JP2013147573A - 滑水性コーティング組成物及びそれを適用した熱交換器用アルミニウムフィン材並びに熱交換器 - Google Patents

滑水性コーティング組成物及びそれを適用した熱交換器用アルミニウムフィン材並びに熱交換器 Download PDF

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Abstract

【課題】滑水性に優れ、且つ長期間滑水性を維持することが出来る塗膜を形成し得る滑水性コーティング組成物を提供すること、また、アルミニウムフィン材又はそれを組み込んでなる熱交換器に対して、優れた滑水性を付与するに適したコーティング組成物を提供すること、更に、そのようなコーティング組成物を塗布して得られるアルミニウムフィン材や熱交換器を提供すること。
【解決手段】所定のポリオルガノシロキサン及び/又はその部分加水分解物と所定のフルオロアルキルシラン及び/又はその部分加水分解物との混合物からなる有機ケイ素化合物成分(A)と、そのような有機ケイ素化合物成分(A)を溶解し得る有機溶剤からなる溶剤成分(B)とを含有せしめて、滑水性コーティング組成物を構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、滑水性コーティング組成物及びそれを適用した熱交換器用の滑水性アルミニウムフィン材とその製造方法、更には滑水性に優れた熱交換器に関するものである。
従来から、冷蔵庫用や空気調和機用の蒸発器等の熱交換器においては、その軽量化や熱効率の向上、更にはコンパクト化等の要請に応えるために、フィン材として各種のアルミニウム材が用いられ、それを、管内に伝熱媒体乃至は熱交換媒体が流通せしめられるチューブ材に組み付けてなる熱交換器においては、その組み込まれるフィン材のフィン間隔を出来るだけ狭くする設計が取り入れられている。
しかしながら、そのような熱交換器においては、フィン表面に凝縮によって水滴が付着したり、また、暖房運転時の室外機では、大気温度が低いために、フィン表面の結露水が霜となって、凍り付いたりすることによって、通風抵抗が増大し、また風量が減少して、熱交換効率が著しく低下する問題を内在している。
このため、そのような問題を解決すべく、アルミニウムフィン材のフィン表面に対して親水性を有する塗膜を形成して、フィン表面に付着する水滴を流れ落とすように、また、除霜時の水滴の残留を少なくするようにしているのが現状であるが、当該熱交換器の暖房運転時間を延長するには至っていないのである。また、フィン表面に形成される親水性の塗膜が経時的に劣化し、その劣化と共に、水滴の除去性能が低下するという問題を残している。
一方、そのような親水性塗膜に代えて、有機系樹脂溶液と微粒子とからなる撥水性コーティング組成物を塗布することにより、フィン表面を超撥水化させて、着霜時間を長くすることが提案されている(特許文献1参照)が、実用上、撥水性が未だ充分でなく、且つ耐久性にも問題を有している。しかも、超撥水特性を与える塗料としては、スプレー塗装用にフッ素粒子を含む塗料が多く用いられているのであるが、それらの塗料では、塗膜厚さが10μm以上の厚い塗膜を形成するものがほとんどであって(特許文献2参照)、そのため熱伝達効率が低く、フィン用塗料としては不適当なものであって、更に耐久性に問題を有するものも多い。
また、滑水性材料をコーティングすることによって、フィン表面に付着した水滴を流れ易くすると共に、着霜或いは着氷しても短時間で除霜することが出来るようにした手法も提案されている(特許文献3参照)が、そこにおいて形成されるコーティング膜は、フッ素系高分子とシリコーン樹脂をグラフトさせたものであるために高価であり、また耐プレス性等の成形性に劣る等の問題点を内在している。
さらに、RSiO3/2 単位からなるシリコーンレジンと、特定構造のポリアルキル水素シロキサンとの特定配合組成からなる撥水性塗膜形成用組成物を用いて、塗膜を形成し、その塗膜の表面を平滑として、表面に付着した水滴が転がり落ちるのではなく滑り降りるようにする手法も提案されている(特許文献4参照)。この手法によれば、優れた撥水性能を実現することが可能であるが、そのような組成物によって形成される撥水性塗膜においては、柔軟性や屈曲性、延伸性等の特性が必ずしも充分でなく、アルミニウム材の表面に、かかる組成物による塗膜を形成した場合には、成形加工の際に、塗膜がアルミニウム材の変形に追従し得ず、亀裂やしわ、更には剥離を発生させるという問題がある。
更にまた、特定のシリコーンレジンと特定のポリアルキル水素シロキサンとから構成される撥水性塗膜形成用組成物も、提案されており(特許文献5参照)、そして、かかる組成物を用いて塗膜を形成することによって、柔軟性に優れ、加工による亀裂、しわ、剥離の発生を解消し得る成形加工が可能となったのであるが、そのような組成物よりなる撥水性塗膜においては、成形時に使用するプレスオイルが撥水性塗装材、特にその表面に形成された撥水塗膜に接触することにより、かかる撥水性塗装材の表面に形成された塗膜成分を溶出させ、撥水性等の特性の低下が生じ易くなるという難点を内在する。
