JP2013146797A - 切削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピンドルに対する切削ブレードの着脱作業を容易にする。
【解決手段】スピンドル42の先端面の中央に閉止穴202を形成してその底部にマグネット210を配設し、閉止穴202の周囲に複数の爪204を突設する。爪204の外側に切削ブレード44の基台100の装着孔101を嵌め込み、押さえ部300の挿入柱310を閉止穴202に挿入して挿入柱310の先端の磁着部312をマグネット210に磁着させ、押さえ部300により基台100をスピンドル42の先端面に押し付けた状態として切削ブレード44をスピンドル42に装着する。スピンドル42が回転すると爪204が広がって基台100の装着孔101の内周縁に圧着し、強固な固定状態を得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、基台と基台の外周縁に配設された切削刃とからなる切削ブレードを有した切削装置に関する。
例えば半導体ウェーハ、セラミック板、樹脂基板等の薄い板状物を多数のチップに分割する場合には、板状物である被加工物に対し切削ブレードを切り込ませて切断する切削装置が用いられている。この種の切削装置としては、載置された被加工物を吸着して保持する保持テーブルと、保持テーブルの上方に対向して配設された切削ブレードを有する切削手段と、保持テーブルと切削手段とを相対的に移動させて切削ブレードを被加工物に切り込ませて加工送りする加工送り手段等を備えている。切削ブレードは、スピンドルをサーボモータで高速回転させるスピンドルユニットの、スピンドルの先端に着脱可能に装着される。その装着手段としては、スピンドルの先端にマウントフランジをねじ止めし、このマウントフランジに切削ブレードの基台を嵌め込み、マウントフランジの雄ねじ部に固定ナットを螺合してマウントフランジと固定ナットで切削ブレードの基台を挟み込んで締結するといった構成のものが一般的である(特許文献1等参照)。
特開2009−262266号公報
上記構成の装着手段では、切削ブレードを交換する際には、スピンドルの回転をロックさせた状態で、固定ナットを取り外して切削ブレードをマウントフランジから離脱させ、この後、新しい切削ブレードをマウントフランジに嵌め込んで再び固定ナットをマウントフランジの雄ねじ部に螺合させるといった作業になる。しかし、この着脱作業は非常に手間がかかるものであり、装着手段の改良が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、スピンドルに対する切削ブレードの着脱作業を容易にする切削装置を提供することにある。
本発明の切削装置は、被加工物を保持する保持テーブルと該保持テーブルで保持された被加工物を切削する切削手段とを備えた切削装置であって、前記切削手段は、スピンドルと、該スピンドルを回転させる駆動源と、該スピンドルの先端に装着されて前記保持テーブルで保持された被加工物を切削する中央に装着孔が形成された基台と該基台の外周縁に配設された切り刃とからなる切削ブレードと、該スピンドルに装着された該切削ブレードを押さえる押さえ部と、から少なくともなり、前記スピンドルは、前記先端の端面の中央に閉止穴が形成され、該閉止穴の底部に配設されたマグネットと、該スピンドルの軸線方向に該端面から延出して前記切削ブレードの前記装着孔に挿入される該閉止穴を囲繞して配設された複数の爪と、該複数の爪の外周側で該切削ブレードの前記基台の裏面側に当接する裏面側当接部とを有し、前記押さえ部は、前記切削ブレードの前記装着孔に挿入された前記複数の爪に貫入するとともに前記スピンドルの前記閉止穴に挿入されて前記マグネットに磁着される磁着部を先端に有した挿入柱と、該挿入柱の外周側で該切削ブレードの該基台表面に当接して該切削ブレードを押さえる当接面を有した鍔部とを有し、前記押さえ部の前記挿入柱が前記切削ブレードに貫装されるとともに前記スピンドルの前記マグネットに磁着されて該押さえ部が該切削ブレードを固定するとともに、該スピンドルの回転時には、前記複数の爪が遠心力で広がることでさらに該切削ブレードを固定することを特徴とする。
