JP2013146002A - 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、圧電デバイス及び電子機器 - Google Patents

圧電振動片、圧電振動片の製造方法、圧電デバイス及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高調波振動モードで効率のよい厚みすべり振動を維持しつつ、小型化を図ることが可能な圧電振動片、この圧電振動片を備えた圧電デバイス及び電子機器の提供。
【解決手段】水晶振動片1は、X軸とZ’軸とで規定される平面に平行な面を主面11,12とし、Y’軸方向を厚み方向とするATカット水晶基板10と、ATカット水晶基板10の両主面11,12の振動領域に配置された励振電極13,14と、を備え、ATカット水晶基板10は、長辺がX軸方向に沿い、短辺がZ’軸方向に沿う矩形であり、高調波振動モードで共振する励振部15と、励振部15よりも厚みが薄く平面視で励振部15を囲む外周部16と、を含み、外周部16の長辺側の両側面16a,16bは、両主面11,12よりも粗面となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電振動片、この圧電振動片の製造方法、この圧電振動片を備えた圧電デバイス及び電子機器に関する。
従来、圧電振動片の振動モードにおいて高い周波数を得るためには、一般的に厚みすべり振動モードが用いられている。厚みすべり振動モードにおける基本波振動の周波数(共振周波数)は、圧電振動片の厚みに反比例する。したがって、高い周波数を得るためには、厚みすべり振動モードに対応した薄い圧電振動片を用いればよいことになる。
しかしながら、厚みすべり振動モードに対応した圧電振動片として、例えば、ATカット水晶振動片を用いる場合、周波数が30MHzでは、0.056mm程度、100MHzでは、0.017mm程度の厚みとなる。このような、薄いATカット水晶振動片を精度及び歩留まりよく加工することは、極めて困難である。
そこで、厚みすべり振動モード(以下、単に厚みすべり振動ともいう)で振動する圧電振動片を、基本波振動ではなく、基本波振動の共振周波数の奇数倍の共振周波数となる高調波振動(オーバートーン)をさせて、厚みを薄くすることなく高い周波数を得る圧電振動片が知られている。
特許文献1には、基本波振動は抑制し、3次高調波振動は抑制しないように、電極(励振電極)が設けられていない振動子板の長手方向の輪郭端面(側面)に、振動抑制部を設けた圧電振動子(以下、圧電振動片という)が開示されている。
また、特許文献2には、長手方向をZ’軸方向、幅方向をX軸方向、厚み方向をY’軸方向に設定し、表裏面に励振用の主面電極(励振電極)が形成されたATカットで厚みすべり振動を行う矩形水晶振動子(以下、圧電振動片という)であって、圧電振動片のX面(Y’_Z’面)の表面粗さを、少なくとも他のZ’面(Y’_X面)、Y’面(Z’_X面)の表面粗さよりも粗くした構成のオーバートーン圧電振動片が開示されている。
特開平4−3612号公報 特開平8−88536号公報
ところで、ATカット水晶振動片の厚みすべり振動は、水晶の異方性に起因した結晶軸方向によって弾性定数が異なることにより、その振動エネルギー分布が楕円状に閉じ込められていることが知られている。一説によれば、この楕円の長軸(X軸方向)と短軸(Z’軸方向)との比(長軸/短軸)は、1.26といわれている(特開2007−158486号公報参照)。
ここで、上記各特許文献の圧電振動片では、長手方向がZ’軸方向、幅方向がX軸方向となっており、圧電振動片の長手方向と上記楕円の長軸方向とが直交する関係にある。これにより、上記各特許文献の圧電振動片は、小型化が進展していくと、楕円状の振動エネルギー分布が圧電振動片内に収まりきれなくなることで振動エネルギーが漏洩し、効率よく厚みすべり振動できなくなる虞がある。
あるいは、上記圧電振動片は、これを避けるために小型化を図る上で、幅方向(X軸方向)において楕円状の振動エネルギー分布の長軸が収まる大きさに留めざるを得ない虞がある(換言すれば、小型化が阻害される虞がある)。
また、上記特許文献1の圧電振動片は、振動抑制部として、例えば、エポキシ接着剤などを塗布することから、エポキシ接着剤などが励振用の電極(励振電極)などに付着して周波数を変動させる虞がある。
また、上記各特許文献の圧電振動片は、輪郭端面(X面)を比較的粗い研磨剤で研磨することから、研磨の際に加わる外力によって圧電振動片の輪郭端面(X面)にクラックが発生し、割れ、欠けなどの破損に繋がる虞がある。
また、上記各特許文献の圧電振動片は、主面に段差のない平板状であることから、その形状に起因して厚みすべり振動の振動エネルギーが漏洩し易い虞がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる圧電振動片は、水晶の結晶軸である電気軸としてのX軸と、機械軸としてのY軸と、光学軸としてのZ軸と、からなる直交座標系の前記X軸を中心として、前記Z軸を前記Y軸の−Y方向へ回転させた軸をZ’軸とし、前記Y軸を前記Z軸の+Z方向へ回転させた軸をY’軸としたときに、前記X軸と前記Z’軸とで規定される平面に平行な面を主面とし、前記Y’軸方向を厚み方向とするATカット水晶基板と、前記ATカット水晶基板の両前記主面の振動領域に配置されている励振電極と、を備え、前記ATカット水晶基板は、長辺が前記X軸方向に沿い、短辺が前記Z’軸方向に沿う矩形であり、高調波振動モードで共振する励振部と、該励振部よりも厚みが薄く平面視で前記励振部を囲む外周部と、を含み、前記外周部の前記長辺に沿った両側面は、両前記主面よりも粗面となっていることを特徴とする。
