JP2013141706A - 把持具及び把持方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状に配列された複数の被把持体を、その配列を崩すことなくハンドリングすること。
【解決手段】軸線O3を中心として環状に配列された状態で保持されている複数の被把持体3を把持する把持具であって、複数の被把持体の配列状態を維持したまま、これら被把持体が挿入可能とされる環状凹部63が形成された基部(60、61)と、環状凹部における内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に設けられ、挿入された複数の被把持体を他方側に向けて押圧可能な環状の弾性体64と、を備える把持具14を提供する。
【選択図】図19

Description

本発明は、環状に配列された被把持体を把持する把持具及び把持方法に関するものである。
従来から軸受装置の1つとして、内輪や外輪等に複数のニードル(被把持体)が円環状に配列されて組み込まれたニードルベアリングが知られている。このニードルベアリングを組み立てる場合には、機械によって自動的に行うことが困難であるため、手作業で行われることが多い。例えば、外輪の内周面に作業者がグリスを塗布した後、外輪内にニードルを順次挿入して内周面に組み込む等の作業を行っている。
しかしながら、手作業による組み立ての場合では、生産性が低いうえ、ヒューマンエラーが生じ易い。そのため、自動化が望まれているのが現状である。
ところで、ニードルベアリングを組み立てるにあたって、グリスが塗布されたニードルを治具内で予め円環状に配列させておき、これら複数のニードルをその配列を維持したまま外輪と内輪との間に挿入させることで、組み立てを行う組立装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−242948号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の組立装置では、治具内において円環状に配列された複数のニードルを、エアシリンダを利用して押し出すことで、外輪と内輪との間の空間に挿入させている。そのため、上記治具と、外輪及び内輪とが互いに接近した位置関係となるように構成する必要があり、組み立ての自動化を実現するにあたって設計上の制約を受け易い。そのため、設計の自由度に改善の余地が残されていた。
ところが、上記組立装置では、治具内で円環状に配列されたニードルを、その配列を崩さずに把持しながら離れた位置まで搬送するといったことができるものではない。従って、上記改善を行うことが難しかった。
このように、ニードルベアリングの組み立てを自動化するにあたり、その装置構成の自由度を高めるためには、その前提として、予め配列された複数のニードルを、その配列を崩すことなくハンドリング(把持及び搬送)することが必要とされるが、これを実現可能とさせるものが見当たらなかった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、環状に配列された複数の被把持体を、その配列を崩すことなくハンドリングすることができる把持具及び把持方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る把持具は、軸線を中心として環状に配列された状態で保持されている複数の被把持体を把持する把持具であって、複数の前記被把持体の配列状態を維持したまま、これら被把持体が挿入可能とされる環状凹部が形成された基部と、前記環状凹部における内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に設けられ、挿入された複数の前記被把持体を他方側に向けて押圧可能な環状の弾性体と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る把持具によれば、環状凹部が形成された基部を備えているので、環状に配列されている複数の被把持体を環状凹部内にその配列を崩すことなく一括して挿入することができる。
この際、環状凹部における内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に環状の弾性体が設けられているので、環状凹部内に挿入されたこれら被把持体に対して均等に接触しながら他方側に押圧して、これら被把持体を押さえ付けることができる。これにより、複数の被把持体は環状凹部内において確実に保持された状態となり、環状凹部内からの脱落が防止される。しかも、環状の弾性体が複数の被把持体を径方向に均等に押圧することができるので、環状凹部内において各被把持体を同じ条件で各別に押さえ付けることができる。そのため、複数の被把持体を例えば周方向にがたつかせることなく、確実にその配列を維持したまま環状凹部内で保持できる。従って、環状に配列された複数の被把持体を、その配列を崩すことなくハンドリングすることができる。
(2)上記本発明に係る把持具において、前記基部は、把持軸に沿って延在し、配列された複数の前記被把持体に対してその先端面が配向可能とされた軸体と、該軸体の径方向外側に装着され、該軸体との間に、前記先端面側に開放された状態で前記把持軸を中心として環状に形成された前記環状凹部を画成させる外筒と、を備え、前記弾性体は、前記軸体及び前記外筒のうちの少なくともいずれか一方に設けられ、前記外筒は、前記軸体に対して前記把持軸方向に相対的に移動可能とされ、前記軸体と前記外筒との相対的な移動に伴って、前記弾性体による前記複数の被把持体への前記押圧及びその解除が切り替わることが好ましい。
この場合には、軸体に対して外筒を相対的に移動させることで、環状凹部に対する弾性体の位置を変化させることができ、該弾性体による押圧を解除することができる。従って、例えば軸体を搬送させた後、複数の被把持体を環状凹部内から容易に引き抜くことが可能となり、例えば他部材に受け渡すことも可能である。
(3)上記本発明に係る把持具において、前記被把持体は棒状に形成され、前記環状凹部は、前記先端面から前記把持軸に沿った底部までの長さが前記被把持体の全長よりも短く形成されていることが好ましい。
