JP2013140238A - 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制される静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】結着樹脂と、離型剤と、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122との固溶体またはC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202との固溶体であるマゼンタ顔料とを有機溶媒中に溶解または分散させて混合液を調製する混合液調製工程と、混合液を水系媒体中に分散懸濁させて懸濁液を調製する懸濁液調製工程と、懸濁液から溶媒を除去する溶媒除去工程と、得られたトナー粒子を乾燥する乾燥工程と、を含む静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法に関する。
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により像保持体上に静電潜像を形成し(潜像形成工程)、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある。)で静電潜像を現像し(現像工程)、転写工程、定着工程を経て可視化される。ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。
そのトナーの製法には、通常、熱可塑性樹脂等の結着樹脂を顔料等の着色剤、帯電制御剤、ワックス等の離型剤等とともに溶融混練し、冷却後、粉砕し、さらに分級する混練粉砕法が使用されている。
また、画像の高画質化の要求によりトナー形状およびトナー表面構造等の制御を意図的に行うことが可能な手段として、湿式製法によるトナーの製造方法が提案されており、特に高画質化を狙うために粒径をできるだけ揃える方法として、例えば、懸濁重合法、乳化重合凝集法等が知られている。
例えば、特許文献1には、結着樹脂、マゼンタ顔料および極性樹脂を含有する静電荷像現像用マゼンタトナーを、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122またはC.I.ピグメントレッド202との固溶体顔料を用い、結着樹脂としてスチレン重合体、スチレン共重合体等を用い、極性樹脂として酸価3mgKOH/g以上20mgKOH/g以下である樹脂を用い、懸濁重合法により製造することが記載されている。このトナーは、摩擦帯電性に優れ、極めて鮮明な色彩が得られると共に、OHP透明性に優れ、かつ製造安定性に優れた特性を有することが記載されている。また、特許文献2には、上記固溶体を混錬粉砕法に用いた例が、特許文献3〜5には懸濁重合法に用いた例が、特許文献6には凝集法に用いた例があり、いずれもマゼンタトナーが提案されている。
特開平10−123760号公報 特開2007−094270号公報 特開2004−333892号公報 特開2004−333825号公報 特開平11−084735号公報 特開平2011−215311号公報
本発明の目的は、トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制される静電荷像現像用トナーの製造方法、そのようにして得られるトナーを含む静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、その現像剤を用いるプロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、結着樹脂と、離型剤と、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122との固溶体またはC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202との固溶体であるマゼンタ顔料とを有機溶媒中に溶解または分散させて混合液を調製する混合液調製工程と、前記混合液を水系媒体中に分散懸濁させて懸濁液を調製する懸濁液調製工程と、前記懸濁液から溶媒を除去する溶媒除去工程と、得られたトナー粒子を乾燥する乾燥工程と、を含む静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項2に係る発明は、前記結着樹脂が、少なくともビスフェノール骨格を有する、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像用現像剤である。
請求項4に係る発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含有するトナーカートリッジである。
請求項5に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、を備え、前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であるプロセスカートリッジである。
請求項6に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備え、前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤である画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、像保持体の表面を帯電させる帯電工程と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記現像されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、を備え、前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤である画像形成方法である。
請求項1に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制される静電荷像現像用トナーが得られる。
請求項2に係る発明によると、結着樹脂がビスフェノール骨格を有さない場合に比較して、トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制される静電荷像現像用トナーが得られる。
請求項3に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制される静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像用現像剤が提供される。
請求項4に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制される静電荷像現像用トナーを含有するトナーカートリッジが提供される。
請求項5に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制される静電荷像現像用トナーを含有するプロセスカートリッジが提供される。
請求項6に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制される画像形成装置が提供される。
請求項7に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制される画像形成方法が提供される。