本発明では、例えば、切削ブレードの基台の装着孔にスピンドルの複数の爪を相対的に挿入して切削ブレードをスピンドルの先端に仮止めした状態としてから、押さえ部の挿入柱を複数の爪に貫入するとともにスピンドルの閉止穴に挿入し、挿入柱の磁着部をスピンドルの閉止穴の底部のマグネットに磁着させることにより、切削ブレードがスピンドルの先端に装着される。この装着状態で、切削ブレードの基台は、裏面がスピンドルの先端の端面の裏面側当接部に当接し、かつ、表面が押さえ部の鍔部の当接面に当接し、スピンドルの先端と押さえ部の鍔部とに挟持された状態となる。この装着状態は、挿入柱の磁着部がスピンドルのマグネットに磁着していることにより保持され、切削ブレードはスピンドルに固定される。そして、スピンドルが回転するとスピンドルの複数の爪が遠心力で広がり、これら爪が切削ブレードの基台の装着孔の内周縁に圧着した状態となる。このためスピンドルの回転時には、より強固な固定状態が得られる。一方、切削ブレードをスピンドルから取り外すには、押さえ部をスピンドルから引き抜くように力を加え、挿入柱の磁着部をスピンドルのマグネットから離脱させる。そして、そのまま挿入柱を閉止穴および爪から引き抜くと押さえ部が離脱する。この後、爪から基台を抜いて切削ブレードはスピンドルから取り外される。
本発明によれば、押さえ部の挿入柱をスピンドルの先端の閉止穴に挿入して磁着部をマグネットに磁着させるというワンタッチの操作で、容易に切削ブレードをスピンドルに装着することができる。また、上記のようにスピンドルの回転時には遠心力で広がるスピンドルの爪による圧着作用で切削ブレードの基台はスピンドルに強固に固定され、離脱のおそれがない。
本発明では、前記押さえ部には、前記挿入柱の前記先端に開口する第1開口と、前記鍔部の前記当接面の背面に開口する第2開口と、一端が該第1開口に接続されるとともに他端が該第2開口に接続される該押さえ部を貫く気体通路とが形成されている形態を含む。この形態では、上記のように切削ブレードをスピンドルに装着した状態で、第2開口から気体通路を通じて気体を供給すると、気体が第1開口から吐出した気体の圧力で、押さえ部の挿入柱の磁着部がスピンドルの閉止穴内のマグネットから離脱し、押さえ部を容易に取り外すことができる。
本発明によれば、スピンドルに対する切削ブレードの着脱作業を容易にする切削装置が提供されるといった効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る切削装置の斜視図である。 同切削装置が備える切削手段の先端部を示す斜視図である。 同切削手段の先端部の断面図であって、スピンドルに対する切削ブレードの取付構造を示している。 スピンドルから切削ブレードを取り外した状態を示す断面図である。 スピンドルの先端部を示す斜視図である。 切削ブレードをスピンドルに装着するための押さえ部の裏面側を示す斜視図である。 押さえ部の取り外し用治具を示す一部断面図である。 同取り外し用治具の一部破断斜視図である。 同取り外し用治具を押さえ部に装着した状態を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[1」切削装置の基本的な構成および動作
図1は、一実施形態に係る切削装置10の全体を示している。この切削装置10は、一対の切削手段(第1切削手段40Aと第2切削手段40B)を互いに対向配置した2軸対向型であり、保持テーブル32上に載置されて保持される被加工物(図示略)を、各切削手段40A,40Bによって切削加工するものである。この場合、被加工物は、例えば半導体ウェーハ等の円板状の板状物であり、保持テーブル32は、被加工物に対応して円板状に形成されている。切削加工としては、被加工物を貫通して切断するフルカットや溝加工などが含まれる。
切削装置10は装置台11を有しており、装置台11の上面には、保持テーブル32をX方向に移動可能に支持するX軸移動手段20が設けられている。X軸移動手段20は、装置台11上に固定されたX方向に延びる一対のX軸リニアガイド21と、これらX軸リニアガイド21に摺動可能に組み込まれたX軸可動ベース部22と、X軸リニアガイド21間に回転自在に配設され、X軸可動ベース部22に螺合して連結されたX方向に延びるボールねじ23と、ボールねじ23を回転させるモータ24とから構成されている。このX軸移動手段20によると、モータ24が作動するとボールねじ23が回転し、X軸可動ベース部22がボールねじ23の回転方向に応じた方向(X1方向またはX2方向)にX軸リニアガイド21上を移動するようになっている。