この場合には、環状凹部における先端面から底部までの長さ(凹部の深さ)が、被把持体の全長よりも短いので、複数の被把持体を環状凹部内に挿入した際、被把持体の一部を先端面側に突出させることができる。そのため、搬送後、これら複数の被把持体を収納凹部内から容易に取り出すことが可能である。
(4)上記本発明に係る把持具において、前記軸体は、前記先端面側に向けて漸次縮径するように先端縁部がテーパ状に面取りされていることが好ましい。
この場合には、軸体の先端縁部がテーパ状に面取りされているので、環状凹部内に複数の被把持体を挿入させた際、先端面側に突出した部分が径方向内側に移動するように、被把持体の姿勢を上記テーパ形状に倣って傾斜させることができる。これにより、突出した部分が窄まるように複数の被把持体の姿勢を傾斜させた状態で保持できる。従って、例えばこれら複数の被把持体を、筒状の他部材の内部に容易に挿入しながら受け渡しを行うといったことも可能である。
(5)本発明に係る把持方法は、把持軸に沿って延在した軸体と、該軸体の径方向外側に該軸体に対して把持軸方向に相対的に移動可能に装着され、該軸体との間に、軸体の先端面側に開放された状態で前記把持軸を中心として環状に形成された環状凹部が画成された外筒と、を備える把持具を利用して、軸線を中心として環状に配列された状態で保持されている複数の被把持体を把持する把持方法であって、前記把持軸を前記軸線に一致させた状態で、前記環状凹部内に複数の前記被把持体を挿入させる挿入工程と、前記環状凹部内に挿入された複数の前記被把持体を搬送した後、前記軸体と前記外筒とを前記把持軸方向に相対的に移動させて、前記弾性体による被把持体への前記押圧を解除する解除工程と、を備え、前記軸体及び前記外筒のうちの少なくともいずれか一方には、前記環状凹部内に挿入された前記複数の被把持体を他方側に向けて押圧する環状の弾性体が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る把持方法によれば、挿入工程において、軸体の把持軸を軸線に一致させた状態で先端面側を複数の被把持体側に向けながら軸体を被把持体に接近させることで、これら複数の被把持体を環状凹部内に配列を崩すことなく一括して挿入することができる。
この挿入工程の際、環状の弾性体が環状凹部内に挿入されたこれら被把持体に対して均等に接触しながら径方向に均等に押圧して、軸体の外周面又は外筒の内周面との間でこれら被把持体を押さえ付ける。これにより、複数の被把持体は環状凹部内において確実に保持された状態となり、環状凹部内からの脱落が防止される。
しかも、環状の弾性体が複数の被把持体を径方向に均等に押圧するので、環状凹部内において各被把持体を同じ条件で各別に押さえ付けることができる。そのため、複数の被把持体を例えば周方向にがたつかせることなく、確実にその配列を維持したまま環状凹部内で保持できる。
次いで、環状凹部内に挿入された複数の被把持体を搬送することで、環状に配列された複数の被把持体をその配列を崩すことなくハンドリングすることができる。そして、搬送後、軸体に対して外筒を相対的に移動させる解除工程を行うことで、環状凹部に対する弾性体の位置を変化させることができ、該弾性体による押圧を解除することができる。これにより、複数の被把持体を環状凹部内から容易に引き抜くことが可能となり、例えば他部材に受け渡すことも可能である。
本発明によれば、環状に配列された複数の被把持体を、その配列を崩すことなくハンドリングすることができる。
本発明に係る組立装置によって組み立てられたニードルベアリングの断面図である。 図1に示すニードルベアリングの正面図である。 本発明に係る組立装置の全体構成図である。 図3に示す組立装置を構成するニードル搬送ユニット及びニードル整列ユニットの断面図である。 図4に示すA−A線に沿った断面図である。 図3に示す組立装置を構成する外輪固定ユニットの断面図である。 図3に示す組立装置を構成する、本発明に係る把持具の断面図である。 図7に示す把持具を軸体の先端面側から見た平面図である。 図7に示す状態から駆動筒を軸体の先端面側に移動させた状態を示す断面図である。 図3に示す組立装置を構成する押し治具の断面図である。 図10に示す押し治具をロッドの先端面側から見た平面図である。 図3に示す組立装置を利用して、図1に示すニードルベアリングを組み立てる際の一工程図であって、ストッカの計数孔内に所定本数のニードルを収容させた状態を示す断面図である。 図12に示す状態から、ストッカを下降端位置まで下降させ、計数孔内のニードルを治具内の収容空間内に押し出している状態を示す図である。 図13に示す状態から、収容空間内にニードルを円環状に配列させた状態を示す図である。 図14に示す状態から、円環状に配列されたニードルに対して把持具を対向配置させた状態を示す図である。 図15に示す状態から、把持具の軸体を回転軸体側に接近させ、軸体の先端面を回転軸体の先端面に当接させた状態を示す図である。 図16に示す状態から、押し出し筒部によりニードルを把持具側に押し出した状態を示す図である。 図17に示す状態から、把持具の駆動筒を移動させて、環状凹部内にニードルを挿入させて該ニードルを把持した状態を示す図である。 図18に示す状態の後、把持具を回転軸体及び治具から離間させた状態を示す図である。 図19に示す状態の後、ロータリーを回動させて把持具を組み込みステーションに位置した外輪に対して対向配置させた状態を示す図である。 外輪に対して把持具を対向配置させた状態を示す図である。 図21に示す状態から、把持具の軸体を外輪側に接近させ、把持しているニードルの一部を外輪内に挿入させた状態を示す図である。 図22に示す状態から、把持具の駆動筒を移動させて、Oリングによるニードルの押圧を解除させた状態を示す図である。 図23に示す状態の後、把持具を外輪から離間させ、ニードルを外輪に受け渡した状態を示す図である。 図24に示す状態の後、ロータリーを逆方向に回動させて押し治具を組み込みステーションに位置した外輪に対して対向配置させた状態を示す図である。 外輪に対して押し治具を対向配置させた状態を示す図である。 図26に示す状態から、押し治具のロッドを外輪側に接近させ、環状突起により外輪の外部に突出しているニードルを外輪内に押し込んでいる状態を示す図である。 図27に示す状態の後、押し治具を外輪から離間させ、ニードルベアリングの組み立てを完了させた状態を示す図である。 ニードルベアリングの変形例を示す断面図である。 本発明に係る組立装置の変形例であって、図29に示すニードルベアリングを組み立てる場合の組立装置の全体構成図である。 本発明に係る把持具の変形例を示す図である。 本発明に係る把持具の別の変形例を示す図である。 本発明に係る把持具のさらに別の変形例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の組立装置は、図1及び図2に示すシェル形のニードルベアリング(軸受装置)1を組み立てる装置である。