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本発明の実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂と、離型剤と、C.I.ピグメントバイオレット19(以下、単に「PV19」と呼ぶ場合がある)とC.I.ピグメントレッド122(以下、単に「PR122」と呼ぶ場合がある)との固溶体またはC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202(以下、単に「PR202」と呼ぶ場合がある)との固溶体であるマゼンタ顔料とを有機溶媒中に溶解または分散させて混合液を調製する混合液調製工程と、前記混合液を水系媒体中に分散懸濁させて懸濁液を調製する懸濁液調製工程と、前記懸濁液から溶媒を除去する溶媒除去工程と、得られたトナー粒子を乾燥する乾燥工程と、を含む。一般に、このような方法は「溶解懸濁法」と呼ばれる。
従来、着色剤としてPV19とPR122、またはPV19とPR202をそれぞれ単独の顔料として含むトナー粒子の構造、特に離型剤のトナー粒子中の位置を制御することは困難であった。詳細は不明であるが、PV19とPR122、またはPV19とPR202が混晶であるため、顔料の結晶構造の規則性がそれぞれの顔料単独よりも低めであり、異方性が低いため、トナー粒子内部に含まれる結着樹脂への顔料の分散性が高いが、一方で他のトナー構成材料、特に離型剤のトナー粒子内部への分散の制御が困難であり、離型剤がトナーの表面へ露出しやすくなると推定される。
本発明者らは、顔料の構成をPV19とPR122との固溶体またはPV19とPR202との固溶体として、結着樹脂と離型剤とその固溶体とを有機溶媒中に溶解または分散させて混合液を調製する混合液調製工程と、混合液を水系媒体中に分散懸濁させて懸濁液を調製する懸濁液調製工程と、懸濁液から溶媒を除去する溶媒除去工程と、得られたトナー粒子を乾燥する乾燥工程と、を含む湿式製法と組み合わせることにより、トナー粒子の構造、特に離型剤のトナー粒子中の位置を制御しやすくなることを見出した。その結果、例えばストレス条件下等においてもトナー粒子表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制され、トナーカートリッジから現像装置への搬送経路や現像装置等における粉体搬送性が向上する。よって、当該搬送経路等におけるトナー詰まりが生じにくく、画像濃度の低下等が抑制される。
本実施形態に係るトナーの製造方法により得られるトナーの表面の離型剤の露出量は、例えば、1%以上10%以下の範囲である。
以下、本実施形態に係るトナーの製造方法の一例について説明する。
[混合液調製工程]
まず、結着樹脂と、離型剤と、着色剤としてPV19とPR122との固溶体またはPV19とPR202との固溶体であるマゼンタ顔料とを有機溶媒中に溶解または分散させて混合液を調製する(混合液調製工程)。この混合液調製工程においては、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含むトナー材料を有機溶媒中に溶解もしくは分散させて、トナー材料の混合液を得るものである。
そのトナー材料には、結着樹脂、着色剤、離型剤の他に、必要に応じてトナー粒子に通常添加される帯電制御剤等を適宜配合してもよい。トナー材料の混合液は、結着樹脂にあらかじめ着色剤、離型剤もしくは帯電制御剤等を混練させたものを、有機溶媒中に溶解もしくは分散させてもよいし、または結着樹脂を有機溶媒中に溶解させた後、着色剤、離型剤および帯電制御剤等をボールミル、サンドミル等のメディア入り分散機または高圧分散機等を用いて分散させてもよいし、あらかじめ有機溶媒中に着色剤、離型剤もしくは帯電制御剤等をメディア入り分散機、高圧分散機または超音波分散機等を用いて分散した後、結着樹脂を溶解させてもよい。この混合工程においては、結着樹脂、離型剤が有機溶媒中に溶解して着色剤が溶解または分散している限り、如何なる方法により混合したものでもよい。
トナー材料の溶解もしくは分散に用いる有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、結着樹脂を溶解するものであって、かつ、水に溶解する割合が0重量%以上30重量%以下程度のものであり、沸点が100℃以下であることが好ましい。なお、スチレンやアクリル酸等の重合性単量体は用いないのが好ましい。また、工業化を行うにあたり、作業上の安全性、コストおよび生産性等をも考慮すると、酢酸エチルを用いることが特に好ましい。これら有機溶媒はトナー材料の混合液の粘度が20℃において1mPa・s以上10,000mPa・s以下の範囲となるように用いられることが好ましく、1mPa・s以上2,000mPa・s以下の範囲となるように用いられることがより好ましい。
[懸濁液調製工程]
次に、混合液調製工程で得られた混合液を、水系媒体中に分散懸濁させて懸濁液を調製する(懸濁液調製工程)。
水系媒体としては、水中に無機分散剤を分散させたものを用いることが好ましい。また、トナー粒子の粒度分布をできるだけ均一にするためには、水中に無機分散剤を分散させるとともに、水に溶解する高分子分散剤を添加することが好ましい。この無機分散剤は、ボールミルのようなメディア入り分散機、高圧分散機または超音波分散機等を用いて水中に分散させればよい。また、高分子分散剤は、水中にできるだけ均一に溶解していれば如何なる方法によって添加してもよい。また、用いる水は、通常、イオン交換水、蒸留水または純水などである。
無機分散剤としては、親水性分散剤を用いることが好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、粘土、珪藻土、ベントナイト等が挙げられるが、炭酸カルシウムが好ましい。また、これらの無機分散剤は、その粒子表面がカルボキシル基を有する重合体で被覆されているものがより好ましい。このような重合体で被覆されたものは親油親水バランスを最適化するため、トナー材料の混合液の懸濁液調製工程において分散粒子がほとんど合一せず、粒度分布がシャープなトナー粒子が得られる。
上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸またはα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン等により中和されたアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等から選ばれる少なくとも1種と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物、あるいは、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物の上記のようなアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩等が含まれる。これらは1種のみで用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の代表的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。また、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルの代表的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸その他のアルキルエステル類、アルコキシ基を有するアクリレートおよびメタクリレート類、シクロヘキシル基を有するアクリレートおよびメタクリレート類、ヒドロキシ基を有するアクリレートおよびメタクリレート類、ポリアルキレングリコールモノアクリレート類およびポリアルキレングリコールモノメタクリレート類等が挙げられる。これらに代表されるα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルより選ばれるものが好ましい。