加えて、特許文献6〜9においては、パーフルオロアルキルシランと片方或いは両方の末端に加水分解可能な官能基を有するオルガノポリシロキサンとを酸により加水分解したものを、撥水処理剤として用いることが明らかにされている。しかしながら、そのような撥水処理剤から得られる被膜の撥水性は、パーフルオロアルキルシラン成分により比較的良好となるものの、滑水性は、このパーフルオロアルキルシラン成分の使用量により大きく変化し、その使用量が多くなると、滑水性が悪化傾向となる場合が多い。また、昨今の環境問題から、長い鎖長のパーフルオロアルキル基は、毒性問題から、その使用が難しくなってきており、比較的鎖長の短いものを使用しなくてはならず、撥水性も悪化の傾向にある。更に、それらの被膜の滑水性能も、初期は良好であるものの、耐久性という観点からは、何れも満足するものではなかったのである。
特開平5−117637号公報 特開2000−256610号公報 特開平11−166798号公報 特開2000−119642号公報 特開2002−322418号公報 特開平2−233535号公報 特開2000−144056号公報 特開2006−144019号公報 特開2011−1541号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、滑水性に優れ、且つ長期間滑水性を維持することが出来る塗膜を形成し得る滑水性コーティング組成物を提供することにあり、また、アルミニウムフィン材又はそれを組み込んでなる熱交換器に対して、優れた滑水性を付与するに適したコーティング組成物を提供することにもあり、更に、そのようなコーティング組成物を塗布して得られるアルミニウムフィン材や熱交換器を提供することにもある。
そして、本発明は、上記した課題又は明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) 下記式(1)で表されるポリオルガノシロキサン及び/又はその部分加水分解物と下記式(2)で表されるフルオロアルキルシラン及び/又はその部分加水分解物との混合物からなる有機ケイ素化合物成分(A)と、該有機ケイ素化合物成分(A)を溶解し得る有機溶剤からなる溶剤成分(B)とを含有していることを特徴とする滑水性コーティング組成物。
(R23Si−X−Si(R2p(OR13-p ・・・(1)
[但し、式中、R1 は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、R2 は炭素原子数1 〜4の1価の炭化水素基であり、Xは−R4 s−(OSi(R32r −R4 s−基(こ
こで、R3 は炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、R4 は炭素数1〜6の2価の炭
化水素基、rは1〜300、sは0又は1である。)であり、pは0,1又は2であ
る。]
(R1O)3-q(R2qSi−R5 t−(Cn2n)−R5 tSi(R2p(OR13-p ・・・(2)
[但し、式中、R1 は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、R2 は炭素原子数1 〜4の1価の炭化水素基であり、R5 は炭素数1〜6の2価の炭化水素基であり、n は1〜5、tは0又は1、pは0,1又は2、qは0,1又は2である。]
(2) 前記有機ケイ素化合物成分(A)を構成する前記式(1)で表されるポリオルガノシロキサン及び/又はその部分加水分解物と前記式(2)で表されるフルオロアルキルシラン及び/又はその部分加水分解物とが、質量比で、99:1〜50:50の割合において配合されている前記態様(1)に記載の滑水性コーティング組成物。
(3) 前記溶剤成分(B)が、パラフィン系炭化水素及び/又はシリコーンオイルを主剤とする有機溶剤である前記態様(1)又は前記態様(2)に記載の滑水性コーティング組成物。
(4) 前記態様(1)乃至前記態様(3)の何れか1つに記載のコーティング組成物からなる塗膜が、アルミニウムフィン材の表面に形成されていることを特徴とする熱交換器滑水性アルミニウムフィン材。
(5) 前記態様(4)に記載の滑水性アルミニウムフィン材を製造する方法であって、前記塗膜が、前記コーティング組成物を塗布した後、加熱乾燥することにより、形成されることを特徴とする方法。
(6) 前記態様(4)に記載の滑水性アルミニウムフィン材を、熱交換媒体が管内に流通せしめられるチューブ材に組み付けてなることを特徴とする滑水性に優れた熱交換器。
(7) 管内に熱交換媒体が流通せしめられるチューブ材にアルミニウムフィン材を組み付けてなる熱交換器に、前記態様(1)乃至前記態様(3)の何れか1つに記載のコーティング組成物を塗布し、加熱乾燥せしめてなることを特徴とする滑水性に優れた熱交換器。