<ニードルベアリング>
上記ニードルベアリング1は、内周面が転動面とされた円筒状の外輪2と、この外輪2の中心軸O1を中心として円環状に配列された状態で、外輪2の内周面上に転動自在に保持された複数のニードル(本願の被把持体の一例であり、棒状の転動体の一例でもある)3と、で構成される。
図示の例では、その全長L1が中心軸O1に沿った外輪2の厚みと一致しており、外輪2の内周面の全面に亘って組み込まれている。そして、これら複数のニードル3は互いに線接触し合いながら周方向に並んでいるので、径方向の内側に抜け落ち難い(内周面上から離間し難い)構成とされている。なお、これら複数のニードル3は、外輪2の内周面に塗布された図示しないグリスによって、潤滑性が維持されている。
<組立装置の構成>
図3に示すように、組立装置10は、作業者によってセットされた外輪2内に、円環状に配列された複数(所定本数)のニードル3を挿入することで、これら複数のニードル3を外輪2の内周面上に一括して組み込む自動組立装置であって、ニードル供給ユニット11、ニードル搬送ユニット12、ニードル整列ユニット13、把持具14、押し治具15、外輪固定ユニット16、及びこれらを総合的に制御する制御部17を備えている。
(ニードル供給ユニット)
上記ニードル供給ユニット11は、ニードル3を1つずつニードル搬送ユニット12に対して連続的に供給するパーツフィーダであって、多数のニードル3を例えば振動等によって収納するボウル状の収納部20と、収納されているニードル3を1つずつ連続して搬送ユニットに供給するシュート部21と、を備えている。
上記ニードル搬送ユニット12は、供給されてきたニードル3を平行に並べながら、ニードルベアリング1の組み立てに必要な所定本数のニードル3をニードル整列ユニット13に搬送するユニットである。また、上記ニードル整列ユニット13は、上記所定本数のニードル3を、予め円環状に配列させた状態で保持するユニット(保持部材)である。
これらニードル搬送ユニット12及びニードル整列ユニット13について、詳細に説明する。
(ニードル搬送ユニット)
図4に示すように、ニードル搬送ユニット12は、上記シュート部21によって待機位置P1に搬送されてきたニードル3を供給位置P2まで搬送する搬送ロッド30と、供給位置P2まで搬送されたニードル3を一定本数溜め込むと共に、その中からニードルベアリング1を組み立てるのに必要な所定本数のニードル3を計数してニードル整列ユニット13に搬送する計数部31と、を備えている。
搬送ロッド30は、搬送シリンダ32によって搬送方向Eに沿って往復移動するロッドとされている。この搬送ロッド30の下方には、第1支持台33が上記搬送方向Eに配設され、さらにこの第1支持台33の搬送方向Eの下流側に第2支持台34が第1支持台33に連結した形で搬送方向Eに沿って配設されている。
第1支持台33は、待機位置P1に搬送されたニードル3を供給位置P2に搬送するまでの間、支持する支持台であり、第2支持台34は供給位置P2に搬送されたニードル3を後述するストッカ38に収容されるまでの間、支持する支持台である。そして、第1支持台33と第2支持台34との連結部分には微小な段差が形成されており、この段差部分が上記供給位置P2とされている。
また、搬送ロッド30には、待機位置P1に搬送されてきたニードル3を押圧する押圧面30aと、該押圧面30aからニードル3が離間することを防止する鉤部30bと、が形成されている。これにより、搬送シリンダ32により搬送ロッド30を移動させることで、待機位置P1に搬送されてきたニードル3を、押圧面30aで押圧しながら供給位置P2まで確実に搬送することが可能とされている。この際、搬送ロッド30は、先に供給位置P2まで搬送したニードル3を搬送方向Eの下流側に(ニードル整列ユニット13が位置する側)に押しながら搬送している。
なお、第2支持台34には、ニードル3を挟んで一対のガイド壁34aが設けられており、ニードル3の搬送をガイドしている。
上記計数部31は、供給位置P2まで搬送されてきたニードル3が搬送方向Eの下流側にひとりでに移動することを規制する重り部36と、第2支持台34上に溜まったニードル3を搬送方向Eの下流側に付勢する付勢プレート37と、ニードルベアリング1を組み立てるのに必要な所定本数のニードル3が収納されるストッカ38と、を備えている。
重り部36は、搬送ロッド30によって押される第2支持台34上のニードル3を搬送方向Eの上流側(待機位置P1側)に寄せている。そして、この重り部36は、搬送ロッド30が先に供給位置P2に搬送されたニードル3を搬送方向Eの下流側に押すたびに、ニードル3と一体となって搬送方向Eの下流側に移動可能とされている。
付勢プレート37は、第2支持台34上に供給された複数のニードル3の一部を、搬送方向Eの下流側に位置するストッカ38側に付勢する役割を果している。
ストッカ38は、駆動シリンダ39により上昇端位置Q1と下降端位置Q2との範囲で上下方向に往復移動可能とされている。そして、このストッカ38には、上記搬送方向Eに沿って該ストッカ38を貫通する計数孔38aが形成されている。この計数孔38aは、ニードルベアリング1を組み立てるのに必要な所定本数のニードル3を収容可能な寸法に設定されている。