無機分散剤としては、体積平均粒子径が1nm以上1,000nm以下の範囲のものが好ましく用いられるが、5nm以上500nm以下の範囲のものがより好ましく、10nm以上300nm以下の範囲のものがさらに好ましい。この体積平均粒子径が1nm未満では、無機分散剤を分散させることが困難となる場合があり、1,000nmを超えるとトナー粒子径との差が小さくなるため、油相成分を安定に分散維持させることが困難となる場合がある。その無機分散剤の使用量は、トナー100重量部に対して1重量以上300重量部以下の範囲が好ましく、4重量部以上100重量部以下の範囲がより好ましい。1重量部より少ないと分散性と安定性が不安定になりやすく、300重量部を超えると水相成分の粘度が高くなり、分散懸濁の安定性が低下しやすくなる。
高分子分散剤としては、親水性のものを用いることが好ましく、カルボキシル基を有するものの中でヒドロキシプロポキシル基、メトキシル基等の親油基を持たないものが好ましい。具体的には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等の水溶性のセルロースエーテルが用いられるが、特にカルボキシメチルセルロースが好ましい。これらのセルロース類は、エーテル化度が0.6以上1.5以下の範囲であり、平均重合度が50以上3,000以下の範囲のものであることが好ましい。また、そのカルボキシル基は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩であってもよい。トナー粒子の粒度分布をシャープにするために、高分子分散剤の使用量をトナー材料の混合液の粘度(トナー材料と有機溶媒の比率等により異なる。)によって変えてもよい。例えば、トナー材料の混合液の粘度が比較的低い場合には、水系媒体の粘度を高くしなくてもよく、高分子分散剤の添加量も少なくてよい。これに対して、トナー材料の混合液の粘度が高い場合には、高分子分散剤の添加量も多くして水系媒体の粘度を高くしてもよい。水系媒体の粘度は、20℃において概ね1mPa・s以上3,000mPa・s以下の範囲となるように調整されることが好ましく、1mPa・s以上1,000mPa・s以下の範囲となるように調整されることがより好ましい。
懸濁液調製工程に使用される装置としては、例えば、一般に乳化機、分散機として市販されているものが挙げられ、特に限定されるものではない。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサ(特殊機化工業社製)、ナショナルクッキングミキサ(松下電器産業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダ(荏原製作所社製)、TKパイプラインホモミクサ、TKホモミックラインフロ(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャ、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業社製)等のバッチまたは連続両用乳化機、マイクロフルイダイザ(みづほ工業社製)、ナノメーカ、ナノマイザ(ナノマイザ社製)、APV ゴウリン(ゴウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサ(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザ(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。
[溶媒除去工程]
次に、懸濁液調製工程で得られた懸濁液から溶媒を除去する(溶媒除去工程)。この溶媒除去工程においては、懸濁液調製工程で得られた懸濁液中の有機溶媒、水等を除去するものである。また、この懸濁液の溶媒除去は懸濁液調製工程の直後に行ってもよいが、得られるトナー粒子の粒度分布をより均一にするには、粒度分布を安定させるため、懸濁液調製工程終了後、1分以上後に溶媒除去を行うことが好ましい。この溶媒除去工程では、懸濁液調製工程で得られた懸濁液を例えば0℃以上100℃以下の範囲に冷却または加熱することにより、懸濁液の液滴中に含まれる溶媒を除去することが好ましい。その溶媒除去の具体的な方法には、次のいずれかの方法を行うことが好ましい。
(1)懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新する。この場合には、懸濁液に気体を吹き込んでもよい。
(2)圧力を例えば10mmHg以上760mmHg未満に減圧する。この場合には、気体のパージにより懸濁液面上の気相を強制的に更新してもよいし、さらに懸濁液に気体を吹き込んでもよい。
このようにして得られたトナー粒子に無機分散安定剤や前述した有機の分散安定剤(高分子分散剤)がトナー粒子表面に付着したまま残留していると、残留付着物の吸湿性のために、トナーとしての帯電性の湿度依存性や粉体流動性が悪化してしまう場合がある。したがって、トナーの帯電性や粉体流動性に対する影響を極力なくすため、できる限りこうした無機および有機の分散安定剤を取り除くことが好ましい。得られたトナー粒子は、少量の残存溶媒を乾燥により除去した後に、塩酸、硝酸、蟻酸、酢酸等の、無機分散安定剤を水溶化する酸類で洗浄するのが好ましい。これによりトナー粒子表面に残存する無機分散安定剤が除去される。また、高分子分散剤は、水洗等により除けばよい。上記酸処理後のトナー粒子は、必要により水酸化ナトリウム等のアルカリで中和してもよい。必要に応じてろ過、デカンテーション、遠心分離等の適当な方法により回収され、必要により水等でさらに水洗されてもよい。
[乾燥工程]
次に、溶媒除去工程で得られたトナー粒子を乾燥する(乾燥工程)。この乾燥工程においては、溶媒除去工程で得られたトナー粒子の水分などを除去するものである。この乾燥工程においてトナー粒子の水分を3重量%以下まで除去する時間が10分未満とすることが好ましい。このように急速に乾燥することにより、内部汚染がトナー粒子表面に滲み出すのが防止される。また、乾燥機として気流乾燥機を用い、また30秒以内に乾燥することがより好ましい。
乾燥工程に使用される装置としては、例えば、一般に乾燥器または乾燥機として市販されているものが挙げられ、特に限定されるものではない。
また、必要に応じて、残存するごく少量のトナー粒子の有機溶媒などの成分を除去する工程、さらに篩分してトナー粒子を作製する工程を含んでもよい。有機溶媒除去、篩分の工程では、いかなる方法であってもよく、トナー粒子が凝集や粉砕をなるべく起こさない方法であることが好ましい。
<静電荷像現像用トナー>
(トナーの構成成分)
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーにおけるトナー粒子は、結着樹脂、着色剤、離型剤等を含有し、着色剤として上記の通り、PV19とPR122、またはPV19とPR202の固溶体を含有する。トナー粒子は、その他の成分を必要に応じて含有する。
結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、酸(多価カルボン酸)成分とアルコール(多価アルコール)成分とから合成されるものであり、本実施形態において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
[酸由来構成成分]
酸由来構成成分は、特に制限はなく、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸が好ましく用いられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。また芳香族カルボン酸としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類の低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。また、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類等が挙げられる。さらに良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。また、前述のアルケニルコハク酸類の具体的なものとしては、ドデセニルコハク酸、ドデシルコハク酸、ステアリルコハク酸、オクチルコハク酸、オクセニルコハク酸等が挙げられる。
