JP2013140825A - ラミネート型蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】周縁部のシール信頼性と、電気容量の増加、出力電流の増加及び/又はクリアランスの減少とを両立しうるラミネート型蓄電素子を提供する。
【解決手段】正極体と負極体とがセパレータを介して交互に積層された電極体、電極端子、電解液並びにラミネートフィルム外装体を備え、正極体及び負極体の少なくとも一方の形状が下記:活物質領域と集電体領域とが共有辺を介して隣接しており、集電体領域の外縁が、共有辺、該共有辺に対向する端部辺、及び側縁によって定められ、該側縁が、直線状であるか、又は、直線、曲率半径R≧7mmの曲線若しくはこれらの組合せで構成される集電体領域外側に凸の形状であり、集電体領域幅が共有辺側から端部辺側に向かって全領域で徐々に減少しているか、又は共有辺側から端部辺側に向かって一部の領域で一定であるとともに残りの領域で徐々に減少している;である蓄電素子。
【選択図】図4

Description

本発明は、ラミネート型蓄電素子に関する。
近年、地球環境の保全及び省資源を目指したエネルギーの有効利用を目的として、蓄電素子の開発が精力的に進められている。
例えば、電気自動車、及びハイブリッド型電気自動車の用途においては、大電気容量、及び大出力電流を有する蓄電素子の必要性が増しているため、大型の蓄電素子の開発が進められている。蓄電素子としては、金属製の電池缶を外装体とした缶型蓄電素子と金属箔と樹脂層からなるラミネートフィルムを外装体としたラミネート型蓄電素子とがあるが、軽量であり薄型化が可能であるという理由、表面積が大きく放熱性が高いという理由、及び電極体と電極端子との接続面積が大きくできるため高出力化が可能という理由からラミネート型蓄電素子の開発が進んでいる。
ラミネート型蓄電素子は、正極体及び負極体がセパレータを介して交互に積層された、又は捲回された電極体を、電解液と共にラミネートフィルムからなる外装体(以下「ラミネートフィルム外装体」ともいう。)に収納し、該ラミネートフィルム外装体の周縁部を密閉シールした蓄電素子のことである。
正極体は正極の集電体(以下、「正極集電体」ともいう。)の片面又は両面に正極活物質層を有し、負極体は負極の集電体(以下、「負極集電体」ともいう。)の片面又は両面に負極活物質層を有する。通常、正極集電体には、正極活物質層を有する活物質領域と正極活物質層を有さない集電体領域とが設けられ、集電体領域に正極の電極端子(以下、「正極端子」ともいう。)の一端が電気的に接続されている。また、負極集電体には、負極活物質層を有する活物質領域と負極活物質層を有さない集電体領域とが設けられ、集電体領域に負極の電極端子(以下、「負極端子」ともいう。)の一端が電気的に接続されている。従って、ラミネートフィルム外装体の周縁部をシールすることにより、該外装体の内部空間には電解液、電極体、正極端子の一端、及び負極端子の一端が存在し、外部空間には該正極端子の他端、及び負極端子の他端が存在し、シールされた周縁部には、正極端子の中間部、及び負極端子の中間部が存在する構造である。
正極体及び負極体を平面視した外形の形状は略四辺形であることが多く、四辺形以外に、例えば、四辺形の1辺の両端を落とした形状(例えば、特許文献1参照)、及び多角形形状(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
特開2009−187674号公報 特許第4293501号公報
ラミネート型蓄電素子において、同じ活物質、同じ電極設計(厚み、目付等)を使用するという前提で電気容量を大きくするためには、正極体及び負極体1枚あたりの電極面積を大きくするか、電極体として積層する枚数を増やす必要がある。
また、ラミネート型蓄電素子において、同じ活物質を使用するという前提で一度に取り出すことが可能な出力電流を大きくするためには、前記正極端子及び負極端子(総称して「電極端子」ともいう。)の抵抗による熱損失を小さくする必要がある。即ち、前記電極端子の断面積(厚み、若しくは幅、又はその双方)を大きくする必要がある。
また、ラミネート型蓄電素子において、蓄電素子の外寸をできる限り小さくするためには、電極体以外の部分が全体に占める容積の割合をできる限り小さくする必要がある。即ち、電極体とラミネートフィルム外装体の内部空間とのクリアランスとして存在する余剰空間をできる限り小さくする必要がある。
一方、電解液としては種々のものが使用されるが、腐食性を有する酸性又はアルカリ性の電解液、燃焼性を有する有機溶媒を含む非水系電解液を使用することが多い。したがって、ラミネート型蓄電素子の封止部信頼性は非常に重要な要素である。しかしながら、従来技術においては、大電気容量化のために電極体の厚みが大きくなること、又は大出力電流化のために電極端子の幅又は厚みが大きくなることによって、特に電極端子が貫通するラミネートフィルム外装体の周縁部の封止不良が発生し易くなるという問題点があった。
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、周縁部のシール信頼性と、電気容量の増加、出力電流の増加、及び/又はクリアランスの減少とを両立しうるラミネート型蓄電素子を提供することである。
本発明者らは、大電気容量かつ大出力電流のラミネート型蓄電素子を作製し、封止不良が発生した場合にその原因を検討した結果、封止不良が発生する原因の多くは、正極体及び負極体(総称して、「電極」ともいう。)が複数枚重なった厚みと、平面視したときの外形の形状に関係があることを突き止めた。
平面視して略四辺形の形状を有する電極においては、複数枚の電極の積層により電極体の厚みが大きくなった場合に、電極端子が接続された辺の両端部の角が、該電極体を収納したラミネートフィルム外装体の周縁部をシールする時に該シール(封止)部にシワを発生する起点となる。さらに、電極端子が取り付けられた電極体とラミネートフィルム外装体の内部空間とのクリアランスが小さい場合においては、そのシワが解消されることなく、そのまま封止されるため、電解液を注入した後に封止部からの液漏れ(以下「封止不良」ともいう。)につながる可能性が高くなる。
本発明者が検討したところ、特許文献1に記載された電極のように、電極端子が取り付けられた辺の両角を凸状に切欠いた電極は、結果的に、封止不良の発生を抑制することが可能であった。しかしながら、この形状に切り欠いた場合、少量ではあるが切欠きが無い略四辺形に対して内部抵抗値が増加してしまい、出力特性が低下するという問題があった。
また、大電流を取り出すためには電極端子の幅が大きいほうが好ましいため、対向する2辺からそれぞれ電極端子を引き出す構造である必要がある。しかしながら、特許文献2に記載された電極体は、略四辺形の各電極の切り欠く角を正極体と負極体とで異ならせることで、電極体の一辺から2つの電極端子を引き出す構造であるため、大電流取出しには適さない。
かかる状況下、本発明者らは、鋭意検討し、実験を重ねた結果、以下の構造のラミネート型蓄電素子が上記課題を解決できることを予想外に見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下のとおりのものである。