そして、ストッカ38が上昇端位置Q1に位置している場合には、付勢プレート37は計数孔38a内にニードル3を供給することが可能とされている。これに対して、ストッカ38が下降端位置Q2に位置している場合には、該ストッカ38の壁部38bにニードル3が押し付けられ、付勢プレート37は停止させられる。なお、ストッカ38が下降端位置Q2に位置することで、上記計数孔38aがニードル整列ユニット13の後述する連通路41aに連通する。
なお、制御部17は、図示しないセンサにより付勢プレート37が付勢するニードル3の本数が、ニードルベアリング1を組み立てるのに必要な所定本数よりも少ないことを検知すると、図示しないプレート移動機構により付勢プレート37をニードル3に干渉させることなく一旦上昇させると共に、図示しない重り部移動機構により重り部36を上昇させる。そして、プレート移動機構により上昇させた付勢プレート37を戻り位置Rに配置させた後、再度ニードル3を付勢させる制御を行う。また、重り部移動機構により、戻り位置Rよりも搬送方向Eの上流側に配置されているニードル3に当接するように重り部36を配置させる。
(ニードル整列ユニット)
ニードル整列ユニット13は、図4及び図5に示すように軸線O2を中心に回転させられる回転軸体40と、該回転軸体40を径方向の外側から間隔を開けて囲むと共に、回転軸体40との間に、ニードル3を円環状に配列させた状態で収容可能とさせる円環状の収容空間Sを画成させる治具41と、ストッカ38の計数孔38a内に収容された複数(所定本数)のニードル3を収容空間S内に押し込む押し込みロッド42と、を備えている。
上記回転軸体40は、図示しないモータ等の駆動源によって軸線O2回りに回転させられる部材であり、その先端面40aは平坦面とされている。治具41は、例えば回転軸体40の径方向に分割及び結合可能な治具とされており、その内部にニードル3を組み込むための連通路41aが形成されている。この連通路41aは、ストッカ38が下降端位置Q2に位置した際に、該ストッカ38の計数孔38aと収容空間Sとを連通させる通路とされている。
また、この治具41には、回転軸体40の先端面40aを露出させると共に、収容空間Sをその先端面40a側に開放させる開放凹部41bが形成されている。この開放凹部41bは、軸線O2を中心に側面視円形状に形成され、その大きさは収容空間Sよりも拡径したサイズとされている。
ところで、回転軸体40には、該回転軸体40を径方向の外側から囲む押し出し筒部43(図5参照)が装着されている。この押し出し筒部43は、回転軸体40に対して軸線O2方向に移動可能とされており、収容空間S内に円環状に配列されたニードル3を開放凹部41b側に押し出す役割を果している。
上記押し込みロッド42は、ストッカ38が下降端位置Q2に位置した際に、計数孔38a内に挿入可能な位置に配置されており、駆動シリンダ44により搬送方向Eに往復移動可能とされている。そして、制御部17は、ストッカ38が下降端位置Q2に位置したときに押し込みロッド42を計数孔38a内に進入させて、収容されている複数のニードル3を、連通路41aを通じて収容空間S内に押し出すように制御している。また、制御部17は、このとき同時に回転軸体40を回転させてニードル3を収容空間S内の周方向に誘導させる。
これにより、複数のニードル3は、押し込みロッド42による押し出しと、回転軸体40による周方向への誘導と、の相互作用によって収容空間S内に円滑に組み込まれて円環状に配列される。なお、このとき複数のニードル3は、長手方向を軸線O2方向に一致させた状態で、円環状に配列される。
ところで、図3に示すように、上記したニードル供給ユニット11、ニードル搬送ユニット12及びニードル整列ユニット13は、基台18上にそれぞれ配置されている。その際、ニードル整列ユニット13が基台18の略中央部分に位置し、ニードル搬送ユニット12の搬送方向Eが基台18の左右方向Xに一致するように配置されている。
また、この基台18上には、組立装置10の残りの構成品である、把持具14、押し治具15、外輪固定ユニット16がそれぞれ配置されている。このうち外輪固定ユニット16は、基台18上において上記左右方向Xに直交する前後方向Yに沿って伸びたガイドレール50上に、その前後方向Yに移動可能に固定されている。
具体的には、外輪固定ユニット16は、外輪2がセットされるセットステーションS1と、外輪2内に所定本数のニードル3が挿入されて組み込まれる組み込みステーションS2と、の間で往復移動可能とされている。
(外輪固定ユニット)
上記外輪固定ユニット16は、図6に示すように、外輪2が嵌め込まれるV字状の溝部51aが形成された固定プレート51と、溝部51aに嵌め込まれた外輪2を固定プレート51との間で押さえ込む押さえプレート52と、を備えている。これにより、外輪2をがたつかせることなく、安定して固定することが可能とされている。この際、外輪2は、図3に示すように中心軸O1が基台18の左右方向Xに一致した姿勢で固定される。
また、図3に示すように、上記した外輪固定ユニット16への外輪2のセット、及び組み立てが完成したニードルベアリング1を外輪固定ユニット16から回収する作業は、上記したセットステーションS1で作業者によって行われる。
このセットステーションS1において、ガイドレール50に隣接する部分には、カメラユニット55が配置されている。このカメラユニット55は、組み立てが完成したニードルベアリング1を撮像し、その撮像画像を制御部17に出力する。すると、制御部17は、その撮像画像に基づいて、外輪2内にニードル3が正しく組み込まれているか否かを少なくとも判断し、品質の良否をチェックしている。
また、組み込みステーションS2において、ガイドレール50に隣接する部分には、前後方向Y及び左右方向Xに直交する上下方向Zに延びた回動軸O3回りに回動するロータリー56が設けられており、このロータリー56に把持具14及び押し治具15がそれぞれ設けられている。
具体的には、把持具14及び押し治具15は、回動軸O3を中心として90度の間隔を開けて配置されている。そして、把持具14は、ロータリー56の回転に伴って、上記ニードル整列ユニット13における開放凹部41bに対して対向配置される位置と、組み込みステーションS2に位置する外輪2に対して対向配置される位置と、の間を往復移動する。同様に、押し治具15は、ロータリー56の回転に伴って、組み込みステーションS2に位置する外輪2に対して対向配置される位置と、カメラユニット55側に向いた位置と、の間を往復移動する。
