JP2013145619A - 位相差検出装置、トラッキングエラー検出装置、及び光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速且つ正確に位相差を検出することができる位相差検出装置、トラッキングエラー検出装置、及び光ディスク装置を提供する。
【解決手段】位相差検出装置、トラッキングエラー検出装置、及び光ディスク装置は、第1信号又は第2信号の少なくとも一方に基準クロック周期の整数倍の遅延を与える遅延部29と、第1信号に含まれる第1データと第2信号に含まれる第2データとの差分の絶対値の総和である誤差量を算出する処理を、遅延量を変更して繰り返すことによって、複数の遅延量に対応する複数の誤差量を取得する誤差量演算部30と、最小値の誤差量を検出したときの第1遅延量を検出する最小値検出部33と、少なくとも3つの遅延量と対応する誤差量とを用いて、ラグランジェ補間式の補間係数を求める補間係数演算部34と、誤差量の極小値におけるシフト量を算出し、位相差を算出する位相差生成部35とを有する。
【選択図】図3
【解決手段】位相差検出装置、トラッキングエラー検出装置、及び光ディスク装置は、第1信号又は第2信号の少なくとも一方に基準クロック周期の整数倍の遅延を与える遅延部29と、第1信号に含まれる第1データと第2信号に含まれる第2データとの差分の絶対値の総和である誤差量を算出する処理を、遅延量を変更して繰り返すことによって、複数の遅延量に対応する複数の誤差量を取得する誤差量演算部30と、最小値の誤差量を検出したときの第1遅延量を検出する最小値検出部33と、少なくとも3つの遅延量と対応する誤差量とを用いて、ラグランジェ補間式の補間係数を求める補間係数演算部34と、誤差量の極小値におけるシフト量を算出し、位相差を算出する位相差生成部35とを有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、第1の信号と第2の信号との位相差を検出する位相差検出装置、位相差検出装置を含むトラッキングエラー検出装置、及び位相差検出装置を含む光ディスク装置に関する。
DVD(デジタル多用途ディスク)やBD(ブルーレイディスク)(登録商標)などの光ディスクを再生、又は、再生及び記録する光ディスク装置では、対物レンズによって集光された光スポットが、光ディスクの情報記録面に記録されたデータのトラックを、正確に追従するように、光ディスクの反射光の検出信号から生成されるトラッキングエラー信号に基づいて、トラックに対する光スポットの位置ずれ(以下「オフトラック」又は「トラッキングエラー」と言う)をゼロに近づけるトラッキングサーボ動作を行う。一般に、トラッキングエラー信号の生成には、位相差法(DPD(Differential Phase Detection)法)が用いられる。
従来のDPD法では、例えば、光ディスクからの反射光を、交差する2つの境界線で4分割された受光素子の受光面で受光し、この4つの受光面の第1の対角和信号と第2の対角和信号の時間軸の位相差を検出し、この位相差に基づいてオフトラック(トラッキングエラー)量を算出する。DPD法では、第1の対角和信号と第2の対角和信号の各々について、スライスレベル以上となる時間区間をHighレベル(例えば、+5V)とし、スライスレベル未満となる時間区間をLowレベル(例えば、0V)とすることによって、第1の対角和信号と第2の対角和信号の各々を2値化し、2値化された2つの信号の差分信号を算出し、この差分信号をローパスフィルタ(LPF)に通過させてトラッキングエラー信号を生成する。
しかし、線密度を高くしてデータが記録される多層BD(例えば、BDXL)や超解像光ディスクでは、情報記録面に記録されるデータとして比較的短い長さの記録マーク(又は記録ピット)が使用される。このため、従来のDPD法を、多層BDや超解像光ディスクに適用すると、図1の波形図に示されるように、4分割された受光素子の各受光面からの出力信号の変調振幅が小さく、僅かなノイズの影響等で出力信号が揺れると、DPD法におけるスライスレベルに基づく2値化処理を適切に行なうことができなくなる。
このような問題に対して、第1の対角和信号を目標信号とし、第2の対角和信号をデジタル回路の入力信号として、LMS(Least Mean Squere)アルゴリズムを用いた適応型FIR(Finite Impulse Response)フィルタによって波形等化し、適応型FIRフィルタのタップ係数の非対称性から位相差を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法によれば、2つの信号の位相差を求める際に、適応型FIRフィルタのタップ係数のLMSアルゴリズムを動作させる必要があり、LMSアルゴリズムの更新係数の与え方によっては、適応型FIRフィルタのタップ係数が発散して正確なトラッキングエラーが検出できないことがある。このため、特許文献1に記載の方法では、更新係数がある一定レベル以上になったときにLMSアルゴリズムを一旦リセットさせるなどの対策を講じる必要がある。
また、適応型FIRフィルタが動作開始してからタップ係数が収束するまでの時間内は、位相差を正確に検出できず、トラッキングサーボ動作開始まで長い時間を要するので、光ディスク装置の再生又は記録動作の開始が遅くなる問題がある。