[1] 集電体、及び該集電体の片面又は両面に形成された、正極活物質を含む活物質層を有する略四辺形の複数枚の正極体と、集電体、及び該集電体の片面又は両面に形成された、負極活物質を含む活物質層を有する略四辺形の複数枚の負極体とがセパレータを介して交互に積層された構造を有する電極体、
正極端子と負極端子からなる電極端子、
電解液、並びに
該電極体及び該電解液を収納するためのラミネートフィルム外装体
を備え、
該電極端子の一端は、該集電体に電気的に接続されて該ラミネートフィルム外装体の内部に封入されているが、該一端が正極体に接続されている正極端子の他端と、該一端が負極体に接続されている負極端子の他端とは、該ラミネートフィルム外装体の対向する2辺から外部に引き出されており、
該電極体を積層方向に平面視したときに、正極体及び負極体の少なくとも一方の形状が、下記:
活物質層が形成されている略四辺形の活物質領域と、活物質層が形成されていない集電体領域とを有し、
活物質領域と集電体領域とが共有辺を介して隣接しており、
集電体領域の外縁が、該共有辺、該共有辺に対向する端部辺、及び該共有辺の端点と該端部辺の端点とを結ぶ側縁によって定められ、
該集電体領域における該端部辺の少なくとも一部を含む部位に該電極端子が接続されており、
該側縁が、直線状であるか、又は、直線、曲率半径R≧7mmの曲線若しくはこれらの組合せで構成される集電体領域外側に凸の形状であり、
共有辺に対して平行方向での寸法である集電体領域幅が、共有辺側から端部辺側に向かって全領域で徐々に減少しているか、又は共有辺側から端部辺側に向かって一部の領域で一定であるとともに残りの領域で徐々に減少している;
である、ラミネート型蓄電素子。
[2] 前記電極体を積層方向に平面視したときに、正極体及び負極体の少なくとも一方の形状が、下記:
集電体領域は、共有辺側から端部辺側に向かって集電体領域幅が一定である第一の部分領域と、共有辺側から端部辺側に向かって集電体領域幅が徐々に減少する第二の部分領域とを有する;
である、上記[1]に記載のラミネート型蓄電素子。
[3] 前記正極体及び前記負極体の少なくとも一方の集電体領域の積層厚みが0.3mm以上である、上記[1]又は[2]に記載のラミネート型蓄電素子。
[4] 前記電極端子の幅をmとし、ラミネートフィルム外装体による電極端子導通辺の封止幅をnとし、m/n=Xとしたときに、0.4≦X≦0.7を満たす、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のラミネート型蓄電素子。
[5] 時定数が5.0ΩF以下である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のラミネート型蓄電素子。
[6] 前記正極活物質が活性炭であり、前記負極活物質がリチウムイオンを吸蔵放出する物質であり、前記電解液がリチウムイオンを含む非水系電解液である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のラミネート型蓄電素子。
本発明のラミネート型蓄電素子は、周縁部の封止信頼性と、電気容量の増加、出力電流の増加、及び/又はクリアランスの減少とを両立させることができる。
電極体の断面模式図 電極端子を接続した従来技術の電極体の平面模式図 電極端子を接続した本発明の電極体の平面模式図 電極端子を接続した本発明の電極体の平面模式図 電極端子を接続した本発明の電極体の平面模式図 電極端子を接続した従来技術の電極体の平面模式図 電極端子を接続した従来技術の電極体の平面模式図 電極体をラミネートフィルム外装体に収納して周縁部を封止した状態を示す平面模式図
本発明の態様について、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明は以下の態様に限定されない。図面において同一の符号を付した要素は、特記がない限り同様の目的又は機能を有し、説明は繰り返さない。
本発明の一態様は、
集電体、及び該集電体の片面又は両面に形成された、正極活物質を含む活物質層を有する略四辺形の複数枚の正極体と、集電体、及び該集電体の片面又は両面に形成された、負極活物質を含む活物質層を有する略四辺形の複数枚の負極体とがセパレータを介して交互に積層された構造を有する電極体、
正極端子と負極端子からなる電極端子、
電解液、並びに
該電極体及び該電解液を収納するためのラミネートフィルム外装体
を備え、
該電極端子の一端は、該集電体に電気的に接続されて該ラミネートフィルム外装体の内部に封入されているが、該一端が正極体に接続されている正極端子の他端と、該一端が負極体に接続されている負極端子の他端とは、該ラミネートフィルム外装体の対向する2辺から外部に引き出されており、
該電極体を積層方向に平面視したときに、正極体及び負極体の少なくとも一方の形状が、下記:
活物質層が形成されている略四辺形の活物質領域と、活物質層が形成されていない集電体領域とを有し、
活物質領域と集電体領域とが共有辺を介して隣接しており、
集電体領域の外縁が、該共有辺、該共有辺に対向する端部辺、及び該共有辺の端点と該端部辺の端点とを結ぶ側縁によって定められ、
該集電体領域における該端部辺の少なくとも一部を含む部位に該電極端子が接続されており、
該側縁が、直線状であるか、又は、直線、曲率半径R≧7mmの曲線若しくはこれらの組合せで構成される集電体領域外側に凸の形状であり、
共有辺に対して平行方向での寸法である集電体領域幅が、共有辺側から端部辺側に向かって全領域で徐々に減少しているか、又は共有辺側から端部辺側に向かって一部の領域で一定であるとともに残りの領域で徐々に減少している;
である、ラミネート型蓄電素子を提供する。本開示を通じ、「平面視」とは、特記がない場合、電極体の積層方向における平面視を意味する。
以下、本発明の蓄電素子の構成要素を説明する。具体的には、リチウムイオン二次電池(以下、「LIB」ともいう。)、電気二重層キャパシタ(以下、「EDLC」ともいう。)、及びリチウムイオンキャパシタ(以下、「LIC」ともいう。)を例として説明し、実施例ではリチウムイオンキャパシタを用いて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(I)電極体
正極体は、正極集電体と、該正極集電体の片面又は両面に形成された、正極活物質を含む活物質層とを有する。負極体は、負極集電体と、該負極集電体の片面又は両面に形成された、負極活物質を含む活物質層とを有する。正極体及び負極体は、電極体を積層方向に平面視した場合に、略四辺形の形状を有し、より好ましくは略長方形の形状を有する。活物質領域は、正極体及び負極体は、それぞれ、活物質層を有する活物質領域と活物質層を有さない集電体領域とに分かれている。活物質領域は、平面視において、略四辺形の形状を有し、より好ましくは略長方形の形状を有する。また、典型的な態様において、集電体領域は、平面視において、略四辺形から所定形状を切り欠いた形状を有し、より好ましくは略長方形から所定形状を切り欠いた形状を有する。