(把持具)
上記把持具14について説明する。
この把持具14は、ニードル整列ユニット13によって、軸線O2(本願の軸線の一例)を中心として円環状(本願の環状の一例)に配列された状態で保持されている複数のニードル3を、その配列を維持したまま把持することで受け取って、組み込みステーションS2に位置する外輪2までロータリー56の回動に伴って搬送した後、これら複数のニードル3の一部をグリスが内周面に塗布された外輪2内に中心軸O1に沿って挿入して該内周面上に受け渡すハンドリング部材である。
詳細に説明する。
図7及び図8に示すように、把持具14は、把持軸O4に沿って進退自在とされた軸体60(本願の軸体の一例)と、該軸体60の径方向外側に装着された円筒状の駆動筒61(本願の外筒の一例)と、を備えている。
軸体60の基端側は、上記ロータリー56に固定された駆動シリンダ62に連結されている。これにより、軸体60はロータリー56に支持されると共に把持軸O4に沿って進退自在とされている。軸体60の先端面60aは平坦面とされ、ロータリー56の回転に伴ってニードル整列ユニット13側、及び組み込みステーションS2に位置する外輪2側に配向可能とされている。
駆動筒61は、軸体60に対して把持軸O4方向に相対的に移動可能とされており、制御部17によって制御される図示しない駆動機構によって移動させられる。そして、図9に示すように、軸体60と駆動筒61との間には、軸体60の先端面60a側に開放された状態で把持軸O4を中心として環状に形成され、複数のニードル3の一部を先端面60a側に突出させた状態で、複数のニードル3が挿入可能とされる環状凹部63(本願の環状凹部の一例)が画成されている。
図示の例では、軸体60の先端部が他の部分よりも縮径した縮径部60bとされ、この縮径部60bの外周面と駆動筒61の内周面との間で環状凹部63を画成している。また、この環状凹部63は、軸体60の先端面60aから把持軸O4に沿った底部までの長さL2がニードル3の全長L1よりも短く形成されている。これにより、環状凹部63内にニードル3が挿入された際、その一部が先端面60a側に確実に突出される。
また、軸体60及び駆動筒61のうちの少なくともいずれか一方には、環状凹部63内に挿入された複数のニードル3を径方向に均等に押圧して、軸体60の外周面又は駆動筒61の内周面との間で押さえ付ける環状の弾性体が設けられている。
具体的には、駆動筒61の内周面にOリング(本願の環状の弾性体の一例)64が固定されており、環状凹部63内に挿入された複数のニードル3に対して径方向の外側から均等に接触しながら弾性復元力により径方向の内側に押圧して、これらニードル3を軸体60における縮径部60bの外周面との間で押さえ付けることが可能とされている。
ところで、駆動筒61は、軸体60に対する移動によって、上記Oリング64を、縮径部60bを径方向の外側から囲む位置(図9参照)から、図7に示すように軸体60の基端側に移動させることが可能とされている。これにより、画成されていた環状凹部63が径方向に開放されると共に、Oリング64による複数のニードル3への押圧が解除されることとなる。
つまり、駆動筒61を軸体60の先端面60a側に移動させることで、環状凹部63の画成とOリング64による押圧がなされ、駆動筒61を軸体60の基端側に移動させることで、Oリング64による上記押圧が解除される。
なお、本実施形態では、軸体50と駆動筒61とをそれぞれ異なる部材から構成される場合を例に挙げて説明したが、ニードル3を把持する機能を発揮させる点に限れば、これらを例えばその外形部分を保持したまま一体化させて一つの部材として構成しても構わない。
例えば、軸体60と駆動筒61とを一体化させて基部(本願の基部の一例)として構成し、この基部に環状凹部63及びOリング64を設けるようにしても良い。
このように軸体60と駆動筒61とを一体化させた把持具は、例えば、ニードル供給ユニット11によって供給され配列されたニードル3を把持して、このニードル3の配列状態や傷等の不良が生じてないか(ニードル供給ユニット11が正常に動作しているか否か)を確認するために用いることができる。即ち、この把持具は、ニードル供給ユニット11の検査用治具として利用することもできる。
(押し治具)
次いで、上記押し治具15について説明する。
この押し治具15は、図3に示すように、上記把持具14によって組み込みステーションS2に位置する外輪2内に挿入された複数のニードル3のうち、外輪2の外部に突出した残りの部分を中心軸O1に沿って外輪2内に押し込み、これら複数のニードル3を完全に外輪2の内周面上に組み付けるプッシャー部材である。
詳細に説明する。
図10及び図11に示すように、押し治具15は、外輪2の中心軸O1に沿って進退自在とされ、その先端面70aが外輪2側に配向されたロッド70を備えている。
このロッド70の基端側は、上記ロータリー56に固定された駆動シリンダ71に連結されている。これにより、ロッド70はロータリー56に支持されると共に中心軸O1に沿って進退自在とされている。ロッド70の先端面70aには、複数のニードル3に対して当接可能な円環状の環状突起72が突設されている。これにより、ロッド70を外輪2側に移動させることで、環状突起72を利用して外輪2の外部に突出したニードル3を押し込むことが可能とされている。
上述のように構成された各構成部材は、先に述べたように制御部17によって総合的に作動が制御されているが、図3に示すように該制御部17は基台18上に設けられた2つの開始ボタンBが同時に押されることで制御を開始して、ニードルベアリング1の組み立てを行う。
<組み立て方法>
次に、上記した組立装置10を利用して、ニードルベアリング1の組み立てを行う場合について説明する。
なお、初期状態としては、図3に示すように、外輪固定ユニット16がセットステーションS1に位置している。また、ニードル供給ユニット11の収納部20内には多数のニードル3が収納されており、ニードル搬送ユニット12の第2支持台34上には複数のニードル3が搬送方向Eに沿って配列されている。更に、把持具14がニードル整列ユニット13に対向し、且つ押し治具15が組み込みステーションS2に対向する位置に待機するように、ロータリー56が停止している。