これによれば、圧電振動片は、ATカット水晶基板が、長辺がX軸方向に沿い、短辺がZ’軸方向に沿う矩形であり、高調波振動モード(高調波振動と同義)で共振する励振部と、励振部よりも厚みが薄く平面視で励振部を囲む外周部と、を含み、外周部の長辺に沿った両側面が、両主面よりも粗面となっている。
これにより、圧電振動片は、基本波振動モード(基本波振動と同義)における振動エネルギーが、外周部の長辺に沿った両側面から漏洩することで基本波振動が抑制され(減衰し)、相対的に高調波振動(例えば、3次高調波振動、5次高調波振動など)が促進されることとなる。
このことから、圧電振動片は、高調波振動モードで安定的に共振可能となることにより、厚みを薄くすることなく高い周波数(共振周波数)を得ることができる。
また、圧電振動片は、厚みすべり振動における楕円状の振動エネルギー分布の長軸方向と、ATカット水晶基板の長辺方向とが一致することから、効率のよい厚みすべり振動を維持しつつ、従来(例えば、上記各特許文献)の構成よりも小型化を図ることが可能となる。
また、圧電振動片は、外周部の長辺に沿った両側面が、両主面よりも粗面となっていることで、基本波振動が抑制され相対的に高調波振動が促進されることから、従来のような振動抑制部としての、例えば、エポキシ接着剤などの塗布が不要となる。
これにより、圧電振動片は、振動抑制部としてのエポキシ接着剤などの別部材が、励振電極などに付着して周波数を変動させる不具合が発生し得ない。
また、圧電振動片は、ATカット水晶基板が、励振部と、励振部よりも厚みが薄く平面視で励振部を囲む外周部と、を含んでいることから、厚みすべり振動の振動エネルギーを閉じ込める効果を奏することができる。これにより、圧電振動片は、高調波振動モードで効率よく厚みすべり振動することが可能となる。
[適用例2]上記適用例にかかる圧電振動片において、前記励振部は矩形であり、前記励振部の前記X軸方向に沿う両側面は、両前記主面よりも粗面となっていることが好ましい。
これによれば、圧電振動片は、励振部が矩形であり、励振部のX軸方向に沿う両側面が両主面よりも粗面となっていることから、基本波振動モードにおける振動エネルギーが励振部の両側面からも漏洩することで、基本波振動が更に抑制され、相対的に高調波振動が更に促進されることとなる。
この結果、圧電振動片は、高調波振動モードで更に安定して共振可能となることにより、厚みを薄くすることなく高い共振周波数を安定して得ることができる。
[適用例3]上記適用例にかかる圧電振動片において、前記励振部は、前記外周部側から中心に向かうに従って前記外周部の厚みよりも階段状に肉厚になるように設けられていることが好ましい。
これによれば、圧電振動片は、励振部が外周部側から中心に向かうに従って外周部の厚みよりも階段状に肉厚になるように設けられている(多段メサ形状ともいう)ことから、厚みすべり振動の振動エネルギーを閉じ込める効果を更に高めることができる。
これにより、圧電振動片は、高調波振動モードで更に効率よく厚みすべり振動することが可能となる。
[適用例4]本適用例にかかる圧電振動片の製造方法は、長辺がX軸方向に沿い、短辺がZ’軸方向に沿った矩形に形成され、高調波振動モードで共振する励振部と、該励振部よりも厚みが薄く平面視で前記励振部を囲むように形成された外周部と、を含むATカット水晶基板を用意する工程と、前記ATカット水晶基板の前記外周部の前記長辺に沿っている両側面を、エッチングによって、前記励振部の両主面よりも粗面に形成する工程と、を含むことを特徴とする。
これによれば、圧電振動片の製造方法は、ATカット水晶基板の外周部の長辺に沿っている両側面を、エッチングによって、励振部の両主面よりも粗面に形成する工程(化学的加工方法)を含むことから、両側面を粗面に加工する際に、ATカット水晶基板に外力が加わることが殆どない。
これにより、圧電振動片の製造方法は、従来のような、両側面を比較的粗い研磨剤で研磨する方法(機械的加工方法)と比較して、ATカット水晶基板のクラックの発生による割れ、欠けなどの破損を大幅に低減することができる。
この結果、圧電振動片の製造方法は、信頼性の高い圧電振動片を製造し提供することができる。
[適用例5]上記適用例にかかる圧電振動片の製造方法において、前記励振部は矩形であり、前記励振部の前記X軸方向に沿う両側面を、エッチングによって、前記励振部の両前記主面よりも粗面に形成する工程を更に含むことが好ましい。
これによれば、圧電振動片の製造方法は、ATカット水晶基板の励振部のX軸方向に沿う両側面を、エッチングによって、励振部の両主面よりも粗面に形成する工程を更に含むことから、適用例4と同様の効果を奏しつつ、高調波振動モードで更に安定的に共振可能であって、厚みを薄くすることなく高い共振周波数を得ることができる圧電振動片を製造し提供することができる。