このように、本発明に従う滑水性コーティング組成物にあっては、それを構成する有機ケイ素化合物成分(A)の一成分たる、式(1)にて示されるポリオルガノシロキサン、又はその部分加水分解物は、滑水性に優れるオルガノシロキサン鎖を有しているところから、そのようなコーティング組成物を用いて得られる被膜(塗膜)の滑水性を向上させる機能を発揮することに加えて、かかる有機ケイ素化合物成分(A)を構成する他の成分である、式(2)にて表されるフルオロアルキルシラン、又はその部分加水分解物は、連結基として2価のパーフルオロアルキレン基を含有するビスシラン型化合物であり、特に、その連結基であるパーフルオロアルキレン基の炭素鎖長が5以下のものとされていることによって、これまでのパーフルオロアルキルシランでは見られることがなかった、被膜の耐久性を向上させる性状を付与することが出来ることとなったのである。
このため、本発明に従うコーティング組成物を用いて形成される被膜乃至塗膜は、優れた滑水性を有するものであると共に、長期間に亘って、その滑水性を維持することが出来る、耐久性に優れたものとなるのであって、特に、アルミニウムフィン材やそれを組み込んでなる熱交換器に対して適用されることにより、フィン表面に付着する水滴の除去が効果的に向上せしめられ得ることとなる。
従って、かかるコーティング組成物を用いて形成された、滑水性に優れた塗膜を有するアルミニウムフィン材や熱交換器においては、フィン表面に水滴が付着したり、結露水が霜となって凍り付いたりすることによって、通風抵抗が増大し、また風量が減少して、熱交換効率が低下するという問題を有利に解消乃至は軽減せしめて、熱交換器としての機能を有利に発揮させることが出来ることとなるのである。
本発明において対象とされる熱交換器の一例を示す斜視説明図である。 実施例において測定される水滴の滑落角について示す説明図である。
先ず、本発明に係る滑水性を得るためのコーティング組成物は、有機ケイ素化合物成分(A)を構成する一つの成分として、前記式(1)にて表されるポリオルガノシロキサン及び/又はその部分加水分解物を含むものであるが、そのような式(1)において、R1 として採用される炭素数が1〜4の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基を挙げることが出来る。また、R2 として採用される炭素原子数が1〜4の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基を挙げることが出来る。更に、Xで表される−R4 s−(OSi(R32r −R4 s−基において、R3 として採用される炭素原子数が1〜6の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基が挙げられ、またR4 として採用される炭素数が1〜6の2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等のアルキル基を挙げることが出来る。そして、pは0,1又は2であるが、好ましくは0又は1が採用されることとなる。更に、rは1〜300、sは0又は1であるが、中でも、rは、好ましくは5〜150、特に10〜50の範囲内であることが望ましい。なお、かかるrの値が300を超えるようになると、ポリオルガノシロキサンの加水分解可能な官能基の数が、オルガノシロキサンユニットに対して相対的に減少することになり、ポリオルガノシロキサンの反応性が低下することとなる結果、塗膜が形成される基材との結合が弱くなって、そのような塗膜にて構成される滑水層の耐久性が低下する恐れがあり、好ましくない。
そして、そのような式(1)にて表されるポリオルガノシロキサンの例としては、以下のものを挙げることが出来る。
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)2OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)3OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)4OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)6OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)8OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)9OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)10OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)20OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)30OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)40OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)50OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)80OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)100OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)200OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)300OSi(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)3OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)5OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)7OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)8OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)9OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)19OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)29OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)39OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3)3Si(OSi(CH3)2)49OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3
また、本発明に従うコーティング組成物を構成する有機ケイ素化合物成分(A)の他の一つの成分として用いられる、前記式(2)にて表されるフルオロアルキルシランにおいて、R1 、R2 及びpは、それぞれ、前記式(1)にて表される化合物において規定した通りであり、加えて、R5 として採用される炭素数が1〜6の2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等のアルキレン基を挙げることが出来る。更に、nは1〜5、好ましくは1〜4、特に好ましくは2〜4であり、qは0,1,2又は3、tは0又は1である。
そして、そのような式(2)にて表されるフルオロアルキルシランとしては、以下のものを例示することが出来る。
(CH3O)3SiCH2CH224CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3O)3SiCH2CH248CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH224CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH248CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2
なお、本発明においては、有機ケイ素化合物成分(A)として、上記した式(1)や式(2)にて表される化合物と共に、或いはそれらの化合物に代えて、それら式(1)や式(2)にて表される化合物が一般的に知られている酸や水を用いた共加水分解・縮合反応されて得られる部分加水分解物を用いることが可能である。ここで、それら式(1)や式(2)にて表される化合物の部分加水分解物とは、それぞれの化合物の片末端又は両末端のSiに結合したアルコキシル基が、ヒドロキシル基に変化したものの他、それら生じたヒドロキシル基を有する化合物同士が脱水結合して、オリゴマー化した形態の縮合物となったものをも含んで用いられており、このため、本発明においては、前記式(1)や式(2)にて示される化合物の一部が加水分解されてヒドロキシル基が導入されたものの他、その縮合物を含んでいても、何等差し支えないのである。
また、本発明において、有機ケイ素化合物成分(A)を構成する、前記式(1)で表されるポリオルガノシロキサン及び/又はその部分加水分解物と、前記式(2)で表されるフルオロアルキルシラン及び/又はその部分加水分解物とは、用いられる化合物の種類や目的とする特性等に応じて、適宜の割合において混合せしめられて、用いられることとなるが、一般に、質量比において、99:1〜50:50の割合で配合せしめられて用いられることが望ましい。なお、そのような配合比率において、式(2)の成分が1%よりも少なくなると、滑水性の耐久性が悪化する場合があり、また、かかる式(2)の成分の比率が50%を超えるようになると、滑水性が悪化する場合があり、何れも、好ましくないのである。
そして、本発明に従う有機ケイ素化合物成分(A)には、上記した式(1)で表されるポリオルガノシロキサン及び/又はその部分加水分解物と、式(2)で表されるフルオロアルキルシラン及び/又はその部分加水分解物との混合物の他にも、必要に応じて、本発明の作用乃至は効果を損なうものでない限りにおいて、かかる式(1)や式(2)にて表される化合物以外のシランやシロキサン化合物が含有せしめられていても、何等差し支えない。
