JP2013141620A - ろ過膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高分子材料の多孔基材と、前記基材の表面を修飾する、分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造、及び前記構造に結合したN,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造と、を有するろ過膜。
【選択図】なし
Description
非特許文献1には、アシラーゼをキトサンで包理して、ろ過膜の表面改質を行う方法が開示されている。
また、特許文献1には、高分子表面の親水性を改善する技術として、ベタイン化合物を含有する単量体をグラフト重合する技術が開示されている。
非特許文献2には、放射線グラフト重合法により酵素固定用の高分子鎖を作製する技術が開示されているものの、当該方法により作製されたアシラーゼ固定化膜は、親水性を保つことができないため、非特許文献2に記載の技術をろ過膜に適用することはできない。
特許文献1に記載の表面グラフト化材料は、親水性を示すものの、ろ過膜として使用する際に重要となる透水性を付与しうる技術は開示されていない。
このような状況において、親水性及び透水性を保持しつつも、バイオフィルムの形成抑制をも実現し得るようなろ過膜の開発が待ち望まれていた。
前記の課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 高分子材料の多孔基材と、前記多孔基材の表面を修飾する、分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造、及び前記構造に結合したN,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造と、を有するろ過膜。
<2> 前記N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造が、酵素との複合体を形成している<1>に記載のろ過膜。
<3> 前記N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造が、酵素との複合体を形成しており、前記酵素が、バイオフィルムの形成を惹起するシグナル化合物の分解酵素及びバイオフィルム分解酵素からなる群より選ばれる少なくとも一種である<1>又は<2>に記載のろ過膜。
<4> 前記分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造と、前記N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造と、前記酵素とが、架橋剤で架橋された架橋構造を有する<2>又は<3>のいずれかに記載のろ過膜。
<5> 前記分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体が、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ビニルシクロヘキセン−1,2−エポキシド、4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート及び4−ビニルベンジルグリシジルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種である<1>〜<4>のいずれかに記載のろ過膜。
<6> 前記多孔基材が、多孔性プラスチックフィルム又は多孔性プラスチックシートである<1>〜<5>のいずれかに記載のろ過膜。
<7> 前記多孔基材が、オレフィン系繊維、フッ素樹脂系繊維及びセルロース系繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の繊維材料の集合体である<1>〜<6>のいずれかに記載のろ過膜。
<8> 前記バイオフィルムの形成を惹起するシグナル化合物の分解酵素が、アシラーゼ、アルドノラクトナーゼ、グルコノラクトナーゼ、ラクトナーゼ及びオートインデューサー2キナーゼからなる群より選ばれる少なくとも一種である<3>〜<7>のいずれかに記載のろ過膜。
<9> 前記バイオフィルム分解酵素が、デオキシリボヌクレアーゼI及びディスパーシンからなる群より選ばれる少なくとも一種である<3>〜<8>のいずれかに記載のろ過膜。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、又は、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、又は、いずれかを表す。
本発明にかかるろ過膜は、N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸(以下「DMGABA」とも言う。)由来の構造を有するものである。DMGABA由来の構造は、カルボキシ基とアミノ基を有し、陽イオンおよび陰イオン交換能を有しているである点から、従来のろ過膜に比べ、ろ過膜としたときの親水性及び透水性高め、バイオフィルムの形成を抑制しうると推測される。
本発明にかかるろ過膜は、高分子材料の多孔基材を有する。
基材が高分子材料の多孔基材であるため、透水性を示し、この基材表面に分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造を介して、N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造を付与することで透水性がより向上する。
前記高分子材料の多孔基材としては、繊維材料の集合体、多孔性プラスチックフィルム又は多孔性プラスチックシート等が挙げられる。
