JP2013147399A - セメント組成物、及びセメント系硬化体 - Google Patents
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Abstract
【課題】施工温度や養生温度が異なる場合においても、初期材齢における長さ変化率がほぼ同じである、圧縮強度が30〜60N/mm2のセメント系硬化体を製造することができるセメント組成物を提供する。
【解決手段】モリブデンの含有量が30mg/kg以下であるポルトランドセメントと、骨材と、水と、膨張材および収縮低減剤の少なくともいずれか一方とを含むことを特徴とするセメント組成物。該セメント組成物を硬化してなるモルタルまたはコンクリート。
【選択図】なし
【解決手段】モリブデンの含有量が30mg/kg以下であるポルトランドセメントと、骨材と、水と、膨張材および収縮低減剤の少なくともいずれか一方とを含むことを特徴とするセメント組成物。該セメント組成物を硬化してなるモルタルまたはコンクリート。
【選択図】なし
Description
本発明は、セメント組成物、及びセメント系硬化体(モルタル、及びコンクリート)に関する。
従来から、乾燥収縮または自己収縮を低減する目的で、セメント組成物に膨張材を配合することが知られている。しかし、膨張材を添加したセメント組成物を硬化してなるセメント系硬化体(コンクリート、およびモルタル等)は、同一配合のセメント組成物であっても施工温度や養生温度が異なる場合に、初期材齢におけるセメント系硬化体の膨張量が異なるため、長さ変化率が大きく異なってしまうという問題があった。このようなセメント系硬化体では、施工温度や養生温度に応じて膨張材の配合量等を変える必要があり手間がかかるものであった。
この問題を解決するために、特許文献1には、セメントと、減水剤と、細骨材と、粗骨材と、収縮低減剤と、膨張材と、水を含み、収縮低減剤/セメント比が0.1〜2.0重量%、膨張材/セメント比が3.0〜10重量%であり、40N/mm2以上の圧縮強度を発現する高性能コンクリートが記載されている。
この問題を解決するために、特許文献1には、セメントと、減水剤と、細骨材と、粗骨材と、収縮低減剤と、膨張材と、水を含み、収縮低減剤/セメント比が0.1〜2.0重量%、膨張材/セメント比が3.0〜10重量%であり、40N/mm2以上の圧縮強度を発現する高性能コンクリートが記載されている。
上記特許文献1に記載された技術は、膨張材と収縮低減剤を併用する必要があるとともに、40N/mm2以上の圧縮強度を発現する高性能コンクリートを対象とするものであった。
そこで本発明の目的は、膨張材および収縮低減剤の少なくともいずれか一方を配合したセメント組成物であって、施工温度や養生温度が異なる場合においても、初期材齢における長さ変化率がほぼ同じであるセメント系硬化体(特に圧縮強度が30〜60N/mm2のセメント系硬化体)を製造することができるセメント組成物を提供することにある。
そこで本発明の目的は、膨張材および収縮低減剤の少なくともいずれか一方を配合したセメント組成物であって、施工温度や養生温度が異なる場合においても、初期材齢における長さ変化率がほぼ同じであるセメント系硬化体(特に圧縮強度が30〜60N/mm2のセメント系硬化体)を製造することができるセメント組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、従来用いられてきたポルトランドセメントよりもモリブデン含有量が少ないポルトランドセメントと、膨張材および収縮低減剤の少なくともいずれか一方と、骨材と、水とを含むセメント組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]を提供するものである。
[1]モリブデンの含有量が30mg/kg以下であるポルトランドセメントと、膨張材および収縮低減剤の少なくともいずれか一方と、骨材と、水とを含むことを特徴とするセメント組成物。
[2]前記[1]に記載のセメント組成物を硬化してなるモルタル。
[3]前記[1]に記載のセメント組成物を硬化してなるコンクリート。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]を提供するものである。
[1]モリブデンの含有量が30mg/kg以下であるポルトランドセメントと、膨張材および収縮低減剤の少なくともいずれか一方と、骨材と、水とを含むことを特徴とするセメント組成物。
[2]前記[1]に記載のセメント組成物を硬化してなるモルタル。
[3]前記[1]に記載のセメント組成物を硬化してなるコンクリート。
