JP2013147212A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】停止、再始動を繰り返す間欠運転を実行するハイブリッド車両において、パティキュレートマターの発生量を低減する。
【解決手段】筒内噴射弁23を備える内燃機関20と、電動機(第2発電電動機MG2)と、車両の駆動軸53と機関とをトルク伝達可能に連結し且つ駆動軸と電動機MG2とをトルク伝達可能に連結する動力伝達機構(30、50)と、制御装置(70及び73)とを備え、機関の出力トルクと電動機の出力トルクとを制御することにより駆動軸にトルクを作用させると共に、機関運転停止条件が成立したときには機関の運転を停止し、機関再始動条件が成立したときには機関を再始動させ、運転停止時冷却水温と再始動時冷却水温とに基づいてパティキュレートマターの発生量を低減するモードでの機関を運転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒内噴射弁を備える内燃機関と電動機とを駆動源(動力源)として有し、それらの出力トルクを制御しながら走行するハイブリッド車両に関する。
ハイブリッド車両は、車両を走行させる駆動力を発生する駆動源として、内燃機関と電動機とを搭載している。即ち、ハイブリッド車両は、機関及び電動機の少なくとも一方が発生するトルクを車両の駆動輪に接続された駆動軸に伝達することによって走行する。
ところで、「燃焼室内(気筒内)に燃料を直接噴射する燃料噴射弁(以下、「筒内噴射弁」とも称呼する。)を備える内燃機関」が、ハイブリッド車両に搭載される場合がある。筒内噴射弁を備える内燃機関は「筒内燃料噴射式機関」とも称呼される。筒内燃料噴射式内燃機関は、燃焼室内に燃料を直接噴射することができるので、筒内温度を低下することができる。従って、ノッキングが発生し難いので、点火時期を進角側に設定することができる。その結果、内燃機関の出力トルク及び燃費を向上することができる。
一方、筒内燃料噴射式機関においては、特に機関の冷間時に、噴射された燃料が燃焼室壁面(シリンダボア壁面及びピストン頂面)に付着し易い。燃焼室壁面に付着した燃料は微粒子(パティキュレートマター、PM)を発生させる原因となる。このため、従来の機関制御装置は、機関の始動後から機関の暖機が終了するまでの間、筒内噴射弁からの燃料噴射時期を通常時とは異なる時期に設定し、或いは、更にポート噴射弁を備える場合にはポート噴射弁から噴射される燃料の量を通常時よりも大きくするとともに筒内噴射弁から噴射される燃料の量を通常時よりも小さくする等の制御を行っている(例えば、特許文献1を参照。)。このような制御は、パティキュレートマターの発生量を低減させるための制御であり、「PM対策制御」とも称呼される。従来の機関制御装置は、機関の始動後において機関が暖機したと判定すると、その後の車両運転中において機関の温度が低下する可能性が低いことから、PM対策制御を終了するようになっている。
特開2003−20975号公報
ハイブリッド車両は、機関を効率的に運転することができない場合であって機関の出力トルクを利用することなく電動機の出力トルクによりユーザの望む車両駆動トルク(即ち、ユーザ要求トルク)を満たすことができる場合等において、機関の運転を停止するようになっている。更に、ハイブリッド車両は、機関を効率的に運転しながら機関の出力トルクと電動機の出力トルクとによりユーザ要求トルクを満たすことができる場合等において機関を始動(再始動)するようになっている。係る運転は、機関を間欠的に運転することになるため、「機関間欠運転」、又は、単に「間欠運転」とも称呼される。
この間欠運転により、機関の暖機が一旦終了した後であっても、機関の温度が低下することがある。従って、従来の機関制御装置のように、機関の暖機が完了したと判定した後にPM対策制御を行わないと、間欠運転が繰り返される場合及び/又は間欠運転によって機関が長期に渡り停止された後の機関の再始動後等において、パティキュレートマターが多量に発生する可能性がある。
本発明は、上述した課題に対処するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、間欠運転を実行するハイブリッド車両において、パティキュレートマターの発生量を低減することが可能なハイブリッド車両を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によるハイブリッド車両は、
燃焼室内に燃料を直接噴射可能な筒内噴射弁を有する内燃機関と、
電動機と、
車両の駆動軸と前記機関とをトルク伝達可能に連結するとともに同駆動軸と前記電動機とをトルク伝達可能に連結する動力伝達機構と、
前記機関の出力トルクと前記電動機の出力トルクとを制御することにより前記駆動軸に作用するトルクを制御するとともに、所定の機関運転停止条件が成立したときに前記機関の運転を停止し且つ所定の機関再始動条件が成立したときに同機関を再始動させる間欠運転を実行する制御装置と、
を含む。
前記制御装置は、
前記機関から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要があるか否かを判定する判定手段と、
前記機関から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要があると判定された場合に前記機関を第1のモードにて運転し、前記機関から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要がないと判定された場合に前記機関を前記第1のモードと相違する第2のモードにて運転する機関運転制御手段と、
を含む。
更に、前記判定手段は、
(1)前記機関の暖機状態が完全暖機状態に近づくほど大きくなる暖機パラメータを前記間欠運転による前記機関の運転停止時に運転停止時暖機パラメータとして取得するとともに、
(2)前記暖機パラメータを前記機関の運転停止時に続く前記機関の再始動時に再始動時暖機パラメータとして取得し、
(3)前記運転停止時暖機パラメータと前記再始動時暖機パラメータとに基づいて前記機関から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要があるか否かを前記機関の再始動時に判定する、
ように構成されている。
これによれば、仮に機関の暖機が一旦終了した後であっても、間欠運転によって機関の暖機状態が「パティキュレートマターが多量に発生する状態」へと変化したことを、運転停止時暖機パラメータと再始動時暖機パラメータとに基づいて推定し、その結果に応じてPM対策制御(第1のモードによる運転)を適切に実施することができる。よって、間欠運転を行うハイブリッド車両において、PMの発生量が大きくなることを回避することができる。
この場合、前記機関運転制御手段は、
前記機関の再始動時から前記機関を前記第1のモードにて運転する第1モード運転期間を前記運転停止時暖機パラメータと前記再始動時暖機パラメータとに基づいて変更するように構成され得る。
これによれば、間欠運転による機関の停止中において機関の暖機状態がどのように変化したかに基づいて、間欠運転による機関の始動後にどの程度の期間に渡ってPM対策制御(第1モードでの運転)が必要であるかを精度良く決定することができる。従って、PMの発生量が増大することを回避するとともに、筒内噴射弁を用いたことによる利点を活用する機会(即ち、第2モードでの運転機会)を増大させることができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の概略図である。 図2は、図1に示した内燃機関の特定気筒の部分断面図である。 図3は、図1に示したパワーマネジメントECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図4は、アクセル操作量及び車速と、ユーザ要求トルクと、の関係を示したグラフである。 図5は、機関回転速度及び機関出力トルクと、最適機関動作ラインと、の関係を示したグラフである。 図6は、ハイブリッド車両の走行中における遊星歯車装置の共線図である。 