前記高分子材料の多孔基材としては、繊維材料の集合体が好ましく、透水性の観点から、不織布又は織布がより好ましく、ろ過膜としての適応性の観点より、織布であることがさらに好ましい。
ここで、本明細書において不織布とは、繊維材料同士を摩擦、粘着又は接着等の様々な方法で結合させたシートを意味する。
本発明においては、汎用性、親水性、耐薬品性の観点より、織布又は不織布は、オレフィン系繊維、フッ素樹脂系繊維及びセルロース系繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の織布又は不織布であることが好ましい。
前記オレフィン系繊維としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等の繊維が挙げられる。透水性、耐薬品性の観点より、前記オレフィン系繊維は、ポリエチレン繊維又はポリプロピレン繊維であることが好ましい。
前記フッ素樹脂系繊維としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の繊維が挙げられる。汎用性の観点より、前記フッ素樹脂系繊維としては、ポリテトラフルオロエチレン繊維であることが好ましい。
前記セルロース系繊維としては、例えばトリ酢酸セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の繊維が挙げられる。汎用性の観点より、前記セルロース系繊維は、トリ酢酸セルロース繊維であることが好ましい。
前記中空糸を用いる場合、孔径は10nm〜10μmであることが好ましく、本発明で利用する用途の点で、50nm〜1μmであることがより好ましく、100nm〜200nmであることがさらに好ましい。
前記プラスチックフィルムの膜厚としては、例えば100μm〜500μmであることが好ましく、50μm〜200μmであることがより好ましく、20μm〜100μmであることがさらに好ましい。
前記プラスチックシート又は前記プラスチックフィルムの膜厚としては、例えば200μm〜10000μmであることが好ましく、200μm〜5000μmであることがより好ましく、200μm〜2000μmであることがさらに好ましい。
前記多孔性プラスチックフィルム又は前記多孔性プラスチックシートとしては、孔径が0.01μm〜0.4μmの範囲の細孔を有するものであれば、公知のものを用いることができる。
本発明に係るろ過膜は、前記基材の表面を修飾する、分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造を有する。
本発明に係るろ過膜は、前記基材の表面が、分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造で修飾されている。これにより、本発明に係るろ過膜は、分子内のエポキシ基との間で、後述するN,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸を結合させて付与することができる。また、分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造及び前記構造に結合したN,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造以外の構造を、さらに導入することが可能となる。
前記分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体を、前記基材にグラフト重合する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、放射線グラフト重合方法としては、前記基材に電子線を照射し、ラジカルを生成させ、グラフト重合を行う方法等が挙げられる。
本発明に係るろ過膜は、分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造に結合したN,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造を有する。
本発明に係るろ過膜は、N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造が、前記分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造に結合したものである。これにより、本発明に係るろ過膜は、親水性及び透水性を向上しうるとともに、バイオフィルムの形成を抑制しうる。
本発明に係るろ過膜は、N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸の構造が、酵素との複合体を形成していることが好ましい。
本発明に係るろ過膜において、N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸の構造が、酵素との複合体を形成することにより、本発明に係るろ過膜の抗菌性はより向上し、バイオフィルム形成抑制率が向上する。さらに、前記複合体の形成により、本発明にかかるろ過膜は、ろ過膜上に形成されるバイオフィルムのクオラムセンシングをin situで遮断できる。
前記酵素は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明に係るろ過膜における、前記酵素の組成比は、前記N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造単位に対して、5mg−酵素/g−ろ過膜モル〜500mg−酵素/g−ろ過膜モルであることが好ましく、10mg−酵素/g−ろ過膜モル〜300mg−酵素/g−ろ過膜であることがより好ましく、20mg−酵素/g−ろ過膜モル〜150mg−酵素/g−ろ過膜であることがさらに好ましい。