本発明のセメント組成物によれば、施工温度や養生温度が異なる場合においても、初期材齢における長さ変化率がほぼ同じであるセメント系硬化体(特に圧縮強度が30〜60N/mm2のセメント系硬化体)を製造することができる。
また、本発明のセメント組成物によれば、得られるセメント系硬化体の長期材齢における収縮率を小さくすることができる。
また、本発明のセメント組成物によれば、得られるセメント系硬化体の長期材齢における収縮率を小さくすることができる。
本発明のセメント組成物はポルトランドセメントと、膨張材および収縮低減剤の少なくともいずれか一方と、骨材と、水とを含む。以下、詳細に説明する。
本発明で用いられるポルトランドセメントとしては、普通、早強、中庸熱、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。中でも、コストや汎用性等の観点から、普通ポルトランドセメントが好ましい。
上記ポルトランドセメントに含まれるモリブデンの含有量は、30mg/kg以下、好ましくは1〜20mg/kg、より好ましくは2〜15mg/kg、特に好ましくは3〜10mg/kgである。
モリブデンの含有量が30mg/kgを超えると、施工温度や養生温度が異なる場合に、初期材齢(通常1〜7日程度)における長さ変化率が大きく異なるおそれがある。
ここで、長さ変化率とは、(セメント系硬化体の変化後の長さ−セメント系硬化体の変化前の長さ)/(セメント系硬化体の変化前の長さ)によって表される。
セメント組成物1m3中のポルトランドセメントの配合量は、好ましくは200〜600kg/m3である。
該配合量が200kg/m3未満の場合、得られるセメント系硬化体の強度が不足するおそれがある。該配合量が600kg/m3を超えると、施工温度や養生温度が異なる場合に、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率が大きく異なるおそれがある。また、得られるセメント系硬化体の長期材齢における収縮率が大きくなるおそれがある。
本発明で用いられるポルトランドセメントとしては、普通、早強、中庸熱、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。中でも、コストや汎用性等の観点から、普通ポルトランドセメントが好ましい。
上記ポルトランドセメントに含まれるモリブデンの含有量は、30mg/kg以下、好ましくは1〜20mg/kg、より好ましくは2〜15mg/kg、特に好ましくは3〜10mg/kgである。
モリブデンの含有量が30mg/kgを超えると、施工温度や養生温度が異なる場合に、初期材齢(通常1〜7日程度)における長さ変化率が大きく異なるおそれがある。
ここで、長さ変化率とは、(セメント系硬化体の変化後の長さ−セメント系硬化体の変化前の長さ)/(セメント系硬化体の変化前の長さ)によって表される。
セメント組成物1m3中のポルトランドセメントの配合量は、好ましくは200〜600kg/m3である。
該配合量が200kg/m3未満の場合、得られるセメント系硬化体の強度が不足するおそれがある。該配合量が600kg/m3を超えると、施工温度や養生温度が異なる場合に、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率が大きく異なるおそれがある。また、得られるセメント系硬化体の長期材齢における収縮率が大きくなるおそれがある。
本発明で用いられる膨張材としては、カルシウムサルホアルミネート系膨張材や石灰系膨張材等が挙げられ、マスコン用水和熱抑制タイプや通常タイプのいずれも使用することができる。セメント組成物1m3中の膨張材の配合量は、好ましくは10〜40kg/m3、より好ましくは15〜30kg/m3である。
膨張材の配合量を上記範囲内とすることにより、施工温度や養生温度が異なる場合であっても、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率をほぼ同じにすることができる。
膨張材の配合量が10kg/m3未満の場合、膨張材の収縮応力低減効果そのものが小さくなるおそれがある。該配合量が40kg/m3を超えると、膨張量が大きすぎてセメント系硬化体の強度が低下するおそれがある。
また、膨張材のブレーン比表面積(粉末度)は、好ましくは2000cm2/g以上、より好ましくは3000〜6000cm2/gである。該ブレーン比表面積を上記範囲内とすることで、施工温度や養生温度が異なる場合であっても、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率をほぼ同じにすることができる。また、該ブレーン比表面積が6000cm2/gを超えると粉砕に時間がかかりコストが高くなる。該ブレーン比表面積が2000cm2/g未満では、施工温度や養生温度が異なる場合に、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率が大きく異なるおそれがある。また、得られるセメント系硬化体にポップアウトや強度低下が生じたり、長期材齢における収縮率が大きくなってしまうおそれがある。