図7は、図1に示したエンジンECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図8は、図1に示したエンジンECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図9は、図1に示したエンジンECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図10は、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド車両が備えるエンジンECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図11は、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド車両が備えるエンジンECUのCPUが参照するルックアップテーブルである。 図12は、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド車両が備えるエンジンECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の各実施形態に係るハイブリッド車両について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係るハイブリッド車両10は、発電電動機MG1、発電電動機MG2、内燃機関20、動力分配機構30、駆動力伝達機構50、第1インバータ61、第2インバータ62、バッテリ63、パワーマネジメントECU70、バッテリECU71、モータECU72及びエンジンECU73を備えている。なお、ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM及びインターフェース等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。
発電電動機(モータジェネレータ)MG1は、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG1は、便宜上、第1発電電動機MG1とも称呼される。第1発電電動機MG1は本例において主として発電機としての機能を発揮する。第1発電電動機MG1は、出力軸(以下、「第1シャフト」とも称呼する。)41を備えている。
発電電動機(モータジェネレータ)MG2は、第1発電電動機MG1と同様、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG2は、便宜上、第2発電電動機MG2とも称呼される。第2発電電動機MG2は本例において主として電動機としての機能を発揮する。第2発電電動機MG2は、出力軸(以下、「第2シャフト」とも称呼する。)42を備えている。
機関20は、4サイクル・火花点火式・筒内燃料噴射式・多気筒内燃機関である。機関20は、吸気管及びインテークマニホールドを含む吸気通路部21、スロットル弁22、スロットル弁アクチュエータ22a、複数の燃料噴射弁(筒内噴射弁)23、点火プラグを含む複数の点火装置24、機関20の出力軸であるクランクシャフト25、エキゾーストマニホールド26、排気管27及び上流側の三元触媒28等を含んでいる。なお、機関20は図示しない可変吸気弁制御装置及び/又は可変排気弁制御装置を備えていてもよい。可変吸気弁制御装置は、吸気弁の開弁時期を変更できる周知の装置である。可変排気弁制御装置は、排気弁の開弁時期を変更できる周知の装置である。
スロットル弁22は吸気通路部21に回転可能に支持されている。
スロットル弁アクチュエータ22aはエンジンECU73からの指示信号に応答してスロットル弁22を回転し、吸気通路部21の通路断面積を変更できるようになっている。
複数の燃料噴射弁23(図1及び図2においては1つの燃料噴射弁23のみが示されている。)のそれぞれは、燃料噴射指示信号に応じて各気筒の燃焼室内に燃料を直接噴射するようになっている。即ち、燃料噴射弁23は、図2に示したように、その噴射孔が燃焼室CC内に露呈するように配置されている。燃料噴射弁23は「筒内噴射弁又は筒内燃料噴射弁」とも称呼される。なお、機関20は、燃焼室に連通する吸気ポート内に燃料を噴射するポート噴射弁を更に備えていてもよい。
点火プラグを含む点火装置24のそれぞれは、エンジンECU73からの指示信号に応答して点火用火花を各気筒の燃焼室内において所定のタイミングにて発生するようになっている。
上流側の三元触媒28は、排気浄化用触媒であり、エキゾーストマニホールド26の排気集合部に配設されている。即ち、触媒28は機関20の排気通路に設けられている。触媒28は、機関20から排出される未燃物(HC,CO等)及びNOxを浄化するようになっている。
機関20は、スロットル弁アクチュエータ22aによりスロットル弁22の開度を変更することによって吸入空気量を変更すること、及び、その吸入空気量に応じて燃料噴射量を変更すること等により、機関20の発生するトルク及び機関回転速度(従って、機関出力)を変更することができる。更に、機関20は、点火時期を基準点火時期に対して遅角することにより、機関20から排出される排気温度を上昇することができる。これにより、機関20は触媒28の暖機を促進することができる。
動力分配機構30は周知の遊星歯車装置31を備えている。遊星歯車装置31はサンギア32と、複数のプラネタリギア33と、リングギア34と、を含んでいる。
サンギア32は第1発電電動機MG1の第1シャフト41に接続されている。従って、第1発電電動機MG1はサンギア32にトルクを出力することができる。更に、第1発電電動機MG1は、サンギア32から第1発電電動機MG1(第1シャフト41)に入力されるトルクによって回転駆動され得る。第1発電電動機MG1は、サンギア32から第1発電電動機MG1に入力されるトルクによって回転駆動されることにより発電することができる。
複数のプラネタリギア33のそれぞれは、サンギア32と噛合するとともにリングギア34と噛合している。プラネタリギア33の回転軸(自転軸)はプラネタリキャリア35に設けられている。プラネタリキャリア35はサンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。従って、プラネタリギア33は、サンギア32の外周を自転しながら公転することができる。プラネタリキャリア35は機関20のクランクシャフト25に接続されている。よって、プラネタリギア33は、クランクシャフト25からプラネタリキャリア35に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
リングギア34は、サンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。
上述したように、プラネタリギア33はサンギア32及びリングギア34と噛合している。従って、プラネタリギア33からサンギア32にトルクが入力されたときには、そのトルクによってサンギア32が回転駆動される。プラネタリギア33からリングギア34にトルクが入力されたときには、そのトルクによってリングギア34が回転駆動される。逆に、サンギア32からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。リングギア34からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。
リングギア34はリングギアキャリア36を介して第2発電電動機MG2の第2シャフト42に接続されている。従って、第2発電電動機MG2はリングギア34にトルクを出力することができる。更に、第2発電電動機MG2は、リングギア34から第2発電電動機MG2(第2シャフト42)に入力されるトルクによって回転駆動され得る。第2発電電動機MG2は、リングギア34から第2発電電動機MG2に入力されるトルクによって回転駆動されることにより、発電することができる。
更に、リングギア34はリングギアキャリア36を介して出力ギア37に接続されている。従って、出力ギア37は、リングギア34から出力ギア37に入力されるトルクによって回転駆動され得る。リングギア34は、出力ギア37からリングギア34に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
駆動力伝達機構50は、ギア列51、ディファレンシャルギア52及び駆動軸(ドライブシャフト)53を含んでいる。
ギア列51は、出力ギア37とディファレンシャルギア52とを動力伝達可能に歯車機構により接続している。ディファレンシャルギア52は駆動軸53に取り付けられている。駆動軸53の両端には駆動輪54が取り付けられている。従って、出力ギア37からのトルクはギア列51、ディファレンシャルギア52、及び、駆動軸53を介して駆動輪54に伝達される。この駆動輪54に伝達されたトルクによりハイブリッド車両10は走行することができる。
