JP2013147458A - Th1誘導剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酵母を原料にしてTh1の機能亢進を誘導する効果に優れたTh1誘導剤並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】 酵母の菌体を微粒子化して、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとされたものを、Th1誘導剤の有効成分とする。そのTh1誘導剤の製造においては、酵母の菌体に分散剤を添加し、これを湿式分散処理して前記菌体の体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとなるまで微粒子化し、次いで粉末化するか、又は、酵母の菌体を湿式分散処理して、前記菌体の体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとなるまで微粒子化し、これに分散剤を添加して粉末化することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酵母の菌体を微粒子化したものを有効成分として含有するTh1誘導剤及びその製造方法に関する。
免疫担当細胞であるヘルパーT細胞は、機能的にI型ヘルパーT細胞とII型ヘルパーT細胞に分けられる。
I型ヘルパーT細胞(以下、「Th」という。)は、IFN−γ、IL−12(インターロイキン−12)等のTh1型サイトカインを産出し、細菌やウイルスなどの異物を攻撃、破壊して感染を防御し、さらにマクロファージも活性化する。IL−12は、樹状細胞およびマクロファージのような抗原提示細胞からも分泌されるサイトカインで、ガン細胞を直接攻撃するナチュラルキラー細胞(NK細胞)や、ラック細胞(LAK細胞)、キラーT細胞(CTL細胞)を活性化したり、インターフェロンγ(IFN−γ)の産生を増強したりする、非常に強力な免疫活性物質として知られている。
一方、II型ヘルパーT細胞(以下、「Th2」という。)は、IL−4、IL−5、IL−10等などのTh2型サイトカインを産出し、カビやダニなどに反応してB細胞にIgE抗体を作らせる液性免疫に関与することが知られている。
また、Th1型サイトカインはTh2を抑制し、逆にTh2型サイトカインはTh1を抑制し、この2つは免疫全体のバランスを保つために互いに関係し合っていることが知られている。
近年、免疫研究が進むにつれて、Th1とTh2のバランスが病気の発症や進展に重要であることが知られ、現代人の生活環境ではTh2が亢進される傾向が強く、例えば、癌、免疫不全、喘息、皮膚炎、アレルギー疾患、腎炎、感染症等でも、このTh2の機能亢進が関与しているものと考えられている(非特許文献1参照)。
そこで、このような疾患を治療あるいは予防するためには、過度に機能亢進したTh2を抑制しTh1を亢進させて、Th1とTh2のバランスを調和に向かわせることが重要であると考えられる。そのための方法として、例えば、特許文献1には、免疫抗原物質の粒度を1ミクロン未満にまで微粒子化し、当該粒子に再凝集防止処理を施すことで、抗原提示細胞からのIL−12産生能を増強する方法が開示され、その方法を施した免疫抗原物質を有効成分とするTh1誘導剤が開示されている。
一方、疾患の治療あるいは予防のためには、動物に自然に備わる免疫力を維持もしくは賦活化し、又は減退させないことも重要である。例えば、特許文献2には、免疫力を高めるための健康機能食品にその有効成分としてミネラル栄養成分を配合することが記載されている。また、特許文献3には、酵母の栄養培地に亜鉛、銅、マンガン、セレン、クロム、モリブデン等の必要なミネラル成分を強化して培養することにより、目的とするミネラル成分を高濃度に含んだ酵母が得られることが記載されている。
Springer Seminars in Immunopathology Vol.21(3),1999及び最新医学「自己免疫疾患の臨床1998」,32,1998
特開2008−195631号公報 特開2007−224006号公報 特開2008−54694号公報
上記特許文献1では、免疫抗原物質として用いる乳酸菌の粒度を1ミクロン未満にまで微粒子化するものとされており、その粒度が1ミクロン以上であると、IL−12産生能を増強する効果が顕著に低くなることが記載されている。この点、酵母は難消化性多糖類等から構成された硬い細胞壁に覆われ、その粒度を1ミクロン以下に調整するのは困難であった。