X軸可動ベース部22の上面には円筒状のテーブル台31が固定されており、このテーブル台31上に、円板状の保持テーブル32が回転可能に支持されている。保持テーブル32は、空気を吸引して生じる負圧作用により、水平な上面の保持面32aに載置される被加工物を吸着して保持する一般周知の真空チャック式のものである。保持テーブル32は、テーブル台31内に設けられている図示せぬ回転駆動機構によって、一方向または両方向に回転させられる。保持テーブル32は、X軸移動手段20により、X方向の手前側(X1側)の搬入・搬出位置と奥側(X2側)の加工位置との間を往復移動させられる。
図1において装置台11上のX2側には、加工位置をまたぐ門型コラム12が固定されている。門型コラム12は、加工位置の両側にY方向に並んで立設された一対の脚部12aと、これら脚部12aの上端部間に水平に架け渡された梁部12bとを有している。そして、梁部12bの前面(X1側の面)のY1側に、第1切削手段40Aが第1Y軸移動手段50Aおよび第1Z軸移動手段60Aを介してY方向およびZ方向に移動可能に設けられ、梁部12bの前面のY2側に、第2切削手段40Bが第2Y軸移動手段50Bおよび第2Z軸移動手段60Bを介してY方向およびZ方向に移動可能に設けられている。
第1Y軸移動手段50Aと第2Y軸移動手段50Bは同一の構成であって、梁部12bに固定された上下一対のY方向に延びるY軸リニアガイド51を共通構成要素としており、このY軸リニアガイド51と、Y軸リニアガイド51に摺動可能に組み込まれたY軸可動ベース部52と、Y軸リニアガイド51間に回転自在に配設されたY方向に延びるボールねじ53と、ボールねじ53を回転させるモータ54(図2では第2Y軸移動手段50B側のものは不図示、図3参照)とから構成されている。ボールねじ53は、第1Y軸移動手段50A側のものと第2Y軸移動手段50B側のものが1本ずつ具備されており、一方のボールねじ53は第1Y軸移動手段50AのY軸可動ベース部52に螺合して連結され、他方のボールねじ53は第2Y軸移動手段50BのY軸可動ベース部52に螺合して連結されている。
第1Y軸移動手段50Aおよび第2Y軸移動手段50BにおけるY軸可動ベース部52の前面に、第1Z軸移動手段60Aおよび第2Z軸移動手段60Bがそれぞれ設けられている。第1Z軸移動手段60Aと第2Z軸移動手段60Bは同一の構成であって、Y軸可動ベース部52に固定されたY方向に離間する一対のZ軸リニアガイド61と、これらZ軸リニアガイド61に摺動可能に組み込まれたZ軸可動ベース部62と、Z軸リニアガイド61間に回転自在に配設され、Z軸可動ベース部62に螺合して連結されたZ方向(鉛直方向)に延びるボールねじ63と、ボールねじ63を回転させるモータ64とから構成されている。
第1Z軸移動手段60AのZ軸可動ベース部62の下端部に、第1切削手段40Aが固定されており、第2Z軸移動手段60BのZ軸可動ベース部62の下端部に、第2切削手段40Bが固定されている。第1切削手段40Aと第2切削手段40Bは同一の構成であって、図2に示すように、軸線方向がY方向に延びる円柱状のスピンドル42を収容した直方体状のスピンドルハウジング41を有している。スピンドルハウジング41内には、スピンドル42を回転駆動するサーボモータ等の駆動源(不図示)が収容されている。スピンドル42は、互いに対向する側にスピンドルハウジング41から突出しており、その突出する先端に、切削ブレード44が装着されている。また、スピンドルハウジング41の先端には、供給される切削水の飛散を抑えるブレードカバー45が装着されている。
第1Y軸移動手段50Aおよび第2Y軸移動手段50Bによると、それぞれのモータ54が作動するとボールねじ53が正逆いずれかの方向に回転し、Y軸可動ベース部52がボールねじ53の回転方向に応じた方向(Y1方向またはY2方向)にY軸リニアガイド51に沿って移動する。これにより、第1切削手段40Aおよび第2切削手段40Bが、互いに接近したり離間したりするようにY方向に沿って移動する。