第1インバータ61は、第1発電電動機MG1及びバッテリ63に電気的に接続されている。従って、第1発電電動機MG1が発電しているとき、第1発電電動機MG1が発生した電力は第1インバータ61を介してバッテリ63に供給される。逆に、第1発電電動機MG1は第1インバータ61を介してバッテリ63から供給される電力によって回転駆動させられる。
第2インバータ62は、第2発電電動機MG2及びバッテリ63に電気的に接続されている。従って、第2発電電動機MG2は第2インバータ62を介してバッテリ63から供給される電力によって回転駆動させられる。逆に、第2発電電動機MG2が発電しているとき、第2発電電動機MG2が発生した電力は第2インバータ62を介してバッテリ63に供給される。
なお、第1発電電動機MG1の発生する電力は第2発電電動機MG2に直接供給可能であり、且つ、第2発電電動機MG2の発生する電力は第1発電電動機MG1に直接供給可能である。
バッテリ63は、本例においてリチウムイオン電池である。但し、バッテリ63は放電及び充電が可能な蓄電装置であればよく、ニッケル水素電池及び他の二次電池であってもよい。
パワーマネジメントECU70(以下、「PMECU70」と表記する。)は、バッテリECU71、モータECU72及びエンジンECU73と通信により情報交換可能に接続されている。
PMECU70は、パワースイッチ81、シフトポジションセンサ82、アクセル操作量センサ83、ブレーキスイッチ84及び車速センサ85等と接続され、これらのセンサ類が発生する出力信号を入力するようになっている。
パワースイッチ81はハイブリッド車両10のシステム起動用スイッチである。PMECU70は、何れも図示しない車両キーがキースロットに挿入され且つブレーキペダルが踏み込まれているときにパワースイッチ81が操作されると、システムを起動する(Ready−On状態となる)ように構成されている。
シフトポジションセンサ82は、ハイブリッド車両10の運転席近傍に運転者により操作可能に設けられた図示しないシフトレバーによって選択されているシフトポジションを表す信号を発生するようになっている。シフトポジションは、P(パーキングポジション)、R(後進ポジション)、N(ニュートラルポジション)及びD(走行ポジション)を含む。
アクセル操作量センサ83は、運転者により操作可能に設けられた図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル操作量AP)を表す出力信号を発生するようになっている。アクセル操作量APは加速操作量と表現することもできる。
ブレーキスイッチ84は、運転者により操作可能に設けられた図示しないブレーキペダルが操作されたときに、ブレーキペダルが操作された状態にあることを示す出力信号を発生するようになっている。
車速センサ85は、ハイブリッド車両10の車速SPDを表す出力信号を発生するようになっている。
PMECU70は、バッテリECU71により算出されるバッテリ63の残容量SOC(State Of Charge)を入力するようになっている。この残容量SOCはバッテリ63の残容量に相関を有するパラメータであるので、残容量パラメータとも称呼される。残容量SOCは、バッテリ63に流出入する電流の積算値等に基づいて周知の手法により算出される。
PMECU70は、モータECU72を介して、第1発電電動機MG1の回転速度(以下、「MG1回転速度Nm1」と称呼する。)を表す信号及び第2発電電動機MG2の回転速度(以下、「MG2回転速度Nm2」と称呼する。)を表す信号を入力するようになっている。
なお、MG1回転速度Nm1は、モータECU72によって「第1発電電動機MG1に設けられ且つ第1発電電動機MG1のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ96の出力値」に基づいて算出されている。同様に、MG2回転速度Nm2は、モータECU72によって「第2発電電動機MG2に設けられ且つ第2発電電動機MG2のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ97の出力値」に基づいて算出されている。
PMECU70は、エンジンECU73を介して、エンジン状態を表す種々の出力信号を入力するようになっている。このエンジン状態を表す出力信号には、機関回転速度Ne、スロットル弁開度TA及び機関の冷却水温THW等が含まれている。
モータECU72は、第1インバータ61及び第2インバータ62に接続されている。モータECU72は、PMECU70からの指令(後述する「MG1指令トルクTm1*及びMG2指令トルクTm2*」)に基づいて、第1インバータ61及び第2インバータ62に指示信号を送出するようになっている。これにより、モータECU72は、第1インバータ61を用いて第1発電電動機MG1を制御し、且つ、第2インバータ62を用いて第2発電電動機MG2を制御するようになっている。
エンジンECU73は、エンジンアクチュエータである「スロットル弁アクチュエータ22a、筒内噴射弁23及び点火装置24等」と接続されていて、これらに指示信号を送出するようになっている。更に、エンジンECU73は、エアフローメータ91、スロットル弁開度センサ92、冷却水温センサ93、機関回転速度センサ94及び空燃比センサ95等と接続されていて、これらの発生する出力信号を取得するようになっている。
エアフローメータ91は、機関20に吸入される単位時間あたりの空気量を計測し、その空気量(吸入空気流量)Gaを表す信号を出力するようになっている。
スロットル弁開度センサ92は、スロットル弁22の開度(スロットル弁開度)を検出し、その検出したスロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。
冷却水温センサ93は、機関20の冷却水の温度を検出し、その検出した冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。この冷却水温THWは、機関20の暖機状態に強い相関を有するパラメータであり、暖機パラメータとも称呼される。即ち、冷却水温THWは、機関10の暖機状態が完全暖機状態に近づくほど大きくなるパラメータである。
機関回転速度センサ94は、機関20のクランクシャフト25が所定角度だけ回転する毎にパルス信号を発生するようになっている。エンジンECU73は、このパルス信号に基づいて機関回転速度Neを取得するようになっている。
空燃比センサ95は、エキゾーストマニホールド26の排気集合部であって、上流側の三元触媒28よりも上流位置に配設されている。空燃比センサ95は、所謂「限界電流式広域空燃比センサ」である。空燃比センサ95は排ガスの空燃比を検出し、その検出した排ガスの空燃比(検出空燃比)abyfsを出力するようになっている。なお、検出空燃比abyfsは排ガスの空燃比が大きくなる(リーンになる)ほど大きくなる。
エンジンECU73は、これらのセンサ等から取得される信号及びPMECU70からの指令に基づいて「スロットル弁アクチュエータ22a、筒内噴射弁23及び点火装置24」に指示信号を送出することにより、機関20を制御するようになっている。なお、機関20には図示しないカムポジションセンサが設けられている。エンジンECU73は、機関回転速度センサ94及びカムポジションセンサからの信号に基いて、特定の気筒の吸気上死点を基準とした機関20のクランク角度(絶対クランク角)を取得するようになっている。
(作動:駆動制御)
次に、ハイブリッド車両10の作動について説明する。以下に述べる処理は「PMECU70のCPU及びエンジンECU73のCPU」により実行される。但し、以下においては、記載を簡素化するため、PMECU70のCPUを「PMC」と表記し、エンジンECU73のCPUを「EGC」と表記する。
ハイブリッド車両10は、「ユーザのアクセル操作量に応じて定まる車両の駆動軸に要求されるトルクであるユーザ要求トルク」に等しいトルクを、「機関20の効率が最良となるようにしながら(即ち、機関20を後述する最適機関動作点にて運転しながら)、機関20の出力トルクと電動機(第2発電電動機MG2)の出力トルクとを制御すること」により駆動軸53に作用させる。
ハイブリッド車両10は、実際には機関20、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2を関連させながら制御する。この制御の内容は、一部の点を除き、例えば、特開2009−126450号公報(米国公開特許番号 US2010/0241297)、及び、特開平9−308012号公報(米国出願日1997年3月10日の米国特許第6,131,680号)等に詳細に記載されている。これらは、参照することにより本願明細書に組み込まれる。