本発明に係るろ過膜は、前記分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造と、前記N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造と、前記酵素とを、架橋剤で架橋した架橋構造を有するものでもよい。
本発明に係るろ過膜において、架橋剤で架橋された架橋構造を有することにより、本発明に係るろ過膜は、前記酵素が強固にろ過膜に固定化される。そのため、本発明に係るろ過膜は、継続的に下水道処理を行ったとしても、ろ過膜からの酵素の離脱による抗菌性の低下を防ぐことができ、長期にわたりバイオフィルムの形成を防ぐことができる。
ポリエチレン製中空糸状精密ろ過膜(膜内径0.7mm、孔径0.25μm、Asahi Kasei Chemicals,Japan社)に、放射線グラフト重合(RIGP)法を用いて、表面修飾を施した。
具体的には、前記中空糸膜に線量200kGyの電子線を照射し、ラジカルを付着させた。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)(5wt% in methanol)に窒素ガスを供給して、酸素ガスを置換し、無酸素条件下でグラフト重合を行った。GMAのグラフト重合率(d.g.)は、以下に示す式(1)に基づいて重量換算で算出した。
本実施例では、d.g.が150%になるように反応時間を調整してGMAのポリエチレン製中空糸膜へのグラフト重合を行い、GMA中空糸膜を得た。
次に、作製したDMGABA中空糸膜を、1mg/mLのアシラーゼ(EC−number 3.5.1.14、シグマアルドリッチ社)溶液に5時間浸漬させて、アシラーゼを固定化し、DMGABA−アシラーゼ中空糸膜を得た。
さらに、その後、0.05wt%のグルタールアルデヒドを用いて、DMGABA中空糸膜と、アシラーゼとを架橋し、アシラーゼのDMGABA中空糸膜への固定化を強固にして、DMGABA−アシラーゼ固定化中空糸膜を得た。
実施例1のDMGABA中空糸膜の作製の際に、N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸塩(DMGABA)を、ジエチルアミン(DEA)に変更した以外は、実施例1に記載の方法と同様にして、DEA中空糸膜を得た。
また、実施例1のDMGABA中空糸膜の作製の際に、N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸塩(DMGABA)を、亜硫酸ナトリウム(SS)に変更した以外は、実施例1に記載の方法と同様にして、SS中空糸膜を得た。
静的接触角は、JIS R 3257(基板ガラス表面のぬれ性試験方法)に基づいて測定した。結果を図2に示す。図2中、PEはグラフト重合処理前のポリエチレン製中空糸膜を示し、GMAはGMA中空糸膜を示し、DMGABAはDMGABA中空糸膜を示し、DEAは比較用のろ過膜であるDEA中空糸膜を示し、SSは比較用のろ過膜であるSS中空糸膜を示す。
この結果より、DMGABAを導入した中空糸膜は、SS中空糸膜と同様に静的接触角を大幅に減少させることが明らかとなった。
すなわち、DMGABAを有するろ過膜は、親水性が向上し、グラフト重合のような表面改質を行っても、高い親水性を保つことができると考えられる。
図3に示す装置を用いて、透水性について評価を行った。
作製した中空糸膜をデッドエンドにし、該中空糸膜の片側をシリンジポンプに設置したシリンジと接続させた。シリンジと中空糸膜との間に圧力計を設置し、水を透過させた際の圧力を計測し、ろ過性能を評価した。ろ過性能は以下に示す式(2)から算出し、透過圧力及び時間当たりの水の透過量をろ過性能と定義した。
得られた結果より、グラフト重合をおこなうことにより、材料表面にブラシのようなポリマーの鎖が生成されるため、ろ過膜の孔が塞がり、GMA中空糸膜等ではろ過性能の低下がみられた。
しかしながら、GMA中空糸膜にDMGABAを導入したDMGABA中空糸膜の透水性の低下割合は、1割であった。
また、アシラーゼを固定化したDMGABA−アシラーゼ固定化中空糸膜においても2割程度しか、透過性能が低下しなかった。
一方で、DEA中空糸膜およびSS中空糸膜に関しては、大幅なろ過性能の低下が確認された。特にSS中空糸膜に至ってはほとんど透過能を示さず、ろ過膜としての使用は困難である。
以上の結果より、DMGABAを用いることでろ過膜の透過性能の低下を大幅に抑制可能であることが確認された。また、親水性を向上させただけでは、透水性が向上しないことも明らかになった。
アシラーゼはグラム陰性菌の細胞間のシグナル伝達物質であるアシルホモセリンラクトン(AHL)を分解することが知られている。そこで、中空糸膜に固定化された酵素(アシラーゼ)が活性を有していることを確認するために、N−アセチル‐L−メチオニンを投入し、分解実験を行った。
ここでは、実験及び結果の解析を容易にするために、実施例1で使用したポリエチレン製中空糸膜(以下「PE中空糸膜」ともいう)に代えて、ポリエチレン製シート(以下「PEシート」ともいう)を用いて、実施例1と同様にして、DMGABAシート、DMGABA−アシラーゼ固定化シートを作製し、以下の実験を行った。
アシラーゼが存在する場合、基質となるN−アセチル−L−メチオニンは加水分解され、L−メチオニンが生成する。
N−アセチル−L−メチオニンの吸光度の増加傾向を図5に示す。
この結果はアシラーゼ酵素液およびアシラーゼを固定化したDMGABA−アシラーゼ固定化シートにおいて酵素活性が維持されていることを示唆するものである。
酵素液および固定化酵素の活性を以下の式(3)により算出した。酵素活性の結果を図6に示す。