また、第1Z軸移動手段60Aおよび第2Z軸移動手段60Bによると、それぞれのモータ64が作動するとボールねじ63が正逆いずれかの方向に回転し、Z軸可動ベース部62がボールねじ53の回転方向に応じた方向(上方:Z1方向または下方:Z2方向)にZ軸リニアガイド61に沿って昇降する。これにより、第1切削手段40Aおよび第2切削手段40Bが、それぞれZ方向に沿って昇降する。
また、図1に示すように、各切削手段40A,40Bにおいては、スピンドルハウジング41の前面(X1側の面)であってブレードカバー45に近接する位置に、アライメント手段46が固定されている。アライメント手段46は、保持テーブル32に保持された被加工物の表面を撮像し、撮像した画像に基づいて被加工物に設定されている所定の切削ラインを検出するアライメントを行うものである。
以上の構成からなる切削装置10によれば、次のようにして被加工物が切削加工されて、被加工物が例えば多数のチップに分割される。
はじめに、上記搬入・搬出位置に位置付けられた保持テーブル32の保持面32a上に被加工物が載置され、保持面32aに被加工物が吸着して保持される。次に、X軸可動ベース部22が図2においてX2方向に移動して被加工物1が加工位置に搬送される。そしてこの加工位置において、アライメント手段46によって被加工物の表面が撮像され、アライメントが行われる。
続いて、アライメントにしたがって各切削手段40A,40Bにより被加工物の切削加工がなされる。切削加工は、保持テーブル32を回転させて切削ラインをX方向と平行にし、切削手段40A,40BをY方向に移動させることにより切削ラインの割り出しを行い、この後、X軸可動ベース部22をX方向に移動させることにより被加工物をX方向に移動させながら、切削ブレード44を切削ラインに切り込ませる加工送りすることでなされる。
本実施形態の切削装置10では、2つの切削手段40A,40Bを備えることにより、例えば2本の切削ラインを同時に切削加工して切断するなどの操作を行うことができ、効率的な切削加工を実施することができる。
全ての切削ラインが切削加工されたら、被加工物は搬入・搬出位置に戻されて保持テーブル32から取り上げられ、次の工程(例えば洗浄工程)に移される。
以上が、切削装置10の基本的な構成および動作であり、次に、本発明に係る切削手段40A,40Bにおける切削ブレード44の取付構造について説明する。
[2」切削ブレードの取付構造
図2は切削手段40A(40B)の先端部を示しており、切削手段40A(40B)は、上記のようにスピンドルハウジング41内に収容されたスピンドル42の先端に切削ブレード44が装着されており、スピンドルハウジング41内に収容された駆動源によってスピンドル42とともに切削ブレード44を回転させるものである。切削手段40A(40B)は、切削ブレード44をスピンドル42の先端に着脱可能に装着するための押さえ部300を含んでいる。
切削ブレード44は、図4に示すように中央に円形状の装着孔101が貫通形成された円板状の基台100と、基台100の外周縁に配設された環状の切り刃110とから構成されている。基台100の外周縁は、片面側がテーパ状に形成されており、テーパ状に形成された側が表面102、全面が平坦面である反対側の面が裏面103である。切り刃110は、例えばニッケル母材中にダイヤモンド砥粒が分散されたものが用いられ、基台100の裏面103に電着によって固着される。
図4に示すように、スピンドル42の先端の円形状の端面201の中央には、所定深さの断面円形状の閉止穴202が形成されている。閉止穴202は、基台100の装着孔101よりも径が小さく、その底部には、マグネット(永久磁石)210が配設されて固定されている。
また、図5に示すように、端面201の閉止穴202の周囲には、端面201からスピンドル42の軸線方向に延出する複数の爪204が、周方向に等間隔をおいて配設されている。個々の爪204は、断面が周方向に沿った円弧状に形成され閉止穴202を囲繞して配設されている。これら爪204の全体の外径および内径は端面201と同心状で、外径は、基台100の装着孔101にしまり嵌めの状態で挿入される寸法に設定されている。爪204は、スピンドル42と一体に成形されることによって金属製であり、スピンドル42の回転時には、遠心力で広がるように弾性変形可能な弾性を有している。なお、爪204は、樹脂等の材料により成形され、スピンドル42の端面201に埋め込んで接着するなどの手段で設けてもよく、その場合にも、スピンドル42の回転時に遠心力で広がる弾性変形可能な材料で成形されたものが用いられる。