例えば、図1に示す実施態様において、電極体1は、正極体2Aと負極体3とがセパレータ4を介して交互に積層された構造を有する。図1では、電極体1の両端に、正極体が形成されている例を示すが、電極体1の両端に負極体が形成されていてもよい。正極体2Aは両面正極であり、負極体3は両面負極である。正極体2Aは、集電体2aと、該集電体の両面に形成された、正極活物質を含む活物質層2bとからなる。正極体2Bは、集電体2aと、該集電体の片面に形成された、正極活物質を含む活物質層2cとからなる。負極体3は、集電体3aと、該集電体の両面に形成された、負極活物質を含む活物質層3bとからなる。電極体1の両端以外に配置される正極体2Aは両面正極である。電極体1の両端に配置される正極体は片面正極及び両面正極のどちらでもよいが、図1に示す正極体2Bのような片面正極であることがスペース効率上好ましい。なお、図1では、負極体の活物質層3bの片面上に金属リチウム箔3cが更に形成された状態(すなわちリチウムイオンプリドープ前の状態)を示しているが、金属リチウム箔3cはプリドープにより消失することになる。
(I−1)集電体
正極及び負極の集電体は、通常、蓄電素子において、溶出及び反応等の劣化がおこらない金属箔である。この金属箔としては、特に制限はなく、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。本発明の蓄電素子がLICである場合、正極集電体をアルミニウム箔、負極集電体を銅箔とすることが好ましい。
また、集電体は貫通孔を持たない通常の金属箔でもよいし、貫通孔を有する金属箔でもよい。集電体の厚みは、例えば、1〜100μmが好ましい。集電体の厚みが1μm以上であると、活物質層を集電体に固着させてなる電極(すなわち本発明における正極体及び負極体)の形状及び強度を保持できるため好ましい。一方で、集電体の厚みが100μm以下であると、蓄電素子としての重量及び体積が適度になり、そして重量及び体積当たりの性能が高くなる傾向があるため好ましい。本発明の蓄電素子がリチウムイオンキャパシタである場合、後述の理由により、少なくとも負極集電体は貫通孔を有する金属箔とすることが好ましい。
本発明において、集電体領域の積層厚みは、正極体及び負極体の少なくとも一方、好ましくは両方について、典型的には、好ましくは0.3mm以上である。該積層厚みは、より好ましくは0.4mm以上1.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以上0.7mm以下である。
なお集電体領域の積層厚みとは、正極体及び負極体のそれぞれについての、積層されている複数の集電体領域の合計厚みを意味する。
(I−2)正極活物質層
正極活物質層は、典型的には正極活物質と結着剤とを含み、必要に応じて他の成分、例えば導電性フィラーを含んでいてもよい。正極活物質としては、蓄電素子の種類に応じて公知のものが使用できる。好ましい正極活物質の例は活性炭である。より具体的な例として、LIBの場合、例えばコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、又はマンガン酸リチウムが使用され、EDLC及びLICの場合、例えば活性炭が使用される。
本発明の蓄電素子がLICである場合、正極活物質は、BJH法により算出した直径20Å以上500Å以下の細孔に由来するメソ孔量をV1(cc/g)、MP法により算出した直径20Å未満の細孔に由来するマイクロ孔量をV2(cc/g)としたとき、0.3<V1≦0.8、及び0.5≦V2≦1.0を満たし、かつBET法により測定される比表面積が1500m2/g以上3000m2/g以下である活性炭であることが好ましい。
導電性フィラーとしては、例えばカーボンブラック等が挙げられる。導電性フィラーの使用量は、正極活物質100質量部に対して0〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。導電性フィラーは、高出力密度の観点からは用いることが好ましいが、その使用量が30質量部以下であると、活物質層に占める活物質の量の割合が高くなり、かつ体積当たりの出力密度が高くなる傾向があるため好ましい。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、スチレンブタジエン共重合体、セルロース誘導体等を用いることができる。結着剤の使用量は正極活物質100質量部に対して3〜20質量部の範囲が好ましく、5〜15質量部の範囲がより好ましい。結着剤の上記使用量が20質量部以下であるとき、正極活物質の表面を結着剤が覆わないので、イオンの出入りが速くなり、高出力密度が得られ易い傾向があるため好ましい。一方で、結着剤の上記使用量が3質量部以上であるとき、正極活物質層を集電体上に固着し易くなる傾向があるため好ましい。
(I−3)正極体の製造方法
正極体は、典型的には、正極合材(正極活物質と導電性フィラーとの混合物をいう。)と結着剤とを溶媒に分散させたペーストを作製し、このペーストを正極集電体上に塗布し、乾燥させ、必要に応じてプレスして正極活物質層を成型することにより得られる。塗布方法は、ペーストの物性及び塗布厚に応じて適宜選択することができる。また、溶媒を使用せずに乾式で正極合材と結着剤とを混合し、プレス成型して正極活物質層とし、これを正極集電体に導電性接着剤を使用して貼り付けることも可能である。
正極活物質層の厚みは、30μm以上200μm以下が好ましい。厚みが30μm以上であると、蓄電素子において集電体及びセパレータが占める体積の割合が低下して活物質層が占める割合が向上するため、体積あたりのエネルギー密度が高くなる。また厚みが200μm以下であると、短時間での大電流の入出力特性が向上する。
(I−4)負極活物質層
負極活物質層は、典型的には負極活物質と結着剤とを含み、必要に応じて他の成分、例えば導電性フィラーを含んでいてもよい。負極活物質としては、蓄電素子の種類に応じて公知のものが使用できる。好ましい負極活物質の例は、リチウムイオンを吸蔵放出する物質である。より具体的には、LIBの場合、例えば炭素質材料、より具体的には黒鉛、ニードルコークス、又はカーボンメソビーズが使用され、EDLCの場合、例えば活性炭が使用され、LICの場合、例えば炭素質材料、より具体的には難黒鉛性カーボン、易黒鉛性カーボン、又は特開2003−346801号公報に記載の活性炭に炭素質材料を吸着させた複合多孔性材料が使用される。
本発明の蓄電素子がLICである場合、負極活物質は、前記活性炭に炭素質材料を吸着させた複合多孔性材料であり、BJH法により算出した直径20Å以上500Å以下の細孔に由来するメソ孔量をVm1(cc/g)、MP法により算出した直径20Å未満の細孔に由来するマイクロ孔量をVm2(cc/g)としたとき、0.010≦Vm1≦0.250、0.001≦Vm2≦0.200、かつ1.5≦Vm1/Vm2≦20.0である炭素質材料であることが好ましい。
負極活物質層における、導電性フィラー、及び結着剤は、正極活物質層の場合と同様であることができる。
(I−5)負極体の製造方法
負極体は、典型的には、負極合材(負極活物質と導電性フィラーとの混合物をいう。)と結着剤とを溶媒に分散させたペーストを作製し、このペーストを負極集電体上に塗布し、乾燥させ、必要に応じてプレスして負極活物質層を成型することにより得られる。塗布方法は、ペーストの物性及び塗布厚に応じて適宜選択することができる。また、溶媒を使用せずに乾式で負極合材と結着剤とを混合し、プレス成型して活物質層とし、これを負極集電体に導電性接着剤を使用して貼り付けることも可能である。
