により洗浄処理を行うのが好ましい。
希釈剤としては、処理対象成分に対して不活性であることが好ましく、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂環式炭化水素、1,2−ジクロルエタン、モノクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素が使用できる。接触処理における希釈剤の使用量は、一段階の接触処理につき、成分(x)1g当たり、好ましくは、0.1ml〜1000mlであり、より好ましくは、1g当たり、1ml〜100mlである。また、一回の洗浄操作における希釈剤の使用量も同程度である。洗浄処理における洗浄操作の回数は、一段階の接触処理につき通常1〜5回である。
接触処理および/または洗浄処理の温度はそれぞれ、好ましくは、−50〜150℃であり、より好ましくは、0〜140℃であり、更に好ましくは、60〜135℃である。接触処理の時間は特に制限はないが、好ましくは、0.5〜8時間であり、より好ましくは、1〜6時間である。洗浄操作の時間は特に限定されないが、好ましくは、1〜120分であり、より好ましくは、2〜60分である。
成分(y)の使用量は、成分(x)1gに対し、好ましくは、0.5〜1000ミリモルであり、より好ましくは、1〜200ミリモルであり、更に好ましくは、2〜100ミリモルである。また、成分(y)の使用に際しては、成分(z)を共に用いることが好ましい。その場合の成分(y)1モルに対する成分(z)の使用量は、好ましくは、1〜100モルであり、より好ましくは、1.5〜75モルであり、更に好ましくは、2〜50モルである。
成分(z)の使用量は、成分(x)1gに対し、好ましくは、0.01〜100ミリモルであり、より好ましくは、0.05〜50ミリモルであり、更に好ましくは、0.1〜20ミリモルである。
成分(zz)の使用量は、成分(x)1gに対し、好ましくは、0.1〜100ミリモルであり、より好ましくは、0.3〜50ミリモルであり、更に好ましくは、0.5〜20ミリモルである。また、成分(x)中のマグネシウム原子1モル当たりの成分(zz)の使用量は、好ましくは、0.01〜1.0モルであり、より好ましくは、0.03〜0.5モルである。成分(z)や成分(zz)の使用量が過度に多い場合には粒子の崩壊が起こることがある。
なお、それぞれの化合物を複数の回数にわたって使用して接触処理をする場合には、以上に述べた各化合物の使用量はそれぞれ一回ごとかつ一種類の化合物ごとの使用量を表す。
得られた成分(a)は、不活性な希釈剤と組合せてスラリー状態で重合に使用してもよいし、乾燥して得られる流動性の粉末として重合に使用してもよい。乾燥方法としては、減圧条件下揮発成分を除去する方法、窒素、アルゴン等不活性ガスの流通下揮発成分を除去する方法が挙げられる。乾燥時の温度は0〜200℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましい。乾燥時間は、0.01〜20時間であることが好ましく、0.5〜10時間であることがより好ましい。
<有機アルミニウム化合物(成分(b))>
成分(b)としては、例えば、少なくとも分子内に1個のAl−炭素結合を有する有機アルミニウム化合物が挙げられ、好ましくは、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、または、アルキルアルモキサンであり、より好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物またはテトラエチルジアルモキサンである。
成分(b)としては、例えば、少なくとも分子内に1個のAl−炭素結合を有する有機アルミニウム化合物が挙げられ、好ましくは、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、または、アルキルアルモキサンであり、より好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物またはテトラエチルジアルモキサンである。
成分(b)の使用量としては、成分(b)中のAl原子/成分(a)中のTi原子のモル比として、好ましくは、1〜2000であり、より好ましくは、5〜1500であり、成分(c)/成分(b)中のAl原子のモル比として、好ましくは、0.02〜500であり、より好ましくは、0.05〜50である。
<成分(c)>
成分(c)は、下記の式(1)で表される化合物である。
(1)
(式中、Raは、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RbおよびRcは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RdおよびReは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、Rfは炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RgおよびRhは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表し、Ri、Rj、Rk、Rl、RmおよびRnは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表す。)
成分(c)は、下記の式(1)で表される化合物である。
(1)
(式中、Raは、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RbおよびRcは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RdおよびReは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、Rfは炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RgおよびRhは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表し、Ri、Rj、Rk、Rl、RmおよびRnは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表す。)
式(1)におけるRa、RbおよびRcのハイドロカルビル基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられ、これらはハロゲン原子、シリル基等を置換基として有していてもよい。
式(1)におけるRa、RbおよびRcのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、テキシル基および2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基のような環状アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状アルキル基であり、より好ましくは直鎖状もしくは分岐状で炭素数1〜20のアルキル基である。Ra、RbおよびRcのアラルキル基としては、ベンジル基、およびフェネチル基が挙げられ、好ましくは炭素数7〜20のアラルキル基である。Ra、RbおよびRcのアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基が挙げられ、好ましくは炭素数6〜20のアリール基である。Ra、RbおよびRcのアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基、および5−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基である。
式(1)におけるRaとして好ましくは、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、テキシル基および2−エチルヘキシル基である。
式(1)におけるRbおよびRcとして好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜20の直鎖状または分岐状アルキル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、テキシル基および2−エチルヘキシル基である。
式(1)におけるRbおよびRcは、任意に結合して環を形成してもよく、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロへキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロドデカン環を形成することができる。
式(1)におけるRd、ReおよびRfのハイドロカルビル基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられ、これらはハロゲン原子、シリル基等を置換基として有していてもよい。
式(1)におけるRd、ReおよびRfのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、テキシル基および2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基のような環状アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状アルキル基であり、より好ましくは直鎖状もしくは分岐状で炭素数1〜20のアルキル基である。Rd、ReおよびRfのアラルキル基としては、ベンジル基、およびフェネチル基が挙げられ、好ましくは炭素数7〜20のアラルキル基である。Rd、ReおよびRfのアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基が挙げられ、好ましくは炭素数6〜20のアリール基である。Rd、ReおよびRfのアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基、および5−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基である。
式(1)におけるRdとして好ましくは、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、テキシル基および2−エチルヘキシル基である。
式(1)におけるReおよびRfとして好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜20の直鎖状または分岐状アルキル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、テキシル基および2−エチルヘキシル基である。
式(1)におけるReおよびRfは、任意に結合して環を形成してもよく、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロへキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、およびシクロドデカン環のようなシクロアルカン環;ノルボルナン、デカリンのようなビシクロアルカン環およびアダマンタンのようなトリシクロアルカン環を形成することができる。
式(1)におけるRgおよびRhの炭素数1〜5のハイドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、これらはハロゲン原子、シリル基等を置換基として有していてもよい。
式(1)におけるRgおよびRhのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、およびn−ペンチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、およびイソペンチル基のような分岐状アルキル基が挙げられる。RgおよびRhのアルケニル基としては、ビニル基、およびアリル基のような直鎖状アルケニル基が挙げられる。
式(1)におけるRgおよびRhとして好ましくは、炭素数1〜5の直鎖状アルキル基または炭素数2〜5の直鎖状の直鎖状アルケニル基であり、より好ましくは、炭素数1〜5の直鎖状アルキル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基であり、最も好ましくはメチル基である。