また、本発明に従う滑水性コーティング組成物は、上記した有機ケイ素化合物成分(A)と共に、それを溶解し得る有機溶剤からなる溶剤成分(B)を含んで構成されるものであるが、そこにおいて、溶剤成分(B)たる有機溶剤は、上記した有機ケイ素化合物成分(A)を溶解し得るものであれば、特に限定されることはないものの、有利には、環境保全性や安全性の面から、特に、パラフィン系炭化水素及び/又はシリコーンオイルを主剤とする、換言すれば主成分とする有機溶剤系のものが、好適に採用される。なお、そのような有機溶剤は、コーティング組成物が対象物に塗布されて、加熱・乾燥されることにより、塗膜から揮発、消失せしめられるものである。また、そのような好適なパラフィン系炭化水素としては、特にイソパラフィン、即ち、8〜16個の炭素原子を有する分岐アルカンであるものが、好ましく用いられることとなる。具体的には、例えば「Isopar」の商品名で販売されているもの(エクソン・モービル社製品)や、ぺルメチル製品、特にイソドデカン(2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン)等を挙げることが出来る。また、上記したイソパラフィンの混合物も使用可能である。更に、他の揮発性の炭化水素ベースのオイル、例えば石油精製物、特に「Shell Solt」の商品名で販売されているもの( Shell社製品)も、また、使用可能である。
また、シリコーンオイルとしては、例えば、オクタメチルトリシロキサン、ヘプタメチルへキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン等の直鎖状のシリコーンや、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状のシリコーンを、挙げることが出来る。
そして、かかる溶剤成分(B)の、前記有機ケイ素化合物成分(A)に対する使用割合は、それら成分の種類やコーティング組成物の塗布条件等によって適宜に選定され、特に限定されるものではないが、それらの配合割合としては、一般に、質量比において、A:B=1:999〜300:700の範囲内において選定され、特に好ましくは、5:995〜100:900の範囲内において選定されることとなる。なお、そこにおいて、A/Bの比が1/999よりも小さくなると、有機ケイ素化合物成分(A)の使用量が少なくなるために、滑水性能が低下する場合があり、また、A/Bが300/700よりも大きくなると、コスト的に不利になる場合があり、好ましくない。
なお、本発明に従う滑水性コーティング組成物は、上記した有機ケイ素化合物成分(A)と溶剤成分(B)の他にも、そのような組成物の滑水性能や安定性を悪化させるものでなければ、任意成分を含んでいても何等差し支えなく、例えば、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、pH調整剤、シリカ等の無機物質、有機電解質、有機金属化合物、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候剤、防腐剤、消泡剤等を含むことが出来る。また、保存安定性を阻害しない範囲において、一般的な硬化触媒を加えてもよく、具体的には、アルミ、チタン、ジルコニウム系キレート触媒等を挙げることが出来る。
また、本発明に従う滑水性コーティング組成物の適用される対象物としては、何等限定されるものではなく、自動車、航空機、電車等の車両用ガラス基材、建築・建材のガラス基材や外壁、衣類や皮革等の繊維製品、紙又はコンクリートやレンガ、石、陶器、瓦、木材のような多孔質基材や各種の金属材料等に適用することが出来る。
特に、本発明にあっては、上記した対象物の中でも金属材料、特に、アルミニウムフィン材やそれを組み込んでなる熱交換器に対して有利に適用されることとなる。ここで、アルミニウムフィン材は、純アルミニウム(JIS−A1000番系)からなるものの他、アルミニウム合金からなるものを含んで、用いられている。そして、そのようなアルミニウムフィン材やそれを組み込んでなる熱交換器に対して、本発明に従うコーティング組成物が適用されることにより、アルミニウムフィン材の表面に存在するOH基との間に強固な結合が形成されることとなり、それによって、そのようなアルミニウムフィン材の表面に形成される塗膜の耐久性が、より一層向上せしめられ得るようになるのである。
このように、本発明に従う滑水性コーティング組成物が有利に適用されるアルミニウムフィン材やそれを組み込んでなる熱交換器は、従来から公知の形状や構造を有するものであって、その一例が、図1に示されている。即ち、図1は、空調機や冷蔵庫において用いられている熱交換器の一例を示すものであって、そこでは、多数のプレートフィン2と伝熱管4とを組み合わせて、所謂クロスフィンチューブ型熱交換器6が構成されている。そして、そのような熱交換器6においては、伝熱管4の一方の開口部(入口)から所定の伝熱媒体(冷媒)が流通せしめられて、他方の開口部(出口)から排出されるようになっている一方、所定の狭い間隙を隔てて配置された多数のプレートフィン2間に空気が流通せしめられるようになっており、それら伝熱媒体と空気との間において熱交換が行われ得るようになっているのである。