上記初期状態のもと、作業者がセットステーションS1に位置する外輪固定ユニット16に外輪2を固定させた後、2つの開始ボタンBを同時に押すと、制御部17が各構成品の作動を開始させる。なお、作業者は、予め外輪2の内周面にグリスを例えば膜状に薄く塗布した後に、外輪固定ユニット16にセットする。
なお、外輪2の固定、又はグリスの塗布は、図示しない機械的機構(例えばロボットアーム等)により、自動的に行わせるようにしても良い。
作動が開始されると、まず外輪固定ユニット16がガイドレール50に沿って前後方向Yに移動し、組み込みステーションS2に位置する。これにより、外輪2はニードル3の組み込みが可能とされる待機状態に移行する。
また、ニードル搬送ユニット12の重り部36が作動して、図12に示すように、ニードルベアリング1の組み立てに必要な所定本数のニードル3を上昇端位置Q1に位置するストッカ38の計数孔38a内に収容させる。収容後、図13に示すように、ストッカ38は下降端位置Q2まで下降させられる。これにより、ストッカ38の計数孔38aと、ニードル整列ユニット13における治具41の連通路41aとが連通した状態となる。
すると、ニードル整列ユニット13の回転軸体40が軸線O2回りに回転すると共に、押し込みロッド42が作動してストッカ38の計数孔38a内に収容されている複数のニードル3を、連通路41aを通じて円環状の収容空間S内に押し込む。これにより、図14に示すように、複数のニードル3は、回転軸体40による回転と、押し込みロッド42による押し込みと、の相互作用によって収容空間S内にて円環状に整列された状態で保持される。
なお、上述した過程と同時に、ニードル供給ユニット11がニードル搬送ユニット12の第1支持台33にニードル3を連続的に1つずつ供給している。そのため、第2支持台34上には、次のニードルベアリング1の組み立てに備えてニードル3が徐々に蓄えられていく。
そして、ニードル整列ユニット13によって所定本数のニードル3が円環状に配列されると共に、組み込みステーションS2に外輪2が待機したことを受けて、ロータリー56、把持具14及び押し治具15が適宜作動し、外輪2内への所定本数のニードル3の組み込みを開始する。
具体的には、円環状に配列されている所定本数のニードル3を、その配列を維持したまま把持具14で把持して受け取る受け取り工程と、受け取ったニードル3を把持具14で外輪2まで搬送した後、ニードル3の一部を外輪2内に挿入して内周面上に受け渡す受け渡し工程と、外輪2の外部に突出したニードル3の残りの部分を押し治具15を利用して外輪2内に押し込み、ニードル3を完全に外輪2の内周面上に組み付ける押し込み工程と、を行うことで、組み立てを行う。
以下、これら工程について詳細に説明する。
はじめに、上記受け取り工程を行う。
図15に示すように、ニードル整列ユニット13に対して対向配置されている把持具14は、治具41等によって円環状に配列されているニードル3の軸線O2と、軸体60の把持軸O4とが一致した状態とされる。また、この段階では、駆動筒61は軸体60の基端側に待機しており、軸体60における縮径部60bを径方向の外側から囲む位置には達していない。
次いで、図16に示すように、駆動シリンダ62によって軸体60を移動させて回転軸体40に接近させ、軸体60の先端面60aを回転軸体40の先端面40aに当接させる。当接後、図17に示すように、回転軸体40に装着された押し出し筒部43を把持具14側に移動させ、円環状に配列されたニードル3を把持具14側に押し出す。これにより、押し出されたニードル3は、その配列を維持したまま、その一部が軸体60における縮径部60bの外周面に配設される。
次いで、図18に示すように、軸体60に装着された駆動筒61を軸体60の先端面60a側に移動させる。なお、このとき軸体61の先端部は、治具41に形成された開放凹部41b内に進入する。これにより、円環状に配列されたニードル3の一部を、その配列を維持したまま環状凹部63内に一括して挿入させることができる(挿入工程)。
特に、Oリング64が環状凹部63内に挿入されたこれらニードル3に対して径方向の外側から均等に接触しながら、径方向の内側に押圧して軸体60における縮径部60bの外周面との間でこれらニードル3を押さえ付ける。これにより、複数のニードル3は、環状凹部63内において確実に保持された状態となり、環状凹部63内からの脱落が防止される。
しかも、Oリング64がこれらニードル3を径方向の内側に均等に押圧するので、環状凹部63内で各ニードル3を同じ条件で各別に押さえ付けることができる。そのため、複数のニードル3を例えば周方向にがたつかせることなく、確実にその配列を維持したまま環状凹部63内で安定に保持できる。
次いで、図19に示すように、駆動シリンダ62によって軸体60を移動させ、該軸体60を回転軸体40から離間させる(退避工程)。これにより、把持具14を利用した上記受け取り工程が終了する。
次いで、把持具14を利用した上記受け渡し工程を行う。
まず、図20に示すように、ロータリー56を略90度回動させて、ニードル整列ユニット13に対して対向配置されていた把持具14を、組み込みステーションS2に位置する外輪2に対して対向配置させる。これにより、把持されたニードル3は、把持具14によって外輪2まで搬送された状態となる。また、図21に示すように、把持具14は、外輪2の中心軸O1と軸体60の把持軸O4とが一致した状態とされる。
次いで、図22に示すように、駆動シリンダ62によって軸体60を移動させて外輪2に接近させ、把持したニードル3のうち環状凹部63から突出した部分を中心軸O1に沿って外輪2内に挿入させる(組み込み工程)。すると、複数のニードル3は、外輪2内に挿入された一部がグリスの粘着力によって内周面上に保持される。
なお、このとき軸体60を外輪2内に挿入させる必要がない。
