JP2013140060A - バケット式チューブディスペンサー - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトでポータブル性にも優れ、カートや机上等にも容易に設置でき、災害時等の緊急対応性にも優れ、且つ医師からの採血指示に応じて種類の異なる採血管を準備することができるようにする。
【解決手段】縦型のサイロ状の採血管ストッカーの下端側に周面に凹溝を設けた切出しロールを配置して、採血管を一本ずつ切り出し、下方のバケット式の搬送手段に落下供給し、これを更に印字・貼付装置へ採血管を供給するコンベアに移し替え、患者IDやその他の所要事項を印字したラベルを採血管へ貼り付けた後、患者一人分のトレイへ収容するようにしている。全体構成がコンパクトであり、中小の病院や入院病棟、更には災害現場においても十分に活用することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、採血検査の前工程における採血工程での採血管の事前準備作業を行なうものであって、下面側から切出しロールを介して採血管を一本ずつ切り出して供給するサイロ状の採血管ストッカーを縦型に並設し、医師からの採血指示に応じて種類の異なる採血管を前記採血管ストッカーから選択し、患者IDや前記採血指示内容等の採血情報を印字したラベルを貼り付け、ラベル貼付後の採血管を患者別にトレイへ収容することのできる小型且つ簡単な構造で確実に採血管を一本ずつ切り出すことのできる移動性に優れた卓上型の縦型チューブディスペンサーに関するものである。
病院、診療所その他の医療機関における血液検査部門では、採血作業者(看護師等)により、患者から血液を採血管へ採取収容して検査部門へ移送するようにしている。血液検査では、その血液検査項目に応じて、多種類の採血管が準備されており、通常、一人の患者に対して複数種類の検査が同時に行われる。そのため、採血管の準備も一人の患者に対して複数種類のものが採血管準備装置によって自動的に準備されるようになっている。そして、採血室では多数の患者を取り扱うのが当たり前であり、前記採血管準備装置で準備された各採血管には患者情報、採血検査情報等のバーコードが印刷されたラベルが貼付されている。
また患者には、採血受付時に受付番号等のバーコードが印刷された採血受付票が発行されている。採血作業に際しては、これらのラベルや受付票の内容をバーコードリーダ等の光学的機器により読み取って患者及び採血管の取り間違いが起こらないようにしている。
このような採血業務の自動化を図り、採血業務を支援する技術として、特許文献1に示す技術がある。この特許文献1の技術は、縦方向(垂直方向)に回転駆動するエンドレス状のベルト駆動装置を利用するものである。このベルト駆動装置では、ベルト幅が採血管の長さ寸法以上に設定され、ベルト面から外径方向へ突出して設けられたキャタピラー状の区画板を有し、ベルト面の前後の区画板どうしの間を一個の採血管収容部(ストック部)とし、一つのベルト面上に多数の採血管収容部を構成するようにしている。この場合、一つのベルト駆動装置は同一種類の採血管を収容するように設定されている。そして、このようなキャタピラー方式で採血管を収容するベルト駆動装置を利用したストッカー機構を、複数段上下方向に重ねて配置することで、複数種類の採血管を取り扱うことができるようにしている。
医師からの採血オーダ情報に基づいて患者の採血に必要な採血管を、対応する採血管ストッカー機構部から取り出し、ラベル印字・貼付手段を用いて患者の採血に関する情報をラベルへ印字し、印字後のラベルを取り出した採血管に貼り付けるようにしている。そして、ラベル貼付後の採血管を排出手段で採血管回収部まで移送し、採血管回収部にて患者毎にトレイへ収容するようにしている。
このような採血管準備装置であると、ストッカー機構部が上下に重ねて配置される関係上、高さ方向の寸法がかなりのものとなり、装置自体が大型化するという問題があった。
一方、従来の上記問題点を解決する方法として、特許文献2に示すような採血管準備装置の技術がある。この特許文献2の技術は、本発明者が先に出願したものであり、一つの搬送ベルトの往復するベルトどうしの中に試験管保持部材をベルトに沿って配置し、試験管のキャップの下端面を試験管保持部材と往き側送りベルトの上端面とで支持している。そして、往き側ベルトによってキャップを通じて試験管に送り(フィード)を与えている。このようなストッカーであれば、試験管を搬送する装置を一種類の試験管について一つのもので構成することができ、搬送装置の数を必要最小限のものとすることができる。また一つのストッカーの幅は僅か数センチメートルであり、多種類の試験管に対応すべく複数種類のストッカーを併設した場合でも全体としての幅寸法は従来技術に比較して格段に小さくできるという利点がある。
特開2005−67660号公報 特許第4356096号公報
ところが、前記特許文献2に示す技術では、搬送ベルトの駆動力は、往き側の搬送ベルトの上端面を通じて当該上端面に載置された採血管のキャップ下端面に伝達され、一方、採血管キャップの下端面における他方側は、支持レール上を滑りながら移動している。そのため、支持レールとキャップ下端面の両者間において、摩擦抵抗が大きいと、往き側搬送ベルトの上端面から採血管キャップの下端面に伝達される採血管搬送のための駆動力よりも当該摩擦抵抗の方が大きくなる。その結果、採血管キャップの下端面と、搬送ベルトの上端面との間で滑りが発生し、採血管の搬送ができなくなるという問題があった。この問題は摩擦係数が大きいゴムキャップ採血管においては顕著であり、全く搬送できないという問題があった。
また従来の前記特許文献2に示す技術では、採血管キャップ下端面の支持を、一方は支持レールで支持し、他方は搬送ベルトの上端面で支持し、搬送ベルトの送りをキャップ下端面との当接により直接伝達している。そのため、キャップ下端面と搬送ベルトの端面との接触による磨耗に起因する耐久性の問題があり、更には搬送ベルトがこじれて採血管のキャップがベルトの中へ引き込まれて採血管が落下するという虞があった。
更にまた、採血管の外径寸法よりもわずかに大きい外径寸法を有するシール状のキャップもあるが、この場合はキャップ下端面に搬送ベルトの端面の上に載るために必要な幅寸法の余裕がなく、実施が不可能であるという問題があった。このように、採血管のキャップ下端面を支持するストッカー方式では、キャップの大きさが十分でない採血管に対しては搬送自体が不可能であり、特に外国の採血管に多く見られ、使用できる採血管の種類が大幅に制限されるという重要な問題となっていた。
それに加えて、キャップのない採血管については、全く利用できないという重大な問題があった。
そこで、本出願人は従来の前記課題を改良除去した装置であって、非常にコンパクトでポータブル性にも優れ、中小の病院や入院病棟、更には採血を専門にする施設等にも適用でき、病床脇や机上、移動性を備えたカート等に乗せて置くだけで使用でき、災害時等の緊急対応性にも優れ、医師からの採血指示に応じて種類の異なる採血管を確実に一本ずつ切り出して準備することのできるチューブディスペンサーを提供するようにしたものである。
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、上面側に矩形状の開口部が形成され、横置き状態の採血管を複数列並べることのできる奥行き寸法を有し、採血管の長さ以上の横幅寸法を有し、採血管を上下に複数段重ねて収容することのできる高さ寸法を有するストッカー本体と、該ストッカー本体の下端側に採血管を収容することのできる凹溝が周面上に形成された円柱状の切出しロールとで構成されたサイロ状の採血管ストッカーを複数個並設し、各採血管ストッカーの下方に亘って移動可能なバケット式の搬送手段を配設し、該バケット式搬送手段の終端側にこれと直交する方向に採血管供給コンベアを配設し、該採血管供給コンベアの終端側にこれと直交する方向へ採血管を押し出すことのできるスライダーを配設し、スライダーに近接してラベルの印字・貼付装置を配設したことを特徴とするバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項2の手段は、バケット式搬送手段は、各ストッカーの下方間に亘って配置された軌道と、これに装着された移動体と、移動体に揺動自在に枢着された支持体と、支持体の上部に取り付けられた断面逆ハの字状のバケットと、支持体をバケットが常に上方向を向くように付勢するスプリングと、軌道の終端側で前記支持体に当接してその移動を停止するストッパーとから成り、バケットは常時は上方向を向いており、支持体がストッパーに当接した時は前記スプリングの付勢力に抗して傾斜するようになっている前記請求項1に記載のバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項3の手段は、採血管供給コンベアに近い手前の採血管ストッカーの切出しロールは、切り出した採血管を直接前記採血管供給コンベアに落下供給し、他の採血管ストッカーの切出しロールはバケット式搬送手段に落下供給するものである前記請求項1又は2に記載のバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項4の手段は、採血管ストッカーが横に複数列配置されると共に、縦に複数列配置され、縦列の採血管ストッカー群の下方にそれぞれバケット式搬送手段が配設されている前記請求項1乃至3のいずれか一つに記載のバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項5の手段は、各採血管ストッカーは、ストッカー本体と、切出しロールと、切出しロールの駆動モータとがユニット化されて装置本体に脱着自在に取り付けられている前記請求項1乃至4のいずれか一つに記載のバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項6の手段は、採血管供給コンベアの下方に、これと平行して駆動する排出コンベアを配置し、各採血管ストッカーの下方空間に、手貼りラベル印字装置を配置し、該手貼りラベル印字装置の手前側にトレイ載置部を設け、ラベルの印字・貼付装置から排出されたラベル貼着後の採血管を前記排出コンベアでトレイの中へ排出すると共に、手貼りラベル印字装置で印字された手貼りラベルをトレイの中へ排出するようにした前記請求項1乃至5のいずれか一つに記載のバケット式チューブディスペンサー。
