JP2013144930A - 斜板式液圧回転機 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜板式液圧回転機において、摺動性能を向上させつつ、液体の漏れやシリンダブロックの破損を防止乃至抑制する。
【解決手段】シリンダ31の周囲に形成された溝34に、シリンダブロック30よりも剛性の低い充填材40を充填して、シリンダ31の内壁(薄肉部33)の撓みを許容して摺動性能を向上させつつ、溝34に充填された充填材40により薄肉部33が大きく撓むのを抑制して、シリンダ31内の液体の漏れやシリンダブロック30の破損を防止乃至抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は斜板式液圧回転機に関し、詳細には、シリンダブロックの改良に関する。
従来、油圧ショベル等の作業機械には、アキシャルピストンポンプやアキシャルピストンモータなどの斜板式液圧回転機が用いられている。
この斜板式液圧回転機は、回転軸と、この回転軸とともに回転軸の回りを回転する、回転軸の回りに複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、各シリンダに、回転軸に沿って移動自在に設けられたピストンと、回転軸に直交する面に対して傾斜した面を有し、シリンダブロックの回転に伴ってピストンを回転軸に沿って往復移動させる斜板とを備えた構成である。
そして、ポンプとして使用される斜板式液圧回転機では、回転軸とともにシリンダブロックが回転することにより、シリンダブロックのシリンダに配設されたピストンも回転するが、ピストンは、その一端が斜板の面に保持されているため、ピストンは回転に伴って、シリンダ内を回転軸の軸方向に沿って往復移動する。
そして、シリンダとピストンによって区画された空間の容積が大きくなる行程で、外部から油等の液体がその空間内に吸入され、一方、その空間の容積が小さくなる行程で、空間内の液体が外部に吐出されることで、ポンプとして機能する。
一方、モータとしてとして使用される斜板式液圧回転機では、外部からシリンダとピストンによって区画された空間に油等の液体が供給されると、その空間の容積が大きくなるようにピストンが軸方向に沿って移動するが、ピストンの一端は回転しない斜板の面に保持されているため、ピストンは斜板の面に沿って軸方向に移動しつつ回転軸回りに回転し、シリンダおよび回転軸もピストンにしたがって回転する。
そして、液体が空間から外部に吸引されると、その空間の容積が小さくなるようにピストンが軸方向に沿って移動するが、ピストンの一端は回転しない斜板の面に保持されているため、ピストンは斜板の面に沿って軸方向に移動しつつ回転軸回りに回転し、シリンダおよび回転軸もピストンにしたがって回転し、モータとして機能する。
ところで、この斜板式液圧回転機は、回転時にピストンの一部とシリンダの内壁面との間で負荷が作用する。
そこで、このような負荷を軽減(摺動性を向上)させる目的で、ピストンやシリンダの表面に表面処理を行ったり、シリンダ内に摺動材を設置したり、特殊なシリンダ形状を採用するなど、種々の方策が提案されている。
また、シリンダとピストンとの間では、相対運動による摺動抵抗に起因した発熱が起こり、特に、シリンダとピストンとの間の嵌め合い隙間の範囲でピストンがシリンダに対して傾いて、その傾きの支点となるシリンダの開口部付近での摺動抵抗が強くなって大きな発熱が発生する。
このとき、ピストンとシリンダとの間に介在する液体は、発熱による粘度の低下により、その膜厚が薄くなり、ピストンとシリンダとが液体を介さずに直接接触する可能性が高まる。
そして、両者の直接接触が起こると、さらなる摺動抵抗の増大が起こり、焼き付きや部材間のかじりに繋がるおそれがある。
そこで、シリンダの開口部の周囲に溝を形成してシリンダの内壁を薄肉化し、この薄肉化して得られた薄肉部を、ピストンが傾いた状態のときピストンから受ける荷重により撓ませることで、ピストンとシリンダとの間の面圧を低下させ、これにより両者間の摺動負荷を低下させる技術が提案されている(特許文献1)。
特開平7−332224号公報
ところで、上述の先行技術によれば、シリンダの内壁は薄肉化により剛性が低下して薄肉部が大きく撓むと、シリンダの開口部の開口面積が拡がり、ピストンとの嵌め合い隙間が大きくなって、作動媒体である液体がシリンダから外部に漏れ易くなるという問題がある。