式(1)におけるRi、Rj、Rk、Rl、RmおよびRnの炭素数1〜5のハイドロカルビル基としては、アルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、およびn−ペンチル基のような直鎖状アルキル基が挙げられる。
式(1)におけるRi、Rj、Rk、Rl、RmおよびRnとして好ましくは水素原子またはメチル基、エチル基、n−プロピル基であり、より好ましくは水素原子またはメチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
また、式(I)のRgおよびRhに相当するメチル基を、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、またはn−ペンチル基に換えた化合物も挙げることができる。
式(1)で表される化合物(成分(c))の好ましい化合物としては、下記に示す構造の化合物を挙げることができる。
成分(a)と、成分(b)と、成分(c)とを接触させる方法は、オレフィン重合用触媒が生成される限り、特に限定されない。接触は溶媒の存在下または不在下で行われる。これらの接触混合物を重合槽に供給してもよいし、各成分を別々に重合槽に供給して重合槽中で接触させてもよいし、任意の二成分の接触混合物と残りの成分とを別々に重合槽に供給してこれらを重合槽中で接触させてもよい。
本発明に用いるプロピレン重合体(成分(A))を製造するための重合方法は、例えば、バッチ式(ひとつの反応槽に原料を投入して反応させる形式)で行ってもよいし、連続式(複数の反応槽を連結して、各槽で順次反応させる方式)で行ってもよい。また、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンのごとき不活性炭化水素溶媒によるスラリー重合もしくは溶液重合、重合温度において液状のオレフィンを媒体としたバルク重合または気相重合、および、それらを連続的に行うバルク−気相重合法等が挙げられる。
<化合物(成分(B))>
成分(B)は、下記の化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物である。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記のアルコキシ化体、下記の式(3)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコースおよびフルクトースからなる化合物群。
アルコキシ化体:下記の式(2)で表される化合物に含まれる水酸基の少なくとも1個が炭素数1〜12のアルキル基でアルコキシ化された化合物であり、該式(2)で表される化合物は、分子内にアルデヒド基またはケトン基1個とm−1個の水酸基とを有する化合物である。
CmH2mOm (2)
(式(2)中、mは3以上の整数を表す。)
(3)
(式(3)中、pは2以上の整数を表す。)
成分(B)は、下記の化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物である。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記のアルコキシ化体、下記の式(3)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコースおよびフルクトースからなる化合物群。
アルコキシ化体:下記の式(2)で表される化合物に含まれる水酸基の少なくとも1個が炭素数1〜12のアルキル基でアルコキシ化された化合物であり、該式(2)で表される化合物は、分子内にアルデヒド基またはケトン基1個とm−1個の水酸基とを有する化合物である。
CmH2mOm (2)
(式(2)中、mは3以上の整数を表す。)
(3)
(式(3)中、pは2以上の整数を表す。)
一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(以下、「化合物(S1)」と記載することがある。)の一般式中のnは、4以上の整数を表す。nは、好ましくは、5〜8の整数であり、より好ましくは、6である。
化合物(S1)としては、炭素数4以上の糖アルコールがあげられる。例えば、n=4の糖アルコールとして、エリトリトール、トレイトール;n=5の糖アルコールとして、アドニトール、アラビニトール、キシリトール;n=6の糖アルコールとして、アリトール、タリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ガラクチトール;n=7の糖アルコールとして、ボレミトール、ペルセイトール;n=8の糖アルコールとして、オクチトールをあげることができる。
化合物(S1)は、D体またはL体であってもよく、D体とL体の混合物であってもよい。また、光学活性であってもよく、光学不活性であってもよい。
化合物(S1)として、好ましくは、炭素数6の糖アルコールである。
本発明に用いるアルコキシ化体とは、下記の式(2)で表される化合物(以下、「化合物(S2)」と記載することがある。)に含まれる水酸基の少なくとも1個が炭素数1〜12のアルキル基でアルコキシ化された化合物であり、該化合物(S2)は、分子内にアルデヒド基又はケトン基1個とm−1個の水酸基とを有する化合物である。
CmH2mOm (2)
CmH2mOm (2)
化合物(S2)のmは、3以上の整数であり、好ましくは、3〜60であり、より好ましくは6又は12である。
化合物(S2)は、分子内にアルデヒド基又はケトン基を1個有している。また、化合物(S2)はm−1個の水酸基を有する。
化合物(S2)としては、単糖が好ましく、具体的には、例えば、グリセロース、エリトロース、トレオース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アルドヘキソース、アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、オクトースなどのアルデヒド基を有する単糖、例えば、ケトトリオース、ジヒドロキシアセトン、ケトテトロース、エリトルロース、ケトペントース、キシルロース、リブロース、ケトヘキソース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトースなどのケトン基を有する単糖などがあげられる。
化合物(S2)としては、D体、L体などの光学活性体であっても、DL体などの光学的に不活性なものであってもよい。
化合物(S2)としては、中でも、アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトースなどの六炭糖が好ましく、とりわけグルコースが好ましい。
化合物(S2)としては、中でも、アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトースなどの六炭糖が好ましく、とりわけグルコースが好ましい。
アルコキシ化体は、化合物(S2)に含まれる少なくとも1つの水酸基がアルキル基でアルコキシ化された化合物である。アルコキシ化体には少なくとも1つの水酸基を有するものが好ましい。特に好ましくは、化合物(S2)に含まれる水酸基の1つがアルコキシ化され、かつ、他の基は水酸基のままであるアルコキシ化体である。
前記アルキル基の炭素数は1〜12であり、好ましくは、1又は2であり、より好ましくは1である。
前記アルキル基の炭素数は1〜12であり、好ましくは、1又は2であり、より好ましくは1である。
式(2−1)で表される化合物としては、例えば、メチル α−D−グルコピラノシド、メチル β−D−グルコピラノシド、エチル α−D−グルコピラノシド、エチル β−D−グルコピラノシド、n-プロピル α−D−グルコピラノシド、n-プロピル β−D−グルコピラノシド、n-ブチル α−D−グルコピラノシド、n-ブチル β−D−グルコピラノシド、n-ペンチル α−D−グルコピラノシド、n-ペンチル β−D−グルコピラノシド、n-ヘキシル α−D−グルコピラノシド、n-ヘキシル β−D−グルコピラノシド、n-ヘプチル α−D−グルコピラノシド、n-ヘプチル β−D−グルコピラノシド、n-オクチル α−D−グルコピラノシド、n-オクチル β−D−グルコピラノシド、n-ノニル α−D−グルコピラノシド、n-ノニル β−D−グルコピラノシド、n-デシル α−D−グルコピラノシド、n-デシル β−D−グルコピラノシド、n-ウンデシル α−D−グルコピラノシド、n-ウンデシル β−D−グルコピラノシド、n-ドデシル α−D−グルコピラノシド、n-ドデシル β−D−グルコピラノシド等があげられる。
アルコキシ化体の製造方法としては、例えば、新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V (丸善株式会社、昭和53年7月20日発行) 2426頁の記載に準じて、化合物(S2)のアルキルアルコール溶液を−10℃〜室温下で塩化水素ガスを流通させる方法、例えば、化合物(S2)、アルキルアルコール及び塩酸の混合溶液を加熱還流させてアルコキシ化する方法などがあげられる。
また、メチル α−D−グルコピラノシド、n-オクチル β−D−グルコピラノシドなどは、東京化成品工業(株)から入手することができる。
また、メチル α−D−グルコピラノシド、n-オクチル β−D−グルコピラノシドなどは、東京化成品工業(株)から入手することができる。
化合物(S3)としては、例えば、1,2,3−トリヒドロキシシクロプロパン、1,2,3,4−テトラヒドロキシシクロペンタン、1,2,3,4,5−ペンタヒドロキシシクロぺンタン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、1,2,3,4,5,6,7−ヘプタヒドロキシシクロヘプタン、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロキシシクロオクタンなどがあげられる。
好ましくは、myo−イノシトール、epi−イノシトール、allo−イノシトール、muco−イノシトール、neo−イノシトール、chiro−イノシトール、scyllo−イノシトールなどの1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロキシシクロヘキサンがあげられ、特に、下記式で表されるmyo−イノシトール及びscyllo−イノシトールが好ましい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物における成分(B)の含有量は、成分(A)100重量部に対して、0.01〜0.5重量部であり、好ましくは、0.01〜0.25重量部である。
成分(B)の含有量が、成分(A)100重量部に対して、0.01重量部よりも少ない場合、揮発性の有機化合物成分の低減に対する十分な改良効果を得ることはできず、0.5重量部よりも多い場合は、ポリプロピレン樹脂組成物が着色する問題が起きることがある。
<ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))>
成分(C)は、ヒドロキシフェニル基を置換基として有する化合物のことであり、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート、および、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、コフェロール類等が挙げられる。トコフェロール類としては、α−トコフェロールであるビタミンEが挙げられる。
成分(C)は、ヒドロキシフェニル基を置換基として有する化合物のことであり、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート、および、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、コフェロール類等が挙げられる。トコフェロール類としては、α−トコフェロールであるビタミンEが挙げられる。
成分(C)は、好ましくは、下記の式(4)で表される化合物および式(5)で表される化合物からなる群から選択される化合物である。
(4)