さらにスピンドル42の先端の端面201の、複数の爪204の外周側には、環状の突起からなる裏面側当接部205が、端面201と同心状に形成されている。この裏面側当接部205は、切削ブレード44の装着時に基台100の裏面103側に当接するように形成されている。
切削ブレード44は、押さえ部300によってスピンドル42に固定される。図4および図6に示すように、押さえ部300は、円柱状の挿入柱310の一端に円板状の鍔部320が形成されたもので、挿入柱310は鍔部320の裏面321の中央から垂直に突設されている。挿入柱310は、スピンドル42の閉止穴202に挿入可能な径を有している。鍔部320の裏面321の、挿入柱310の外周側には、環状突起330が鍔部320と同心状に形成されており、この環状突起330の先端面は当接面331とされている。この当接面331は、押さえ部300による切削ブレード44の装着時に、基台100の表面102に当接して切削ブレード44を押さえるように機能する。
また、鍔部320の裏面321の、挿入柱310と環状突起330との間には、複数の位置決めピン340が垂直に突設されている。位置決めピン340は、押さえ部300による切削ブレード44の装着時に、スピンドル42の隣接する2つの爪204間に入り込んで押さえ部300とスピンドル42の相対回転を規制するように機能する。この場合、位置決めピン340は2つであって、挿入柱310を挟んだ2位置に配設されている。鍔部320の裏面321側の環状突起330の外周側はテーパ状に形成されている。また、鍔部320の裏面321とは反対側の表面322は平坦に形成されている。
図4に示すように、押さえ部300の中心には、挿入柱310の先端311から鍔部320の表面322にわたって気体通路350が貫通形成されている。この気体通路350においては、挿入柱310の先端311側の開口が第1開口351とされ、表面322側(鍔部320の当接面331の背面側)の開口が第2開口352とされている。すなわち、気体通路350は、一端が第1開口351に接続されるとともに他端が第2開口352に接続されている。
押さえ部300は、全体が例えばSUS430等の磁性を有する金属で構成されてもよく、あるいは一部(例えば位置決めピン340)が樹脂製であってよいが、少なくとも挿入柱310は磁性を有する金属で構成される。これにより挿入柱310の先端部は磁着部312とされ、押さえ部300による切削ブレード44の装着時には、挿入柱310はスピンドル42の閉止穴202に挿入され、磁着部312がマグネット210に磁着するようになっている。
スピンドル42の先端および押さえ部300が以上の構成を有する本実施形態において、押さえ部300によって切削ブレード44をスピンドル42に取り付ける手順を、図3および図4を参照して説明する。以下の手順は好適な例であるが、装着の手順はこれに限定はされない。
はじめに、切削ブレード44の基台100の装着孔101内にスピンドル42の複数の爪204に嵌め込み、爪204が装着孔101に相対的に挿入された状態とする。爪204は装着孔101にしまり嵌めの状態で挿入され、これにより切削ブレード44はスピンドル42の先端に仮止めされた状態となる。
次いで、押さえ部300の挿入柱310を複数の爪204の内側に貫入するとともにスピンドル42の閉止穴202に挿入して基台100に貫装し、挿入柱310の磁着部312をマグネット210に磁着させる。このとき、位置決めピン340を、いずれかの隣接する爪204の間に差し込む。これにより、図3に示すように切削ブレード44の基台100は、裏面103がスピンドル42の裏面側当接部205に当接し、かつ、表面102が押さえ部300の鍔部320の当接面331に当接する。すなわち、基台100は押さえ部300の鍔部320によってスピンドル42に押し付けられ、鍔部320とスピンドル42とに挟持される。この状態は、挿入柱310の磁着部312がスピンドル42のマグネット210に磁着していることにより保持され、切削ブレード44はスピンドル42に固定された状態となる。