[適用例6]本適用例にかかる圧電デバイスは、上記適用例のいずれかに記載の圧電振動片と、前記圧電振動片が収納されている容器と、を備えていることを特徴とする。
これによれば、本構成の圧電デバイスは、上記適用例のいずれかに記載の圧電振動片と、圧電振動片が収納された容器と、を備えていることから、上記適用例のいずれかに記載の効果が反映された圧電デバイスを提供することができる。
[適用例7]上記適用例にかかる圧電デバイスにおいて、前記圧電振動片を駆動する発振回路を更に備えていることが好ましい。
これによれば、圧電デバイスは、圧電振動片を駆動する発振回路を更に備えていることから、上記適用例のいずれかに記載の効果が反映された圧電発振器を提供することができる。
[適用例8]本適用例にかかる電子機器は、上記適用例のいずれかに記載の圧電振動片を備えていることを特徴とする。
これによれば、本構成の電子機器は、上記適用例のいずれかに記載の圧電振動片を備えていることから、上記適用例のいずれかに記載の効果が反映された電子機器を提供することができる。
第1実施形態の水晶振動片の概略構成を示す模式斜視図。 図1の水晶振動片の模式平断面図であり、(a)はY’軸方向から見た平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図、(c)は(a)のB−B線での断面図。 水晶振動片の共振特性を示すグラフであり、(a)は本実施形態の水晶振動片の共振特性を示すグラフ、(b)は従来技術の水晶振動片の共振特性を示すグラフ。 水晶振動片の製造工程の一例を示すフローチャート。 (a)〜(e)は、水晶振動片の各主要製造工程を説明する模式断面図。 (f)〜(h)は、水晶振動片の各主要製造工程を説明する模式断面図。 第1実施形態の変形例の水晶振動片の概略構成を示す模式斜視図。 図7の水晶振動片の模式平断面図であり、(a)はY’軸方向から見た平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図、(c)は(a)のB−B線での断面図。 第2実施形態の水晶振動子の概略構成を示す模式図であり、(a)はリッド側から見た平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 第3実施形態の水晶発振器の概略構成を示す模式図であり、(a)はリッド側から見た平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 第4実施形態の携帯電話を示す模式斜視図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
最初に、圧電振動片の一例としての水晶振動片について説明する。
図1は、第1実施形態の水晶振動片の概略構成を示す模式斜視図である。図2は、図1の水晶振動片の模式平断面図であり、図2(a)は、Y’軸方向から見た平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A線での断面図、図2(c)は、図2(a)のB−B線での断面図である。なお、分かり易くするために、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。
図1、図2に示すように、水晶振動片1は、水晶の結晶軸である電気軸としてのX軸と、機械軸としてのY軸と、光学軸としてのZ軸と、からなる直交座標系のX軸を中心として、Z軸をY軸の−(マイナス)Y方向へ回転させた軸をZ’軸とし、Y軸をZ軸の+(プラス)Z方向へ回転させた軸をY’軸としたときに、X軸とZ’軸とで規定される平面に平行な面を主面11,12とし、Y’軸方向を厚み方向とするように水晶の原石などから切り出されたATカット水晶基板10と、ATカット水晶基板10の両主面11,12の振動領域のそれぞれに、平面視で互いに重なるように配置された略矩形の励振電極13,14と、を備えている。
ATカット水晶基板10は、長辺がX軸方向に沿い(X軸方向に平行で)、短辺がZ’軸方向に沿った(Z’軸方向に平行な)矩形(長方形)に形成されている。そして、ATカット水晶基板10は、矩形の励振部15と、励振部15よりも厚みが薄く、平面視で励振部15を囲む四角い枠状の外周部16と、を一体で含んでいる。
ATカット水晶基板10の励振部15は、通常の基本波振動モードによる厚みすべり振動が抑制され、主に高調波振動モード(例えば、3次高調波振動モード、5次高調波振動モードなど)による厚みすべり振動で共振するように構成されている。
具体的には、ATカット水晶基板10の外周部16のX軸方向に沿う長辺に沿った両側面16a,16bが、両主面11,12よりも粗面となるように形成されている。ここで、主面11,12は、励振部15及び外周部16のY’軸と直交する面を含むものとする。
なお、両側面16a,16bが両主面11,12よりも粗面となるように形成する方法としては、例えば、両側面16a,16bを、エッチングレートを通常より遅くしてウエットエッチングする方法が挙げられる(製造方法の詳細は後述する)。
水晶振動片1は、ATカット水晶基板10の外周部16の−X側の端部に、励振電極13,14から引き出された引き出し電極13a,14aが形成されている。
引き出し電極13aは、励振部15の主面11に設けられた励振電極13から、ATカット水晶基板10の長辺方向(X軸方向)に沿って外周部16の−X側の端部に引き出され、端部の側面に沿って外周部16の主面12に回り込み、励振電極14の近傍まで延在している。