請求項1の発明にあっては、ストッカー本体の上面側の開口部から採血管を寝かした状態(横置き)でそのまま投入するだけで採血管の補充が行えるので補充作業が極めて簡単である。ストッカー本体は、横置き状態の採血管を複数列並べることのできる奥行き寸法を有し、採血管の長さ以上の横幅寸法を有し、採血管を複数段重ねて収容することのできる高さ寸法を有している。そのため、一つのストッカー本体に30本前後若しくはそれ以上の任意の本数の採血管をストックすることが可能である。これらの本数をストックするストッカーを横二列で、縦四列に並べて図2〜図4に示すように配置し、八管種の採血管を取り扱うことのできる構成とした場合であっても、奥行き540mm×横幅500mm×高さ450mmという極めてコンパクトな外形寸法に仕上げることが可能である。
ストッカー本体の下端側には、回転することにより採血管を一本ずつ切り出すことのできる切出しロールが配設されている。切出しロールは、周面上に凹溝が形成され、採血管が一本ずつこの凹溝に入り込むことで、一本ずつ切り出すようにしている。
この発明の装置では、上記構成のストッカーが複数個並設されている。そして、各採血管ストッカーの下方に亘って一連のバケット式搬送手段を配設し、該バケット式搬送手段の終端側にこれと直交する方向に採血管供給コンベアを配設している。各ストッカーから切り出された採血管は、バケット式搬送手段から採血管供給コンベアへ移し替えられ、該採血管供給コンベアの終端側に配設されたスライダーで、ラベルの印字・貼付装置へ供給され、患者ID等の所要事項が印字されたラベルが自動的に採血管に貼着されるようになっている。ラベル貼り付け後の採血管は、トレイに収容され、一人の患者分の採血管が自動的に準備される。
請求項2の発明は、バケット式搬送手段の構成に係るものである。該コンベアは、断面逆ハの字状のバケットが常時は上方向を向くように取り付けられた支持体を有し、支持体は各ストッカーの下方間に亘って配置された軌道上の移動体に揺動自在に枢着されている。また支持体は、バケットが常に上方向を向くようにスプリングにより付勢されており、軌道の終端側には前記支持体に当接してその移動を停止するストッパーが配置されている。従って、バケットは常時はスプリングの付勢力により上方向を向いており、支持体がストッパーに当接した時は前記スプリングの付勢力に抗して傾斜し、バケットに収容された採血管を供給コンベアに落下排出するようになっている。
請求項3の発明にあっては、採血管供給コンベアに近い手前の採血管ストッカーの切出しロールは、切り出した採血管を直接前記採血管供給コンベアに落下供給し、他の採血管ストッカーの切出しロールはバケット式搬送手段に落下供給するようにストッカーの配置位置を設定している。これにより、手前の最初の採血管ストッカーを装置本体正面側に引き寄せることができ、装置全体の奥行き寸法の短縮化が可能である。
請求項4の発明にあっては、採血管ストッカーが横に複数列配置されると共に、縦に複数列配置され、縦列の採血管ストッカー群の下方にそれぞれバケット式搬送手段が配設されている。この発明では、4管種〜12管種又はそれ以上の幅広い管種を取り扱うことのできるチューブディスペンサーの提供が可能である。
請求項5の発明にあっては、各採血管ストッカーは、ストッカー本体と、切出しロールと、切出しロールの駆動モータとがユニット化されて装置本体に脱着自在に取り付けられている。このような構成とすることにより、修理・メンテナンスをストッカー単体で取り出して行うことができ、極めて便利である。
請求項6の発明にあっては、各採血管ストッカーの下方空間を手貼りラベル印字装置の設置空間に利用したものである。そして、手貼りラベル印字装置の手前側にトレイ載置部
を設け、ラベルが貼着された採血管を前記トレイ載置部まで搬送するための排出コンベアを採血管供給コンベアの下方に、これと平行して配置している。
これにより、ラベルの印字・貼付装置から排出されたラベル貼着後の採血管を前記排出コンベアでトレイの中へ排出することができ、また手貼りラベル印字装置で印字された手貼りラベルを同じトレイの中へ排出することができる。
本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの全体を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの上部カバーを取り外した状態の全体を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す左側面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す右側面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーのバケット搬送手段を示す左側面図である。 本発明の他の実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す正面図である。 本発明の他の実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す左側面図である。
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。先ず、バケット式チューブディスペンサーを構成する機器及び機構などのレイアウトについて、図1乃至図5を参照して説明する。図1乃至図5はバケット式チューブディスペンサーの全体を示すものであり、図1は平面図、図2は上部カバーを取り外した状態の平面図、図3は左側面図、図4は右側面図、図5は正面図である。
図1の平面図に示すように、このチューブディスペンサーAは、複数個の採血管ストッカー1の装着部Bが左側半分程度の領域を占めて設けられている。この実施例では、ストッカー1は、ユニット方式で横二列、縦四列の合計八個のものが並設されており、装置本体2側の装着部Bに対してストッカー1のユニットを脱着自在に装着するようにしている。ユニットは、図3及び図4に最もよく表わされているように、ストッカー本体3と、切出しロール4と、切出し動作を補助し、確実にする補助ロール5とこれらのロールの駆動用モータ6とが一体として脱着できるようになっている。従って、採血管ストッカー1の交換修理などは、一つのユニットを単位としてワンタッチ式で行うことが可能であり、ユニット単体のみをセンドバックすることにより、遠隔地の保守・交換修理作業が行える。しかも、ユニット単体の代替品を先に準備しておくことで、採血業務を停止することなく採血業務を行うことが可能である。
またこのストッカー装着部Bの右側で装置本体内部にはラベルの印字・貼付手段の設置部Cが設けられている。
そして、ストッカー装着部Bの各ストッカー1の採血管排出部の下方には、各ストッカー1から切り出された採血管7を移送するためのバケット式搬送手段8の設置部Dが設けられ、更にその下方には電源ユニットやCPU、電子基板等を設置するための電子機器室Eが設けられている。バケット式搬送手段8は、この実施の形態では、ストッカーが横二列に設けられているので、図5の正面図に示すように二台が設置されており、縦列の各採血管ストッカー1から切り出された採血管1を二台のコンベア8がそれぞれ受け取ることができるようになされている。
更に、前記二台のバケット式搬送手段8の終端側(図3の右側)には、これらのコンベア8と直交する方向で、装置本体2の左端側から右端側に至る採血管供給コンベア9の設置部Fが設けられている。供給コンベア9の終端側(図2の右側)には、到着した採血管7を印字・貼付手段10へ押し出して供給するためのスライダー11が設けられている。
また装置本体2の手前側の前面扉12の上面には、スイッチ13及び各機構の状態を表示する設定状態表示部14の設置部Gが設けられている。