(式(4)中、各Rs1および各Rs2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜18のアラルキル基を表す。Rs3は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rs4は、水素原子またはメチル基を表す。)
(式(4)中、各Rs1および各Rs2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜18のアラルキル基を表す。Rs3は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rs4は、水素原子またはメチル基を表す。)
式(4)中の各Rs1および各Rs2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜18のアラルキル基を表す。Rs1は二つ存在するが、各Rs1は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各Rs2も同様である。
炭素数1〜8のアルキル基は、鎖状または環状のいずれでもよく、好ましくは鎖状(直鎖状または分枝鎖状)、より好ましくは分枝鎖状である。炭素数1〜8のアルキル基としては、直鎖状の炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基(アミル基ともいう)など)、分枝鎖状の炭素数3〜8のアルキル基(例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、2−エチルヘキシル基など)、環状の炭素数3〜8のアルキル基(即ち炭素数3〜8のシクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基など)が挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが挙げられる。炭素数7〜18のアラルキル基としては、例えばベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基などが挙げられる。
各Rs1および各Rs2は、それぞれ独立して、好ましくは分枝鎖状の炭素数3〜8のアルキル基であり、より好ましくは、3級炭素原子を有する炭素数4〜8のアルキル基であり、更に好ましくは、t−ブチル基またはt−ペンチル基であり、特に好ましくは、t−ペンチル基である。
式(4)中のRs3は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。炭素数1〜3のアルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。炭素数1〜3のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。Rs3は、好ましくは、水素原子またはメチル基である。
式(4)中のRs4は、水素原子またはメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
式(4)で表される化合物としては、例えば、2,4−ジ−t−ブチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル (メタ)アクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル (メタ)アクリレート、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル (メタ)アクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシ−ベンジル)フェニル (メタ)アクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−エチルフェニル (メタ)アクリレート、または2−t−ペンチル−6−(3−t−ペンチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル (メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレートおよびメタクリレート」を意味する。
式(4)で表される化合物で好ましいものは、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート、および、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートである。2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレートはスミライザー(登録商標)GS(F)(住友化学社製)として、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレートはスミライザー(登録商標)GM(住友化学社製)として市販されている。
式(4)で表される化合物は、市販品を使用するか、または公知の方法(例えば、特開2010−168545号公報または特開昭58−84835号公報に記載の方法)に準じて製造することができる。
(5)
(式(5)中、Rp1、Rp2、Rp4およびRp5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を表し、Rp3はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、Xは単結合、硫黄原子または下記の式(5−1)
(5−1)
(式(5−1)中、Rp6は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数5〜8のシクロアルキル基を示す。)で示される2価の基を表し、Aは炭素数2〜8のアルキレン基または下記の式(5−2)
(5−2)
(式(5−2)中、Rp7は単結合または炭素数1〜8のアルキレン基を表し、*は酸素原子に結合する部位を表す。)で示される2価の基を表し、Y、Zはいずれか一方がヒドロキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、他方が水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
(式(5)中、Rp1、Rp2、Rp4およびRp5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を表し、Rp3はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、Xは単結合、硫黄原子または下記の式(5−1)
(5−1)
(式(5−1)中、Rp6は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数5〜8のシクロアルキル基を示す。)で示される2価の基を表し、Aは炭素数2〜8のアルキレン基または下記の式(5−2)
(5−2)
(式(5−2)中、Rp7は単結合または炭素数1〜8のアルキレン基を表し、*は酸素原子に結合する部位を表す。)で示される2価の基を表し、Y、Zはいずれか一方がヒドロキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、他方が水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
前記式(5)中、Rp1、Rp2、Rp4およびRp5で示される炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、i−オクチル基,t−オクチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。
炭素数5〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基としては、例えば、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシル基が挙げられる。炭素数7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基が挙げられる。
Rp1、Rp2およびRp4は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基または炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基であることが好ましい。Rp1およびRp4は、それぞれ独立して、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基等のt−アルキル基、シクロヘキシル基または1−メチルシクロヘキシル基であることがさらに好ましい。Rp2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、メチル基、t−ブチル基またはt−ペンチル基であることがさらに好ましい。Rp5は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基または水素原子であることがより好ましい。
Rp3で示される炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、i−オクチル基,t−オクチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基または水素原子が好ましく、メチル基または水素原子がより好ましい。
Xは、単結合、硫黄原子または前記式(5−1)で示される2価の基を示す。式(5−1)においてRp6で示される炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、i−オクチル基,t−オクチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられ、炭素数5〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。Rp6は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基または水素原子であることが好ましい。Xは、単結合または式(5−1)で示される2価の基であることが好ましく、単結合であることがさらに好ましい。
Aは、炭素数2〜8のアルキレン基または前記式(5−2)で示される2価の基を示すが、炭素数2〜8のアルキレン基が好ましく、かかるアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基等が挙げられ、プロピレン基がさらに好ましい。式(5−2)で示される2価の基は、酸素原子とベンゼン核とに結合しているが、*は酸素原子と結合していることを示している。Rp7で示される炭素数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。かかるRp7としては、単結合またはエチレン基が好ましい。
Y、Zは、いずれか一方がヒドロキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を示し、他の一方が水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。ここで、炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、i−オクチル基,t−オクチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、t−ペンチルオキシ基、i−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が挙げられる。炭素数7〜12のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基、α、α−ジメチルベンジルオキシ基が挙げられる。
かかる式(5)で表される化合物の中でも、Rp1およびRp4がt−アルキル基、シクロヘキシルまたは1−メチルシクロヘキシル基であり、Rp2が炭素数1〜5のアルキル基であり、Rp5が水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、Rp3が水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、Xが単結合であり、Aが炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましい。