次いで、図23に示すように、軸体60に装着された駆動筒61を軸体60の基端側に移動させて、Oリング64による複数のニードル3への押圧を解除する。この際、上記したように、複数のニードル3は、グリスによる粘着力によって内周面上に保持されているので、外輪2から外れることがない。
そして、図24に示すように、駆動シリンダ62によって軸体60を移動させ、該軸体60を外輪2から離間させて、ニードル3を外輪2の内周面上に完全に受け渡す(離間工程)。これにより、複数のニードル3を円環状に配列させたままの状態で、把持具14から外輪2に受け渡すことができる。
この段階で、上記受け渡し工程が終了する。また、この段階ではニードル3の一部は外輪2の外部に突出した状態とされている。
次いで、押し治具15を利用した上記押し込み工程を行う。
まず、図25に示すように、ロータリー56を先程とは逆方向に略90度回動させて、押し込み治具41を組み込みステーションS2に位置する外輪2に対して対向配置させると共に、把持具14を再度ニードル整列ユニット13に対して対向配置させる。
これにより、把持具14は、次ぎのニードルベアリング1の組み立てのために、ニードル3の受け取り待ち状態に移行する。
一方、押し治具15は、図26に示すように、ロッド70が外輪2の中心軸O1に対して同軸に位置する。そして、図27に示すように、駆動シリンダ71によってロッド70を移動させて外輪2に接近させ、環状突起72を利用して、ニードル3のうち外輪2の外部に突出した部分を外輪2内に押し込む。これにより、ニードル3を外輪2内に完全に押し込んで、内周面上に保持させることができる。
次いで、図28に示すように、駆動シリンダ71によってロッド70を移動させ、環状突起72を外輪2から離間させる。これにより、上記押し込み工程が終了する。その結果、外輪2内に複数のニードル3を円環状に配列させた状態で組み込むことができ、図1及び図2に示すニードルベアリング1を組み立てることができる。
最後に、図3に示すように、外輪固定ユニット16をガイドレール50に沿って前後方向Yに移動させ、再度セットステーションS1に位置させる。そして、組み立てられたニードルベアリング1をカメラユニット55で撮像し、その撮像画像を制御部17に出力する。そして、制御部17がその撮像画像に基づいて、ニードル3の数や組み込み状態等から品質の良否を判定する。ここで、「良」と判断されることで、ニードルベアリング1の組み立てが完全に終了する。
上述したように、本実施形態の組立装置10、及びそれを利用した組み立て方法によれば、作業者が外輪2をセットするだけで、自動的にこの外輪2内にニードル3を組み込んでニードルベアリング1を組み立てることができる。
特に、上記組み立てにおいて、円環状に配列されたニードル3を把持具14で把持した後、ニードル3の一部を外輪2内に挿入させるので、把持具14自身を外輪2に接触させたり、外輪2内に挿入させたりする必要がない。そのため、外輪2の内周面に塗布されたグリスが把持具14に付着することを抑制することができる。
また、押し治具15による押し込みを行った場合であっても、ニードル3のうち外輪2の外部に突出した残りの部分を押し込むだけであるので、やはりグリスが押し治具15に付着することを抑制することができる。
このように、予め円環状に配列されたニードル3を外輪2内に直接一度に完全挿入させるような方法とは異なり、ニードル3の配列を崩すことなく把持具14で一旦ハンドリングした後、その一部を外輪2内に挿入し、その後、ニードル3の残りの部分を押し治具15で押し込む方式であるので、把持具14及び押し治具15が共に外輪2に対して接触してしまうことを抑制でき、グリスが付着することを抑制することができる。
従って、グリスの粘着力による影響を受け難く、長期に亘って安定してニードルベアリング1を組み立てることができる。
また、上記組み立ては、本実施形態の把持具14を具備しているからこそ実現することができるものである。つまり、本実施形態の把持具14によれば、予め円環状に配列されているニードル3を、その配列を崩すことなくハンドリングできるので、ニードル整列ユニット13から離れた位置の外輪2に組み込むことが可能とされ、またその一部を外輪2から突出させた状態で組み込むといったことが可能となる。
しかも、Oリング64によって複数のニードル3を環状凹部63内でがたつき少なく安定して保持できるので、外輪2内にスムーズに挿入させ易い。加えて、駆動筒61の移動によってOリング64による押圧を容易に解除できるので、ニードル3を外輪2に対して容易に受け渡し易い。これらのことによって、組み立て作業を効率良く行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、外輪2の中心軸O1を基台18の左右方向Xに一致させるようにセットし、左右方向Xからニードル3を組み込むように組立装置10を構成したが、この場合に限定されるものではない。例えば、上下方向Zから外輪2内にニードル3を組み込んでも構わない。
また、上記実施形態では、外輪2内に、円環状に配列された複数のニードル3を一組組み込んだニードルベアリング1を例に挙げたが、例えば図29に示すように、外輪6内に、円環状に配列された複数のニードル3が、スペーサ部6aを挟んで中心軸O1方向に離間して2組、組み込まれたニードルベアリング5であっても良い。
この場合には、例えば図30に示すように、外輪固定ユニット16を挟んで、ニードル供給ユニット11、ニードル搬送ユニット12、ニードル整列ユニット13、把持具14及び押し治具15を、左右対称に設置した組立装置80とすれば良い。
また、上記実施形態では、ロータリー56に把持具14及び押し治具15を固定した構成としたが、例えば3次元アーム等を基台18上に設置し、これら3次元アームに把持具14及び押し治具15をそれぞれ固定した構成としても構わない。
また、図31に示すように、把持具14における軸体60の先端縁部を、先端面60a側に向けて漸次縮径するようにテーパ状に面取りして、面取り部81とすることが好ましい。
このようすることで、環状凹部63内にニードル3を挿入させた際、先端面60a側に突出した部分が径方向内側に移動するようにニードル3の姿勢をテーパ状の面取り部81に倣って傾斜させることができる。これにより、突出した部分が窄まるように複数のニードル3の姿勢を傾斜させた状態で保持できる。