更に、装置本体2の右半分の上面(印字・貼付手段10の設置部Cの上部)には、ポップアップ式のタッチパネルモニター15が設けられている。このタッチパネルモニター15は、電子機器設置室Eに内臓されたコンピュータ(CPU)の入力部及びモニターを兼用するものであり、8インチ程度の大きさのものである。このタッチパネルモニター15には、例えば初期動作画面、メイン画面、詳細ステータス画面、メンテナンスメニュー画面等が表示される。またCPUにインストールされた中継ソフトを通じて、病院等の医療機関の病院情報システムHIS(Hospital Information System)や検査情報システムLIS(Laboratory
Information System)と通信を行った場合の通信状態やHIS及びLIS等のシステムから取得した患者情報、採血指示情報等を表示するようになっている。
更に、図5の正面図に示すように、印字・貼付手段の設置部Cの手前側にはトレイ16載置部Hが設けられており、患者情報や採血検査情報等が印字されたラベル貼付後の採血管を患者ごとにここに準備されたトレイ16内へ収容するようにしている。このトレイ載置部Hには、トレイ16の有無を検知するための光学的センサー(図示せず)が配置されている。センサーは、投光センサーから照射された光を受光センサーで検知するタイプのものや反射型の投受光センサーであってもよい。
更にまた、装置本体2の背面側には内蔵するコンピュータとのインターフェースとして、無線ボードや外部接続機器用ボード等の差込スロットル、R232C端子、音声入出力端子、FAX等との接続やその他の外部機器との接続に用いられるUSBポート、LAN接続ポート、外国等の各種の電源に対応できる複数の電源端子などが設けられている。
次に、チューブディスペンサーAを構成する各機器及び機構について、個別に説明する。先ず、採血管ストッカー1について、図2乃至図5を参照して説明する。図2はストッカー1の平面図、図3は同左側面図、図4は同右側面図、図5は同正面図である。図2の平面図に示すように、この実施の形態の採血管ストッカー1は、ステンレスやアルミ合金、鋼板等の薄い金属板を折り曲げることで矩形状の筐体(ストッカー本体3)を形成している。ストッカー本体3は、上下面を開口面としてあり、上部側の開口面は採血管7の投入口であり、また下部側の開口面には切出しロール4が配設されている。切出しロール4の外周面上には対向する位置に採血管7を落とし込んで収容するための凹溝17が設けられている。また切出しロール4と一方の筐体内面との間には、上下に動作する傾斜底板18が配設されており、採血管7が切出しロール4の凹溝17へ入り込み易いように工夫がなされている。
更に、切出しロール4の上部には、小径の補助ロール5が配設されている。補助ロール5は、切出しロール4とは逆方向へ回転しており、ゴムキャップ採血管などのように、採血管どうしがくっついて切り出されようとする場合に、凹溝17の採血管にくっついている採血管を反対側へ押し返して分離させ、確実に凹溝17へ入り込んだ採血管のみを切出すことができるようにする働きを成している。前記傾斜底板18の下方空間には、切出しロール4及び補助ロール5を駆動させ、また傾斜底板18を上下に動作させるためのモータ6が配設されている。
更にまた、補助ロールの上方でストッカー本体内には投入された採血管が切出しロール4に近づくに連れて、凹溝17へ入り込み易いようにこれを案内する湾曲した案内板3aが設けられている。また切出しロール4の近傍には、凹溝17へ入り込んだ採血管7が真上の位置に来た時に、この採血管7によって押し上げられるアタッチメントが設けられており、該アタッチメントは光センサーの赤外線信号等を遮断し、真上の位置で切出しロール4を待機準備させておく信号を発するようになっている。
各ストッカー1の下方に配設されたバケット式搬送手段8は、図5及び図6に最もよく表わされているように、この実施の形態では一本の軌道19に跨った移動体20を有し、移動体20に側面から見てL字状の支持体21が揺動自在に枢着されており、支持体21の上面には、断面逆ハの字状のバケット22が常時は上方向を向くように取り付けられている。23は、バケット22が常に上方向を向くように付勢するスプリングであり、移動体20と支持体21との間に懸架されている。軌道19の終端側には前記支持体21に当接してその移動を停止するストッパー24が配置されている。バケット22は、常時はスプリング23の付勢力により上方向を向いており、支持体21がストッパー24に当接した時は前記スプリング23の付勢力に抗して傾斜し、バケット22に収容された採血管7を供給コンベア9に落下排出するようになっている。なお、図6では説明の都合上、バケット22がストッカー1から採血管7を受け取る場合と、軌道19の終端側で採血管7を排出する場合とを同時に表わしている。また搬送手段8の終端側には、採血管7の有無を検出するセンサー(図示せず)が配設されている。これはスライダー11部分に待機する採血管があるときは、採血管7をスライダー11側へ供給しないようにするためである。
更に、移動体20の移動は、ラック・ピニオン方式でもよく、ベルト巻取り方式でもよく、チェーン駆動方式でもよく、更にはボールスクリュー方式であってもよい。
更に、採血管供給コンベア9に近い手前の採血管ストッカー1の切出しロール4は、切り出した採血管7を前記採血管供給コンベア9に直接落下供給するように、ストッカー1の全体位置を装置本体の正面側へ近くなるように配置している。これにより、ストッカー1の奥行き寸法の1/2程度、手前の最初の採血管ストッカーを装置本体正面側に引き寄せることができ、装置全体の奥行き寸法の短縮化が可能である。また最も手前側の採血管ストッカー1は、スライダー11の部分に採血管7が待機しているときは、切出しロール4が切出し動作を開始しないようになっている。
採血管供給コンベア9の終端側には、採血管7の到着検知板25が設けられている。到着検知板25は、通常の状態では、図5に示すように、斜めに傾斜した姿勢で待機しており、採血管7が送り込まれるとこれに押圧されて垂直下向きの状態となり、同時に採血管7の停止位置を決定するようになる。到着検知板25は、傾斜した待機状態では赤外線センサーやフォトセンサー等の投受光器からなる検知センサー(図示せず)の照射光が遮られ、採血管7が到着した垂直下向きの状態では投光器から照射された光が受光器で受光されるようになっている。
更に、採血管7の停止位置の側面部には、図2及び図5に示すように、採血管供給コンベア9の搬送方向と直交する方向へ往復動作する採血管7の切出用スライダー11が設けられており、採血管7をコンベア9から押し出してラベル貼付装置の貼付位置へ落下供給するようになっている。
なお、到着検知板25の直前には採血管7の向きを検知するための方向検知手段が設けられている(図示せず)。これは誤って採血管のキャップが先頭になって到着検知板25に当接して停止したときに、キャップによって投光器からの照射光が遮られ、採血管7の向きを検知することができるようにしたものである。この採血管7の向きを検知した信号は、ラベルの印字装置26へ出力され、採血管7の向きに応じてラベルの印字方向を正逆いずれかにするようにしている。
ラベル貼付装置27は、図4に示すように、連続した剥離紙上に貼付されたラベルの供給ロール28と、剥離紙を巻き取るための巻取ロール29とを有している。供給ロール24から繰り出されるラベルと剥離紙は、鋭角的に折り返して移動させることにより、腰が強い(剥離紙より弾力があって折れにくい)ラベルのみが剥離紙から剥離される。ラベルはそのまま直進して貼付装置27側へ供給され、後の残った剥離紙のみが巻取りロール29で巻き取られる。この剥離部の上流側には、ラベルへの患者情報等を印字するための印字装置26が配設されている。印字する情報は、当該チューブディスペンサーの制御部に内臓されたコンピュータ(CPU)のインターフェースを通じて上位の医事システム等のコンピュータ若しくは医師のコンピュータ端末などへ接続してこれらのデータベース若しくはハードディスクなどから取得するようになされている。更に、剥離紙から剥離されたラベルの進行方向には、駆動ローラ30及び支持ローラ31並びに進退自在な加圧ローラ32から成る貼付装置27が配設されている。更に、貼付装置27の斜め下方には、トレイ16の載置部Hが設けられている。
また図5に示すように、ラベル貼付装置27及び印字装置26の上方の位置には、手貼りラベルプリンタ33が配設されている。このプリンタ33は、本装置でストックされていない特殊な採血管の場合に、ラベルの印字のみを行い、ラベルの貼着は手貼りで行うようにしたものである。
次に、上記の如く構成されたチューブディスペンサーAの動作態様を説明する。先ず、装置本体2の上面に設けられた各ストッカー1の開口部を通じてストッカー内に、それぞれ異なる種類の採血管7を投入する。採血管7の向きは自由でよい。このような状態で装置本体2の電源スイッチをONにし、内蔵されたコンピュータのCPUを動作させて制御ソフトウェアを機能させ、上位のHISやLIS等のコンピュータ若しくは医師のコンピュータ端末などから採血する患者の採血情報を入手する。上位から入手した情報は、タッチパネルモニター15に表示される。