[アルコール由来構成成分]
アルコール由来構成成分としては特に制限はないが、脂肪族ジオールとして、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられる。また、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどや、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が用いられる。また、良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
ポリエステル樹脂の製造方法としては特に制限はなく、酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造すればよく、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、単量体の種類によって使い分けて製造すればよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
ポリエステル樹脂の製造は、例えば、重合温度180℃以上230℃以下の間で行えばよく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させてもよい。単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、重合反応が部分的に早くなったり、遅くなる場合があり、無着色粒子を多く発生する場合があるため、高沸点の溶媒を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶媒を留去しながら行ってもよい。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合はあらかじめ相溶性の悪い単量体と、その単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させてもよい。
ポリエステル樹脂の製造時に使用してもよい触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられる。この中でも、例えば、スズ、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド等のスズ含有触媒を用いることが好ましい。
本実施形態においては、静電荷像現像用トナー用の樹脂として共重合可能なものであれは、親水性極性基を有する化合物を用いてもよい。具体例としては、仮に用いる樹脂がポリエステルである場合、スルホニル−テレフタル酸ナトリウム塩、3−スルホニルイソフタル酸ナトリウム塩等の芳香環に直接スルホニル基が置換したジカルボン酸化合物が挙げられる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは5,000以上であることが好ましく、5,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。このポリエステル樹脂を含むと、擦摺性に優位である。ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが5,000を下回ると、場合によっては分離しやすくなることから、遊離した樹脂に由来する問題(フィルミング、脆さによる微粉増加、粉体流動性悪化など)が発生する場合がある。
本実施形態に係るトナーにおいて、ポリエステル樹脂以外の樹脂としては特に制限されないが、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;さらにアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン系不飽和酸単量体;さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類単量体の単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、またはそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において、結着樹脂が、少なくともビスフェノール骨格を有することが好ましい。ビスフェノール骨格を有する結着樹脂としては、アルコール由来構成成分として上記ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等のビスフェノール骨格を有する芳香族ジオール類を用いたポリエステル樹脂等が挙げられる。
着色剤としては、上記の通り、PV19とPR122との固溶体またはPV19とPR202との固溶体が用いられる。固溶体は、例えば、米国特許第3,160,510号明細書に記載のように、固溶体成分を硫酸または適当な溶媒から同時に再結晶させた後に溶剤処理する方法や、ドイツ特許出願公告1,217,333号公報に記載のように、適当に置換されたジアミノテレフタル酸混合物の環化後に溶剤処理する等の公知の方法により得ればよい。固溶体におけるPV19とPR122またはPV19とPR202の混合比は、目的の色に応じて適宜決めればよいが、例えば、重量比で5:95以上95:5以下である。また、目的の色に応じて、PV19とPR122との固溶体またはPV19とPR202との固溶体の他に、例えば、PR48、PR57、PR170、PR221、PR238等の他の着色剤を含有してもよい。他の着色剤の含有量は、目的の色に応じて適宜決めればよい。これら着色剤の含有量としては結着樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上40重量部以下が好ましく、1重量部以上30重量部以下がさらに好ましい。
本実施形態に係るトナーは、離型剤を含む。離型剤の具体的な例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、およびそれらの変性物等が挙げられる。これらのうち、離型剤がパラフィン系ワックス、およびカルナバ等のエステル系ワックスのうち少なくとも1つの場合に、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法による効果がより発揮される。
これらの離型剤は単独で使用可能な他、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら離型剤の含有量としては結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下が好ましく、5質量部以上9質量部以下がより好ましい。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、無機粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
本実施形態のトナーには必要に応じて無機粒子を添加してもよい。前記無機粒子としてはシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理したもの等公知の無機粒子を単独または二種以上を組み合わせて使用すればよいが、発色性やオーバヘッドプロジェクタ(OHP)透過性等の透明性を損なわないという観点から屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましい。またシリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましい。