負極活物質層の厚みは、20μm以上100μm以下が好ましい。厚みが20μm以上であると、蓄電素子において集電体及びセパレータが占める体積の割合が低下して活物質層が占める割合が向上するため、体積あたりのエネルギー密度が高くなる。また、負極体の製造もより容易になる。また、厚みが100μm以下であると、蓄電素子の単位体積あたりに含まれる電極の表面積が大きく、またリチウムイオンの拡散距離を短くできるため、短時間での大電流の入出力特性が向上する。
本発明の蓄電素子が、LICである場合には、負極活物質にリチウムイオンを電気化学的にプリドープしておくことが好ましい。具体的には、負極活物質層に金属リチウム箔を積層した電極体を作製し電解液に浸漬することでリチウムイオンをプリドープする方法が挙げられる。この場合においては、負極集電体として貫通孔を有する金属箔を使用すれば、片側の負極活物質層のみに金属リチウム箔を積層することで両側の負極活物質層にプリドープできるため、入手の容易な厚いリチウム箔を使用できる。従って、負極体は、負極活物質層が負極集電体の両面に形成される両面負極であることがより好ましい。また、正極集電体も貫通孔を有する金属箔とすれば、1枚の負極体に積層した金属リチウム箔により複数枚の負極体の負極活物質層にリチウムイオンをプリドープすることも可能である。
(I−6)セパレータ
セパレータとしては、ポリエチレン製若しくはポリプロピレン製の微多孔膜、又はセルロース製の不織紙を使用することができる。本発明の蓄電素子がLIBである場合、ポリエチレン製又はポリプロピレン製の微多孔膜が好ましく、蓄電素子がEDLC又はLICである場合、セルロース製の不織紙を好ましく用いることができる。
セパレータの厚みは、10μm以上50μm以下であることが好ましい。厚みが10μm以上であれば、内部のマイクロショートによる自己放電を抑制することができ、一方、厚みが50μm以下であれば、蓄電素子のエネルギー密度及び出力特性に優れる。
(I−7)正極体及び負極体の形状
本発明の蓄電素子においては、電極体を積層方向に平面視したときに、正極体及び負極体の少なくとも一方の形状が、下記を満足する:
(1)活物質層が形成されている略四辺形の活物質領域と、活物質層が形成されていない集電体領域とを有し、
活物質領域と集電体領域とが共有辺を介して隣接しており、
集電体領域の外縁が、該共有辺、該共有辺に対向する端部辺、及び該共有辺の端点と該端部辺の端点とを結ぶ側縁によって定められ、
該集電体領域における該端部辺の少なくとも一部を含む部位に該電極端子が接続されており、
該側縁が、直線状であるか、又は、直線、曲率半径R≧7mmの曲線若しくはこれらの組合せで構成される集電体領域外側に凸の形状であり、
共有辺に対して平行方向での寸法である集電体領域幅が、共有辺側から端部辺側に向かって全領域で徐々に減少しているか、又は共有辺側から端部辺側に向かって一部の領域で一定であるとともに残りの領域で徐々に減少している。
集電体領域の側縁が直線状である場合とは、四辺形状の集電体領域から、端部側の該四辺形の頂点、共有辺の端点、及び端部辺上の点を結んだ三角形の領域(後述の図4に示すような)が切り欠き部として除かれた場合に対応する。また、集電体領域の側縁が、直線、曲率半径R≧7mmの曲線、又はこれらの組合せで構成される集電体領域外側に凸である形状である場合とは、集電体領域から、端部側の頂点を含む領域、例えば、三角形で囲まれた領域(例えば後述の図5に示すような)、凹曲線及び直線で囲まれた領域(例えば後述の図3に示すような)等が切り欠き部として除かれた場合に対応する。ここで、側縁が集電体領域外側に凸である形状とは、側縁上の任意の2点を結ぶ線分上のすべての点が集電体領域内に含まれる形状を意味する。
好ましい態様においては、電極体を積層方向に平面視したときに、正極体及び負極体の少なくとも一方の形状が、下記を満足する:
(2)集電体領域は、共有辺側から端部辺側に向かって集電体領域幅が一定である第一の部分領域と、共有辺側から端部辺側に向かって集電体領域幅が徐々に減少する第二の部分領域とを有する。
電極体を積層方向に平面視したときに、正極体及び負極体の少なくとも一方の形状が、上記(1)、好ましくは更に上記(2)を満足することによって、高容量又は高入出力を目的とした形状の蓄電素子(例えば、電極体が厚い場合、電極端子が厚い場合、電極端子の幅が広い場合、又は電極端子とラミネートフィルム外装体の封止部とのクリアランスが少ない場合)であっても、電解液の漏出可能性を減らすことが可能となる。
前記切り欠き部は、正極体と負極体との両方、正極体のみ、又は負極体のみのいずれに形成してもよいが、両方に形成することが好ましい。また、正極体と負極体との厚みが異なる場合には、少なくともより厚みの大きい電極の方に切り欠き部を形成することが好ましい。
図2及び3を参照し、正極の集電体2aには、正極の電極端子5aが形成されており、負極の集電体3aには、負極の電極端子5bが電気的に接続されている。図面は積層方向での平面視による形状を示すため、活物質領域6は、正極体及び負極体における活物質領域が重なって示されている。図3を参照し、正極体の活物質領域6と正極体の集電体領域7とは共有辺Saを介して隣接し、負極体の活物質領域6と負極体の集電体領域8とは共有辺Sbを介して隣接している。正極体の集電体領域7の外縁は、共有辺Sa、これに対向する端部辺Ea、及びこれらの端点を結ぶ側縁Laによって定められる。負極体の集電体領域8の外縁は、共有辺Sb、これに対向する端部辺Eb、及びこれらの端点を結ぶ側縁Lbによって定められる。正極体及び負極体の集電体領域の端部辺の少なくとも一部を含む部位に、電極端子5a,5bがそれぞれ電気的に接続されている。
活物質領域の側縁長さは、典型的には70mm以上150mm以下、より好ましくは80mm以上130mm以下である。
共有辺Saの長さは、典型的には70mm以上150mm以下、より好ましくは90mm以上120mm以下である。
端部辺Eaの長さは、典型的には50mm以上100mm以下、より好ましくは60mm以上90mm以下である。
側縁は、直線状であるか、又は、直線、曲率半径R≧7mmの曲線若しくはこれらの組合せで構成される集電体領域外側に凸の形状である。図3は、各々の側縁が曲率半径R≧7mmの円弧と直線との組合せである例を示す。図4は、各々の側縁が1本の直線である例を示す。図5は、各々の側縁が2本の直線の組合せである例を示す。
図6及び7は、従来例を示す。図6は、各々の側縁が、曲率半径R<7mmの円弧と、直線との組合せである例を示す。図7は、各々の側縁が、2本の直線の組合せであるが集電体領域外側に凹である例を示す。
切り欠き部9の形状は、例えば、図3に示したような円弧と直線とで囲まれた形状(以下、「円弧状」ともいう。)、図4に示したような三角形で囲まれた形状(以下、「三角形状」ともいう。)等が挙げられ、特に限定されるものではない。図3及び図4に、切り欠き部の集電体領域幅方向における最大長さP1,及び奥行き方向における最大長さP2を示す。ここで、幅方向とは紙面内で共有辺Saと平行な方向をいい、奥行き方向とは該幅方向に対して紙面内で垂直な方向をいう。