膨張材の配合量を上記範囲内とすることにより、施工温度や養生温度が異なる場合であっても、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率をほぼ同じにすることができる。
膨張材の配合量が10kg/m3未満の場合、膨張材の収縮応力低減効果そのものが小さくなるおそれがある。該配合量が40kg/m3を超えると、膨張量が大きすぎてセメント系硬化体の強度が低下するおそれがある。
また、膨張材のブレーン比表面積(粉末度)は、好ましくは2000cm2/g以上、より好ましくは3000〜6000cm2/gである。該ブレーン比表面積を上記範囲内とすることで、施工温度や養生温度が異なる場合であっても、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率をほぼ同じにすることができる。また、該ブレーン比表面積が6000cm2/gを超えると粉砕に時間がかかりコストが高くなる。該ブレーン比表面積が2000cm2/g未満では、施工温度や養生温度が異なる場合に、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率が大きく異なるおそれがある。また、得られるセメント系硬化体にポップアウトや強度低下が生じたり、長期材齢における収縮率が大きくなってしまうおそれがある。
本発明で用いられる収縮低減剤としては、水に溶解してその表面張力を低下させる作用を有するものであれば特に限定されない。中でも、化学式;RO(AO)nHで示される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
ここで、上記化学式中のRは、炭素数4〜6のアルキル基である。具体的には、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、またはtert−ペンチル基等が挙げられる。また、上記化学式中のAは、炭素数2〜3のアルキレン基である。具体的には、エチレン基またはプロピレン基等が挙げられる。さらに、上記化学式中のnは、1〜10の整数である。
上記化学式で示される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物の中でも好ましいものは、n−ブチルアルコールのプロピレンオキサイド(付加モル数2)/エチレンオキサイド(付加モル数3)付加物である。具体的には、市販品として太平洋マテリアル株式会社製の「太平洋テトラガードAS21」が挙げられる。
セメント組成物1m3中の収縮低減剤の配合量は、好ましくは2〜15kg/m3、より好ましくは3〜10kg/m3である。
収縮添加剤の配合量を上記範囲内とすることにより、施工温度や養生温度が異なる場合であっても、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率をほぼ同じにすることができる。
収縮低減剤の配合量が、2kg/m3未満の場合、施工温度や養生温度が異なる場合に、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率が大きく異なるおそれがある。該配合量が15kg/m3を超えると、凝結遅延が生じるおそれがあり、また、コストが高くなる。
なお、収縮低減剤は水の一部と置き換えて使用することが好ましい。
膨張材および収縮低減剤は少なくともいずれか一方が配合されていればよいが、長期材齢における収縮低減効果の観点から膨張材および収縮低減剤の両方を含むことが好ましい。
ここで、上記化学式中のRは、炭素数4〜6のアルキル基である。具体的には、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、またはtert−ペンチル基等が挙げられる。また、上記化学式中のAは、炭素数2〜3のアルキレン基である。具体的には、エチレン基またはプロピレン基等が挙げられる。さらに、上記化学式中のnは、1〜10の整数である。
上記化学式で示される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物の中でも好ましいものは、n−ブチルアルコールのプロピレンオキサイド(付加モル数2)/エチレンオキサイド(付加モル数3)付加物である。具体的には、市販品として太平洋マテリアル株式会社製の「太平洋テトラガードAS21」が挙げられる。