また、上記特許文献3では、ミネラル成分の強化された酵母を流動食に配合することが記載され、その流動食の製造の工程で加熱殺菌や、高圧ホモゲナイザーによる乳化が行われているが、そのような殺菌処理や乳化剤が添加された状態での乳化処理のみでは細胞壁の破砕が不十分であり、酵母の内容栄養成分を効率的に摂取することが難しかった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決しつつ、酵母を原料にしてTh1の機能亢進を誘導する効果に優れたTh1誘導剤並びにその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、酵母では、乳酸菌のように粒度を1ミクロン未満に調整しなくとも、細胞壁が十分に破砕される程度にまで微粒子化することによって、Th1誘導効果に優れたものとすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、酵母の菌体を微粒子化して、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとされたものを有効成分として含有することを特徴とするTh1誘導剤を提供するものである。
本発明のTh1誘導剤によれば、酵母の菌体を微粒子化して、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとされたものを有効成分として含有するので、IL−12産生能を増強する効果等Th1の機能亢進を誘導する効果に優れている。また、十分に細胞壁を破砕する処理がされているので、微粒子化に用いた酵母に含まれるミネラル等の内容栄養成分を効率的に摂取することができる。
一方、本発明のもう1つは、酵母の菌体に分散剤を添加し、これを湿式分散処理して前記菌体の体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとなるまで微粒子化し、次いで粉末化することを特徴とする、Th1誘導剤の製造方法を提供するものである。
また、本発明の他の1つは、酵母の菌体を湿式分散処理して、前記菌体の体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとなるまで微粒子化し、これに分散剤を添加して粉末化することを特徴とする、Th1誘導剤の製造方法を提供するものである。
本発明のTh1誘導剤の製造方法によれば、酵母の菌体に分散剤を添加して微粒子化し、次いで粉末化するか、又は、酵母の菌体を微粒子化し、これに分散剤を添加して粉末化するので、IL−12産生能を増強する効果等Th1の機能亢進を誘導する効果に優れたTh1誘導剤を製造することができるとともに、水等に再懸濁したときにも分散性がよく、微粒子化された酵母の菌体の再凝集を防いで、そのTh1誘導剤の効果の減退を防ぐことができる。
本発明のTh1誘導剤の製造方法においては、前記湿式分散処理を高圧ホモゲナイザーを用いて行うことが好ましい。
また,前記酵母の菌体を乾燥物換算で2〜30質量%含有し、pH6.0〜7.0に調整した懸濁液を、前記高圧ホモゲナイザーを用いて、圧力80〜200kg/cmの条件で循環させることで、前記湿式分散処理を行なうことが好ましい。
本発明のTh1誘導剤によれば、酵母の菌体を微粒子化したものを有効成分として含有するので、Th1誘導効果に優れているとともに、微粒子化に用いた酵母に含まれるミネラル等の内容栄養成分を効率的に摂取することができる。
また、本発明のTh1誘導剤の製造方法によれば、微粒子化した酵母の菌体に分散剤を添加した状態で粉末化するので、水等に再懸濁したときにも分散性がよく、微粒子化された酵母の菌体の再凝集を防いで、そのTh1誘導剤の効果の減退を防ぐことができる。
酵母の菌体を高圧ホモゲナイザーで微粒子化したときの粒度分布を示す。 酵母の菌体の懸濁液であって微粒子化の処理を行わないものの粒度分布を示す。
本発明に用いる酵母の種属は、特に限定されず、例えば、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、トルラスポラ(Torulaspora)属、キャンジダ(Candida)属、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)属、ピチア(Pichia)属等が例示される。より具体的には、サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyses cerevisiae)、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、トルラスポラ デルブルエッキー(Torulaspora delbrueckii)、キャンジダ ケフィア(Candida kefir)、クルイベロマイセス マルキシアナス(Kluyveromyces marxianus)、クルイベロマイセス ラクティス(Kluyveromyces lactis)、ピチア ブルトニ(Pichia burtonii)、ピチア ファリノサ(Pichia farinosa)等が例示される。これらは、2種以上を併用して用いてもよい。この中でも、特にサッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyses cerevisiae)が好ましく採用される。