PMCは、シフトポジションが走行ポジションにある場合、所定時間が経過する毎に図3にフローチャートにより示した「駆動制御ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、PMCは図3のステップ300から処理を開始し、以下に述べるステップ305乃至ステップ315の処理を順に行い、ステップ320に進む。
ステップ305:PMCは、アクセル操作量APと車速SPDとに基づいてリングギア要求トルクTr*を取得する。より具体的に述べると、駆動軸53に作用するトルク(駆動軸トルク)とリングギア34の回転軸に作用するトルクとは比例関係にある。従って、ユーザがハイブリッド車両10の走行のために要求しているユーザ要求トルクTu*とリングギア要求トルクTr*とは比例関係にある。
そこで、PMCは図4に示した「アクセル操作量AP及び車速SPDと、ユーザ要求トルクTu*と、の間の関係」を「アクセル操作量AP及び車速SPDと、リングギア要求トルクTr*と、の間の関係」に変換したデータを有するテーブルをトルクマップMapTr*(AP,SPD)としてROM内に記憶している。そして、PMCは、そのトルクマップMapTr*(AP,SPD)に現時点の「アクセル操作量AP及び車速SPD」を適用することにより、リングギア要求トルクTr*を取得する。
更に、PMCは、リングギア要求トルクTr*と第2MG回転速度Nm2との積(Tr*・Nm2)をユーザ要求出力Pr*として取得する。駆動軸53に要求されている出力(パワー)は、ユーザ要求トルクTu*と実際の車速SPDとの積(Tu*・SPD)に等しい。この積(Tu*・SPD)はリングギア要求トルクTr*とリングギア34の回転速度Nrとの積(Tr*・Nr)に等しい。従って、以下、積(Tr*・Nr)を「ユーザ要求出力Pr*」と称呼する。本例においては、リングギア34は減速機を介することなく第2発電電動機MG2の第2シャフト42に接続されている。よって、リングギア34の回転速度Nrは第2MG回転速度Nm2と等しい。従って、ユーザ要求出力Pr*は、リングギア要求トルクTr*と第2MG回転速度Nm2との積(Tr*・Nm2)と等しい。
なお、仮に、リングギア34が減速ギアを介して第2シャフト42に接続されているならば、リングギア34の回転速度Nrは第2MG回転速度Nm2をその減速ギアのギア比Grにて除した値(Nm2/Gr)と等しい。よって、この場合、ユーザ要求出力Pr*は値(Tr*・Nm2/Gr)として算出される。
ステップ310:PMCは、残容量SOCに基づいてバッテリ充電要求出力Pb*を取得する。バッテリ充電要求出力Pb*は、バッテリ63を充電するためにバッテリ63に供給すべき電力に応じた値である。バッテリ充電要求出力Pb*は、残容量SOCが所定値SOCLoth以上であるとき「0」となるように算出され、残容量SOCが所定値SOCLothよりも小さいとき残容量SOCが小さくなるほど大きくなるように算出される。
ステップ315:PMCは、ユーザ要求出力Pr*とバッテリ充電要求出力Pb*との和に損失Plossを加えた値(Pr*+Pb*+Ploss)を機関要求出力Pe*として取得する。機関要求出力Pe*は機関20に要求される出力である。
次に、PMCはステップ320に進み、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上であるか否かを判定する。この閾値要求出力Pethは、機関20の出力が閾値要求出力Peth未満で運転されると、機関20の運転効率(即ち、燃費)が許容限度以下となるような値に設定されている。換言すると、閾値要求出力Pethは、その閾値要求出力Pethと等しい出力を機関20が最高の効率にて出力した場合における「その効率」が許容限度以下となるような値に設定されている。
(ケース1)
機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上である場合。
この場合、PMCはステップ320にて「Yes」と判定してステップ325に進み、現時点において機関20が停止中(運転停止中)であるか否かを判定する。機関20が停止中であると、PMCはステップ325にて「Yes」と判定してステップ330に進み、機関20の運転を開始する指示(始動指示)をEGCに送信する。EGCはこの指示に基づいて機関20を始動させる。この機関20の始動は、「間欠運転における機関20の再始動」とも称呼される。
次に、PMCはステップ332に進んで再始動フラグXstartの値を「1」に設定し、ステップ334に進んで機関停止フラグXstopの値を「0」に設定する。このように、機関20が再始動されたとき、再始動フラグXstartの値は「1」に設定され、機関停止フラグXstopの値は「0」に設定される。その後、PMCはステップ335に進む。
これに対し、PMCがステップ325の処理を実行する時点において、機関20が運転中であると、PMCはそのステップ325にて「No」と判定し、ステップ335に直接進む。
PMCは、以下に述べるステップ335乃至ステップ360の処理を順に行う。その後、PMCはステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ335:PMCは、機関要求出力Pe*と等しい出力が機関20から出力され、且つ、機関20の運転効率が最良となるように機関20を運転する。即ち、PMCは、機関要求出力Pe*に応じた最適機関動作点に基づいて目標機関出力トルクTe*及び目標機関回転速度Ne*を決定する。
より具体的に述べると、ある出力をクランクシャフト25から出力させたとき機関20の運転効率(燃費)が最良となる機関動作点が各出力毎に最適機関動作点として実験等により予め求められている。これらの最適機関動作点を、機関出力トルクTeと機関回転速度Neとによって規定されるグラフ上にプロットし、更に、これらのプロットを結ぶことによって形成されるラインが最適機関動作ラインとして求められる。このようにして求められる最適機関動作ラインが図5に実線Loptにより示されている。図5において、破線により示されている複数のラインC0〜C5のそれぞれは、同じ出力をクランクシャフト25から出力させることができる機関動作点を結んだライン(等出力ライン)である。
PMCは、機関要求出力Pe*と等しい出力が得られる最適機関動作点を検索し、その検索された最適動作点に対応する「機関出力トルクTe及び機関回転速度Ne」を「目標機関出力トルクTe*及び目標機関回転速度Ne*」のそれぞれとして決定する。例えば、機関要求出力Pe*が図5のラインC2に対応する出力と等しい場合、ラインC2と実線Loptとの交点P1に対する機関出力トルクTe1が目標機関出力トルクTe*として決定され、交点P1に対する機関回転速度Ne1が目標機関回転速度Ne*として決定される。
ステップ340:PMCは、下記(1)式に、リングギア34の回転速度Nrとして「回転速度Nrと等しい第2MG回転速度Nm2」を代入するとともに、機関回転速度Neとして目標機関回転速度Ne*を代入することにより、「サンギア32の目標回転速度Ns*と等しいMG1目標回転速度Nm1*」を算出する。

Ns=Nr−(Nr−Ne)・(1+ρ)/ρ …(1)
上記(1)式において、「ρ」は下記の(2)式により定義される値である。即ち、「ρ」は、リングギア34の歯数に対するサンギア32の歯数である。

ρ=(サンギア32の歯数/リングギア34の歯数) …(2)
ここで、上記(1)式の根拠について説明する。遊星歯車装置31における各ギアの回転速度の関係は図6に示した周知の共線図により表される。共線図に示される直線は動作共線Lと称呼される。この共線図から理解されるように、リングギア34の回転速度Nrとサンギア32の回転速度Nsとの差(Nr−Ns)に対する機関回転速度Neとサンギア32の回転速度Nsとの差(Ne−Ns)の比(=(Ne−Ns)/(Nr−Ns))は、値(1+ρ)に対する1の比(=1/(1+ρ))に等しい。この比例関係に基づいて上記(1)式が導かれる。
更に、PMCはステップ340にて、下記(3)式に従って第1発電電動機MG1に出力させるべきトルクであるMG1指令トルクTm1*を算出する。(3)式において、値PID(Nm1*−Nm1)は「MG1目標回転速度Nm1*と第1発電電動機MG1の実際の回転速度Nm1」との差に応じたフィードバック量である。即ち、値PID(Nm1*−Nm1)は、第1発電電動機MG1の実際の回転速度Nm1をMG1目標回転速度Nm1*に一致させるためのフィードバック量である。