本発明においては、かかる図1に示される如き熱交換器6において、プレートフィン2として、本発明に従う滑水性コーティング組成物からなる塗膜が、アルミニウムフィン材の表面に形成されてなるものが用いられて、目的とする熱交換器6が構成されることとなる他、そのような塗膜が形成されていないアルミニウムフィン材を伝熱管4に組み付けて、熱交換器6を構成した後、その熱交換器6に対して、本発明に従うコーティング組成物を塗布し、加熱・乾燥することにより、そのようなコーティング組成物からなる塗膜が、アルミニウムフィン材(2)や伝熱管(4)の表面に形成されるようにすることによって、目的とする滑水性に優れた熱交換器が形成されることとなる。
なお、本発明に従う滑水性コーティング組成物を、対象物に対して塗布せしめるに際しては、公知の各種の塗布手法が採用されることとなる。具体的には、前記した有機ケイ素化合物成分(A)と溶剤成分(B)とが、通常の混合手法に従って混合せしめられて、均一なコーティング組成物とされた後、刷毛塗り、ディッピング、スポンジ塗り、ロールコート、バーコート、スプレー等の公知の方法を採用して、目的とする対象物の表面に塗布せしめられるのである。そして、そのように対象物の表面に塗布されたコーティング組成物を乾燥させることによって、有機ケイ素化合物成分(A)を構成する、式(1)で表されるポリオルガノシロキサン及び/又はその部分加水分解物と式(2)で表されるフルオロアルキルシラン及び/又はその部分加水分解物を、対象物(基材)に結合させるようにすることにより、目的とする有用な塗膜が形成されるのである。なお、かかる乾燥は、有利には、加熱下において実施され、一般に、室温〜300℃程度までの温度において、望ましくは40℃〜200℃までの間において行われることとなる。そして、かかる乾燥によって、対象物(基材)に対して、撥水性、滑水性、耐久性等の優れた特性を付与することが出来ることとなるのである。
また、かかる塗布方法を採用して、アルミニウムフィン材やそれを組み込んだ熱交換器に対して、本発明に従うコーティング組成物を塗布せしめるに際しては、その塗布対象となるアルミニウムフィン材や熱交換器は、常法に従って、その表面を清浄にする処理が施されていることが望ましい。また、耐食性を付与するために、コーティング組成物の塗布に先立って、表面に化成処理被膜を形成しておくことも望ましい。なお、化成処理としては、リン酸クロメート処理等のクロム系処理、リン酸チタン処理等のチタン系処理、リン酸ジルコニウム処理等のジルコニウム系処理等の、公知の化成処理を採用することが出来る。更に、シランカップリング剤や、シリコーン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリアミド樹脂系、エポキシ樹脂系、アルキッド樹脂系、ウレタン樹脂系の塗料等を、プライマーとして施すことも有効である。
勿論、本発明に従うコーティング組成物は、上記したフィン材や熱交換器以外に、車両や建築物等の窓ガラスに適用することで、その表面に付着する水滴を落下させるようにすることにより、視認性を向上することが可能となるのである。また、衣料品に適用することで、濡れることを防ぐと共に、乾燥に要する時間を短くすることが可能である特徴を発揮することとなる。
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
(1)アルミニウム板の作製
厚さ:0.1mmのアルミニウム板材(JIS−A1050−H26)を、市販の強アルカリ脱脂剤(日本ペイント株式会社製EC760)の2%溶液中に、60℃の温度で、30秒間浸漬することにより、脱脂処理を施した後、水道水中に15秒間浸漬して、水洗した。
次いで、市販のリン酸クロメート処理剤(日本パーカライジング株式会社製アルクロム702SK/ACK)の1.2%/0.2%の溶液中に、45℃の温度にて、20秒間浸漬することにより、化成処理を施した後、水道水中に15秒間浸漬して、水洗し、更に60℃の温風で、20分間加熱、乾燥を行なった。
(2)コーティング剤(組成物)の作製
各種のコーティング剤を作製するために、下記表1に示されるポリオルガノシロキサン1〜4、フルオロアルキルシラン1〜4及びアルキルシラン1〜2を準備した。
Figure 2013147573
そして、かかる表1に示される有機ケイ素化合物成分(A)を種々選択して、所定の溶剤成分(B)に組み合わせ、下記表2に示される実験例1〜11(但し、実験例3を除く)及び表3に示される比較例1〜8(但し、比較例4を除く)に係る各種のコーティング剤を、それぞれ調製した。即ち、実験例1においては、ポリオルガノシロキサン1である片末端トリメトキシポリジメチルシロキサンの9.0部(質量基準、以下同じ)と、フルオロアルキルシラン1である両末端トリメトキシフルオロアルキルシランの1.0部と、溶剤成分(B)である2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンの190部とを混合し、約5分間攪拌することにより、目的とするコーティング組成物を得た。また、実験例2及び4〜11や比較例1〜3及び5〜8に係るコーティング組成物にあっても、下記表2及び表3に示される使用割合において、同様にして調製した。