従って、ニードル3の一部を外輪2内によりスムーズに挿入させることができ、外輪2への受け渡しがさらに容易となる。
また、上記実施形態では、断面視円形状のOリング64を把持具14に用いたが、断面視略三角形状や、断面視略D形状等、断面視多角形状の環状の弾性体であれば良い。また、その材質としては、ゴムやシリコンやエラストマー等、外力に対して所定の反発力を有し、弾性復元力を利用してニードル3を径方向に押圧できるものであれば本発明に適用可能である。
また、上記実施形態では、本願の弾性体の一例としてその形状が連続的に形成されるOリング64を適用したが、これに限定されるものではない。具体的には、その形状が断続的に形成された(即ち、分断された状態)ものであっても構わない。
また、上記実施形態では、Oリング64を駆動筒61の内周面に設けたが、この場合に限定されず、軸体60における縮径部60bの外周面に設けても構わない。この場合には、環状凹部63内に挿入されたニードル3を径方向の外側に押圧して、駆動筒61の内周面との間で押さえ付けるだけで、同様にニードル3を安定して保持することができる。
更に、駆動筒61の内周面及び縮径部60bの外周面にそれぞれOリング64を設けても構わない。
また、上記実施形態では、環状突起72の形状は、ニードル3に当接する外周面が突出し、それ例外の部分が陥没するように構成されているがこれに限定されず、例えばこの陥没部分を突出させた中実形状(ソリッド)としても構わない。
また、図32に示すように、駆動筒61側に段差部61aを形成することで、軸体60との間に環状凹部63を画成しても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏効することができる。いずれにしても、軸体60と駆動筒61との間に環状凹部63が形成されれば良い。
また、上記実施形態では、ニードルベアリング1を組み立てる組立装置10に把持具14を適用した場合を例に挙げたが、ニードル3を把持する場合に限定されるものではない。例えば、図33に示すように、予め円環状に配列されたボール90(本願の被把持体の一例)を環状凹部63内で一括して把持する把持具95であっても良い。
この場合には、例えば断面視D形状の環状の弾性体92を駆動筒61側に設ければ良い。こうすることで、上記ボール90を環状凹部63内から脱落させることなく、安定して保持することが可能である。
更に、被把持体としては、円環状に配列されている場合に限定されるものではなく、例えば軸線を中心に楕円状、四角形状等の多角形状に配列されていても構わない。即ち、軸線を中心に環状に配列されていれば良い。
この場合には、把持具の環状凹部をその配列に応じて形成すれば良い。こうすることで、環状に配列された複数の被把持体を、その配列を崩すことなく把持することが可能である。
O1…中心軸
O2…軸線
O4…把持軸
1、5…ニードルベアリング(軸受装置)
2、6…外輪
3…ニードル(被把持体、転動体)
10、80…組立装置
13…ニードル整列ユニット(保持部材)
14、95…把持具
15…押し治具
60…軸体
60a…軸体の先端面
61…駆動筒(外筒)
63…環状凹部
64…Oリング(環状の弾性体)
70…ロッド
72…環状突起
90…ボール(被把持体)
92…環状の弾性体

Claims (5)

  1. 軸線を中心として環状に配列された状態で保持されている複数の被把持体を把持する把持具であって、
    複数の前記被把持体の配列状態を維持したまま、これら被把持体が挿入可能とされる環状凹部が形成された基部と、
    前記環状凹部における内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に設けられ、挿入された複数の前記被把持体を他方側に向けて押圧可能な環状の弾性体と、を備えることを特徴とする把持具。
  2. 請求項1に記載の把持具において、
    前記基部は、
    把持軸に沿って延在し、配列された複数の前記被把持体に対してその先端面が配向可能とされた軸体と、
    該軸体の径方向外側に装着され、該軸体との間に、前記先端面側に開放された状態で前記把持軸を中心として環状に形成された前記環状凹部を画成させる外筒と、を備え、
    前記弾性体は、前記軸体及び前記外筒のうちの少なくともいずれか一方に設けられ、
    前記外筒は、前記軸体に対して前記把持軸方向に相対的に移動可能とされ、
    前記軸体と前記外筒との相対的な移動に伴って、前記弾性体による前記複数の被把持体への前記押圧及びその解除が切り替わることを特徴とする把持具。
  3. 請求項1又は2に記載の把持具において、
    前記被把持体は棒状に形成され、
    前記環状凹部は、前記先端面から前記把持軸に沿った底部までの長さが前記被把持体の全長よりも短く形成されていることを特徴とする把持具。
  4. 請求項3に記載の把持具において、
    前記軸体は、前記先端面側に向けて漸次縮径するように先端縁部がテーパ状に面取りされていることを特徴とする把持具。
  5. 把持軸に沿って延在した軸体と、該軸体の径方向外側に該軸体に対して把持軸方向に相対的に移動可能に装着され、該軸体との間に、軸体の先端面側に開放された状態で前記把持軸を中心として環状に形成された環状凹部が画成された外筒と、を備える把持具を利用して、
    軸線を中心として環状に配列された状態で保持されている複数の被把持体を把持する把持方法であって、
    前記把持軸を前記軸線に一致させた状態で、前記環状凹部内に複数の前記被把持体を挿入させる挿入工程と、
    前記環状凹部内に挿入された複数の前記被把持体を搬送した後、前記軸体と前記外筒とを前記把持軸方向に相対的に移動させて、前記弾性体による被把持体への前記押圧を解除する解除工程と、を備え、
    前記軸体及び前記外筒のうちの少なくともいずれか一方には、前記環状凹部内に挿入された前記複数の被把持体を他方側に向けて押圧する環状の弾性体が設けられていることを特徴とする把持方法。
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