そこで、本発明の目的は、迅速且つ正確に位相差を検出することができる位相差検出装置、迅速且つ正確にトラッキングエラーを検出することができるトラッキングエラー検出装置、及び適切なトラッキングサーボ動作を迅速に開始することができる光ディスク装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る位相差検出装置は、基準クロックに同期してサンプリングされた第1信号と第2信号との位相差を検出する位相差検出装置であって、前記第1信号又は前記第2信号の少なくとも一方に基準クロック周期の整数倍の遅延量の遅延を与える遅延部と、前記第1信号に含まれる、データ長がN個(Nは正の整数)である第1データと前記第2信号に含まれるデータ長がN個である第2データとの差分の絶対値の総和である誤差量を算出する処理を、前記遅延部によって与えられる遅延量を変更して繰り返すことによって、前記遅延部によって与えられた複数の遅延量に対応する複数の誤差量を取得する誤差量演算部と、前記誤差量演算部によって取得された前記複数の誤差量から、最小値の誤差量を検出し、最小値の誤差量を検出したときの第1遅延量を検出する最小値検出部と、前記複数の遅延量の内の少なくとも3つの遅延量と、前記少なくとも3つの遅延量にそれぞれ対応する複数の誤差量とを用いて、高次の関数式であるラグランジェ補間式の補間係数を求める補間係数演算部と、前記補間係数が求められたラグランジェ補間式における誤差量の極小値におけるシフト量を算出し、前記第1遅延量と前記シフト量を用いて位相差を算出する位相差生成部とを有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係るトラッキングエラー検出装置は、位相差検出装置と、交差する2つの境界線で分割された4分割の受光面を有し、前記4分割の受光面に入射する光ディスクからの反射光の光量をそれぞれ電気的な出力信号に変換する受光部と、前記4分割された受光面から出力される出力信号の第1の対角和信号と第2の対角和信号を算出する第1及び第2の加算部と、前記第1及び第2の対角和信号を基準クロックに同期してサンプリングし、第1信号及び第2信号として前記位相差検出装置に与えるサンプリング部とを有し、前記位相差検出装置は、基準クロックに同期してサンプリングされた前記第1信号と前記第2信号との位相差を検出する装置であって、前記第1信号又は前記第2信号の少なくとも一方に基準クロック周期の整数倍の遅延量の遅延を与える遅延部と、前記第1信号に含まれる、データ長がN個(Nは正の整数)である第1データと前記第2信号に含まれるデータ長がN個である第2データとの差分の絶対値の総和である誤差量を算出する処理を、前記遅延部によって与えられる遅延量を変更して繰り返すことによって、前記遅延部によって与えられた複数の遅延量に対応する複数の誤差量を取得する誤差量演算部と、前記誤差量演算部によって取得された前記複数の誤差量から、最小値の誤差量を検出し、最小値の誤差量を検出したときの第1遅延量を検出する最小値検出部と、前記複数の遅延量の内の少なくとも3つの遅延量と、前記少なくとも3つの遅延量にそれぞれ対応する複数の誤差量とを用いて、高次の関数式であるラグランジェ補間式の補間係数を求める補間係数演算部と、前記補間係数が求められたラグランジェ補間式における誤差量の極小値におけるシフト量を算出し、前記第1遅延量と前記シフト量を用いて位相差を算出する位相差生成部とを有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る光ディスク装置は、レーザ光源と、前記レーザ光源からのレーザ光を光ディスクの情報記録面に集光させる集光部と、前記光ディスクの情報記録面における集光スポットの位置を、前記光ディスクのトラックに近づけるように移動させるトラッキング駆動部と、交差する2つの境界線で分割された4分割の受光面を有し、前記4分割の受光面に入射する前記光ディスクからの反射光の光量をそれぞれ電気的な出力信号に変換する受光部と、位相差検出装置と、前記4分割された受光面から出力される出力信号の第1の対角和信号と第2の対角和信号を算出する第1及び第2の加算部と、前記第1及び第2の対角和信号を基準クロックに同期してサンプリングし、第1信号及び第2信号として前記位相差検出装置に与えるサンプリング部とを有し、前記位相差検出装置は、基準クロックに同期してサンプリングされた前記第1信号と前記第2信号との位相差を検出する装置であって、前記第1信号又は前記第2信号の少なくとも一方に基準クロック周期の整数倍の遅延量の遅延を与える遅延部と、前記第1信号に含まれる、データ長がN個(Nは正の整数)である第1データと前記第2信号に含まれるデータ長がN個である第2データとの差分の絶対値の総和である誤差量を算出する処理を、前記遅延部によって与えられる遅延量を変更して繰り返すことによって、前記遅延部によって与えられた複数の遅延量に対応する複数の誤差量を取得する誤差量演算部と、前記誤差量演算部によって取得された前記複数の誤差量から、最小値の誤差量を検出し、最小値の誤差量を検出したときの第1遅延量を検出する最小値検出部と、前記複数の遅延量の内の少なくとも3つの遅延量と、前記少なくとも3つの遅延量にそれぞれ対応する複数の誤差量とを用いて、高次の関数式であるラグランジェ補間式の補間係数を求める補間係数演算部と、前記補間係数が求められたラグランジェ補間式における誤差量の極小値におけるシフト量を算出し、前記第1遅延量と前記シフト量を用いて位相差を算出する位相差生成部とを有することを特徴とする。
本発明に係る位相差検出装置によれば、迅速且つ正確に位相差を検出することができる。
本発明に係るトラッキングエラー検出装置によれば、迅速且つ正確にトラッキングエラーを検出することができる。
本発明に係る光ディスク装置によれば、適切なトラッキングサーボ動作を迅速に開始することができる。
実施の形態1.