Tm1*=Te*・(ρ/(1+ρ))+PID(Nm1*−Nm1) …(3)
ここで、上記(3)式の根拠について説明する。クランクシャフト25に目標機関出力トルクTe*と等しいトルクが発生させられている場合(即ち、機関出力トルクがTe*である場合)、この機関出力トルクTe*は遊星歯車装置31によりトルク変換される。その結果、サンギア32の回転軸に下記(4)式により表されるトルクTesとなって作用し、リングギア34の回転軸に下記(5)式により表されるトルクTerとなって作用する。

Tes=Te*・(ρ/(1+ρ)) …(4)

Ter=Te*・(1/(1+ρ)) …(5)
動作共線が安定であるためには動作共線の力の釣り合いをとればよい。従って、図6に示したように、サンギア32の回転軸には上記(4)式により求められるトルクTesと大きさが同じで向きが反対のトルクTm1を作用させ、且つ、リングギア34の回転軸には下記の(6)式により表されるトルクTm2を作用させればよい。即ち、トルクTm2は、リングギア要求トルクTr*に対するトルクTerの不足分と等しい。このトルクTm2がMG2指令トルクTm2*として採用される。

Tm2=Tr*−Ter …(6)
一方、サンギア32が目標回転速度Ns*にて回転すれば(即ち、第1発電電動機MG1の実際の回転速度Nm1がMG1目標回転速度Nm1*に一致すれば)、機関回転速度Neは目標機関回転速度Ne*に一致する。以上から、MG1指令トルクTm1*は上記(3)式により求められる。
ステップ345:PMCは、上記(5)式及び上記(6)式に従って、第2発電電動機MG2に出力させるべきトルクであるMG2指令トルクTm2*を算出する。なお、PMCは、下記の(7)式に基づいて、MG2指令トルクTm2*を決定してもよい。

Tm2*=Tr*−Tm1*/ρ …(7)
ステップ350:PMCは、機関20が最適機関動作点にて運転されるように(換言すると、機関出力トルクが目標機関出力トルクTe*となるように)、EGCに指令信号を送出する。これにより、EGCは、スロットル弁アクチュエータ22aによりスロットル弁22の開度を変更するとともに、それに応じて燃料噴射量を変更し、機関出力トルクTeが目標機関出力トルクTe*となるように機関20を制御する。
ステップ355:PMCは、MG1指令トルクTm1*をモータECU72に送信する。モータECU72は、第1発電電動機MG1の出力トルクがMG1指令トルクTm1*に一致するように第1インバータ61を制御する。
ステップ360:PMCは、MG2指令トルクTm2*をモータECU72に送信する。モータECU72は、第2発電電動機MG2の出力トルクがMG2指令トルクTm2*に一致するように第2インバータ62を制御する。
以上の処理により、リングギア34にはリングギア要求トルクTr*と等しいトルクが機関20及び第2発電電動機MG2によって作用させられる。更に、残容量SOCが所定値SOCLothよりも小さい場合、機関20の発生する出力はバッテリ充電要求出力Pb*だけ増大させられる。従って、トルクTerは大きくなるので、上記(6)式から理解されるように、MG2指令トルクTm2*は小さくなる。その結果、第1発電電動機MG1が発電する電力のうち第2発電電動機MG2にて消費される電力が少なくなるので、第1発電電動機MG1が発電する余剰の電力(第2発電電動機MG2によって消費されない電力)によってバッテリ63が充電される。
(ケース2)
機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth未満である場合。
この場合、PMCはステップ320に進んだとき、そのステップ320にて「No」と判定してステップ365に進み、現時点において機関20が運転中であるか否かを判定する。機関20が運転中であると、PMCはステップ365にて「Yes」と判定してステップ370に進み、機関20の運転を停止する指示をEGCに送信する。EGCはこの指示に基づいて燃料噴射量を「0」にすることにより(即ち、燃料噴射を停止することにより)、機関20を停止させる。
次に、PMCはステップ372に進んで機関停止フラグXstopの値を「1」に設定し、ステップ374に進んで再始動フラグXstartの値を「0」に設定する。このように、機関20の運転が停止されたとき、機関停止フラグXstopの値は「1」に設定され、再始動フラグXstartの値は「0」に設定される。その後、PMCはステップ380に進む。
これに対し、PMCがステップ365の処理を実行する時点において、機関20が停止中であると、PMCはそのステップ365にて「No」と判定し、ステップ380に直接進む。
次に、PMCはステップ380に進んでMG1指令トルクTm1*を「0」に設定し、ステップ385に進んでMG2指令トルクTM2*にリングギア要求トルクTr*に設定する。その後、PMCは前述したステップ355及びステップ360の処理を実行する。この結果、ユーザ要求トルクTu*は第2発電電動機MG2の発生するトルクのみによって満足される。
このように、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth未満であると(即ち、所定の機関運転停止条件が成立したとき)、機関20の運転は停止される。更に、機関20の運転停止中に機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上になると(即ち、所定の機関再始動条件が成立したとき)、機関20の運転が再開される(機関20が再始動される。)。換言すると、機関の間欠運転が実行される。
(作動:機関制御)
次に、機関20の制御についてついて説明する。この作動はEGCにより実行される。
EGCは、次に吸気行程を迎える気筒(以下、「燃料噴射気筒」と称呼する。)のクランク角が、その燃料噴射気筒の吸気上死点前の所定クランク角に一致する毎に図7にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。従って、そのようなタイミングになると、EGCは図7のステップ700から処理を開始してステップ710に進み、PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「1」であるか否かを判定する。PM対策制御実行フラグXPMcontの値は、Ready−On状態となった直後に実行される「図示しないイニシャルルーチン」において「0」に設定される。更に、PM対策制御実行フラグXPMcontの値は、機関暖機完了フラグXdankiの値が「1」に設定されるまで図示しないルーチンにより「1」に設定される。加えて、PM対策制御実行フラグXPMcontの値は、後述する図9に示したルーチンにより「1」に設定される。
PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「0」であると、EGCはステップ710にて「No」と判定してステップ720に進んで通常制御を実行する。より具体的に述べると、EGCは、機関20の吸入空気量Ga及び機関回転速度Neに基づいて「燃料噴射気筒が一吸気行程において吸入する空気の量(即ち、筒内吸入空気量)Mc」をテーブルMapMc(Ga,Ne)に吸入空気量Ga及び機関回転速度Neを適用することによって取得し、次いで、その筒内吸入空気量Mcを理論空燃比で除することによって燃料噴射量を決定する。そして、EGCは、所定のタイミング(以下、「通常タイミング」と称呼する。)にて「燃料噴射気筒に設けられている筒内噴射弁23」から「その燃料噴射量の燃料」を噴射させる。通常タイミングは、本例において、燃料噴射気筒のクランク角がその燃料噴射気筒の吸気下死点前の所定クランク角θn(0<θn<180°)に到達したタイミングである。その後、EGCはステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。このステップ720の燃料噴射制御による運転は、便宜上「第2モード」による運転とも称呼される。