これら無機粒子を添加することによりトナーの粘弾性を調整してもよく、画像光沢度や紙への染み込みを調整してもよい。無機粒子はトナー原料100質量部に対して0.5質量%以上20質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
本実施形態のトナーには必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としてはクロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、サリチル酸金属錯体などを使用すればよい。
<静電荷像現像用トナーの物性>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒径としては、3μm以上10μm以下の範囲が好ましく、4μm以上8μm以下の範囲がより好ましい。
前記体積平均粒径および個数平均粒径の測定は、コールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)を用いて、100μmのアパーチャ径で測定することにより行われる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒分散させた後に行う。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、1.27以下であり、好ましくは1.25以下である。GSDvが1.27を超えると粒度分布がシャープとならず、解像性が低下し、トナー飛散やかぶり等の画像欠陥の原因となる場合がある。
なお、体積平均粒径D50vおよび体積平均粒度分布指標GSDvは、以下のようにして求める。前述のコールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)で測定されるトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。なお、(D84p/D16p)1/2は数平均粒度分布指標(GSDp)を表す。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの、下記式で表される形状係数SF1は好ましくは110以上140以下の範囲、より好ましくは115以上130以下の範囲である。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を超えると、長期にわたって、優れた帯電性、クリーニング性、転写性が得られないことがある。
なお、形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて次のように測定する。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML2/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求める。
<静電荷像現像用現像剤>
本実施形態において、静電荷像現像用現像剤は、前記本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。本実施形態における静電荷像現像用現像剤は、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像用現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像用現像剤となる。
例えばキャリアを用いる場合のそのキャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30μm以上200μm以下程度の範囲である。
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマ;などの単独重合体、または2種類以上のモノマからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下程度の範囲が好ましく、0.5重量部以上3.0重量部以下の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダ、加熱型ヘンシェルミキサ、UMミキサなどを使用すればよく、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用してもよい。
静電荷像現像用現像剤における前記本実施形態の静電荷像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。
<トナーカートリッジ>
本実施形態に係るトナーカートリッジは、前記本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含有するものであればよく、特に制限はない。トナーカートリッジは、例えば、現像手段を備えた画像形成装置に着脱され、この現像手段に供給されるためのトナーとして、前記本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーが収納されているものである。
<現像剤カートリッジ>
本実施形態に係る現像剤カートリッジは、前記本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤を含有するものであればよく、特に制限はない。現像剤カートリッジは、例えば、現像手段を備えた画像形成装置に着脱され、この現像手段に供給されるための現像剤として、前記本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーを含む静電荷像現像用現像剤が収納されているものである。
<プロセスカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、前記本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤を含有するものであればよく、特に制限はない。プロセスカートリッジは、例えば、像保持体と、像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段とを備える。本実施形態のプロセスカートリッジは、必要に応じて、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像保持体の表面に残留した残留トナー等を除去して清掃する像保持体清掃手段と、被転写体に転写されたトナー像を定着するための定着手段とからなる群より選択される少なくとも1つを備えていてもよい。
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの一例の概略構成を図1に示し、その構成について説明する。プロセスカートリッジ1は、静電潜像が形成される像保持体としての感光体(電子写真感光体)14と、感光体14の表面を帯電する帯電手段としての帯電装置10と、感光体14の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段としての現像装置16と、感光体14の表面に接触して、転写後に感光体14の表面に残留した残留トナーなどを除去して清掃する像保持体清掃手段としてのクリーニングブレード20とが一体に支持されており、画像形成装置に着脱自在である。画像形成装置に装着されたときには感光体14の周囲に、帯電装置10、レーザ光あるいは原稿の反射光などにより感光体14の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置12、現像装置16、感光体14表面のトナー像を被転写体である記録用紙24に転写処理する転写手段としての転写ロール18、クリーニングブレード20がこの順序で配置されるようになっている。なお、図1では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、その記載を省略してある。