図2には、実施の形態1に係る光ディスク装置である再生装置の構成が示されている。図2に示されるように、実施の形態1に係る光ディスク装置は、光ディスク2を回転させる回転駆動部1と、光ピックアップ3と、トラッキングエラー信号(TES)生成部20(実施の形態2においては、TES生成部40)を含む信号演算回路10と、サーボ回路11と、システム制御部12と、波形等化回路16と、誤り訂正器14と、PLL(Phase Lock Loop)回路15とを有する。なお、実施の形態1に係る光ディスク装置は、光ディスクの情報記録面に情報を記録する機能を備えた記録装置又は記録再生装置であってもよい。
図2には、実施の形態1に係る光ディスク装置である再生装置の構成が示されている。図2に示されるように、実施の形態1に係る光ディスク装置は、光ディスク2を回転させる回転駆動部1と、光ピックアップ3と、トラッキングエラー信号(TES)生成部20(実施の形態2においては、TES生成部40)を含む信号演算回路10と、サーボ回路11と、システム制御部12と、波形等化回路16と、誤り訂正器14と、PLL(Phase Lock Loop)回路15とを有する。なお、実施の形態1に係る光ディスク装置は、光ディスクの情報記録面に情報を記録する機能を備えた記録装置又は記録再生装置であってもよい。
回転駆動部1は、光ディスク2が取り付けられるターンテーブルと、ターンテーブルを回転させるスピンドルモータなどの回転モータとを有する。光ピックアップ3は、光ディスク2にレーザ光を集光させて、これにより形成された光スポットの反射光から再生信号、光スポットの情報記録面からの焦点ずれ、及び光スポットの光ディスク2の読み出しトラックからの位置ずれ(オフトラック)などを検出する。光ピックアップ3は、半導体レーザ4と、プリズム5と、対物レンズ6と、光検知器7と、センサー光学素子8とを有する。半導体レーザ4は、レーザ光源であり、光ディスク2の情報記録面に照射されるレーザ光を出射する。プリズム5は、半導体レーザ4からのレーザ光を対物レンズ6に向ける機能と、光ディスク2からの反射光を透過させる機能とを持つ。対物レンズ6は、プリズム5からのレーザ光を光ディスク2の情報記録面に集光させる機能と、光ディスク2からの反射光を集光させる機能とを持つ。センサー光学素子8は、光ディスク2からの反射光を光検知器7に導き、光検知器7によって焦点ずれ量やオフトラック量を検出させるための光学機能素子である。
アクチュエータ9は、光ディスク2に照射される光スポットを光ディスク2の動きに追従させるため、対物レンズ6を駆動させる。アクチュエータ9は、サーボ回路11からのフォーカスドライブ信号FCSに基づいて、焦点ずれをゼロに近づけるように、対物レンズ6を焦点方向に移動させると共に、トラッキングドライブ信号TCSに基づいて、オフトラックをゼロに近づけるように、対物レンズ6を光ディスク2の径方向に移動させる。
信号演算回路10は、トラッキングエラー信号生成部20と、公知のフォーカスエラー信号生成部とを有する。信号演算回路10は、光検知器7からの出力信号から、フォーカスエラー信号FES、トラッキングエラー信号TES、及びそれらの和信号であるRF信号を生成する。フォーカスエラー信号FES及びトラッキングエラー信号TESは、サーボ回路11へ送られる。これらの信号は、アクチュエータ9の各ドライブ用信号FCS及びTCSの生成のために使用される。信号演算回路10内に備えられるフォーカスエラー信号生成部は、公知のフォーカシングサーボ(例えば、非点収差法)を行うため使用されるフォーカスエラー信号FESをサーボ回路11に与える。フォーカシングサーボ動作は、本発明の特徴部分には直接的には関係していないので、以下の説明では、トラッキングエラー信号生成部20の構成及び動作を中心に説明する。
システム制御部12は、サーボ回路11によるフォーカスサーボやトラッキングサーボの動作を制御すると共に、光ディスク装置の全体の動作を制御する。
波形等化回路16は、信号演算回路10で生成されたRF信号にフィルタ処理を施し、RF信号を波形等化して、復号器13は、波形等化されたRF信号を、例えば、ビタビ復号アルゴリズムなどによりデータ列へ変換する。誤り訂正器14は、復号器13で復号された再生信号のデータエラー箇所を訂正して再生データを生成する。PLL回路15は、RF信号の再生基準クロックを生成し、光ディスク装置内の各構成に供給する。
図3は、DPD法に基づくトラッキングエラー信号生成部20の構成を概略的に示すブロック図である。図3に示されるように、トラッキングエラー信号生成部20は、光検知器7の受光素子を直交する2本の直線で分割することによって得られる4つの受光面の出力A,B,C,Dから、2つの対角和信号s1及びs2を生成する加算器17及び18と、自動ゲイン制御部(AGC(Automatic Gain Control))23及び24と、メモリ27及び28と、位相差演算部21と、平均化処理部36とを有する。位相差演算部21は、メモリ27からのデータを期間nTだけ遅延させる遅延部29と、誤差量演算部30と、誤差量メモリ31と、遅延部29に対して遅延量nを与える遅延制御部32と、最小値検出部33と、補間係数演算部34と、位相差生成部35とを有する。ここで、Tは、基準クロックの1周期を示し、また、
n=−Nd,…,−1,0,+1,…,+Ndである。なお、メモリ27からのデータを遅延させる遅延部を、遅延部29に代えて、又は、遅延部29の他に設けてもよい。
n=−Nd,…,−1,0,+1,…,+Ndである。なお、メモリ27からのデータを遅延させる遅延部を、遅延部29に代えて、又は、遅延部29の他に設けてもよい。
図3の構成では、光ピックアップ3の光検知器7の4分割検知器の受光面A,B,C,Dからの出力(受光面A,B,C,Dの出力を、それぞれA,B,C,Dで表記する)を演算して得られる対角和信号(A+C)及び対角和信号(B+D)をそれぞれ第1の入力信号s1及び第2の入力信号s2として、これらの位相差PDを検出してトラッキングエラー信号TESを生成する。