例えば円孤状のような、曲線で囲まれた形状の切り欠き部が形成されている場合、集電体領域の角部の曲率半径Rは、R≧7mmであり、好ましくはR≧10mmである。R≧7mmであれば、電極端子が接続された辺である端部辺の両端部が起点となってラミネートフィルム外装体の封止部にシワを発生させることが少なくなる。一方、該角部の曲率半径は、電極端子がラミネートフィルムを貫通する方向での集電体領域の長さL1、及び、電極端子の側縁と、活物質領域の側縁の延長線との距離L2の内、小さい方の距離以下とすることが好ましい。この条件であれば、電極体の活物質領域の面積、及び集電体と電極端子との接続領域の面積を減らすことが無い点で有利である。ここで、集電体領域の長さL1は、典型的には5mm以上30mm以下、より好ましくは10mm以上20mm以下である。電極端子の側縁と活物質領域の側縁の延長線との距離L2は、典型的には10mm以上35mm以下、より好ましくは20mm以上25mm以下である。
曲率半径Rの曲線は、側縁全領域を通じてRが一定の曲線(すなわち円弧)であってもよく、Rが変化している曲線(例えば楕円弧)であってもよい。後者の場合、Rの値が側縁を通じて本発明所定の範囲内であればよい。
一方、円孤状ではなく、三角形状の切り欠き部が形成されている場合、少なくとも、直角を挟む二辺(ここで二辺は、活物質領域の側縁の延長線上及び集電体領域の端部辺の延長線上のそれぞれにある)のうち、短い辺の長さを7mm以上とすることが好ましい。この場合、電極端子が接続された辺である端部辺の両端部が起点となってラミネートフィルム外装体の封止部にシワを発生させることを抑制できる。また、切り欠き部の最大の大きさは、前記のL1及びL2を2辺とした三角形の大きさとすることが好ましい。この条件であれば、電極体の活物質領域の面積、及び集電体と電極端子との接続領域の面積を減らすことが無い点で有利である。
なお、正極体又は負極体は、典型的にはそれぞれ2箇所の切り欠き部を有する。2箇所の切り欠き部の形状は、同じであってもよく、また例えば片方の切り欠き部が大きく他方の切り欠き部が小さい場合のように異なっていてもよい。後者の場合、切り欠き部の面積の大きい側が、ラミネートフィルム外装体で第一に封止する辺側(すなわち後述の第一の封止部側)に位置するようにすると、しわがより発生しにくくなるために好ましい。
但し、切り欠き部を設けることは、電流の導通部を減らすことになるため、特に時定数が5.0ΩF以下となるような低抵抗型のラミネート型蓄電素子においては、抵抗を増加させることにつながりうる。
従って、前記例に挙げたいずれの形状においても、ラミネートフィルム外装体の封止部へのしわ発生を防止できる範囲内で、切り欠き部の面積はできるだけ小さくすることが好ましい。
切り欠き部は、電極体の集電体領域のみに設けることも集電体領域と活物質領域とに連続して設けることもできるが、容量を保つために集電体領域のみに設けることが好ましい。切り欠き部を活物質領域にも設ける場合、略四辺形の活物質領域は、四辺形の角部を切り欠いた形状を有することになる。さらに、切り欠き部の加工による活物質層の剥離を防ぐために、切り欠き部の終点は、活物質領域と集電体領域との境界から離れた位置とすることが好ましい。
切り欠き部は、活物質層を積層した集電体から電極を打ち抜く時に、打抜き刃にその形状を付与させることで作製しても良いし、電極体作製後に、集電体領域の電極端子接続側の角部をまとめて切断することで作製しても良い。
(II)電極体の形成
図1に示す電極体1は、例えば以下の手順で形成できる。まず、両面負極である負極体3の片面の負極活物質層がセパレータ4を介して正極体2A,2Bの正極活物質層と対向するように、負極体、セパレータ及び正極体を積層する。
図2及び図3も参照し、電極体を平面視したときに見られる略四辺形に対して、複数の正極体の集電体領域7はすべて第一の辺側に位置し、複数の負極体の集電体領域8はすべて該第一の辺と対向する第二の辺側に位置する。このような積層構造により、複数の正極体の集電体領域7をまとめて正極の電極端子5aと電気的に接続するとともに複数の負極体の集電体領域8をまとめて負極の電気端子5bと電気的に接続できる。これにより、電極体の対向する2辺から電極端子を引き出すことができる。この構造により、大電流の充放電に適した蓄電素子の製造が可能となる。
(III)電極端子の接続
電極体に電極端子を接続する前に、積層された正極体、負極体及びセパレータにずれが発生しないように、電極体を固定しても良い。一例としては、集電体の活物質層の側縁に沿って2箇所又は4か所を、電極体の上面から下面まで積層方向に、ポリエステル基材の粘着テープで固定する方法が挙げられる。
次に、複数枚の正極体に正極端子(すなわち電極端子5a)の一端を電気的に接続し、複数枚の負極体に負極端子(すなわち電極端子5b)の一端を電気的に接続する(接続工程)。具体的には、正極体の集電体領域7に正極端子、負極体の集電体領域8に負極端子を電気的に接続する。本発明の蓄電素子がLICである場合、正極端子の材質はアルミニウムであることが好ましく、また負極端子の材質はニッケルメッキされた銅であることが好ましい。
電極端子は、一般的には略四辺形、好ましくは略長方形をしており、その一端は正極体及び負極体の集電体領域7,8のそれぞれと電気的に接続され、他端は使用時に外部の負荷(放電の場合)又は電源(充電の場合)と電気的に接続される。本発明の蓄電素子の好ましい態様においては、ラミネートフィルム外装体の、封止部を含む中央部(すなわち電極端子とラミネートフィルムとの間)に、電極端子と、ラミネートフィルムを構成する金属箔との短絡を防ぎ、かつ封止密閉性を向上させるために、ポリプロピレン等の樹脂製のフィルムが貼りつけられている。
集電体と電極端子とを電気的に接続する方法としては、例えば、超音波溶接法が一般的であるが、抵抗溶接、レーザー溶接等でも良く、限定するものではない。
溶接面積は広いほど蓄電素子の内部抵抗の値が下がる傾向がある。よって、蓄電素子を平面視したときに電極端子と集電体領域とが重なって見られる領域における溶接面積が大きくなるほど好ましい。
また、蓄電素子を平面視したときに電極端子と集電体領域とが重ならない領域、すなわち集電体領域のみが重なっている部分においても溶接を施すことが、導通部を増加させる観点から好ましい。
電極端子の幅は、広いほど抵抗値の増加を抑制することができるが、広すぎると、封止不良の原因となる。図8を参照し、電極端子幅m、及び、ラミネートフィルム外装体による、電極端子導通辺の封止幅nについて、m/n=Xで表されるXは、正極端子と負極端子との双方において、0.4≦X≦0.7であることが好ましい。ここで、電極端子導通辺とは、電極端子がラミネートフィルム間を貫通している箇所を含んで延びるラミネートフィルムの封止辺である。0.4≦Xであれば車両用途に代表されるような大電流使用条件においても抵抗の増加を抑制することができるため好ましく、X≦0.7であれば封止性を良好に保つことができるため好ましい。Xの値が特に上記範囲内である場合、本発明に係る蓄電素子の電極形状による利点が顕著である。電極端子幅は、典型的には40mm以上90mm以下、より好ましくは60mm以上80mm以下である。
同様に、電極端子の厚みは、厚いほど、抵抗値の増加を抑制することができるが、厚くなりすぎると、封止不良の原因となる。電極端子の厚みYは、250μm≦Y≦500μmであることが好ましい。250μm≦Yであれば車両用途に代表されるような大電流使用条件においても抵抗の増加を抑制することができるため好ましく、Y≦500μmであれば封止性を良好に保つことができるため好ましい。Yの値が特に上記範囲内である場合、本発明に係る蓄電素子の電極形状による利点が顕著である。