そして、液体が漏れると、モータとして使用される斜板式液圧回転機では、外部に及ぼす仕事量が低下することになり、一方、ポンプとして使用される斜板式液圧回転機では、吐出量の低下等により機器の効率が低下することになる。
さらに、薄肉部の撓みが大きいと、シリンダブロックの割れが生じ易くなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、摺動性能を向上させつつ、液体の漏れやシリンダブロックの破損を防止乃至抑制することができる斜板式液圧回転機を提供することを目的とするものである。
本発明に係る斜板式液圧回転機は、ピストンが配置されたシリンダの周囲に形成された溝に、シリンダブロックよりも剛性の低い充填材を充填したことにより、シリンダの内壁(薄肉部)の撓みを許容して摺動性能を向上させつつ、溝に充填された充填材により内壁(薄肉部)が大きく撓むのを抑制して、液体の漏れやシリンダブロックの破損を防止乃至抑制するものである。
すなわち、本発明に係る斜板式液圧回転機は、回転軸と、前記回転軸とともに前記回転軸の回りを回転する、前記回転軸の回りに複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、前記各シリンダに、前記回転軸に沿って移動自在に設けられたピストンと、前記回転軸に直交する面に対して傾斜した面を有し、前記シリンダブロックの回転に伴って前記ピストンを前記回転軸に沿って往復移動させる斜板とを備え、前記シリンダブロックの、前記シリンダの周囲のうち少なくとも一部に、溝が形成されているとともに、前記溝に、前記シリンダブロックよりも剛性の低い充填材が充填されていることを特徴とする。
本発明に係る斜板式液圧回転機によれば、摺動性能を向上させつつ、液体の漏れやシリンダブロックの破損を防止乃至抑制することができる。
本発明に係る斜板式液圧回転機の一実施形態であるアキシャルピストンポンプを示す縦断面図である。 図1における矢視Aによる図である。 図2におけるB−B線に沿った断面を示す図である。 (a)ピストンの可動範囲のうちシリンダに対してピストンが最も深く挿入された状態、(b)ピストンの可動範囲のうちシリンダに対してピストンが最も浅く挿入された状態、それぞれ示す模式図である。 ピストンがシリンダとの嵌め合い隙間の範囲でシリンダに対して傾いた状態を誇張して示す模式図である。 変形例1のアキシャルピストンポンプのシリンダブロックを示す、図2相当の図である。 変形例2のアキシャルピストンポンプのシリンダブロックを示す、図2相当の図である。 シリンダブロックが回転したときに、ピストンから受ける荷重を示す模式図である。 図7に示したシリンダブロックに、変形例1と同様の凸部を形成した例を示す図である。 図7に示した円弧形状の溝および充填材を、各シリンダの周囲のうち、回転方向に直交する線対称の位置にも設けた、アキシャルピストンモータにてきようしたシリンダブロックを示す図である。 図10に示した各シリンダの周囲の2つの円弧形状の溝および充填材を繋いで単一のものとした構成のシリンダブロックを示す図である。 図10に示したシリンダブロックに、変形例1と同様の凸部を形成した例を示す図である。 図11に示したシリンダブロックに、変形例1と同様の凸部を形成した例を示す図である。
以下、本発明に係る斜板式液圧回転機の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示したアキシャルピストンポンプ100は、ハウジング10の内部に、シャフト20(回転軸)、シリンダブロック30、ピストン60、斜板70、バルブプレート50、シューパッド83、ブッシング82、リテーナ81およびバネ84が設けられた構成である。
ここで、シャフト20は、軸C0回りに回転自在であり、その外周面に形成されたスプラインがシリンダブロック30に噛み合っていて、このシリンダブロック30はシャフト20と一体的に軸C0回りに回転自在となっている。
シリンダブロック30は、鉄基材、例えば炭素鋼やクロムモリブデン鋼、球状黒鉛鋳鉄等、比較的硬度の高い材料によって形成されている。
また、シリンダブロック30には、図2に示すように、軸C0回りに等角度間隔で9つの空間であるシリンダ31が形成されている。これら9つのシリンダ31は、直径が同一で、いずれも軸C0に沿って延びた円柱状の空間であり、各シリンダ31の中心C1が、軸C0を中心とした円周D上に位置するように形成されている。