AGC23及びAGC24は、第1の入力信号s1及び第2の入力信号s2を時間平均的な振幅レベル又はDCレベルで正規化し、第1の正規化信号ns1及び第2の正規化信号ns2を生成する。これにより、第1の正規化信号ns1及び第2の正規化信号ns2の変調成分の振幅レベルが同程度になる。
ADC(アナログ/デジタル変換器)25及びADC26のそれぞれは、第1の正規化信号ns1及び第2の正規化信号ns2を、サンプリング周波数fsのサンプルクロックCLKを基にして、サンプリングデータns1及びns2へ変換する。
図4は、サンプリングデータns1及びns2の一例を示す波形図である。光ピックアップ3から光ディスク2へ集光される光スポットのオフトラックが存在する条件で光検知器7から検出される対角和信号(A+C)及び対角和信号(B+D)のシミュレーション波形である。
サンプリングデータns1及びns2は、ADC25及び26によってデジタル変換されて、データS1(m)及びS2(m)となり、それぞれメモリ27及び28に保持される。メモリ27及び28には、それぞれデータ長がN個のデータが(N+2×Nd)個保持される。ここで、Nは、誤差演算の対象のデータのデータ長である。また、Ndは、誤差演算の対象データのデータ長の遅延ふり幅値(データ長Nのデータの前後に用意されるデータ列の幅であり、後述する図5及び図6に示す)である。メモリ27及び28に保持されたデータS1(m)及びS2(m)は、サンプリングごとに更新され、最も古いデータに対応する先頭データを破棄し、サンプリングされた最新のデータが、最後尾データとして新たにメモリ27及び28にそれぞれ保持される。
次に、位相差演算部21について説明する。メモリ27及び28にそれぞれ保持されたデータs1(m)及びs2(m)は、後段の位相差演算部21からの要求に従って順次移送される。
位相差演算部21からの要求に基づき、データs1(m)及びs2(m)は、位相差演算部21に入力され、誤差量演算部30で、m=1,2,…,Nのすべてについて、差分絶対値|s1(Nd+m+n)−s2(m)|の総和である誤差量D(n)を、次式(1)によって計算する。
図5は、データs1(Nd+m)及びs2(m)のデータ列を模式的に示す図である。ここでは、m=6であり、遅延ふり幅値Ndは5であり、遅延量nは0である場合が示されている。一方、図6は、m=6であり、遅延ふり幅値Ndは5であり、遅延量nは−1である場合のデータs1(Nd+m−1)及びs2(m)のデータ列が示されている。式(1)から、図5の場合の誤差量D(0)は、次式(2)で求めることができる。
また、式(1)から、図6の場合の誤差量D(−1)は、次式(3)で求めることができる。
図7は、図4の波形について、遅延量nに対する誤差量D(n)をプロットしたグラフである。このような遅延量nに対応した誤差量D(n)は誤差量メモリ31で保持される。図7の場合では、各遅延量のうち、遅延量n=−1(すなわち、遅延時間が−1T)における誤差量D(n)が最も小さい。すなわち、誤差量D(n)が最も小さくなる位置は、第1の入力信号s1が、第2の入力信号s2に対して位相が1T程度遅れていると推定される。
図3に示される最小値検出部33は、誤差量D(n)が最小となる遅延量nminを検出する。ただし、最小値検出部33で検出する遅延量は、1Tの整数倍の遅延量である。例えば、図7で示すような誤差量D(n)の場合、遅延量nmin=−1が検出される。しかし、実際には誤差量D(n)の最小値は、遅延量nmin=−1(すなわち、遅延時間が−1T)からシフト量Δnだけシフトして存在している。
次に、シフト量Δnを演算する方法を説明する。実施の形態1においては、シフト量Δnを演算する際に、ラグランジェ補間式を適用することで、演算負荷を抑えつつ、より正確な位相差PDを検出することができる。
3点の座標(x1,y1)、(x2,y2)、及び(x3,y3)を通る2次関数式は、ラグランジェ補間式により、式(2)のように表される。なお、実施の形態1においては、各点のx座標は図7の横軸の遅延量nに対応し、クロック単位1Tの整数倍となる。
図3に示される補間係数演算部34は、式(4)に適用する(x1,y1)、(x2,y2)、及び(x3,y3)の3点と、それら座標からシフト量Δnを算出する。
式(4)に適用する(x1,y1)、(x2,y2)、及び(x3,y3)の3点には、最小値検出部33で検出された遅延量nminの点を含める。すなわち、図7の例の場合は、遅延量nminの点である第1の点の座標は、(−1,D(−1))となる。また、残る2点である第2の点と第3の点の座標は、n=−1をとした第1の点の座標(−1,D(−1))を中心として対象な位置の遅延量における点を選択する。図7の例の場合、第2の点及び第3の点として、座標(−2,D(−2))及び(0,D(0))が選択される。よって、選択される3点は、
第1の点(−1,D(−1))、
第2の点(−2,D(−2))、及び
第3の点(0,D(0))となる。
第1の点(−1,D(−1))、
第2の点(−2,D(−2))、及び
第3の点(0,D(0))となる。
実施の形態1では、上記第1〜第3の点を式(4)に適用する際、最小値検出部33で検出された遅延量nmin(図7の例では、nmin=−1)のx座標を基準としてxが対称となる座標、すなわち、
変換後の第1の点(0,D(−1))、
変換後の第2の点(−1,D(−2))、及び
変換後の第3の点(1,D(0))とする。
変換後の第1の点(0,D(−1))、
変換後の第2の点(−1,D(−2))、及び
変換後の第3の点(1,D(0))とする。
式(4)に変換後の第1〜第3の点の座標を適用すると、以下の式(5)のようになる。
式(5)は、式(6)のように変形できる。