(IV)電解液
電解液としては、公知の電解液が使用できる。好ましい電解液の例は、リチウムイオンを含む非水系電解液である。
LIB及びLICにおいてはリチウム塩を溶解させた非水系電解液が使用できる。また、EDLCにおいてはアンモニウム塩を溶解させた水系又は非水系の電解液が好ましく使用できる。
非水系電解液の溶媒としては、炭酸エチレン(EC)及び炭酸プロピレン(PC)に代表される環状炭酸エステル;炭酸ジエチル(DEC)、炭酸ジメチル(DMC)及び炭酸エチルメチル(MEC)に代表される鎖状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン(γBL)等のラクトン類;並びにこれらの混合溶媒を用いることができる。
好ましいリチウム塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2252、LiN(SO2CF3)(SO225)、LiN(SO2CF3)(SO224H)及びこれらの混合塩を挙げることができる。好ましいアンモニウム塩としては、4級アンモニウム塩、例えばテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを挙げることができる。非水系電解液中の電解質濃度は、0.5〜2.0mol/Lの範囲が好ましい。0.5mol/L以上であれば、電解質イオンの供給が不足せず、液抵抗が低くなるため出力特性が高くなる。一方、2.0mol/L以下であれば、未溶解の塩が該電解液中に析出したり、該電解液の粘度が高くなり過ぎたりすることによって伝導度が低下して出力特性が低下する恐れが少ない。
特に好ましい態様においては、正極活物質が活性炭であり、負極活物質がリチウムイオンを吸蔵放出する物質であり、かつ電解液がリチウムイオンを含む非水系電解液である。
(V)封止
ラミネート外装体の封止は、例えば以下の工程によって実施できる。
(V−1)第一の封止工程及び収納工程
図8を参照し、本発明の蓄電素子は、電極端子が取り付けられた電極体(すなわち図1に示す電極体1、図8では図示せず)と電解液とをラミネートフィルム外装体10に収納して、その周縁部をシールすることによって形成されていることができる。ラミネートフィルムとしては、金属箔と樹脂フィルムとを積層したフィルムが一般的であり、具体的には、外層樹脂フィルム/金属箔/内層樹脂フィルムから成る3層構成のものが例示される。外層樹脂フィルムは接触等により金属箔が損傷を受けることを防止するためのものであり、ナイロン及びポリエステル等の樹脂が好適に使用できる。金属箔は水分及びガスの透過を防ぐためのものであり、銅、アルミニウム、ステンレス等の箔が好適に使用できる。また、内層樹脂フィルムは、ラミネートフィルムの内部に収納する電解液から金属箔を保護するとともに、ヒートシール時に溶融封口させるためのものであり、ポリオレフィン又は酸変成ポリオレフィンが好適に使用できる。ラミネートフィルムの厚みは50μm〜300μmが好ましい。50μm以上であればラミネートフィルムに後述のカップ部を成形することが容易となる。一方、300μm以下であれば蓄電素子を薄化することができる。
電極体の厚みが厚い場合、ラミネートフィルム外装体10にシワを発生させずにその周縁部をシールするために、図1に示す電極体1を収納することのできる凹部(ラミネートフィルム外装体カップ部11)を成形したラミネートフィルム外装体10を使用することが好ましい。
ラミネートフィルム外装体10を2枚重ね、電解液を注入する際に底部となるように1つの辺を封止して、第一の封止部13を形成する。又は、略四辺形のラミネートフィルムを中央部で折り、1辺を共有する2枚重ねとし、更に該1辺を封止して第一の封止部13を形成する。図4のごとく1辺が封止された外装体を作製する(第一の封止工程)。
ここで、ラミネートフィルム外装体10内に電解液を注入しやすくするために、図8に記載のように漏斗部12と呼ばれる外装体の延長部分を設けてもよい。なお、該漏斗部12は、後述のように封止工程がすべて終了した後に切断除去される。
以上の様にして、第一の封止部13が封止された状態まで形成したラミネートフィルム外装体に、電極端子が取り付けられた電極体を収納する(収納工程)。
(V−2)第二及び第三の封止工程
次に、前記電極体が収納され、第一の封止部が封止されたラミネートフィルム外装体の、正極端子が導出される辺及び負極端子が導出される辺を封止することによって第二の封止部14を形成し、3辺が封止された外装体を作製する(第二の封止工程)。第二の封止工程は、電極端子が導出されるように密封封止を行う。よって、シールバーと呼ばれる封止用の加熱金属板が、電極端子の厚み及び幅に応じて追従している形状であることが好ましい。この他、柔軟な素材をシールバーとして用いる方法も可能である。更に、シールバーが単純なストレート形状であっても、電極端子とラミネートフィルムとが電気的に短絡せずに密封封止可能であれば良い。第二の封止工程においては、一般的に、ヒートシール法が用いられるが、インパルスシール法又は別のシール方法でも良い。
次に、前記の3辺が封止されたラミネートフィルム外装体の開口辺から電解液を注液する(注液工程)。その後、該開口辺に第三の封止部15を形成する(第三の封止工程)。
(V−3)第四の封止工程及び追加の工程
例えば、LICにおいては、第三の封止工程の後に、前述したリチウムイオンプリドープ、所定の充放電によるエージング、該エージングにより発生したガスを抜くガス抜き、等の追加の工程を施してもよい。第三の封止工程の後、任意にそのような追加の工程を経て、第一の封止工程で封止した辺と電極体に対して対向する辺を電極体に沿って封止して第四の封止部16を形成する。その後、漏斗部12を形成していた場合にはこれを切断により取り除く。上記のようにして、四辺が封止されたラミネート型蓄電素子が完成する。
本発明の蓄電素子の時定数は、好ましくは5.0Ω・F以下である。この場合、低抵抗の蓄電素子が得られる。時定数は、より好ましくは0.5Ω・F以上5.0Ω・F以下、更に好ましくは0.5Ω・F以上2.0Ω・F以下である。時定数は当業者に公知の方法で測定される。より具体的には、後述するが、蓄電素子を1Cで放電した際のセル容量と内部抵抗との積により算出される。
以下に、実施例及び比較例を用いて本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例及び比較例では、LICを作製した。
<評価方法>
作製したLICは以下の方法で評価した。
(内部抵抗測定)
各条件でLICを10個ずつ作製し、アスカ電子製の充放電装置(ACD−01)を用いて、放電レート500Cにおける放電カーブをもとに算出した。具体的には、先ず、放電レート500Cにおける電圧−放電容量の関係を示す放電カーブにおいて、放電前半における直線傾向にあるカーブを一次関数にフィッティングした。次に、その直線の切片(電圧軸との交点)である電圧値Eと初期電圧E0とから、電圧降下:ΔE1(V)=E0−Eを算出した。そのΔE1と放電電流値I(A)とから、内部抵抗R(Ω)をR=ΔE1/Iより算出した。
(時定数の算出)