制御部は、前記入手した情報に基づいて、選択する採血管の種類を決定し、該当する種類の採血管7がストックされている採血管ストッカー1の駆動モータ6を駆動させ、切出しロール4を図3の時計方向へ回転させ、補助ロール5を反時計方向へ回転させる。また同時に該当する採血管ストッカー1の切出しロール4の下方にバケット22が位置するように、搬送手段8の移動体20を移動させて待機させる。前記切出しロール4と補助ロール5との駆動により、切出しロール4の凹溝17へ採血管7が入り込み収容される。そして、仮に凹溝17へ入り込んだ採血管7にキャップどうしがくっついている採血管7があったとしても、当該採血管7は補助ロール5によって押し返され、凹溝17の採血管7とは完全に分離される。そして、切出しロール4が更に時計方向へ回転すると、やがて凹溝17は下向きになり、これに収容された採血管7は下方で待機する搬送手段8の上向き状態のバケット22に自重により落下供給される。そして、搬送手段8の移動体20の移動により図3の右側へ搬送され、L字状の支持体21がストッパー24に当接する直前で一旦停止し、待機する。この待機状態は、搬送手段8の終端側のセンサーにより、採血管7が供給されてきたことを検知することができる。
採血管供給コンベア9の終端側に設けられたスライダー11の部分に採血管7が待機状態になければ、搬送手段8はその終端側で検知された採血管7を採血管供給コンベア9へ落とし込んで供給する。スライダー11部分に待機状態の採血管7があれば、この位置で採血管7を保持し、待機させるようにしている。また最も手前側の採血管ストッカー1の場合は、直接、採血管供給コンベア9の上へ切り出した採血管7を落下供給しているので、スライダー11部分に待機状態の採血管7がある場合は、切出しを行わないように設定されている。
採血管供給コンベア9は、落下供給された採血管7を図2及び図5の右側方向へ搬送する。採血管7は、コンベアの終端側でその先端が到着検知板25に当接してこれを押圧し、到着検知板25を傾斜した姿勢から垂直下向きの姿勢に揺動させて停止するようになる。なお、この停止位置では、図示しない採血管7の方向検知センサーが採血管7のキャップを検知するようにしている。キャップが検出された場合は、キャップが先頭になって搬送されたということであり、逆向きであるので印字装置22へその向きを知らせる信号を出力するようになっている。
また到着検知板25が垂直下向きの姿勢に押圧付勢されることで、投受光センサー等の到着検知手段が働き、採血管7が供給されて来たことを検知することができる。この到着検知信号により、供給コンベア9の搬送方向に直行する方向へ往復動作するスライダー11が動作を開始し、到着した採血管7を横方向へ押し出してラベル貼付装置27の受入部側へ落下させて供給する。貼付装置27では、加圧ローラ32が後退位置にあり、採血管7を受け取ると前進し、採血管7を駆動ローラ30と支持ローラ31側へ押圧付勢し、駆動ローラ30の駆動力を採血管7に伝達し、採血管7を周方向へ回転させる。
一方、ラベルの印字装置26では、ラベルロール28から繰り出されるラベルに上位コンピュータ及び医師のコンピュータ端末等から取得した患者ID、検査項目、採血管種、採血量などの採血情報の必要項目を印字する。印字する内容は、タッチモニター15に表示され、作業者は確認することができる。印字後のラベルは、剥離紙が図4に示すように、鋭角的に折り返して移動することで、腰の強いラベルのみがそのまま直進し、前記剥離紙から自然的に剥離される。そして、剥離されたラベルは、駆動ローラー30と採血管7の外周面との間に進入して巻き取られ、採血管7の外周面に貼付される。ラベル貼付後の採血管7は、加圧ローラ32が斜め下方(図4の左下方)へ後退復帰することにより、貼付部から解放されて自重により落下し、トレイ16内へ収容される。
以上により、一つの管種の一本の採血管の準備が完了する。以後は、他にも要求されている採血管があれば、その管種のストッカー1を駆動させ、順次、上述の動作を繰り返して採血管4をトレイ16内へ収容する。このようにして、上位コンピュータ及び医師のコンピュータ端末等からの情報で要求されている全ての管種の採血管の準備が完了すれば、一人の患者分についての採血用採血管の準備が完了したことになる。以後は同様にして他の患者の採血管を準備すればよい。
次に、図7の正面図及び図8の左側面図を参照して他の実施の形態について説明する。この実施の形態では、図1乃至図6に示す実施の形態の電子機器室Eに、手貼り用のプリンター33及びラベルロール35を配設し、装置本体の左下方正面側にトレイ16を配設している。そして、採血管供給コンベア9の下方に図7の右側から左側へラベル貼着後の採血管7を搬送するための排出コンベア34を配設している。従って、トレイ16には、手貼りラベルと、ラベル貼着後の採血管7のいずれもが収容されるようになっている。その他の構成並びに作用効果は、前記図1乃至図5に示す実施の形態の場合と同じである。
ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、タッチパネルモニター15は、8インチ程度のポップアップ式のものを示したが、これに限らずアーム式の19インチ程度の大きさの外付けモニターを取り付けることも可能である。この場合、タッチパネルモニターがコンピュータ(CPU)を内蔵するタイプのものであってもよい。
更に、図7及び図8に示す実施の形態では、タッチパネルモニター15の下方に位置する空間領域を電源装置やコンピュータ、電子基板等の電子機器室とすることも可能である。
1…採血管ストッカー
2…装置本体
3…ストッカー本体
4…切出しロール
5…補助ロール
6…駆動モータ
7…採血管
8…バケット式搬送手段
9…採血管供給コンベア
10…印字・貼付手段
11…スライダー
15…タッチパネルモニター
22…バケット
A…チューブディスペンサー
B…ストッカー設置部
C…印字・貼付手段の設置部
D…搬送手段の設置部D
E…電子機器室
F…供給コンベア設置部
G…表示手段設置部
H…トレイ載置部
本発明は、採血検査の前工程における採血工程での採血管の事前準備作業を行なうものであって、下面側から切出しロールを介して採血管を一本ずつ切り出して供給するサイロ状の採血管ストッカーを縦型に並設し、医師からの採血指示に応じて種類の異なる採血管を前記採血管ストッカーから選択し、患者IDや前記採血指示内容等の採血情報を印字したラベルを貼り付け、ラベル貼付後の採血管を患者別にトレイへ収容することのできる小型且つ簡単な構造で確実に採血管を一本ずつ切り出すことのできる移動性に優れた卓上型の縦型チューブディスペンサーに関するものである。
病院、診療所その他の医療機関における血液検査部門では、採血作業者(看護師等)により、患者から血液を採血管へ採取収容して検査部門へ移送するようにしている。血液検査では、その血液検査項目に応じて、多種類の採血管が準備されており、通常、一人の患者に対して複数種類の検査が同時に行われる。そのため、採血管の準備も一人の患者に対して複数種類のものが採血管準備装置によって自動的に準備されるようになっている。そして、採血室では多数の患者を取り扱うのが当たり前であり、前記採血管準備装置で準備された各採血管には患者情報、採血検査情報等のバーコードが印刷されたラベルが貼付されている。
また患者には、採血受付時に受付番号等のバーコードが印刷された採血受付票が発行されている。採血作業に際しては、これらのラベルや受付票の内容をバーコードリーダ等の光学的機器により読み取って患者及び採血管の取り間違いが起こらないようにしている。
このような採血業務の自動化を図り、採血業務を支援する技術として、特許文献1に示す技術がある。この特許文献1の技術は、縦方向(垂直方向)に回転駆動するエンドレス状のベルト駆動装置を利用するものである。このベルト駆動装置では、ベルト幅が採血管の長さ寸法以上に設定され、ベルト面から外径方向へ突出して設けられたキャタピラー状の区画板を有し、ベルト面の前後の区画板どうしの間を一個の採血管収容部(ストック部)とし、一つのベルト面上に多数の採血管収容部を構成するようにしている。この場合、一つのベルト駆動装置は同一種類の採血管を収容するように設定されている。そして、このようなキャタピラー方式で採血管を収容するベルト駆動装置を利用したストッカー機構を、複数段上下方向に重ねて配置することで、複数種類の採血管を取り扱うことができるようにしている。
医師からの採血オーダ情報に基づいて患者の採血に必要な採血管を、対応する採血管ストッカー機構部から取り出し、ラベル印字・貼付手段を用いて患者の採血に関する情報をラベルへ印字し、印字後のラベルを取り出した採血管に貼り付けるようにしている。そして、ラベル貼付後の採血管を排出手段で採血管回収部まで移送し、採血管回収部にて患者毎にトレイへ収容するようにしている。
このような採血管準備装置であると、ストッカー機構部が上下に重ねて配置される関係上、高さ方向の寸法がかなりのものとなり、装置自体が大型化するという問題があった。