セメント組成物1m3中の収縮低減剤の配合量は、好ましくは2〜15kg/m3、より好ましくは3〜10kg/m3である。
収縮添加剤の配合量を上記範囲内とすることにより、施工温度や養生温度が異なる場合であっても、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率をほぼ同じにすることができる。
収縮低減剤の配合量が、2kg/m3未満の場合、施工温度や養生温度が異なる場合に、セメント系硬化体の初期材齢における長さ変化率が大きく異なるおそれがある。該配合量が15kg/m3を超えると、凝結遅延が生じるおそれがあり、また、コストが高くなる。
なお、収縮低減剤は水の一部と置き換えて使用することが好ましい。
膨張材および収縮低減剤は少なくともいずれか一方が配合されていればよいが、長期材齢における収縮低減効果の観点から膨張材および収縮低減剤の両方を含むことが好ましい。
本発明で用いられる骨材としては、細骨材のみ、又は細骨材と粗骨材を併用することができる。
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、軽量骨材、重量骨材又はこれらの混合物を使用することができる。
粗骨材としては、川砂利、山砂利、海砂利、砕石、軽量骨材、重量骨材又はこれらの混合物を使用することができる。
ここで、重量骨材としては、磁鉄鉱、赤鉄鉱、及び砂鉄等の天然の重量骨材の他に、廃棄物の再利用の観点から、例えば、特許第4044956号公報、及び特許第4166269号公報に記載されている主要構成成分としてFeO、Fe2O3、及び金属鉄の少なくともひとつを含む重量細骨材、特許第429542号公報に記載されている鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフからなる重量細骨材、及び製鋼過程で発生するダストを含む廃棄物を溶融、冷却して製造された人工石材を含む重量細骨材または粗骨材、特許第4295343号公報に記載されている製鋼の圧延工程で発生するミルスケールを含む重量細骨材等を挙げることができる。
本発明のセメント組成物を硬化させてなるセメント系硬化体を、放射線遮蔽部材や放射性廃棄物保管用容器に使用する場合には、放射線の遮蔽効果の観点から、重量骨材を使用することが好ましい。
なお、細骨材と粗骨材を併用する場合、細骨材率は30〜60%とすることが好ましい。
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、軽量骨材、重量骨材又はこれらの混合物を使用することができる。
粗骨材としては、川砂利、山砂利、海砂利、砕石、軽量骨材、重量骨材又はこれらの混合物を使用することができる。
ここで、重量骨材としては、磁鉄鉱、赤鉄鉱、及び砂鉄等の天然の重量骨材の他に、廃棄物の再利用の観点から、例えば、特許第4044956号公報、及び特許第4166269号公報に記載されている主要構成成分としてFeO、Fe2O3、及び金属鉄の少なくともひとつを含む重量細骨材、特許第429542号公報に記載されている鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフからなる重量細骨材、及び製鋼過程で発生するダストを含む廃棄物を溶融、冷却して製造された人工石材を含む重量細骨材または粗骨材、特許第4295343号公報に記載されている製鋼の圧延工程で発生するミルスケールを含む重量細骨材等を挙げることができる。
本発明のセメント組成物を硬化させてなるセメント系硬化体を、放射線遮蔽部材や放射性廃棄物保管用容器に使用する場合には、放射線の遮蔽効果の観点から、重量骨材を使用することが好ましい。
なお、細骨材と粗骨材を併用する場合、細骨材率は30〜60%とすることが好ましい。
水は、水道水等を使用することができる。
本発明において、セメント及び膨張材の合計量(100質量%)に対する水及び収縮低減剤の配合比(本明細書中「水結合材比」と略すことがある。)は、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
水結合材比が30質量%未満の場合、ワーカビリティが悪くなるので好ましくない。水結合材比が70質量%を超えると乾燥収縮が大きくなるため好ましくない。
また、本発明のセメント組成物には、減水剤として、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。減水剤(固形分換算)/セメントの質量比は好ましくは0.1〜3.0%である。該質量比が0.1%未満ではワーカビリティが悪くなるので好ましくない。該質量比が3.0%を超えても、ワーカビリティはそれほど向上せず、コストが高くなるので好ましくない。