引き出し電極14aは、励振部15の主面12に設けられた励振電極14から、ATカット水晶基板10の長辺方向に沿って外周部16の−X側の端部に引き出され、端部の側面に沿って外周部16の主面11に回り込み、励振電極13の近傍まで延在している。
励振電極13,14及び引き出し電極13a,14aは、例えば、Cr(クロム)を下地層とし、その上にAu(金)が積層された構成の金属被膜となっている。
上述したように、第1実施形態の水晶振動片1は、ATカット水晶基板10が、長辺がX軸方向に沿い、短辺がZ’軸方向に沿う矩形であり、高調波振動モードで共振する矩形の励振部15と、励振部15よりも厚みが薄く平面視で励振部15を囲む外周部16と、を含み、外周部16のX軸方向に沿う長辺に沿った両側面16a,16bが、両主面11,12よりも粗面となっている。
これにより、水晶振動片1は、基本波振動モードにおける振動エネルギーが、両側面16a,16bから内側に反射し難くなり、外部に漏洩する(換言すれば、両側面16a,16bで吸収される)ことで基本波振動が抑制される(減衰する)。他方で、水晶振動片1は、高調波振動モードにおける振動エネルギーが両側面16a,16bから内側に反射し、外部に漏洩し難いことによって相対的に高調波振動(例えば、3次高調波振動、5次高調波振動など)が促進されることとなる。
これについて、図を用いて詳述する。
図3は、水晶振動片の共振特性を示すグラフである。図3(a)は、本実施形態の水晶振動片(側面が粗面)の共振特性を示すグラフであり、図3(b)は、従来技術(側面が粗面ではない)の水晶振動片の共振特性を示すグラフである。
なお、図3の横軸は、周波数(MHz)を表し、図3の縦軸は、アドミッタンス(1/Z)(インピーダンスの逆数、電流の流れ易さを示す値)を表す。
図3に示すように、図3(a)の本実施形態の水晶振動片1は、図3(b)の従来技術の水晶振動片と比較して、基本波振動のアドミッタンスの振れ幅が小さくなり、共振強度が弱くなることにより基本波振動の共振が抑制され、3次高調波振動及び5次高調波振動のアドミッタンスの振れ幅が変わらず、共振強度が維持されることにより、相対的に3次高調波振動及び5次高調波振動(高調波振動)の共振が促進されている。
このことから、水晶振動片1は、高調波振動モードの厚みすべり振動で安定的に共振可能となることにより、厚みを薄くすることなく高い周波数(共振周波数)を得ることができる。
また、水晶振動片1は、厚みすべり振動における楕円状の振動エネルギー分布の長軸方向(X軸方向)と、ATカット水晶基板10の長辺方向(X軸方向)とが一致することから、効率のよい厚みすべり振動を維持しつつ、従来(前述の各特許文献)の構成よりも小型化を図ることが可能となる。
また、水晶振動片1は、外周部16のX軸方向に沿う長辺に沿った両側面16a,16bが、両主面11,12よりも粗面となっていることで、基本波振動が抑制され相対的に高調波振動が促進されることから、従来のような振動抑制部としての、例えば、エポキシ接着剤などの塗布が不要となる。
これにより、水晶振動片1は、従来のような振動抑制部としてのエポキシ接着剤などの別部材が、励振電極13,14(励振部15)などに付着して周波数を変動させる不具合が発生し得ない。
また、水晶振動片1は、ATカット水晶基板10が、励振部15と、励振部15よりも厚みが薄く平面視で励振部15を囲む外周部16と、を含んでいることから、厚みすべり振動の振動エネルギーをATカット水晶基板10の内部に閉じ込める効果を奏することができる。これにより、水晶振動片1は、高調波振動モードで効率よく厚みすべり振動することが可能となる。
次に、水晶振動片1の製造方法の一例について説明する。
図4は、水晶振動片の製造工程の一例を示すフローチャートである。図5(a)〜(e)、図6(f)〜(h)は、水晶振動片の各主要製造工程を説明する模式断面図である。なお、図5、図6の断面方向は、図2(c)と同方向である。
図4に示すように、水晶振動片1の製造方法は、ATカット水晶ウエハー準備工程と、第1エッチング工程と、第2エッチング工程と、電極形成工程と、分割工程と、を含んでいる。なお、ここでは、便宜上、水晶のエッチング異方性に伴う側面の傾斜などについては無いものとして説明する。
[ATカット水晶ウエハー準備工程]
まず、図5(a)に示すように、後に上述したATカット水晶基板10となるATカット水晶ウエハー110を用意する。
ATカット水晶ウエハー110は、水晶の原石などからX軸とZ’軸とで規定される平面に平行な面を主面11,12とし、Y’軸方向を厚み方向とするように切り出され、ラッピング加工(研磨)により主面11,12が平滑面(鏡面)に仕上げられた、例えば、略矩形または略円形の平板である。
ATカット水晶ウエハー110は、ATカット水晶基板10が複数個(数個〜数百個)取り可能なサイズとなっている。
[第1エッチング工程]
ついで、図5(b)に示すように、レジスト200を塗布し、フォトリソグラフィー法などを用いて、ATカット水晶基板10の外形形状に合わせてレジスト200をパターニングする。この際、個々のATカット水晶基板10を、個片に分割されるまで支持するフレーム部110aの形状も併せてパターニングする。