各中空糸膜におけるバイオフィルム形成抑制効果を確認するために、実施例1で使用したPE中空糸膜に代えて、PEシートを用いて、実施例1と同様の方法により、GMAシート、GMGABAシート及びDMGABA−アシラーゼ固定化シートを作製した。これらのシートを用いて顕微鏡によるバイオフィルム形成試験を行った。また、比較実験用に、PE中空糸膜をPEシートに変え、DMGABAをDEAに変更した以外は、実施例1と同様にして、DEA−アシラーゼ固定化を作製した。
具体的には、表面被覆率は、各シート表面に対して、A.tumfaciensisの細胞が占める割合を算出した。生菌率は、各シートに付着した細胞の数に対して、生存している細菌数の割合をDaimeにより算出した。
観察写真を図7に示す。図7中、白い像が付着した細菌を表す。なお、DMGABAシート及びDMGABA−アシラーゼ固定化シート上の像は、そのほとんどが死菌であり、GMAシートとDEA−アシラーゼ固定化シート上の像は、そのほとんどが生菌である。
表面被覆率と生菌率とを算出した結果を図8に示す。生菌率が高いほど、付着した細菌の活性が高く、表面被覆率が高いほど、密なバイオフィルムが形成されていることを示している。
具体的には、DMGABAシートは対照系であるGMAシートと比較してバイオフィルム形成を約半分に抑えることができることができた。また、DMGABA−アシラーゼ固定化シートへのバイオフィルムの形成は大幅に削減され、バイオフィルムの表面被覆率は対照系であるGMAシートの1/14、DMGABAシートの1/7になることが確認された。
また、DMGABA−アシラーゼ固定化シート上に形成されたA.tumefaciensの約50%は何らかの形で細胞膜が損傷し、活性を失っている可能性が示唆された。一方で、DMGABAシートおよびGMAシートへのA.tumefaciensの生菌率は80%以上であり、DMGABA−アシラーゼ固定化シートの抗菌性の高さが明らかになった。
結果を図9に示す。図9中、Eは、酵素(アシラーゼ)を固定化したものであることを意味する。また、diolは、GMAシートのエポキシ基を、水酸基に置換したシートを意味する。
また、DEA−アシラーゼ固定化シートと、DMGABAシート及びDMGABA−アシラーゼ固定化シートとの比較により、バイオフィルム形成の抑制効果が、アシラーゼの固定化にのみ起因するものではないことが明らかになった。
Claims (9)
- 高分子材料の多孔基材と、
前記多孔基材の表面を修飾する、分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造、及び前記構造に結合したN,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造と、
を有するろ過膜。 - 前記N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造が、酵素との複合体を形成している請求項1に記載のろ過膜。
- 前記N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造が、酵素との複合体を形成しており、前記酵素が、バイオフィルムの形成を惹起するシグナル化合物の分解酵素及びバイオフィルム分解酵素からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1又は請求項2に記載のろ過膜。
- 前記分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体由来の構造と、前記N,N−ジメチル−γ−アミノブチル酸由来の構造と、前記酵素とが、架橋剤で架橋された架橋構造を有する請求項2又は請求項3に記載のろ過膜。
- 前記分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体が、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ビニルシクロヘキセン−1,2−エポキシド、4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート及び4−ビニルベンジルグリシジルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のろ過膜。
- 前記多孔基材が、多孔性プラスチックフィルム又は多孔性プラスチックシートである請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のろ過膜。
- 前記多孔基材が、オレフィン系繊維、フッ素樹脂系繊維及びセルロース系繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の繊維材料の集合体である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のろ過膜。
- 前記バイオフィルムの形成を惹起するシグナル化合物の分解酵素が、アシラーゼ、アルドノラクトナーゼ、グルコノラクトナーゼ、ラクトナーゼ及びオートインデューサー2キナーゼからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項3〜請求項7のいずれか一項に記載のろ過膜。
- 前記バイオフィルム分解酵素が、デオキシリボヌクレアーゼI及びディスパーシンからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項3〜請求項8のいずれか一項に記載のろ過膜。
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JP2015122981A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 花王株式会社 | 精製疎水性酵素溶液の製造方法 |
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