本発明に用いる酵母の菌体は、それぞれの酵母に適した条件・培地で培養して増殖させることによって、大規模に調製することができる。このとき培養によって得られた菌体は、その培地を濾別、遠心、沈降等によって取り除くとともに水等によって洗浄したり、オートクレーブにより滅菌したりしてから用いてもよい。酵母の菌体は、スプレードライ等によって乾燥物に調製されたものを用いてもよい。
上記酵母の培養の際には、炭素源、窒素源、塩類、ビタミン類等を含んだ栄養培地に亜鉛、銅、マンガン、セレン、クロム、モリブデン等のミネラル成分を強化し、酵母の菌体中にミネラルを取り込ませて、その含有量の高められた酵母の菌体を調製してもよい。このようなミネラル強化酵母を用いることにより、本発明のTh1誘導剤を摂取することにより、免疫バランスを整えるのに有用なミネラルを、効率的に摂取することができる。
本発明に用いられる酵母の菌体は、市販の例えば乾燥酵母を用いることもできる。
本発明では、これらの酵母の菌体を微粒子化して、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとされたものを、Th1誘導剤の有効成分とする。そのメディアン径(D50)が1μm未満であるとその調製が困難でありもしくは手間がかかり、そのメディアン径(D50)が10μmを超えると、Th1誘導効果が低下するので、いずれも好ましくない。なお、体積積算粒度分布のメディアン径とは、体積基準で測定した粒度分布曲線において、相対粒子量の蓄積が50%となる点と交差する粒子径を意味し、汎用の粒度分布測定装置等によって測定することができる。
微粒子化は、湿式分散処理により、例えば、酵母の菌体を乾燥物換算で2〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%含有し、pH6.0〜7.0に調整した懸濁液を、前記高圧ホモゲナイザーを用いて、圧力80〜200kg/cm、より好ましくは100〜170kg/cmの条件で循環させることで、行なうことができる。このとき懸濁液中の酵母の菌体の濃度が上記範囲未満であると微粒子化の効率が悪く、濃度が上記範囲を超えると、高圧ホモゲナイザーの装置の細孔部を循環する流体の粘度が上昇して、この場合も微粒子化の効率が低下するので、いずれも好ましくない。また、酵母の菌体の懸濁液のpHが上記範囲外であると、微粒子化した酵母の菌体が再凝集する傾向が高まるので好ましくない。また、圧力条件が上記範囲未満であると微粒子化の効率が悪く、上記範囲を超えると、高圧ホモゲナイザーの装置の細孔部を循環する流体の粘度が上昇して、この場合も微粒子化の効率が低下するので、いずれも好ましくない。高圧ホモゲナイザーの装置の細孔部を循環する流体の温度は、90℃以下に抑えることが好ましく、80℃〜85℃に制御することがより好ましい。
上記微粒子化の際には、酵母の菌体に分散剤を添加し、これを微粒子化し、次いで粉末化するか、又は、酵母の菌体を微粒子化し、これに分散剤を添加して粉末化することが好ましい。粉末化は、酵母の菌体を微粒子化した後に、スプレードライや凍結乾燥により乾燥することにより行うことができる。これによれば、微粒子化した酵母の菌体に分散剤を接触させた状態で粉末化しているので、水等に再懸濁したときにも分散性がよく、微粒子化された酵母の菌体の再凝集を防いで、そのTh1誘導剤の効果の減退を防ぐことができる。
その分散剤としては、デキストリン、可溶性食物繊維、難消化性デキストリン等の多糖類、トレハロース、乳糖、麦芽糖等の低分子糖類、コラーゲン、ホエー分解物、大豆蛋白分解物等のペプチド類などを好ましく例示できる。その添加量は、酵母の菌体の乾燥物換算100質量部に対して分散剤20〜1,000質量部であることが好ましく、50〜1,000質量部であることがより好ましく、100〜600質量部であることが最も好ましい。分散剤の添加量が酵母の菌体の乾燥物換算100質量部に対して20質量部未満であると、分散剤の添加による効果に乏しく、1,000質量部を超えると、Th1誘導剤中の酵母の菌体の含有量を確保することができないので、いずれも好ましくない。