さらに、必要に応じて、支障のない範囲内で、空気連行剤、消泡剤、増粘剤等を使用してもよい。
本発明において、セメント及び膨張材の合計量(100質量%)に対する水及び収縮低減剤の配合比(本明細書中「水結合材比」と略すことがある。)は、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
水結合材比が30質量%未満の場合、ワーカビリティが悪くなるので好ましくない。水結合材比が70質量%を超えると乾燥収縮が大きくなるため好ましくない。
また、本発明のセメント組成物には、減水剤として、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。減水剤(固形分換算)/セメントの質量比は好ましくは0.1〜3.0%である。該質量比が0.1%未満ではワーカビリティが悪くなるので好ましくない。該質量比が3.0%を超えても、ワーカビリティはそれほど向上せず、コストが高くなるので好ましくない。
さらに、必要に応じて、支障のない範囲内で、空気連行剤、消泡剤、増粘剤等を使用してもよい。
本発明のセメント組成物の混練方法や混練装置は、特に限定するものではなく、慣用の方法で、慣用のミキサで混練すれば良い。また、養生方法も特に限定するものではない。
本発明のセメント組成物を用いることによって、圧縮強度が30〜60N/mm2のセメント系硬化体を製造することができる。
また、本発明のセメント組成物を硬化させてなるセメント系硬化体(コンクリート及びモルタル等)は、施工温度や養生温度が異なる場合であっても初期材齢における長さ変化率をほぼ同じにすることができる。また、該セメント系硬化体は、長期材齢における収縮率が小さいため、鉄筋量が多いコンクリート構造物や部材、さらには、放射線遮蔽部材や放射性廃棄物保管容器等に好適に使用することができる。
また、本発明のセメント組成物を硬化させてなるセメント系硬化体(コンクリート及びモルタル等)は、施工温度や養生温度が異なる場合であっても初期材齢における長さ変化率をほぼ同じにすることができる。また、該セメント系硬化体は、長期材齢における収縮率が小さいため、鉄筋量が多いコンクリート構造物や部材、さらには、放射線遮蔽部材や放射性廃棄物保管容器等に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用材料としては、以下に示す材料を使用した。
(1)セメントA;普通ポルトランドセメント(モリブデン含有量7mg/kg)
(2)セメントB;普通ポルトランドセメント(モリブデン含有量35mg/kg)
(3)膨張材;太平洋マテリアル株式会社製「ハイパーエクスパン」(石灰系膨張材)
(4)AE減水剤;BASFポゾリス株式会社製「ポゾリスNo.70」
(5)細骨材;静岡県産陸砂(表乾比重:2.60)
(6)粗骨材;茨城県産砕石(表乾比重:2.64)
(7)高性能収縮低減剤;太平洋マテリアル株式会社製「太平洋テトラガードAS21」(8)水;水道水
[実施例1]
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってコンクリートを混練した。混練は、2軸強制練りミキサを用いて、各材料を一括してミキサに投入して、120秒間混練した。
上記施工(混練を含む)および養生は10℃、20℃、または30℃の条件下で行い、各施工および養生温度条件におけるコンクリートの長さ変化率を「JIS A 6202(コンクリート用膨張材)参考1(膨張コンクリートの拘束膨張及び収縮試験方法)」に準じて測定を行った。各施工および養生温度条件における材齢1日、3日及び7日の長さ変化率を表2に示す。また、施工および養生温度が20℃における材齢182日の長さ変化率も表2に示す。なお、表2中の「長さ変化率」の符号のマイナス(−)は、長さが短くなったこと(収縮したこと)を示す。
さらに、20℃で混練を行ったコンクリートをΦ10×20cmの型枠を用いて成形した。成形後、20℃で1日間、型枠内で養生して脱型した。その後、20℃で材齢28日まで水中養生し、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて圧縮強度を測定したところ、材齢28日における圧縮強度は45N/mm2であった。
使用材料としては、以下に示す材料を使用した。
(1)セメントA;普通ポルトランドセメント(モリブデン含有量7mg/kg)
(2)セメントB;普通ポルトランドセメント(モリブデン含有量35mg/kg)