また、これら各シリンダ31の内部にはそれぞれ、軸C0に沿って移動自在にピストン60が設けられている。これらのピストン60は、シリンダ31の内径に対して僅かな嵌め合い隙間を有する外径で形成されている。
ピストン60は、シリンダブロック30の、図2に示した端面の開口部32からシリンダ31の内部に挿入されていて、シリンダの反対側の端面には、図1に示すようにバルブプレート50が配置されている。
ピストン60の、開口部32側の端部には球状の継手が形成されていて、この球状の継手には、球状の継手を包んでピストン60に対して傾斜自在となるようにシューパッド83が連結されている。
斜板70は、軸C0に直交する面に対して傾斜した面を有し、ハウジング10の内部に固定されていて、その表面にはシューパッド83が滑り自在に配置される。このシューパッド83を斜板70の表面に沿って移動可能としているのはブッシング82とリテーナ81であるが、これらの構造については公知であるため詳細な説明は省略する。
このように構成されたアキシャルピストンポンプ100は、シャフト20およびシリンダブロック30の回転に伴ってピストン60を軸C0に沿って往復移動させ、この往復移動によってシリンダ31内の容積が増大する行程でシリンダ31内に作動油(液体)を吸入し、シリンダ31内の容積が減少する行程でシリンダ31内の作動油(液体)を吐出させて、作動油を送出するアキシャルピストンポンプ100としての機能を発揮する。
ここで、本実施形態のアキシャルピストンポンプ100は、図2,3に示すように、シリンダブロック30の、各シリンダ31の外側周囲の全周に亘って、所定深さの溝34が形成されていて、これにより、各シリンダ31の内壁は全周に亘って薄肉化された薄肉部33となっている。
これらの各溝34は、各シリンダ31の中心C1を軸とする円筒形状の空間として形成されていて、各溝34には、シリンダブロック30よりも剛性の低い材料、例えばアルミ、銅またはこれらの合金等で形成された充填材40が充填されている。
溝34への充填材40の充填は、鋳造、焼結、摩擦、溶接による肉盛り、または溝34の形状に対応した円筒形状に形成された充填材40を圧入するなど、種々の方法を適用することができる。
ここで、溝34の長さ(深さ)L(上記円筒形状の軸に沿った長さに相当)は、シリンダ31の開口部32の面から、ピストン60とシリンダ31とが常時接する範囲よりも短い長さの位置までとなっている。
すなわち、図4(a)は、ピストン60の可動範囲のうちシリンダ31に対してピストン60が最も深く挿入された状態であり、このとき、開口部32の面からピストン60の先端までの長さはL1となり、一方、図4(b)は、ピストン60の可動範囲のうちシリンダ31に対してピストン60が最も浅く挿入された状態であり、このとき、開口部32の面からピストン60の先端までの長さはL2となり、ピストン60とシリンダ31とが常時接する範囲は図4(b)に示した、開口部32の面から長さL2の範囲である。
したがって、溝34の、開口部32の面からの長さLはL2よりも短い(L<L2)。
以上のように構成されたアキシャルピストンポンプ100によれば、シリンダブロック30が回転すると、ピストン60はシリンダ31との嵌め合い隙間の範囲でシリンダ31に対して、図5に示すように傾くが、このピストン60の傾きによる荷重は、二点鎖線で示した本来の薄肉部33を、充填材40が充填された溝34に向けて矢印方向に、実線で示したように撓ませるため、ピストン60とシリンダ31との間の面圧を低下させることができる。
したがって、ピストン60とシリンダ31との間の摺動負荷を低下させることができる。
しかも、溝34には充填材40が充填されているため、溝34に充填材40が充填されていないものに比べて、充填材40が充填された溝34を含む薄肉部33周辺の剛性を増大させることができ、薄肉部33の過度な変形を防止して薄肉部33の破損を防止するとともに、薄肉部33が過度に変形した場合に生じうる、ピストン60とシリンダ31との嵌め合い隙間の拡大による作動油の過度の漏れを防止することができる。
なお、充填材40は、シリンダブロック30よりも剛性の低い材料であるため、溝34が形成されていないためシリンダ31の内壁が薄肉化されていないものに比べて、シリンダ31の内壁を撓ませやすく、ピストン60とシリンダ31との間の面圧を下げる効果が発揮される。