式(5)で表される化合物としては、例えば、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン〔「スミライザー(登録商標)GP」として住友化学(株)から市販されている。〕、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,4,8,10−テトラ−t−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジエチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[2,2−ジメチル−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等が挙げられ、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンが好ましい。
式(5)で表される化合物と、例えば、特開平10−273494号公報に記載の方法により製造することができる。
成分(C)として、上記の式(4)で表される化合物および式(5)で表される化合物からなる群から選択される化合物を用いる場合、さらに別のヒドロキシフェニル基を有する化合物を組合せることができる。
別のヒドロキシフェニル基を有する化合物として、好ましくは、下記の式(8)で表される化合物(以下、「成分(C−2)」と記載することがある。)である。
(8)
[式(8)中、各Rt1および各Rt2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Lは、ヘテロ原子を含んでいてもよいn価の炭素数1〜24のアルコール残基を表し、nは、1〜4の整数を表す。ここでアルコール残基とは、アルコールのヒドロキシ基から水素原子を除いた残りの基を表す。]
[式(8)中、各Rt1および各Rt2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Lは、ヘテロ原子を含んでいてもよいn価の炭素数1〜24のアルコール残基を表し、nは、1〜4の整数を表す。ここでアルコール残基とは、アルコールのヒドロキシ基から水素原子を除いた残りの基を表す。]
式(8)中の各Rt1および各Rt2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。nが2以上である場合、各Rt1は互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各Rt2も同様である。炭素数1〜6のアルキル基は、鎖状または環状のいずれでもよく、鎖状は直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状の炭素数1〜6のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、分枝鎖状の炭素数3〜6のアルキル基(例えば、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基)、環状の炭素数3〜6のアルキル基(即ち炭素数3〜6のシクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)が挙げられる。各Rt1および各Rt2は、それぞれ独立して、好ましくは、直鎖状の炭素数1〜6のアルキル基または分枝鎖状の炭素数3〜6のアルキル基、より好ましくはメチル基またはt−ブチル基である。さらに好ましくは、各Rt1および各Rt2が全てt−ブチル基である。
式(8)中のLは、ヘテロ原子を含んでいてもよいn価の炭素数1〜24のアルコール残基を表し、nは1〜4の整数を表す。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子または窒素原子などが挙げられ、これらヘテロ原子が、n価の炭素数1〜24のアルコール残基中の炭素原子と置き換わっていてもよい。即ち、n価の炭素数1〜24のアルコール残基は、−O−、−S−、−NR−(式中、Rは水素原子または他の置換基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)を表す。)などを有していてもよい。ヘテロ原子としては、酸素原子が好ましい。
n価の炭素数1〜24のアルコール残基(n=1〜4)は、鎖状または環状のいずれでもよく、これらの組合せでもよい。鎖状は、直鎖状でも分枝鎖状でもよい。
1価の炭素数1〜24のアルコール残基としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール等の残基が挙げられる。
2価の炭素数1〜24のアルコール残基としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等の残基が挙げられる。
3価の炭素数1〜24のアルコール残基としては、例えば、グリセロール等の残基が挙げられる。
4価の炭素数1〜24のアルコール残基としては、エリスリトール、ペンタエリスリトール等の残基が挙げられる。
成分(C−2)としては、例えば、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸、または3−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコールとのエステルが挙げられる。前記の一価または多価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンおよびこれらの混合物などが挙げられる。
好ましい成分(C−2)は、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス(登録商標)1076」(BASF社製)として市販されている)、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(「スミライザー(登録商標)GA−80」(住友化学社製)として市販されている)およびペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス(登録商標)1010」(BASF社製)として市販されている。)である。
より好ましい成分(C−2)は、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、もしくは、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
更に好ましい成分(C−2)はペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
成分(C−2)は、市販品を使用するか、または公知の方法(例えば米国特許第330859号、米国特許第3644482号または特開昭59−25826号公報に記載の方法)に準じて製造することができる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物における成分(C)の含有量は、成分(A)100重量部に対して、0.01〜0.5重量部であり、好ましくは、0.01〜0.25重量部である。
成分(C)の含有量が、成分(A)100重量部に対して、0.01重量部よりも少ない場合、ポリプロピレン樹脂組成物の劣化による機械物性の低下が起きることがある。
成分(C)が異なる2種類のヒドロキシフェニル基を有する化合物からなる場合、一方のヒドロキシフェニル基を有する化合物に対する他方のヒドロキシフェニル基を有する化合物の配合割合は、重量比で、1:1から10:1の間で選択することができる。
本発明にかかるポリプロピレン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、プロピレン重合体(成分(A))以外の樹脂やゴム、ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))以外の添加剤、及び、無機充填剤等を添加しても良い。
プロピレン重合体(成分(A))以外の樹脂としては、例えば、エチレン−α−オレフィンランダム共重合(以下、「成分(D)」と記載することがある。)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
上記成分(D)は、好ましくは、190℃、2.16kgf荷重下で、JIS−K−7210に準拠して測定されたメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(以下、「成分(D−1)」と記載することがある。)、またはメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(以下、「成分(D−2)」と記載することがある。)である。
成分(D−1)のメルトフローレートは、好ましくは、3g/10分以下であり、成分(D−2)のメルトフローレートは、好ましくは、12g/10分以上である。
成分(D−1)のメルトフローレートは、好ましくは、3g/10分以下であり、成分(D−2)のメルトフローレートは、好ましくは、12g/10分以上である。
成分(D−1)及び成分(D−2)に用いられるα−オレフィンは、プロピレン重合体(成分(A))で用いられるα−オレフィンと同様の炭素数4〜10のα−オレフィンが挙げられる。具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、環状構造を有するα−オレフィン等が挙げられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
成分(D−1)及び成分(D−2)として具体的には、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、エチレン−(3−メチル−1−ブテン)共重合体エチレンと環状構造を有するα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
成分(D−1)及び成分(D−2)として具体的には、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、エチレン−(3−メチル−1−ブテン)共重合体エチレンと環状構造を有するα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
成分(D−1)及び成分(D−2)に含有されるα−オレフィンの含有量は、それぞれ好ましくは1〜49重量%であり、より好ましくは5〜49重量%であり、さらに好ましくは10〜49重量%である(成分(D−1)及び成分(D−2)の重量を各100重量%とする)。
また、ポリプロピレン樹脂組成物の成形体の耐衝撃性向上という観点から成分(D−1)及び成分(D−2)の密度はそれぞれ0.85〜0.89g/cm3であり、好ましくは0.85〜0.88g/cm3、さらに好ましくは0.855〜0.875g/cm3である。
成分(D−1)及び成分(D−2)は、重合触媒を用いて製造することができる。
重合触媒としては、例えば、メタロセン触媒に代表される均一系触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系等が挙げられる。
均一系触媒系としては、例えば、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、又はシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒系が挙げられる。
チーグラー・ナッタ型触媒系としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分を組み合わせて用いる触媒系が挙げられる。
重合触媒としては、例えば、メタロセン触媒に代表される均一系触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系等が挙げられる。
均一系触媒系としては、例えば、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、又はシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒系が挙げられる。