このようにスピンドル42に装着された切削ブレード44で被加工物の切削加工を行う際には、次のような作用が生じる。すなわち、切削加工時にスピンドル42が回転すると複数の爪204が遠心力で外周側に広がり、これら爪204が基台100の装着孔101の内周縁に圧着した状態となる。このため、切削ブレード44はマグネット210に対する押さえ部300の磁着強度に加え、広がる爪204が装着孔101の内周縁に圧着する固定作用により、より強固な固定状態が得られる。
次に、切削ブレード44を交換するなどの必要が生じて切削ブレード44をスピンドル42から取り外す際には、鍔部320を挟んで押さえ部300をスピンドル42から引き抜くように力を加える。すると、挿入柱310の磁着部312がスピンドル42のマグネット210から離脱するので、そのまま挿入柱310を閉止穴202および爪204の内側から引き抜くと押さえ部300が離脱する。この後、爪204から基台100を引き抜いて切削ブレード44はスピンドル42から取り外される。
本実施形態による切削ブレード44の取付構造によれば、押さえ部300の挿入柱310をスピンドル42の閉止穴202に挿入して磁着部312をマグネット210に磁着させるというワンタッチの操作で、容易に切削ブレード44をスピンドル42に装着することができる。また、上記のようにスピンドル42の回転時には遠心力で広がる爪204による圧着作用で切削ブレード44の基台100はスピンドル42に強固に固定され、したがって切削ブレード44がスピンドル42から離脱するおそれがない。また、スピンドル42の隣接する2つの爪204間に入り込んだ位置決めピン340が爪204に当たることで、押さえ部300とスピンドル42の相対回転が規制される。
切削ブレード44の装着時においては、押さえ部300の挿入柱310の磁着部312がスピンドル42のマグネット210に磁着し、また、切削ブレード44の基台100の裏面103がスピンドル42の裏面側当接部205に当接し、かつ、表面102が押さえ部300の鍔部320の当接面331に当接する。このような3箇所の当接状態が確保されて切削ブレード44はスピンドル42に固定された状態となるが、寸法誤差等に起因して裏面側当接部205や当接面331が基台100に当接しなかったり、あるいは磁着部312がマグネット210まで達しない場合が想定される。
その際には、突設された裏面側当接部205や当接面331を研磨加工するなどして突出高さを調節することで、上記3箇所の当接状態を確保することができる。スピンドル42の先端の端面201や鍔部320の裏面321を平坦にし、それらの平坦面を基台100に当接させて挟持する構成でもよいが、寸法誤差を考慮すると、裏面側当接部205や当接面331を突設し、研磨加工が容易なようにする方が好ましい。
スピンドル42に装着されている切削ブレード44を取り外すには、上記操作を手作業で行うほかに、図7および図8に示す取り外し用の治具400を用いると、さらに容易に取り外すことができる。
この治具400は空気圧で押さえ部300をスピンドル42から離脱させるもので、押さえ部300の鍔部320に表面322側から鍔部320に着脱可能に装着される円板状のキャップ410と、キャップ410の中央に設けられた管状のジョイント部420を備えている。ジョイント部420内には絞り弁421が設けられており、ジョイント部420には、図示せぬ空気供給源に接続される空気供給チューブ430が接続される。また、ジョイント部420には空気供給のON・OFFボタン422が設けられている。
キャップ410は円板部411を有し、この円板部の内面412側の外周縁に、押さえ部300の鍔部320の外周縁が嵌り込む周溝413が内側に形成された環状の係合リング部414が形成されている。ジョイント部420は、キャップ410の円板部411の外面415の中央に設けられている。
キャップ410の中心にはジョイント部420の内部に連通する空気流通孔416が形成されている。係合リング部414は弾性を有しており、係合リング部414を変形させて周溝413を押さえ部300の鍔部320に嵌め込んで係合リング部414を鍔部320に係合させると、治具400は押さえ部300に装着される。図9は治具400が押さえ部300の鍔部320に装着された状態を示しており、この装着状態で、キャップ410の内面412は押さえ部300の鍔部320の表面322に密着し、空気流通孔416416は挿入柱310の気体通路350に連通するようになっている。