本実施形態に係るプロセスカートリッジ1の動作について説明する。
まず、帯電装置10により感光体14の表面が帯電される(帯電工程)。次に、露光装置12により感光体14の表面に光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電潜像(静電荷像)が形成される(潜像形成工程)。その後、静電潜像が現像装置16により現像され、感光体14の表面にトナー像が形成される(現像工程)。例えば、感光体14として有機感光体を用い、露光装置12としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、感光体14の表面は、帯電装置10により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像装置16でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像装置16にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写ロール18で、被転写体である記録用紙24がこのトナー像に重ねられ、記録用紙24の裏側からトナーとは逆極性の電荷が記録用紙24に与えられ、静電気力によりトナー像が記録用紙24に転写される(転写工程)。転写されたトナー像は、定着手段としての定着ロール22を有する定着装置において熱および圧力が加えられ、記録用紙24に融着されて定着される(定着工程)。一方、転写されずに感光体14の表面に残存したトナー等の残留物はクリーニングブレード20により除去される(像保持体清掃工程)。この帯電工程から像保持体清掃工程に至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、図1において、転写ロール18で記録用紙24に直接トナー像が転写されているが、中間転写ベルト等の中間転写体を介して転写されてもよい。
帯電手段である帯電装置10としては、例えば、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性または半導電性の帯電ロールを用いてもよい。導電性または半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、感光体14に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電装置10により、感光体14との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより感光体14表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性または半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でもよい。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
感光体14は、少なくとも静電潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。電子写真感光体は、円筒状の導電性の基体外周面に必要に応じて下引き層と、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とがこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、感光層の上に保護層を有してもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜など他の種類の感光層を使用してもよい。
露光装置12としては、特に制限はなく、例えば、感光体14表面に、半導体レーザ光、LED(Light Emitting Diode)光、液晶シャッタ光などの光源を、所望の像様に露光するレーザ光学系、LEDアレイなどの光学系機器などが挙げられる。
現像手段は、感光体14上に形成された静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む一成分現像剤あるいは二成分現像剤により現像してトナー像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、トナー層が感光体14に接触する方式のものでも、接触しない方式のものでもよい。例えば、図1のように静電荷像現像用トナーを現像装置16を用いて感光体14に付着させる機能を有する現像器、あるいはブラシなどを用いてトナーを感光体14に付着させる機能を有する現像器など、公知の現像器などが挙げられる。
転写手段である転写装置としては、例えば、記録用紙24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を記録用紙24に与え、静電気力によりトナー画像を記録用紙24に転写するもの、あるいは図1に示すような記録用紙24の表面に記録用紙24を介して直接接触して転写する導電性または半導電性のロール等を用いた転写ロールおよび転写ロール押圧装置を用いればよい。転写ロールには、像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定すればよい。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、記録用紙24に直接転写する方式でも、中間転写体を介して記録用紙24に転写する方式でもよい。
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いればよい。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度の観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが好ましい。
像保持体清掃手段としては、像保持体上の残留トナー等を除去して清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。
定着手段としての定着装置としては、記録用紙24に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであれば特に制限はない。例えば、加熱ロールと加圧ロールとを備える定着装置が用いられる。
トナー像を転写する被転写体である記録用紙24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタなどに使用される普通紙、OHPシートなどが挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、転写材の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂などでコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙などが好適に使用される。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、前記本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤を含有するものであればよく、特に制限はない。画像形成装置は、例えば、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段とを備える。本実施形態の画像形成装置は、必要に応じて、被転写体に転写されたトナー像を定着するための定着手段と、転写後の像保持体の表面に残留した残留トナー等を除去して清掃する像保持体清掃手段と、からなる群より選択される少なくとも1つを備えていてもよい。