なお、個々のATカット水晶基板10は、図示しないZ’軸方向に延びる側面の一部が、ATカット水晶基板10を囲むフレーム部110aに、例えば、X軸方向に延びる梁状の接続部で接続されることにより、フレーム部110aに支持されるように形成される。
ついで、図5(c)に示すように、ATカット水晶ウエハー110をフッ酸またはフッ酸とフッ化アンモニウムとの混合液などのエッチング液が貯留されているエッチング槽に浸漬し、ウエットエッチングする。
これにより、ATカット水晶基板10の長辺に沿った両側面16a,16bを含んだ最外形形状が形成される。
ついで、図5(d)に示すように、一旦、レジスト200を剥離した後、レジスト201を塗布し、フォトリソグラフィー法などを用いて、ATカット水晶基板10の励振部15の外形形状に合わせてレジスト201をパターニングする。
ついで、図5(e)に示すように、ATカット水晶ウエハー110をエッチング液が貯留されているエッチング槽に浸漬し、ウエットエッチングする。
これにより、ATカット水晶基板10の励振部15、外周部16の外形形状が形成される。
[第2エッチング工程]
ついで、図6(f)に示すように、一旦、レジスト201を剥離した後、レジスト202を塗布し、フォトリソグラフィー法などを用いて、ATカット水晶基板10の外周部16の側面16a,16bが露出するようにレジスト202をパターニングする。
ついで、ATカット水晶ウエハー110を、エッチング液が貯留されているエッチング槽に浸漬し、ATカット水晶基板10の外周部16の側面16a,16bをウエットエッチングする。
この際、エッチング液の濃度を第1エッチング工程の半分程度にしたり、エッチング液の温度を第1エッチング工程よりも下げたりすることにより、エッチングレートを第1エッチング工程よりも遅くする(例えば、第1エッチング工程の半分程度)。
これにより、ATカット水晶基板10の外周部16の側面16a,16bの粗さ(面粗さ)を、主面11,12の粗さよりも粗くする(粗面にする)。この第2エッチング工程により、外周部16の側面16a,16bは、表面に形成された凹凸で光が乱反射し白濁して見えるようになる。
ついで、レジスト202を剥離する。
[電極形成工程]
ついで、図6(g)に示すように、主面11,12などにCr(クロム)及びAu(金)をこの順で、蒸着法、スパッタリング法などを用いて成膜後、レジストを塗布しフォトリソグラフィー法などを用いてレジストをパターニングし、ウエットエッチングすることにより励振電極13,14、及び、ここでは図示しない引き出し電極13a,14aを形成する。この際、当然のことながらATカット水晶ウエハー110(ATカット水晶基板10の外周部16の側面16a,16b)がエッチングされ難いエッチング液を用いる。
[分割工程]
ついで、図6(h)に示すように、個々のATカット水晶基板10を、ATカット水晶ウエハー110のフレーム部110aから折り取るなどして分割することによって個片化する。
このように、水晶振動片1の製造方法によれば、上記の各製造工程などを経ることにより、図1、図2に示すような水晶振動片1を得ることができる。
なお、上記レジスト200,201,202の代わりに、Cr(クロム)膜及びAu(金)膜を用いてもよい。
上述したように、水晶振動片1の製造方法は、ATカット水晶基板10の外周部16のX軸方向に沿う長辺に沿っている両側面16a,16bを、ウエットエッチングによって、励振部15(外周部16)の両主面11,12よりも粗面に形成する第2エッチング工程を含む。
このことから、水晶振動片1の製造方法は、外周部16の両側面16a,16bを粗面に加工する際に、化学的加工方法を用いることにより、ATカット水晶基板10に外力(外部からの機械的な力)が加わることが殆どない。
これにより、水晶振動片1の製造方法は、従来のような、両側面16a,16bを比較的粗い研磨剤を用いて外力を加えて研磨する方法(機械的加工方法)と比較して、ATカット水晶基板10のクラックの発生による割れ、欠けなどの破損を大幅に低減することができる。
この結果、水晶振動片1の製造方法は、信頼性の高い水晶振動片1を製造し提供することができる。
なお、水晶振動片1は、外周部16の両側面16a,16bに加えて、励振部15のX軸方向に沿う両側面15a,15bが、両主面11,12よりも粗面となっていてもよい。
これによれば、水晶振動片1は、励振部15のX軸方向に沿う両側面15a,15bが両主面11,12よりも粗面となっていることから、基本波振動モードにおける振動エネルギーが励振部15の両側面15a,15bからも漏洩することで、基本波振動が更に抑制され、相対的に高調波振動が更に促進されることとなる。
この結果、水晶振動片1は、高調波振動モードの厚みすべり振動で更に安定して共振可能となることにより、厚みを薄くすることなく高い共振周波数を安定して得ることができる。
なお、上記両側面15a,15bを両主面11,12よりも粗面にするには、水晶振動片1の製造方法の[第2エッチング工程](図6(f)参照)において、レジスト202のパターニングの際に、励振部15の両側面15a,15bが露出するようにパターニングすればよい。
これにより、水晶振動片1の製造方法は、励振部15の両側面15a,15bを、ウエットエッチングによって、励振部15の両主面11,12よりも粗面に形成することが可能となる。