この治具400の使用方法は、上記のようにして治具400を押さえ部300の鍔部320に装着し、ON・OFFボタン422をONにする。すると、空気供給チューブ430からジョイント部420を通って空気流通孔416から空気が吐出する。その空気は、押さえ部300の気体通路350の第2開口352から気体通路350に入って第1開口351から吐出し、この空気の圧力で挿入柱310の磁着部312がマグネット210から離脱する。このようにして押さえ部300の磁着部312はスピンドル42のマグネット210から離脱するので、この後は押さえ部300の挿入柱310を爪204の内側から引き抜いて押さえ部300を取り外す。
この治具400によれば、空気の圧力で、磁力によってスピンドル42に固定されている押さえ部300をスピンドル42から容易に離脱させることができ、したがって切削ブレード44の取り外し作業をより容易に実施することができる。また、ジョイント部420内に設けられた絞り弁421により、供給される空気の圧力が適宜に低減され、押さえ部300が急激に飛び出してくることが防がれる。
なお、上記実施形態では、スピンドル42の閉止穴202の底部に設けるマグネット210を永久磁石としているが、このマグネット210を電磁石としてもよい。電磁石にした場合に、切削ブレード44を装着するときには電磁石をONとして磁力を発生させる。また、切削ブレード44を取り外すときには電磁石をOFFとすることにより、押さえ部300を磁力に抗することなく容易にスピンドル42から離脱させることができる。マグネット210を電磁石とした場合には、上記取り外し用の治具400は特に必要としない。
10…切削装置、32…保持テーブル、40A,40B…切削手段、42…スピンドル、44…切削ブレード、100…基台、101…装着孔、102…基台の表面、103…基台の裏面、110…切り刃、201…スピンドルの先端の端面、202…閉止穴、204…爪、205…裏面側当接部、210…マグネット、300…押さえ部、310…挿入柱、312…磁着部、320…鍔部、331…当接面、350…気体通路、351…第1開口、352…第2開口。

Claims (2)

  1. 被加工物を保持する保持テーブルと該保持テーブルで保持された被加工物を切削する切削手段とを備えた切削装置であって、
    前記切削手段は、スピンドルと、該スピンドルを回転させる駆動源と、該スピンドルの先端に装着されて前記保持テーブルで保持された被加工物を切削する中央に装着孔が形成された基台と該基台の外周縁に配設された切り刃とからなる切削ブレードと、該スピンドルに装着された該切削ブレードを押さえる押さえ部と、から少なくともなり、
    前記スピンドルは、前記先端の端面の中央に閉止穴が形成され、該閉止穴の底部に配設されたマグネットと、該スピンドルの軸線方向に該端面から延出して前記切削ブレードの前記装着孔に挿入される該閉止穴を囲繞して配設された複数の爪と、該複数の爪の外周側で該切削ブレードの前記基台の裏面側に当接する裏面側当接部と、を有し、
    前記押さえ部は、前記切削ブレードの前記装着孔に挿入された前記複数の爪に貫入するとともに前記スピンドルの前記閉止穴に挿入されて前記マグネットに磁着される磁着部を先端に有した挿入柱と、該挿入柱の外周側で該切削ブレードの該基台表面に当接して該切削ブレードを押さえる当接面を有した鍔部と、を有し、
    前記押さえ部の前記挿入柱が前記切削ブレードに貫装されるとともに前記スピンドルの前記マグネットに磁着されて該押さえ部が該切削ブレードを固定するとともに、該スピンドルの回転時には、前記複数の爪が遠心力で広がることでさらに該切削ブレードを固定することを特徴とする切削装置。
  2. 前記押さえ部には、前記挿入柱の前記先端に開口する第1開口と、前記鍔部の前記当接面の背面に開口する第2開口と、一端が該第1開口に接続されるとともに他端が該第2開口に接続される該押さえ部を貫く気体通路と、が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削装置。
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