また、実験例3及び比較例4においては、何れも、有機ケイ素化合物成分(A)として共加水分解生成物を用いて、コーティング組成物を調製した。即ち、ポリオルガノシロキサン1である片末端トリメトキシポリジメチルシロキサンの9.0部と、フルオロアルキルシラン1である両末端トリメトキシフルオロアルキルシランの1.0部と、イソプロピルアルコールの90部とを混合して、約5分間攪拌した後、更に、0.5N硝酸水溶液の10.0部を添加して、室温で2時間攪拌することにより、それら片末端トリメトキシポリジメチルシロキサンと両末端トリメトキシフルオロアルキルシランを加水分解せしめた後、その得られた溶液に、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンの100部を添加して、それぞれ、実験例3又は比較例4のコーティング組成物を得た。
(3)コーティング剤塗布アルミニウム板の作製
上記(1)のクロメート処理が施されたアルミニウム板に対して、上記(2)作製の各種のコーティング組成物をバーコータを用いて塗布し、150℃の電気炉内で、20秒間乾燥することにより、コーティング剤塗布アルミニウム板を得た。なお、乾燥後の各アルミニウム板のコーティング付着量は、何れも0.3g/m2 となるようにした。
(4)コーティング剤塗布熱交換器の作製
先ず、図1に示される形態の熱交換器(6)を得るべく、JIS規格のA1050−H26、厚さ:0.1mmのアルミニウム板よりなるフィンに、伝熱管(4)を挿通して固定するための、2mm程度の高さのフィンカラー部を有する組み付け孔を、プレス加工により形成して、多数のプレートフィン(2)を作製した。次いで、この得られたプレートフィン(2)を積層した後に、別途準備した伝熱管(4)を挿通せしめた。なお、伝熱管(4)には、銅管又は銅合金管の内面に転造加工等によって溝加工が施されると共に、定尺切断・ヘアピン曲げ加工を施したものが用いられた。そして、かかる伝熱管(4)を、従来と同様にして、プレートフィン(2)に拡管固着せしめ、ヘアピン曲げ加工を施した側と反対側の伝熱管(4)の端部に、Uベンド管をろう付け加工する工程を経て、目的とする熱交換器(6)を作製した。
なお、そのような熱交換器(6)の各部のサイズに関して、プレートフィン(2)の幅(W)は25.4mm、長さ(L)は294mm、フィン積層ピッチ(P)は1.4mm、熱交換器(6)全体の幅(D)は300mmとした。また、伝熱管(4)としては、外径:7.0mm、底肉厚:0.45mm、フィン高さ:0.20mm、フィン頂角:15.0°、らせん角:10.0°のらせん溝付内面溝付銅管を採用した。
かくして得られた熱交換器(6)は、市販の強アルカリ脱脂剤(日本ペイント株式会社製EC760)の2%溶液中に、60℃の温度で、30秒間浸漬することにより、脱脂処理を行ない、次いで、水道水中に15秒間浸漬し、そして水洗、乾燥した後、それぞれのコーティング剤液に浸漬し、次いで、それから引き上げた後、充分に液を切って、150℃の温度で、20分間乾燥することにより、それぞれのコーティング剤の塗布された熱交換器を得た。
(5)特性評価
i)コーティング剤塗布アルミニウム板の評価
先に作製された各種のコーティング剤が塗布されてなるアルミニウム板を用い、その表面に10μlの水滴を、シリンジを使用して滴下し、図2に示されるように、アルミニウム板の片端を持ち上げて傾斜させたときに、アルミニウム板の上に載せた水滴が落下し始める際の、アルミニウム板と水平面とのなす角度を、滑落角として測定した。なお、滑落角の初期特性は、アルミニウム板に対してコーティング剤を塗布して、その塗膜を形成した直後の特性を示すものであり、また持続特性は、コーティング剤を塗布したアルミニウム板を、イオン交換水に10日間浸漬した後、風乾して得られたものについての特性を示すものである。かかる滑落角に係る初期特性及び持続特性の評価結果を、下記表2及び表3に、それぞれ示すが、そこにおいて、滑落角の「>90」は、90°の角度に試験片を立てても、水滴が転がり落ちないことを示している。
ii)コーティング剤塗布熱交換器の評価
上記の(4)で作製されたコーティング剤塗布熱交換器について、難着霜性の評価を行なった。具体的には、雰囲気温度(乾球温度)が2℃、湿球温度が1℃の環境下に、各種コーティング剤塗布熱交換器を設置し、その伝熱管内に、20kg/hの流量で、−5℃の冷媒(熱交換媒体)を流す一方、流通させる風の入口風速を1.5m/sとする条件下において運転を行ない、その状態において、風の通風抵抗を、熱交換器の入側と出側での差圧によって測定し、その値が500Paになるまでの運転時間にて、評価した。そして、通風抵抗が500Paになるまでの運転時間が、比較のために別途準備した無塗装材を用いた熱交換器(アルミニウム基板表面を露出させ、塗膜等が一切形成されていないフィンを使用したもの)よりも、30分以上延びたものを○、20分以上30分未満のものを△、20分未満のものを×として評価した。そして、その評価結果を、それぞれ、下記表2及び表3に示した。