位相差生成部35では、式(6)と2次関数式y=a・x2+b・x+cとを対応させると、係数a、b、cは、以下の式(7)、式(8)、式(8)にて表すことができる。
シフト量Δnは、2次関数式
y=a・x2+b・x+c (10)
におけるyの極小値におけるx座標であるから、このx座標は、
0=(式(10)の右辺の1次微分)から
0=2a・x+bとなる。したがって、
x=b/2aのときに、yは極小値となり、次式(11)が得られる。
Δn=b/2a (11)
y=a・x2+b・x+c (10)
におけるyの極小値におけるx座標であるから、このx座標は、
0=(式(10)の右辺の1次微分)から
0=2a・x+bとなる。したがって、
x=b/2aのときに、yは極小値となり、次式(11)が得られる。
Δn=b/2a (11)
式(7)、(8)、(11)より、次式(12)を求めることができる。
そして、位相差PDは、遅延量nminをシフト量Δn補正する、次式(13)で得ることができる。
PD=nmin+Δn (13)
PD=nmin+Δn (13)
式(13)で得られた位相差PDは、平均化処理部36である一定データ長の平均値として出力され、サーボ回路11へトラッキングエラー信号TESとして送られる。サーボ回路11にてトラッキングエラー信号TESのアナログ信号での入力が必要な場合は、平均化処理部36の後段にDAC(デジタル/アナログ変換器)を設ければよい。サーボ回路11がデジタル信号処理回路で構成されていて、デジタル信号の入力が可能であればトラッキングエラー信号TESを、直接サーボ回路11へ入力させてもよい。
以上が、位相差PDを演算する一連の処理である。この一連の処理が終了した後、逐次データs1(m)とデータs2(m)が位相差演算部21へ入力されて、位相差PDの演算が行われ、位相差PDの値が更新される。
平均化処理部36で平均するデータ長は、トラッキングサーボの周波数帯域又は光スポットがトラックを横切る周波数(トラック横断周波数)に応じて設定される。トラックの横断周波数がft[Hz]、1横断周期にNs点でサンプルされたトラッキングエラー信号TESであるならば、平均化処理部36は、データ長のデータ数を1/(ft×Ns×T)以下に設定する。例えば、ftが1[kHz]、Nsが50点、クロック周波数(1/T)がBDの1倍速再生時クロック周波数66[MHz]とする場合、平均化データ長は最大で1320点であり、トラッキングエラー信号TESを生成する上では十分なデータ長である。このように、平均化処理部36は、ローパスフィルタと同様の機能を持つ。
図8は、上記の処理を用いて得られる位相差PDのシミュレーション結果を示す図である。図8のグラフは、光スポットのトラックずれ(オフトラック)[nm]に対する位相差PD[T]を示すものであり、オフトラック量の絶対値が大きくなるほど、位相差PDの絶対値が増加している。すなわち、オフトラック量が0より大きくなるほど、位相差PDの絶対値が増加し、オフトラック量が0より小さくなるほど、位相差PDの絶対値が増加する。このように、位相差PDは、オフトラック量に対するトラッキングエラーに相当するので、位相差PDからトラッキングエラー信号TESを生成できる。
なお、上記説明では、シフト量Δnの算出に際して、遅延量nminを中心とした対象な位置の遅延量における点を選択する際に、
第1の点(−1,D(nmin−1))、
第2の点(−2,D(nmin−2))、及び
第3の点(0,D(nmin))
の3点に相当する3つの点、
第1の点(−1,D(−1))、
第2の点(−2,D(−2))、及び
第3の点(0,D(0))を用いた。
しかし、シフト量Δnの算出に際して、4点以上の個数の座標点を利用してもよい。
第1の点(−1,D(nmin−1))、
第2の点(−2,D(nmin−2))、及び
第3の点(0,D(nmin))
の3点に相当する3つの点、
第1の点(−1,D(−1))、
第2の点(−2,D(−2))、及び
第3の点(0,D(0))を用いた。
しかし、シフト量Δnの算出に際して、4点以上の個数の座標点を利用してもよい。
例えば、シフト量Δnの算出に際して、
(−2,D(nmin−2))、
(−1,D(nmin−1))、
(0,D(nmin))、
(1,D(nmin+1))、及び
(2,D(nmin+2))の5点の座標点を用いてもよい。
(−2,D(nmin−2))、
(−1,D(nmin−1))、
(0,D(nmin))、
(1,D(nmin+1))、及び
(2,D(nmin+2))の5点の座標点を用いてもよい。
また、例えば、シフト量Δnの算出に際して、
(−2,D(nmin−2))、
(0,D(nmin))、及び
(2,D(nmin+2))の3点の座標点を用いて、式(4)により近似2次関数の係数a、b、cを算出してもよい。
(−2,D(nmin−2))、
(0,D(nmin))、及び
(2,D(nmin+2))の3点の座標点を用いて、式(4)により近似2次関数の係数a、b、cを算出してもよい。
シフト量Δnの算出に際して、4点以上の多くの座標点を利用して2次近似を行なうことで、3点の座標点を用いた場合に比べて、シフト量Δnの検出精度を向上させることができ、位相差PDをより正確に検出することができる。
実施の形態1においては、図3に示されるトラッキングエラー信号生成部20を光ディスク装置のトラッキングエラー検出装置に適用した場合、遅延量nminからシフトすると単調増加しなくなる範囲が現れる。図7の例の場合では、遅延量nminから±4Tシフトしたときに(図7において、n=−5のとき、及び、n=3のときに)、極大点となる。このような傾向がある場合には、極大点となる遅延量よりも内側の範囲内(図7においては、遅延量nが−4以上で2以下の範囲内)となるように、遅延量を制限することが望ましい。これにより、補間近似誤差が大きくなることを防ぐことができる。