これに対し、PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「1」であると、EGCはステップ710にて「Yes」と判定してステップ730に進み、PM対策制御を実行する。より具体的に述べると、EGCは、ステップ720と同様にして燃料噴射量を決定する。そして、EGCは、通常タイミングとは相違する所定のタイミング(以下、「PM対策タイミング」と称呼する。)にて「燃料噴射気筒に設けられている筒内噴射弁23」から「その燃料噴射量の燃料」を噴射させる。PM対策タイミングは、本例において、燃料噴射気筒のクランク角がその燃料噴射気筒の吸気下死点前の所定クランク角θp(0<θp<180°)に到達したタイミングである。所定クランク角θpは所定クランク角θnよりも小さい。即ち、EGCは、PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「1」である場合、PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「0」である場合に比較して、燃料噴射時期を遅角させることによりピストン頂面に付着する燃料量を低減させる。これにより、パティキュレートマターの発生量を低減することができる。その後、EGCはステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
(作動:機関暖機完了履歴フラグの設定)
EGCは、所定時間が経過する毎に図8にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、EGCは図8のステップ800から処理を開始し、ステップ810にて「現時点がReady−On状態となった直後である」か否かを判定する。
現時点がReady−On状態となった直後であると、EGCはステップ810にて「Yes」と判定してステップ820に進み、機関暖機完了フラグXdankiの値を「0」に設定し、その後、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、現時点がReady−On状態となった直後でなければ、EGCはステップ810にて「No」と判定してステップ830に進み、冷却水温THWが暖機完了水温Tdanki以上であるか否かを判定する。暖機完了水温Tdankiは、機関20の暖機が完了したときの冷却水温THW(例えば、80℃)である。
冷却水温THWが暖機完了水温Tdanki以上であると、EGCはステップ830にて「Yes」と判定してステップ840に進み、機関暖機完了フラグXdankiの値を「1」に設定する。これに対し、冷却水温THWが暖機完了水温Tdanki未満であると、EGCはステップ830にて「No」と判定し、ステップ895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
このように、機関暖機完了フラグXdankiの値は、Ready−On状態となった後に冷却水温THWが一度でも暖機完了水温Tdanki以上となると「1」に設定される。換言すると、機関暖機完了フラグXdankiは、その値が「1」であるとき「機関20が、今回のハイブリッド車両10の運転開始後において完全暖機状態になったことがある。」ことを示す。
(作動:PM対策制御実行フラグの設定)
EGCは、所定時間が経過する毎に図9にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、EGCは図9のステップ900から処理を開始し、ステップ910にて機関暖機完了フラグXdankiの値が「1」であるか否かを判定する。機関暖機完了フラグXdankiの値が「0」であると(即ち、機関20が、今回のハイブリッド車両10の運転開始後において完全暖機状態に一度もなっていなければ)、EGCはステップ910にて「No」と判定し、ステップ995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、機関暖機完了フラグXdankiの値が「1」であると、EGCはステップ910にて「Yes」と判定してステップ920に進み、現時点が「機関停止フラグXstopの値が「0」から「1」へ変化した直後であるか否か」を判定する。現時点が「機関停止フラグXstopの値が「0」から「1」へ変化した直後である。」と、即ち、機関20が間欠運転によって停止された直後であると、EGCはステップ920にて「Yes」と判定してステップ930に進み、その時点の冷却水温THWを運転停止時冷却水温THWstopとして取得する。運転停止時冷却水温THWstopは「運転停止時暖機パラメータ」である。その後、EGCはステップ995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、EGCがステップ920の処理を行う時点において、その時点が機関停止フラグXstopの値が「0」から「1」へ変化した直後でなければ、EGCはそのステップ920にて「No」と判定してステップ940に進み、現時点が「再始動フラグXstartの値が「0」から「1」へ変化した直後であるか否か」を判定する。現時点が「再始動フラグXstartの値が「0」から「1」へ変化した直後」でなければ、即ち、機関20が間欠運転によって再始動された直後でなければ、EGCはステップ940にて「No」と判定し、ステップ995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、現時点が「再始動フラグXstartの値が「0」から「1」へ変化した直後である」と、即ち、機関20が間欠運転によって再始動された直後であると、EGCはステップ940にて「Yes」と判定してステップ950に進み、その時点の冷却水温THWを再始動時冷却水温THWstartとして取得する。再始動時冷却水温THWstartは「再始動時暖機パラメータ」である。
次に、EGCはステップ960にて、運転停止時冷却水温THWstopから再始動時冷却水温THWstartを減じることにより、冷却水温低下量THWdownを取得する。
次いで、EGCはステップ970に進み、再始動時冷却水温THWstartが再始動時冷却水温閾値THWpmth以下であり且つ冷却水温低下量THWdownが冷却水温低下量閾値THWdownth以上であるか否かを判定する。再始動時冷却水温閾値THWpmth及び冷却水温低下量閾値THWdownthは一定値であってもよく、可変であってもよい。即ち、冷却水温低下量閾値THWdownthは、再始動時冷却水温閾値THWpmthが低いほど大きくなるように変化する値であってもよい。
再始動時冷却水温THWstartが再始動時冷却水温閾値THWpmthよりも大きいか、又は、冷却水温低下量THWdownが冷却水温低下量閾値THWdownth未満である場合、EGCはステップ970にて「No」と判定し、ステップ995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、再始動時冷却水温THWstartが再始動時冷却水温閾値THWpmth以下であり且つ冷却水温低下量THWdownが冷却水温低下量閾値THWdownth以上であると、EGCはステップ970にて「Yes」と判定してステップ980に進み、PM対策制御実行フラグXPMcontの値を「1」に設定する。冷却水温低下量THWdownは、運転停止時冷却水温THWstopと再始動時冷却水温THWstartとの差であるから、EGCはステップ970にて「運転停止時冷却水温THWstop及び再始動時冷却水温THWstart」に基づいてPM対策制御実行フラグXPMcontの値を「1」に設定すべきか否かを判断していることになる。その後、EGCはステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
この結果、機関20が完全暖機状態となった後に間欠運転により完全暖機状態でなくなった場合にも必要に応じてPM対策制御が実行される(図7のステップ710及びステップ730を参照。)。なお、PM対策制御実行フラグXPMcontの値は、PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「0」から「1」へと変更された時点から所定時間(第1モード運転時間)が経過したとき、「0」に設定される。
以上、説明したように、第1実施形態に係るハイブリッド車両10は、
駆動軸53と機関20とをトルク伝達可能に連結するとともに駆動軸53と電動機(第2発電電動機MG2)とをトルク伝達可能に連結する動力伝達機構(30,50)と、
機関20の出力トルクと電動機(第2発電電動機MG2)の出力トルクとを制御することにより駆動軸53に作用するトルクを制御するとともに、所定の機関運転停止条件が成立したときに前記機関の運転を停止し(図3のステップ320、ステップ365及びステップ370)且つ所定の機関再始動条件が成立したときに同機関を再始動させる(図3のステップ320乃至ステップ330)間欠運転を実行する制御装置を備える(図3のルーチン)。