Figure 2013147573
Figure 2013147573
かかる表2及び表3の結果から明らかなように、本発明に従うポリオルガノシロキサン1〜3とフルオロアルキルシラン1〜3よりなる有機ケイ素化合物成分(A)を用いた場合にあっては、何れも、水滴の滑落角は、初期特性及び持続特性の両方において小さな値を示し、優れた滑落性を有するものであることが認められた。また、そのような有機ケイ素化合物成分(A)を加水分解したものを用いた場合においても、同様に、優れた滑落性の結果が得られているのである。更に、そのような実験例1〜11に係るコーティング剤を用いて塗装処理された熱交換器においても、優れた難着霜性を有していることが、明らかとなった。
これに対して、比較例1〜8に係るコーティング剤にあっては、何れも、充分な滑水性を示すものではなく、そのために、難着霜性においても劣るものとなっているのである。即ち、比較例1は、ポリオルガノシロキサンが、本発明に係る式(1)にて表されるものではないコーティング剤を用いたものであり、また、比較例2〜6においては、本発明に係る式(2)にて表されるものではないフルオロアルキルシラン又はその部分加水分解物、或いは、単なるアルキルシランを用いているに過ぎないものであり、更に、比較例7、8においては、ポリオルガノシロキサンやフルオロアルキルシランが単独にて用いられたものであって、それらの何れの場合においても、滑落角に係る初期特性や持続特性が充分でなく、そのために、難着霜性においても充分でないことが認められる。
2 プレートフィン 4 伝熱管
6 熱交換器

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されるポリオルガノシロキサン及び/又はその部分加水分解物と下記式(2)で表されるフルオロアルキルシラン及び/又はその部分加水分解物との混合物からなる有機ケイ素化合物成分(A)と、該有機ケイ素化合物成分(A)を溶解し得る有機溶剤からなる溶剤成分(B)とを含有していることを特徴とする滑水性コーティング組成物。
    (R23Si−X−Si(R2p(OR13-p ・・・(1)
    [但し、式中、R1 は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、R2 は炭素原子数1 〜4の1価の炭化水素基であり、Xは−R4 s−(OSi(R32r −R4 s−基(こ
    こで、R3 は炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、R4 は炭素数1〜6の2価の炭
    化水素基、rは1〜300、sは0又は1である。)であり、pは0,1又は2であ
    る。]
    (R1O)3-q(R2qSi−R5 t−(Cn2n)−R5 tSi(R2p(OR13-p ・・・(2)
    [但し、式中、R1 は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、R2 は炭素原子数1 〜4の1価の炭化水素基であり、R5 は炭素数1〜6の2価の炭化水素基であり、n は1〜5、tは0又は1、pは0,1又は2、qは0,1又は2である。]
  2. 前記有機ケイ素化合物成分(A)を構成する前記式(1)で表されるポリオルガノシロキサン及び/又はその部分加水分解物と前記式(2)で表されるフルオロアルキルシラン及び/又はその部分加水分解物とが、質量比で、99:1〜50:50の割合において配合されている請求項1に記載の滑水性コーティング組成物。
  3. 前記溶剤成分(B)が、パラフィン系炭化水素及び/又はシリコーンオイルを主剤とする有機溶剤である請求項1又は請求項2に記載の滑水性コーティング組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のコーティング組成物からなる塗膜が、アルミニウムフィン材の表面に形成されていることを特徴とする熱交換器用滑水性アルミニウムフィン材。
  5. 請求項4に記載の滑水性アルミニウムフィン材を製造する方法であって、前記塗膜が、前記コーティング組成物を塗布した後、加熱乾燥することにより、形成されることを特徴とする方法。
  6. 請求項4に記載の滑水性アルミニウムフィン材を、熱交換媒体が管内に流通せしめられるチューブ材に組み付けてなることを特徴とする滑水性に優れた熱交換器。
  7. 管内に熱交換媒体が流通せしめられるチューブ材にアルミニウムフィン材を組み付けてなる熱交換器に、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のコーティング組成物を塗布し、加熱乾燥せしめてなることを特徴とする滑水性に優れた熱交換器。
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