これによれば、水晶振動片1の製造方法は、ATカット水晶基板10の励振部15のX軸方向に沿う両側面15a,15bを、ウエットエッチングによって、励振部15の両主面11,12よりも粗面に形成する工程を更に含む。
このことから、水晶振動片1の製造方法は、ATカット水晶基板10のクラックの発生による割れ、欠けなどの破損を大幅に低減しつつ、高調波振動モードの厚みすべり振動で更に安定的に共振可能であって、厚みを薄くすることなく高い共振周波数を安定して得ることができる水晶振動片1を製造し提供することができる。
(変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
図7は、第1実施形態の変形例の水晶振動片の概略構成を示す模式斜視図である。図8は、図7の水晶振動片の模式平断面図であり、図8(a)は、Y’軸方向から見た平面図、図8(b)は、図8(a)のA−A線での断面図、図8(c)は、図8(a)のB−B線での断面図である。なお、第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図7、図8に示すように、変形例の水晶振動片2は、第1実施形態と比較して、ATカット水晶基板10の励振部15の構成が異なる。
水晶振動片2の励振部15は、外周部16側から中心に向かうに従って外周部16の厚みよりも階段状(ここでは、2段の階段状)に肉厚になるように設けられている。
これによれば、水晶振動片2は、励振部15が外周部16側から中心に向かうに従って外周部16の厚みよりも階段状に肉厚になるように設けられている(多段メサ形状)ことから、厚みすべり振動の振動エネルギーを閉じ込める効果を、第1実施形態と比較して更に高めることができる。
これにより、水晶振動片2は、高調波振動モードで更に効率よく厚みすべり振動することが可能となる。
なお、水晶振動片2は、外周部16の両側面16a,16bに加えて、励振部15のX軸方向に沿う両側面15a(1),15a(2),15b(1),15b(2)が、両主面11,12よりも粗面となっていてもよい。
これによれば、水晶振動片2は、励振部15のX軸方向に沿う両側面15a(1),15a(2),15b(1),15b(2)が、両主面11,12よりも粗面となっていることから、基本波振動モードにおける振動エネルギーが励振部15の両側面15a(1),15a(2),15b(1),15b(2)からも漏洩することで、基本波振動が更に抑制され、相対的に高調波振動が更に促進されることとなる。
この結果、水晶振動片2は、高調波振動モードの厚みすべり振動で更に安定して共振可能となることにより、厚みを薄くすることなく高い共振周波数を更に安定して得ることができる。
なお、水晶振動片2の製造方法は、第1実施形態に準ずるので説明は省略する。
また、水晶振動片2の励振部15は、3段以上の階段状に設けられていてもよい。これによれば、水晶振動片2は、厚みすべり振動の振動エネルギーを閉じ込める効果を、励振部15が2段の階段状の場合と比較して、更に高めることができる。
(第2実施形態)
次に、上述した圧電振動片としての水晶振動片と、水晶振動片が収納された容器としてのパッケージと、を備えている圧電デバイスの一例としての水晶振動子について説明する。
図9は、第2実施形態の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図9(a)は、リッド側から見た平面図であり、図9(b)は、図9(a)のA−A線での断面図である。なお、平面図では、リッドを省略してある。また、上記第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図9に示すように、水晶振動子5は、上記第1実施形態の水晶振動片1または変形例の水晶振動片2のいずれか(ここでは、水晶振動片1)と、水晶振動片1が収納されたパッケージ20と、を備えている。
パッケージ20は、平面形状が略矩形で凹部22が設けられたパッケージベース21と、パッケージベース21の凹部22を覆う平板状のリッド(蓋)23と、を備え、略直方体形状に形成されている。
パッケージベース21には、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、ガラスセラミックス焼結体などのセラミックス系の絶縁性材料、水晶、ガラス、シリコン(高抵抗シリコン)などが用いられている。
リッド23には、パッケージベース21と同材料、または、コバール、42アロイ、ステンレス鋼などの金属が用いられている。
パッケージベース21の凹部22内の段部22aには、水晶振動片1の引き出し電極13a,14aに対向する位置に、内部端子24a,24bが設けられている。
水晶振動片1は、引き出し電極13a,14aが、金属フィラーなどの導電性物質が混合された、エポキシ系、シリコーン系、ポリイミド系などの導電性接着剤30を介して内部端子24a,24bに接合されている。
パッケージベース21の凹部22とは反対側の外底面25(外側の底面)には、矩形状の電極端子26a,26bが設けられている。