一方、従来の上記問題点を解決する方法として、特許文献2に示すような採血管準備装置の技術がある。この特許文献2の技術は、本発明者が先に出願したものであり、一つの搬送ベルトの往復するベルトどうしの中に試験管保持部材をベルトに沿って配置し、試験管のキャップの下端面を試験管保持部材と往き側送りベルトの上端面とで支持している。そして、往き側ベルトによってキャップを通じて試験管に送り(フィード)を与えている。このようなストッカーであれば、試験管を搬送する装置を一種類の試験管について一つのもので構成することができ、搬送装置の数を必要最小限のものとすることができる。また一つのストッカーの幅は僅か数センチメートルであり、多種類の試験管に対応すべく複数種類のストッカーを併設した場合でも全体としての幅寸法は従来技術に比較して格段に小さくできるという利点がある。
特開2005−67660号公報 特許第4356096号公報
ところが、前記特許文献2に示す技術では、搬送ベルトの駆動力は、往き側の搬送ベルトの上端面を通じて当該上端面に載置された採血管のキャップ下端面に伝達され、一方、採血管キャップの下端面における他方側は、支持レール上を滑りながら移動している。そのため、支持レールとキャップ下端面の両者間において、摩擦抵抗が大きいと、往き側搬送ベルトの上端面から採血管キャップの下端面に伝達される採血管搬送のための駆動力よりも当該摩擦抵抗の方が大きくなる。その結果、採血管キャップの下端面と、搬送ベルトの上端面との間で滑りが発生し、採血管の搬送ができなくなるという問題があった。この問題は摩擦係数が大きいゴムキャップ採血管においては顕著であり、全く搬送できないという問題があった。
また従来の前記特許文献2に示す技術では、採血管キャップ下端面の支持を、一方は支持レールで支持し、他方は搬送ベルトの上端面で支持し、搬送ベルトの送りをキャップ下端面との当接により直接伝達している。そのため、キャップ下端面と搬送ベルトの端面との接触による磨耗に起因する耐久性の問題があり、更には搬送ベルトがこじれて採血管のキャップがベルトの中へ引き込まれて採血管が落下するという虞があった。
更にまた、採血管の外径寸法よりもわずかに大きい外径寸法を有するシール状のキャップもあるが、この場合はキャップ下端面に搬送ベルトの端面の上に載るために必要な幅寸法の余裕がなく、実施が不可能であるという問題があった。このように、採血管のキャップ下端面を支持するストッカー方式では、キャップの大きさが十分でない採血管に対しては搬送自体が不可能であり、特に外国の採血管に多く見られ、使用できる採血管の種類が大幅に制限されるという重要な問題となっていた。
それに加えて、キャップのない採血管については、全く利用できないという重大な問題があった。
そこで、本出願人は従来の前記課題を改良除去した装置であって、非常にコンパクトでポータブル性にも優れ、中小の病院や入院病棟、更には採血を専門にする施設等にも適用でき、病床脇や机上、移動性を備えたカート等に乗せて置くだけで使用でき、災害時等の緊急対応性にも優れ、医師からの採血指示に応じて種類の異なる採血管を確実に一本ずつ切り出して準備することのできるチューブディスペンサーを提供するようにしたものである。
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、上面側に矩形状の開口部が形成され、横置き状態の採血管を複数列並べることのできる奥行き寸法を有し、採血管の長さ以上の横幅寸法を有し、採血管を上下に複数段重ねて収容することのできる高さ寸法を有するストッカー本体と、該ストッカー本体の下端側に採血管を収容することのできる凹溝が周面上に形成された円柱状の切出しロールと、該切出しロールの上方に配置され該切出しロールの回転方向とは逆方向へ回転する補助ロールとで構成され、サイロ状を成す採血管ストッカーの単体を縦列に複数個並設し、これらの縦列の採血管ストッカーの下方に亘って移動可能なバケット式の搬送手段を配設し、該バケット式搬送手段の終端側にこれと直交する方向に採血管供給コンベアを配設し、該採血管供給コンベアの終端側にこれと直交する方向へ採血管を押し出すことのできるスライダーを配設し、スライダーに近接してラベルの印字・貼付装置を配設したことを特徴とするバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項2の手段は、上面側に矩形状の開口部が形成され、横置き状態の採血管を複数列並べることのできる奥行き寸法を有し、採血管の長さ以上の横幅寸法を有し、採血管を上下に複数段重ねて収容することのできる高さ寸法を有するストッカー本体と、該ストッカー本体の下端側に採血管を収容することのできる凹溝が周面上に形成された円柱状の切出しロールと、該切出しロールの上方に配置され該切出しロールの回転方向とは逆方向へ回転する補助ロールとで構成され、サイロ状を成す採血管ストッカーの単体を縦列に複数個並設すると共に、これらの縦列の採血ストッカー群を横列に複数列並設し、各縦列の採血管ストッカーの下方に亘って移動可能なバケット式の搬送手段を配設し、該バケット式搬送手段の終端側にこれと直交する方向に採血管供給コンベアを配設し、該採血管供給コンベアの終端側にこれと直交する方向へ採血管を押し出すことのできるスライダーを配設し、スライダーに近接してラベルの印字・貼付装置を配設したことを特徴とするバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項3の手段は、上面側に矩形状の開口部が形成され、横置き状態の採血管を複数列並べることのできる奥行き寸法を有し、採血管の長さ以上の横幅寸法を有し、採血管を上下に複数段重ねて収容することのできる高さ寸法を有するストッカー本体と、該ストッカー本体の下端側に採血管を収容することのできる凹溝が周面上に形成された円柱状の切出しロールと、該切出しロールの上方に配置され該切出しロールの回転方向とは逆方向へ回転する補助ロールとで構成され、サイロ状を成す採血管ストッカーの単体を縦列に複数個並設し、これらの縦列の採血管ストッカーの下方に亘って移動可能なバケット式の搬送手段を配設し、該バケット式搬送手段の終端側にこれと直交する方向に採血管供給コンベアを配設し、該採血管供給コンベアの終端側にこれと直交する方向へ採血管を押し出すことのできるスライダーを配設し、スライダーに近接してラベルの印字・貼付装置を配設し、採血管供給コンベアの下方に、これと平行して駆動する排出コンベアを配置し、前記採血管ストッカーの下方空間に、手貼りラベル印字装置を配置し、該手貼りラベル印字装置の手前側にトレイ載置部を設け、ラベルの印字・貼付装置から排出されたラベル貼着後の採血管を前記排出コンベアでトレイの中へ排出すると共に、手貼りラベル印字装置で印字された手貼りラベルをトレイの中へ排出するようにしたことを特徴とするバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項4の手段は、上面側に矩形状の開口部が形成され、横置き状態の採血管を複数列並べることのできる奥行き寸法を有し、採血管の長さ以上の横幅寸法を有し、採血管を上下に複数段重ねて収容することのできる高さ寸法を有するストッカー本体と、該ストッカー本体の下端側に採血管を収容することのできる凹溝が周面上に形成された円柱状の切出しロールと、該切出しロールの上方に配置され該切出しロールの回転方向とは逆方向へ回転する補助ロールとで構成され、サイロ状を成す採血管ストッカーの単体を縦列に複数個並設すると共に、これらの縦列の採血ストッカー群を横列に複数列並設し各縦列の採血管ストッカーの下方に亘って移動可能なバケット式の搬送手段を配設し、該バケット式搬送手段の終端側にこれと直交する方向に採血管供給コンベアを配設し、該採血管供給コンベアの終端側にこれと直交する方向へ採血管を押し出すことのできるスライダーを配設し、スライダーに近接してラベルの印字・貼付装置を配設し、採血管供給コンベアの下方に、これと平行して駆動する排出コンベアを配置し、前記採血管ストッカーの下方空間に、手貼りラベル印字装置を配置し、該手貼りラベル印字装置の手前側にトレイ載置部を設け、ラベルの印字・貼付装置から排出されたラベル貼着後の採血管を前記排出コンベアでトレイの中へ排出すると共に、手貼りラベル印字装置で印字された手貼りラベルをトレイの中へ排出するようにしたことを特徴とするバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項5の手段は、バケット式搬送手段は、各縦列の採血管ストッカーの下方間に亘って配置された軌道と、これに装着された移動体と、移動体に揺動自在に枢着された支持体と、支持体の上部に取り付けられた断面逆ハの字状のバケットと、支持体をバケットが常に上方向を向くように付勢するスプリングと、軌道の終端側で前記支持体に当接してその移動を停止するストッパーとから成り、バケットは常時は上方向を向いており、支持体がストッパーに当接した時は前記スプリングの付勢力に抗して傾斜するようになっている前記請求項1乃至4のいずれか一つに記載のバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項6の手段は、各縦列において、採血管供給コンベアに近い手前の採血管ストッカーの切出しロールは、切り出した採血管を直接前記採血管供給コンベアに落下供給し、他の採血管ストッカーの切出しロールはバケット式搬送手段に落下供給するものである前記請求項1乃至5のいずれか一つに記載のバケット式チューブディスペンサーである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項7の手段は、各採血管ストッカーは、ストッカー本体と、切出しロールと、補助ロールと、該補助ロール及び切出しロールの駆動モータとがユニット化されて装置本体に脱着自在に取り付けられている前記請求項1乃至のいずれか一つに記載のバケット式チューブディスペンサーである。