本発明のTh1誘導剤の有効成分としては、上記微粒子化の処理を施したものをそのまま、もしくはそれをスプレードライや凍結乾燥により乾燥したものを用いることが好ましい。これに対し、微粒子化した酵母の菌体を水等により洗浄すると、微粒子化により低分子化した成分や、微粒子化により菌体外に顕れた酵母のミネラル等の内容栄養成分が洗い流されてしまうおそれがあるので、好ましくない。
本発明のTh1誘導剤においては、上記微粒子化の処理を施した酵母の菌体(分散剤を添加する場合にはその分散剤)以外に、他の素材を配合することに特に制限はなく、必要に応じて、薬学的に許容される基材や担体を添加して、公知の製剤方法によって、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、散剤、液剤、粉末剤、ゼリー状剤、飴状剤等の形態にして、これを経口剤として利用することができる。また、軟膏剤、クリーム剤、ジェル、ローション等の形態にして、これを皮膚外用剤として利用することができる。
本発明のTh1誘導剤においては、上記微粒子化の処理を施した酵母の菌体(分散剤を添加する場合にはその分散剤)以外に、他の素材として、食品原料を配合することもできる。食品原料としては、例えば、各種糖質や乳化剤、甘味料、酸味料、果汁、フレーバー等が挙げられる。より具体的には、グルコース、シュークロース、フラクトース、蜂蜜等の糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット等の糖アルコール、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤が挙げられる。この他にも、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE等の各種ビタミン類やハーブエキス、穀物成分、野菜成分、乳成分等を配合してもよい。
本発明のTh1誘導剤においては、上記微粒子化の処理を施した酵母の菌体の含有量は、各種の形態とした場合に、それが使用される量と有効投与量との関係を勘案して適宜定めればよく、特に制限されるものではないが、通常、固形状の形態の場合には、上記微粒子化の処理を施した酵母の菌体の、その微粒子化前の原料の乾燥物換算で0.1〜100質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましい。また、液状又はゼリー状の形態の場合には、上記微粒子化の処理を施した酵母の菌体の、その微粒子化前の原料の乾燥物換算で0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
本発明のTh1誘導剤の投与形態としては、体の中から作用させるため経口的に摂取してもよく、あるいは皮膚に塗布して用いてもよい。また吸引して呼吸器系に適用してもよく、その投与形態が特に制限されるものではない。
本発明のTh1誘導剤の投与量は、特に制限はないが、典型的に経口的に摂取する場合には、上記微粒子化の処理を施した酵母の菌体の、その微粒子化前の原料の乾燥物換算で、成人1日当りおよそ0.05〜10gである。
本発明のTh1誘導剤は、動物用の飼料としても利用することができる。具体的には、例えば、家畜、競走馬、鑑賞用動物等の飼料;ペットフード等が挙げられる。これら飼料の組成や形態は、経口摂取して利用する場合の上記利用形態に関する記載に準じて成すことができる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<製造例1>
乾燥酵母(「乾燥ビール酵母(S.cerbiciae)」キリンビール株式会社製)を濃度10質量%となるように水と混合し、pHを約6.5に調整して、酵母の菌体の懸濁液とした。この懸濁液1,000Lを高圧ホモゲナイザー(深尾精機株式会社製)にかけ、圧力150kg/cmの条件で装置の細孔部を循環させておよそ180分後に循環中の流体の温度が85℃に達した時点で、処理を終了した。
上記処理を施した酵母の菌体の懸濁液の内容物の粒度を、粒度分布計(「SALD-3100」株式会社島津製作所製)を用いて測定した。また比較として、上記処理を施さない酵母の菌体の懸濁液の内容物の粒度を同様に測定した。