チーグラー・ナッタ型触媒系としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分を組み合わせて用いる触媒系が挙げられる。
成分(D−1)及び成分(D−2)は、市販品を用いてもよい。例えば、ダウ・ケミカル日本株式会社製エンゲージ(登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(登録商標)、株式会社プライムポリマー製ネオゼックス(登録商標)、ウルトゼックス(登録商標)、住友化学株式会社製エクセレンFX(登録商標)、スミカセン(登録商標)、エスプレンSPO(登録商標)等が挙げられる。
成分(C)以外の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、粘着剤、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
上記の無機充填剤としては、非繊維状無機充填材(以下、「成分(E−1)」と記載することがある。)、繊維状無機充填材(以下、「成分(E−2)」と記載することがある。)があげられる。
成分(E−1)とは、粉末状、フレーク状、顆粒状等、繊維形状以外の形状を有する無機充填材をいう。具体的には、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、クレー、アルミナ、シリカ、硫酸カルシウム、けい砂、カーボンブラック、酸化チタン、水酸化マグネシウム、ゼオライト、モリブデン、けいそう土、セリサイト、シラス、水酸化カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸ソーダ、ベントナイト、黒鉛等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうちタルクを用いることが好ましい。
成分(E−1)は、無処理のまま使用してもよいが、プロピレン重合体(成分(A))との界面接着性を向上させ、かつ、プロピレン重合体(成分(A))に対する分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又はチタンカップリング剤、若しくは界面活性剤で表面を処理して使用しても良い。界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類等が挙げられる。
成分(E−1)は、無処理のまま使用してもよいが、プロピレン重合体(成分(A))との界面接着性を向上させ、かつ、プロピレン重合体(成分(A))に対する分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又はチタンカップリング剤、若しくは界面活性剤で表面を処理して使用しても良い。界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類等が挙げられる。
成分(E−1)の平均粒子径は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。ここで本発明における「平均粒子径」とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
成分(E−2)とは、繊維形状を有する無機充填材をいう。具体的には、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、チタン酸カリウム繊維、水酸化マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうち、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、ケイ酸カルシウム繊維を用いることが好ましく、繊維状マグネシウムオキシサルフェートを用いる
ことがより好ましい。
成分(E−2)は、無処理のまま使用してもよいが、プロピレン重合体(成分(A))との界面接着性を向上させ、かつ、プロピレン重合体(成分(A))に対する分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又は高級脂肪酸金属塩で表面を処理して使用しても良い。高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
ことがより好ましい。
成分(E−2)は、無処理のまま使用してもよいが、プロピレン重合体(成分(A))との界面接着性を向上させ、かつ、プロピレン重合体(成分(A))に対する分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又は高級脂肪酸金属塩で表面を処理して使用しても良い。高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
電子顕微鏡観察によって測定した成分(E−2)の平均繊維長は、3μm以上であり、好ましくは3〜20μmであり、更に好ましくは7〜15μmである。また、アスペクト比は、10以上であり、好ましくは10〜30であり、更に好ましくは12〜25である。そして、電子顕微鏡観察によって測定した平均繊維径は、好ましくは、0.2〜1.5μmであり、更に好ましくは0.3〜1.0μmである。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、プロピレン重合体(成分(A))、化合物(成分(B))、ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))の各成分を溶融混練し、更に成形して成形体として用いることができる。
上記に記載の溶融混練としては、従来公知の方法及び装置を用いて行うことができる。例えば、プロピレン重合体(成分(A))、化合物(成分(B))、および、ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))を、ヘンシェルミキサ−、リボンブレンダ−、タンブルミキサ−等の混合装置を用いて混合した後、溶融混練する方法や、定量供給機を用いて、一定の割合で、プロピレン重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体と各種添加剤とをそれぞれ連続的に供給することで均質な混合物を得た後、該混合物を単軸又は二軸以上の押出機、バンバリ−ミキサ−、ロ−ル式混練機等を用いて溶融混練する方法が挙げられる。
上記の溶融混練の温度は180℃以上、好ましくは、180℃〜300℃であり、更に好ましくは、180℃〜250℃である。
本発明に係る樹脂組成物を成形して得られる成形体は、好ましくは、射出成形法により製造した射出成形体である。射出成形法としては、例えば、一般的な射出成形法、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法等の方法が挙げられる。
成形後、冷却することにより、本発明のポリプロピレン樹脂組成物からなるポリプロピレン樹脂成形体が得られる。得られるポリプロピレン樹脂成形体としては、容器、容器のキャップ、包装材料、文具、玩具、日用雑貨、家具用材料、繊維、農業用フィルム、自動車用材料、家電用材料、医療用材料、又は建築材料である。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物からなるポリプロピレン樹脂成形体は、揮発性の有機化合物成分を低減した成形体であり、密閉空間において人と共存する部材に好適である。例えば、自動車材料としては、自動車内装部材や自動車ヘッドランプ用部材が好ましい。建築材料としては住宅の内壁や壁紙用部材が好ましい。家具用材料としては、タンスや収納容器が好ましい。家電用材料としては、パソコン、テレビ等のディスプレイ、OA機器、エアコンや洗濯機、空気清浄機等のハウジング部材が好ましい。農業用フィルムとしては、ハウス、トンネル用のフィルムが好ましい。繊維は、衣類、カーペットやソファー用の繊維が好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)[化合物の同定]
化合物は、1H NMRで同定した。1H NMRは、核磁気共鳴装置(日本電子社製、JNM−AL400)を用いて下記の条件により測定した。テトラメチルシランの水素の化学シフト値を基準にした。
測定溶媒:CDCl3
測定温度:室温
化合物は、1H NMRで同定した。1H NMRは、核磁気共鳴装置(日本電子社製、JNM−AL400)を用いて下記の条件により測定した。テトラメチルシランの水素の化学シフト値を基準にした。
測定溶媒:CDCl3
測定温度:室温
(2)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベロ−デ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2、及び、0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491項に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対してプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。還元粘度はテトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定を行った。
ウベロ−デ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2、及び、0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491項に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対してプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。還元粘度はテトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定を行った。
(3)フォギング試験
下記条件下においてフォギング性試験を行い、試験前後でのサンプル重量の減少量、もしくは、ガラス表面に付着した成分の量を測定することにより、ポリプロピレン樹脂から揮発した揮発性有機化合物成分の量を算出した。
測定装置:スガ試験機 ウィンドウスクリーンフォギングテスター WF−2型
加熱条件:120℃
冷却条件:25℃
時間:20時間
試料量:5g
下記条件下においてフォギング性試験を行い、試験前後でのサンプル重量の減少量、もしくは、ガラス表面に付着した成分の量を測定することにより、ポリプロピレン樹脂から揮発した揮発性有機化合物成分の量を算出した。
測定装置:スガ試験機 ウィンドウスクリーンフォギングテスター WF−2型
加熱条件:120℃
冷却条件:25℃
時間:20時間
試料量:5g
(合成例1) 1−tert−ブトキシ−2,2−ビス(メトキシメチル)−3,3−ジメチルブタンの合成
(1)2−tert−ブチル−2−メトキシメチルマロン酸ジエチルの合成
tert−ブチルマロン酸ジエチル(10.0g,46.2mmol)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド26mLに溶解した。別のフラスコに26mLのN,N−ジメチルホルムアミドを入れ、これにNaH(55wt%,4.03g,92.4mmol)を分散させた。この分散液に上記tert−ブチルマロン酸ジエチル溶液を0 ℃で滴下し、滴下完了後、室温下で1時間撹拌し、0 ℃に冷却下、クロロメチルメチルエーテル(5.22mL、69.4mmol)を滴下し、滴下完了後、室温下で4時間撹拌した。反応液を水洗し、エーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後溶媒を留去し、減圧蒸留(沸点:100−101℃/0.60kPa)により2−tert−ブチル−2−メトキシメチルマロン酸ジエチルを9.52g得た(収率74%、純度93%(GC面積百分率))。1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 1.14(t,9H),1.27(t,6H),3.31(s,3H),3.84(s,2H),4.20(q,4H).