請求項1の発明にあっては、ストッカー本体の上面側の開口部から採血管を寝かした状態(横置き)でそのまま投入するだけで採血管の補充が行えるので補充作業が極めて簡単である。ストッカー本体は、横置き状態の採血管を複数列並べることのできる奥行き寸法を有し、採血管の長さ以上の横幅寸法を有し、採血管を複数段重ねて収容することのできる高さ寸法を有している。そのため、一つのストッカー本体に30本前後若しくはそれ以上の任意の本数の採血管をストックすることが可能である。これらの本数をストックするストッカーを横二列で、縦四列に並べて図2〜図4に示すように配置し、八管種の採血管を取り扱うことのできる構成とした場合であっても、奥行き540mm×横幅500mm×高さ450mmという極めてコンパクトな外形寸法に仕上げることが可能である。
ストッカー本体の下端側には、回転することにより採血管を一本ずつ切り出すことのできる切出しロールが配設されている。切出しロールは、周面上に凹溝が形成され、採血管が一本ずつこの凹溝に入り込むことで、一本ずつ切り出すようにしている。
また切出しロールの上方には、該切出しロールの回転方向とは逆方向へ回転する補助ロールが配設されている。この補助ロールの逆回転により、ゴムキャップ採血管などのように、採血管どうしがくっついて切り出されようとする場合に、切出しロールの凹溝へ入り込んだ採血管にくっついている採血管を反対側へ押し返して分離させ、確実に凹溝へ入り込んだ採血管のみを切出すことができるようにする働きを成している。
この発明の装置では、上記構成のストッカーが複数個並設されている。そして、各採血管ストッカーの下方に亘って一連のバケット式搬送手段を配設し、該バケット式搬送手段の終端側にこれと直交する方向に採血管供給コンベアを配設している。各ストッカーから切り出された採血管は、バケット式搬送手段から採血管供給コンベアへ移し替えられ、該採血管供給コンベアの終端側に配設されたスライダーで、ラベルの印字・貼付装置へ供給され、患者ID等の所要事項が印字されたラベルが自動的に採血管に貼着されるようになっている。ラベル貼り付け後の採血管は、トレイに収容され、一人の患者分の採血管が自動的に準備される。
請求項2の発明は、前記請求項1の発明における縦列の採血管ストッカー群を横列に複数列設けたものである。
請求項3の発明にあっては、前記請求項1の発明に加えて、各採血管ストッカーの下方空間を手貼りラベル印字装置の設置空間に利用したものである。そして、手貼りラベル印字装置の手前側にトレイ載置部を設け、ラベルが貼着された採血管を前記トレイ載置部まで搬送するための排出コンベアを採血管供給コンベアの下方に、これと平行して配置している。
これにより、ラベルの印字・貼付装置から排出されたラベル貼着後の採血管を前記排出コンベアでトレイの中へ排出することができ、また手貼りラベル印字装置で印字された手貼りラベルを同じトレイの中へ排出することができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明における縦列の採血管ストッカー群を横列に複数列設けたものである。
請求項5の発明は、バケット式搬送手段の構成に係るものである。該コンベアは、断面逆ハの字状のバケットが常時は上方向を向くように取り付けられた支持体を有し、支持体は各ストッカーの下方間に亘って配置された軌道上の移動体に揺動自在に枢着されている。また支持体は、バケットが常に上方向を向くようにスプリングにより付勢されており、軌道の終端側には前記支持体に当接してその移動を停止するストッパーが配置されている。従って、バケットは常時はスプリングの付勢力により上方向を向いており、支持体がストッパーに当接した時は前記スプリングの付勢力に抗して傾斜し、バケットに収容された採血管を供給コンベアに落下排出するようになっている。
請求項6の発明にあっては、採血管供給コンベアに近い手前の採血管ストッカーの切出しロールは、切り出した採血管を直接前記採血管供給コンベアに落下供給し、他の採血管ストッカーの切出しロールはバケット式搬送手段に落下供給するようにストッカーの配置位置を設定している。これにより、手前の最初の採血管ストッカーを装置本体正面側に引き寄せることができ、装置全体の奥行き寸法の短縮化が可能である。
請求項7の発明にあっては、各採血管ストッカーは、ストッカー本体と、切出しロールと、補助ロールと、該補助ロール及び切出しロールの駆動モータとがユニット化されて装置本体に脱着自在に取り付けられている。このような構成とすることにより、修理・メンテナンスをストッカー単体で取り出して行うことができ、極めて便利である。
本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの全体を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの上部カバーを取り外した状態の全体を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す左側面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す右側面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーのバケット搬送手段を示す左側面図である。 本発明の他の実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す正面図である。 本発明の他の実施の形態に係るバケット式チューブディスペンサーの各機構部を示す左側面図である。
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。先ず、バケット式チューブディスペンサーを構成する機器及び機構などのレイアウトについて、図1乃至図5を参照して説明する。図1乃至図5はバケット式チューブディスペンサーの全体を示すものであり、図1は平面図、図2は上部カバーを取り外した状態の平面図、図3は左側面図、図4は右側面図、図5は正面図である。
図1の平面図に示すように、このチューブディスペンサーAは、複数個の採血管ストッカー1の装着部Bが左側半分程度の領域を占めて設けられている。この実施例では、ストッカー1は、ユニット方式で横二列、縦四列の合計八個のものが並設されており、装置本体2側の装着部Bに対してストッカー1のユニットを脱着自在に装着するようにしている。ユニットは、図3及び図4に最もよく表わされているように、ストッカー本体3と、切出しロール4と、切出し動作を補助し、確実にする補助ロール5とこれらのロールの駆動用モータ6とが一体として脱着できるようになっている。従って、採血管ストッカー1の交換修理などは、一つのユニットを単位としてワンタッチ式で行うことが可能であり、ユニット単体のみをセンドバックすることにより、遠隔地の保守・交換修理作業が行える。しかも、ユニット単体の代替品を先に準備しておくことで、採血業務を停止することなく採血業務を行うことが可能である。
またこのストッカー装着部Bの右側で装置本体内部にはラベルの印字・貼付手段の設置部Cが設けられている。
そして、ストッカー装着部Bの各ストッカー1の採血管排出部の下方には、各ストッカー1から切り出された採血管7を移送するためのバケット式搬送手段8の設置部Dが設けられ、更にその下方には電源ユニットやCPU、電子基板等を設置するための電子機器室Eが設けられている。バケット式搬送手段8は、この実施の形態では、ストッカーが横二列に設けられているので、図5の正面図に示すように二台が設置されており、縦列の各採血管ストッカー1から切り出された採血管1を二台のコンベア8がそれぞれ受け取ることができるようになされている。
更に、前記二台のバケット式搬送手段8の終端側(図3の右側)には、これらのコンベア8と直交する方向で、装置本体2の左端側から右端側に至る採血管供給コンベア9の設置部Fが設けられている。供給コンベア9の終端側(図2の右側)には、到着した採血管7を印字・貼付手段10へ押し出して供給するためのスライダー11が設けられている。
また装置本体2の手前側の前面扉12の上面には、スイッチ13及び各機構の状態を表示する設定状態表示部14の設置部Gが設けられている。