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記プロセスカートリッジを使用するものであってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略構成を図2に示し、その構成について説明する。画像形成装置3は、静電潜像が形成される像保持体としての感光体14と、感光体14の表面を帯電する帯電手段としての帯電装置10と、レーザ光あるいは原稿の反射光などにより感光体14の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置12と、感光体14の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段としての現像装置16と、感光体14表面のトナー像を被転写体である記録用紙24に転写処理する転写手段としての転写ロール18と、感光体14の表面に接触して、転写後に感光体14の表面に残留した残留トナーなどを除去して清掃する像保持体清掃手段としてのクリーニングブレード20とを備える。画像形成装置3において、感光体14の周囲に、帯電装置10、露光装置12、現像装置16、転写ロール18、クリーニングブレード20がこの順序で配置されている。また、定着手段として定着ロール22を有する定着装置を備える。なお、図2では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、その記載を省略してある。画像形成装置3の各構成、画像形成時の動作は図1のプロセスカートリッジ1と同様である。
本実施形態に係るプロセスカートリッジおよび画像形成装置の各構成については、これらに限らず従来から電子写真方式のプロセスカートリッジおよび画像形成装置の各構成として公知の構成を適用してもよい。すなわち、帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段、像保持体清掃手段、除電手段、給紙手段、搬送手段、画像制御手段等について、必要に応じて従来公知のものが適宜採用される。これらの構成については、本実施形態において特に限定されるものではない。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(マゼンタ顔料固溶体1の調製)
2,5−ジ−(4−メチルフェニルアミノ)テレフタル酸をリン酸中で環化して、2,9−ジメチルキナクリドン(C.I.ピグメントレッド122)を合成した。得られた2,9−ジメチルキナクリドンのリン酸分散液に水を添加してフィルターで濾別した後、さらに水で洗浄した。洗浄した2,9−ジメチルキナクリドンに再び水を添加して、固形分20質量%の水分散液とした。同様に2,5−ジ−フェニルアミノテレフタル酸を用いて、固形分20質量%のキナクリドン(C.I.ピグメントバイオレット19)の水分散液を作製した。上記固形分20質量%のジメチルキナクリドン(C.I.ピグメントレッド122)の水分散液250質量部と固形分20質量%のキナクリドン(C.I.ピグメントバイオレット19)の水分散液250質量部にエタノール250質量部を添加して顔料の混合液とした。この混合液を、冷却管を装備した容器に移し、顔料を磨砕しながら、125℃の加熱還流下で4時間反応させた。反応終了後、反応液から顔料を濾別、洗浄、乾燥した後、粉砕して、PV19とPR122との固溶体を調製した。
(マゼンタ顔料固溶体2の調製)
2,5−ジ−(4−メチルフェニルアミノ)テレフタル酸を2,5−ジ−(3−クロロフェニルアミノ)テレフタル酸に変えた以外はマゼンタ顔料固溶体1の調製と同様の方法で、PV19とPR202との固溶体を調製した。
<実施例1>
(油相A−1の調製)
離型剤としてカルナバワックス(東亜化成製、RC160)30質量部を酢酸エチル250質量部に加熱溶解させた後、液体窒素で急激に冷却析出させて離型剤の酢酸エチル分散液を得た。離型剤の体積平均粒子径は、レーザ回折/散乱粒度分布測定装置LA−700(堀場製作所(株)製)で測定したところ、0.1μmであった。ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、およびテレフタル酸誘導体から構成されるポリエステル樹脂(重量平均分子量Mw:20,000、ガラス転移温度Tg:66℃、融解温度Tm:106℃)100質量部、マゼンタ顔料固溶体1を6質量部、酢酸エチル80質量部をボールミルで10時間混合分散後、離型剤の酢酸エチル分散液36質量部を加え、できるだけ均一になるまでよく撹拌した。この液をA−1液とする。
(水相B−1の調製)
一方、炭酸カルシウム60質量部、水40質量部をボールミルで10時間混合分散して炭酸カルシウム分散液を得た。この炭酸カルシウム分散液7質量部と高分子分散剤セロゲンBS−H(第一工業製薬(株)製)の2%水溶液100質量部とをクッキングミキサーMX−915C(松下電器(株)製)に入れて、5分間撹拌した。この液をB−1液とする。
(乳化)
撹拌機を用いて前記B−1液50質量部と前記A−1液50質量部を撹拌混合し、懸濁液とした。その後、減圧下、35℃で溶媒を除去した。次に6N塩酸を100質量部加えて、炭酸カルシウムを溶解除去した後、5,000質量部の水で水洗、45℃で乾燥、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)を用いて分級して、体積平均粒子径6.8μmのトナー粒子を得た。
(トナーの調製)
上記作製したトナー粒子100質量部に対し、体積平均粒子径100nmのヘキサメチルジシラザン処理したシリカ1.2質量部を添加し、5Lヘンシェルミキサ撹拌混合機(三井三池加工機(株)製)にて外添し、さらに風力篩分機ハイボルターNR300(東京機械製)にて篩分(網目目開き45μm)して、トナーを得た。トナーがPV19とPR122との固溶体またはPV19とPR202との固溶体を含むことは、粉末X線回折の方法により確認した。
(現像剤の調製)
トナー4質量部と下記キャリアA 96質量部とを、V型ブレンダーで5分間撹拌して、現像剤を作製した。なお、キャリアAは次のように作製されたものを用いた。ニーダにMn−Mgフェライト(体積平均粒径:50μm、パウダーテック社製、形状係数SF1:120)を1,000質量部投入し、パーフルオロオクチルメチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(重合比率:20/80、Tg:72℃、重量平均分子量:72,000、綜研化学(株)製)150質量部をトルエン700質量部に溶かした溶液を加え、常温で20分混合した後、70℃に加熱して減圧乾燥した後、取り出し、コートキャリアを得た。さらに得たコートキャリアを75μm目開きのメッシュでふるい、粗粉を除去してキャリアを得た。
<実施例2>
(水相B−2の調製)
炭酸カルシウムをドデシルフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム 0.4質量部に変更した以外は実施例1と同様にして水相B−2を作製した。
(乳化)
撹拌機を用いて前記B−2液50質量部と前記A−1液50質量部を撹拌混合し、懸濁液とした。その後、減圧下、35℃で溶媒を除去した。5,000質量部の水で水洗、10質量部の1N塩酸で洗浄(pH4.0)、45℃で乾燥、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)を用いて分級して、体積平均粒子径6.8μmのトナー粒子2を得た。
実施例1と同様にしてトナー、現像剤を調製した。
<実施例3>
マゼンタ顔料固溶体1の代わりにマゼンタ顔料固溶体2を用いた以外は実施例1と同様にしてトナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<実施例4>