更に、この制御装置は、
機関20から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要があるか否かを判定する判定手段(図9のステップ970)と、
機関20から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要があると判定された場合(PM対策制御実行フラグXPMcont=1)に機関20を第1のモードにて運転し(図7のステップ710及びステップ730)、機関20から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要がないと判定された場合(PM対策制御実行フラグXPMcont=0)に機関20を「第1のモードと相違する第2のモード」にて運転する(図7のステップ710及びステップ720)機関運転制御手段を含む。
加えて、前記判定手段は、
機関20の暖機状態が完全暖機状態に近づくほど大きくなる暖機パラメータ(冷却水温THW)を間欠運転による機関20の運転停止時に運転停止時暖機パラメータ(運転停止時冷却水温THWstop)として取得するとともに(図9のステップ920及びステップ930)、前記暖機パラメータを前記機関の運転停止時に続く機関20の再始動時に再始動時暖機パラメータ(再始動時冷却水温THWstart)として取得し(図9のステップ940及びステップ950)、前記運転停止時暖機パラメータと前記再始動時暖機パラメータとに基づいて前記機関から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要があるか否かを前記機関の再始動時に判定する(図9のステップ950乃至ステップ980)。
従って、仮に機関20の暖機が一旦終了した後であっても(図9のステップ910での「Yes」との判定を参照。)、間欠運転によって機関20の暖機状態が「パティキュレートマターが多量に発生する状態」へと変化したことを、適切に判定することができる。従って、PM対策制御(第1のモードによる運転)を適切に実施することができるので、PMの発生量が大きくなることを回避することができる。
なお、EGCは、再始動時冷却水温THWstartが低いほど、且つ、運転停止時冷却水温THWstopが低いほど、PM対策制御実行フラグXPMcontの値をより長く「1」に維持してもよい。これにより、再始動時冷却水温THWstartが低いほど、且つ、運転停止時冷却水温THWstopが低いほど、第1モード運転期間(第1モード運転時間)が長くなる。
また、EGCは、再始動時冷却水温THWstartが任意の温度Ts以下であり、且つ、運転停止時冷却水温THWstopが「その任意の温度Tsに依存して変化する(例えば、その任意の温度Tsが低いほど大きくなる温度)」以下であるとき、PM対策制御を実行する必要があると判定するように構成されていてもよい。即ち、前記判定手段は、前記再始動時暖機パラメータとしての再始動時冷却水温が第1温度以下であり、且つ、前記運転停止時暖機パラメータとしての運転停止時冷却水温が「前記第1温度に依存して変化する第2温度」以下であった場合、機関20から発生するパティキュレートマターの量を抑制するPM対策制御を実行する必要があると判定するように構成されていてもよい。
<第2実施形態>
本発明による第2実施形態に係るハイブリッド車両は、第1実施形態のハイブリッド車両10と同様、再始動時冷却水温THWstart及び冷却水温低下量THWdownに基づいて(換言すると、運転停止時冷却水温THWstop及び再始動時冷却水温THWstartに基づいて)、PM対策制御を実行する必要があるか否かを判定する。更に、第2実施形態に係るハイブリッド車両は、再始動時冷却水温THWstart及び冷却水温低下量THWdownに基づいて「PM対策制御を実行する期間(時間)を定める制御終了判定値」を取得し、その制御終了判定値を用いてPM対策制御の終了時期を決定する。
より具体的に述べると、第2実施形態に係るハイブリッド車両のEGCは図7及び図8に示したルーチンを実行するとともに、図10及び図12に示したルーチンを実行する。図7及び図8に示したルーチンについては説明済みである。従って、以下、図10及び図12に示したルーチンによるEGCの作動について説明する。
(作動:PM対策制御の開始及び制御終了判定値の設定)
EGCは、所定時間が経過する毎に図10にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。なお、図10のステップであって既に説明したステップと同一のステップには、その既に説明したステップと同一の符号を付し、詳細な説明を適宜省略する。
所定のタイミングになると、EGCは図10のステップ1000から処理を開始し、ステップ910乃至ステップ930の処理を行うことによって、運転停止時冷却水温THWstopを取得する。更に、EGCは、ステップ940乃至ステップ960の処理を行うことによって、再始動時冷却水温THWstart及び冷却水温低下量THWdownを取得する。
EGCはステップ960の処理を終了するとステップ1010に進み、再始動時冷却水温THWstart及び冷却水温低下量THWdownに基づいて制御終了判定値THWjudgeを決定する。より具体的に述べると、EGCは、ステップ950にて取得した再始動時冷却水温THWstart及びステップ960にて取得した冷却水温低下量THWdownを、図11に示したルックアップテーブルMap1(THWstart,THWdown)に適用することによって制御終了判定値THWjudgeを取得する。
このテーブルMap1(THWstart,THWdown)によれば、制御終了判定値THWjudgeは、再始動時冷却水温THWstartが低いほど大きくなり且つ冷却水温低下量THWdownが小さいほど大きくなるように決定される。換言すると、テーブルMap1(THWstart,THWdown)によれば、制御終了判定値THWjudgeは、再始動時冷却水温THWstartが低いほど大きくなり且つ運転停止時冷却水温THWstopが低いほど大きくなるように決定される。なお、テーブルMap1(THWstart,THWdown)のデータは実験により予め定めておく。
次に、EGCはステップ1020に進み、ステップ1010にて取得された制御終了判定値THWjudgeが「0」よりも大きいか否かを判定する。後述するように、機関20が再始動された時点からの冷却水温THWの上昇量ΔTHWが制御終了判定値THWjudgeに一致するまでPM対策制御が実行される。従って、制御終了判定値THWjudgeが「0」であるということはPM対策制御を行う必要がないと判定されたことを意味し、制御終了判定値THWjudgeが「0」よりも大きい値であるということはPM対策制御を行う必要があると判定されたことを意味する。
そこで、制御終了判定値THWjudgeが「0」である場合、EGCはステップ1020にて「No」と判定し、ステップ1095に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。この場合、PM対策制御実行フラグXPMcontの値は「1」に設定されないので、PM対策制御は実行されない。
これに対し、制御終了判定値THWjudgeが「0」よりも大きい場合、EGCはステップ1020にて「Yes」と判定してステップ1030に進み、PM対策制御実行フラグXPMcontの値を「1」に設定する。その後、EGCはステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、PM対策制御が開始される。
(作動:PM対策制御の終了)
EGCは、所定時間が経過する毎に図12にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、EGCは図12のステップ1200から処理を開始してステップ1210に進み、現時点が「PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「0」から「1」へ変化した直後であるか否か」を判定する。