(2)2−ヒドロキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノールの合成
得られた2−tert−ブチル−2−メトキシメチルマロン酸ジエチル(9.00g,34.6mmol)を乾燥ジエチルエーテル32mLに溶解した。別のフラスコに32mLの乾燥ジエチルエーテルを入れ、これに水素化リチウムアルミニウム(2.62g,69.1mmol)を分散させた。この分散液に上記2−tert−ブチル−2−メトキシメチルマロン酸ジエチル溶液を0 ℃で滴下し、滴下完了後、室温下で1時間撹拌し、反応液に水酸化ナトリウム水溶液、水および硫酸ナトリウムを仕込み、セライトろ過を行った。ろ過後溶媒を留去し、2−ヒドロキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノールを5.81g得た(収率91%、純度95%(GC面積百分率))。1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 0.90(s,9H),3.03(dd,2H),3.37(s,3H),3.48(s,2H),3.77−3.90(m,4H).
(3)5−tert−ブチル−5−メトキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサンの合成
2−ヒドロキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−1−ブタノール(4.50g、25.5mmol)と、2,2−ジメトキシプロパン(3.75mL、30.6mmol)と、p−トルエンスルホン酸0.49gと、N,N−ジメチルホルムアミド24mLとを、100mL撹拌機付きフラスコに仕込み、室温下で2時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、エーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後溶媒を留去し、5−tert−ブチル−5−メトキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサンを4.79g得た(収率82%、純度95%(GC面積百分率))。
1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 0.93(s,9H),1.36(s,3H),1.39(s,3H),3.32(s,3H),3.50(d,2H),3.52(s,2H),3.81(d,2H).
(4)2−tert−ブトキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノールの合成
得られた5−tert−ブチル−5−メトキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン(4.50g、20.8mmol)と溶媒として無水トルエン26mLを撹拌機付きフラスコに仕込み、室温下でMeMgIのエーテル溶液(3M、10.48mL、31.2mmol)を滴下し、滴下完了後、40℃、500kPaで溶媒を4mL留去した後、100℃で1時間撹拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液を入れ、エーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/5)精製により、2−tert−ブトキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノールを3.56g得た(収率73%、純度99%(GC面積百分率))。
1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 0.93(s,9H),1.20(s,9H),3.31(s,3H),3.33(dd,1H),3.52(ddd,2H),3.54(s,2H),3.64(dd,1H),3.71(dd,1H).
(5)1−tert−ブトキシ−2,2−ビス(メトキシメチル)−3,3−ジメチルブタンの合成
得られた2−tert−ブトキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノール(3.00g,12.9mmol)を乾燥THF13mLに溶解した。別のフラスコに13mLのTHFを入れ、これにNaH(55wt%,0.85g,19.4mmol)を分散させた。この分散液に上記2−tert−ブトキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノール溶液を0 ℃で滴下し、滴下完了後、室温下で1時間撹拌し、0 ℃に冷却下、ヨウ化メチル(1.6mL,25.8mmol)を滴下し、滴下完了後、35℃で1時間撹拌した。反応液を水洗しエーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後溶媒を留去し、減圧蒸留(沸点:85−86℃/1.0kPa)により1−tert−ブトキシ−2,2−ビス(メトキシメチル)−3,3−ジメチルブタンを1.98g得た(収率62%、純度99%(GC面積百分率))。1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 1.00(s,9H),1.14(s,9H),3.27(s,6H),3.36(s,2H),3.38(s,2H),3.39(s,2H).
(1)2−tert−ブチル−2−メトキシメチルマロン酸ジエチルの合成
tert−ブチルマロン酸ジエチル(10.0g,46.2mmol)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド26mLに溶解した。別のフラスコに26mLのN,N−ジメチルホルムアミドを入れ、これにNaH(55wt%,4.03g,92.4mmol)を分散させた。この分散液に上記tert−ブチルマロン酸ジエチル溶液を0 ℃で滴下し、滴下完了後、室温下で1時間撹拌し、0 ℃に冷却下、クロロメチルメチルエーテル(5.22mL、69.4mmol)を滴下し、滴下完了後、室温下で4時間撹拌した。反応液を水洗し、エーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後溶媒を留去し、減圧蒸留(沸点:100−101℃/0.60kPa)により2−tert−ブチル−2−メトキシメチルマロン酸ジエチルを9.52g得た(収率74%、純度93%(GC面積百分率))。1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 1.14(t,9H),1.27(t,6H),3.31(s,3H),3.84(s,2H),4.20(q,4H).
(2)2−ヒドロキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノールの合成
得られた2−tert−ブチル−2−メトキシメチルマロン酸ジエチル(9.00g,34.6mmol)を乾燥ジエチルエーテル32mLに溶解した。別のフラスコに32mLの乾燥ジエチルエーテルを入れ、これに水素化リチウムアルミニウム(2.62g,69.1mmol)を分散させた。この分散液に上記2−tert−ブチル−2−メトキシメチルマロン酸ジエチル溶液を0 ℃で滴下し、滴下完了後、室温下で1時間撹拌し、反応液に水酸化ナトリウム水溶液、水および硫酸ナトリウムを仕込み、セライトろ過を行った。ろ過後溶媒を留去し、2−ヒドロキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノールを5.81g得た(収率91%、純度95%(GC面積百分率))。1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 0.90(s,9H),3.03(dd,2H),3.37(s,3H),3.48(s,2H),3.77−3.90(m,4H).
(3)5−tert−ブチル−5−メトキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサンの合成
2−ヒドロキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−1−ブタノール(4.50g、25.5mmol)と、2,2−ジメトキシプロパン(3.75mL、30.6mmol)と、p−トルエンスルホン酸0.49gと、N,N−ジメチルホルムアミド24mLとを、100mL撹拌機付きフラスコに仕込み、室温下で2時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、エーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後溶媒を留去し、5−tert−ブチル−5−メトキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサンを4.79g得た(収率82%、純度95%(GC面積百分率))。
1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 0.93(s,9H),1.36(s,3H),1.39(s,3H),3.32(s,3H),3.50(d,2H),3.52(s,2H),3.81(d,2H).
(4)2−tert−ブトキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノールの合成
得られた5−tert−ブチル−5−メトキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン(4.50g、20.8mmol)と溶媒として無水トルエン26mLを撹拌機付きフラスコに仕込み、室温下でMeMgIのエーテル溶液(3M、10.48mL、31.2mmol)を滴下し、滴下完了後、40℃、500kPaで溶媒を4mL留去した後、100℃で1時間撹拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液を入れ、エーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/5)精製により、2−tert−ブトキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノールを3.56g得た(収率73%、純度99%(GC面積百分率))。
1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 0.93(s,9H),1.20(s,9H),3.31(s,3H),3.33(dd,1H),3.52(ddd,2H),3.54(s,2H),3.64(dd,1H),3.71(dd,1H).
(5)1−tert−ブトキシ−2,2−ビス(メトキシメチル)−3,3−ジメチルブタンの合成
得られた2−tert−ブトキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノール(3.00g,12.9mmol)を乾燥THF13mLに溶解した。別のフラスコに13mLのTHFを入れ、これにNaH(55wt%,0.85g,19.4mmol)を分散させた。この分散液に上記2−tert−ブトキシメチル−2−メトキシメチル−3,3−ジメチル−1−ブタノール溶液を0 ℃で滴下し、滴下完了後、室温下で1時間撹拌し、0 ℃に冷却下、ヨウ化メチル(1.6mL,25.8mmol)を滴下し、滴下完了後、35℃で1時間撹拌した。反応液を水洗しエーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後溶媒を留去し、減圧蒸留(沸点:85−86℃/1.0kPa)により1−tert−ブトキシ−2,2−ビス(メトキシメチル)−3,3−ジメチルブタンを1.98g得た(収率62%、純度99%(GC面積百分率))。1H NMR (400MHz,CDCl3)δ 1.00(s,9H),1.14(s,9H),3.27(s,6H),3.36(s,2H),3.38(s,2H),3.39(s,2H).