更に、装置本体2の右半分の上面(印字・貼付手段10の設置部Cの上部)には、ポップアップ式のタッチパネルモニター15が設けられている。このタッチパネルモニター15は、電子機器設置室Eに内臓されたコンピュータ(CPU)の入力部及びモニターを兼用するものであり、8インチ程度の大きさのものである。このタッチパネルモニター15には、例えば初期動作画面、メイン画面、詳細ステータス画面、メンテナンスメニュー画面等が表示される。またCPUにインストールされた中継ソフトを通じて、病院等の医療機関の病院情報システムHIS(Hospital Information System)や検査情報システムLIS(Laboratory
Information System)と通信を行った場合の通信状態やHIS及びLIS等のシステムから取得した患者情報、採血指示情報等を表示するようになっている。
更に、図5の正面図に示すように、印字・貼付手段の設置部Cの手前側にはトレイ16載置部Hが設けられており、患者情報や採血検査情報等が印字されたラベル貼付後の採血管を患者ごとにここに準備されたトレイ16内へ収容するようにしている。このトレイ載置部Hには、トレイ16の有無を検知するための光学的センサー(図示せず)が配置されている。センサーは、投光センサーから照射された光を受光センサーで検知するタイプのものや反射型の投受光センサーであってもよい。
更にまた、装置本体2の背面側には内蔵するコンピュータとのインターフェースとして、無線ボードや外部接続機器用ボード等の差込スロットル、R232C端子、音声入出力端子、FAX等との接続やその他の外部機器との接続に用いられるUSBポート、LAN接続ポート、外国等の各種の電源に対応できる複数の電源端子などが設けられている。
次に、チューブディスペンサーAを構成する各機器及び機構について、個別に説明する。先ず、採血管ストッカー1について、図2乃至図5を参照して説明する。図2はストッカー1の平面図、図3は同左側面図、図4は同右側面図、図5は同正面図である。図2の平面図に示すように、この実施の形態の採血管ストッカー1は、ステンレスやアルミ合金、鋼板等の薄い金属板を折り曲げることで矩形状の筐体(ストッカー本体3)を形成している。ストッカー本体3は、上下面を開口面としてあり、上部側の開口面は採血管7の投入口であり、また下部側の開口面には切出しロール4が配設されている。切出しロール4の外周面上には対向する位置に採血管7を落とし込んで収容するための凹溝17が設けられている。また切出しロール4と一方の筐体内面との間には、上下に動作する傾斜底板18が配設されており、採血管7が切出しロール4の凹溝17へ入り込み易いように工夫がなされている。
更に、切出しロール4の上部には、小径の補助ロール5が配設されている。補助ロール5は、切出しロール4とは逆方向へ回転しており、ゴムキャップ採血管などのように、採血管どうしがくっついて切り出されようとする場合に、凹溝17の採血管にくっついている採血管を反対側へ押し返して分離させ、確実に凹溝17へ入り込んだ採血管のみを切出すことができるようにする働きを成している。前記傾斜底板18の下方空間には、切出しロール4及び補助ロール5を駆動させ、また傾斜底板18を上下に動作させるためのモータ6が配設されている。
更にまた、補助ロールの上方でストッカー本体内には投入された採血管が切出しロール4に近づくに連れて、凹溝17へ入り込み易いようにこれを案内する湾曲した案内板3aが設けられている。また切出しロール4の近傍には、凹溝17へ入り込んだ採血管7が真上の位置に来た時に、この採血管7によって押し上げられるアタッチメントが設けられており、該アタッチメントは光センサーの赤外線信号等を遮断し、真上の位置で切出しロール4を待機準備させておく信号を発するようになっている。
各ストッカー1の下方に配設されたバケット式搬送手段8は、図5及び図6に最もよく表わされているように、この実施の形態では一本の軌道19に跨った移動体20を有し、移動体20に側面から見てL字状の支持体21が揺動自在に枢着されており、支持体21の上面には、断面逆ハの字状のバケット22が常時は上方向を向くように取り付けられている。23は、バケット22が常に上方向を向くように付勢するスプリングであり、移動体20と支持体21との間に懸架されている。軌道19の終端側には前記支持体21に当接してその移動を停止するストッパー24が配置されている。バケット22は、常時はスプリング23の付勢力により上方向を向いており、支持体21がストッパー24に当接した時は前記スプリング23の付勢力に抗して傾斜し、バケット22に収容された採血管7を供給コンベア9に落下排出するようになっている。なお、図6では説明の都合上、バケット22がストッカー1から採血管7を受け取る場合と、軌道19の終端側で採血管7を排出する場合とを同時に表わしている。また搬送手段8の終端側には、採血管7の有無を検出するセンサー(図示せず)が配設されている。これはスライダー11部分に待機する採血管があるときは、採血管7をスライダー11側へ供給しないようにするためである。
更に、移動体20の移動は、ラック・ピニオン方式でもよく、ベルト巻取り方式でもよく、チェーン駆動方式でもよく、更にはボールスクリュー方式であってもよい。
更に、採血管供給コンベア9に近い手前の採血管ストッカー1の切出しロール4は、切り出した採血管7を前記採血管供給コンベア9に直接落下供給するように、ストッカー1の全体位置を装置本体の正面側へ近くなるように配置している。これにより、ストッカー1の奥行き寸法の1/2程度、手前の最初の採血管ストッカーを装置本体正面側に引き寄せることができ、装置全体の奥行き寸法の短縮化が可能である。また最も手前側の採血管ストッカー1は、スライダー11の部分に採血管7が待機しているときは、切出しロール4が切出し動作を開始しないようになっている。
採血管供給コンベア9の終端側には、採血管7の到着検知板25が設けられている。到着検知板25は、通常の状態では、図5に示すように、斜めに傾斜した姿勢で待機しており、採血管7が送り込まれるとこれに押圧されて垂直下向きの状態となり、同時に採血管7の停止位置を決定するようになる。到着検知板25は、傾斜した待機状態では赤外線センサーやフォトセンサー等の投受光器からなる検知センサー(図示せず)の照射光が遮られ、採血管7が到着した垂直下向きの状態では投光器から照射された光が受光器で受光されるようになっている。
更に、採血管7の停止位置の側面部には、図2及び図5に示すように、採血管供給コンベア9の搬送方向と直交する方向へ往復動作する採血管7の切出用スライダー11が設けられており、採血管7をコンベア9から押し出してラベル貼付装置の貼付位置へ落下供給するようになっている。
なお、到着検知板25の直前には採血管7の向きを検知するための方向検知手段が設けられている(図示せず)。これは誤って採血管のキャップが先頭になって到着検知板25に当接して停止したときに、キャップによって投光器からの照射光が遮られ、採血管7の向きを検知することができるようにしたものである。この採血管7の向きを検知した信号は、ラベルの印字装置26へ出力され、採血管7の向きに応じてラベルの印字方向を正逆いずれかにするようにしている。
ラベル貼付装置27は、図4に示すように、連続した剥離紙上に貼付されたラベルの供給ロール28と、剥離紙を巻き取るための巻取ロール29とを有している。供給ロール24から繰り出されるラベルと剥離紙は、鋭角的に折り返して移動させることにより、腰が強い(剥離紙より弾力があって折れにくい)ラベルのみが剥離紙から剥離される。ラベルはそのまま直進して貼付装置27側へ供給され、後の残った剥離紙のみが巻取りロール29で巻き取られる。この剥離部の上流側には、ラベルへの患者情報等を印字するための印字装置26が配設されている。印字する情報は、当該チューブディスペンサーの制御部に内臓されたコンピュータ(CPU)のインターフェースを通じて上位の医事システム等のコンピュータ若しくは医師のコンピュータ端末などへ接続してこれらのデータベース若しくはハードディスクなどから取得するようになされている。更に、剥離紙から剥離されたラベルの進行方向には、駆動ローラ30及び支持ローラ31並びに進退自在な加圧ローラ32から成る貼付装置27が配設されている。更に、貼付装置27の斜め下方には、トレイ16の載置部Hが設けられている。
また図5に示すように、ラベル貼付装置27及び印字装置26の上方の位置には、手貼りラベルプリンタ33が配設されている。このプリンタ33は、本装置でストックされていない特殊な採血管の場合に、ラベルの印字のみを行い、ラベルの貼着は手貼りで行うようにしたものである。
次に、上記の如く構成されたチューブディスペンサーAの動作態様を説明する。先ず、装置本体2の上面に設けられた各ストッカー1の開口部を通じてストッカー内に、それぞれ異なる種類の採血管7を投入する。採血管7の向きは自由でよい。このような状態で装置本体2の電源スイッチをONにし、内蔵されたコンピュータのCPUを動作させて制御ソフトウェアを機能させ、上位のHISやLIS等のコンピュータ若しくは医師のコンピュータ端末などから採血する患者の採血情報を入手する。上位から入手した情報は、タッチパネルモニター15に表示される。