現時点が、PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「0」から「1」へ変化した直後であると、EGCはステップ1210にて「Yes」と判定してステップ1220に進み、冷却水温上昇量ΔTHWを「0」に設定し、その後、ステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、現時点が、PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「0」から「1」へ変化した直後でないとき、EGCはステップ1210にて「No」と判定してステップ1230に進み、PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「1」であるか否かを判定する。即ち、EGCはPM対策制御が実行されているか否かを判定する。
PM対策制御実行フラグXPMcontの値が「1」であると、EGCはステップ1230にて「Yes」と判定してステップ1240に進み、冷却水温THWを現時点冷却水温THWnowとして取得する。次いで、EGCはステップ1250にて、現時点冷却水温THWnowから再始動時冷却水温THWstartを減じた値を、冷却水温上昇量ΔTHWとして取得する。
次に、EGCはステップ1260に進み、冷却水温上昇量ΔTHWが制御終了判定値THWjudge以上であるか否かを判定する。冷却水温上昇量ΔTHWが制御終了判定値THWjudge未満であると、EGCはステップ1260にて「No」と判定し、ステップ1295に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
機関20が再始動された後に機関20の運転が継続されていると、機関20の暖機が進むため、冷却水温THWは上昇する。その結果、冷却水温上昇量ΔTHWも上昇し、やがて制御終了判定値THWjudgeに到達する。その場合、EGCはステップ1260にて「Yes」と判定してステップ1270に進み、PM対策制御実行フラグXPMcontの値を「0」に設定する。この結果、PM対策制御(第1モードでの運転)が終了され、通常制御(第2モードでの運転)が開始される。
以上、説明したように、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド車両は、第1実施形態に係るハイブリッド車両10と同様の「判定手段及び機関運転制御手段」を含む制御装置を備える。更に、第2実施形態の機関運転制御手段は、「機関20の再始動時から機関20を第1のモードにて運転する第1モード運転期間(PM対策制御を実行する期間)」を運転停止時暖機パラメータ(運転停止時冷却水温THWstop)と再始動時暖機パラメータ(再始動時冷却水温THWstart)とに基づいて変更するように構成されている(図10のステップ1010、図12のステップ1260及びステップ1270を参照。)。
従って、間欠運転による機関20の停止中において機関の暖機状態がどのように変化したかに基づいて、PM対策制御を実行する期間(第1モード運転期間)を精度良く決定することができる。その結果、PMの発生量が増大することを回避するとともに、筒内噴射弁23を採用したことによる利点を活用する機会(即ち、第2モードでの運転機会)を増大させることができる。
なお、第2実施形態に係るハイブリッド車両における前記機関運転制御手段は、再始動時冷却水温THWstartが低いほど、且つ、運転停止時冷却水温THWstopが低いほど、第1モード運転期間が長くなるように同第1モード運転期間を変更するように構成されていると言うこともできる(図10のステップ1010、図11のテーブル、及び、図12のステップ1250及びステップ1260等を参照。)。
更に、前記機関運転制御手段は、
再始動時冷却水温THWstartが低いほど大きくなり且つ運転停止時冷却水温THWstopが低いほど大きくなる制御終了判定値THWjudgeを取得するとともに、「機関20の再始動時から、同再始動時からの前記冷却水温の上昇量ΔTHWが制御終了判定値THWjudgeに到達する時点まで」を前記第1モード運転期間として設定するように構成されていると言うこともできる(図10のステップ1010、図11のテーブル、及び、図12のステップ1250乃至ステップ1270等を参照。)。
なお、第2実施形態においては、機関20の再始動後の冷却水温上昇量ΔTHWが制御終了判定値THWjudge以上であるか否かに基づいてPM対策制御を実行する期間(第1モード運転期間)を定めていたが、機関20の再始動後の「吸入空気量Ga、燃料噴射量及び燃料回数」のうちの一つの積算量が制御終了判定値以上であるか否かに基づいて第1モード運転期間を定めてもよい。これらの積算量は、冷却水温上昇量ΔTHWと同様、機関20の再始動後における暖機状態の進行程度を示すパラメータである。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、ハイブリッド車両は上記実施形態のシステムに限定されず、ユーザ要求トルクに等しいトルクを、機関の出力トルクと電動機の出力トルクとを制御することにより駆動軸53に作用させることができ、且つ、状況により車両の走行中において機関の運転を停止できる車両であればよい。
更に、上記各実施形態においては、機関20の暖機パラメータとして冷却水温THWが用いられていたが、機関20の潤滑油の温度が用いられてもよい。更に、PM対策制御を実行するか否かの判定、及び、制御終了判定値THWjudgeの決定には、外気温が考慮されてもよい。
更に、上記実施形態におけるPM対策制御は、筒内噴射弁23からの噴射時期を通常制御時の噴射時期よりも遅角することによって実現されていたが、機関20がポート噴射弁を備える場合には、PM対策制御中におけるポート噴射弁の噴射比率を通常制御中におけるポート噴射弁の噴射比率よりも高め、且つ、PM対策制御中における筒内噴射弁23の噴射比率を通常制御中における筒内噴射弁23の噴射比率よりも低め、それによってPM対策制御を実現してもよい。なお、ポート噴射弁の噴射比率は、機関20に供給される燃料の全体量に対するポート噴射弁から供給される燃料の量の比である。
10…ハイブリッド車両、20…内燃機関、23…筒内噴射弁、25…クランクシャフト、30…動力分配機構、31…遊星歯車装置、37…出力ギア、50…駆動力伝達機構、52…ディファレンシャルギア、53…駆動軸、54…駆動輪、93…冷却水温センサ、MG1…第1発電電動機、MG2…第2発電電動機。

Claims (2)

  1. 燃焼室内に燃料を直接噴射可能な筒内噴射弁を有する内燃機関と、
    電動機と、
    車両の駆動軸と前記機関とをトルク伝達可能に連結するとともに同駆動軸と前記電動機とをトルク伝達可能に連結する動力伝達機構と、
    前記機関の出力トルクと前記電動機の出力トルクとを制御することにより前記駆動軸に作用するトルクを制御するとともに、所定の機関運転停止条件が成立したときに前記機関の運転を停止し且つ所定の機関再始動条件が成立したときに同機関を再始動させる間欠運転を実行する制御装置と、
    を含むハイブリッド車両において、
    前記制御装置は、
    前記機関から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要があるか否かを判定する判定手段と、
    前記機関から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要があると判定された場合に前記機関を第1のモードにて運転し、前記機関から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要がないと判定された場合に前記機関を前記第1のモードと相違する第2のモードにて運転する機関運転制御手段と、
    を含み、
    前記判定手段は、
    前記機関の暖機状態が完全暖機状態に近づくほど大きくなる暖機パラメータを前記間欠運転による前記機関の運転停止時に運転停止時暖機パラメータとして取得するとともに、前記暖機パラメータを前記機関の運転停止時に続く前記機関の再始動時に再始動時暖機パラメータとして取得し、前記運転停止時暖機パラメータと前記再始動時暖機パラメータとに基づいて前記機関から発生するパティキュレートマターの量を抑制する必要があるか否かを前記機関の再始動時に判定するように構成されたハイブリッド車両。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両において、
    前記機関運転制御手段は、
    前記機関の再始動時から前記機関を前記第1のモードにて運転する第1モード運転期間を前記運転停止時暖機パラメータと前記再始動時暖機パラメータとに基づいて変更するように構成されたハイブリッド車両。
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