電極端子26a,26bは、図示しない内部配線により水晶振動片1の引き出し電極13a,14aに接合された内部端子24a,24bと電気的に接続されている。詳述すると、例えば、電極端子26aが内部端子24aと電気的に接続され、電極端子26bが内部端子24bと電気的に接続されている。
なお、内部端子24a,24b、電極端子26a,26bは、例えば、W(タングステン)、Mo(モリブデン)などのメタライズ層にNi(ニッケル)、Au(金)などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなる。
水晶振動子5は、水晶振動片1がパッケージベース21の内部端子24a,24bに接合された状態で、パッケージベース21の凹部22がリッド23により覆われ、パッケージベース21とリッド23とがシームリング、低融点ガラス、接着剤などの接合部材27で接合されることにより、パッケージベース21の凹部22が気密に封止されている。
なお、パッケージベース21の気密に封止された凹部22内は、減圧された真空状態(真空度の高い状態)または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填された状態となっている。
なお、パッケージは、平板状のパッケージベースと凹部を有するリッドなどから構成されていてもよい。また、パッケージは、パッケージベース及びリッドの両方に凹部を有していてもよい。
水晶振動子5は、例えば、電子機器のICチップ内に集積化された発振回路から、電極端子26a,26bを経由して印加される駆動信号によって、水晶振動片1が厚みすべり振動を高調波振動モードで励振されて所定の周波数で共振(発振)し、電極端子26a,26bから共振信号(発振信号)を出力する。
上述したように、第2実施形態の水晶振動子5は、水晶振動片1と、水晶振動片1が収納されたパッケージ20と、を備えていることから、第1実施形態に記載の効果が反映された圧電デバイスとしての水晶振動子を提供することができる。
なお、水晶振動子5は、水晶振動片1に代えて、水晶振動片2を用いても、上記と同様の効果、及び水晶振動片2特有の効果が反映された水晶振動子を提供することができる。
(第3実施形態)
次に、上述した圧電振動片としての水晶振動片と、水晶振動片が収納された容器としてのパッケージと、水晶振動片を駆動する発振回路と、を備えている圧電デバイスの一例としての水晶発振器について説明する。
図10は、第3実施形態の水晶発振器の概略構成を示す模式図である。図10(a)は、リッド側から見た平面図であり、図10(b)は、図10(a)のA−A線での断面図である。なお、平面図では、リッドを省略してある。また、上記第1実施形態及び第2実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記第1実施形態及び第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図10に示すように、水晶発振器6は、上記第1実施形態の水晶振動片1または変形例の水晶振動片2のいずれか(ここでは、水晶振動片1)と、水晶振動片1を駆動する(発振させる)発振回路としてのICチップ40と、水晶振動片1及びICチップ40が収納されたパッケージ20と、を備えている。
パッケージベース21の凹部22の底部には、凹状に形成されたICチップ40の収納部22bが設けられている。発振回路を内蔵するICチップ40は、パッケージベース21の収納部22bの底面に、図示しない接着剤などを用いて固定されている。
ICチップ40は、図示しない接続パッドが、Au(金)、Al(アルミニウム)などの金属ワイヤー41により収納部22b内の内部接続端子22cと電気的に接続されている。
内部接続端子22cは、W(タングステン)、Mo(モリブデン)などのメタライズ層にNi(ニッケル)、Au(金)などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなり、図示しない内部配線を経由して、パッケージ20の電極端子26a,26b、内部端子24a,24bなどと電気的に接続されている。
なお、ICチップ40の接続パッドと内部接続端子22cとの接続には、金属ワイヤー41を用いたワイヤーボンディングによる接続方法以外に、ICチップ40を反転させてのフリップチップ実装による接続方法などを用いてもよい。
水晶発振器6は、ICチップ40から内部接続端子22c、内部端子24a,24b、などを経由して印加される駆動信号によって、水晶振動片1が厚みすべり振動を高調波振動モードで励振されて所定の周波数で共振(発振)する。
そして、水晶発振器6は、この発振に伴って生じる発振信号をICチップ40、電極端子26a,26b、その他の電極端子などを経由して外部に出力する。
上述したように、第3実施形態の水晶発振器6は、水晶振動片1と、水晶振動片1を駆動するICチップ40と、水晶振動片1及びICチップ40が収納されたパッケージ20と、を備えていることから、第1実施形態に記載の効果が反映された圧電デバイスとしての水晶発振器を提供することができる。
なお、水晶発振器6は、水晶振動片1に代えて、水晶振動片2を用いても、上記と同様の効果、及び水晶振動片2特有の効果が反映された水晶発振器を提供することができる。
なお、水晶発振器6は、ICチップ40をパッケージ20に内蔵ではなく、外付けした構成のモジュール構造(例えば、1つの基板上に水晶振動子及びICチップが個別に搭載されている構造)としてもよい。