(合成例2)固体触媒成分(a)の合成
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン800L、フタル酸ジイソブチル6.8kg、テトラエトキシシラン350kgおよびテトラブトキシチタン38.8kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1mol/L)900Lを反応器の温度を7℃に保ちながら5時間かけて滴下した。滴下終了後、20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をトルエン1100Lでの洗浄を3回繰り返し、スラリーの全体積が625Lとなるようにトルエンを加えた。その後、得られたスラリーを、攪拌下70℃で1時間加熱処理し、室温まで冷却し、固体物質のスラリーを得た。
該スラリーの一部を減圧乾燥して得た乾燥固体物質の組成分析を行ったところ固体物質中にはチタン原子が2.1重量%、エトキシ基が38.9重量%、ブトキシ基が3.4重量%含有されていた(乾燥固体物質を100重量%とする)。
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン800L、フタル酸ジイソブチル6.8kg、テトラエトキシシラン350kgおよびテトラブトキシチタン38.8kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1mol/L)900Lを反応器の温度を7℃に保ちながら5時間かけて滴下した。滴下終了後、20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をトルエン1100Lでの洗浄を3回繰り返し、スラリーの全体積が625Lとなるようにトルエンを加えた。その後、得られたスラリーを、攪拌下70℃で1時間加熱処理し、室温まで冷却し、固体物質のスラリーを得た。
該スラリーの一部を減圧乾燥して得た乾燥固体物質の組成分析を行ったところ固体物質中にはチタン原子が2.1重量%、エトキシ基が38.9重量%、ブトキシ基が3.4重量%含有されていた(乾燥固体物質を100重量%とする)。
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mLのフラスコを窒素で置換したのち、上記で得た固体物質のスラリーを、乾燥固体物質8gを含む量だけ投入し、スラリーの全体積が26.5mLとなるように上澄み液を抜き取った。40℃で四塩化チタン16.0mL、ジブチルエーテル0.8mLの混合物を投入し、さらにフタル酸クロライド2.0mLとトルエン2.0mLの混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応混合物を115℃で4時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を115℃でトルエン40mLで3回洗浄を行った。
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mLとなるようにトルエンを加えた。そこへジブチルエーテル0.8mL、フタル酸ジイソブチル0.45mLと、四塩化チタン6.4mLの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mLとなるようにトルエンを加えた。そこへジブチルエーテル0.8mL、フタル酸ジイソブチル0.45mLと、四塩化チタン6.4mLの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を105℃でトルエン40mLで2回洗浄を行った。
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mLとなるようにトルエンを加え105℃とした。そこへジブチルエーテル0.8mL、四塩化チタン6.4mLの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mLとなるようにトルエンを加え105℃とした。そこへジブチルエーテル0.8mL、四塩化チタン6.4mLの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を105℃でトルエン40mLで2回洗浄を行った。
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mLとなるようにトルエンを加え105℃とした。そこへジブチルエーテル0.8mL、四塩化チタン6.4mLの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mLとなるようにトルエンを加え105℃とした。そこへジブチルエーテル0.8mL、四塩化チタン6.4mLの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を105℃でトルエン40mLで6回洗浄し、室温でヘキサン40mLで3回洗浄を行った。これを減圧乾燥して固体触媒成分(a)を得た。
該固体触媒成分中には、チタン原子1.6重量%、エトキシ基0.06重量%、ブトキシ基0.15重量%、フタル酸ジエチル7.6重量%、フタル酸エチルノルマルブチル0.8重量%、フタル酸ジイソブチル2.5重量%が含有されていた(固体触媒成分を100重量%とする)。
(製造例1)プロピレン重合体(1)
減圧乾燥、アルゴンガスにより置換後、冷却した内容積3リットルの攪拌機付きステンレス製オートクレーブ内を真空とし、トリエチルアルミニウム4.4ミリモル、外部電子供与体(c)として前記合成例1記載の1−tert−ブトキシ−2,2−ビス(メトキシメチル)−3,3−ジメチルブタン0.44ミリモル、及び、前記合成例2記載の固体触媒成分(a)11.1ミリグラムをガラスチャージャー内のヘプタン中で接触させた後、一括に投入し、さらに液化プロピレン780グラムを投入した後、水素を1.0MPaを前記記載のオートクレーブに仕込んで、80℃まで昇温しプロピレンの重合を開始した。重合開始60、未反応のプロピレンをオートクレーブ外へパージし、重合を終了した。得られたプロピレン重合体(1)は265gであり、その極限粘度([η])は0.80(dl/g)であった。
減圧乾燥、アルゴンガスにより置換後、冷却した内容積3リットルの攪拌機付きステンレス製オートクレーブ内を真空とし、トリエチルアルミニウム4.4ミリモル、外部電子供与体(c)として前記合成例1記載の1−tert−ブトキシ−2,2−ビス(メトキシメチル)−3,3−ジメチルブタン0.44ミリモル、及び、前記合成例2記載の固体触媒成分(a)11.1ミリグラムをガラスチャージャー内のヘプタン中で接触させた後、一括に投入し、さらに液化プロピレン780グラムを投入した後、水素を1.0MPaを前記記載のオートクレーブに仕込んで、80℃まで昇温しプロピレンの重合を開始した。重合開始60、未反応のプロピレンをオートクレーブ外へパージし、重合を終了した。得られたプロピレン重合体(1)は265gであり、その極限粘度([η])は0.80(dl/g)であった。
(製造例2)プロピレン重合体(2)
水素を0.8MPaとした以外は、製造例1記載の方法と同様にして206.2gのプロピレン重合体(2)を得た。プロピレン重合体(2)の極限粘度([η])は1.34(dl/g)であった。
水素を0.8MPaとした以外は、製造例1記載の方法と同様にして206.2gのプロピレン重合体(2)を得た。プロピレン重合体(2)の極限粘度([η])は1.34(dl/g)であった。
(製造例3)プロピレン重合体(3)
外部電子供与体(c)として1−tert−ブトキシ−2,2−ビス(メトキシメチル)−3,3−ジメチルブタンの代わりに、エチル−シクロヘキシル−ジメトキシシランを0.44ミリモル用いた以外は、製造例1に記載の方法と同様にして、289.5gのプロピレン重合体(3)を得た。プロピレン重合体(3)の極限粘度([η])は0.78(dl/g)であった。
外部電子供与体(c)として1−tert−ブトキシ−2,2−ビス(メトキシメチル)−3,3−ジメチルブタンの代わりに、エチル−シクロヘキシル−ジメトキシシランを0.44ミリモル用いた以外は、製造例1に記載の方法と同様にして、289.5gのプロピレン重合体(3)を得た。プロピレン重合体(3)の極限粘度([η])は0.78(dl/g)であった。
[実施例1]
製造例1記載のプロピレン重合体(1)20gに対して、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート(住友化学社(株)製:スミライザーGS)を0.02g、トレハロース(東京化成工業(株)製、D−(+)−トレハロース二水和物)を0.01g、及び、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製:イルガノックス1010)を0.01gを混合し、日新科学株式会社製HR−20F型テストロール機(ロール寸法75φ×200Lmm、ロール回転、後ろロール17rpm、前ロール14rpm、前後比1:1.2、ロール加熱カートリッジヒーター使用200V、1.5kw2本、駆動電気、200V、0.75kw)を用い、190℃で5分間混練の後、裁断、プロピレン重合体(1)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(1)のフォギング試験の結果を表2に示す。
製造例1記載のプロピレン重合体(1)20gに対して、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート(住友化学社(株)製:スミライザーGS)を0.02g、トレハロース(東京化成工業(株)製、D−(+)−トレハロース二水和物)を0.01g、及び、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製:イルガノックス1010)を0.01gを混合し、日新科学株式会社製HR−20F型テストロール機(ロール寸法75φ×200Lmm、ロール回転、後ろロール17rpm、前ロール14rpm、前後比1:1.2、ロール加熱カートリッジヒーター使用200V、1.5kw2本、駆動電気、200V、0.75kw)を用い、190℃で5分間混練の後、裁断、プロピレン重合体(1)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(1)のフォギング試験の結果を表2に示す。