また、本実施形態のアキシャルピストンポンプ100は、溝34が、各シリンダ31の周囲に、各シリンダ31の中心C1を軸とする円筒形状に形成されたものであるため、溝34を機械加工によって形成する場合に形成が容易であるとともに、その円筒形状の溝34に充填材40を充填するに際しても、その円筒形状に適合した充填材40として予め円筒形状のものを生成するのは容易であり、しかも、そのような円筒形状の充填材40を円筒形状の溝34に圧入するのも容易である。
さらに、本実施形態のアキシャルピストンポンプ100は、溝34が、シリンダ31の開口部32の面からピストン60とシリンダ31とが常時接する範囲よりも短い長さL(<L2)に形成されているが、仮に、溝34の長さLが開口部32の面からL2以上である(L2≦L)と、ピストン60がシリンダ31内で往復運動しながら、シリンダ31の半径方向にも動き易くなるため、ピストン60の動きが不規則となり、異常な振動が発生するおそれがあるのに対して、上述した長さの範囲(L<L2)であるアキシャルピストンポンプ100は、往復運動しながらの半径方向への動きは制限されるため、ピストン60の往復運動を滑らかにすることができる。
また、本実施形態のアキシャルピストンポンプ100は、充填材40が、アルミ、銅またはこれらの合金等で形成されたものであって、これらはシリンダブロック30の基材である鉄基材よりも熱伝導性に優れた部材であるため、ピストン60とシリンダ31との摺動で生じた熱が、薄肉部33に蓄えられずに充填材40に素早く伝熱されて放熱されることで、シリンダ31の内壁の温度上昇を抑制することができる。
(変形例1)
上述した実施形態のアキシャルピストンポンプ100におけるシリンダブロック30は、図2に示したように、溝34および充填材40が円筒形状に形成されたものであるが、これらの溝34および充填材40については、図6に示すように、軸C0に直交する面による断面において、溝34の外周側の輪郭を形成する壁面34aおよび充填材40の外周側の輪郭を形成する壁面40aに、外側に突出した凸部34b,40bがそれぞれ形成されているものとするのが好ましい。
このように構成されたシリンダブロック30を有する変形例1のアキシャルピストンポンプ100によれば、溝34の凸部34bおよび充填材40の凸部40bによって、壁面34a,40aの表面積が大きくなり、これによって、ピストン60とシリンダ31との摺動部で生じた熱の放熱性能を向上させることができる。
なお、凸部34b,40bの断面形状(軸C0に直交する面による断面における輪郭形状)としては、矩形形状や三角形状等の角形状であってもよいし、滑らかに形状が変化する円弧形状であってもよい。
また、外側に突出した凸部34b,40bに代えて、内側に陥凹した凹部を形成してもよく、凹部を形成したときも凸部34b,40bを形成したときと同様の効果を得ることができる。
なお、凸部34b,40bを形成したときは、充填材40の体積が凸部40bの分だけ増大するため、充填材40として熱伝導性に優れた材料で形成されたものを適用した場合は、充填材40による吸熱量が増大して、ピストン60とシリンダ31との摺動部で生じた熱の放熱性能を、凹部を形成した(充填材40の体積が凹部の分だけ減少)ものよりも一層向上させることができる。
ここで、上述した凸部34bや凹部が形成されるのは、溝34の外周側の壁面34aであって、溝34の内周側の壁面ではないが、このように外周側の壁面34aに凸部34bや凹部を形成するのは以下の理由による。
すなわち、溝34の内周側の壁面は薄肉部33の外側の面を形成するものであり、仮に、この溝34の内周側の壁面に、凸部34bや凹部等の、形状が急激に変化する部分を形成すると、薄肉部33が外側に撓む際に、その凸部34b等がリブとして機能するなどして、滑らかな撓みを得ることができないなど、薄肉部33の撓みに影響を及ぼすことになるが、外周側の壁面34aに凸部34b等が形成されていても、薄肉部33の撓みに影響を及ぼすことがないからである。
(変形例2)
上述した実施形態や変形例1のアキシャルピストンポンプ100におけるシリンダブロック30は、溝34が、シリンダブロック30の、各シリンダ31の外側周囲の全周に亘って形成されたものであるが、溝34はシリンダ31の外側周囲の全周ではなく、全周のうちの一部にのみ形成されたものであってもよい。
すなわち、図7に示すように、溝34は、軸C0に直交する面による断面において、シリンダ31の外側周囲に延びた円弧形状の輪郭を有し、この円弧形状の輪郭が軸C0に沿って連なって延びた空間として形成されたものであってもよい。