以上のように、実施の形態1においては、ラグランジェ補間式によって、近似2次関数の係数a,b,cを簡便な式(7)〜(9)によって取得でき、位相差PDをより正確に検出することができ、より正確なトラッキングエラー信号TESが生成可能となる。
また、実施の形態1においては、変調振幅が小さく従来のDPD法でスライスレベルによる2値化が困難となる、高密度光ディスクに対しても、正確な位相差PDを検出でき、トラッキングエラー信号TESが生成可能となる。
また、実施の形態1においては、特許文献1に示されるように、2つの信号の位相差PDを求める際に、適応型FIRフィルタのタップ係数のLMSアルゴリズムを動作させる必要がなく、デジタル回路で比較的演算負荷が大きい積算の回数を減らすことができる効果がある。
さらに、実施の形態1においては、LMSアルゴリズムの更新係数μの与え方によって、適応型FIRフィルタのタップ係数が発散するなどといったシステムの不安定動作や、更新係数μがある一定レベル以上になったときにLMSアルゴリズムを一旦リセットさせるなどの、LMSアルゴリズムのフィードバック制御で起こり得る課題に対して、付加的な解決手段を講じておく必要がなく、安定したトラッキングエラー信号が得られる。
また、実施の形態1においては、適応型FIRフィルタのタップ係数の収束待ち時間などが必要なく、トラッキングサーボ動作開始までの動作を早くする効果がある。
なお、以上の説明では、位相差演算部21が、光ディスク装置におけるトラッキングエラー信号生成部に用いている場合を説明したが、実施の形態1における位相差演算部21を、トラッキングエラー信号以外の異なる2つ入力信号の位相差PDの検出にも適用してもよい。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1に係るトラッキングエラー検出装置及び光ディスク装置に、記録又は再生の対象である光ディスクの特徴から、位相差PD検出に関する動作の変更手段をさらに設けたものである。図9は、実施の形態2のDPD法に基づくトラッキングエラー信号生成部40の構成を概略的に示すブロック図である。図9において、図3(実施の形態1)に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、同じ符号を付す。図9に示されるトラッキングエラー生成部40は、Nd値決定部42を有する点において、図3に示されるトラッキングエラー信号生成部20と相違する。なお、実施の形態2の説明に際しては、光ディスク装置の構成を示す図2をも参照する。
実施の形態2は、実施の形態1に係るトラッキングエラー検出装置及び光ディスク装置に、記録又は再生の対象である光ディスクの特徴から、位相差PD検出に関する動作の変更手段をさらに設けたものである。図9は、実施の形態2のDPD法に基づくトラッキングエラー信号生成部40の構成を概略的に示すブロック図である。図9において、図3(実施の形態1)に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、同じ符号を付す。図9に示されるトラッキングエラー生成部40は、Nd値決定部42を有する点において、図3に示されるトラッキングエラー信号生成部20と相違する。なお、実施の形態2の説明に際しては、光ディスク装置の構成を示す図2をも参照する。
図9のメディア判別部41は、図1に光ディスク2の物理構造の種類を識別し、光ディスク2の種類を判別する構成である。実施の形態2に係る光ディスク装置(図2)は、従来より規格化又は実用化されているBDXL、BD、DVD、CDなどの光ディスクの再生、又は、記録を行うことができる。また、将来的に実用化が期待される超解像ディスクや高屈折率な結晶材を用いて開口数NAを高めたソリッドイマージョンレンズを採用した近接場光ディスクなど、記録密度の異なるディスクにも適用可能である。図9のディスク判別部41は、上記のような記録密度の異なる多種の光ディスクに対応するために、ユーザーによって光ディスク装置に挿入された光ディスクがいずれであるかを判別するものである。ディスク判別部41で行なわれる処理内容は、特に限定されず、例えば、各種光ディスクの反射光量やフォーカスエラー信号波形の違いを検出して、ディスクの種類を識別する方法等がある。なお、超解像ディスクとは、レーザ光強度に応じて光学特性(光吸収特性や光透過特性など)が非線形に変化する超解像機能層を有する光ディスクである。この超解像機能層にレーザ光の集光スポットが照射されると、その照射領域のうち光強度の強いあるいは温度の高い局所的な部分で屈折率などの光学特性が変化し、その局所的な部分で発生した局在光(近接場光や局在プラズモン光など)は、記録層の記録マークと相互作用することで伝搬光に変換される。これにより、従来より使用されていたBD用の光ヘッドを用いて、回折限界λ/(4NA)よりも小さい微小な記録マークから情報を再生できるようにする。
ディスク判別部41で判別されたディスク判別情報は、遅延ふり幅値決定部(Nd値決定部)42に送られる。Nd値決定部42では、ディスク判別情報に基づいてディスクの種類に応じた遅延ふり幅値Ndが決定される。Nd値決定部42で決定された遅延ふり幅値Ndは遅延制御部32に送られ、遅延制御部32より遅延部29に指示する遅延量の上限となる。
遅延ふり幅値Ndは、トラックずれの発生時に生じる第1の正規化信号ns1及び第2の正規化信号ns2との最大の位相差PDを検出するだけの大きさが必要となる。もしも、遅延ふり幅値Ndが誤って小さく設定された場合には、最大の位相差PDが発生するときに、図7の近似2次関数の曲線のボトム(極小値)を抽出することができなくなる。この場合、近似2次関数により正確な最小点を演算より求めることができなくなり、正しい位相差PDを検出することができなくなる。