その結果、上記高圧ホモゲナイザーによる湿式分散処理を施した場合には、図1に示す粒度分布を示し、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)は6.762μmであった。一方、上記処理を施さない場合には、図2に示す粒度分布を示し、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)は64.76μmであった。よって酵母の菌体は、高圧ホモゲナイザーによる湿式分散処理により、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が10分の1程度となるまで微粒子化していることが確認された。
<製造例2>
酵母の菌体の懸濁液に、濃度10質量%となるようにデキストリンを添加した以外は、製造例1と同様にして、上記高圧ホモゲナイザーによる湿式分散処理したものを調製し、それを噴霧乾燥して粉末化した。
得られた粉末を精製水に再懸濁し、バクテリア計算板を用いて顕微鏡観察したところ、菌体破砕物同士は凝集しておらず、分散性は良好であった。一方、比較として、デキストリンを添加しないで同様に湿式分散処理して、その後噴霧乾燥して粉末化した場合には、得られた粉末を精製水に再懸濁すると、菌体破砕物同士が凝集し大きな塊となっていることが明らかとなった。
<製造例3>
酵母の菌体の懸濁液に、濃度10質量%となるようにデキストリンを添加した以外は、製造例1と同様にして、上記高圧ホモゲナイザーによる湿式分散処理したものを調製し、それをオートクレーブ(121℃、10分)にかけて滅菌し、その後凍結乾燥して粉末化した。
得られた粉末を精製水に再懸濁し、バクテリア計算板を用いて顕微鏡観察したところ、菌体破砕物同士は凝集しておらず、分散性は良好であった。一方、比較として、デキストリンを添加しないで同様に湿式分散処理して、その後凍結乾燥して粉末化した場合には、得られた粉末を精製水に再懸濁すると、菌体破砕物同士が凝集し大きな塊となっていることが明らかとなった。
<試験例1>
製造例3で調製した微粒子化酵母について、そのIL−12産生誘導能を調べた。また比較のため、微粒子化の処理を施さない酵母についても、そのIL−12産生誘導能を調べた。IL−12産生誘導能は以下のようにして測定した。
〔IL−12産生誘導能の測定方法〕
BALB/cマウス(8〜12週齢、メス)の脾臓を摘出し、10% FBS、10μM 2-メルカプトエタノール、10mM HEPES、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシンを含むRPMI1640培地で脾臓由来細胞の浮遊液(2.5×106cells/mL)を調製した。その脾細胞浮遊液200μLを、96wellプレートの各ウェルに加え、更に被検試料として微粒子化酵母、又はコントロール酵母をいずれも10μg/mL、又は50μg/mLの濃度になるように添加した。これを、5%炭酸ガス、37℃の条件で48時間培養し、培養後、脾細胞浮遊液中のIL−12産生細胞から培養上清中に分泌したIL−12量を、常法に従いサンドイッチELISA法により測定した。なお、被検試料の各濃度につき3ウェルを用意し、統計処理により微粒子化酵母とコントロール酵母との間の有意差検定を行った。
その結果、表1に示すように、微粒子化酵母はコントロール酵母に比べて有意に高いIL−12産生誘導能を示した。したがって、酵母の菌体を微粒子化したものは、そのIL−12産生誘導能が、原料菌体に比べて、有意に高められることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. 酵母の菌体を微粒子化して、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとされたものを有効成分として含有することを特徴とするTh1誘導剤。
  2. 酵母の菌体に分散剤を添加し、これを湿式分散処理して前記菌体の体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとなるまで微粒子化し、次いで粉末化することを特徴とする、Th1誘導剤の製造方法。
  3. 酵母の菌体を湿式分散処理して、前記菌体の体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が1〜10μmとなるまで微粒子化し、これに分散剤を添加して粉末化することを特徴とする、Th1誘導剤の製造方法。
  4. 前記湿式分散処理を高圧ホモゲナイザーを用いて行う、請求項2又は3記載のTh1誘導剤の製造方法。
  5. 前記酵母の菌体を乾燥物換算で2〜30質量%含有し、pH6.0〜7.0に調整した懸濁液を、前記高圧ホモゲナイザーを用いて、圧力80〜200kg/cmの条件で循環させることで、前記湿式分散処理を行なう、請求項4記載のTh1誘導剤の製造方法。
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