ここで、溝34の円弧形状は、各シリンダ31の周囲のうち、シリンダブロック30の、回転方向Rの後方の部分Kを含む範囲に形成されていればよい。
すなわち、図8に示すように、シリンダブロック30が回転方向Rに回転すると、シリンダ31の内壁面のうちシリンダブロック30の回転方向Rの後ろ側の面がピストン60に接触して、この後ろ側の面にピストン60の重心C2からの荷重F1が作用する。
したがって、シリンダ31の周囲のうち、この後ろ側の面に対応した回転方向Rの後方の部分Kに溝34を形成し、この溝34の内部に充填材40を充填した構成とすることにより、この回転方向Rの後方の部分Kを薄肉化して撓ませることができ、ピストン60とシリンダ31との間の面圧を低減させることができる。
また、溝34の円弧形状は、各シリンダ31の周囲のうち、上述した回転方向Rの後方の部分Kから、回転方向外側の周囲部分に向けて延びた円弧形状に形成すればよい。
シリンダブロック30の回転速度が速くなると、ピストン60の重心C2に回転方向の外側(軸C0から離れる方向)に向けた遠心力F2が作用するため、シリンダ31の内壁がピストン60から受ける荷重は、図8に示した通り、荷重F1と荷重F2との合力F3となるため、溝34の円弧形状を、シリンダ31の周囲のうち、回転方向Rの後方の部分Kから、回転方向外側の周囲部分に向けて延びた形成とすることで、ピストン60から受ける荷重により撓む薄肉部33を適切に形成することができる。
なお、この溝34には、前述した実施形態や変形例1で示したシリンダブロック30と同様に、充填材40が充填されている。
この変形例2の円弧形状の溝34は、シリンダ31の周囲のうち、軸C0からの放射方向S(半径方向:回転方向Rに直交する方向)に対応した部分Pまで延びたものである必要はない。
シリンダブロック30の回転速度が如何に高速になって遠心力F2が大きくなった場合であっても、直交方向の荷重F1がゼロになることはないため、両荷重F1,F2の合力F3が、荷重F2と同じ向きになることはないからである。
ただし、軸C0からの放射方向に対応した部分Pに溝34を形成するとともに充填材40を充填した構成を排除するものではなく、この部分Pに溝を設けて充填材40を充填した構成を採用することもできる。
このように構成された変形例2のアキシャルピストンポンプ100によれば、シリンダ31の周囲のうち、ピストン60から荷重F3が作用する範囲については薄肉部33を形成して面圧を低減しつつ充填材40の充填により薄肉部の撓み両を抑制するとともに、ピストン60から荷重が作用しない範囲については、面圧を低下させる必要がないため溝34を形成しないで剛性を高く維持することができるため、アキシャルピストンポンプ100の使用環境として高負荷な状態が継続的に起こる環境での使用に適している。
なお、この変形例2のように、断面における形状が円弧形状と溝34を形成したアキシャルピストンポンプ100においても、図9に示すように、溝34の外周側の輪郭を形成する壁面34aおよび充填材40の外周側の輪郭を形成する壁面40aに、外側に突出した凸部34b,40bをそれぞれ形成してもよく、このように構成されたアキシャルピストンポンプ100は、変形例1のアキシャルピストンポンプ100と同様に、ピストン60とシリンダ31との摺動部で生じた熱の放熱性能を向上させることができる。
(変形例3)
上述した実施形態や各変形例1,2は、本発明に係る斜板式面圧回転機をポンプに適用したアキシャルピストンポンプ100として説明したが、アキシャルピストンポンプ100としてだけでなく、モータに適用したアキシャルピストンモータとして適用してもよい。
ここで、上記実施形態や各変形例1,2をアキシャルピストンモータとして適用する場合、軸C0回りの回転方向が正転・逆転を切り替えられて使用されることもある。
すなわち、図1,6において、時計回りの回転方向Rで用いられるときと、反時計回りの回転方向−Rで用いられるときとを切り替えることがある。
そして、例えば、図1,6にそれぞれ示したシリンダブロック30を有するアキシャルピストンモータの場合は、溝34および充填材40が、シリンダ31の周囲の全周に亘って形成されているため、シリンダブロック30が時計回りの回転方向Rであっても、反時計回りの回転方向−Rであっても、薄肉部33の撓みや薄肉部33の過度の変形の抑制という作用、効果を発揮することができるが、図7,9に示したシリンダブロック30を有するアキシャルピストンモータの場合は、シリンダブロック30が時計回りの回転方向Rのときのみ、薄肉部33の撓みや薄肉部33の過度の変形の抑制という作用、効果を発揮することができるにすぎない。