セル容量C(F)は、放電レート1Cの放電電流にて放電した際のセル容量である。具体的には、上記条件における放電をした際の電圧差ΔE2(V)と放電量As(Q)とから、セル容量C(F)を、C=As/ΔE2より算出した。内部抵抗R(Ω)と、セル容量C(F)との積を計算し、時定数(Ω・F)を算出した。内部抵抗はセル容量にも依存するため、セル容量Cに依存しない尺度として時定数を用いた。内部抵抗に変えて時定数で評価することにより、蓄電素子における容量の差による内部抵抗に影響されずに評価することができる。
(封止不良率)
LICの封止不良率は、LICを50個作製し、70℃で30日保管し、電極端子を接続した2辺(すなわち正極体側及び負極体側)の封止部について、電解液が漏れ出た封止部の数を封止不良数としてシール不良率を計算した。
<実施例1>
市販のピッチ系活性炭(BET比表面積1955m2/g)150gをステンレススチールメッシュ製の籠に入れ、石炭系ピッチ300gを入れたステンレス製バットの上に置き、当該ステンレス製バットを電気炉(炉内有効寸法300mm×300mm×300mm)内に設置して、熱処理を行うことによって、前記ピッチ系活性炭の表面に炭素質材料を被着させた複合多孔性材料を作製した。
熱処理は窒素雰囲気下で、670℃まで4時間で昇温し、同温度で4時間保持し、続いて自然冷却により60℃まで冷却した後、炉から取り出した。得られた複合多孔性材料はBET比表面積240m2/gであった。
上記で得た複合多孔性材料83.4質量部、アセチレンブラック8.3質量部及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)8.3質量部とNMP(N−メチルピロリドン)とを混合して、スラリーを得た。
負極集電体として用いる厚み25μmの銅箔に、ドリルを用いて直径約1mmの孔を1cm2あたり16個になるように形成した。重量法で測定したところ、この集電体の空隙率は13%であった。
次いで、複合多孔性材料のスラリーをこの銅箔の両面に塗布し、次いで乾燥し、次いでプレスして、図1に示す負極体3に対応する、負極活物質層の厚みが片面あたり50μmの両面負極(以下単に「負極」ともいう。)を得た。
正極集電体となる15μmのアルミ箔の上に、市販のピッチ系活性炭81.6質量部、ケッチェンブラック6.1質量部及びPVdF12.3質量部とNMPとを混合したものを、上記アルミ箔の片面に塗布し、次いで乾燥し、図1に示す正極体2Bに対応する、活物質層の厚みが70μmの片面正極(以下「片面正極」ともいう。)を得た。さらに、反対面にも同様に厚み70μmの正極活物質層を形成した正極体(以下「両面正極」ともいう。)も作製した。これをプレスして、図1に示す正極体2Aに対応する、活物質層の厚みが片面あたり厚み60μmの両面正極を得た。
上記で得られた負極、並びに両面正極及び片面正極を、負極は112×112mm2、正極は110×110mm2に切り出した。なお、これら負極及び正極には、それぞれ活物質層を塗布していない集電体領域7,8が含まれている。集電体領域の面積は、負極については25×112mm2、正極については25×110mm2である。
次に、正極及び負極を真空乾燥機で充分に乾燥させた後、21枚の負極のそれぞれの片面の負極活物質層にサイズ85×110mm2で厚み30μmの金属リチウム箔3cを圧着した。
負極と正極との間にセルロース製のセパレータ4(ニッポン高度紙株式会社製TF4030)を各々はさみ込み、片面正極、セパレータ、負極、セパレータ、両面正極、…、セパレータ、負極、セパレータ、片面正極の順に積層し、片面正極:2枚、負極:21枚、及び両面正極:20枚が積層されてなる電極体1を作製した(積層工程)。正極の集電体領域7の積層厚みは0.3mm、負極の集電体領域8の積層厚みは0.5mmであった。
得られた電極体1の正極体の集電体領域7及び負極体の集電体領域8について、図3のごとく曲率半径R=7mmとなるように4つの角部を円弧状に切断して切り欠き部を形成した。この電極体において、正極体の集電体領域7に長さ40mm×幅70mmで厚み300μmの正極端子を、負極体の集電体領域8に長さ40mm×幅70mmで厚み300μmの負極端子を、それぞれ超音波溶接により溶接した。溶接面積は、正極及び負極の全溶接部を合計して、100mm×5mmとなった。
一方、厚み60μmのポリプロピレンと厚み30μmのアルミ箔と厚み20μmのナイロンとの積層体からなるラミネートフィルムを165×220mmに切断し、ポリプロピレン側を内側としてこれを2枚重ね、1辺を封止し、第一の封止部13を形成した(第一の封止工程)。
本実施例1のラミネートフィルム外装体には、電極体1に相当するサイズのカップ部(幅93mm×長さ115mm×深さ4mm)(ラミネートフィルム外装体カップ部11)が予め形成されている。
次に、電極体1をラミネートフィルム外装体に収納した(収納工程)。
次に、正極端子が導出される辺及び負極端子が導出される辺をヒートシールにより封止し、第二部の封止部14を形成した。この際の、シールバーは、電極端子形状に合うように凹凸を形成した形状の加熱金属板を用いた(第二の封止工程)。
次に、3辺が封止されたラミネートフィルム外装体の開口辺から、ECとDECとを1:4の体積比率で混合した非水溶媒に1mol/Lの濃度でLiPF6を溶解した非水系電解液を注液した(注液工程)。続いて、残った開口辺をヒートシールで密閉し、第三の封止部15を形成した(第三の封止工程)。
その後、リチウム金属を負極にドープさせ、エージングし、第三の封止部を開口してガス抜き工程を行った。
その後、電極体に対して第一の封止部と対向する辺を電極体に沿って封止し、第四の封止部16を形成した(第四の封止工程)。続いて、漏斗部12は切断により取り除いた。以上により、本発明のラミネート型蓄電素子の例であるLICを完成させた。
得られたLICにおいて、電極端子幅m/電極端子導通辺の封止幅n=Xは0.51となった。また、セル容量Cは1000Fであり、時定数は1.61Ω・Fであった。また、50セル作製したうちの封止不良率は0%であった。
<実施例2>
電極体1の正極体の集電体領域7及び負極体の集電体領域8の角部を図4のごとく切断して切り欠き部を形成した以外は実施例1と同様に非水系リチウム型蓄電素子を作製した。切り欠き部の形状は直角を挟む二辺の長さ、P1が20mm、P2が25mmである直角三角形とした。このようにして得られた非水系リチウム型蓄電素子のセル容量Cは1000Fであり時定数は1.63Ω・Fであった。また、50セル作製したうちの封止不良率は0%であった。
<実施例3>
電極体1の正極体の集電体領域7及び負極体の集電体領域8の角部を図5のごとく切断して切り欠き部を形成した以外は実施例1と同様にLICを作製した。切り欠き部の形状は直角を挟む二辺の長さ、P1及びP2の長さがそれぞれ10mmである直角二等辺三角形とした。このようにして得られたLICのセル容量Cは1000Fであり時定数は1.60Ω・Fであった。また、50セル作製したうちの封止不良率は0%であった。
<実施例4>