このような問題を回避するために、Nd値決定部42により、光ディスクの種類に応じた適切な遅延ふり幅値Ndを与える。遅延ふり幅値Ndは、光ディスクに記録された情報マークの長さと、これを再生又は記録する光ピックアップの対物レンズ6の開口数NAと半導体レーザ4の光の波長λの関係に基づいて決定されることが望ましい。
図10(a)及び(b)は、異なる記録密度の光ディスクを再生したときのサンプリングデータns1とns2のシミュレーション波形であり、光ディスクの記録密度によって発生する位相差PDの違いを説明する図である。それぞれ同じ1−7変調のランダムデータ列を再生している。図10(a)及び(b)で仮定した対物レンズの開口数NAは0.805であり、使用波長λは405[nm]であるが、記録マーク長は異なり、最短マーク長MLは2Tマーク長であり、それぞれ150[nm]及び75[nm]としている。また、それぞれのトラックずれ量は320[nm]である。ここで、横軸の単位はそれぞれの光ディスクの基準クロック周期、すなわち、1Tであり、図10(a)における基準クロック周期は75[nm]であり、図10(b)における基準クロック周期は37.5[nm]である。
遅延部29で付与される遅延量を各光ディスクの基準クロック1Tを基準とした値に設定する場合を考えると、光ディスクの記録密度によって、基準クロックに対する位相差PDの大きさは異なることが分かる。図10(b)の位相差ΔP2は、図10(a)の位相差ΔP1よりも大きい。
図10(a)及び(b)に示す例では、再生に用いる集光スポットの大きさが同じであるのに対して、記録マーク長が短い図10(b)のほうが基準クロックに対して位相差PDが大きく現れる。すなわち、位相差PDは、基準クロック1T、若しくは2Tに相当する最短マーク長MLと、集光スポット径に相当するk×λ/NA(ここで、kはある定数)との比に関するものである。
したがって、各種光ディスクでの遅延ふり幅値Ndは、ML/(λ/NA)の大小関係に基づいて決定することができる。例えば、第1の光ディスクのML1/(λ1/NA1)が、第1の光ディスクとは異なる第2の光ディスクのML2/(λ2/NA2)よりも大きいとき、第1の光ディスクでの遅延ふり幅値Nd1は第2の光ディスクでの遅延ふり幅値Nd2以下に設定する。ここで、ML1は、第1の光ディスクの最短マーク長、λ1は、第1の光ディスクに照射されるレーザ光の波長、NA1は、第1の光ディスクにレーザ光を照射する際の開口数を示す。また、ここで、ML2は、第2の光ディスクの最短マーク長、λ2は、第2の光ディスクに照射されるレーザ光の波長、NA2は、第2の光ディスクにレーザ光を照射する際の開口数を示す。
特に、図10(a)及び(b)は、それぞれ、対物レンズの開口数NAが0.85、波長λが405[nm]の光学条件で再生又は記録再生されるBDと、この光学条件を変えずに記録密度をBDよりも高くして再生又は記録再生が可能な超解像光ディスクであり、これらに対応する光ディスク装置の場合、λ1=λ2、NA1=NA2となって、最短マーク長ML1とML2との違いによってのみ遅延ふり幅値Ndの設定が可能となる。
以上に説明したように、実施の形態2においては、異なる記録密度を有する複数種類の光ディスクの再生又は記録再生に対応する光ディスク装置において、信号の位相差PDからトラッキングエラー検出を行なう際に正しいトラッキングエラー量を検出し、複数種類の光ディスクに対して安定な再生又は記録再生性能を提供することができる。
1 回転駆動部、 2 光ディスク、 3 光ピックアップ、 4 半導体レーザ、 5 プリズム、 6 対物レンズ、 7 光検知器、 10 信号演算回路、 11 サーボ回路、 15 PLL回路、 20,40 トラッキングエラー信号生成部、 22 記憶部、 23,24 AGC、 25,26 ADC(アナログ/デジタル変換器)、 27,28 メモリ、 21 位相差演算部、 30 誤差量演算部、 32 遅延制御部、 33 最小値検出部、 34 補間係数演算部、 35 位相差生成部、 36 平均化処理部、 41 ディスク判別部、 42 遅延ふり幅値決定部(Nd値決定部)。
Claims (11)
- 基準クロックに同期してサンプリングされた第1信号と第2信号との位相差を検出する位相差検出装置であって、
前記第1信号又は前記第2信号の少なくとも一方に基準クロック周期の整数倍の遅延量の遅延を与える遅延部と、
前記第1信号に含まれる、データ長がN個(Nは正の整数)である第1データと前記第2信号に含まれるデータ長がN個である第2データとの差分の絶対値の総和である誤差量を算出する処理を、前記遅延部によって与えられる遅延量を変更して繰り返すことによって、前記遅延部によって与えられた複数の遅延量に対応する複数の誤差量を取得する誤差量演算部と、
前記誤差量演算部によって取得された前記複数の誤差量から、最小値の誤差量を検出し、最小値の誤差量を検出したときの第1遅延量を検出する最小値検出部と、
前記複数の遅延量の内の少なくとも3つの遅延量と、前記少なくとも3つの遅延量にそれぞれ対応する複数の誤差量とを用いて、高次の関数式であるラグランジェ補間式の補間係数を求める補間係数演算部と、
前記補間係数が求められたラグランジェ補間式における誤差量の極小値におけるシフト量を算出し、前記第1遅延量と前記シフト量を用いて位相差を算出する位相差生成部と
を有することを特徴とする位相差検出装置。 - 正の整数である遅延ふり幅値をNdとし、
前記基準クロック周期をTとし、
前記遅延部による遅延の遅延量をnとしたときに、
遅延量nは、−NdT,…,0,…,+NdTからなる、(2Nd+1)個の遅延量である
ことを特徴とする請求項1に記載の位相検出装置。 - 前記補間係数演算部が行う補間係数の算出に際して用いられる前記少なくとも3つの遅延量は、3つの遅延量であり、
前記3つの遅延量は、前記第1遅延量と、該第1遅延量を基準に1基準クロック周期だけ速い遅延量と1基準クロック周期だけ遅い遅延量を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置。 - 前記遅延量nの絶対値の最大値は、4であることを特徴する請求項2又は3に記載の位相差検出装置。