本発明に係る斜板式面圧回転機をアキシャルピストンモータに適用した変形例3は、図10に示すように、図7に示した円弧形状の溝34およびその溝34に充填された充填材40を、軸C0回りの回転方向R,−Rに直交してシリンダ31の中心C1を通る方向Sの線に対して対称となる位置にも、円弧形状の溝34を形成し、その溝34に充填材40を充填した構成である。
このように構成された変形例3のアキシャルピストンモータによれば、シリンダブロック30が時計回りの回転方向Rであっても、反時計回りの回転方向−Rであっても、薄肉部33の撓みや薄肉部33の過度の変形の抑制という作用、効果を発揮することができる。
また、シリンダ31の周囲に2つ形成された円弧形状の溝34,34同士を、図11に示すように繋いで、線Sに交差する単一の溝34とし、この単一の溝34に、充填材40を充填させた構成としてもよく、このように構成されたシリンダブロック30を有するアキシャルピストンモータによれば、シリンダブロック30が時計回りの回転方向Rであっても、反時計回りの回転方向−Rであっても、薄肉部33の撓みや薄肉部33の過度の変形の抑制という作用、効果を発揮することができる。
さらに、図10や図11にそれぞれ示したシリンダブロック30において、変形例1と同様に、溝34の外周側の輪郭を形成する壁面34aおよび充填材40の外周側の輪郭を形成する壁面40aに、外側に突出した凸部34b,40bをそれぞれ形成してもよく、このように構成されたアキシャルピストンモータによれば、変形例1のアキシャルピストンポンプ100と同様に、ピストン60とシリンダ31との摺動部で生じた熱の放熱性能を向上させることができる。
20 シャフト(回転軸)
30 シリンダブロック
31 シリンダ
32 開口部
33 薄肉部
34 溝
34a,40a 壁面
34b,40b 凸部
40 充填材
60 ピストン
R (時計回りの)回転方向
−R (反時計回りの)回転方向
100 アキシャルピストンポンプ
C0 軸
C1 中心
L 長さ(深さ)
L1,L2 長さ

Claims (5)

  1. 回転軸と、前記回転軸とともに前記回転軸の回りを回転する、前記回転軸の回りに複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、前記各シリンダに、前記回転軸に沿って移動自在に設けられたピストンと、前記回転軸に直交する面に対して傾斜した面を有し、前記シリンダブロックの回転に伴って前記ピストンを前記回転軸に沿って往復移動させる斜板とを備え、
    前記シリンダブロックの、前記シリンダの周囲のうち少なくとも一部に、溝が形成されているとともに、前記溝に、前記シリンダブロックよりも剛性の低い充填材が充填されていることを特徴とする斜板式液圧回転機。
  2. 前記溝は、前記シリンダブロックの、前記シリンダの周囲であって、前記シリンダの中心を軸とする円筒形状に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の斜板式液圧回転機。
  3. 前記溝は、前記回転軸に直交する面による断面において、前記シリンダの周囲に延びた円弧形状の輪郭を有し、前記円弧形状の輪郭が前記回転軸の延びた方向に沿って連なって延びた空間として形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の斜板式液圧回転機。
  4. 前記円弧形状は、前記各シリンダの周囲のうち、前記シリンダブロックの回転方向の後方の部分を含む範囲に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の斜板式液圧回転機。
  5. 前記溝および前記充填材は、前記回転軸に直交する面による断面において、外周側の輪郭を形成する壁面に凸部または凹部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の斜板式液圧回転機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020118090A (ja) * 2019-01-24 2020-08-06 東京計器株式会社 ピストン型液圧装置及びその製造方法

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