(3)膨張材;太平洋マテリアル株式会社製「ハイパーエクスパン」(石灰系膨張材)
(4)AE減水剤;BASFポゾリス株式会社製「ポゾリスNo.70」
(5)細骨材;静岡県産陸砂(表乾比重:2.60)
(6)粗骨材;茨城県産砕石(表乾比重:2.64)
(7)高性能収縮低減剤;太平洋マテリアル株式会社製「太平洋テトラガードAS21」(8)水;水道水
[実施例1]
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってコンクリートを混練した。混練は、2軸強制練りミキサを用いて、各材料を一括してミキサに投入して、120秒間混練した。
上記施工(混練を含む)および養生は10℃、20℃、または30℃の条件下で行い、各施工および養生温度条件におけるコンクリートの長さ変化率を「JIS A 6202(コンクリート用膨張材)参考1(膨張コンクリートの拘束膨張及び収縮試験方法)」に準じて測定を行った。各施工および養生温度条件における材齢1日、3日及び7日の長さ変化率を表2に示す。また、施工および養生温度が20℃における材齢182日の長さ変化率も表2に示す。なお、表2中の「長さ変化率」の符号のマイナス(−)は、長さが短くなったこと(収縮したこと)を示す。
さらに、20℃で混練を行ったコンクリートをΦ10×20cmの型枠を用いて成形した。成形後、20℃で1日間、型枠内で養生して脱型した。その後、20℃で材齢28日まで水中養生し、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて圧縮強度を測定したところ、材齢28日における圧縮強度は45N/mm2であった。
[実施例2]
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってコンクリートを混練し、実施例1と同様にして20℃におけるコンクリートの長さ変化率を測定した。結果を表2に示す。
さらに、20℃で混練を行ったコンクリートを実施例1と同様にして、材齢28日における圧縮強度を測定したところ、圧縮強度は45N/mm2であった。
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってコンクリートを混練し、実施例1と同様にして20℃におけるコンクリートの長さ変化率を測定した。結果を表2に示す。
さらに、20℃で混練を行ったコンクリートを実施例1と同様にして、材齢28日における圧縮強度を測定したところ、圧縮強度は45N/mm2であった。
[実施例3]
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってコンクリートを混練し、実施例1と同様にして各施工および養生温度条件におけるコンクリートの長さ変化率を測定した。結果を表2に示す。
さらに、20℃で混練を行ったコンクリートを実施例1と同様にして、材齢28日における圧縮強度を測定したところ、圧縮強度は35N/mm2であった。
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってコンクリートを混練し、実施例1と同様にして各施工および養生温度条件におけるコンクリートの長さ変化率を測定した。結果を表2に示す。
さらに、20℃で混練を行ったコンクリートを実施例1と同様にして、材齢28日における圧縮強度を測定したところ、圧縮強度は35N/mm2であった。
[比較例1]
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってコンクリートを混練し、実施例1と同様にして各施工および養生温度条件におけるコンクリートの長さ変化率を測定した。結果を表2に示す。
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってコンクリートを混練し、実施例1と同様にして各施工および養生温度条件におけるコンクリートの長さ変化率を測定した。結果を表2に示す。
本発明のセメント組成物を使用したコンクリートでは、施工・養生温度が異なる場合であっても初期材齢における長さ変化率がほぼ同じである。また、長期材齢での収縮率を小さくすることができる。
Claims (3)
- モリブデンの含有量が30mg/kg以下であるポルトランドセメントと、膨張材および収縮低減剤の少なくともいずれか一方と、骨材と、水とを含むことを特徴とするセメント組成物。
- 請求項1に記載のセメント組成物を硬化してなるモルタル。
- 請求項1に記載のセメント組成物を硬化してなるコンクリート。
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