マゼンタ顔料固溶体1の代わりにマゼンタ顔料固溶体2を用いた以外は実施例2と同様にしてトナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<実施例5>
ポリエステル樹脂の代わりにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(スチレン−アクリル比71:29、重量平均分子量Mw:22,000、ガラス転移温度Tg:60℃)を用いた以外は実施例1と同様にしてトナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<実施例6>
ポリエステル樹脂の代わりにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(スチレン−アクリル比71:29、重量平均分子量Mw:25,000、ガラス転移温度Tg:62℃)を用いた以外は実施例2と同様にしてトナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<比較例1>
マゼンタ顔料固溶体1の代わりに顔料としてPV19 3質量部、PR122 3質量部をそれぞれ単独の顔料として用いた以外は実施例1と同様にしてトナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<比較例2>
マゼンタ顔料固溶体1の代わりに顔料としてPV19 3質量部、PR202 3質量部をそれぞれ単独の顔料として用いた以外は実施例1と同様にしてトナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<比較例3>
マゼンタ顔料固溶体1の代わりに顔料としてPV19 3質量部、PR122 3質量部をそれぞれ単独の顔料として用いた以外は実施例2と同様にしてトナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<比較例4>
マゼンタ顔料固溶体1の代わりに顔料としてPV19 3質量部、PR202 3質量部をそれぞれ単独の顔料として用いた以外は実施例2と同様にしてトナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<比較例5>
実施例1にて用いた樹脂、離型剤、マゼンタ顔料固溶体1を、バンバリーミキサ(神戸製鋼社製)に入れ、内部の温度が110±5℃になるように圧力を加え、80rpmで混練を10分間行った。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて7.5μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、トナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<比較例6>
実施例2にて用いた樹脂、離型剤、マゼンタ顔料固溶体2を、バンバリーミキサ(神戸製鋼社製)に入れ、内部の温度が110±5℃になるように圧力を加え、80rpmで混練を10分間行った。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて7.5μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、トナー粒子、トナー、現像剤を調製した。
<評価>
(離型剤露出量の測定)
XPS(日本電子(株)製)にて、トナー表面(トナー粒子表面)の離型剤露出量の測定を行った。XPS条件は光電子励起:MgKα線(10kv,30mA)、光電子エネルギーアナライザのパスエネルギ:30Vとした。結果を表1に示す。
(トナー流動性の評価)
得られた現像剤を、富士ゼロックス社製DocuCentreColor500の現像装置に、補給用トナーを各トナーカートリッジにセットし、用紙上の各単色ベタ画像の現像トナー量を4.0g/m2に調整した後、3次色に相当する量のベタ画像を、5cm×5cmの大きさのベタ画像として出力した。用紙は、富士ゼロックスオフィスサプライ社製の商品名「C2r紙」を用いた。トナー流動性の評価を以下の基準で行った。富士ゼロックス社製DocuCentreColor500の現像カートリッジ部を取り出し、カートリッジモータを外部電源により動作できるようにした。駆動時間に対するトナー切り出し重量を測定した。1分間に切り出されたトナー重量により◎〜×とした。結果を表1に示す。
◎:200g以上
○:150g以上200g未満
△:100g以上150g未満
×:100g未満
実施例のトナーは、エリアカバレッジ100%(高濃度ベタ)の画像を連続50,000枚出力した場合、トナーカートリッジからのディスペンス性および現像装置へのトナーの供給がスムースになされた。一方、比較例のトナーは、上記エリアカバレッジ100%(高濃度ベタ画像)のドキュメントを連続出力した場合、100枚以内でカートリッジから現像装置に供給される搬送経路でトナー詰まりが生じ、画像濃度の低下や、現像機のギアとディスペンスギアとの間でギアが空転することによる異音が生じた。
Figure 2013140238
このように、実施例の方法により得られたトナーを用いると、トナー表面への離型剤の露出が少なく、トナーの流動性の低下が抑制された。
1 プロセスカートリッジ、3 画像形成装置、10 帯電装置、12 露光装置、14 感光体、16 現像装置、18 転写ロール、20 クリーニングブレード、22 定着ロール、24 記録用紙。

Claims (7)

  1. 結着樹脂と、離型剤と、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122との固溶体またはC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202との固溶体であるマゼンタ顔料とを有機溶媒中に溶解または分散させて混合液を調製する混合液調製工程と、
    前記混合液を水系媒体中に分散懸濁させて懸濁液を調製する懸濁液調製工程と、
    前記懸濁液から溶媒を除去する溶媒除去工程と、
    得られたトナー粒子を乾燥する乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 前記結着樹脂が、少なくともビスフェノール骨格を有することを特徴とする、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  4. 請求項1または2のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とするトナーカートリッジ。
  5. 像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、を備え、
    前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、
    前記現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
    を備え、
    前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 像保持体の表面を帯電させる帯電工程と、
    前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
    前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像工程と、
    前記現像されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、
    を備え、
    前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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