- 前記補間係数演算部が行う補間係数の算出に際して用いられる前記少なくとも3つの遅延量は、5つの遅延量であり、
前記5つの遅延量は、前記第1遅延量と、該第1遅延量を基準に1基準クロック周期だけ速い遅延量と1基準クロック周期だけ遅い遅延量と、該第1遅延量を基準に2基準クロック周期だけ速い遅延量と2基準クロック周期だけ遅い遅延量とを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置。 - 位相差検出装置と、
交差する2つの境界線で分割された4分割の受光面を有し、前記4分割の受光面に入射する光ディスクからの反射光の光量をそれぞれ電気的な出力信号に変換する受光部と、
前記4分割された受光面から出力される出力信号の第1の対角和信号と第2の対角和信号を算出する第1及び第2の加算部と、
前記第1及び第2の対角和信号を基準クロックに同期してサンプリングし、第1信号及び第2信号として前記位相差検出装置に与えるサンプリング部と
を有し、
前記位相差検出装置は、
基準クロックに同期してサンプリングされた前記第1信号と前記第2信号との位相差を検出する装置であって、
前記第1信号又は前記第2信号の少なくとも一方に基準クロック周期の整数倍の遅延量の遅延を与える遅延部と、
前記第1信号に含まれる、データ長がN個(Nは正の整数)である第1データと前記第2信号に含まれるデータ長がN個である第2データとの差分の絶対値の総和である誤差量を算出する処理を、前記遅延部によって与えられる遅延量を変更して繰り返すことによって、前記遅延部によって与えられた複数の遅延量に対応する複数の誤差量を取得する誤差量演算部と、
前記誤差量演算部によって取得された前記複数の誤差量から、最小値の誤差量を検出し、最小値の誤差量を検出したときの第1遅延量を検出する最小値検出部と、
前記複数の遅延量の内の少なくとも3つの遅延量と、前記少なくとも3つの遅延量にそれぞれ対応する複数の誤差量とを用いて、高次の関数式であるラグランジェ補間式の補間係数を求める補間係数演算部と、
前記補間係数が求められたラグランジェ補間式における誤差量の極小値におけるシフト量を算出し、前記第1遅延量と前記シフト量を用いて位相差を算出する位相差生成部と
を有する
ことを特徴とするトラッキングエラー検出装置。 - レーザ光源と、
前記レーザ光源からのレーザ光を光ディスクの情報記録面に集光させる集光部と、
前記光ディスクの情報記録面における集光スポットの位置を、前記光ディスクのトラックに近づけるように移動させるトラッキング駆動部と、
交差する2つの境界線で分割された4分割の受光面を有し、前記4分割の受光面に入射する前記光ディスクからの反射光の光量をそれぞれ電気的な出力信号に変換する受光部と、
位相差検出装置と、
前記4分割された受光面から出力される出力信号の第1の対角和信号と第2の対角和信号を算出する第1及び第2の加算部と、
前記第1及び第2の対角和信号を基準クロックに同期してサンプリングし、第1信号及び第2信号として前記位相差検出装置に与えるサンプリング部と
を有し、
前記位相差検出装置は、
基準クロックに同期してサンプリングされた前記第1信号と前記第2信号との位相差を検出する装置であって、
前記第1信号又は前記第2信号の少なくとも一方に基準クロック周期の整数倍の遅延量の遅延を与える遅延部と、
前記第1信号に含まれる、データ長がN個(Nは正の整数)である第1データと前記第2信号に含まれるデータ長がN個である第2データとの差分の絶対値の総和である誤差量を算出する処理を、前記遅延部によって与えられる遅延量を変更して繰り返すことによって、前記遅延部によって与えられた複数の遅延量に対応する複数の誤差量を取得する誤差量演算部と、
前記誤差量演算部によって取得された前記複数の誤差量から、最小値の誤差量を検出し、最小値の誤差量を検出したときの第1遅延量を検出する最小値検出部と、
前記複数の遅延量の内の少なくとも3つの遅延量と、前記少なくとも3つの遅延量にそれぞれ対応する複数の誤差量とを用いて、高次の関数式であるラグランジェ補間式の補間係数を求める補間係数演算部と、
前記補間係数が求められたラグランジェ補間式における誤差量の極小値におけるシフト量を算出し、前記第1遅延量と前記シフト量を用いて位相差を算出する位相差生成部と
を有する
ことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記トラックに対する前記集光スポットのずれ量に基づいて、前記トラッキング駆動部をサーボ制御することを特徴とする請求項8に記載の光ディスク装置。
- 前記光ディスクの種類を検出するディスク判別部と、
前記ディスク判別部の判別結果に基づいて、前記遅延部によって与えられる遅延量の範囲を決める遅延ふり幅値決定部と
をさらに有することを特徴とする請求項8又は9に記載の光ディスク装置。 - 前記集光部は、最短記録マーク長ML1を含むデータ列が記録された第1の光ディスクと、前記記録マーク長ML1より小さな最短記録マーク長ML2を含むデータ列が記録される第2の光ディスクとを、それぞれ波長λ1のレーザ光を開口数NA1を有する対物レンズによって集光し、波長λ2のレーザ光を開口数NA2を有する対物レンズによって集光した集光光で再生、又は、再生及び記録を行ない、
前記遅延ふり幅値決定部は、ML1/(λ1/NA1)がML2/(λ2/NA2)よりも大きいときに、前記第1の光ディスクについての前記遅延ふり幅値である第1の遅延ふり幅値を、前記第2の光ディスクについて前記遅延ふり幅値である第2の遅延ふり幅値以下に決定する
ことを特徴とする請求項10に記載の光ディスク装置。
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