制御部は、前記入手した情報に基づいて、選択する採血管の種類を決定し、該当する種類の採血管7がストックされている採血管ストッカー1の駆動モータ6を駆動させ、切出しロール4を図3の時計方向へ回転させ、補助ロール5を反時計方向へ回転させる。また同時に該当する採血管ストッカー1の切出しロール4の下方にバケット22が位置するように、搬送手段8の移動体20を移動させて待機させる。前記切出しロール4と補助ロール5との駆動により、切出しロール4の凹溝17へ採血管7が入り込み収容される。そして、仮に凹溝17へ入り込んだ採血管7にキャップどうしがくっついている採血管7があったとしても、当該採血管7は補助ロール5によって押し返され、凹溝17の採血管7とは完全に分離される。そして、切出しロール4が更に時計方向へ回転すると、やがて凹溝17は下向きになり、これに収容された採血管7は下方で待機する搬送手段8の上向き状態のバケット22に自重により落下供給される。そして、搬送手段8の移動体20の移動により図3の右側へ搬送され、L字状の支持体21がストッパー24に当接する直前で一旦停止し、待機する。この待機状態は、搬送手段8の終端側のセンサーにより、採血管7が供給されてきたことを検知することができる。
採血管供給コンベア9の終端側に設けられたスライダー11の部分に採血管7が待機状態になければ、搬送手段8はその終端側で検知された採血管7を採血管供給コンベア9へ落とし込んで供給する。スライダー11部分に待機状態の採血管7があれば、この位置で採血管7を保持し、待機させるようにしている。また最も手前側の採血管ストッカー1の場合は、直接、採血管供給コンベア9の上へ切り出した採血管7を落下供給しているので、スライダー11部分に待機状態の採血管7がある場合は、切出しを行わないように設定されている。
採血管供給コンベア9は、落下供給された採血管7を図2及び図5の右側方向へ搬送する。採血管7は、コンベアの終端側でその先端が到着検知板25に当接してこれを押圧し、到着検知板25を傾斜した姿勢から垂直下向きの姿勢に揺動させて停止するようになる。なお、この停止位置では、図示しない採血管7の方向検知センサーが採血管7のキャップを検知するようにしている。キャップが検出された場合は、キャップが先頭になって搬送されたということであり、逆向きであるので印字装置22へその向きを知らせる信号を出力するようになっている。
また到着検知板25が垂直下向きの姿勢に押圧付勢されることで、投受光センサー等の到着検知手段が働き、採血管7が供給されて来たことを検知することができる。この到着検知信号により、供給コンベア9の搬送方向に直行する方向へ往復動作するスライダー11が動作を開始し、到着した採血管7を横方向へ押し出してラベル貼付装置27の受入部側へ落下させて供給する。貼付装置27では、加圧ローラ32が後退位置にあり、採血管7を受け取ると前進し、採血管7を駆動ローラ30と支持ローラ31側へ押圧付勢し、駆動ローラ30の駆動力を採血管7に伝達し、採血管7を周方向へ回転させる。
一方、ラベルの印字装置26では、ラベルロール28から繰り出されるラベルに上位コンピュータ及び医師のコンピュータ端末等から取得した患者ID、検査項目、採血管種、採血量などの採血情報の必要項目を印字する。印字する内容は、タッチモニター15に表示され、作業者は確認することができる。印字後のラベルは、剥離紙が図4に示すように、鋭角的に折り返して移動することで、腰の強いラベルのみがそのまま直進し、前記剥離紙から自然的に剥離される。そして、剥離されたラベルは、駆動ローラー30と採血管7の外周面との間に進入して巻き取られ、採血管7の外周面に貼付される。ラベル貼付後の採血管7は、加圧ローラ32が斜め下方(図4の左下方)へ後退復帰することにより、貼付部から解放されて自重により落下し、トレイ16内へ収容される。
以上により、一つの管種の一本の採血管の準備が完了する。以後は、他にも要求されている採血管があれば、その管種のストッカー1を駆動させ、順次、上述の動作を繰り返して採血管4をトレイ16内へ収容する。このようにして、上位コンピュータ及び医師のコンピュータ端末等からの情報で要求されている全ての管種の採血管の準備が完了すれば、一人の患者分についての採血用採血管の準備が完了したことになる。以後は同様にして他の患者の採血管を準備すればよい。
次に、図7の正面図及び図8の左側面図を参照して他の実施の形態について説明する。この実施の形態では、図1乃至図6に示す実施の形態の電子機器室Eに、手貼り用のプリンター33及びラベルロール35を配設し、装置本体の左下方正面側にトレイ16を配設している。そして、採血管供給コンベア9の下方に図7の右側から左側へラベル貼着後の採血管7を搬送するための排出コンベア34を配設している。従って、トレイ16には、手貼りラベルと、ラベル貼着後の採血管7のいずれもが収容されるようになっている。その他の構成並びに作用効果は、前記図1乃至図5に示す実施の形態の場合と同じである。
ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、タッチパネルモニター15は、8インチ程度のポップアップ式のものを示したが、これに限らずアーム式の19インチ程度の大きさの外付けモニターを取り付けることも可能である。この場合、タッチパネルモニターがコンピュータ(CPU)を内蔵するタイプのものであってもよい。
更に、図7及び図8に示す実施の形態では、タッチパネルモニター15の下方に位置する空間領域を電源装置やコンピュータ、電子基板等の電子機器室とすることも可能である。
1…採血管ストッカー
2…装置本体
3…ストッカー本体
4…切出しロール
5…補助ロール
6…駆動モータ
7…採血管
8…バケット式搬送手段
9…採血管供給コンベア
10…印字・貼付手段
11…スライダー
15…タッチパネルモニター
22…バケット
A…チューブディスペンサー
B…ストッカー設置部
C…印字・貼付手段の設置部
D…搬送手段の設置部D
E…電子機器室
F…供給コンベア設置部
G…表示手段設置部
H…トレイ載置部

Claims (6)

  1. 上面側に矩形状の開口部が形成され、横置き状態の採血管を複数列並べることのできる奥行き寸法を有し、採血管の長さ以上の横幅寸法を有し、採血管を上下に複数段重ねて収容することのできる高さ寸法を有するストッカー本体と、該ストッカー本体の下端側に採血管を収容することのできる凹溝が周面上に形成された円柱状の切出しロールとで構成されたサイロ状の採血管ストッカーを複数個並設し、各採血管ストッカーの下方に亘って移動可能なバケット式の搬送手段を配設し、該バケット式搬送手段の終端側にこれと直交する方向に採血管供給コンベアを配設し、該採血管供給コンベアの終端側にこれと直交する方向へ採血管を押し出すことのできるスライダーを配設し、スライダーに近接してラベルの印字・貼付装置を配設したことを特徴とするバケット式チューブディスペンサー。
  2. バケット式搬送手段は、各ストッカーの下方間に亘って配置された軌道と、これに装着された移動体と、移動体に揺動自在に枢着された支持体と、支持体の上部に取り付けられた断面逆ハの字状のバケットと、支持体をバケットが常に上方向を向くように付勢するスプリングと、軌道の終端側で前記支持体に当接してその移動を停止するストッパーとから成り、バケットは常時は上方向を向いており、支持体がストッパーに当接した時は前記スプリングの付勢力に抗して傾斜するようになっている前記請求項1に記載のバケット式チューブディスペンサー。
  3. 採血管供給コンベアに近い手前の採血管ストッカーの切出しロールは、切り出した採血管を直接前記採血管供給コンベアに落下供給し、他の採血管ストッカーの切出しロールはバケット式搬送手段に落下供給するものである前記請求項1又は2に記載のバケット式チューブディスペンサー。
  4. 採血管ストッカーが横に複数列配置されると共に、縦に複数列配置され、縦列の採血管ストッカー群の下方にそれぞれバケット式搬送手段が配設されている前記請求項1乃至3のいずれか一つに記載のバケット式チューブディスペンサー。
  5. 各採血管ストッカーは、ストッカー本体と、切出しロールと、切出しロールの駆動モータとがユニット化されて装置本体に脱着自在に取り付けられている前記請求項1乃至4のいずれか一つに記載のバケット式チューブディスペンサー。
  6. 採血管供給コンベアの下方に、これと平行して駆動する排出コンベアを配置し、各採血管ストッカーの下方空間に、手貼りラベル印字装置を配置し、該手貼りラベル印字装置の手前側にトレイ載置部を設け、ラベルの印字・貼付装置から排出されたラベル貼着後の採血管を前記排出コンベアでトレイの中へ排出すると共に、手貼りラベル印字装置で印字された手貼りラベルをトレイの中へ排出するようにした前記請求項1乃至5のいずれか一つに記載のバケット式チューブディスペンサー
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