(第4実施形態)
次に、上述した圧電振動片としての水晶振動片を備えている電子機器として、携帯電話を一例に挙げて説明する。
図11は、第4実施形態の携帯電話を示す模式斜視図である。
携帯電話700は、上記第1実施形態の水晶振動片1または変形例の水晶振動片2を備えた携帯電話である。
図11に示す携帯電話700は、上述した水晶振動片(1または2)を、例えば、基準クロック発振源などのタイミングデバイスとして用い、更に液晶表示装置701、複数の操作ボタン702、受話口703、及び送話口704を備えて構成されている。なお、携帯電話700の形態は、図示のタイプに限定されるものではなく、いわゆるスマートフォンタイプでもよい。
上述した水晶振動片は、上記携帯電話700のような携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピューター、テレビ、デジタルスチールカメラ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、ナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器などのタイミングデバイスとして好適に用いることができ、いずれの場合にも上記第1実施形態及び変形例で説明した効果が反映された電子機器を提供することができる。
1,2…圧電振動片としての水晶振動片、5…圧電デバイスとしての水晶振動子、6…圧電デバイスとしての水晶発振器、10…ATカット水晶基板、11,12…主面、13,14…励振電極、13a,14a…引き出し電極、15…励振部、15a,15a(1),15a(2),15b,15b(1),15b(2)…側面、16…外周部、16a,16b…側面、20…容器としてのパッケージ、21…パッケージベース、22…凹部、22a…段部、22b…収納部、22c…内部接続端子、23…リッド、24a,24b…内部端子、25…外底面、26a,26b…電極端子、27…接合部材、30…導電性接着剤、40…発振回路としてのICチップ、41…金属ワイヤー、110…ATカット水晶ウエハー、110a…フレーム部、200,201,202…レジスト、700…携帯電話、701…液晶表示装置、702…操作ボタン、703…受話口、704…送話口。

Claims (8)

  1. 水晶の結晶軸である電気軸としてのX軸と、機械軸としてのY軸と、光学軸としてのZ軸と、からなる直交座標系の前記X軸を中心として、前記Z軸を前記Y軸の−Y方向へ回転させた軸をZ’軸とし、前記Y軸を前記Z軸の+Z方向へ回転させた軸をY’軸としたときに、前記X軸と前記Z’軸とで規定される平面に平行な面を主面とし、前記Y’軸方向を厚み方向とするATカット水晶基板と、
    前記ATカット水晶基板の両前記主面の振動領域に配置されている励振電極と、を備え、
    前記ATカット水晶基板は、長辺が前記X軸方向に沿い、短辺が前記Z’軸方向に沿う矩形であり、
    高調波振動モードで共振する励振部と、該励振部よりも厚みが薄く平面視で前記励振部を囲む外周部と、を含み、
    前記外周部の前記長辺に沿った両側面は、両前記主面よりも粗面となっていることを特徴とする圧電振動片。
  2. 前記励振部は矩形であり、
    前記励振部の前記X軸方向に沿う両側面は、両前記主面よりも粗面となっていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
  3. 前記励振部は、前記外周部側から中心に向かうに従って前記外周部の厚みよりも階段状に肉厚になるように設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動片。
  4. 長辺がX軸方向に沿い、短辺がZ’軸方向に沿った矩形に形成され、高調波振動モードで共振する励振部と、該励振部よりも厚みが薄く平面視で前記励振部を囲むように形成された外周部と、を含むATカット水晶基板を用意する工程と、
    前記ATカット水晶基板の前記外周部の前記長辺に沿っている両側面を、エッチングによって、前記励振部の両主面よりも粗面に形成する工程と、
    を含むことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  5. 前記励振部は矩形であり、
    前記励振部の前記X軸方向に沿う両側面を、エッチングによって、前記励振部の両前記主面よりも粗面に形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の圧電振動片の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧電振動片と、
    前記圧電振動片が収納されている容器と、
    を備えていることを特徴とする圧電デバイス。
  7. 前記圧電振動片を駆動する発振回路を更に備えていることを特徴とする請求項6に記載の圧電デバイス。
  8. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧電振動片を備えていることを特徴とする電子機器。
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