[実施例2]
製造例2記載のプロピレン重合体(2)20gに対して、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート(住友化学社(株)製:スミライザーGS)を0.02g、トレハロース(東京化成品工業(株)製、D−(+)−トレハロース二水和物)を0.01g混合し、日新科学株式会社製HR−20F型テストロール機(ロール寸法75φ×200Lmm、ロール回転、後ろロール17rpm、前ロール14rpm、前後比1:1.2、ロール加熱カートリッジヒーター使用200V、1.5kw2本、駆動電気、200V、0.75kw)を用い、190℃で5分間混練の後、裁断、プロピレン重合体(2)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(1)のフォギング試験の結果を表2に示す。
製造例2記載のプロピレン重合体(2)20gに対して、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート(住友化学社(株)製:スミライザーGS)を0.02g、トレハロース(東京化成品工業(株)製、D−(+)−トレハロース二水和物)を0.01g混合し、日新科学株式会社製HR−20F型テストロール機(ロール寸法75φ×200Lmm、ロール回転、後ろロール17rpm、前ロール14rpm、前後比1:1.2、ロール加熱カートリッジヒーター使用200V、1.5kw2本、駆動電気、200V、0.75kw)を用い、190℃で5分間混練の後、裁断、プロピレン重合体(2)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(1)のフォギング試験の結果を表2に示す。
[実施例3]
製造例2記載のプロピレン重合体(2)20gを用いたこと以外は、実施例1記載の内容と同様にして、ペレット状のプロピレン重合体(2)を得た。このペレット状のプロピレン重合体(2)のフォギング試験の結果を表2に示す。
製造例2記載のプロピレン重合体(2)20gを用いたこと以外は、実施例1記載の内容と同様にして、ペレット状のプロピレン重合体(2)を得た。このペレット状のプロピレン重合体(2)のフォギング試験の結果を表2に示す。
[比較例1]
製造例1記載のプロピレン重合体(1)20gに対して、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート(住友化学社(株)製:スミライザーGS)を0.02g混合し、実施例1記載の方法と同様にして、プロピレン重合体(1)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(1)のフォギング試験の結果を表2に示す。
製造例1記載のプロピレン重合体(1)20gに対して、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート(住友化学社(株)製:スミライザーGS)を0.02g混合し、実施例1記載の方法と同様にして、プロピレン重合体(1)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(1)のフォギング試験の結果を表2に示す。
[比較例2]
プロピレン重合体(2)を20g用いこと以外は、比較例1記載の方法と同様にして、プロピレン重合体(2)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(2)のフォギング試験の結果を表2に示す。
プロピレン重合体(2)を20g用いこと以外は、比較例1記載の方法と同様にして、プロピレン重合体(2)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(2)のフォギング試験の結果を表2に示す。
[比較例3]
製造例3記載のプロピレン樹脂(3)を20g用いたこと以外は、実施例2記載の方法と同様にして、プロピレン重合体(3)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(3)のフォギング試験の結果を表2に示す。
製造例3記載のプロピレン樹脂(3)を20g用いたこと以外は、実施例2記載の方法と同様にして、プロピレン重合体(3)のペレットを得た。ペレット状のプロピレン重合体(3)のフォギング試験の結果を表2に示す。
本発明の要件を満足する実施例1〜3は、フォギング試験によるガラス面への付着成分の量が少ないことから、ポリプロピレン樹脂組成物からの揮発性の有機化合物成分の量が少ないことがわかる。これに対して本発明の要件を満たさない比較例1〜3は、ポリプロピレン樹脂組成物からの揮発性の有機化合物成分の量の低減効果が不十分であることが分かる。
Claims (6)
- 下記のオレフィン重合用触媒を用いて製造されるプロピレン重合体(成分(A))と、
前記成分(A)100重量部に対して、下記の化合物(成分(B))0.01〜0.5重量部と、
前記成分(A)100重量部に対して、ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))0.01〜0.5重量部とを含むポリプロピレン樹脂組成物。
オレフィン重合用触媒:
チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分(成分(a))と、有機アルミニウム化合物(成分(b))と、下記の式(1)で表される化合物(成分(c))とを接触させて得られるオレフィン用重合触媒。
(1)
(式中、Raは、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RbおよびRcは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RdおよびReは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、Rfは炭素数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RgおよびRhは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表し、Ri、Rj、Rk、Rl、RmおよびRnは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のハイドロカルビル基を表す。)
化合物(成分(B)):下記の化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記のアルコキシ化体、下記の式(3)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコースおよびフルクトースからなる化合物群。
アルコキシ化体:下記の式(2)で表される化合物に含まれる水酸基の少なくとも1個が炭素数1〜12のアルキル基でアルコキシ化された化合物であり、該式(2)で表される化合物は、分子内にアルデヒド基またはケトン基1個とm−1個の水酸基とを有する化合物である。
CmH2mOm (2)
(式(2)中、mは3以上の整数を表す。)
(3)
(式(3)中、pは2以上の整数を表す。) - 化合物(成分(B))が、トレハロースである請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))が下記の式(4)で表される化合物および式(5)で表される化合物からなる群から選択される化合物である請求項1または2記載に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(4)
(式(4)中、各Rs1および各Rs2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜18のアラルキル基を表す。Rs3は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rs4は、水素原子またはメチル基を表す。)
(5)
(式(5)中、Rp1、Rp2、Rp4およびRp5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を表し、Rp3はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、Xは単結合、硫黄原子または下記の式(5−1)
(5−1)
(式(5−1)中、Rp6は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数5〜8のシクロアルキル基を示す。)で示される2価の基を表し、Aは炭素数2〜8のアルキレン基または下記の式(5−2)
(5−2)
(式(5−2)中、Rp7は単結合または炭素数1〜8のアルキレン基を表し、*は酸素原子に結合する部位を表す。)で示される2価の基を表し、Y、Zはいずれか一方がヒドロキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、他方が水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。) - ヒドロキシフェニル基を有する化合物(成分(C))が、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート、または、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンである請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 成分(a)がマグネシウム原子、チタン原子および炭化水素オキシ基を含有する固体成分(成分(x))と、ハロゲン化化合物(成分(y))と、内部電子供与体(成分(z))とを接触させることで得られる成分である請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む成形体。
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