片面正極:2枚、負極:41枚、及び両面正極:40枚が積層されてなる電極積層体1を作製した。正極体の集電体領域7の厚みは0.6mmであり、負極体の集電体領域8の厚みは1.0mmであった。電極体1の正極体の集電体領域7及び負極体の集電体領域8の角部を図3のごとく曲率半径R=7mmとなるように円弧状に切断した。なお、本実施例4のラミネートフィルム外装体には、電極体1に相当するサイズのカップ部(幅93mm×長さ115mm×深さ8mm)(ラミネートフィルム外装体カップ部11)が予め形成されていること以外は実施例1と同様のものを用い、実施例1と同様にしてLICを作製した。このようにして得られたLICのセル容量Cは2000Fであり時定数は1.61Ω・Fであった。また、50セル作製したうちの封止不良率は0%であった。
<比較例1>
図2に示すように、電極体1の正極体の集電体領域7及び負極体の集電体領域8の両端を切断せず、切り欠き部を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にLICを作製した。このようにして得られたLICのセル容量Cは1000Fであり時定数は1.59Ω・Fであった。また、50セル作製したうちの封止不良率は12%であった。
<比較例2>
電極体の正極体の集電体領域7及び負極体の集電体領域8の角部を図6のごとく曲率半径R=5mmとなるように切断した以外は実施例1と同様にしてLICを作製した。このようにして得られたLICのセル容量Cは1000Fであり時定数は1.60Ω・Fであった。また、50セル作製したうちの封止不良率は10%であった。
<比較例3>
電極体1の正極体の集電体領域7及び負極体の集電体領域8の角部を図7のごとく切断して凸状の切り欠き部を作製した以外は実施例1同様にしてLICを作製した。このようにして得られたLICのセル容量Cは1000Fであり時定数は1.72Ω・Fであった。また、50セル作製したうちの封止不良率は0%であった。
<比較例4>
電極体1の正極体の集電体領域7及び負極体の集電体領域8の角部を切断せず、切り欠き部を形成しなかった。正極体の集電体領域7に長さ40mm×幅50mmで厚み300μmの正極端子を、負極体の集電体領域8に長さ40mm×幅50mmで厚み300μmの負極端子を超音波溶接により溶接した。電極端子幅m/電極端子導通辺の封止幅n=Xは0.37となったこと、及び切り欠き部がないこと以外は実施例1と同様にLICを作製した。このようにして得られたLICのセル容量Cは1000Fであり時定数は1.70Ω・Fであった。また、50セル作製したうちの封止不良率は0%であった。
<比較例5>
電極体1の正極体の集電体領域7及び負極体の集電体領域8の両端を四辺形状に切断し、切り欠き部を形成しなかった。この電極体の正極体の集電体領域7に長さ40mm×幅70mmで厚み200μmの正極端子を、負極体の集電体領域8に長さ40mm×幅50mmで厚み200μmの負極端子を超音波溶接により溶接したこと以外は実施例1と同様にLICを作製した。このようにして得られたLICのセル容量Cは1000Fであり時定数は1.73Ω・Fであった。また、50セル作製したうちの封止不良率は0%であった。
Figure 2013140825
表1中、「対向」とは、電極体中の正極活物質領域と負極活物質領域とが相対向する数を意味し、「タブ厚み」とは、電極端子の厚みを意味する。
本発明のラミネート型蓄電素子は、例えば、自動車において、内燃機関又は燃料電池、モータ、及び蓄電素子を組み合わせたハイブリット駆動システムの分野、更には瞬間電力ピークのアシスト用途等で好適に利用できる。
1 電極体
2A,2B 正極体
2a、3a 集電体
2b,2c,3b 活物質層
3c 金属リチウム箔
3 負極体
4 セパレータ
5a,5b 電極端子
6 活物質領域
7,8 集電体領域
9 切り欠き部
10 ラミネートフィルム外装体
11 ラミネートフィルム外装体カップ部
12 漏斗部
13 第一の封止部
14 第二の封止部
15 第三の封止部
16 第四の封止部
L1 集電体領域の長さ
L2 電極端子の側縁と活物質領域の側縁の延長線との距離
La,Lb 側縁
Ea,Eb 端部辺
Sa,Sb 共有辺
m 電極端子幅
n 電極端子導通辺の封止幅

Claims (6)

  1. 集電体、及び該集電体の片面又は両面に形成された、正極活物質を含む活物質層を有する略四辺形の複数枚の正極体と、集電体、及び該集電体の片面又は両面に形成された、負極活物質を含む活物質層を有する略四辺形の複数枚の負極体とがセパレータを介して交互に積層された構造を有する電極体、
    正極端子と負極端子からなる電極端子、
    電解液、並びに
    該電極体及び該電解液を収納するためのラミネートフィルム外装体
    を備え、
    該電極端子の一端は、該集電体に電気的に接続されて該ラミネートフィルム外装体の内部に封入されているが、該一端が正極体に接続されている正極端子の他端と、該一端が負極体に接続されている負極端子の他端とは、該ラミネートフィルム外装体の対向する2辺から外部に引き出されており、
    該電極体を積層方向に平面視したときに、正極体及び負極体の少なくとも一方の形状が、下記:
    活物質層が形成されている略四辺形の活物質領域と、活物質層が形成されていない集電体領域とを有し、
    活物質領域と集電体領域とが共有辺を介して隣接しており、
    集電体領域の外縁が、該共有辺、該共有辺に対向する端部辺、及び該共有辺の端点と該端部辺の端点とを結ぶ側縁によって定められ、
    該集電体領域における該端部辺の少なくとも一部を含む部位に該電極端子が接続されており、
    該側縁が、直線状であるか、又は、直線、曲率半径R≧7mmの曲線若しくはこれらの組合せで構成される集電体領域外側に凸の形状であり、
    共有辺に対して平行方向での寸法である集電体領域幅が、共有辺側から端部辺側に向かって全領域で徐々に減少しているか、又は共有辺側から端部辺側に向かって一部の領域で一定であるとともに残りの領域で徐々に減少している;
    である、ラミネート型蓄電素子。
  2. 前記電極体を積層方向に平面視したときに、正極体及び負極体の少なくとも一方の形状が、下記:
    集電体領域は、共有辺側から端部辺側に向かって集電体領域幅が一定である第一の部分領域と、共有辺側から端部辺側に向かって集電体領域幅が徐々に減少する第二の部分領域とを有する;
    である、請求項1に記載のラミネート型蓄電素子。
  3. 前記正極体及び前記負極体の少なくとも一方の集電体領域の積層厚みが0.3mm以上である、請求項1又は2に記載のラミネート型蓄電素子。
  4. 前記電極端子の幅をmとし、ラミネートフィルム外装体による電極端子導通辺の封止幅をnとし、m/n=Xとしたときに、0.4≦X≦0.7を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載のラミネート型蓄電素子。
  5. 時定数が5.0ΩF以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のラミネート型蓄電素子。
  6. 前記正極活物質が活性炭であり、前記負極活物質がリチウムイオンを吸蔵放出する物質であり、前記電解液がリチウムイオンを含む非水系電解液である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のラミネート型蓄電素子。
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